JP6808430B2 - 二重容器 - Google Patents

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本発明は、内容物を収容する減容変形自在の内層体と該内容体を内側に収容する外層体とを有する二重容器に関する。
食品調味料、化粧水などの化粧料、シャンプーやリンス或いは液体石鹸などのトイレタリー等を内容物として収容する用途に用いられる容器としては、内容物の収容する減容変形自在の内層体と、この内容体を内側に収容する外層体とを有する二重容器が知られている。二重容器には、外層体と内層体とを一体に積層させて形成した後、内層体を外層体から剥離させる積層剥離タイプの容器(デラミ容器)と、外層体と内層体とを個別に形成して形成後に互いを組み付けるタイプの容器とが存在する。
二重容器の口部には、内容物を注出する注出口を備えるとともに当該注出口から内層体への外気の侵入を防止する逆止弁を備えた二重容器用キャップが装着される。外層体を押圧すると内層体が加圧され、注出口から内容物が注出される。一方、内容物の注出後に外層体の押圧を解除すると、外層体の復元に伴って外層体に設けた貫通孔から外層体と内層体との間に外気が取り込まれ、内層体を減容変形させたまま外層体のみが元の形状に復元する。これにより、内層体の内部に外気を取り込むことなく内容物を注出することを可能として、内容物の劣化を抑制することができる。
このような二重容器の内層体には、酸素等に対する高いガスバリア性、減容変形によってクラックやピンホールを生じない高い耐久性及び当該二重容器をブロー成形する際の良好な成形性が求められる。耐久性と成形性のみに着目すればポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂により内層体を形成すればよいが、この場合、高いガスバリア性を確保することは困難である。一方、内層体をエチレンビニルアルコール共重合樹脂で形成すれば高いガスバリア性を確保することができるが、この場合、高い耐久性や成形性を確保することが困難となる。
そこで、例えば特許文献1に示されるように、内層体を、エチレンビニルアルコール共重合樹脂で形成された層とオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂)により形成された層とを接着層を介して積層した多層構造とすることにより、高いガスバリア性と、高い耐久性及び成形性を両立するようにした技術が開発されている。
特開2000−335635号公報
しかしながら、上記従来の二重容器のように、内層体を多層構造とする場合、当該二重容器を押出しブロー成形(EBM:Extrusion Blow Molding)する成形装置に、積層パリソンを形成するための複数本の押出しシリンダを設ける必要があるなど、その製造コストが高くなるという問題点があった。
これに対して、オレフィン系樹脂とエチレンビニルアルコール共重合樹脂とを溶融、混練したブレンド材により内層体を単層に形成する方法が考えられる。しかし、この場合、ブレンド材を、高いガスバリア性を確保することができる程度の割合でエチレンビニルアルコール共重合樹脂を含むものとすると、その耐久性や成形性を確保することができないという問題点が生じることになる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、単層でありながら高いガスバリア性、耐久性及び成形性を備える内層体を有する二重容器を提供することにある。
本発明の二重容器は、内容物を収容する減容変形自在の内層体と該内層体を内側に収容する外層体とを有する二重容器であって、前記内層体が、ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、PP用マスターバッチ及び相溶化剤を溶融、混練してなるブレンド材から成り、前記ブレンド材における前記PP用マスターバッチと前記相溶化剤とを合計した割合が20wt%以上、35wt%以下であり、前記ブレンド材における前記ポリプロピレン樹脂の割合が30wt%以上、40wt%以下であり、前記ブレンド材における前記エチレンビニルアルコール共重合樹脂の割合が30wt%以上、40wt%以下であることを特徴とする。
本発明の二重容器は、内容物を収容する減容変形自在の内層体と該内層体を内側に収容する外層体とを有する二重容器であって、前記内層体が、ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、PP用マスターバッチ及び相溶化剤を溶融、混練してなるブレンド材から成り、前記ブレンド材における前記PP用マスターバッチと前記相溶化剤とを合計した割合が20wt%以上、35wt%以下であり、前記外層体がポリエチレンテレフタレート樹脂で形成され、前記PP用マスターバッチ及び前記相溶化剤の融点が、それぞれ100℃以上である、ことを特徴とする。
本発明の二重容器は、上記構成において、前記ブレンド材における前記PP用マスターバッチの割合が3wt%以上、10wt%以下であり、前記ブレンド材における前記相溶化剤の割合が20wt%以上、30wt%以下であるのが好ましい
本発明の二重容器は、上記構成において、前記PP用マスターバッチは、低密度ポリエチレンを主成分とし、0.01〜2.00wt%の無水マレイン酸により変性され、末端官能基が水酸基である重合体であるのが好ましい
本発明の二重容器は、上記構成において、前記相溶化剤はマレイン酸変性ポリオレフィンであるのが好ましい。
本発明の二重容器は、上記構成において、前記エチレンビニルアルコール共重合樹脂は、エチレン含有量38mol%以下であるのが好ましい。
本発明によれば、単層でありながら高いガスバリア性、耐久性及び成形性を備える内層体を有する二重容器を提供することができる。
本発明の一実施の形態である二重容器を、その一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に例示説明する。
図1に示す本発明の一実施の形態である二重容器1は積層剥離容器として構成されたものであり、外層体2と内層体3とを有している。
外層体2は、樹脂材料により、断面円形の筒状に形成された口部2aと、口部2aの下方に一体に連なる胴部2bとを備えたボトル形状に形成され、二重容器1の外殻を構成している。胴部2bは可撓性を有しており、押圧(スクイズ)されて凹むことができるとともに、凹んだ状態から元の形状に復元することができる。また、口部2aには外気導入孔4が設けられている。外気導入孔4は、口部2aを貫通し、外層体2と内層体3との間に連通している。
内層体3は、外層体2の内側に収容され、外層体2の内面に剥離可能に積層されている。内層体3は薄い袋状となっており、その開口部は外層体2の口部2aの開口端に連ねられ、内部は開口部に連なる収容部3aとなっている。収容部3aには、例えば、食品調味料、化粧水などの化粧料、シャンプーやリンスあるいは液体石鹸などのトイレタリー等の内容物(内容液)を収容することができる。内層体3は、内容物の注出に伴って、その収容部3aの容積を減少させるように変形自在することができる。つまり、内層体3は減容変形自在となっている。
二重容器1の口部2aには雄ねじ2cが設けられ、この雄ねじ2cにより口部2aには二重容器用キャップ(不図示)がねじ結合により装着される。二重容器用キャップとしては、内容物を注出する注出口を備えるとともに当該注出口から内層体3への外気の侵入を防止する逆止弁を備えた構成のものが用いられる。二重容器用キャップが装着された状態で、外層体2を押圧して内層体3を加圧することによって、二重容器用キャップの注出口から内容物を注出させることができる。一方、内容物の注出後に外層体2の押圧を解除すると、外層体2の復元に伴って外層体2の口部2aに設けられた外気導入孔4から外層体2と内層体3との間に外気が取り込まれ、内層体3を減容変形させたまま外層体2のみが元の形状に復元する。これにより、内層体3の収容部3aに外気を取り込むことなく内容物を注出することを可能として、内容物の劣化を抑制することができる。
本実施の形態では、外層体2を形成する樹脂材料はポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)とされている。
一方、内層体3は、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、PP用マスターバッチ及び相溶化剤を溶融、混練してなるブレンド材により単層に構成されている。また、内層体3を構成するブレンド材におけるPP用マスターバッチと相溶化剤とを合計した割合(PP用マスターバッチの割合と相溶化剤の割合とを合計した割合)は、重量パーセント濃度(質量パーセント濃度)で、20wt%以上、35wt%以下である。内層体3を、上記したブレンド材により単層に構成したことにより、この内層体3を、高いガスバリア性と、耐久性及び成形性を有するものとすることができる。
ここで、二重容器1に用いられる内層体3を、酸素等に対する高いガスバリア性、減容変形によってクラックやピンホールを生じない高い耐久性及び当該二重容器1をブロー成形する際の良好な成形性を有するものとするために、高い耐久性及び成形性を有するポリプロピレン樹脂と、高いガスバリア性を有するエチレンビニルアルコール共重合樹脂とを溶融、混練したブレンド材により単層に形成する場合、例えば、ブレンド材を、高いガスバリア性を確保することができる程度の割合でエチレンビニルアルコール共重合樹脂を含むものとした場合などにおいて、その耐久性や成形性を確保することができないという問題点が生じることになる。これに対して、本出願人は、ポリプロピレン樹脂とエチレンビニルアルコール共重合樹脂とを含むブレンド材によって内層体3を単層に構成する場合において、そのブレンド材を、ポリプロピレン樹脂とエチレンビニルアルコール共重合樹脂とに加えて、PP用マスターバッチと相溶化剤とを上記の割合で加えたものとすることで、内層体3を、単層でありながら高いガスバリア性、耐久性及び成形性を有するものとすることができることを見出した。
すなわち、ブレンド材を、PP用マスターバッチを含むものとすることで、ポリプロピレン樹脂とエチレンビニルアルコール共重合樹脂とを溶融、混練する際に、当該樹脂がゲル化や劣化等することを抑制して、これらの樹脂をブレンドしたブレンド材によって内層体3を成形する際の成形性を高めることができる。PP用マスターバッチは、オレフィン系樹脂中の一部が不飽和カルボン酸で変性されているものである。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。PP用マスターバッチとして、好ましくは、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE樹脂)を主成分とするものを用いるのが好ましい。また、変性に用いる不飽和カルボン酸は、無水マレイン酸が好ましい。無水マレイン酸の変性量は0.01〜2.00wt%が好ましい。最適な形態は低密度ポリエチレンを主成分とし、0.01〜2.00wt%の無水マレイン酸により変性され、末端官能基が水酸基である重合体であるPP用マスターバッチである。また、これら組成を変更する事によって融点を変えることができる。このようなPP用マスターバッチを用いることで、ブレンド材により内層体3を成形する際の成形性をより効果的に高めることができる。
また、ブレンド材を、相溶化剤を含むものとすることで、ポリプロピレン樹脂とエチレンビニルアルコール共重合樹脂とを溶融、混練する際に、これらの樹脂が互いに相溶して接着されるのを促進し、ブレンド材により成形される内層体3の耐久性を向上させることができる。相溶化剤としては、例えば、接着性ポリオレフィンを用いることができるが、マレイン酸変性ポリオレフィンを用いるのが好ましい。より好ましくは、マレイン酸変性ポリプロピレンである。相溶化剤としてマレイン酸変性ポリオレフィンを用いることにより、内層体3の耐久性をより効果的に高めることができる。
このように、本実施の形態の二重容器1によれば、内層体3を、ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、PP用マスターバッチ及び相溶化剤を溶融、混練してなるブレンド材であって、PP用マスターバッチと相溶化剤とを合計した割合が、重量パーセント濃度で、20wt%以上、35wt%以下のものを用いて単層に構成するようにしたので、この内層体3を、単層でありながら高いガスバリア性、耐久性及び成形性を有するものとすることができる。
上記のブレンド材においては、PP用マスターバッチの割合を、重量パーセント濃度で、3wt%以上、10wt%以下とするとともに、相溶化剤の割合を、重量パーセント濃度で、10wt%以上、30wt%以下とするのが好ましい。ブレンド材を、このような割合でPP用マスターバッチと相溶化剤とを含むものとすることにより、内層体3の耐久性及び成形性をより高めることができる。
また、上記のブレンド材においては、ポリプロピレン樹脂の割合を、重量パーセント濃度で、30wt%以上、40wt%以下とするとともに、エチレンビニルアルコール共重合樹脂の割合を、重量パーセント濃度で、30wt%以上、40wt%以下とするのが好ましい。ブレンド材を、このような割合でポリプロピレン樹脂とエチレンビニルアルコール共重合樹脂とを含むものとすることにより、内層体3を所望のガスバリア性を確保しつつ、より良好な耐久性及び成形性を有するものとすることができる。
さらに、上記のブレンド材を構成するエチレンビニルアルコール共重合樹脂としては、種々のエチレン含有率のものを用いることができるが、特に、エチレン含有率が38mol%以下のものを用いるのが好ましい。エチレン含有率が38mol%以下のエチレンビニルアルコール共重合樹脂を用いることにより、内層体3を、所望のガスバリア性を確保しつつ、より良好な耐久性及び成形性を有するものとすることができる。
上記のブレンド材を構成するポリプロピレン樹脂としては、例えばランダムポリプロピレンを用いることができる。
二重容器1は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより形成された外層プリフォームと、上記のブレンド材を射出成形することにより形成された内側プリフォームとを別々に用意し、外側プリフォームの内側に内側プリフォームを組み込んでプリフォーム組立体とし、このプリフォーム組立体を、ブロー成形装置を用いて二軸延伸ブロー成形することにより、外層体2の内側に内層体3が収容された二重容器1に形成することができる。二軸延伸ブロー成形を行うブロー成形装置としては、プリフォーム組立体がセットされるブロー成形用の金型、プリフォーム組立体を縦延伸する延伸ロッドおよびブロー成形用の空気や液体等の媒体をプリフォーム組立体に供給する供給装置を備えたものを用いることができる。
ここで、本実施の形態のように、外層体2をポリエチレンテレフタレート樹脂で形成した場合には、上記のブレンド材におけるPP用マスターバッチ及び相溶化剤として、それぞれ融点が100℃以上のものを選択するのが好ましい。これにより、外層体2をポリエチレンテレフタレート樹脂で形成した場合であっても、上記の構成を有するプリフォーム組立体を二重容器1にブロー成形する際において、ブレンド材の成形性を高く維持することができる。
なお、二重容器1は、外層体2を形成するポリエチレンテレフタレート樹脂と、内層体3を形成するブレンド材とを共押出しにより押し出して積層パリソンとし、これを金型で挟み込んでブロー成形する押出しブロー成形により成形するようにしてもよい。この場合、高いガスバリア性、耐久性及び成形性を備える内層体3を単層に構成することができるので、積層パリソンを形成するための押出しシリンダの数を外層体用と内層体用の2本のみとして、この二重容器1の製造コストを低減することができる。
本発明の効果を確認するために、実施例1〜5の5種類の内層体と、比較例1〜6の6種類の内層体とを用意し、それぞれの内層体について成形性とガスバリア性とを評価する実験を行った。実施例1〜5の内層体、比較例1〜6の内層体は、何れも、単層構造となっており、それぞれが含むポリプロピレン樹脂(ランダムPP)、エチレンビニルアルコール共重合樹脂(エチレン含有量38mol%)、PP用マスターバッチ(日本合成化学社製RG100(融点100℃以上))及び相溶化剤(三菱化学社製モディックP587)の割合(全体に示す重量パーセント濃度)は表1に示す通りである。
成形性の評価は、「成形可能」のものを○、「成形不能(内袋剥離不可を含む)」のものを×とした。ガスバリア性の評価は、80℃充填し吸湿させた状態で内袋の酸素透過を測定した。酸素透過度「0.4cc/day・pack未満」のものを○、「0.4cc/day・pack以上」のものを×とした。なお、成形性が×(成形不能)と評価され、そのガスバリア性の評価ないし測定を行うことができない場合は、当該項目を未評価(未測定)を示す「−」とした。なお、酸素透過度の測定に際しては、MOCON社OX−TRAN2/20を使用し、外側:22℃−55%RH、21%酸素、内側:22℃−90%RHの条件下にて行った。
表1に評価結果を示す。
Figure 0006808430
表1から、内層体を全てポリプロピレン樹脂とした比較例1では、成形性を確保することはできるがガスバリア性を確保することができず、また、内層体を全てエチレンビニルアルコール共重合樹脂とした比較例2では、ガスバリア性を確保することはできるが成形性を確保することができないことが解る。
一方、比較例3に示すように、内層体をポリプロピレン樹脂とエチレンビニルアルコール共重合樹脂とを含む構成としても、エチレンビニルアルコール共重合樹脂の割合が不十分であると、成形性を確保することはできてもガスバリア性を確保することができないことが解る。また、比較例4に示すように、内層体をポリプロピレン樹脂とエチレンビニルアルコール共重合樹脂とを含む構成とした場合において、そのガスバリア性を高めるためにエチレンビニルアルコール共重合樹脂の割合を高めると、成形性を確保することができなくなることが解る。
これに対し、実施例1〜5に示すように、内層体を、ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、PP用マスターバッチ及び相溶化剤を含むブレンド材とするとともに、このブレンド材におけるPP用マスターバッチと相溶化剤とを合計した割合を20wt%以上、35wt%以下とすることにより、内層体の成形性とガスバリア性を確保できることが確認できた。また、PP用マスターバッチの割合を、重量パーセント濃度で、3wt%以上、10wt%以下とするとともに、相溶化剤の割合を、重量パーセント濃度で、10wt%以上、30wt%以下とした場合においても、内層体の成形性とガスバリア性を確保できることも確認できた。さらに、ポリプロピレン樹脂の割合を、重量パーセント濃度で、30wt%以上、40wt%以下とするとともに、エチレンビニルアルコール共重合樹脂の割合を、重量パーセント濃度で、30wt%以上、40wt%以下とした場合においても、内層体の成形性とガスバリア性を確保できることも確認できた。
一方、比較例5、6に示すように、内層体を、ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、PP用マスターバッチ及び相溶化剤を含むブレンド材とした場合であっても、ブレンド材におけるPP用マスターバッチと相溶化剤とを合計した割合が20wt%未満の場合には、内層体の成形性とガスバリア性とを確保することができないことが解った。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、二重容器1を積層剥離容器に構成した場合を示したが、外層体2と内層体3とを個別に形成し、それぞれの形成後に互いを組み付ける構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、内層体3のブレンド材を構成するポリプロピレンとしてランダムポリプロピレンを用いるようにしているが、他のポリプロピレンを用いるようにしてもよい。
さらに、前記実施の形態においては、PP用マスターバッチとして低密度ポリエチレン樹脂を主成分とするものを用い、相溶化剤としてマレイン酸変性ポリプロピレンを用いるようにしているが、これに限らず、PP用マスターバッチや相溶化剤として種々のものを用いることができる。
エチレンビニルアルコール共重合樹脂としてもエチレン含有率が38mol%以下のものに限らず、種々のものを用いることができる。
1 二重容器
2 外層体
2a 口部
2b 胴部
2c 雄ねじ
3 内層体
3a 収容部
4 外気導入孔

Claims (6)

  1. 内容物を収容する減容変形自在の内層体と該内層体を内側に収容する外層体とを有する二重容器であって、
    前記内層体が、
    ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、PP用マスターバッチ及び相溶化剤を溶融、混練してなるブレンド材から成り、
    前記ブレンド材における前記PP用マスターバッチと前記相溶化剤とを合計した割合が20wt%以上、35wt%以下であり、
    前記ブレンド材における前記ポリプロピレン樹脂の割合が30wt%以上、40wt%以下であり、
    前記ブレンド材における前記エチレンビニルアルコール共重合樹脂の割合が30wt%以上、40wt%以下であることを特徴とする二重容器。
  2. 内容物を収容する減容変形自在の内層体と該内層体を内側に収容する外層体とを有する二重容器であって、
    前記内層体が、
    ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、PP用マスターバッチ及び相溶化剤を溶融、混練してなるブレンド材から成り、
    前記ブレンド材における前記PP用マスターバッチと前記相溶化剤とを合計した割合が20wt%以上、35wt%以下であり、
    前記外層体がポリエチレンテレフタレート樹脂で形成され、
    前記PP用マスターバッチ及び前記相溶化剤の融点が、それぞれ100℃以上である、ことを特徴とする二重容器。
  3. 前記ブレンド材における前記PP用マスターバッチの割合が3wt%以上、10wt%以下であり、
    前記ブレンド材における前記相溶化剤の割合が20wt%以上、30wt%以下である、請求項1または2に記載の二重容器。
  4. 前記PP用マスターバッチは、低密度ポリエチレンを主成分とし、0.01〜2.00wt%の無水マレイン酸により変性され、末端官能基が水酸基である重合体である、請求項1〜3の何れか1項に記載の二重容器。
  5. 前記相溶化剤はマレイン酸変性ポリオレフィンである、請求項1〜4の何れか1項に記載の二重容器。
  6. 前記エチレンビニルアルコール共重合樹脂は、エチレン含有量38mol%以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の二重容器。
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