JP2020158181A - 二重容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内層の密着を防ぎ内容物の流路を確保することが可能で、残液量を抑えることが可能な二重容器を提供する。【解決手段】 外層と内層とを有し、内層に収容される内容物の減少に伴って内層が収縮する二重容器である。内層内に長尺状の挿入部材が挿入されている。二重容器内に長尺状の挿入部材を挿入することで、内層同士の密着が防止され、吐出口に向う流路が確保される。その結果、底部付近の内容物も最後まで吐出することが可能になり、残液量が大幅に低減される。挿入部材の形態としては、長尺状の管状部材あるいは柱状部材である。【選択図】 図6

Description

本発明は、内容物の吐出に伴って内層が収縮する二重容器に関するものであり、特に、残液量を低減することが可能な新規な二重容器に関するものである。
従来、外層容器と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って内袋が収縮する容器本体と、外層容器と内袋の間の中間空間と容器本体の外部空間との間の空気の出入りを調節する逆止弁とを備える二重容器(いわゆる積層剥離容器)が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特許文献1に開示される積層剥離容器では、容器本体の口部に取り付けるキャップに弁が内蔵されている。特許文献2に開示される積層剥離容器では、外殻の胴部の内側に弁が設けられている。
特開2013−35557号公報 特開平4−267727号公報
ところで、この種の二重容器は、使用していくにつれて内層(内袋)が萎み易くなる傾向にあり、残液量が少なくなると内層が密着する傾向にある。内層が密着してしまうと、それよりも下側にある内容物は押し出され難くなり、残液量が多くなってしまうという課題がある。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、内層の密着を防ぎ内容物の流路を確保することが可能で、残液量を抑えることが可能な二重容器を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の二重容器は、外層と内層とを有し、内層に収容される内容物の減少に伴って前記内層が収縮する二重容器であって、内層内に長尺状の挿入部材が挿入されていることを特徴とする。
二重容器内に長尺状の挿入部材を挿入することで、内層同士の密着が防止され、吐出口に向う流路が確保される。その結果、底部付近の内容物も最後まで吐出することが可能になり、残液量が大幅に低減される。
本発明によれば、内層の密着を防ぎ内容物の流路を確保することが可能で、残液量を抑えることが可能な二重容器を提供することが可能である。
二重容器の容器本体の概略斜視図である。 容器本体の要部概略断面図である。 外層と内層の層構成を示す概略断面図である。 二重容器へのポンプの取り付け状態を示す要部分解斜視図である。 二重容器へのポンプの取り付け状態を示す要部概略断面図である。 挿入部材の形状例を示すものであり、(A)は管状の挿入部材、(B)は壁面に孔部を有する管状の挿入部材、(C)は断面X状の柱状挿入部材を示す。 内層(内袋)が収縮した状態を示す横断面図である。 スクイズ方式の二重容器に挿入部材を挿入した状態を示す図である。
以下、本発明を適用した二重容器の実施形態について図面を参照して説明する。
図1乃び図2に示すように、本実施形態の二重容器1は、容器本体2を主体とするものであり、容器本体2は、内容物を収容する収容部3と、収容部3から内容物を吐出する口部4を備えている。
本実施形態の二重容器1は、いわゆる積層剥離容器であり、図2に示すように、容器本体2は、収容部3及び口部4において、外殻である外層11と内袋である内層12を備えており、内容物の減少に伴って内層12が収縮する。
外層11と内層12は、例えば多層パリソンとしてブロー成形に供され、一体に接合された状態で成形されるが、その使用形態としては、例えば使用前に口部4を除いて予め外層11から内層12を剥離しておき、内層12が外層11に接するまで内容物を充填する。内容物を押し出すことで、円滑に内層12が収縮する。あるいは、内層12が外層11に接合された状態のままとし、内容物の排出に伴って内層12が外層11から剥離して収縮するようにしてもよい。
容器本体2の層構成についてさらに説明すると、容器本体2は、前記の通り、外層11と内層12を備え、外層11は、復元性が高くなるように、内層12よりも肉厚に形成されている。
外層11は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外層11は、単層又は複数層構成であり、その最内層と最外層の少なくとも一方に滑剤を含有することが好ましい。外層11が単層構成の場合、その単層が最内層であり且つ最外層であるので、その層に滑剤を含有させればよい。外層11が2層構成の場合、容器内面側の層が最内層となり、容器外面側の層が最外層となるので、その少なくとも一方に滑剤を含有させればよい。外層11が3層以上で構成される場合、最も容器内面側の層が最内層であり、最も容器外面側の層が最外層となる。
外層11は、図3に示すように、最内層11bと最外層11aの間にリプロ層11cを備えることが好ましい。リプロ層とは、容器の成形時に発生するバリをリサイクルして使用した層をいう。外層11が複数層構成の場合、その最内層と最外層の両方に滑剤を含有することが好ましい。
滑剤としては、一般に滑剤として市販されているものを使用することができ、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アマイド系、金属石鹸系の何れであってもよく、2種以上を併用してもよい。炭化水素系滑剤としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス等が挙げられる。脂肪酸系滑剤としては、ステアリン酸やステアリルアルコール等が挙げられる。脂肪族アマイド系滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミドや、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアルキレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。金属石鹸系滑剤としては、ステアリン酸金属塩等が挙げられる。
外層11の最内層は、内層12に接触する層であり、外層11の最内層に滑剤を含有させることによって外層11と内層12の間の剥離性を向上させることができる。一方、外層11の最外層は、ブロー成形の際に金型に接触する層であり、外層11の最外層に滑剤を含有させることによって離型性を向上させることができる。
外層11の最内層と最外層の一方又は両方は、プロピレンと別のモノマーとの間のランダム共重合体で形成することができる。これによって、外殻である外層11の形状復元性・透明性・耐熱性を向上させることができる。
なお、容器が過度に硬いと、容器の使用感が悪くなるため、ランダム共重合体に、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなどの柔軟材料を混合して外層11を構成してもよい。ただし、ランダム共重合体に対して混合する材料は、ランダム共重合体の有効な特性を大きく阻害することのないよう、混合物全体に対して50重量%未満となるように混合することが好ましい。例えば、ランダム共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとを85:15の重量割合で混合した材料により外層11を構成することができる。
内層12は、例えば図3に示すように、容器外面側に設けられたEVOH層12aと、EVOH層12aの容器内面側に設けられた内面層12bと、EVOH層12aと内面層12bの間に設けられた接着層12cを備える。EVOH層12aを設けることで、ガスバリア性、及び外層11からの剥離性を向上させることができる。
EVOH層12aは、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなる層であり、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。EVOH樹脂のエチレン含有量は、例えば25〜50mol%であり、酸素バリア性の観点から32mol%以下が好ましい。エチレン含有量の下限は、特に規定されないが、エチレン含有量が少ないほどEVOH層12aの柔軟性が低下しやすいので25mol%以上が好ましい。また、EVOH層12aは、酸素吸収剤を含有することが好ましい。酸素吸収剤をEVOH層12aに含有させることにより、EVOH層12aの酸素バリア性をさらに向上させることができる。
内面層12bは、二重容器1の内容物に接触する層であり、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなり、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなることが好ましい。内面層12bを構成する樹脂の引張弾性率は、50〜300MPaが好ましく、70〜200MPaが好ましい。引張弾性率がこのような範囲の場合に、内面層13bが特に柔軟であるからである。
接着層12cは、EVOH層12aと内面層12bとを接着する機能を有する層であり、例えば上述したポリオレフィンにカルボキシル基を導入した酸変性ポリオレフィン(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン)を添加したものや、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)である。接着層12cの一例は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、酸変性ポリエチレンの混合物である。
以上が外層11及び内層12の層構成であるが、二重容器1は、さらに図1及び図2に示すように、収容部3の肩部において外層11に凹部7aが形成され、ここに大気導入孔15が穿設されている。大気導入孔15は、外層11にのみ設けられた貫通孔であり、内層12には到達していない。そして、この大気導入孔15から空気が導入されることで、外殻である外層11と内層12の間に中間空間21が形成される。すなわち、中間空間21と外部空間は、この大気導入孔15によって互いに連通されることになる。
大気導入孔15には、弁部材5が設けられており、弁部材5は、外気導入孔15に挿通され且つ外気導入孔15に対してスライド移動可能な軸部5aと、軸部5aの中間空間21側に設けられ且つ軸部5aよりも断面積が大きい蓋部5cと、軸部5aの外部空間S側に設けられ且つ弁部材5が中間空間21に入り込むことを防ぐ係止部5bを備える。
なお、本例では大気導入孔15を容器本体2の肩部に設けたが、大気導入孔15の形成位置は任意であり、例えば口部4に設けてもよい。あるいは、底部のピンチ部において外層11と内層12を剥離し、ここを大気導入孔として利用することも可能である。
また、外層11と内層12からなる二重容器1では、例えば帯状の接着層(接着帯)を上下方向に設け、外層11と内層12をこの接着帯で接着固定することがあるが、本実施形態の二重容器1では、このような接着帯は設けられていない。
以上のような構成の二重容器1において、例えばポンプ式の二重容器においては、その口部4にポンプが取り付けられる。図4及び図5は、容器本体2の口部4へのポンプ50の取り付けを示すものである。ポンプ50は、押圧操作するためのノズル部51、容器本体2への取り付け部52、容器本体2内に挿入される吸引パイプ53とから構成され、容器本体2の口部4に対してねじ込み方式により装着され、且つパッキン60を介して装着される。パッキン60を介在させることにより、密閉性が確保される。
本実施形態の二重容器1では、前記ポンプ50を装着する前に、容器本体2の内層(内袋)12内に長尺状の挿入部材70を挿入し、内容物の吐出に伴う内層(内袋)12の密着を防止し、流路を確保するようにしている。
挿入部材70は、本例の場合、図6(A)に示すようなストロー状の管状部材であり、これを固定することなく容器本体1の内層(内袋)12内に挿入する。挿入部材70を挿入することにより、前記の通り流路が確保され、内層12内の内容物を最後まで吐出させることができ、残液量が大幅に低減される。
図7は、内層(内袋)12が収縮した状態を示す図であり、内層12が収縮した場合にも、挿入部材70が中に挿入されているため、内層12の密着が抑制され、また挿入部材70の内部も流路として機能することから、内容物の流路が確保され、残液量が抑えられる。
なお、前記挿入部材70の機能を考えた場合、挿入部材70は弾性のある材質(例えばシリコンゴム等)で形成されていることが好ましい。挿入部材70がストロー状の管状部材である場合、挿入部材70の内部にも内容物が入り込むが、弾性を有する材料で形成すれば、挿入部材70が潰れて内部の内容物も速やかに吐出させることができる。
また、挿入部材70の形態についても任意であり、図6(A)に示すようなストロー状の管状部材の他、種々の形態を採用することが可能である。例えば、図6(B)に示すように、挿入部材70をストロー状の管状部材とし、その壁面に所定の間隔で孔部71を配列形成してもよい。このように孔部71を設けることで、挿入部材70の中に入り込んだ内容物を円滑に排出させることが可能になる。
図6(C)は、柱状の挿入部材70の一例であり、本例の場合、2枚の板状部72,73をクロスさせた形態を有している。断面形状はX状である。挿入部材70を柱状とすることで、内容物の入り込むを無くすことができる。また、2枚の板状部72,73をクロスさせて断面をX状とすることで、流路を十分に確保することが可能となる。
挿入部材70の長さは任意であるが、例えば容器本体2の高さの50%〜90%程度とすることが好ましい。挿入部材70の長さが短すぎると底部の内容物を円滑に吐出させることが難しくなるおそれがある。逆に、挿入部材70の長さが長すぎると、他の部材と干渉するおそれがある。
以上、本発明を適用した実施形態について説明してきたが、本発明がこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、適用される二重容器はポンプ式に限らず、いわゆるスクイズ式の二重容器等についても適用可能である。
図8は、スクイズ式の二重容器への適用例を示すものである。スクイズ式の二重容器80は、容器本体81と、口部に装着されるキャップ82とから構成される。容器本体81は、先の実施形態と同様、外層と内層(内袋)が剥離可能に積層されている。
スクイズ式の二重容器80においては、マヨネーズやケチャップ等、粘稠物が内容物として収容されることがあるが、底部に残液量が多くなってしまう傾向にある。そこで、スクイズ式の二重容器80においても、容器本体(内層)の中に挿入部材70を挿入することで、内層の密着を防止し、流路を確保することができ、残液量を減らすことが可能となる。
1 二重容器
2 容器本体
3 収容部
4 口部
5 弁部材
11 外層
12 内層(内袋)
15 外気導入孔
70 挿入部材

Claims (7)

  1. 外層と内層とを有し、内層に収容される内容物の減少に伴って前記内層が収縮する二重容器であって、
    内層内に長尺状の挿入部材が挿入されていることを特徴とする二重容器。
  2. 前記挿入部材は、固定されることなく内層内に挿入されていることを特徴とする請求項1記載の二重容器。
  3. 前記挿入部材は管状部材であることを特徴とする請求項1または2記載の二重容器。
  4. 前記管状部材は、壁面に所定の間隔で孔部が配列形成されていることを特徴とする請求項3記載の二重容器。
  5. 前記挿入部材は柱状部材であることを特徴とする請求項1または2記載の二重容器。
  6. 前記柱状部材は、断面X状であることを特徴とする請求項5記載の二重容器。
  7. ポンプ式の容器であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の二重容器。
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