JP6880386B2 - 積層剥離容器 - Google Patents

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本発明は、積層剥離容器に関するものである。
従来、外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って内袋が収縮する容器本体と、外殻と内袋の間の中間空間と容器本体の外部空間との間の空気の出入りを調節する逆止弁とを備える積層剥離容器が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特許文献1に開示される積層剥離容器では、容器本体の口部に取り付けるキャップに弁が内蔵されている。特許文献2に開示される積層剥離容器では、外殻の胴部の内側に弁が設けられている。
特開2013−35557号公報 特開平4−267727号公報
しかしながら、上記のように弁を設ける構成は、内容物の吐出性及び外殻の復元性に優れるものの、弁が動作不良を起こすおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、弁を設けない場合にも内容物の吐出性及び外殻の復元性を確保した積層剥離容器を提供することを目的とする。
本発明によれば、外殻、内袋及び内袋に収容される内容物を吐出するキャップを有し、前記内袋に収容される内容物の減少に伴って前記内袋が収縮する積層剥離容器であって、前記外殻には空気導入孔が形成されるとともに、フィルタが前記空気導入孔を塞ぐように設けられており、下記の式で表される前記フィルタを介したエア漏れ量が0.5ml/秒〜2.4ml/秒となるよう、フィルタのガーレ秒数、フィルタの面積及びキャップの吐出圧力の組み合わせが選択される、積層剥離容器が提供される。
Figure 0006880386
本発明によれば、エア漏れ量が0.5ml/秒〜2.4ml/秒であるフィルタを設けたことから、弁を設けない場合にも、内容物の吐出性及び外殻の復元性を確保することが可能である。
ここで、ガーレ秒数(秒)は、一定体積(ここでは100ml)の空気がフィルタを通過するのに要する秒数で表される、エアの通りやすさを表す指標である。また、フィルタの面積は、フィルタを設ける空気導入孔の面積のことを指し、吐出圧力は、内袋の内容物をキャップから吐出するときの圧力である。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記フィルタのガーレ秒数が2.5秒〜10秒である。
好ましくは、前記フィルタは、空気を透過し水を遮断する疎水性フィルタである。
好ましくは、前記疎水性フィルタは、疎水性の微多孔膜と不織布を積層したものである。
好ましくは、前記疎水性フィルタは、前記外殻と前記不織布が接触する向きに超音波溶着される。
本発明の一実施形態の積層剥離容器の構造を示す斜視図である。 図1に示す積層剥離容器の概略断面図である。 図1に示す積層剥離容器のキャップを示す正面図である。 外層及び内層の層構成を示す断面図である。 大気導入孔近傍を拡大して示す要部概略斜視図である。 大気導入孔近傍を拡大して示す要部概略断面図である。 疎水性フィルタの一例を示す概略断面図である。 疎水性フィルタの取り付け部に形成されるリブの例を示す要部概略断面図である。 積層剥離容器の使用方法を示す図である。
以下、本発明を適用した積層剥離容器の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態の積層剥離容器1は、容器本体2を主体とするものであり、容器本体2は、内容物を収容する収容部3と、収容部3から内容物を吐出する口部4を備えている。また、積層剥離容器1は、図3に示すように、口部4に取り付けられるキャップ23を備え、積層剥離容器1の使用時には、キャップ23の吐出口24から内容物が吐出される(図9参照)。また、図2に示すように、容器本体2は、収容部3及び口部4において、外殻である外層11と内袋である内層12を備えており、内容物の減少に伴って内層12が収縮する。
外層11と内層12は、多層パリソンとしてブロー成形に供され、一体に接合された状態で成形されるが、その使用形態としては、例えば使用前に予め外層11から内層12を剥離しておき、内層12が外層11に接するまで内容物を充填する。内容物を押し出すことで、円滑に内層12が収縮する。あるいは、内層12が外層11に接合された状態のままとし、内容物の排出に伴って内層12が外層11から剥離して収縮するようにしてもよい。
容器本体2の層構成についてさらに説明すると、容器本体2は、前記の通り、外層11と内層12を備え、外層11は、復元性が高くなるように、内層12よりも肉厚に形成されている。
外層11は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外層11は、単層又は複数層構成である。
外層11は、プロピレンと別のモノマーとの間のランダム共重合体を含んで形成することができる。これによって、外殻である外層11の形状復元性・透明性・耐熱性を向上させることができる。
ランダム共重合体は、プロピレン以外のモノマーの含有量が、50mol%よりも小さいものであり、5〜35mol%が好ましい。この含有量は、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。プロピレンと共重合されるモノマーとしては、ポリプロピレンのホモポリマーに比べた場合のランダム共重合体の耐衝撃性を向上させるものであればよく、エチレンが特に好ましい。プロピレンとエチレンのランダム共重合体の場合、エチレンの含有量は、5〜30mol%が好ましく、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。ランダム共重合体の重量平均分子量は、10〜50万が好ましく、10〜30万がさらに好ましい。この重量平均分子量は、具体的には例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、ランダム共重合体の引張弾性率は、400〜1600MPaが好ましく、1000〜1600MPaが好ましい。引張弾性率がこのような範囲の場合に、形状復元性が特に良好であるからである。引張弾性率は、具体的には例えば、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600Mpaであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
なお、容器が過度に硬いと、容器の使用感が悪くなるため、ランダム共重合体に、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなどの柔軟材料を混合して外層11を構成してもよい。ただし、ランダム共重合体に対して混合する材料は、ランダム共重合体の有効な特性を大きく阻害することのなきよう、混合物全体に対して50重量%未満となるように混合することが好ましい。例えば、ランダム共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとを85:15の重量割合で混合した材料により外層11を構成することができる。
内層12は、容器外面側に設けられたEVOH層13aと、EVOH層12aの容器内面側に設けられた内面層12bと、EVOH層12aと内面層12bの間に設けられた接着層12cを備える。EVOH層12aを設けることでガスバリア性、及び外層11からの剥離性を向上させることができる。
EVOH層12aは、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなる層であり、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。EVOH樹脂のエチレン含有量は、例えば25〜50mol%であり、酸素バリア性の観点から32mol%以下が好ましい。エチレン含有量の下限は、特に規定されないが、エチレン含有量が少ないほどEVOH層12aの柔軟性が低下しやすいので25mol%以上が好ましい。また、EVOH層12aは、酸素吸収剤を含有することが好ましい。酸素吸収剤をEVOH層12aに含有させることにより、EVOH層12aの酸素バリア性をさらに向上させることができる。
内面層12bは、積層剥離容器1の内容物に接触する層であり、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなり、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなることが好ましい。内面層12bを構成する樹脂の引張弾性率は、50〜300MPaが好ましく、70〜200MPaが好ましい。引張弾性率がこのような範囲の場合に、内面層13bが特に柔軟であるからである。引張弾性率は、具体的には例えば、具体的には例えば、50、100、150、200、250、300Mpaであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
接着層12cは、EVOH層12aと内面層12bとを接着する機能を有する層であり、例えば上述したポリオレフィンにカルボキシル基を導入した酸変性ポリオレフィン(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン)を添加したものや、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)である。接着層12cの一例は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、酸変性ポリエチレンの混合物である。
容器本体2の層構成は以上の通りであり、容器本体2においては、口部4に雄ネジ部が設けられており、雄ネジ部には、図3に示す、雌ねじを有するキャップ23(蓋)が取り付けられる。キャップ23は、図示しない逆止弁を内蔵しており、内層12内の内容物を吐出させることはできるが、内層12内に外気を取り込むことはできないこうせいとなっている。インナーリングを有するキャップを用いれば、インナーリングの外面が口部4の当接面に当接することによって内容物の漏れ出しが防がれる。
また、収容部3の肩部においては、外層11に凹部7aが形成され、ここに大気導入孔15が穿設されている。大気導入孔15は、外層11にのみ設けられた貫通孔であり、内層12には到達していない。そして、この大気導入孔15から空気が導入されることで、外殻である外層11と内袋である内層12の間に中間空間21が形成される。すなわち、中間空間21と外部空間Sは、この大気導入孔15によって互いに連通されることになる。
本実施形態の積層剥離容器(積層剥離容器)においては、図5及び図6に示すように、大気導入孔15を塞ぐ形で疎水性フィルタFが貼り付けられており、これにより大気導入孔15から水が侵入するのを防止するようにしている。
積層剥離容器は、例えば食品用途の容器において、内容物を高温で充填するいわゆるホットパックの後、冷却にシャワー冷却を採用することが多い。シャワー冷却は、水をシャワーで散布して容器を冷却する方法であるが、ホットパック後にシャワー冷却を行うと、外層11と内層12の間が陰圧となり、大気導入孔15から水を吸い込んでしまうおそれがある。
前記疎水性フィルタFは水をはじく性質があり、これを貼り付けることで、大気導入孔15からの水の侵入を防止することができる。疎水性フィルタFとしては、スクイズによる吐出の後、外層を復元させるために大気導入孔15から外層11と内層12の間に空気を入れなければならず、エアを通過させることが可能なフィルタを用いることが必要である。
そこで、本願では、適切な疎水性フィルタFを選択するため、大気導入孔15に疎水性フィルタFを貼り付けた状態での、フィルタFを介したエア漏れ量が考慮される。エア漏れ量は、疎水性フィルタFの面積及びキャップの吐出圧力に比例するものと仮定でき、下記の式で算出される量である。
Figure 0006880386
ここで、ガーレ秒数(秒)とは、JIS−L1096に準拠した「ガーレ通気度」に基づくものであり、一定体積(ここでは100ml)の空気がフィルタを通過するのに要する秒数で表されるものである。ガーレ通気度は、一定圧力差のもとで一定体積の空気が一定面積のフィルタを通過するのに要する秒数で表され、その値が小さいほど、空気を通しやすいことを意味する。また、フィルタの面積は、フィルタを設ける空気導入孔の面積(有効面積)のことを指し、吐出圧力は、内袋の内容物をキャップから吐出するときの圧力である。
そして、本願では、上記エア漏れ量が、0.5ml/秒〜2.4ml/秒となるよう、(A)フィルタのガーレ秒数、(B)フィルタの面積及び(C)キャップの吐出圧力の組み合わせが選択される。エア漏れ量をこの範囲の値とすることで、積層剥離容器1のスクイズにより内容物を少量だけ吐出する性能(以下、吐出性とする)と、スクイズ後に外層11が復元する性能(復元性)をともに良好なものとすることができる。
上記(A)〜(C)の具体的な組み合わせとしては、例えば、フィルタの面積を約28mm(空気導入孔15の直径を6mm)、吐出圧力を1.5〜2.5kPaである積層剥離容器1を用い、ガーレ秒数が約4秒である疎水性フィルタFを用いることで、エア漏れ量を上記の値とすることができる。また、フィルタの面積が約28mm、吐出圧力を1.5〜2.5kPaの積層剥離容器1に疎水性フィルタFを用いる場合、疎水性フィルタFのガーレ秒数は、好ましくは2.5秒〜10秒であり、より好ましくは、3秒〜7秒であり、さらに好ましくは、3.5秒〜4.5秒である。このガーレ秒数は、具体的には例えば、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10秒であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
さらに、吐出圧力が1.5kPaよりも小さくなるような逆止弁を有するキャップを用いる場合には、ガーレ秒数が上記より小さい疎水性フィルタFを用いることも可能であり、例えば、ガーレ秒数を1.0秒〜2.5秒とすることができる。
このような疎水性フィルタFとしては、図7に示すように、疎水性のフッ素樹脂微多孔膜(PTFE;ポリテトラフルオロエチレン)F1とPET不織布F2の2層構成を有する通気膜を用いることができる。この2層構造の疎水性フィルタFの厚みは、約2mmとされる。
図7に示す疎水性フィルタFにおいて、不織布F2は、微多孔膜F1に裏打ちされることにより、これを補強するものである。
疎水性フィルタFは、接着や熱溶着により積層剥離容器の大気導入孔15が形成された部分に取り付けてもよいが、例えば熱溶着では、積層剥離容器を構成する外層11が溶けてしまうおそれがあることから適用が難しい。また、高周波溶着では、熱源となる金属フィルムが必要であり、やはり疎水性フィルタFの取り付けに適用することは難しい。
このような観点から、疎水性フィルタFは、超音波溶着により積層剥離容器に取り付けることが好ましい。超音波溶着では、疎水性フィルタFの背面にホーンを当接させ、超音波振動と加圧力を加えることで、瞬時に溶着することができる。
ここで、疎水性フィルタFは、不織布F2側を貼り付け面とし、外層11と不織布F2が接触するよう貼り付けることが好ましい。これは、超音波により溶融した樹脂が不織布F2に浸透し、溶着強度が向上するからである。
なお、前記超音波溶着の際に、積層剥離容器の溶着部が柔らかいため凹みやすく、ホーンを均一に当接させることが難しい場合がある。このような場合には、積層剥離容器内にエアを吹き込み、内圧をかけることで形状を保持するようにすれば、ホーンの当接、及び超音波溶着を円滑に行うことができる。
また、超音波溶着に際しては、積層剥離容器(外層11)の取り付け部分にリブを形成しておくことが好ましい。図8は、外層11にリブRを形成し、疎水性フィルタFを超音波溶着する様子を示すものである。リブRは、例えば円形の疎水性フィルタFを取り付ける場合、大気導入孔15の周囲に、疎水性フィルタFの直径よりの少々小さな径をもって円形に形成すればよい。リブRの高さとしては、0.15mm以上とすることが好ましく、例えば0.25mm程度とすることが好ましい。リブRを設けることで、エネルギーダイレクターとして機能し、安定的な超音波溶着が可能になる。なお、リブの断面は、図8(a)に示すような三角形状とすることが好ましく、また、図8(b)に示すような半円形状とすることもできる。これらの形状は、リブの根本に向けて、漸次断面積が広くなる形状であるといえる。
さらに、疎水性フィルタFの超音波溶着の際に、内層12が外層11に接していると、超音波振動により内層12に穴が開いてしまう可能性がある。したがって、超音波溶着に際しては、疎水性フィルタFの取り付け部近傍において、内層12を外層11から逃がしておくことが好ましい。
次に、積層剥離容器1の使用時の動作原理を説明する。
図14(a)〜(c)に示すように、内容物が充填された製品を傾けた状態で外層11の側面を握って圧縮して内容物を吐出させる。使用開始時は、内層12と外層11の間に実質的に隙間がない状態であるので、外層11に加えた圧縮力は、そのまま内層12の圧縮力となり、内層12が圧縮されて内容物が吐出される。
キャップ23は、図示しない逆止弁を内蔵しており、内層12内の内容物を吐出させることはできるが、内層12内に外気を取り込むことはできない。そのため、内容物の吐出後に外層11へ加えていた圧縮力を除くと、外層11が自身の復元力によって元の形状に戻ろうとするが、内層12はしぼんだままで層11だけが膨張することになる。そして、図14(d)に示すように、内層12と外層11の間の中間空間21内が減圧状態となり、外層11に形成された大気導入孔15を通じて中間空間21内に外気が導入される。なお、大気導入孔15には疎水性フィルタFが取り付けられているが、本実施形態の疎水性フィルタFは、外気と中間空間21内の圧力差により外気を十分に通すことができる通気度となっており、外層11を良好に復元させることができる。
次に、図14(e)に示すように、再度、外層11の側面を握って圧縮した場合、疎水性フィルタFが外層11を圧縮した際に中間空間21内の空気をすぐには流出しない通気度となっていることから、中間空間21内の圧力が高まり、外層11に加えた圧縮力は中間空間21を介して内層12に伝達され、この力によって内層12が圧縮されて内容物が吐出される。
次に、図14(f)に示すように、内容物の吐出後に外層11へ加えていた圧縮力を除くと、外層11は、大気導入孔15から中間空間21に外気を導入しながら、自身の復元力によって元の形状に復元される。この際も、疎水性フィルタFが適切な通気度となっていることから、外層11を良好に復元させることができる。
以上、本発明を適用した実施形態について説明してきたが、本発明がこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
以下、本発明をさらに詳しく説明するため試験例を挙げる。しかし、本発明はこれら試験例等になんら限定されるものではない。なお、以下に示す試験において、積層剥離容器1は、キャップ23の吐出口24から吐出される内容物の吐出圧力が1.5〜2.5kPaとなるもの、また、フィルタFの有効面積が約28mm(空気導入孔15の直径が6mm)であるものを用いる。吐出圧力は、内層12内に圧力ロガーを固定することで計測が可能である。試験は、吐出性と復元性の2つの項目について、以下の4つのガーレ秒数を有する疎水性フィルタF(通気膜)を大気導入孔15に取り付けて評価した。
(サンプル1)1.5秒
(サンプル2)4秒
(サンプル3)12秒
(サンプル4)35秒
<吐出性試験>
吐出性試験は、少量吐出の性能を評価する試験であり、1ml/1秒で内容物を吐出したときに吐出可能であるかを試験した。
試験結果を表1に示す。試験は4つの通気度のボトルについて各2回ずつ行い、以下の基準に従って評価した。
○:途切れず吐出可能であった。
×:束で吐出するのは不可能であった。
<復元性試験>
復元性試験は、スクイズ後の容器(外層11)の復元性能を評価する試験であり、内容物(水)を15mlずつ吐出して、容器が復元するまでの時間を試験した。
試験結果を表1に示す。試験は4つの通気度のボトルについて各3回ずつ行い、以下の基準に従って評価した。
○:平均して30秒以内に復元した
△:平均して30秒〜60秒で復元した
×:平均して60秒以上経っても復元しなかった。
Figure 0006880386
表1の試験結果に示すように、吐出性は通気度が小さいほど良好であり、復元性は通気度が大きいほど良好であった。そして、以上の吐出性試験と復元性試験の結果から、キャップ23の吐出口24から吐出される内容物の吐出圧力1.5〜2.5kPa、フィルタFの有効面積が約28mm(空気導入孔15の直径が6mm)である積層剥離容器1を用いる場合には、疎水性フィルタFは、ガーレ秒数が2.5〜20秒とすると、吐出性及び復元性の両方が優れ、2.5〜10秒の場合に、吐出性及び復元性の両方がより優れることが実証された。
また、詳細な説明は省略するが、吐出圧力が1.5kPaより小さくなるような逆止弁を有するキャップ23を用いた場合には、ガーレ秒数が1.5〜2.5秒のフィルタFを用いても、好適な吐出性及び復元性を有する積層剥離容器1が得られることが示された。
1 積層剥離容器
3 容器本体
7 収容部
9 口部
11 外層
12 内層
15 大気導入孔
23 キャップ
F 疎水性フィルタ

Claims (2)

  1. 外殻、内袋及び内袋に収容される内容物を吐出するキャップを有し、前記内袋に収容される内容物の減少に伴って前記内袋が収縮する積層剥離容器の製造方法であって、
    前記外殻に凹部を形成するとともに、当該凹部に空気導入孔を穿設して、当該空気導入孔の周囲にリブを形成し、
    疎水性フィルタを前記凹部内に配置するとともに、前記空気導入孔を塞ぎ、且つ前記リブと接触するよう超音波溶着し、
    前記リブは、前記超音波溶着の際にエネルギーダイレクターとして機能し、
    前記疎水性フィルタは、疎水性の微多孔膜と不織布を積層したものであり、
    前記疎水性フィルタは、前記外殻と前記不織布が接触する向きに超音波溶着される、積層剥離容器の製造方法。
  2. 前記疎水性フィルタのガーレ秒数が2.5秒〜10秒である、請求項1に記載の積層剥離容器の製造方法。
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