JP2020158725A - 水性インクジェット用組成物および記録物の製造方法 - Google Patents

水性インクジェット用組成物および記録物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の記録媒体に対して優れた発色性を発揮することができるとともに、記録媒体に形成される記録部の風合いを優れたものとすることができる水性インクジェット用組成物を提供すること、また、発色性および風合いに優れた記録部を有する記録物を製造することができる記録物の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の水性インクジェット用組成物は、水と、昇華染料、分散染料のうちの少なくとも1種で構成される染料と、ポリエステルと、ウレタン樹脂とを含む。前記水性インクジェット用組成物中における前記染料の含有量をXD[質量%]、前記水性インクジェット用組成物中における前記ポリエステルの含有量をXE[質量%]としたとき、4.0≦XE/XD≦300の関係を満足するのが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、水性インクジェット用組成物および記録物の製造方法に関する。
近年、インクジェットプリントの用途が拡大しており、オフィス、家庭用の印刷機としてのほか、商業印刷、テキスタイルプリント等へも適用されている。
そして、昇華性を有する昇華染料、分散染料を含むインクジェット用インクも用いられている。
このようなインクジェット用インクとしては、染色すべき記録媒体へインクを付与した後、スチーミング等の熱処理により染料を染着させるダイレクトプリント法や、中間転写媒体に染料インクを付与した後、熱により染料を中間転写媒体側から染色すべき記録媒体へ昇華転写させる熱転写プリント法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−58638号公報
しかしながら、良好な発色を得るためには、記録媒体の表面がポリエステルで構成されている必要があり、適用することができる記録媒体の種類に制限があった。熱処理の温度を高めることにより、昇華染料、分散染料の発色性が改善することもあるが、記録媒体によっては、記録媒体そのものが溶融してしまったり、焦げてしまうこと等により不本意な変色を生じてしまったりすることがある。また、従来では、記録媒体に形成されたインクジェットインクによる記録部の風合いが低いものとなるという問題もあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することができる。
本発明の適用例に係る水性インクジェット用組成物は、水と、
昇華染料、分散染料のうちの少なくとも1種で構成される染料と、
ポリエステルと、
ウレタン樹脂とを含む。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物は、さらに、オキサゾリン基含有ポリマーを含む。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物では、前記水性インクジェット用組成物中における前記染料の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下である。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物では、前記水性インクジェット用組成物中における前記ポリエステルの含有量が5質量%以上30質量%以下である。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物では、前記水性インクジェット用組成物中における前記ウレタン樹脂の含有量が2.5質量%以上15質量%以下である。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物では、前記水性インクジェット用組成物中における前記染料の含有量をX[質量%]、前記水性インクジェット用組成物中における前記ポリエステルの含有量をX[質量%]としたとき、4.0≦X/X≦300の関係を満足する。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物では、前記水性インクジェット用組成物中における前記染料の含有量をX[質量%]、前記水性インクジェット用組成物中における前記ウレタン樹脂の含有量をX[質量%]としたとき、2.0≦X/X≦150の関係を満足する。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物では、前記水性インクジェット用組成物中における前記ポリエステルの含有量をX[質量%]、前記水性インクジェット用組成物中における前記ウレタン樹脂の含有量をX[質量%]としたとき、1.5≦X/X≦5.0の関係を満足する。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物では、前記ポリエステルのガラス転移点は、0℃以上90℃以下である。
また、本発明の他の適用例に係る水性インクジェット用組成物では、前記染料は、C.I.ディスパース・イエロー54、C.I.ディスパース・レッド60、C.I.ディスパース・ブルー360、C.I.ディスパース・ブルー359、C.I.ディスパース・オレンジ25、C.I.ディスパース・オレンジ60、C.I.ディスパース・レッド364、およびC.I.ディスパース・イエロー232よりなる群から選択される1種または2種以上である。
本発明の適用例に係る記録物の製造方法は、本発明の水性インクジェット用組成物を、インクジェット法により吐出し、記録媒体に付与する付与工程と、
前記水性インクジェット用組成物が付与された前記記録媒体を加熱する加熱工程とを有する。
また、本発明の他の適用例に係る記録物の製造方法では、前記記録媒体は、布帛である。
また、本発明の他の適用例に係る記録物の製造方法では、前記記録媒体は、絹、羊毛、セルロース、アクリル、ポリウレタン、およびポリアミドよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものである。
また、本発明の他の適用例に係る記録物の製造方法では、前記記録媒体は、ポリエステルと、綿、絹、ポリアミド、アクリルおよびポリウレタンよりなる群から選択される1種または2種以上とを含む材料で構成されたものである。
また、本発明の他の適用例に係る記録物の製造方法では、前記加熱工程における前記記録媒体の加熱温度が100℃以上160℃以下である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<1>水性インクジェット用組成物
まず、本発明の水性インクジェット用組成物について説明する。
本発明の水性インクジェット用組成物は、水と、昇華染料、分散染料のうちの少なくとも1種で構成される染料と、ポリエステルと、ウレタン樹脂とを含む。
このような条件を満足することにより、種々の記録媒体に対して優れた発色性を発揮することができるとともに、記録媒体に形成される記録部の風合いを優れたものとすることができる水性インクジェット用組成物を提供することができる。特に、前記染料とともに、ポリエステルおよびウレタン樹脂を含むことにより、記録媒体への記録部の定着性を優れたものとすることができるとともに、記録媒体に形成される記録部の風合いを優れたものとすることができる。向上する風合いとしては、例えば、なめらかさ、しなやかさ、柔らかさ等が挙げられ、また、記録媒体が布帛等のシート状の部材である場合での記録物における皺のつきにくさ、より具体的には、記録物を洗濯した際の皺の付きにくさも向上する。また、記録媒体への熱処理を比較的低温、比較的短時間で行った場合でも優れた発色性が発揮される。また、記録媒体への熱処理を比較的低温、比較的短時間で行った場合でも優れた発色性が発揮されるため、耐熱性の低い記録媒体、例えば、比較的低温の熱処理で溶融する材料や、不本意な変色を生じる材料で構成された記録媒体にも、好適に適用することができ、記録媒体の選択の幅が広がる。また、記録媒体への熱処理を比較的低温、比較的短時間で行った場合でも優れた発色性が発揮されるため、省エネルギーや記録物の生産性の向上の観点からも有利である。また、本発明の水性インクジェット用組成物は、後に詳述するような転写工程を有さない記録物の製造方法に適用することができ、記録物の生産性向上、記録物の生産コストの低減、省資源の観点等からも好ましい。また、前記染料を効率よく発色させることができるため、水性インクジェット用組成物中における前記染料の含有量が少ない場合であっても、製造される記録物において、十分な色濃度を確保することができる。
上記のような優れた効果が得られるのは、以下のような理由によるものであると考えられる。すなわち、昇華染料、分散染料は、加熱により、昇華または拡散する性質を有している一方で、ポリエステルは、主鎖にエステル結合を有しており、加熱により、エステル結合の一部が分解し、カルボキシル基と水酸基とに分解し、冷却により、当該カルボキシル基と水酸基とが再結合する。したがって、昇華染料、分散染料のうちの少なくとも1種と、ポリエステルとが接近して存在する状態で加熱することにより、昇華または拡散により、昇華染料、分散染料が単分子状態となり、その後冷却することにより、ポリエステル中において、昇華染料、分散染料の単分子状態が保持され、優れた発色性を呈するものと考えられる。また、従来の昇華転写に比べて、昇華染料、分散染料の移動距離が短い場合であっても、昇華染料、分散染料を単分子状態とすることができるため、比較的低温、比較的短時間の加熱処理でも十分に優れた発色性を確保することができる。
そして、昇華染料、分散染料は、単分子状態により優れた発色性を発揮するのであって、複数個の分子が凝集した状態では、その含有量が大きくても、単分子状態の場合に比べて、発色性は、非常に劣ったものとなる。
また、ポリエステルとともに、ポリエステルとの親和性に優れるウレタン樹脂を含むことにより、記録媒体に形成される記録部の記録媒体に対する定着性を優れたものとしつつ、記録部の風合いを優れたものとすることができる。
これに対し、前記の条件を満たさない場合には、満足のいく結果が得られない。
例えば、水性インクジェット用組成物がポリエステルを含まない場合、表面がポリエステルで構成されている記録媒体以外に対しては、単分子状態の昇華染料、分散染料の割合を十分に高めることが困難となり、満足のいく発色性を発揮することができない。
また、水性インクジェット用組成物がウレタン樹脂を含まない場合、水性インクジェット用組成物を用いて製造される記録物の記録部における風合いが著しく低下する。また、記録部の記録媒体に対する定着性も低下する。
なお、本明細書において、水性インクジェット用組成物とは、インクジェット法により吐出されるインクそのもののほか、当該インクの調製に用いられる原液を含む概念である。言い換えると、本発明の水性インクジェット用組成物は、そのまま、インクジェット法により吐出に供されるものであってもよいし、希釈等の処理の後にインクジェット法により吐出に供されるものであってもよい。また、本明細書において、水性インクジェット用組成物とは、少なくとも水を主要な揮発性液体成分とするものであり、水性インクジェット用組成物を構成する揮発性液体成分中に占める水の割合は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。
<1−1>特定染料
本発明の水性インクジェット用組成物は、昇華染料、分散染料のうちの少なくとも1種で構成される染料を含んでいる。以下の説明では、前記染料を「特定染料」とも言う。
特定染料は、一般に、ポリエステルに対しては、優れた発色性を示すものの、他の記録媒体、例えば、羊毛、セルロース、綿、絹、ポリエステル、ポリアミド、アクリルおよびポリウレタン等で構成された記録媒体に対しては、発色性に劣っている。
昇華染料、分散染料としては、例えば、C.I.ディスパース・イエロー1、3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、61、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、154、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、201、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232;C.I.ディスパース・オレンジ1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、60、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142;C.I.ディスパース・レッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、364;C.I.ディスパース・バイオレット1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77;C.I.ディスパース・グリーン9;C.I.ディスパース・ブラウン1、2、4、9、13、19;C.I.ディスパース・ブルー3、7、9、14、16、19、20、24、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、92、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、359、360;C.I.ディスパース・ブラック1、3、10、24等が挙げられる。
また、昇華蛍光染料、分散蛍光染料としては、例えば、C.I.ディスパース・レッド364、C.I.ディスパース・レッド362、C.I.バット・レッド41、C.I.ディスパース・イエロー232、C.I.ディスパース・イエロー184、ディスパース・イエロー82、ディスパース・イエロー43等が挙げられる。
特定染料としては、上記の昇華染料、分散染料を、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、特定染料は、C.I.ディスパース・イエロー54、C.I.ディスパース・レッド60、C.I.ディスパース・ブルー360、C.I.ディスパース・ブルー359、C.I.ディスパース・オレンジ25、C.I.ディスパース・オレンジ60、C.I.ディスパース・レッド364、およびC.I.ディスパース・イエロー232よりなる群から選択される1種または2種以上であるのが好ましい。
これにより、記録物における記録部の発色性をより優れたものとすることができる。また、より低温、より短時間の加熱処理でも、十分な発色性を確保することができる。
水性インクジェット用組成物中における特定染料の含有量の下限は、0.1質量%であるのが好ましく、0.15質量%であるのがより好ましく、0.2質量%であるのがさらに好ましい。また、水性インクジェット用組成物中における特定染料の含有量の上限は、7.5質量%であるのが好ましく、3.0質量%であるのがより好ましく、2.4質量%であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物を用いて製造される記録物の記録部における発色性、光学濃度をより優れたものとすることができるとともに、記録物における不本意な色むらの発生等をより効果的に防止することができる。
<1−2>ポリエステル
本発明の水性インクジェット用組成物は、ポリエステルを含んでいる。
ポリエステルは、一般に、前述した特定染料により好適に染色され得る。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
また、ポリエステルとしては、主鎖にエステル結合を有する高分子材料であればよく、例えば、変性ポリエステルであってもよい。
本発明の水性インクジェット用組成物の調製に用いることのできる市販のポリエステルとしては、例えば、日本合成化学社製のポリエスター、互応化学工業社製のプラスコート、東亜合成社製のアロンメルト、ユニチカ社製のエリーテル、高松油脂社製のペスレジン、第一工業製薬社製のスーパーフレックス、東洋紡社製のバイロナール、東ソー社製のポリエステルポリオールのニッポラン等が挙げられる。なお、ポリエステル水分散体として市販されている物を用いる場合、ポリエステルの含有量としては、固形分としてのポリエステルの含有量が前述した関係を満足するように調整する。
本発明の水性インクジェット用組成物を構成するポリエステルの酸価の下限は、1.0KOHmg/gであるのが好ましく、1.5KOHmg/gであるのがより好ましく、2.0KOHmg/gであるのがさらに好ましい。また、本発明の水性インクジェット用組成物を構成するポリエステルの酸価の上限は、15KOHmg/gであるのが好ましく、10KOHmg/gであるのがより好ましく、5.0KOHmg/gであるのがさらに好ましい。
これにより、種々の記録媒体における特定染料の発色性をより優れたものとすることができる。
本発明の水性インクジェット用組成物を構成するポリエステルの水酸基価の下限は、1.0KOHmg/gであるのが好ましく、2.0KOHmg/gであるのがより好ましく、3.0KOHmg/gであるのがさらに好ましい。また、本発明の水性インクジェット用組成物を構成するポリエステルの水酸基価の上限は、20KOHmg/gであるのが好ましく、15KOHmg/gであるのがより好ましく、10KOHmg/gであるのがさらに好ましい。
これにより、種々の記録媒体における特定染料の発色性をより優れたものとすることができる。
本発明の水性インクジェット用組成物を構成するポリエステルの数平均分子量の下限は、3000であるのが好ましく、6000であるのがより好ましく、10000であるのがさらに好ましい。また、本発明の水性インクジェット用組成物を構成するポリエステルの数平均分子量の上限は、25000であるのが好ましく、20000であるのがより好ましく、18000であるのがさらに好ましい。
これにより、種々の記録媒体における特定染料の発色性をより優れたものとすることができる。
前記ポリエステルのガラス転移点の下限は、0℃であるのが好ましく、25℃であるのがより好ましく、40℃であるのがさらに好ましい。また、前記ポリエステルのガラス転移点の上限は、90℃であるのが好ましく、75℃であるのがより好ましく、70℃であるのがさらに好ましい。
これにより、ポリエステルの記録媒体に対する定着のし易さ、および、水性インクジェット用組成物を用いて製造される記録物の耐久性を、より高いレベルで両立することができる。
ポリエステルは、水性インクジェット用組成物中において、いかなる形態であってもよい。例えば、ポリエステルは、水性インクジェット用組成物中に、溶解状態で含まれていてもよいし、コロイド状態、乳化状態等を含む分散状態で含まれていてもよい。また、ポリエステルはゲル化した状態で含まれていてもよい。また、水性インクジェット用組成物中において、ポリエステルは、特定染料やウレタン樹脂の表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。また、これらの状態が混在していてもよい。
水性インクジェット用組成物が粒子状のポリエステルを含有しているものである場合、当該ポリエステルの平均粒径の下限は、20nmであるのが好ましく、40nmであるのがより好ましく、60nmであるのがさらに好ましい。また、当該ポリエステルの平均粒径の上限は、300nmであるのが好ましく、250nmであるのがより好ましく、200nmであるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物の調製を容易に行うことができるとともに、水性インクジェット用組成物中におけるポリエステルの分散安定性、水性インクジェット用組成物の保存安定性、水性インクジェット用組成物のインクジェット法による吐出安定性をより優れたものとすることができる。また、水性インクジェット用組成物を記録媒体に付着した後における単分子状態の特定染料の吸着をより好適に行うことができ、特定染料の発色性をより優れたものとすることができる。
なお、本明細書において、平均粒径とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径のことを指す。平均粒径は、例えば、マイクロトラックUPA(日機装社製)を用いた測定により求めることができる。
水性インクジェット用組成物中におけるポリエステルの含有量の下限は、2質量%であるのが好ましく、5質量%であるのがより好ましく、10質量%であるのがさらに好ましい。また、水性インクジェット用組成物中におけるポリエステルの含有量の上限は、40質量%であるのが好ましく、30質量%であるのがより好ましく、20質量%であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物の保存安定性、水性インクジェット用組成物のインクジェット法による吐出安定性をより優れたものとすることができる。また、水性インクジェット用組成物を用いて製造される記録物における記録部の定着のし易さ、記録物の耐久性をより優れたものとすることができる。
水性インクジェット用組成物中における特定染料の含有量をX[質量%]、水性インクジェット用組成物中におけるポリエステルの含有量をX[質量%]としたとき、X/Xの下限は、4.0であるのが好ましく、10であるのがより好ましく、30であるのがさらに好ましい。また、X/Xの上限は、300であるのが好ましく、150であるのがより好ましく、60であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物を用いて形成される記録部の発色性、および、記録物における記録部の記録媒体に対する密着性、記録物の耐久性をより高いレベルで両立することができる。
<1−3>ウレタン樹脂
本発明の水性インクジェット用組成物は、ウレタン樹脂を含んでいる。
ウレタン樹脂は、一般に、優れた柔軟性を有するとともに、ポリエステルとの親和性に優れている。
ウレタン樹脂は、分子内にウレタン結合を有する高分子化合物であればよい。
本発明の水性インクジェット用組成物の調製に用いることのできる市販のウレタン樹脂としては、例えば、宇部興産社製のUW1527F、三井化学ポリウレタン社製のタケラックW−6061、住化バイエルウレタン社製ディスモジュールW、DIC社製ポリウレタンディスパージョン ハイドランAP−40F等が挙げられる。
本発明の水性インクジェット用組成物を構成するウレタン樹脂の数平均分子量の下限は、1000であるのが好ましく、3000であるのがより好ましく、6000であるのがさらに好ましい。また、本発明の水性インクジェット用組成物を構成するウレタン樹脂の数平均分子量の上限は、30000であるのが好ましく、20000であるのがより好ましく、10000であるのがさらに好ましい。
これにより、ウレタン樹脂とポリエステルとの親和性をより優れたものとすることができ、水性インクジェット用組成物を用いて製造される記録物の記録部における風合いや、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、膜強度等をより優れたものとすることができる。
ウレタン樹脂のガラス転移点の下限は、−80℃であるのが好ましく、−70℃であるのがより好ましく、−60℃であるのがさらに好ましい。また、ウレタン樹脂のガラス転移点の上限は、20℃であるのが好ましく、10℃であるのがより好ましく、0℃であるのがさらに好ましい。
これにより、ウレタン樹脂とポリエステルとの親和性をより優れたものとすることができ、水性インクジェット用組成物を用いて製造される記録物の記録部における風合いや、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、膜強度等をより優れたものとすることができる。
ウレタン樹脂は、水性インクジェット用組成物中において、いかなる形態であってもよい。例えば、ウレタン樹脂は、水性インクジェット用組成物中に、溶解状態で含まれていてもよいし、コロイド状態、乳化状態等を含む分散状態で含まれていてもよい。また、ウレタン樹脂はゲル化した状態で含まれていてもよい。また、水性インクジェット用組成物中において、ウレタン樹脂は、特定染料やポリエステルの表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。また、これらの状態が混在していてもよい。
水性インクジェット用組成物中におけるウレタン樹脂の含有量の下限は、2.5質量%であるのが好ましく、3質量%であるのがより好ましく、3.5質量%であるのがさらに好ましい。また、水性インクジェット用組成物中におけるウレタン樹脂の含有量の上限は、15質量%であるのが好ましく、12質量%であるのがより好ましく、10質量%であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物を用いて製造される記録物の耐久性、発色性等を十分に優れたものとしつつ、記録物の記録部における風合い等をより優れたものとすることができる。また、水性インクジェット用組成物の保存安定性、水性インクジェット用組成物のインクジェット法による吐出安定性をより優れたものとすることができる。
水性インクジェット用組成物中における特定染料の含有量をX[質量%]、水性インクジェット用組成物中におけるウレタン樹脂の含有量をX[質量%]としたとき、X/Xの下限は、2.0であるのが好ましく、4.0であるのがより好ましく、6.0であるのがさらに好ましい。また、X/Xの上限は、150であるのが好ましく、100であるのがより好ましく、30であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物を用いて形成される記録部の発色性および風合いをより高いレベルで両立することができる。
水性インクジェット用組成物中におけるポリエステルの含有量をX[質量%]、水性インクジェット用組成物中におけるウレタン樹脂の含有量をX[質量%]としたとき、X/Xの下限は、1.5であるのが好ましく、1.6であるのがより好ましく、1.7であるのがさらに好ましい。また、X/Xの上限は、5.0であるのが好ましく、4.7であるのがより好ましく、4.3であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物を用いて形成される記録部の発色性および風合いをより高いレベルで両立することができる。
<1−4>水
水性インクジェット用組成物は、水を含んでいる。当該水は、主に、水性インクジェット用組成物に流動性を付与する機能を有しており、前述したポリエステル、ウレタン樹脂等の溶媒や分散剤として機能する。
水としては、例えば、RO水、蒸留水、イオン交換水等の純水を用いてもよい。
水性インクジェット用組成物中における水の含有量の下限は、特に限定されないが、30質量%であるのが好ましく、35質量%であるのがより好ましく、40質量%であるのがさらに好ましい。また、水性インクジェット用組成物中における水の含有量の上限は、特に限定されないが、85質量%であるのが好ましく、80質量%であるのがより好ましく、75質量%であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物の粘度をより確実に好適な値に調整することができ、インクジェット法による吐出安定性をより向上させることができる。
<1−5>水以外の溶剤
水性インクジェット用組成物は、水以外の溶剤を含んでいてもよい。
これにより、水性インクジェット用組成物の粘度を好適に調整したり、水性インクジェット用組成物の保湿性を高めたりすることができる。その結果、インクジェット法による液滴吐出をより安定的に行うことができる。
水性インクジェット用組成物中に含まれる水以外の溶剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、2−ピロリドン等が挙げられる。
これらの溶剤を含むことにより、優れた保湿能により蒸発速度を緩やかにし、より安定的な液滴吐出を行うことができる。
水性インクジェット用組成物中に含まれる水以外の溶剤の含有量の下限は、特に限定されないが、0質量%であるのが好ましく、3質量%であるのがより好ましく、5質量%であるのがさらに好ましい。また、水性インクジェット用組成物中に含まれる水以外の溶剤の含有量の上限は、特に限定されないが、30質量%であるのが好ましく、25質量%であるのがより好ましく、20質量%であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した水以外の溶剤を含むことによる効果がより顕著に発揮される。
<1−6>オキサゾリン基含有ポリマー
水性インクジェット用組成物は、さらに、オキサゾリン基含有ポリマーを含んでいてもよい。
これにより、当該オキサゾリン基含有ポリマーがウレタン樹脂の硬化剤として機能し、水性インクジェット用組成物により形成される記録部の風合いを十分に優れたものとしつつ、当該記録部の膜強度、記録物の耐久性をより優れたものとすることができる。
オキサゾリン基含有ポリマーとしては、例えば、主鎖を構成するモノマーが、アクリル構造を有するもの、スチレン構造を有するもの等を好適に用いることができる。
また、オキサゾリン基含有ポリマーとしては、水溶性のポリマー、エマルジョン型のような水分散性のポリマー等を用いることができる。
本発明の水性インクジェット用組成物の調製に用いることのできる市販のオキサゾリン基含有ポリマーとしては、例えば、日本触媒社製のエポクロス、SIGMA−ALDRICH製のポリオキサゾリン、花王社製のエラストマーOS等が挙げられる。
水性インクジェット用組成物中におけるオキサゾリン基含有ポリマーの含有量の下限は、0.1質量%であるのが好ましく、0.2質量%であるのがより好ましく、0.3質量%であるのがさらに好ましい。また、水性インクジェット用組成物中におけるオキサゾリン基含有ポリマーの含有量の上限は、3.0質量%であるのが好ましく、2.5質量%であるのがより好ましく、2.0質量%であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物により形成される記録部の風合いと、当該記録部の膜強度、記録物の耐久性とをより高いレベルで両立することができる。
水性インクジェット用組成物中におけるオキサゾリン基含有ポリマーの含有量をX[質量%]、水性インクジェット用組成物中におけるウレタン樹脂の含有量をX[質量%]としたとき、X/Xの下限は、0.01であるのが好ましく、0.03であるのがより好ましく、0.05であるのがさらに好ましい。また、X/Xの上限は、0.6であるのが好ましく、0.5であるのがより好ましく、0.3であるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物により形成される記録部の発色性、および、当該記録部の風合い、膜強度、記録物の耐久性をより高いレベルで両立することができる。
<1−7>その他の成分
水性インクジェット用組成物は、前述した成分以外の成分を含んでいてもよい。以下、このような成分をその他の成分とも言う。
その他の成分としては、例えば、特定染料以外の着色剤、ポリエステル、ウレタン樹脂以外の樹脂材料、各種界面活性剤、各種分散剤、乳化剤、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の浸透剤、トリエタノールアミン等の乾燥抑制剤、pH調整剤、エチレンジアミン四酢酸塩等のキレート化剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤等が挙げられる。防腐剤・防かび剤としては、例えば、分子内にイソチアゾリン環構造を有する化合物を好適に用いることができる。
特に、水性インクジェット用組成物が界面活性剤を含んでいると、記録媒体に対する水性インクジェット用組成物の濡れ性をより好適なものとすることができ、より良好な画質を得る上で有利である。
水性インクジェット用組成物中に含まれる界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の各種界面活性剤を用いることができる。
より具体的には、水性インクジェット用組成物中に含まれる界面活性剤としては、例えば、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
水性インクジェット用組成物中におけるその他の成分の含有量は、6質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。なお、その他の成分として複数種の成分を含む場合は、これらの含有量の総和が、上記の条件を満足するのが好ましい。
水性インクジェット用組成物の25℃における表面張力の下限は、特に限定されないが、20mN/mであるのが好ましく、21mN/mであるのがより好ましく、23mN/mであるのがさらに好ましい。また、水性インクジェット用組成物の25℃における表面張力の上限は、特に限定されないが、50mN/mであるのが好ましく、40mN/mであるのがより好ましく、30mN/mであるのがさらに好ましい。
これにより、インクジェット方式による吐出装置のノズルの詰まり等がより生じにくくなり、水性インクジェット用組成物の吐出安定性がより向上する。また、ノズルの詰まりを生じた場合でも、ノズルにキャップをすること、すなわち、キャッピングによる回復性をより優れたものとすることができる。
なお、表面張力としては、ウィルヘルミー法により測定した値を採用することができる。表面張力の測定は、例えば、協和界面科学社製のCBVP−7等の表面張力計を用いることができる。
水性インクジェット用組成物の25℃における粘度の下限は、特に限定されないが、2mPa・sであるのが好ましく、3mPa・sであるのがより好ましく、4mPa・sであるのがさらに好ましい。また、水性インクジェット用組成物の25℃における粘度の上限は、特に限定されないが、30mPa・sであるのが好ましく、20mPa・sであるのがより好ましく、10mPa・sであるのがさらに好ましい。
これにより、水性インクジェット用組成物の吐出安定性がより向上する。
なお、粘度は、25℃にて、例えば、Pysica社製のMCR−300等の粘弾性試験機を用いて、Shear Rateを10[s−1]から1000[s−1]に上げていき、Shear Rate200の時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
本発明の水性インクジェット用組成物がインクである場合、当該インクは、通常、カートリッジ、袋、タンク等の容器に収納された状態で、インクジェット法による記録装置に適用される。言い換えると、本発明に係る記録装置は、本発明の水性インクジェット用組成物としてのインクを収納するインクカートリッジ等の容器を備えるものである。
<2>記録物の製造方法
次に、本発明の記録物の製造方法について説明する。
本発明の記録物の製造方法は、前述した本発明に係る水性インクジェット用組成物を、インクジェット法により吐出し、記録媒体に付与する付与工程と、前記水性インクジェット用組成物が付与された前記記録媒体を加熱する加熱工程とを有する。
これにより、発色性および風合いに優れた記録部を有する記録物を製造することができる。特に、種々の記録媒体に対して発色性および風合いに優れた記録部を形成することができる。
<2−1>付与工程
付与工程では、インクジェット方式により、水性インクジェット用組成物を吐出し、記録媒体に付与する。インクジェット方式による水性インクジェット用組成物の吐出は、公知のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。吐出方法としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡によりインクを吐出させる方式等を用いることができる。中でも、水性インクジェット用組成物の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
付与工程では、複数種の本発明に係る水性インクジェット用組成物を併用してもよい。より具体的には、例えば、特定染料の組成が異なる複数種の水性インクジェット用組成物を併用してもよい。
また、付与工程では、本発明に係る水性インクジェット用組成物以外のインクを併用してもよい。
<2−2>記録媒体
記録媒体の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂等の樹脂材料、紙、ガラス、金属、セラミックス、革、木材、陶器や、これらのうちの少なくとも1種で構成された繊維、絹、毛、綿、麻、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、アクリル、ポリウレタン、セルロース、リンター、レーヨン、キュプラ、アセテート等の各種天然繊維、合成繊維、半合成繊維等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、記録媒体としては、シート状、球状、直方体形状等の立体的な形状を有する物を用いてもよい。
特に、記録媒体は、布帛であるのが好ましい。
布帛に対する染色は、プリントTシャツ等で、大きな需要があり、また、アイロン掛け等によるプリント印刷が普及している一方で、ポリエステル繊維の布帛以外の布帛に対する染色への要望も強い。また、このような布帛に記録部が設けられた記録物には、風合い、特に、なめらかさ、しなやかさ、柔らかさ等が求められるとともに、洗濯したときの皺の付きにくさも求められる。本発明によれば、これらの要求に応えることができる。したがって、記録媒体が、布帛である場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
また、記録媒体は、絹、羊毛、セルロース、アクリル、ポリウレタン、およびポリアミドよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これらの材料は、染色に対する要望が強い一方で、従来においては、耐熱温度等の関係から、昇華染料、分散染料を用いた染色に適していなかった。これに対して、本発明では、これらの材料で構成された記録媒体を用いた場合でも、好適に記録物を製造することができる。また、これらの材料で構成された部材には、優れた風合いが求められることが多い。したがって、記録媒体が、絹、羊毛、セルロース、アクリル、ポリウレタン、およびポリアミドよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものである場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
布帛に用いられる繊維の中には、毛羽立ちやすい麻や毛(ウールなど)がある。毛羽立ちやすい麻や毛はインクジェットヘッドに毛が接触するためノズル抜けを起こしやすく、ノズル抜けを回避できても布帛にミクロな孔や凹凸が多いためインクが着弾しにくく、インクジェット印刷に適しているとは言えない。毛羽立ち難い綿、絹、ポリエステル、ポリアミド、アクリルおよびポリウレタンはインクジェット印刷に向いている。
よって、記録媒体は、綿、絹、ポリエステル、ポリアミド、アクリルおよびポリウレタンよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
また、ポリエステルとの混紡の場合、すなわち、記録媒体は、ポリエステルと、綿、絹、ポリアミド、アクリルおよびポリウレタンよりなる群から選択される1種または2種以上とを含む材料で構成されたものである場合、従来の昇華染料、分散染料を用いた染色では、ポリエステル以外のもう一方の繊維には染色できなかった、すなわち、染色むらを生じやすかったが、本発明では、混紡であっても十分に染色されるため、本発明による効果がより顕著に発揮される。
また、ポリエステルであっても、本発明では発色効率がよいため、従来の昇華染料、分散染料を用いた染色よりも効果が発揮される。
また、従来においては、記録媒体として、紙、ガラス、セラミックス、金属、木材、樹脂フィルムのような緻密な樹脂材料で構成された部材を用いた場合、特に、記録媒体としてガラスを用いた場合、染色部の発色性や、記録媒体と染色部との密着性を十分に優れたものとすることが困難であるという問題がより顕著であったが、本発明によれば、これらの記録媒体を用い場合でも、染色部の発色性や、記録媒体と染色部との密着性を十分に優れたものとすることができる。すなわち、記録媒体として、紙、ガラス、セラミックス、金属、木材、樹脂フィルムのような緻密な樹脂材料で構成された部材を用いた場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
<2−3>加熱工程
その後、水性インクジェット用組成物が付与された前記記録媒体を加熱する。これにより、特定染料がポリエステル等とともに記録媒体に定着されるとともに、特定染料が好適に発色し、記録物が得られる。また、ウレタン樹脂が熱硬化性のものである場合、当該ウレタン樹脂の効果反応を好適に進行させることができ、水性インクジェット用組成物を用いて製造される記録物の記録部の耐水性、耐溶剤性、耐熱性、膜強度等をより優れたものとすることができる。
本工程での加熱温度の下限は、特に限定されないが、100℃であるのが好ましく、105℃であるのがより好ましく、110℃であるのがさらに好ましい。また、本工程での加熱温度の上限は、特に限定されないが、180℃であるのが好ましく、160℃であるのがより好ましく、150℃であるのがさらに好ましい。
これにより、記録物の製造に要するエネルギーをより少なくすることができ、記録物の生産性をより向上させることができる。また、得られる記録物の発色性をより向上させることができる。また、耐熱性が比較的低い記録媒体も好適に適用することができ、記録媒体の選択の幅がさらに広がる。また、記録物の製造後における加熱、例えば、お湯を用いた洗濯・洗浄、乾燥機による加熱乾燥、アイロン掛け等の加熱処理等による、不本意な変色、光学濃度の変化等を好適に防止することができる。また、本工程での加熱温度が前記範囲内の値であると、記録部の風合いの低下をより効果的に防止することができる。
本工程での加熱時間は加熱温度にもよるが、本工程での加熱時間の下限は、0.2秒間であるのが好ましく、1秒間であるのがより好ましく、5秒間であるのがさらに好ましい。また、本工程での加熱時間の上限は、300秒間であるのが好ましく、60秒間であるのがより好ましく、30秒間であるのがさらに好ましい。
これにより、記録物の製造に要するエネルギーをより少なくすることができ、記録物の生産性をより向上させることができる。また、得られる記録物の発色性をより向上させることができる。また、耐熱性が比較的低い記録媒体も好適に適用することができ、記録媒体の選択の幅がさらに広がる。また、本工程での加熱時間が前記範囲内の値であると、記録部の風合いの低下をより効果的に防止することができる。
また、本工程は、水性インクジェット用組成物が付着した記録媒体の表面を、加熱部材から離間した状態で加熱することにより行ってもよいし、水性インクジェット用組成物が付着した記録媒体と加熱部材とを密着させた状態で加熱することにより行ってもよいが、水性インクジェット用組成物が付着した記録媒体と加熱部材とを密着させた状態で加熱することにより行うことが好ましい。
これにより、記録物の製造に要するエネルギーをより少なくすることができ、記録物の生産性をより向上させることができる。また、得られる記録物の発色性をより向上させることができる。また、特定染料が記録媒体の外部に放散してしまうことをより効果的に防止することができる。また、記録部の風合いの低下をより効果的に防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の水性インクジェット用組成物は、インクジェット方式での吐出に用いられるものであればよく、上述したような方法に適用されるものでなくてもよい。
例えば、上述したような工程に加え、さらに他の工程を有する方法に適用されるものであってもよい。
この場合、前処理工程としては、例えば、記録媒体にコート層を塗布する工程等が挙げられる。
また、中間処理工程としては、例えば、記録媒体を予備加熱する工程等が挙げられる。
また、後処理工程としては、例えば、記録媒体を洗浄する工程等が挙げられる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[1]インクジェットインクの調製
(実施例1)
まず、特定染料としてのC.I.ディスパース・イエロー54と、ガラス転移点が20℃のポリエステルの水分散液としてのMD−1480(東洋紡社製)と、熱硬化性ポリウレタンの水分散液としてのUW1527F(宇部興産製)と、グリセリンと、トリエチレングリコールモノブチルエーテルと、トリエタノールアミンと、界面活性剤としてのオルフィンE1010(日信化学工業社製)と、純水とを、所定の割合で混合し、ハイシアミキサー(シルバーソン社製)にて3000rpmで撹拌してスラリー化した。
次に、製造したスラリーと0.5mm径ガラスビーズをビーズミル(LMZ015 アシザワ・ファインテック社)にて、水冷下、撹拌分散を行い、その後、ガラスビーズを除去することにより、水性インクジェット用組成物としてのインクジェットインクが得られた。
なお、MD−1480中に含まれるポリエステルの酸価は3KOHmg/gであり、水酸基価は6KOHmg/gであり、数平均分子量は15×10であった。
(実施例2〜13)
表1に示すような組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
(比較例1〜5)
ウレタン樹脂を用いず、各成分の配合比を調整し、表1に示すような組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
(比較例6)
ポリエステルを用いず、各成分の配合比を調整し、表1に示すような組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
(比較例7)
ポリエステルおよびウレタン樹脂を用いず、各成分の配合比を調整し、表1に示すような組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
前記各実施例および各比較例のインクジェットインクの構成を表1にまとめて示す。なお、表中、「%」は「質量%」のことを意味し、C.I.ディスパース・レッド364を「DR364」、C.I.ディスパース・イエロー232を「DY232」、C.I.ディスパース・イエロー54を「DY54」、C.I.ディスパース・レッド60を「DR60」、C.I.ディスパース・ブルー360を「DB360」、C.I.ディスパース・ブルー359を「DB359」、C.I.ディスパース・オレンジ25を「DO25」、C.I.ディスパース・オレンジ60を「DO60」、ポリエステルを「PEs」、ウレタン樹脂を「PU」、オキサゾリン基含有ポリマーのエマルジョンであるエポクロスK2010Eの固形分(ガラス転移点:−50℃)を「K2010E」、オキサゾリン基含有ポリマーの水溶液であるエポクロスWS−300の固形分を「WS−300」、グリセリンを「Gly」、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを「TEGBE」、トリエタノールアミンを「TEA」、オルフィンE1010(日信化学工業社製)を「E1010」と示した。また、表中、「Tg20℃のPEs」は、熱硬化性ポリウレタンの水分散液としてのバイロナール MD−1480(東洋紡社製)の固形分としてのガラス転移点が20℃ポリエステルであり、「Tg70℃のPEs」は、熱硬化性ポリウレタンの水分散液としてのバイロナール MD−2000(東洋紡社製)の固形分としてのガラス転移点が70℃のポリエステルである。また、前記各実施例のインクジェットインクは、いずれも、表面張力が25mN/m以上35mN/m以下の範囲内の値であった。なお、表面張力は、表面張力計(協和界面科学社製、CBVP−7)を用いて、25℃にて、ウィルヘルミー法により測定した。また、前記各実施例のインクジェットインクは、いずれも、粘度が4mPa・s以上10mPa・s以下であった。なお、粘度は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、25℃にて、Shear Rateを10[s−1]から1000[s−1]に上げていき、Shear Rate200の時の粘度を読み取ることにより測定した。また、前記各水性インクジェット用組成物中に含まれるポリエステルは、いずれも、粒子状をなすものであり、当該ポリエステルの平均粒径は、いずれも、60nm以上200nm以下の範囲内の値であった。また、前記各実施例のインクジェットインクは、いずれも、水性インクジェット用組成物中における染料の含有量をX[質量%]、水性インクジェット用組成物中におけるポリエステルの含有量をX[質量%]、水性インクジェット用組成物中におけるウレタン樹脂の含有量をX[質量%]としたとき、4.0≦X/X≦300の関係、2.0≦X/X≦150の関係、1.5≦X/X≦5.0の関係を満足するものであった。
Figure 2020158725
[2]評価
[2−1]インクジェットインクの保存性
製造直後の前記各実施例および各比較例のインクジェットインクを、それぞれ、所定のインクパックに収納し、70℃の加熱環境下で7日間静置し、その後、これらのインクジェットインクの粘度を測定した。加熱環境下に置く前後での粘度変化率を求め、以下の基準に従い、インクジェットインクの保存性を評価した。粘度変化率が小さいほど、インクジェットインクの保存性に優れていると言える。B以上を良好なレベルとした。なお、インクジェットインクの粘度は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、25℃にて、Shear Rateを10[s−1]から1000[s−1]に上げていき、Shear Rate200の時の粘度を読み取ることにより測定した。
A:粘度の変化率が2%未満。
B:粘度の変化率が2%以上5%未満。
C:粘度の変化率が5%以上7%未満。
D:粘度の変化率が7%以上10%未満。
E:粘度の変化率が10%以上。
[2−2]インクジェットインクの吐出安定性
製造直後の前記各実施例および各比較例のインクジェットインクを、それぞれ、所定のインク収容容器に充填し、23℃の環境で1日間放置した。
その後、当該収容容器を、記録装置PX−M860F(セイコーエプソン社製)に装着し、インクジェットインクを吐出し、記録媒体として普通紙P紙(富士ゼロックス社製)に、記録解像度600dpiでベタパターンを付着させた。
記録媒体上にベタパターンを30枚記録した際のノズル抜けの本数を調べ、以下の基準に従い評価した。B以上を良好なレベルとした。
A:ノズル抜け本数が0本であった。
B:ノズル抜け本数が1本以上3本以下であった。
C:ノズル抜け本数が4本以上10本以下であった。
D:ノズル抜け本数が11本以上20本以下であった。
E:ノズル抜け本数が21本以上であった。
[2−3]発色性
製造直後の前記各実施例および各比較例のインクジェットインクについて、それぞれ、記録装置PX−M860F(セイコーエプソン社製)を用いて、記録媒体としての綿の布帛に向けて、所定のパターンで吐出した。
その後、加熱部材としてのアイロンを、記録媒体のインクジェットインクが付与された面側に接触させて、160℃×60秒間の加熱処理を施し、記録物を得た。
得られた各記録物について、発色性の評価を行った。具体的には、前記各記録物の製造過程においてインクジェットインクを付与した後で、かつ、加熱処理を施す前の記録媒体のインクジェットインクが付与された部位、および、上記のようにして得られた各記録物の対応する部位について、i1(X−rite社製)を用いて色度を測定し、L色空間で測色した時の加熱処理前後での彩度(√(a^2+b^2))の増加率を求めるとともに、各記録物のインクジェットインクが付与された部位のOD値を求め、以下の基準に従い評価した。彩度の増加率が大きいほど、また、OD値が大きいほど、発色性が優れていると言える。B以上を良好なレベルとした。
A:彩度の増加率が50%以上で、かつ、OD値が0.5以上である。
B:彩度の増加率が30%以上50%未満で、かつ、OD値が0.5以上である。
C:彩度の増加率が15%以上30%未満で、かつ、OD値が0.5以上である。
D:彩度の増加率が0%以上15%未満で、かつ、OD値が0.5以上である。
E:加熱処理前よりも彩度が低下、または、OD値が0.5未満である。
また、記録媒体を、ポリエステル繊維の布帛、ポリエステル繊維と綿繊維との混紡布帛、絹の布帛、ポリウレタン繊維の布帛、アクリル繊維の布帛、ポリアミド繊維の布帛に変更した以外は、前記と同様にして、発色性の評価を行った。
[2−4]定着性
上記[2−3]で綿の布帛を記録媒体として用いて製造された各実施例および各比較例に係る記録物を、洗濯用洗剤(ライオン社製、トップクリアリキッド)を用いて、家庭用洗濯機(東芝ライフスタイル社製、ドラム式洗濯乾燥機TW−Z9500L)の標準モードにて、40℃の温水で洗濯し、洗濯前後での記録部のOD値の低下率を求め、以下の基準に従い評価した。OD値の低下率が低いほど、インクジェットインクによる記録部の記録媒体への定着性に優れていると言える。B以上を良好なレベルとした。
A:OD値の低下率が3%未満である。
B:OD値の低下率が3%以上10%未満である。
C:OD値の低下率が10%以上30%未満である。
D:OD値の低下率が30%以上50%未満である。
E:OD値の低下率が50%以上である。
[2−5]風合い
上記[2−4]で洗濯した記録物を目視で観察し、皺の発生状況等について、以下の基準に従い評価した。皺等の発生が少ないほど、風合いに優れていると言える。B以上を良好なレベルとした。
A:洗濯後に折り目、皺が全く認められない。
B:洗濯後に折り目、皺がほとんど認められない。
C:洗濯後に折り目はつくが、皺はほとんど認められない。
D:洗濯後に弱い皺が認められる。
E:洗濯後に激しい皺が認められる。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2020158725
表2から明らかなように、本発明では優れた結果が得られた。これに対し、比較例では、満足のいく結果が得られなかった。
また、記録媒体としてセルロース繊維で構成された紙を用いた以外は、前記と同様にして記録物の製造を行い、上記[2−3]と同様に評価を行ったところ、前記と同様の結果が得られた。また、記録媒体として、羊毛の布帛、ポリアミド繊維の布帛を用い、インクジェットインクが付与された記録媒体への加熱条件を200℃×60秒間に変更した以外は、上記[2−3]と同様にして記録物の製造を試みたところ、羊毛の布帛では、加熱処理により記録媒体が焦げてしまい、ポリアミド繊維の布帛では、加熱により融けてしまい評価不能であった。

Claims (15)

  1. 水と、
    昇華染料、分散染料のうちの少なくとも1種で構成される染料と、
    ポリエステルと、
    ウレタン樹脂とを含む水性インクジェット用組成物。
  2. さらに、オキサゾリン基含有ポリマーを含む請求項1に記載の水性インクジェット用組成物。
  3. 前記水性インクジェット用組成物中における前記染料の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下である請求項1または2に記載の水性インクジェット用組成物。
  4. 前記水性インクジェット用組成物中における前記ポリエステルの含有量が5質量%以上30質量%以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性インクジェット用組成物。
  5. 前記水性インクジェット用組成物中における前記ウレタン樹脂の含有量が2.5質量%以上15質量%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水性インクジェット用組成物。
  6. 前記水性インクジェット用組成物中における前記染料の含有量をX[質量%]、前記水性インクジェット用組成物中における前記ポリエステルの含有量をX[質量%]としたとき、4.0≦X/X≦300の関係を満足する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水性インクジェット用組成物。
  7. 前記水性インクジェット用組成物中における前記染料の含有量をX[質量%]、前記水性インクジェット用組成物中における前記ウレタン樹脂の含有量をX[質量%]としたとき、2.0≦X/X≦150の関係を満足する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水性インクジェット用組成物。
  8. 前記水性インクジェット用組成物中における前記ポリエステルの含有量をX[質量%]、前記水性インクジェット用組成物中における前記ウレタン樹脂の含有量をX[質量%]としたとき、1.5≦X/X≦5.0の関係を満足する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水性インクジェット用組成物。
  9. 前記ポリエステルのガラス転移点は、0℃以上90℃以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水性インクジェット用組成物。
  10. 前記染料は、C.I.ディスパース・イエロー54、C.I.ディスパース・レッド60、C.I.ディスパース・ブルー360、C.I.ディスパース・ブルー359、C.I.ディスパース・オレンジ25、C.I.ディスパース・オレンジ60、C.I.ディスパース・レッド364、およびC.I.ディスパース・イエロー232よりなる群から選択される1種または2種以上である請求項1ないし9のいずれか1項に記載の水性インクジェット用組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の水性インクジェット用組成物を、インクジェット法により吐出し、記録媒体に付与する付与工程と、
    前記水性インクジェット用組成物が付与された前記記録媒体を加熱する加熱工程とを有する記録物の製造方法。
  12. 前記記録媒体は、布帛である請求項11に記載の記録物の製造方法。
  13. 前記記録媒体は、絹、羊毛、セルロース、アクリル、ポリウレタン、およびポリアミドよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものである請求項11または12に記載の記録物の製造方法。
  14. 前記記録媒体は、ポリエステルと、綿、絹、ポリアミド、アクリルおよびポリウレタンよりなる群から選択される1種または2種以上とを含む材料で構成されたものである請求項11または12に記載の記録物の製造方法。
  15. 前記加熱工程における前記記録媒体の加熱温度が100℃以上160℃以下である請求項11ないし14のいずれか1項に記載の記録物の製造方法。
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