JP2016188446A - インクジェット捺染装置 - Google Patents

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貴文 笹原
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Abstract

【課題】布帛への定着性に優れるとともに、平面画像と凸画像を作り分けることのできる画像形成装置、布帛の製造方法及び形成された布帛を提供すること。
【解決手段】支持体に支持された布帛を搬送する搬送手段と、インクを吐出するための複数のノズルを備える記録ヘッドを有するインクジェット捺染装置。プラテンは前記布帛を乾燥する乾燥手段を有し、前記インクは、顔料、水、および水溶性有機溶媒を含むインクジェットインクであり、前記インクは加熱によりゲル化するインクである。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録法による捺染印刷に用いられるインクジェット捺染装置に関する。
繊布、不繊布などの布帛に、文字、絵、図柄などの画像を捺染する方法として、スクリーン捺染法やローラー捺染法の他に、近年では、コンピューターで画像処理して実質無版で捺染できる捺染インクジェット方法が注目されている。
また、捺染インクジェット方法は、従来の捺染方法と比較して、排水処理の問題も低減されるため、環境負荷低減技術としても注目されている。
また、捺染インクジェット方法には、色材として染料を含む染料インクと顔料を含む顔料インクにより捺染する方法が知られている。
色材として顔料を用いる場合、耐光性が高い、複数の繊維種に対応できる、色材除去工程が不要である、といった利点があり、その簡便さが好まれている。この顔料定着のために、インクにはバインダー成分を添加する必要があることが知られている。
特開2010−260956(特許文献1)には、バインダーとしてメタクリレートからなる高分子微粒子を用いたインクジェットインクによる捺染方法が開示されている。
また、特開2009−256839(特許文献2)には、紫外線硬化型インクによる捺染方法が開示されている。
特開2010−260956号公報 特開2009−256839号公報
ところで、布帛への染色は衣装等のアパレル用途に用いられていることが一般的であるため、様々なデザイン性を有する捺染装置が求められている。例えば、特許文献1で開示されているような布帛にインクが浸透させた画像のみならず、特許文献2で開示されているような凸部を有する画像が求められることもあり、その時その時のニーズに応じて画像形成を行うことのできる捺染装置が求められている。
しかしながら、従来技術では布帛にインクを浸透させた画像(以下、平面画像と呼ぶ)と凸部を有する画像(以下、凸画像と呼ぶ)を1つの捺染装置で作り分けることは困難であった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、即ち、本発明の目的は、布帛への定着性に優れるとともに、平面画像と凸画像を作り分けることのできるインクジェット捺染装置を提供することである。
上記の本発明の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち本発明は、プラテン(支持体)に支持された布帛を搬送する搬送手段と、インクを吐出するための複数のノズルを備える記録ヘッドを有するインクジェット捺染装置であって、前記プラテンは前記布帛を加熱する加熱手段を有し、前記インクは、顔料、水、および水溶性有機溶媒を含むインクジェットインクであり、前記インクは加熱によりゲル化するインクであるインクジェット捺染装置によってその目的を達成することができる。
本発明によれば、布帛への定着性に優れるとともに、平面画像と凸画像を作り分けることのできるインクジェット捺染装置が提供される。
本発明のより好ましい構成は以下のとおりである。
特許文献1に記載の画像形成方法では、樹脂の定着を画像形成後に布帛を加熱することによって行っている。即ち、加熱手段によって樹脂を定着させるまでは樹脂が定着せず布帛に浸透するため、加熱による定着までインクを布帛にはみ出した状態で維持することができず、凸画像を形成することは困難であった。一方、特許文献2に記載の画像形成方法では、布帛内部に浸透したインクは、布帛の種類や色、厚さによって紫外線を照射しても効果が十分に行かない場合があり、安定して平面画像を形成することが困難であった。また、紫外線照射による硬化膜は、ラテックスによる被膜と比較して風合いが良好なものではないため、この観点からも好ましいものではなかった。
これに対し本発明は、加熱によってゲル化するインクと加熱手段を有する捺染装置によって、上述した目的を達成したものである。即ち、凸画像を形成したい場合は布帛を加熱することで、インクが浸透する前にゲル化させることによって、吐出したインク滴を布帛上部に留め、凸画像を形成する。一方平面画像を形成したい場合は、布帛の加熱を弱くする/または行わないことによって、インクを布帛内部まで浸透させ平面画像を形成することができる。
また、平面画像を形成する場合においても、プラテン部の加熱を調整することによって、画像濃度の調整も行うことができる。
以下に本発明の好ましい構成/実施形態を開示するが、本発明は下記の記載に限定されるものではない。
(インクジェットインク)
本発明の捺染装置に用いることのできるインクジェットインクは、顔料、水、および水溶性有機溶媒を含むインクジェットインクであり、当該インクは加熱によりゲル化することができる。加熱によってインクのゲル化を調整することによって、布帛へのインクの浸透度を調整することができる。以下に本発明に係るインクについて詳細に述べる。
(顔料)
本発明で用いることのできる顔料に特に制限はない。しかしながら、インクジェットインクとしての保存安定性や射出性、画像濃度の観点から重量平均粒径50〜200nmの範囲ある顔料を用いることが好ましい。
顔料の例には、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエローおよびピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレットおよびパーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロンおよびチオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッドおよびキナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッドおよびペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料、イソインドリノンイエローおよびイソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッドおよびピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン系有機顔料ならびにイソインドリンイエローなどのイソインドリン系有機顔料等の有機顔料、ならびにフラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット、カーボンブラック、酸化チタンおよび炭酸カルシウム等の無機顔料が含まれる。
また、本発明に係るインクにおいて、上述した顔料は下記に述べる分散剤によって分散されていることが好ましい。
本発明に係るインクにおいて、顔料の含有量は0.5〜10質量%であることが好ましい。
(分散剤)
本発明に係るインクにおいて、顔料は分散剤によって分散されていることが好ましい。
分散剤に特に限定はなく、公知のアニオン性またはノニオン性の分散剤を用いることができる。
アニオン性分散剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合、スチレン−マレイン酸ハーフエステル−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ベンジル(メタ)アクリレート共重合体等が好ましい。
ノニオン性分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
市販品のノニオン性分散剤としては、ノイゲンXLシリーズ、ノイゲンTDSシリーズ、ノイゲンETシリーズ、ノイゲンESシリーズ(第一工業製薬株式会社製)、エマルゲン350、エマルゲン430、エマルゲンA−60、エマルゲンA−90、エマルゲンB−66(花王株式会社製)、ソルスパースシリーズ、ソルスパース27000(日本ルーブリゾール株式会社製)BYK-190、BYK-198、BYK-2010、BYK-2015(ビックケミージャパン株式会社製)、フローレンGW1640(共栄社化学株式会社製)などがあげられる。
ノニオン性分散剤はインクを加熱した際の溶剤揮発によって大きく粘度が変化し、インクを容易にゲル化させることができるため、本発明においてはノニオン性分散剤によって顔料を分散させることがより好ましい。
(水溶性有機溶剤)
本発明に係るインクは水溶性有機溶剤を含有している。本発明において、水溶性有機溶剤の種類及び量は、吐出安定性、浸透性、ゲル化速度調整などの観点から適宜その種類及び含有量を調整すればよい。
例えば、布帛への浸透性を向上させ、またノズルの目詰まりを抑制する機能が期待できるものとして、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明に係るインクにおいて、水溶性有機溶剤の含有量は10〜50質量%であることが好ましい。
(定着樹脂)
本発明のインクジェット捺染用顔料インクは、定着樹脂をさらに含有することが好ましい。本発明に用いることのできる定着樹脂に特に限定はなく、水分散性定着樹脂または水溶性定着樹脂のいずれも好ましく用いることができる。本発明において、塩基で中和するなどして水に対して最も安定な状態としたうえで、水1Lに対し100g以上溶解するものを水溶性定着樹脂、溶解度がそれ以下のものを水分散性定着樹脂とする。
(水分散性定着樹脂)
本発明で用いることのできる水分散性定着樹脂としては、例えば、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、またはそれらの二種類以上が共重合されたものが好ましい。
スチレンアクリル樹脂としては、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれた1種以上を組み合わせて使用することができる。上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を用いることができる。
シリコーン樹脂としては、側鎖型、片末端型、両末端型、側鎖両末端型の変性シリコーンオイル等を用いることができる。
ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、ダイマー酸等の二価カルボン酸、トリメリット酸、ピロリメット酸などの三価以上の多価カルボン酸と、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル―1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などの二価アルコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三価以上の多価アルコールのエステル結合による重合体、或いはそれらのブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体などを使用することができる。
ウレタン樹脂としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、シリコーンポリオールなどのポリオールと、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソサネート、水素化4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどのイソシアネートのウレタン結合による重合体、或いはそれらのブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体など、を用いることができる。
また、上記の樹脂のみならず、スチレンアクリル樹脂−ポリエステル樹脂共重合体、スチレンアクリル樹脂−ウレタン樹脂共重合体などの樹脂間の共重合体なども適用可能である。
本発明で用いることのできる水分散性定着樹脂のTgは、−30℃〜80℃の範囲とすることで耐擦性と柔軟性の良好な捺染物を得ることができる。特に好ましい範囲としては0℃〜50℃、最も好ましくは20℃〜40℃の範囲である。
本発明で用いることのできる水分散性定着樹脂の酸価は、44mgKOH/g以上が好ましく、更には60mgKOH/g以上が好ましい。酸価の上限は特に限定されるものではないが、より安定な分散物を得やすいという観点で110mgKOH/g未満が好ましい。
本発明で用いることのできる水分散性定着樹脂の平均粒子径は、インクジェット記録ヘッドのノズルにおける目詰まりがなく、良好な光沢感が得られる点で300nm以下であることが好ましく、より好ましくは130nm以下である。平均粒子径の下限は、微粒子の製造安定性の観点から30nmが好ましい。
(水溶性定着樹脂)
本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂は、カルボキシル基である親水性成分と、疎水性成分とを適切なバランスで有するものを設計して用いる。この際、カルボキシル基を揮発可能な塩基成分で中和することで、水溶性を付与した本発明に係る水溶性共重合体は上記の機能を十分に発揮するものである。このような水溶性共重合物としては、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系の各樹脂を例示することができる。定着樹脂として水溶性定着樹脂を用いる場合、特に凸画像を形成する場合において、水溶性定着樹脂は顔料分散剤が分散安定性を失って沈殿した後に分散安定性が失われるように調整することによって定着した画像全体を覆うように被膜が形成できるため、耐擦性の良好な画像が形成できる。また、水溶性定着樹脂の中和は揮発性アミンと無機塩基からなる混合塩基によって中和されることが好ましい。また、水溶性定着樹脂の中和は揮発性アミンと無機塩基からなる混合塩基によって中和されることが好ましい。
本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂を構成する疎水性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル等)、スチレン等が挙げられる。
本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂を構成する親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド等が挙げられる。
本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂は、インク総質量に対して1.0質量%以上、10質量%以下含有することを特徴とし、より好ましくは2.0質量%以上、7.0質量%以下である。本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂の含有量が1.0質量%以上であると、顕著に滲みを防止して高画質画像を得ることができる。また、10質量%以下であれば、インクの保存安定性が顕著に良好で、安定出射が可能で長期に渡って安定にプリントを得ることができる。
また、本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂は、その酸価が80mgKOH/g以上、300mgKOH/g未満であることが好ましいが、これによって該水溶性共重合物の、乾燥時の粘度増加が顕著になるとともに、乾燥後も更に強固に固化して顔料の定着性が良好である。更に好ましい酸価は90〜250mgKOH/g程度のものである。本発明で規定する酸価は、JIS K0070に準拠して測定できる。
本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂の重合方法としては溶液重合であることが好ましい。本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂の分子量としては、平均分子量で3000〜30000のものを好ましく用いることができ、より好ましくは7000〜20000である。
本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂のTgは、−30℃〜100℃程度のものを好ましく用いることができ、より好ましくは−10℃〜50℃であり、最も好ましくは20℃〜40℃の範囲である。
本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂のpKaは、4〜8のものを好ましく用いることができ、より好ましくは5〜7である。
(塩基性化合物)
本発明で用いることのできる水溶性定着樹脂は、揮発性アミンおよび無機塩基によって中和されていることが好ましい。
(揮発性アミン)
本発明で用いることのできるアミンは、沸点が200℃未満の揮発性アミンによって中和することによって、乾燥時にアミンが揮発し易く、疎水性を速く高めることができる。より好ましくは100℃未満の揮発性アミンによって中和することである。
本発明で用いることのできるアミンとしては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジ−n−ブチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−メチルアミノエタノール等を好ましく用いることができる。
(無機塩基)
本発明で用いることのできる無機塩基としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物などを用いることができる。
アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
また、アルカリ土類金属の水酸化物として、例えば、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等が挙げられる。
無機塩基の中ではアルカリ金属の水酸化が好ましく、中でも水酸化リチウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
(その他)
本発明のインクジェットインクは、必要に応じて界面活性剤、防腐剤、防黴剤等をさらに含有してもよい。界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、水溶性化合物以外のシリコーン系界面活性剤、又はフッ素系界面活性剤等が含まれる。界面活性剤の含有量は、インクの表面張力を25〜60mN/mとするように調整されることが好ましい。具体的には、インク全体に対して0.0001〜5質量%程度としうる。
防腐剤又は防黴剤の例には、芳香族ハロゲン化合物(例えば、Preventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、PROXEL GXL)等が含まれる。
(インク物性等)
本発明のインクジェットインクの25℃における粘度は、インクの吐出安定性を得る観点から、1〜40mPa・sであることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、5〜20mPa・sであることがさらに好ましい。インクの粘度は、E型粘度計により、25℃、1rpmで測定することができる。
25℃におけるインクの表面張力は、いずれも25〜60mN/mであることが好ましい。表面張力が25mN/m未満である場合、布帛等の記録媒体に対するインクの濡れ性が高すぎるため、画像が滲みやすい。一方、表面張力が60mN/m超である場合、布帛等の記録媒体に対するインクの濡れ性が低下し、インクの浸透力が低下しやすい。
本発明のインクジェットインクは、任意の方法で製造でき、例えば水不溶性色材を分散剤で分散させて分散体を得る工程と、当該分散体を用いてインクを調製する工程とを経て製造されうる。
(インクのゲル化)
本発明のインクは加熱によりゲル化するインクである。本発明でいう「ゲル化」はインクの粘度が吐出時やインクの保存時に比べて十分に高く、インクの流動性が失われた状態であればよい。本発明でいう「ゲル化」した状態の粘度としては200mPa・s以上であり、1000mPa・s以上であることが好ましい。
本発明のインクをゲル化させる方法については、特に限定はない。インクに熱応答性のゲル化剤を含有させて、加熱によってゲル化させてもよいし、加熱による水分または有機溶剤の減少に伴って粘度を急激変化させる化合物を用いてゲル化させてもよい。本発明に係るインクにおいては加熱による水分または有機溶剤の減少に伴って粘度を急激変化させる化合物を用いてインクをゲル化させることが好ましい。このような化合物としては上述したノニオン性の分散剤が挙げられ、ノニオン性の分散剤によって分散された顔料を用いることによって、インクをゲル化させることがより好ましい。
ノニオン性分散剤が他の分散剤に比べよりゲル化しやすい理由については明確ではないものの、以下の様な理由であるものと推測している。ノニオン性分散剤はアニオン性分散剤と違い官能基のイオン化によって分散安定性を保っているのではなく、長鎖のエチレンオキサイド基などの親水基によって分散安定性を保っている。着弾したインクが加熱によって水分が蒸発するとインク中の水溶性有機溶剤の量が相対的に増加する。その際ノニオン性分散剤は水よりも水溶性有機溶剤との相互作用が有利となり、ノニオン分散剤が水溶性有機溶剤を吸い寄せることで膨潤して粘度を急激に上昇し、インクをゲル化させるものと推定している。
水分または有機溶剤の減少によってインクがゲル化するまでの質量変化率に特に限定はないが、50質量%以内であることが好ましく、25質量%以内であることがより好ましく、10質量%以内であることがより好ましい。つまり、布帛に着弾時から50%質量が減少した際の粘度が、200mPa・s以上となることが好ましく、25%質量が減少した際の粘度が、200mPa・s以上となることがより好ましく、50%質量が減少した際の粘度が、200mPa・s以上となることがさらに好ましい。
(布帛)
本実施形態に係るインクおよびコート液を用いて捺染する布帛は、「布地」や「衣類その他の服飾品」等を指す。
「布地」には、綿、絹、羊毛等の天然繊維やナイロン等の化学繊維、或いはこれらを混合した複合繊維の織物、編物、不織布等が含まれ、ロール状に巻かれた長尺のものと、所定の長さに切断されたものの両方が含まれる。
また、「衣類その他の服飾品」には、縫製後のTシャツ、ハンカチ、スカーフ、タオル、手提げ袋、布製のバッグ、カーテン、シーツ、ベッドカバー等のファニチャーの類の他、縫製前の状態のパーツとして存在する裁断前後の布地等も含まれる。
(画像形成装置及び方法)
本発明の捺染装置は、支持体に支持された布帛に、記録ヘッドを用いてインクを吐出することによって画像形成を行う。その際、記録ヘッド前後に設けられた乾燥手段を用いて、揮発性アミン及び定着樹脂の定着を行う。その後、加熱定着工程を経て、捺染物を製造することができる。
本発明の捺染方法は、インクジェット記録ヘッド部でインク液滴を吐出するインクジェット記録によって行う。インクジェット記録ヘッドは、オンデマンド方式のものでも、コンティニュアス方式のものでも構わない。また、インクジェット記録ヘッドの吐出方式は、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式であっても構わない。
本発明の捺染方法において、印字方式としては特に制限はなく、シングルパス型、スキャン型のどちらでも良いが、高速印刷に効果的であるという点からシングルパス型が好ましい。シングルパス型のインクジェット記録方法とは、記録媒体が一つのインクジェットヘッドユニットの下を通過した際に、一度の通過で、画素を形成するための全てのドットが吐出されるインクジェット記録方式である。
シングルパス型の画像形成方法を達成する手段として、ラインヘッド型のインクジェットヘッドを使用することが好ましい。
ラインヘッド型のインクジェットヘッドとは、印刷範囲の幅以上の長さを持つインクジェットヘッドのことを指す。ラインヘッド型のインクジェットヘッドとしては、一つのヘッドで印刷範囲の幅以上であっても良いし、特開2007−320278号公報に開示のように複数のヘッドを組み合わせて印刷範囲の幅を超えるよう構成してもよい。
布帛に着弾したインクは、乾燥手段によって、インク中の水分及び水溶性有機溶媒を除去させる。インクの乾燥手段としては特に制限はないが、例えば、加熱による方法、送風による方法あるいは減圧処理により揮発成分を除去する方法等を適宜選択あるいは組み合わせて用いることができるが、基材が簡便であることから、加熱による乾燥方法、または送風による乾燥方法を用いることが好ましい。
インクの加熱による乾燥方法としては、ヒーター、温風乾燥機又は加熱ローラー等、いずれの方法でも好ましく用いることができるが、ヒーター、温風乾燥機又は加熱ローラー等の加熱により乾燥させることが好ましい。加熱手段を用いてインクを乾燥させる場合には、ヒーターなどの加熱手段をインクジェット記録ヘッド部の後に配置して、布帛と着弾したインクの両方を加熱することによって乾燥させてもよいし、インクジェット記録ヘッド部の前に配置して、インクジェット記録前までに布帛に蓄熱させた熱エネルギーによって着弾したインクを乾燥させてもよいし、インクジェット記録ヘッド部の前後両方に配置してもよい。また、好ましい乾燥の形態としては温風乾燥機とヒーターを用い、布帛の両面を加熱することにより乾燥させることが好ましい。
布帛の画像形成を行う面の加温を行うことにより、本発明に係るインクの更なる乾燥も同時に行えるので好ましい。この加温方法としては、画像形成を行う面の裏面から加温しても良い。ヒーターの種類は特に制限はなく、赤外線ヒーター、電熱線、UVランプ、ガス、熱風ドライヤーなど公知の方法から適宜選択して適用することが好ましい。中でも、電熱線、赤外線ヒーターによる加温が、安全性やエネルギー効率の点から好ましい。
吐出したインクの乾燥速度及び先鋭性をより向上させるために、布帛の表面温度を45℃以上、60℃以下に加温する。本発明の画像形成方法に適用する画像形成装置には、布帛を加温するためのヒーターが備わっていることが好ましい。
また、本発明のインクジェット捺染用インクを用いて前記布帛にインクジェット捺染をする場合、該布帛に対して文字及び/又は画像を印刷した後に、インクの固着処理を行う。インクの固着処理としては、従来の捺染方法におけるものと同様の方法、例えば、常圧スチーム法、高圧スチーム法、サーモフィックス法等による加熱処理が挙げられる。加熱処理の際の温度は、120〜200℃が好ましく、より好ましくは、140〜180℃である。加熱処理後は、必要に応じて布帛を水洗し、乾燥をしてもよい。
(前処理剤)
本発明による画像形成方法において、インクのにじみ防止、定着性向上などの理由から必要に応じて、水、多価金属イオンや高分子を含む前処理剤によって前処理された布帛に対して捺染を行ってもよい。前処理剤は顔料の沈殿を促進したり、インクの浸透を抑制することができるため、ゲル化しにくいようなインクを用いて画像形成をする場合においても、凸画像を作ることが可能となる。
前処理剤によって前処理を行う場合、前処理剤による前処理が終わった布帛に対して画像形成を行う、いわゆるオフライン処理であっても、インクジェット装置による捺染と同時並行に前処理を行ういわゆるインライン処理であってもよい。インライン処理によって前処理を行う場合、前処理装置はインクジェット装置と一体であってもよいし、別体であってもよい。
また前処理剤の塗布方法については特に制限はなく、インクと同様インクジェット方式によって塗布してもよいし、コーターなどを利用して塗布してもよい。特に定着樹脂などの、加熱定着後の洗浄工程後においても、布帛に残存し続ける成分を前処理剤に含有させる場合、インクジェット方式によって塗布し、必要な部位のみに前処理剤を塗布してもよい。
(実施例)
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の変更は可能である。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
(顔料分散液の調製)
(1)シアンインク用顔料分散液C1の製造
顔料分散剤として3質量部のソルスパース27000に水87質量部を溶解させ、C.I.ピグメントブルー15:3を15質量部添加し、プレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分が15%のシアン顔料分散体C1を得た。
(2)ホワイトインク用顔料分散液W1の製造
顔料分散液W1はC.I.ピグメントホワイト6(ルチル型酸化チタン顔料ST410WB:チタン工業製)を用い、分散剤を顔料の質量の12%に調整し、顔料分散液W1を作製した。
(3)顔料分散液C2〜C7、W2〜W7の製造
顔料分散液C2〜C7及びW2〜W7は、それぞれ顔料分散液C1及びW1の作成において、顔料分散剤の種類を下記の表1に記載の顔料分散剤に変更した以外は同様の方法で調製して、顔料分散液C2〜C7及びW2〜W7を作製した。
Figure 2016188446
(定着樹脂)
下記の要領で水溶性定着樹脂および水分散性定着樹脂を用意した。
(水溶性定着樹脂SP−1の合成)
滴下ロート、窒素導入官、還流冷却官、温度計および攪拌装置を備えたフラスコに、メチルエチルケトン50部を加え、窒素バブリングしながら、75℃に加温した。これに、モノマー(メタクリル酸9部、アクリル酸n−ブチル8部、アクリル酸2−エチルヘキシル5部およびメタクリル酸n−ブチル78部)と、メチルエチルケトン50部と、開始剤(AIBN:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル)0.5部との混合物を、滴下ロートから3時間かけて滴下した。滴下後、さらに6時間、加熱還流を行った。得られた溶液を放冷した後、減圧下で加熱してメチルエチルケトンを留去し、共重合体を得た。
一方、イオン交換水450部に対して、モノマーとして添加した未中和のカルボン酸であるメタクリル酸の1.1倍のモル等量となるように塩基で中和した。この液に、上記共重合体を溶解させてイオン交換水でさらに調整し、固形分濃度20質量%の水溶性定着樹脂SP−1の溶液(樹脂溶液)を得た。尚、水溶性定着樹脂SP−1の中和は、水酸化ナトリウム:アンモニア=1:4(モル比)の混合塩基を用いた。
(水溶性定着樹脂SP−2〜SP−6の合成)
上記水溶性定着樹脂SP−1の合成において、モノマー組成を表2に示されるように変更した以外は同様にして水溶性定着樹脂SP−2〜SP−6を合成した。また、定着樹脂の重量平均分子量は、開始剤量と重合条件で適宜調整した。
Figure 2016188446
得られた定着樹脂の酸価、ガラス転移温度(Tg)および重量平均分子量を、下記の方法に従って測定した。
(酸価の測定)
酸価の測定は、JISのK0070に規定された方法で行った。即ち、上記樹脂溶液を乾燥固化して、樹脂を得た。得られた樹脂10gを、300mlの三角フラスコに秤量し、エタノール:ベンゼン=1:2の混合溶媒を約50ml加えて樹脂を溶解させた。次いで、この溶液を、フェノールフタレイン指示薬を用いて、予め標定された0.1mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定した。そして、滴定に用いた水酸化カリウムエタノール溶液の量から、下記計算式(1)で酸価(mgKOH/g)を求めた。
(水分散性定着樹脂)
水分散性定着樹脂DP−1〜DP−6はいずれも市販品の水分散性定着樹脂を用いた。
水分散性定着樹脂DP−1:ジョンクリル734(ガラス転移温度:30℃、ジョンソンポリマー株式会社製)
水分散性定着樹脂DP−2:AEシリーズAE343(ガラス転移温度:0℃、JSR株式会社製)
水分散性定着樹脂DP−3:モビニール742N(ガラス転移温度:37℃、クラリアントポリマー株式会社製)
水分散性定着樹脂DP−4:AEシリーズAE140(ガラス転移温度:53℃、JSR株式会社製)
水分散性定着樹脂DP−5:モビニール937(ガラス転移温度:−42℃、クラリアントポリマー株式会社製)
水分散性定着樹脂DP−6:AEシリーズAE379A(ガラス転移温度:20℃、JSR株式会社製)
(インクの調整)
下記の処方で水分散性定着樹脂を定着樹脂として有するシアンインク1−1、ホワイトインク1−1と水溶性定着樹脂を定着樹脂として有するシアンインク2−1、ホワイトインク2−1を作製した。
(シアンインク1−1)
分散液C1(顔料固形分15%) 24.0%
水分散性定着樹脂DP−1(固形分40%) 12.5%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 2.0%
1,2−ヘキサンジオール 1.0%
トリメチロールプロパン 4.0%
グリセリン 12.0%
トリエチレングリコール 2.0%
サーフィノール104(日信化学製アセチレングリコール系界面活性剤) 0.1%
オルフィンE1010(日信化学製アセチレングリコール系界面活性剤) 0.8%
プロキセルXLII(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製) 0.3%
1,2−ヘキサンジオール 0.5%
イオン交換水 残量
(ホワイトインク1−1)
分散液W1(顔料固形分15%) 50.0%
水分散性定着樹脂DP−1(固形分40%) 12.5%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 2.0%
1,2−ヘキサンジオール 1.0%
トリメチロールプロパン 1.5%
グリセリン 8.0%
トリエチレングリコール 1.0%
サーフィノール104(日信化学製アセチレングリコール系界面活性剤) 0.1%
オルフィンE1010(日信化学製アセチレングリコール系界面活性剤) 0.8%
プロキセルXLII(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製) 0.3%
1,2−ヘキサンジオール 0.5%
水 残量
(シアンインク2−1)
分散液C1(顔料固形分15%) 24.0%
水溶性定着樹脂SP−1(固形分40%) 12.5%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 2.0%
1,2−ヘキサンジオール 1.0%
トリメチロールプロパン 4.0%
グリセリン 12.0%
トリエチレングリコール 2.0%
サーフィノール104(日信化学製アセチレングリコール系界面活性剤) 0.1%
オルフィンE1010(日信化学製アセチレングリコール系界面活性剤) 0.8%
プロキセルXLII(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製) 0.3%
1,2−ヘキサンジオール 0.5%
イオン交換水 残量
(ホワイトインク2−1)
分散液W1(顔料固形分15%) 50.0%
水溶性定着樹脂SP−1(固形分40%) 12.5%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 2.0%
1,2−ヘキサンジオール 1.0%
トリメチロールプロパン 1.5%
グリセリン 8.0%
トリエチレングリコール 1.0%
サーフィノール104(日信化学製アセチレングリコール系界面活性剤) 0.1%
オルフィンE1010(日信化学製アセチレングリコール系界面活性剤) 0.8%
プロキセルXLII(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製) 0.3%
1,2−ヘキサンジオール 0.5%
水 残量
シアンインク1−2〜シアンインク1−7、ホワイトインク1−2〜ホワイトインク1−7及びシアンインク2−2〜シアンインク2−7、ホワイトインク2−2〜ホワイトインク2−7の作製
上記、シアンインク1−2、ホワイトインク1−2、シアンインク2−2、ホワイトインク2−2の作製において、顔料分散液を下記の表3の通りにした以外は、同様の方法で各インクを作製した。
Figure 2016188446
シアンインク1−8〜シアンインク1−12、ホワイトインク1−8〜ホワイトインク1−12及びシアンインク2−8〜シアンインク2−12、ホワイトインク2−8〜ホワイトインク2−12の作製
上記、シアンインク1−2、ホワイトインク1−2、シアンインク2−2、ホワイトインク2−2の作製において、定着樹脂を下記の表4の通りにした以外は、同様の方法で各インクを作製した。
Figure 2016188446
(捺染物の製造方法)
上記の方法で製造したインクを用い、インクジェットプリンターとしてコニカミノルタ株式会社製ナッセンジャーVを一部改造してプラテン部分の温度を調整可能としたものを用い、綿布にベタ印字した印刷物を作成した。ベタ印字おいて、シアンインクのテストサンプルは白色の綿布を用い、ホワイトインクのテストサンプルは、黒色染料によって染色された綿布に対し、画像形成を行った。
その後、150℃で5分間加熱処理して、サンプルの捺染物を得た。
また実施例において、一部の捺染物は前処理した布帛を用いており、カルボキシメチルセルロースと塩化マグネシウムの水溶液からなる前処理剤を綿布全体にマングル装置を用いて塗布し、乾燥させたものを用いた。
(凸画像の形成テスト)
各サンプルの製造において凸画像形成の有無は、印字領域と非印字領域の縁が触診によって段差を認識できた場合は○、できなかった場合は×とした。
Figure 2016188446
また、布帛の温度を25℃形成した際の印刷物の各種物性を以下の要領で測定した。以下の表において「凸画像」の項目は、布帛を60℃に加熱された布帛を用いて画像形成する場合において、凸画像ができたインクを○とした。
(耐擦性試験とドライクリーニング性試験)
上記サンプル(捺染物)を、テスター産業株式会社の学振式摩擦堅牢性試験機AB−301Sを用いて荷重300gで200回擦る摩擦堅牢性を行った。インクのはがれ具合を確認する日本工業規格(JIS)JIS L0849によって、乾燥時の水準で評価した。また、同様にドライクリーニング試験をJIS L0860のB法によって評価した。耐擦性試験およびドライクリーニング試験の結果を表6〜表8に示す。
評価は4〜5級を◎、3級を○、3〜2級を△、それ以下を×とした。
(発色性の測定)
印捺サンプルを用い、GRETAG SPECTROSCAN SPM−50を用いて発色性の指標としてシアンは彩度、ホワイトは白色度を評価した。
彩度は43以上を◎、42〜41を○、40〜38を△、それ以下を×とした。
白色度は80以上を◎、79〜75を○、74〜70を△、それ以下を×とした。
(吐出安定性の測定)
インクジェットプリンターとしてコニカミノルタ株式会社製ナッセンジャーVを一部改造し、プラテン部分の温度を調整可能としたもの用い、35℃35%雰囲気で綿布に、マイクロソフトワードで文字サイズ11の標準、MSPゴシックで印刷して評価した。全く印字乱れがないものを◎、1箇所印字乱れがあるものを○、2箇所〜3箇所印字乱れがあるものを△、4箇所以上印字乱れがあるものを×とした。
評価結果を下記の表6〜8に示す。
Figure 2016188446
Figure 2016188446
Figure 2016188446
(インクセットの製造)
シアンインク用顔料分散液C1の製造において、顔料をC.I.ピグメントブラック7(カーボンブラック:三菱化学製)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドン顔料:クラリアント製)及びC.I.ピグメントイエロー180(ベンズイミダゾロン顔料:クラリアント製)に変更した以外は同様の方法で、それぞれ、ブラックインク用顔料分散液、マゼンタインク用顔料分散液及びイエローインク用顔料分散液を製造した。
また、シアンインク1−1の製造において、顔料分散液をそれぞれ、ブラックインク用顔料分散液、マゼンタインク用顔料分散液及びイエローインク用顔料分散液変更した以外は同様の方法で、ブラックインク、マゼンタインク及びイエローインクを製造し、シアンインク1−1及びホワイトインク1−1を合わせて6色の捺染インクセットを製造した。
作成した捺染インクセットを、コニカミノルタ株式会社製ナッセンジャーVを用いて画像形成を行ったところ、凸画像、平面画像の作り分けをすることができ、かつ耐擦性、ドライクリーニング耐性及び発色性の良好な印刷物を得ることができた。

Claims (6)

  1. 支持体に支持された布帛を搬送する搬送手段と、インクを吐出するための複数のノズルを備える記録ヘッドを有するインクジェット捺染装置であって、
    前記布帛を乾燥する乾燥手段を有し、
    前記インクは、顔料、水、および水溶性有機溶媒を含むインクジェットインクであり、前記インクは加熱によりゲル化するインクであるインクジェット捺染装置。
  2. 前記乾燥手段が加熱により行われることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット捺染装置。
  3. 前記インクが定着樹脂を含有していることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット捺染装置。
  4. 加熱手段によって布帛が45〜60℃となる温度に調整された状態で画像形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット捺染装置。
  5. 前記インクは布帛に着弾時から50%質量が減少した際の粘度が、200Pa・s以上となるインクである請求項1に記載のインクジェット捺染装置。
  6. 顔料、水、および水溶性有機溶媒を含むインクジェットインクであり、前記インクは加熱によりゲル化するインクであるインクジェット捺染方法であって、さらに、布帛に着弾したインクを乾燥させる工程をさらに含む、方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115109461A (zh) * 2021-03-22 2022-09-27 精工爱普生株式会社 喷墨油墨组合物、记录物质及其制造方法、以及记录装置

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