JP2020157941A - 荷崩れ防止具 - Google Patents
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Description
このような事情に対処するため、荷物を積載した台車の周囲に使い捨ての薄膜状のフィルムを巻回して荷物の荷崩れを防止する、あるいは繰り返し使用可能なシート状の荷崩れ防止具を、荷物を積載した台車の周囲に巻回する等の対策がとられている。
特に前者の場合は、薄膜状のフィルムは使い捨てされるため、その購入及び廃棄にコストがかかるという課題があった。加えて、薄膜状のフィルムは通常焼却廃棄されるため、その処分時の環境負荷が高く、好ましくないという課題もあった。
また、後者の場合、荷崩れ防止具を構成する保護シートは通常、長尺で大判のシート体である。このため、保護シートの畳み方によっては荷崩れ防止具が嵩張ってしまいコンパクトに収納保管できない、あるいはスライドカート等から一時的に取り外したことが原因で、荷崩れ防止具の紛失が起こるといった課題が生じていた。
上述のような課題に対処するための先行技術としては例えば、以下に示すようなものが知られている。
特許文献1に開示される考案である荷崩れ防止用積載物固定ベルトは、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、手押し台車の手押し部5に荷崩れ防止用積載物固定ベルト1a、1bを挿入係止帯との間にできる開口部を挿入して係止し、荷崩れ防止用積載物固定ベルトを収納袋3から引き出して積載物7を取り巻くように一周させて用いるものである。さらに、上記構成の特許文献1に開示される考案における固定ベルトは、止め具を通過、反転させて適度の力で引張し積載物とフィットするように締めて固定部材で固定して用いるものである。
また、特許文献1に開示される考案は、不使用時に荷崩れ防止用積載物固定ベルトを収納袋に納めておくことで、長いベルトの整理と次の使用に備えることができるという利点を有している。
特許文献2に開示される発明は、左右側面に保護柵を配し且つ前後面を開放し、積載物を段積み状に積載可能としたカートの保護柵周囲、もしくはカートに積載されている積載物周囲を巻回するに足りる長さを有し、端部相互が牽引されて引き締められた状態で互いに連結固定する固定手段を介して保護柵周囲もしくは積載物周囲に固定保持可能にした少なくとも2つのシートカバーを備え、カートの保護柵周囲、もしくはカートに積載されている積載物周囲でシートカバーを複数段状に巻回配置させると共に、下段側に配したシートカバーの外側面に配した面ファスナーと上段側に配したシートカバーの内側面に配した面ファスナーとを相互に止着して上下で一体状にする止着手段を備えて成ることを特徴とするものである。
上述のような特許文献2に開示される発明によれば、カート上に段積み状に積載した各種の積載物の周囲側面、上部、下部それぞれを結束固定してカートからの荷くずれを未然に防止することができるという効果を奏する。
他方、特許文献1に開示されている考案を、従来公知のスライドカートに常設しようとすると、荷崩れ防止用積載物固定ベルトを格納した収納袋の厚みが大きい場合に、スライドカートをネスティングさせることができなくなるという別の課題が生じてしまっていた。
また、特許文献2の発明の取付け手順に関して、同文献の明細書段落0019には、「本発明装置の使用の一例を説明するに、図1(特許文献2)に示すように、保形芯材6が内設されていることで剛性化されているシートカバー1Aのいずれか一方の端部のスリット5を備えている側の端部側をカートP一端側の保護柵Qに位置する積載された積載物C相互間に挿入して、あるいは保護柵Qに巻回して仮止めしておく。」との記載がある。
そして、スライドカートに積載される荷物の重量が特に重い場合は、上記抜粋部分に記載される作業自体が困難である場合や、あるいは「積載された積載物C相互間」に「シートカバー1Aのいずれか一方の端部のスリット5を備えている側の端部側」を挿入している又は取り外している最中に、荷崩れが起きてしまう懸念があり、安全かつ確実に特許文献2に開示される発明を着脱させることが難しいという課題もあった。
上記構成の第1の発明において保護シートは、スライドカートの外側面上を略水平に巻回されることで環状をなし、その際に保護シートの中空部内に収容されている荷物の揺動を抑制する作用を有する。また、固定構造は、保護シートを環状に形成した場合に、隣接し合う保護シートの端部同士を連結して環状を保持させるという作用を有する。さらに、保持構造は、スライドカートの側面パネルに保護シートを着脱可能に保持させるという作用を有する。加えて、巻取り芯を保護シートよりも硬い材質により構成し、保護シートの一部をなすようにその端部に配し、さらに保護シートの巻回方向における幅Lが、側面パネルにおける鉛直材の内寸法を1とする場合に、0.5≦L≦1を満たすよう構成することで、巻取り芯に保護シートを巻回する際の巻取り芯の回転数を少なくするという作用を有する。加えて、巻取り芯が上記特徴を備えていることで、巻取り芯に巻回された状態の保護シートの巻回方向における幅が、側面パネルの水平方向幅を大きく超えないようにするという作用を有する。また、ポケットはその一部が保護シートにより構成されることで、ポケット自体も保護シートの一部として作用する。さらに、ポケットはその中空部内に巻取り芯に巻き取られた保護シートを収容保持するという作用を有する。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明と同じ作用を有する。加えて、第2の発明では、巻取り芯に巻回した保護シートをポケットに収納した際の荷崩れ防止具の厚みを、スライドカートをネスティングした際の隣接する側面パネル同士の空隙以下に設定しておくことで、収納状態の第2の発明を側面パネルに取設したままスライドカートをネスティングすることが可能になる。
上記構成の第3の発明は、上述の第1の発明又は第2の発明と同じ作用を有する。また、第3の発明においてバンドは、保護シートをスライドカートの周囲に巻回した際に、保護シートの巻回方向における長さの一部を補うという作用を有する。また、第3の発明では、バンドと環状具との掛止構造により保護シート環状に保つという作用を有する。
さらに、バンドと巻取り芯からなる積層領域を備えることで、巻取り芯は、バンドの補強材としても作用する。このため、バンドに大きな張力が作用した際に、バンドが保護シート(巻取り芯)から引きちぎれるのを防ぐという作用を有する。
上記構成の第4の発明は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、ポケットの開閉具は、ポケットの開口を広げるという作用を有する。そして、ポケットの開口が広がることで、巻取り芯に巻回された保護シートのポケットへの出し入れを容易かつ迅速にするという作用を有する。
上記構成の第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、ポケットがその上面に第2のポケットを備えている場合は、第5の発明の使用対象であるスライドカートの所属先に関する情報や、そのスライドカートに積載される荷物に関する情報が記された書類を第2のポケットに収容してスライドカートとともに送り届けることを可能にするという作用を有する。
また、第5の発明がポケットの上面にシール貼付け台を備えていることで、スライドカートの所属先に関する情報や、そのスライドカートに積載される荷物に関する情報が記されたシールを、シール貼付け台に貼り付けてスライドカートとともに搬送することが可能になる。
上記構成の第6の発明は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、保護シートのサイズを、スライドカートの側面パネルの鉛直方向の50%以上の領域を被覆することができる程度の大きさに特定することで、1枚の保護シートを用いてスライドカートの鉛直方向における広範囲を保護シートで保定することを可能にするという作用を有する。
さらに、巻取り芯の幅Lが、側面パネルにおける鉛直材の内寸法を1とする場合に、L≦1を満たすよう構成されていることで、巻取り芯に巻回された後の保護シートの巻回方向における幅を、側面パネルの水平方向幅と同じかそれよりもやや小さくすることができる。
したがって第1の発明によれば、保護シートを巻回してポケットに収納した際の荷崩れ防止具の水平方向幅を、スライドカートの側面パネルの水平方向幅と略同じかそれよりも小さくすることができる。
これにより、第1の発明である荷崩れ防止具をスライドカートに常設した際に、その側面パネルの左右方向に、巻取り保管中の崩れ防止具がはみ出すのを好適に防ぐことができる。
この結果、第1の発明である荷崩れ防止具を備えたままスライドカートを移動させる際に、荷崩れ防止具がスライドカートの移動の妨げになるのを防止できる。
したがって、第2の発明によれば、収納状態の荷崩れ防止具を常設したままネスティングも含めてスライドカートを通常通り使用することができる。
したがって、第3の発明によれば、耐久性に優れた荷崩れ防止具を提供することができる。
この場合、ポケットの開口を広げられることで、ポケット内への保護シート出し入れをスムーズに行うことができる。
よって、第4の発明によれば、操作性に優れた荷崩れ防止具を提供することができる。
よって、第5の発明によれば、利便性に優れた荷崩れ防止具を提供することができる。
よって、第6の発明によれば、利便性に優れた荷崩れ防止具を提供することができる。
図1は本発明の実施形態に係る荷崩れ防止具をスライドカートに装着した様子を示す斜視図である。また、図2は図1中に示される荷崩れ防止具を抜き出して示す外観図である。さらに、図3は、本発明の実施形態に係る荷崩れ防止具の外観図である。
本実施形態に係る荷崩れ防止具1は、スライドカート8に積載される荷物(図1中には図示せず)の荷崩れを防止するために用いられる補助具である。また、本実施形態に係る荷崩れ防止具1を装着するスライドカートの形態としては、例えば、図1に示すような、板状の床面パネル9と、鉛直材10aと水平材10bとからなる一対の側面パネル10と、床面パネル9の底面側に直接又は間接的に設けられる複数のキャスター11とを備えてなるスライドカート8を想定している。
このようなスライドカート8に装着して用いられる本実施形態に係る荷崩れ防止具1は、例えば図1乃至図3に示すように、スライドカート8の周側面上に巻回される保護シート2と、スライドカート8に巻回されたスライドカート8を環状に保持するための固定構造3と、保護シート2を側面パネル10に着脱可能に保持するための保持構造4と、保護シート2の端部に設けられ保護シート2を巻き取る際の芯材として用いられる巻取り芯5と、保護シート2において巻取り芯5が設けられていない側の端部に設けられ、巻取り芯5に巻回された保護シート2を収納するポケット6を備えてなるものである。
また、本実施形態に係る荷崩れ防止具1は、不使用時には保護シート2の端部に設けられている巻取り芯5に保護シート2を巻き取り、巻取り芯5に巻回された保護シート2をポケット6内に収容することで、コンパクトに収納保管しておくことができる。
さらに、このポケット6の背面側は、保護シート2の端部により構成されている。より具体的には、本実施形態に係る荷崩れ防止具1は、保護シート2の端部に、ポケット6が設けられている。つまり、本実施形態に係る荷崩れ防止具1におけるポケット6は、保護シート2をスライドカート8に巻回する際の、巻き始めの始点位置をなしている。
このため、保持構造4によりポケット6をスライドカート8の側面パネル10に取設することで、保護シート2をスライドカート8に巻回する際の、巻き始めの始点位置を固定する作業が完了する。
図4は本発明の実施形態に係る荷崩れ防止具の巻取り芯に保護シートを巻き取った状態を示す斜視図である。また、図5は同荷崩れ防止具において巻取り芯に巻き取った保護シートをポケットに収納している様子を示す斜視図である。さらに、図6(a)は本発明の実施形態に係る荷崩れ防止具において保護シートをポケットに収納した状態の正面図であり、(b)は同荷崩れ防止具の背面図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る荷崩れ防止具1をポケット6に収納するには、まず、帯状をなす保護シート2の端部に設けられている巻取り芯5(図3を参照)に、保護シート2を固定構造3とともに巻き付ける(図4を参照)。
この後、巻取り芯5に巻回された保護シート2を、ポケット6の開口6aからその中空部内に入れ込むことで(図5を参照)、保護シート2の収納作業が完了する
(図6(a),(b)を参照)。
また、本実施形態に係る荷崩れ防止具1は、保護シート2の巻回方向、すなわち図3における保護シート2の長辺と平行な方向における巻取り芯5の幅L(図1乃至図3を参照)が、スライドカート8の側面パネル10における鉛直材10aの内寸法Aを1とした場合に、0.5A≦Lを満たすよう構成されている。
この場合、巻取り芯5をシンプルな棒体で構成する場合に比べて、巻取り完了後の保護シート2の厚みを薄くすることができる。加えて、巻取り芯5に保護シート2を巻回する際に、巻取り芯5を回転させる回数を少なくすることができるというメリットも有する。
図7は保護シートが収納された状態の本発明の実施形態に係る荷崩れ防止具をスライドカートの側面パネルに取り付けた様子を示す斜視図である。また、図8は本発明の実施形態に係る荷崩れ防止具を取り付けた状態でスライドカートをネスティングした様子を示す斜視図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態に係る荷崩れ防止具1によれば、ポケット6に保護シート2を収納した状態の水平方向幅L2(図6(a),(b)を参照)を、スライドカート8の側面パネル10の水平方向幅Aと略同じかそれよりも小さくすることができる。つまり、本実施形態に係る荷崩れ防止具1によれば、ポケット6に保護シート2を収納した状態の荷崩れ防止具1が、スライドカート8の側面パネル10の幅方向に大幅にはみ出さないようにすることができる。
このため、本実施形態に係る荷崩れ防止具1によれば、保護シート2をポケット6に収納した状態でスライドカート8の側面パネル10に常設していても、荷崩れ防止具1がスライドカート8の移動の妨げになり難い。
この場合、側面パネル10に本実施形態に係る荷崩れ防止具1を装着したままの状態でスライドカート8をネスティングすることが可能になる。つまり、このような本実施形態に係る荷崩れ防止具1によれば、スライドカート8の側面パネル10に常設しても、スライドカート8を通常通り使用することができる。
本実施形態に係る荷崩れ防止具1では、巻取り芯5が、可撓性を有する平板材により構成されている場合は、ポケット6の開口6aをそれ以上広げることができなくとも、巻取り芯5に巻回された保護シート2をポケット6内に出し入れすることができるので、荷崩れ防止具1の使用には何ら差し支えない。これは、ポケット6の開口6aをそれ以上広げることができない場合でも、保護シート2が巻回された巻取り芯5を撓ませるなどすれば、巻取り芯5に巻回された保護シート2をポケット6内に出し入れすることができるためである。
しかしながらこの場合は、巻取り芯5に巻回された保護シート2を出し入れする作業をスムーズに行えないことも想定される。そして、この場合は、スライドカート8に保護シート2の着脱させる際の作業性を向上させることができない懸念があった。
このような事情に鑑み、本実施形態に係る荷崩れ防止具1は、先の図1乃至図8に示すように、ポケット6の開口6aに開閉具7を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、例えば図3乃至図5に示すように、必要に応じてポケット6の開口6aを広げることができる。そして、ポケット6の開口6aを広げることができる場合は、図5に示すように、巻取り芯5に巻回された保護シート2のポケット6への出し入れが容易になる。
よって、ポケット6がその開口6aに開閉具7を備える場合は、スライドカート8への保護シート2の着脱作業をスムーズかつ効率良く行うことができる。
なお、ポケット6の開口6aの開閉具7として特にファスナ7aを用いる場合は、ファスナ7aが設けられている部分で、開口6aの広狭を無段階で自在に調整することができる。さらに、開閉具7が特にファスナ7aである場合は、スライダーをスライドさせるだけで開口6aの開度を調整できるので、作業者が片手で開閉具7を操作できるというメリットもある。よって、開閉具7をファスナ7aに特定する場合は、本実施形態に係る荷崩れ防止具1の操作性を向上させることができる。
また、このような固定構造3におけるバンド3aは、その一部が保護シート2の端部に固設され、さらにそれに続く部分が保護シート2の端部に延設されている。加えて、このようなバンド3aは、保護シート2に固定される部分に表面にオス又はメスタイプの面ファスナを備えるとともに、保護シート2の端部から延設される部分の表面にはメス又はオスタイプの面ファスナを備えていてもよい(任意選択構成要素)。
そして、上述のようにバンド3aを構成することで、バンド3aを保護シート2の端部において保護シート2側に折り畳んだ際に、タイプの異なる面ファスナ同士を接合させて、バンド3aを2つ折りにした状態で固定しておくことができる。
そして、本実施形態に係る荷崩れ防止具1が、固定構造3として上述のようなバンド3a及び環状具3cを備える場合は、先の図2に示すように、保護シート2の端部に延設されるバンド3aを、保護シート2の他の端部に設けられる環状具3cに挿通した後、この挿通されたバンド3aを環状具3cにおいて折り返し、さらに保護シート2に固設される側のバンド3aの端部に重ね合わせることで、保護シート2を環状に保持しておくことができる。
また、保護シート2の環状状態を解除するには、上述の手順を逆に行えばよい。
さらに、固定構造3がバンド3a及び固定構造3を備える場合は、環状具3cにおけるバンド3aの掛止位置を調整することで、スライドカート8に積載される荷物の保護シート2による締付け具合を適宜調節することができる。
加えて、固定構造3がバンド3a及び固定構造3を備える場合は、保護シート2を環状に保持するために、保護シート2の一部をスライドカート8の側面パネル10に係止させる等の作業(特許文献2を参照)を行う必要がない。
このことは、スライドカート8に保護シート2を巻回する際に、側面パネル10と積載されている荷物の隙間を広げる作業を行う必要がないことを意味している。このため、固定構造3としてバンド3a及び固定構造3を備えている場合は、保護シート2の着脱時に、スライドカート8に積載される荷物が荷崩れするのを防ぐことができるという効果も有する。
また、本実施形態に係る荷崩れ防止具1では固定構造3として、2組のバンド3a及び環状具3cを備える場合を例に挙げて説明しているが、バンド3a及び環状具3cは1組以上の所望の組数を備えていればよい。ただし、バンド3a及び環状具3cの組数が多くなるほど、保護シート2の着脱作業が煩雑になるため、バンド3a及び環状具3cの組数は、必要最小限度にすることが望ましい。
このため、本実施形態に係る荷崩れ防止具1では、保護シート2とバンド3aの接続部分において、バンド3aが引きちぎられる等の不具合が起こりやすいという懸念があった。
このような事情に鑑み本実施形態に係る荷崩れ防止具1では、保護シート2の端部に配される巻取り芯5とバンド3aを積層した状態でこれらを一体に固設している。すなわち、本実施形態に係る荷崩れ防止具1は、巻取り芯5とバンド3aが重なった状態で一体に固定されてなる積層領域3bを備えている(図2,3を参照)。
このように、本実施形態に係る荷崩れ防止具1が巻取り芯5とバンド3aとが重なった積層領域3bを備えていることで、巻取り芯5を保護シート2とバンド3aの接続部分における補強材としても利用することができる。
この結果、本実施形態に係る荷崩れ防止具1の耐久性を向上させることができる。
そして、本実施形態に係る荷崩れ防止具1のポケット6がその上面に第2のポケットを備えている場合は、この第2のポケットにスライドカート8やそれに積載されている荷物に関する情報を記した書類等を収納することができる。
この場合、第2のポケットを、透視性を有する材質により構成しておくことで、上述のような書類の情報を、第2のポケットから取り出すことなく目視して確認することができる。
なお、このシール貼付け台としては、例えば表面にエンボス加工を施すなどしてシールの着脱性を適度に調節したシート体(例えば、シボシート等)を用いることができる。
この結果、本実施の形態に係る荷崩れ防止具1の利便性を向上させることができる。
このフック4aは、例えば、形状保持性を有する合成樹脂を、断面J字形を成すように形成したものを、保護シート2の所望位置に縫着してなるものである。なお、フック4aの保護シート2への取設方法を縫着に特定する必要は特にない。しかしながら、保護シート2やポケット6の材質として布や不織布、あるいは、合成樹脂製のシート材等を用い、保護シート2にポケット6やバンド3aを縫着して固定する場合は、その作業の一環としてフック4aを保護シート2に縫着して固定することができる。このため、保持構造4として上述のようなフック4aを用いる場合は、本実施形態に係る荷崩れ防止具1の生産性を向上させることができる。
そして、保持構造4として図1,2,6に示すようなフック4aを用いる場合は、スライドカート8の側面パネル10にワンタッチで荷崩れ防止具1を着脱させることができる。
また、保持構造4は、上述のようなフック4a以外にも、金属製のフック等を支障なく用いることができる。この場合は、保護シート2への取設方法を変更する必要がある可能性があるものの、より耐久性に優れた保持構造4を提供することができる。
このような場合は、荷崩れ防止具1の保持構造4としてフック(例えばフック4a等)を用いる代わりに、ポケット6の背面側の保護シート2に、固定具(例えば、面ファスナ等)を備えたバンドや固定用紐などを取り付けておき、このバンドを側面パネル10の鉛直材10aに巻回する、あるいは固定紐を鉛直材10aに緊縛するなどして、側面パネル10の鉛直方向の所望位置に荷崩れ防止具1を取設できるよう構成してもよい(任意選択構成要素)。
この場合は、本実施形態に係る荷崩れ防止具1の利便性を一層向上させることができる。
この場合、本実施形態に係る荷崩れ防止具1が保持構造4としてフック(例えば、フック4a等)のみを備える場合に比べて、スライドカート8に荷崩れ防止具1を常設する際に、側面パネル10から荷崩れ防止具1を外れ難くすることができるというメリットがある。
この場合、スライドカート8に本実施形態に係る荷崩れ防止具1を常設する際の荷崩れ防止具1の外れや落下に伴う紛失を防止することができる。
一般に、スライドカート8で荷物を搬送する場合は、鉛直上方に配される荷物ほど荷崩れを起こしやすい。このため、スライドカート8において鉛直上方に位置する荷物の周囲に保護シート2を巻回しておけば、スライドカート8で搬送する際の荷物の荷崩れの大半を防ぐことができる。
他方、本実施形態に係る1が、スライドカート8の鉛直方向の50%以上の領域を被覆することができるような保護シート2を備える場合は、そうでない場合と比べてより確実にスライドカート8で搬送される荷物の荷崩れを防止することができる。
また、保護シート2の厚みが大きいと耐久性や強度が向上する一方で、巻取り芯5に巻き取られた保護シート2が嵩張ってしまい、収納状態でスライドカート8に常設した際に、スライドカート8の動作の妨げになる懸念があり好ましくない。
このような事情に鑑み、荷崩れ防止具1を構成する保護シート2の厚みは、スライドカート8の側面パネル10を構成する鉛直材10aの内寸法A(図1を参照)と略同じ寸法を有する巻取り芯5に巻回した際の保護シート2の寸法L1(図4を参照)が、側面パネル10の幅A1(図1を参照)以下になるよう設定しておくとよい。
この場合、巻取り芯5に巻回された保護シート2をポケット6内に収容した場合でも、ポケット6の水平方向幅L2(図6を参照)が側面パネル10の幅A1(図1を参照)を大幅に超えることがない。この結果、本実施形態に係る荷崩れ防止具1をスライドカート8に常設する場合に、荷崩れ防止具1がスライドカート8の動作の妨げになるのを一層確実に防ぐことができる。
なお、本実施形態に係る荷崩れ防止具1の巻取り芯5の平面形状を上述のようにロ字形やコ字形にする場合でも、その保護シート2の巻回方向における巻取り芯5の幅Lは、スライドカート8の側面パネル10における鉛直材10aの内寸法Aを1とした場合に、0.5A≦L≦Aを満たしている必要がある。
Claims (6)
- 板状の床面パネルと、鉛直材と水平材とからなる一対の側面パネルと、前記床面パネルの底面側に直接又は間接的に設けられるキャスターと、を備えてなるスライドカートに積載される荷物の荷崩れを防止するために用いられる補助具であって、
前記スライドカートの周側面上に巻回される保護シートと、
前記スライドカートに巻回された前記保護シートを環状に保持するための固定構造と、
前記保護シートを前記側面パネルに着脱可能に保持するための保持構造と、
前記側面パネルにおける前記鉛直材の内寸法を1とした場合に、前記保護シートの巻回方向における幅Lが0.5≦L≦1を満たし、前記保護シートの端部に配され、前記保護シートよりも硬い材質からなる巻取り芯と、
前記保護シートにおいて前記巻取り芯が設けられていない側の端部に設けられ、前記巻取り芯に巻回された前記保護シートを収納するポケットと、を備えていることを特徴とする荷崩れ防止具。 - 前記巻取り芯に巻回された前記保護シートを前記ポケットに収納した際の前記荷崩れ防止具の厚みは、前記スライドカートをネスティングした場合に隣接する前記側面パネル同士の空隙以下であることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止具。
- 前記固定構造は、
前記保護シートの前記巻取り芯が設けられている端部に延設されるバンドと、
前記保護シートの前記巻取り芯が設けられていない側の端部に設けられ、前記バンドを係止するための環状具と、を備え、
前記バンドは、前記巻取り芯と重なっている積層領域を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の荷崩れ防止具。 - 前記ポケットは、その開口を所望に広げるための開閉具を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の荷崩れ防止具。
- 前記ポケットは、その上面に第2のポケット又はシール貼付け台を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の荷崩れ防止具。
- 前記スライドカートの前記側面パネルの鉛直方向の50%以上の領域を被覆する前記保護シートを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の荷崩れ防止具。
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