JP2013151600A - 捺染用インクジェットインク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも顔料と、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と、オキサゾリン基含有樹脂と、水と、を含む、捺染用インクジェットインク。
【選択図】なし
Description
しかし、顔料インクは印刷媒体の表面近傍に顔料粒子が残存することで高い発色性を実現する特性上、摩擦堅牢性能が低くなる傾向がある。特に、捺染用途では捺染部の摺動による色落ちや色移りを抑制する高い摩擦堅牢性能が要求されている。また、洗濯やドライクリーニングによる捺染部の色落ち、離脱した色材によるクリーニング液の汚染といった、所謂洗濯堅牢性の課題もある。これらの性能は、インク中の顔料濃度の低減により、見かけ上改善することが可能であるが、捺染部の発色が低下する現象を招く。即ち、テキスタイル向けインクジェット用顔料インクにおいては、発色性に代表される捺染品質と、摩擦堅牢性および洗濯堅牢性との両立が大きな課題となっている。
少なくとも顔料と、カルボキシル基含有ポリカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と、オキサゾリン基含有樹脂と、水と、を含む、捺染用インクジェットインクである。
前記顔料が白色顔料である、適用例1に記載の捺染用インクジェットインク。
前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の破断点伸度が200%以上400%以下である、適用例1または2に記載の捺染用インクジェットインクである。
前記オキサゾリン基含有樹脂のガラス転移温度が、−60℃以上−20℃以下である、適用例1〜3のいずれか一例に記載の捺染用インクジェットインクである。
前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂が、カルボキシル基を含有する、適用例1〜4のいずれか一例に記載の捺染用インクジェットインクである。
下記一般式(1)で表されるオキサゾリン基モル量(A)を、下記一般式(2)で表されるカルボキシル基モル量(B)で除した(A)/(B)が、0.3以上1.4以下である、適用例1〜5のいずれか一例に記載の捺染用インクジェットインク。
オキサゾリン基モル量(A)=(オキサゾリン基含有樹脂の固形分濃度)×(オキサゾリン基量) …(1)
カルボキシル基モル量(B)=(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の固形分濃度)×(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の酸価)/56.1 …(2)
本発明のインクは少なくとも顔料と、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と、オキサゾリン基含有樹脂と、水と、を含む。
本例で用いるインクは、顔料を含む。顔料は、白色インク、黒色インク、カラーインク等のインクの種類に応じて、適宜決定することができる。
このように、種々の顔料を用いることができる。
他方、白色顔料の場合、その平均粒径は100nm以上600nm以下が好ましく、より好ましくは200nm以上500nm以下である。100nm未満では隠蔽性が低くなり、白色の発色性が低下する。1μmを超えると定着性が低下し、インクジェットヘッドからの吐出安定性が低下する。
本例で用いるインクは、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を含む。これにより、摩擦堅牢性に優れた印捺物を得ることができる。また、上記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の破断点伸度は200%以上400%以下であることが好ましく、前記の範囲とすることで摩擦堅牢性がより一層優れたものとなる。
ポリオールとして、ヒドロキシル基を2個以上含有する化合物であって、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の直鎖脂肪族グリコール;ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族分岐グリコール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリブチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多官能グリコール;が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を併用して使用することができ、さらに2種以上の共重合体として使用することもできる。
さらに、本例においては使用できるポリオールとして例えば、アクトコールEP3033(三井化学ウレタン社製)、PREMINOL7003(旭硝子社製)、PREMINOL7001(旭硝子社製)、アデカポリエーテルAM302(旭電化社製)等が市販されている。
本例においては鎖延長剤として、以下のものを使用することができる。例えば、ポリオールとして、ヒドロキシル基を2個以上含有する化合物であって、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の直鎖脂肪族グリコール;ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族分岐グリコール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリブチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多官能グリコール;が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を併用して使用することができ、さらに2種以上の共重合体として使用することもできる。
また、本例で使用することができるポリイソシアネートとして、イソシアネート基を2個以上含有する化合物であって、以下のようなものである。例えば、ジエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアナトメチル)デカヒドロナフタレン、リジントリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、3−(2’−イソシアネートシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,2’−ビス(4−イソシアネートエニル)プロパン、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(ジイソシアネートトリル)フェニルメタン、4,4’,4”−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシフェニルアミン、3,3’−ジメトキシベンジジン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−イソシアナトベンゼン)、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス((2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス(イソシアナトメチル)ジシクロペンタジエン、ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアネートメチルノルボルネン、ビス(イソシアナトメチル)アダマンタン、3,4−ジイソシアネートセレノファン、2,6−ジイソシアネート−9−セレナビシクロノナン、ビス(イソシアナトメチル)セレノファン、3,4−ジイソシアネート、−2,5−ジセレノラン、ダイマー酸ジイソシアネート、1,3,5−トリ(1−イソシアナトヘキシル)イソシアヌル酸、2,5−ジイソシアナトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル−4−イソシアネート−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−イソシアネート−2−チアプロピル)1,4−ジチアン、1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、1,5−ジイソシアネート−2−イソシアナトメチル−3−チアペンタン、1,2,3−トリス(イソシアナトエチルチオ)プロパン、1,2,3−(イソシアナトメチルチオ)プロパン、1,1,6,6−テトラキス(イソシアナトメチル)−2,5−ジチアヘキサン、1,1,5,5−テトラキス(イソシアナトメチル)−2,4−ジチアペンタン、1,2−ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアネート−3−イソシアナトメチル−2,4−ジチアペンタン等があげられる。これらポリイソシアネート類のビュレット型反応による2量体、これらポリイソシアヌレート類の環化3量体およびこれらのポリイソシアネート類とアルコールもしくはチオールの付加物等が挙げられる。さらには、上記ポリイソシアネート類のイソシアネート基の一部又は全部をイソチオシアネート基に変えた化合物をあげることができる。これらは単独でも2種類以上を混合して用いることができる。
本例で使用することができるポリアミンとしては、1級または2級のアミノ基を2個以上含有する化合物であって、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ピペラジン、マレイン酸ヒドラジド等が挙げられる。
本例に係るインクは、オキサゾリン基含有樹脂を含む。オキサゾリン基含有樹脂を含むことにより、インクに含まれる樹脂同士の架橋、あるいは、インクに含まれる樹脂と被印捺物との架橋により、優れた摩擦堅牢性を奏する。また、オキサゾリン基含有樹脂と前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂とを併用することにより、優れた追従性が得られる。
オキサゾリン基モル量(A)=(オキサゾリン基含有樹脂の固形分濃度)×(オキサゾリン基量) …(1)
カルボキシル基モル量(B)=(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の固形分濃度)×(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の酸価)/56.1 …(2)
本例に係るインクには、有機溶媒が含有されてもよい。有機溶媒としては、水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒であれば、インク組成物の吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させたりすることなく粘度を容易に変更させたりすることができる。以下、本例に係るインクに用いることができる有機溶媒について説明する。
本例に係るインクは、1,2−アルキレングリコールを含んでなることが好ましい。1,2−アルキレングリコールを用いることで、印刷物や印捺物のにじみが低減し、印刷品質が向上する。1,2−アルキレングリコールの例としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオールのように、炭素数5または6の1,2−アルキレングリコールが好ましい。中でも、炭素数6の1,2−ヘキサンジオールおよび4−メチル−1,2−ペンタンジオールが好ましい。また、1,2−アルキレングリコールの添加量は0.3%以上30%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以上10%以下である。
本例に係るインクは、グリコールエーテルを含んでなることが好ましい。これにより、印刷物や印捺物のにじみが低減する。グリコールエーテルとしては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノブチルエーテルから選択される一種または二種以上を用いることが好ましい。また、グリコールエーテルの添加量は、0.1%以上20%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以上10%以下である。
本例に係るインクは、上記した成分以外の有機溶媒を用いてもよい。例えば、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等)、アミン類(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール等)、一価アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、多価アルコールのアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、2,2′−チオジエタノール、アミド類(例えばN,N−ジメチルホルムアミド等)、複素環類(2−ピロリドン等)、アセトニトリル等が挙げられる。水溶性有機溶媒量としては、全インク質量に対して1以上60質量%以下が好ましい。
本例に係るインクには、界面活性剤が含有されてもよい。以下、本例に係るインクに用いることができる界面活性剤について説明する。
本例に係るインクは、アセチレングリコール系界面活性剤またはアセチレンアルコール系界面活性剤の少なくとも1種を含んでなることが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはアセチレンアルコール系界面活性剤の少なくとも1種を用いることで、さらににじみが低減し、印刷品質が向上する。また、これらの添加により、印字の乾燥性が向上し、高速印刷が可能となる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、花王株式会社製エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、三洋化成株式会社製ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
本例ではカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂あるいは顔料の平均粒径としては、光散乱法を用いた市販の粒径測定機により求めることができる。具体的粒径測定装置としては、例えば大塚化学株式会社製ELSシリーズ、日機装株式会社製マイクロトラックシリーズやナノトラックシリーズ、マルバーン社製ゼーターサイザーシリーズ、等を挙げることができる。
本例に係るインクは、その放置安定性の確保、インクジェットヘッドからの安定吐出のため、目詰まり改善のためあるいはインクの劣化防止のため等の目的で保湿剤、溶解助剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート等種々の添加剤を適宜添加することもできる。
本発明の印捺物の製造方法は、前記の捺染用インクジェットインクを布帛にインクジェット印刷工程と、前記インクジェット印刷工程によって得られた印刷物を、110℃以上200℃以下で1分以上熱処理する加熱工程とを有する。
本発明に係る印捺物の製造方法は、前記のインクジェット印刷工程に先立って、布帛に前処理液を付与する前処理工程を有していてもよい。前処理の付与は公知の手段を用いることが可能であり、例えば、各種の塗工手段、噴霧手段、インクジェット印刷手段等が挙げられる。
また、インク組成物を布帛に印刷する際は、ピエゾ素子のような、インクが加熱され難い電歪素子を用いることが好ましい。サーマルヘッドのような、インクの加熱が起こる場合は、顔料定着液中のカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂や、インク中の顔料の分散などに用いる樹脂が変質して吐出が不安定になりやすいからである。印捺物の製造にように、その工程において大量のインクを長時間に亘って吐出させることが要求される場合は、加熱が起こるヘッドは好ましくない。
本発明の印捺物は、上述した印捺物の製造方法により得られるものである。
4.1.白色インク組成物の調製
下記表1及び表2の組成に従い各成分を混合し、各インクを調製した。各インクは、白色顔料分散液、顔料分散樹脂、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂、有機溶媒、多価アルコール、界面活性剤およびイオン交換水を混合撹拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、実施例1〜実施例5および比較例1と2の各白色インク組成物を得た。表中に記載されている濃度の単位は、質量%であり、白色顔料分散液、顔料分散樹脂、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂についてはいずれも固形分換算濃度である。
実施例1〜5および比較例1と2で作製したインクを用い、インクジェットプリンター(PX−G930、セイコーエプソン社)を使用して、Ca塩を含む前処理液で前処理を行った布帛にベタ印捺を行った。その後、160℃で1分間、熱処理することで、印捺物を作製した。なお、布帛の前処理は、Ca塩を含む前処理液を付着させ、乾燥させることで行った。
4.3.1.摩擦堅牢性
上記の「4.2.印捺物の作製」で得られた各印捺物の摩擦堅牢性を評価した。摩擦堅牢性試験は、学振式摩擦堅牢性試験機AB−301S(テスター産業株式会社製)を用いて、荷重200gで100回擦ることで実施した。摩擦布は、白インクの捺染に用いた黒色綿ブロードを用いた。摩擦試験前後の印捺物に波長457nmの光を照射した際の光の反射率をGretag Macbeth TM SPM50を用いて測定し(測色点は30点)、下記式(3)から算出される白色度減少率により評価した。
白色度減少率(%)=100−(試験後反射率)/(試験前反射率)×100 …(3)
評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
AA:白色度減少率が10%未満。
A:白色度減少率が10%以上15%未満。
B:白色度減少率が15%以上20%未満。
C:白色度減少率が20%以上。
また、上記の「4.2.印捺物の作製」で得られた各印捺物のドライクリーニング性を評価した。ドライクリーニング試験は、JIS L0860のB法に準拠して評価した。評価結果を表2に示す。
実施例1〜5、比較例1と2の各印捺物の5回引っ張り伸ばして(各回とも印捺物が伸びきるまで引っ張る)、塗布膜の割れ、剥離を目視にて評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
A:塗布膜の割れ、剥離が見られない。
B:塗布膜の剥離は見られないが、割れが発生する。
C:塗布膜の割れ、剥離が見られる。
表2は摩擦堅牢性評価の結果を示すものである。表2の結果から、破断点伸度200%以上400%以下のウレタン樹脂を添加することで、良好な結果が得られることが分かる。
表2は摩擦堅牢性評価の結果を示すものである。これより、オキサゾリン基モル量(A)を、カルボキシル基モル量(B)で除した(A)/(B)が、0.3以上1.4以下であり、オキサゾリン基含有樹脂のガラス転移温度が、−60℃以上−20℃以下である場合に良好な結果が得られることが分かる。
表2はドライクリーニング性の評価結果を示すものである。これより、オキサゾリン基モル量(A)を、カルボキシル基モル量(B)で除した(A)/(B)が、0.3以上1.4以下である場合に良好な結果が得られることが分かる。
Claims (6)
- 少なくとも顔料と、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と、オキサゾリン基含有樹脂と、水と、を含む、捺染用インクジェットインク。
- 前記顔料が白色顔料である、請求項1に記載の捺染用インクジェットインク。
- 前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の破断点伸度が200%以上400%以下である、請求項1または2に記載の捺染用インクジェットインク。
- 前記オキサゾリン基含有樹脂のガラス転移温度が、−60℃以上−20℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の捺染用インクジェットインク。
- 前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂が、カルボキシル基を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の捺染用インクジェットインク。
- 下記一般式(1)で表されるオキサゾリン基モル量(A)を、下記一般式(2)で表されるカルボキシル基モル量(B)で除した(A)/(B)が、0.3以上1.4以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の捺染用インクジェットインク。
オキサゾリン基モル量(A)=(オキサゾリン基含有樹脂の固形分濃度)×(オキサゾリン基量) …(1)
カルボキシル基モル量(B)=(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の固形分濃度)×(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の酸価)/56.1 …(2)
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