JP2020158084A - 通報システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発信デバイス10は、加速度センサ16から得られる加速度の範囲とその継続時間の組合せに基づく推定車両事故のイベント情報と、押しボタンスイッチ14aのオン/オフに基づくボタン操作情報とを、BLE方式で乗車者のスマートフォン30へ送信する。スマートフォンは、予めメモリ36に各ボタン操作情報と各イベント情報の組合せに対応させて適応的な通報処理プログラムが格納されており、発信デバイスから各情報を受信すると、その組合せに対応する通報処理プログラムを読み出して実行する。通報は公衆網接続部38から行われるが、ドライブレコーダー50がGPS部54で取得して送信している現在位置情報も受信して付加される。
【選択図】図3
Description
そのため、車両事故の発生が推測されるような場合に、自動的に車両から外部へ緊急通報を行うためのシステムが様々に考案されており、例えば下記特許文献1〜6にあるような提案がみられる。
なお、加速度以外の事故推測情報として、特許文献3では生体センサによる乗車者の生体情報を、また特許文献6では車内の音声情報を併用しており、特許文献4では「車間距離、相対速度、相対加速度、自車速度、運転者のペダル操作量、運転者のステアリング操作量、運転者の表情の特徴量」を用いることとしている。
しかしながら、前進走行状態で−5G(ただし、Gは重力加速度)以上の大きな加速度が突発的に計測されたようなときには、車両が破損すると共に乗車者が深刻な損傷を受けたような衝突事故が高い確率で推測できるが、−5G〜−0.7Gの範囲の加速度の場合には、接触・衝突事故ではあるが乗車者への影響という面では加速度の継続時間が関連することが経験的に知られている。
また、自動車において急ブレーキをかけた場合の加速度は−0.3G〜−0.7G程度であるが、そのように低いレベルの加速度であっても車両単体で事故が発生することはあり得る。
しかしながら、乗車者にとって生体センサの着用は煩わしく、また音声の場合は車両内の雰囲気をある程度知ることはできるが、乗車者が蒙ったダメージの程度などは分からない。
前記携帯情報端末には、予め前記記憶手段に各イベント情報と各操作態様情報の組合せに対応させて適応的な通報処理に係るプログラムが格納されており、前記発信デバイスからイベント情報と操作態様情報を近距離無線通信方式で受信すると、その組合せに対応する通報処理に係るプログラムを読み出して実行する。
また、本発明において、前記発信デバイスがバッテリー駆動によるものである場合には、前記近距離無線通信方式はBLE[Bluetooth(登録商標) Low Energy]方式によるものであることが望ましい。
また、発信デバイスについてはバッテリー駆動とすることで車両内への簡便で自由度の高い設置が可能になるが、BLE方式での通信やスリープ制御により省電力化が図れてバッテリー寿命を十分なものとすることができる。
本発明の通報システムは、自動車内に設置される発信デバイスと乗車者が保有しているスマートフォンとで構成されるものであり、図1に示すように、発信デバイス10は自動車におけるダッシュボード11の表面であってハンドル12の裏側に相当する面に対して両面接着テープなどを用いて貼着固定されている。
この発信デバイス10の貼着位置に関しては、車両事故が発生した場合などの緊急通報時に容易に手が届き、且つ通常は殆んど触れないという条件に適合しているからであるが、できるだけその条件を満たすことが望ましいだけであり、基本的には任意の位置を選択することができる。
そして、発信デバイス10は、図3に示すように、押しボタン14によってオン/オフされるスイッチ14aと、加速度センサ16と、メモリ17と、BLE方式で近距離無線通信を行うBT(Bluetooth)部18と、LED部19と、マイクロコンピュータ回路で構成された制御部20と、バッテリー21とを内蔵させており、バッテリー21で電力供給を行いながら、制御部20がメモリ17の一部に書き込まれている駆動制御プログラムに基づいてこのデバイスのシステム全体を制御するようになっている。
また、加速度センサ16はその取り付け角度によって出力レベルが変化するため、発信デバイス10を車両内に取り付け後、最初に押しボタン14を長押しすると、鉛直方向に作用する重力加速度を基準としたキャリブレーションが実行されるようになっている。
この実施形態においては、操作部31から緊急通報モードを設定しておくと、制御部40が予めメモリ36に格納されている専用のアプリケーションプログラムを読み出して通報手順を実行する。
この実施形態におけるドライブレコーダー50は、図3に示すように、操作部51と、表示部52と、撮像部53と、GPS部54と、スピーカー55と、マイクロホン56と、メモリ57と、BLE方式で近距離無線通信を行うことが可能なBT部58と、SDカードなどの挿脱自在な記録媒体59と、アプリケーションプロセッサなどで構成した制御部60と、自動車側のアクセサリー電源を内部システム用電源に変換する電源回路61などを搭載しており、モード設定により制御部60がGPS部54から得られる現在位置情報をBT部58から無線送信させることができるようになっている。
先ず、図4は発信デバイス10による車両事故に係るイベント情報の検出・送信手順を示す。
その前提として、この実施形態では識別すべきイベントを次の4つの推定車両事故に分けて設定している。
・イベント(0):
自動車における各種の急ブレーキ制動距離と速度のデータから逆算すると、G(m/sec2)を重力加速度として、車両単体での(−)方向加速度Aは−0.4G〜−0.6Gであるが、路面などの外部条件の変化に伴う差異も考慮すると、−0.3G〜−0.7Gの範囲となる。
したがって、−0.4G〜−0.7Gの加速度が3sec以上継続した場合においては、「通常運転中の急ブレーキであって、停止までは至っていない状態」と推定する。
−0.7G〜−5Gの加速度が検出された場合は何等かの接触・衝突事故が発生した可能性が推定されるが、その場合も条件毎に状態を重軽に分けることは可能であり、−0.7G〜−1Gの加速度が0.05sec以上継続した場合においては、「接触・衝突事故が発生したが、乗車者には影響がない状態」の推定車両事故とする。
・イベント(2):
前記イベント(1)よりも大きい制動加速度である−1G〜−2Gの加速度が0.05sec以上継続した場合においては、「接触・衝突事故が発生して、乗車者には軽微な影響が生じている状態」の推定車両事故とする。
・イベント(3):
前記イベント(2)よりも更に大きい制動加速度である−2G〜−5Gの加速度が0.01sec以上継続した場合においては、「接触・衝突事故が発生して、乗車者に中〜重程度の影響が生じている状態」の推定車両事故とする。
先ず、制御部20は押しボタン14が押されてスイッチ14aのON信号を検出すると、内蔵タイマーのカウントを開始させてスイッチ14aからの信号入力状態を監視する(S21,S22)。
さらに、前記ON信号が5sec間継続していなかった場合には、前記タイマーのカウント開始から1.5sec間にONからOFFに切り替わってそのままOFF信号状態が継続したか(すなわち押しボタン14の1回押し)、またはその後に再びON信号に切り替わったか(すなわち押しボタン14の2回押し)のいずれかを判定する(S24,S25)。
ただし、スマートフォン30が格納している前記アプリケーションプログラムには予め図6のテーブルに示すようなイベントとボタン操作の組合せに対応する通報処理プログラム[処理(ij){ i=0〜3,j=0〜3}]が用意されている。
その後、ボタン操作コードデータを受信すると、制御部40はそのデータもメモリ36の作業領域にセーブさせ、図6に示すテーブルにおいて、セーブされたイベントコードとボタン操作コードの組合せに対応している通報処理プログラムを読み出して実行する(S34〜S36)。
なお、この場合の通報処理プログラムとしては、ボタン操作コードを受信した場合であるため、処理(ij)[i=0〜3,j=1〜3]のいずれかが実行されることになる。
(1) インターネットを経由した電子メールによるメッセージの自動送信
(2) 固定サーバへのメッセージのパケット自動送信
(3) 電話の自動接続とショートメールの自動送信
(4) 電話の自動接続と録音済の音声メッセージの自動送信とその後の音声通話モードへの自動切換え
すなわち、上記のようにイベント(0)は「通常運転中の急ブレーキ」、イベント(1)〜(3)は「軽度〜重度の推定車両事故を示すもの」とされており、またボタン操作については、「操作なし」では意識がない状態や操作不能状態が想定され、「1回押し」/「2回押し」/「長押し」は、乗車者に意識があるが、実際に受けたダメージの軽度〜重度を識別させるための操作規則や通報先を示すための操作規則として定めておくことができ、それらを考慮した通報処理プログラムを図6に示すようにセットしておくことで、車両事故の程度と乗車者の状態を適切な宛先へ通報することが可能になる。
また、処理(31),(32),(33)は、前記と同様に乗車者に中〜重程度の影響が生じたような状態ではあるが、乗車者によるボタン操作はなされている。
ここで、前記のようにボタン操作の「1回押し」/「2回押し」/「長押し」を乗車者のダメージなどに応じた連絡先に対応付けて設定しておくと、処理(31)では家族や自宅に、処理(32)は勤務先に、処理(33)は救急車の手配にというように、通報先を簡単なボタン操作の相違で自動的に選択させることができる。
また、図6のテーブルには示していないが、イベント(0)〜(3)は発生していないがボタン操作がなされた場合については、「1回押し」/「2回押し」/「長押し」の各操作をそれぞれ異なる任意のメッセージに対応付けておいて、各ボタン操作に基づいて対応メッセージを選択して所定宛先に送信するような通報処理プログラムを設けておいてもよい。
スマートフォン30の場合には、図3に示したように、GPS部39が備わっていることが多く、制御部40が前記通報処理プログラムを実行して通報を行う際に、電子メールであれ音声メッセージであれ、常にGPS部39で取得した現在位置情報を付加情報として送信させることができる。
一方、最近のドライブレコーダーはGPS機能を備えていることが多く、図1に示したように、ドライブレコーダー50はフロントウィンドウの上側に設置されるのが通例であり、常にGPS電波を良好に受信できる。
したがって、現在位置情報を取得する上ではスマートフォン30自体のGPS部39からではなく、GPS機能を備えたドライブレコーダー50から現在位置情報を取得した方が条件的に好ましいといえる。
BT部18がBLE方式での近距離無線通信を行うように設計されており、イベント発生時とボタン操作時にのみデータ送信を実行するように制御されるのもそのためであるが、この実施形態ではさらに加速度が検出されない状態が継続した際にスリープ制御するようになっている。
先ず、発信デバイス10がスリープ状態にあると、制御部20は、加速度センサ16から得られる加速度の絶対値が0.05G以上か否かを5sec毎に確認し、加速度の絶対値が0.05G以上になった場合には直ちにスリープ状態を解除して通常動作状態に切り換える(S41〜S45)。
なお、通常動作状態では0.01secの間隔で加速度センサ16の出力値を検出するようになる。
そして、スリープ状態に切り換わった段階でタイマーをリセットし、再び5sec毎に加速度の絶対値が0.05G以上か否かの確認動作に戻る(S51→S44→S41〜S43)。
車両内に固定される発信デバイス及び外部との通信機能を有する携帯情報端末とからなり、前記発信デバイスは、加速度を検出する加速度センサと、押しボタンスイッチと、前記加速度センサが検出する加速度の範囲とその継続時間の組合せを、加速度をA(m/sec 2 )、加速度Aの継続時間をT(sec)、G(m/sec 2 )を重力加速度として、−0.3G≧A>−0.7GとT≧3(sec)、−0.7G≧A>−1GとT≧0.05(sec)、−1G≧A>−2GとT≧0.05(sec)及び−2G≧A>−5GとT≧0.01(sec)とし、それら各組合せに対応させて推定車両事故に係るイベントを判定するイベント判定手段と、前記押しボタンスイッチのオン/オフ信号に基づいてその操作態様が1回押し、2回押し又は長押しのいずれであるかを判定する操作判定手段と、前記イベント判定手段による判定があった場合にはそのイベント情報を、前記操作判定手段による判定があった場合にはその操作態様情報を、それぞれ近距離無線通信方式で送信する送信部とを備えており、前記携帯情報端末は、前記発信デバイスから送信される前記イベント情報と前記操作態様情報を近距離無線通信方式で受信する受信部と、前記イベント判定手段の判定に係る前記各イベント情報と前記操作判定手段の判定に係る前記各操作態様情報の組合せに対応させて、前記通信機能を用いた外部への各通報処理に係るプログラムを格納した記憶手段と、前記受信部が受信した前記イベント情報と前記操作態様情報の組合せに対応した前記記憶手段の通報処理に係るプログラムを読み出して実行する通報実行手段とを備えていることを特徴とする通報システムに係る。
Claims (9)
- 車両内に固定される発信デバイス及び外部との通信機能を有する携帯情報端末とからなり、
前記発信デバイスは、
加速度を検出する加速度センサと、押しボタンスイッチと、前記加速度センサが検出する加速度の範囲とその継続時間の組合せに基づいた推定車両事故に係るイベントを判定するイベント判定手段と、前記押しボタンスイッチのオン/オフ信号に基づいてその操作態様を判定する操作判定手段と、前記イベント判定手段による判定があった場合にはそのイベント情報を、前記操作判定手段による判定があった場合にはその操作態様情報を、それぞれ近距離無線通信方式で送信する送信部とを備えており、
前記携帯情報端末は、
前記発信デバイスから送信される前記イベント情報と前記操作態様情報を近距離無線通信方式で受信する受信部と、前記イベント判定手段の判定に係る前記各イベント情報と前記操作判定手段の判定に係る前記各操作態様情報の組合せに対応させて、前記通信機能を用いた外部への各通報処理に係るプログラムを格納した記憶手段と、前記受信部が受信した前記イベント情報と前記操作態様情報の組合せに対応した前記記憶手段の通報処理に係るプログラムを読み出して実行する通報実行手段とを備えている
ことを特徴とする通報システム。 - 前記発信デバイスにおける前記操作判定手段が判定する操作態様が1回押し、2回押し及び長押しである請求項1に記載の通報システム。
- 前記イベント判定手段によるイベント発生の判定に係る加速度の範囲とその継続時間の組合せが、加速度をA(m/sec2)、加速度Aの継続時間をT(sec)、G(m/sec2)を重力加速度として、−0.3G≧A>−0.7GとT≧3(sec)、−0.7G≧A>−1GとT≧0.05(sec)、−1G≧A>−2GとT≧0.05(sec)及び−2G≧A>−5GとT≧0.01(sec)であることとした請求項1又は2に記載の通報システム。
- 前記通報実行手段による外部の所定送信先への通報は、インターネットを経由した電子メールの送信若しくは固定サーバへのパケット送信により、又は電話接続によるショートメールの送信若しくは録音済の音声メッセージを自動送出した後の音声通話モードへの切り替えにより実行されることとした請求項1、2又は3に記載の通報システム。
- 前記携帯情報端末が位置情報検出手段を備えており、前記通報実行手段が前記通信機能を用いた外部への通報処理を実行する際に、前記位置検出手段が検出した位置情報を通報情報に付加する請求項1、2、3又は4に記載の通報システム。
- 前記車両に搭載された機器が位置情報検出手段とその検出した位置情報を近距離無線通信方式で送信する送信部を備えており、前記携帯情報端末の前記受信部が前記機器側の送信部から送信される前記位置情報を受信し、前記通報実行手段が前記通信機能を用いた外部への通報処理を実行する際に、受信した前記位置情報を通報情報に付加する請求項1、2、3又は4に記載の通報システム。
- 前記発信デバイスがバッテリー駆動によるものである請求項1、2、3、4、5又は6に記載の通報システム。
- 前記近距離無線通信方式はBLE[Bluetooth(登録商標) Low Energy]方式によるものである請求項7に記載の通報システム。
- 前記発信デバイスは、前記加速度センサによる加速度の検出値の絶対値と0.3G(Gは重力加速度)より十分に小さい正数の所定閾値とを比較する比較手段を備え、前記検出値の絶対値が前記所定閾値より小さい状態が所定時間継続した場合にはスリープ状態とされ、前記スリープ状態において前記検出値の絶対値が前記所定閾値以上となった場合に通常の起動状態に復帰することとした請求項7又は8に記載の通報システム。
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