JP2020157831A - 走行制御装置、走行制御方法、およびプログラム - Google Patents

走行制御装置、走行制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】車線変更を可能とする空間が複数存在する場合において、車線変更を適切に行うよう車両の走行を制御する走行制御装置を提供する。【解決手段】前方他車両と近接車両の車間距離と、前方他車両の速度と、近接車両の速度と、から車両の車線変更が可能な第1可能空間を特定し、近接車両と後方他車両の車間距離と、近接車両の速度と、後方他車両の速度と、から車両の車線変更が可能な第2可能空間を特定する。特定された第1可能空間と、特定された第2可能空間とを評価し、その評価の結果に基づいて、隣接車線への車線変更を行うよう車両の走行を制御する。【選択図】図6

Description

本発明は、車両の走行を制御する走行制御装置、走行制御方法、およびプログラムに関する。
近年、車両の走行を自動的に制御する技術が知られている。車線変更を行う技術もその一つであり、特許文献1には、自車両の周辺を走行する周辺車両として、自車両が走行する車線上で自車両の前を走行する前走車両、隣接車線を走行する前方基準車両および後方基準車両、が存在する場合に、それら周辺車両の将来位置を考慮して、前方基準車両と後方基準車両の間をターゲットとして車線変更を行うことが記載されている。
国際公開第2017/141765号
しかしながら、特許文献1には、車線変更を可能とする複数のターゲットが存在する場合に、車線変更をどのように行うかについては言及されていない。
本発明は、車線変更を可能とする空間が複数存在する場合において、車線変更を適切に行うよう車両の走行を制御する走行制御装置、走行制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る走行制御装置は、車両の外界の情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記車両の外界の情報に基づいて、前記車両の走行を制御する制御手段と、前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の前方を走行する前方他車両の情報とが取得される場合、前記前方他車両と前記近接車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記近接車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第1可能空間を特定する第1特定手段と、前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の後方を走行する後方他車両の情報とが取得される場合、前記近接車両と前記後方他車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第2可能空間を特定する第2特定手段と、前記第1特定手段により特定された前記第1可能空間と、前記第2特定手段により特定された前記第2可能空間とを評価する評価手段と、を備え、前記制御手段は、前記評価手段による評価の結果に基づいて、前記隣接車線への車線変更を行うよう前記車両の走行を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る走行制御方法は、走行制御装置において実行される走行制御方法であって、車両の外界の情報を取得する取得工程と、前記取得工程において取得された前記車両の外界の情報に基づいて、前記車両の走行を制御する制御工程と、前記取得工程において、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の前方を走行する前方他車両の情報とが取得される場合、前記前方他車両と前記近接車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記近接車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第1可能空間を特定する第1特定工程と、前記取得工程において、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の後方を走行する後方他車両の情報とが取得される場合、前記近接車両と前記後方他車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第2可能空間を特定する第2特定工程と、前記第1特定工程において特定された前記第1可能空間と、前記第2特定工程において特定された前記第2可能空間とを評価する評価工程と、を有し、前記制御工程では、前記評価工程における評価の結果に基づいて、前記隣接車線への車線変更を行うよう前記車両の走行を制御することを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、車両の外界の情報を取得する取得手段、前記取得手段により取得された前記車両の外界の情報に基づいて、前記車両の走行を制御する制御手段、前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の前方を走行する前方他車両の情報とが取得される場合、前記前方他車両と前記近接車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記近接車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第1可能空間を特定する第1特定手段、前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の後方を走行する後方他車両の情報とが取得される場合、前記近接車両と前記後方他車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第2可能空間を特定する第2特定手段、前記第1特定手段により特定された前記第1可能空間と、前記第2特定手段により特定された前記第2可能空間とを評価する評価手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記制御手段は、前記評価手段による評価の結果に基づいて、前記隣接車線への車線変更を行うよう前記車両の走行を制御することを特徴とする。
本発明によれば、車線変更を可能とする空間が複数存在する場合において、車線変更を適切に行うよう車両の走行を制御することができる。
車両用制御装置の構成を示す図である。 制御ユニットの機能ブロックを示す図である。 車線変更による車両間への進入動作を説明するための図である。 車線変更による車両間への進入動作を説明するための図である。 加減速度の予測マップを示す図である。 車線変更の処理を示すフローチャートである。 車線変更の処理を示すフローチャートである。 探索処理を示すフローチャートである。 探索処理を示すフローチャートである。 探索処理を示すフローチャートである。 LC可能空間の評価を説明するための図である。 LC可能空間の評価を説明するための図である。 車線変更の処理を示すフローチャートである。 後方他車両の意思推定の処理を示すフローチャートである。 加減速度の予測マップに基づいて意思推定を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用制御装置(走行制御装置)のブロック図であり、車両1を制御する。図1において、車両1はその概略が平面図と側面図とで示されている。車両1は一例としてセダンタイプの四輪の乗用車である。
図1の走行制御装置は、制御ユニット2を含む。制御ユニット2は車内ネットワークにより通信可能に接続された複数のECU20〜29を含む。各ECUは、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェース等を含む。記憶デバイスにはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。各ECUはプロセッサ、記憶デバイスおよびインタフェース等を複数備えていてもよい。また、図1の走行制御装置の構成は、プログラムに係る本発明を実施するコンピュータとなり得る。
以下、各ECU20〜29が担当する機能等について説明する。なお、ECUの数や、担当する機能については適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、あるいは、統合することが可能である。
ECU20は、車両1の自動運転に関わる制御を実行する。自動運転においては、車両1の操舵と、加減速の少なくともいずれか一方を自動制御する。
ECU21は、電動パワーステアリング装置3を制御する。電動パワーステアリング装置3は、ステアリングホイール31に対する運転者の運転操作(操舵操作)に応じて前輪を操舵する機構を含む。また、電動パワーステアリング装置3は、操舵操作をアシストしたり、あるいは、前輪を自動操舵するための駆動力を発揮するモータや、操舵角を検知するセンサ等を含む。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU21は、ECU20からの指示に対応して電動パワーステアリング装置3を自動制御し、車両1の進行方向を制御する。
ECU22および23は、車両の周囲状況を検知する検知ユニット41〜43の制御および検知結果の情報処理を行う。検知ユニット41は、車両1の前方を撮影するカメラであり(以下、カメラ41と表記する場合がある。)、本実施形態の場合、車両1のルーフ前部でフロントウィンドウの車室内側に取り付けられる。カメラ41が撮影した画像の解析により、例えば、物標の輪郭抽出や、道路上の車線の区画線(白線等)を抽出可能である。
検知ユニット42は、Light Detection and Ranging(LIDAR)であり、車両1の周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。本実施形態の場合、検知ユニット42は5つ設けられており、車両1の前部の各隅部に1つずつ、後部中央に1つ、後部各側方に1つずつ設けられている。検知ユニット43は、ミリ波レーダであり(以下、レーダ43と表記する場合がある)、車両1の周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。本実施形態の場合、レーダ43は5つ設けられており、車両1の前部中央に1つ、前部各隅部に1つずつ、後部各隅部に一つずつ設けられている。
ECU22は、一方のカメラ41と、各検知ユニット42の制御および検知結果の情報処理を行う。ECU23は、他方のカメラ41と、各レーダ43の制御および検知結果の情報処理を行う。車両の周囲状況を検知する装置を二組備えたことで、検知結果の信頼性を向上でき、また、カメラやレーダ等、種類の異なる検知ユニットを備えたことで、車両の周辺環境の解析を多面的に行うことができる。
ECU24は、ジャイロセンサ5、GPSセンサ24b、通信装置24cの制御および検知結果あるいは通信結果の情報処理を行う。ジャイロセンサ5は、車両1の回転運動を検知する。ジャイロセンサ5の検知結果や、車輪速等により車両1の進路を判定することができる。GPSセンサ24bは、車両1の現在位置を検知する。通信装置24cは、地図情報や交通情報、気象情報を提供するサーバと無線通信を行い、これらの情報を取得する。ECU24は、記憶デバイスに構築された地図情報のデータベース24aにアクセス可能であり、ECU24は、現在地から目的地へのルート探索等を行う。なお、データベース24aには、上記の交通情報や気象情報などのデータベースが構築されても良い。
ECU25は、車車間通信用の通信装置25aを備える。通信装置25aは、周辺の他車両と無線通信を行い、車両間での情報交換を行う。通信装置25aは、各種の通信機能を有し、例えば、専用狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)機能やセルラー通信機能を有する。通信装置25aは、送受信アンテナを含むTCU(Telematics Communication Unit)として構成されても良い。
ECU26は、パワープラント6を制御する。パワープラント6は、車両1の駆動輪を回転させる駆動力を出力する機構であり、例えば、エンジンと変速機とを含む。ECU26は、例えば、アクセルペダル7Aに設けた操作検知センサ7aにより検知した運転者の運転操作(アクセル操作あるいは加速操作)に対応してエンジンの出力を制御したり、車速センサ7cが検知した車速等の情報に基づいて変速機の変速段を切り替える。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU26は、ECU20からの指示に対応してパワープラント6を自動制御し、車両1の加減速を制御する。
ECU27は、方向指示器8(ウィンカ)を含む灯火器(ヘッドライト、テールライト等)を制御する。図1の例の場合、方向指示器8は、車両1の前部、ドアミラーおよび後部に設けられている。
ECU28は、入出力装置9の制御を行う。入出力装置9は、運転者に対する情報の出力と、運転者からの情報の入力の受け付けを行う。音声出力装置91は、運転者に対して音声により情報を報知する。表示装置92は、運転者に対して画像の表示により情報を報知する。表示装置92は例えば運転席正面に配置され、インストルメントパネル等を構成する。なお、ここでは、音声と表示を例示したが振動や光により情報を報知してもよい。また、音声、表示、振動または光のうちの複数を組み合わせて情報を報知してもよい。更に、報知すべき情報のレベル(例えば緊急度)に応じて、組み合わせを異ならせたり、報知態様を異ならせてもよい。また、表示装置92は、ナビゲーション装置を含んでも良い。
入力装置93は、運転者が操作可能な位置に配置され、車両1に対する指示を行うスイッチ群であるが、マイク等の音声入力装置も含まれてもよい。
ECU29は、ブレーキ装置10やパーキングブレーキ(不図示)を制御する。ブレーキ装置10は、例えばディスクブレーキ装置であり、車両1の各車輪に設けられ、車輪の回転に抵抗を加えることで車両1を減速あるいは停止させる。ECU29は、例えば、ブレーキペダル7Bに設けた操作検知センサ7bにより検知した運転者の運転操作(ブレーキ操作)に対応してブレーキ装置10の作動を制御する。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU29は、ECU20からの指示に対応してブレーキ装置10を自動制御し、車両1の減速および停止を制御する。ブレーキ装置10やパーキングブレーキは、車両1の停止状態を維持するために作動することができる。また、パワープラント6の変速機がパーキングロック機構を備える場合、これを車両1の停止状態を維持するために作動することもできる。
ECU20が実行する車両1の自動運転に関わる制御について説明する。ECU20は、運転者により目的地と自動運転が指示されると、ECU24により探索された案内ルートにしたがって、目的地へ向けて車両1の走行を自動制御する。自動制御の際、ECU20はECU22および23から車両1の周囲状況に関する情報(外界情報)を取得し、取得した情報に基づきECU21、ECU26および29に指示して、車両1の操舵、加減速を制御する。
図2は、制御ユニット2の機能ブロックを示す図である。制御部200は、図1の制御ユニット2に対応し、外界認識部201、自己位置認識部202、車内認識部203、行動計画部204、駆動制御部205、デバイス制御部206を含む。各ブロックは、図1に示す1つのECU、若しくは、複数のECUにより実現される。
外界認識部201は、外界認識用カメラ207及び外界認識用センサ208からの信号に基づいて、車両1の外界情報を認識する。ここで、外界認識用カメラ207は、例えば図1のカメラ41であり、外界認識用センサ208は、例えば図1の検知ユニット42、43である。外界認識部201は、外界認識用カメラ207及び外界認識用センサ208からの信号に基づいて、例えば、交差点や踏切、トンネル等のシーン、路肩等のフリースペース、他車両の挙動(速度や進行方向等)を認識する。自己位置認識部202は、GPSセンサ211からの信号に基づいて車両1の現在位置を認識する。ここで、GPSセンサ211は、例えば、図1のGPSセンサ24bに対応する。
車内認識部203は、車内認識用カメラ209及び車内認識用センサ210からの信号に基づいて、車両1の搭乗者を識別し、また、搭乗者の状態を認識する。車内認識用カメラ209は、例えば、車両1の車内の表示装置92上に設置された近赤外カメラであり、例えば、搭乗者の視線の方向を検出する。また、車内認識用センサ210は、例えば、搭乗者の生体信号を検知するセンサである。車内認識部203は、それらの信号に基づいて、搭乗者の居眠り状態、運転以外の作業中の状態、であることなどを認識する。
行動計画部204は、外界認識部201、自己位置認識部202による認識の結果に基づいて、最適経路、リスク回避経路など、車両1の行動を計画する。行動計画部204は、例えば、交差点や踏切等の開始点や終点に基づく進入判定、他車両の挙動の予測結果に基づく行動計画を行う。駆動制御部205は、行動計画部204による行動計画に基づいて、駆動力出力装置212、ステアリング装置213、ブレーキ装置214を制御する。ここで、駆動力出力装置212は、例えば、図1のパワープラント6に対応し、ステアリング装置213は、図1の電動パワーステアリング装置3に対応し、ブレーキ装置214は、ブレーキ装置10に対応する。
デバイス制御部206は、制御部200に接続されるデバイスを制御する。例えば、デバイス制御部206は、スピーカ215を制御し、警告やナビゲーションのためのメッセージ等、所定の音声メッセージを出力させる。また、例えば、デバイス制御部206は、表示装置216を制御し、所定のインタフェース画面を表示させる。表示装置216は、例えば表示装置92に対応する。また、例えば、デバイス制御部206は、ナビゲーション装置217を制御し、ナビゲーション装置217での設定情報を取得する。
制御部200は、図2に示す以外の機能ブロックを適宜含んでも良く、例えば、通信装置24cを介して取得した地図情報に基づいて目的地までの最適経路を算出する最適経路算出部を含んでも良い。また、制御部200が、図2に示すカメラやセンサ以外から情報を取得しても良く、例えば、通信装置25aを介して他の車両の情報を取得するようにしても良い。また、制御部200は、GPSセンサ211だけでなく、車両1に設けられた各種センサからの検知信号を受信する。例えば、制御部200は、車両1のドア部に設けられたドアの開閉センサやドアロックの機構センサの検知信号を、ドア部に構成されたECUを介して受信する。それにより、制御部200は、ドアのロック解除や、ドアの開閉動作を検知することができる。
図3は、本実施形態における車線変更による車両間への進入動作を説明するための図である。図3において、自車両301は、自車線をV0で走行している。車両302は、隣接車線において自車両301の前方を速度Vfで走行する前方他車両である。車両303は、隣接車線において自車両301の後方を速度Vrで走行する後方他車両である。車両304は、隣接車線において自車両301のほぼ近傍を速度Vsで並走する並走他車両である。図3では、車両304は、自車両301のやや前方を走行しているように示されているが、やや後方を走行する場合もある。そのため、本実施形態では、並走他車両を近接車両ともいう。車間距離307は、車両302と車両304の車間距離を表し、車間距離308は、車両304と車両303の車間距離を表す。
自車両301が加速してから車線変更を行う場合には、自車両301は、車両302と車両304の車間領域をターゲットとして進入することになる。以下、そのような車線変更を前方車線変更ともいう。位置305は、そのようなケースにおいて車両302と車両304の車間領域での自車両301の推定される将来位置を示している。一方、自車両301が減速してから車線変更を行う場合には、自車両301は、車両304と車両303の車間領域をターゲットとして進入することになる。以下、そのような車線変更を後方車線変更ともいう。位置306は、そのようなケースにおいて車両304と車両303の車間領域での自車両301の推定される将来位置を示している。なお、本実施形態における車両の「位置」とは、経度、緯度等で規定される絶対的な位置ではなく、車両間の相対的な位置を指すものとする。
本実施形態では、自車両301が実際に車両間へ進入する位置を、IDMモデルに基づく加減速度の予測マップを用いて決定する。図3において、実際に車両間へ進入する位置は、車両302と車両304の車間領域と、車両304と車両303の車間領域のいずれかになる。以下、実際に車両間へ進入する位置のことを、車両変更(LC:Lane Change)位置ともいう。
ここで、加減速度の予測マップを説明する。図5は、加減速度の予測マップの一例を示す図である。加減速度の予測マップは、先行車両とそれに追従する後続車両の2車両についての追従走行モデル(IDMモデル:Intelligent Driver Model)に基づいている。IDMモデルでは、先行車両の存在により生じる後続車両の加減速度αは、式(1)で表されることが知られている。
・・・(1)
ここで、vは先行車両の速度、v0は後続車両の速度、Δvは相対速度、δは指数定数、sは車間距離、s*は有効車間距離、を表す。式(1)の右辺の第3項は、車間距離と相対速度に関する項であり、他車両からの影響を表している。加減速度αは、他車両からの影響に基づいて決定され、例えば、後続車両の速度>先行車両の速度の関係で速度差が大きく車間距離が短いほど、最適な車間距離とするために、後続車両は、相対速度と車間距離から算出される加減速度αの衝撃を大きく受けることが分かる。
図5の横軸は、2車両間の相対速度を表し、縦軸は、2車両間の車間距離を表している。また、式(1)で算出される加減速度αは、図5上では、各ハッチングの違いにより表されている。加減速度αの変化は、図示上、ハッチング境界が明確に示されているが、グラデーション状に変化する場合もある。なお、各ハッチングで表される加減速度αは、後続車両の絶対速度で決定される。図5では、式(1)で表されるIDMモデルに基づいて、2車両間の相対速度及び車間距離を両軸として定められる空間上で、車両の加減速度αの分布が表されている。なお、加減速度αは、例えば、−2000mm/s=−0.2Gとして、G値に換算されても良い。
図3において、位置305と車両302の間のハッチング表示は、例えば位置305にある将来位置の自車両301と車両302をIDMモデルとして考えた場合に、車間距離309にある将来位置の自車両301が受ける加減速度αの分布を表す。特に、右上斜め方向の太斜線で示される空間は、将来位置の自車両301が受ける加減速度αの大きさが所定値以下であることを表す。そのため、将来位置の自車両301が車両302から受ける衝撃は比較的小さいので、LC可能空間313をターゲットとして車線変更をスムーズに行うことが可能である。
また、車両304と位置305の間のハッチング表示は、車両304と例えば位置305にある将来位置の自車両301をIDMモデルとして考えた場合に、車間距離310にある車両304が受ける加減速度αの分布を表す。特に、右上斜め方向の太斜線で示される空間は、車両304が受ける加減速度αの大きさが所定値以下であることを表す。そのため、車両304が将来位置の自車両301から受ける衝撃は比較的小さいので、LC可能空間313をターゲットとして車線変更をスムーズに行うことが可能である。
また、車両304と位置306の間のハッチング表示は、車両304と例えば位置306にある将来位置の自車両301をIDMモデルとして考えた場合に、車間距離311にある将来位置の自車両301が受ける加減速度αの分布を表す。特に、右上斜め方向の太斜線で示される空間は、将来位置の自車両301が受ける加減速度αの大きさが所定値以下であることを表す。そのため、将来位置の自車両301が車両304から受ける衝撃は比較的小さいので、後述するLC可能空間314をターゲットとして車線変更をスムーズに行うことが可能である。
また、位置306と車両303の間のハッチング表示は、例えば位置306にある将来位置の自車両301と車両303をIDMモデルとして考えた場合に、車間距離312にある車両303が受ける加減速度αの分布を表す。特に、右上斜め方向の太斜線で示される空間は、車両303が受ける加減速度αの大きさが所定値以下であることを表す。そのため、車両303が将来位置の自車両301から受ける衝撃は比較的小さいので、LC可能空間314をターゲットとして車線変更をスムーズに行うことが可能である。
本実施形態ではさらに、LC可能空間313とLC可能空間314が時間的にどのように変化していくかということに基づいて、自車両301がいずれのターゲットに向かって車線変更を行うか(つまり、前方車線変更若しくは後方車線変更)を判断する。例えば、LC可能空間314が比較的大きい空間であっても、車両303が車両304より速い場合には、LC可能空間314の大きさは時間の経過に伴い急速に減少していくことになる。そのような場合には、LC可能空間314は車線変更のターゲットとして適切でないと判断する。本実施形態では、LC可能空間313とLC可能空間314の時間的な変化を考慮して評価し、いずれのLC可能空間をターゲットとして車線変更を行うかを判断する。その結果、交通全体の走行を妨げることなく、円滑な車線変更を行うことができる。
図6は、本実施形態における自車両301の車線変更の処理を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば、自車両301の制御部200がROM等の記憶領域に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。以下、特に断らない限り、自車両301の制御部200は、単に制御部200として説明する。
S101において、制御部200は、車線変更の要求を受け付けると、例えばウィンカを点灯させる。そして、S102において、制御部200は、並走他車両があるか否かを判定する。ここで、並走他車両とは、図3の車両304である。並走他車両がないと判定された場合には、図6の処理を終了し、並走他車両があると判定された場合には、S103及びS104の処理が行われる。S103では、LC可能空間313を探索するための探索処理αが行われ、S104では、LC可能空間314を探索するための探索処理βが行われる。なお、本実施形態では、S103の探索処理αとS104の探索処理βとが並列で行われるとして説明するが、探索処理αの後に探索処理βが行われるようにしても良いし、探索処理βの後に探索処理αが行われるようにしても良い。以下、探索処理α、βを図8を参照しながら説明する。
図8は、S103の探索処理αを示すフローチャートである。S201において、制御部200は、ギャップ長を取得する。ここで、ギャップ長は、図3の車間距離307に対応する。なお、本実施形態では、車間距離307、308、309、310、311、312、LC可能空間313、314は、走行車線上に沿った距離を表すものとする。
S202において、制御部200は、前方他車両の速度Vfを取得する。ここで、前方他車両とは、車両302である。S203において、制御部200は、後方他車両の速度Vrを取得する。ここで、後方他車両とは、車両304である。制御部200は、例えば、外界認識用カメラ207外界認識用センサ208を用いて、前方他車両及び後方他車両の速度を取得する。
S204において、制御部200は、自車両301が隣接車線に車線変更を行ったと推定した場合の仮想位置(将来位置)を表す変数S(仮想位置S)を初期化する。図3の位置305は、図8の処理で用いられる仮想位置の一つを表している。仮想位置Sの初期値は、例えば、車両302から1m後方の位置とする(S=1)。
S205において、制御部200は、前方他車両に対する仮想位置Sの自車両301のIDM値αfを取得する。IDM値は、後続車の予測加減速値の一例であり、本実施形態では、IDMモデルを用いて求められるIDM値を一例として用いて説明する。S205では、制御部200は、例えば、自車両301の車線変更のための加速後の速度に基づいてIDMモデルを作成し、前方他車両と仮想位置Sの自車両301についての相対速度および車間距離からIDM値αfを求め、仮想位置Sに対応づけて記憶領域に保持する。
S206において、制御部200は、仮想位置Sの自車両301に対する後方他車両のIDM値αrを取得する。S206では、制御部200は、例えば、車両304の速度に基づいてIDMモデルを作成し、仮想位置Sの自車両301と後方他車両についての相対速度および車間距離からIDM値αrを求め、仮想位置Sに対応づけて記憶領域に保持する。
S207において、制御部200は、仮想位置Sを更新する。仮想位置Sは、例えば、1ずつインクリメントしていくようにしても良い。S208において、制御部200は、所定の条件、例えば、更新された仮想位置Sが「S≦L−1」を満たすか否かを判定する。ここで、Lとは、図3の車間距離307に対応する。所定の条件を満たすと判定された場合には、S209に進み、所定の条件を満たさないと判定された場合は、S205からの処理を繰り返す。
S209において、制御部200は、各仮想位置Sについて求められた加減速度αf、αrから、ともに大きさが所定値以下(例えば、0.2以下)となる空間315、316を含む空間をLC可能空間313として特定する。つまり、図8の探索処理αが終了すると、加速してから車線変更を行う場合、加減速度が所定値以下となる空間を特定することができる。S209の後、図8(探索処理α)の処理を終了する。
次に、S104の探索処理βについて、図8を参照しながら説明する。
S201において、制御部200は、ギャップ長を取得する。ここで、ギャップ長は、図3の車間距離308に対応する。
S202において、制御部200は、前方他車両の速度Vfを取得する。ここで、前方他車両とは、車両304である。S203において、制御部200は、後方他車両の速度Vrを取得する。ここで、後方他車両とは、車両303である。制御部200は、例えば、外界認識用カメラ207外界認識用センサ208を用いて、前方他車両及び後方他車両の速度を取得する。
S204において、制御部200は、自車両301が隣接車線に車線変更を行ったと推定した場合の仮想位置(将来位置)を表す変数S(仮想位置S)を初期化する。図3の位置306は、図8の処理で用いられる仮想位置の一つを表している。仮想位置Sの初期値は、例えば、車両304から1m後方の位置とする(S=1)。
S205において、制御部200は、前方他車両に対する仮想位置Sの自車両301のIDM値βfを取得する。S205では、制御部200は、例えば、自車両301の車線変更のための減速後の速度に基づいてIDMモデルを作成し、前方他車両と仮想位置Sの自車両301についての相対速度および車間距離からIDM値βfを求め、仮想位置Sに対応づけて記憶領域に保持する。
S206において、制御部200は、仮想位置Sの自車両301に対する後方他車両のIDM値βrを取得する。S206では、制御部200は、例えば、車両303の速度に基づいてIDMモデルを作成し、仮想位置Sの自車両301と後方他車両についての相対速度および車間距離からIDM値βrを求め、仮想位置Sに対応づけて記憶領域に保持する。
S207において、制御部200は、仮想位置Sを更新する。仮想位置Sは、例えば、1ずつインクリメントしていくようにしても良い。S208において、制御部200は、所定の条件、例えば、更新された仮想位置Sが「S≦L−1」を満たすか否かを判定する。ここで、Lとは、図3の車間距離308に対応する。所定の条件を満たすと判定された場合には、S209に進み、所定の条件を満たさないと判定された場合は、S205からの処理を繰り返す。
S209において、制御部200は、各仮想位置Sについて求められた加減速度βf、βrから、ともに大きさが所定値以下(例えば、0.2以下)となる空間317、318を含む空間をLC可能空間314として特定する。つまり、図8の探索処理βが終了すると、減速してから車線変更を行う場合、加減速度が所定値以下となる空間を特定することができる。S209の後、図8(探索処理β)の処理を終了する。
再び、図6を参照する。S103及びS104の後、S105に進む。S105において、制御部200は、探索処理αと探索処理βの両方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたか否かを判定する。ここで、探索処理αと探索処理βの両方で加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合には、S107に進む。一方、そうでないと判定された場合には、S106において、制御部200は、探索処理α、探索処理βの一方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたか否かを判定する。ここで、探索処理α、探索処理βの一方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合には、図6の処理を終了し、後方他車両の意思推定処理が行われる。後方他車両の意思推定処理については後述する。一方、そうでないと判定された場合には、再び、S103及びS104の処理が行われる。
探索処理αと探索処理βの両方で加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合、S107において、制御部200は、自車線上に前方他車両及び後方他車両があるか否かを判定する。前方他車両及び後方他車両があると判定された場合の処理については、図7で後述する。なお、図3に示すシーンは、自車線上に前方他車両及び後方他車両がないケースであるので、S107からS108に進む。
S108において、制御部200は、探索処理αで特定されたLC可能空間313と、探索処理βで特定されたLC可能空間314とを評価する。
ここで、S108で行われるLC可能空間の評価について説明する。図11は、LC可能空間の評価を説明するための図である。図11の左部分は、図3のシーンと対応している。図11の右部分は、Vf、Vs、Vrに基づき制御部200により予測される、車両302、303、304の位置関係の時間変化を示している。つまり、図11のグラフ1105、1106、1107に示されるように、Vf=Vs<Vrの関係となっているので、車両304と車両303の車間距離は、時間の経過につれて縮まっていくことが分かる。点1101、1102、1104は、車両302、304、303に対応し、点1103は、自車両301に対応している。従って、点1101と点1102の間の距離は車間距離307に対応し、点1102と点1104の間の距離は車間距離308に対応する。
図11においてグラフ1105とグラフ1106の間のハッチング領域は、LC可能空間313の時間積分値に相当する。また、グラフ1106とグラフ1107の間のハッチング領域は、LC可能空間314の時間積分値に相当する。さらに、時間軸上のt1は、自車両301が後方車線変更を行うと推定した場合の車線変更開始タイミングを示している。また、時間軸上のt2は、自車両301が前方車線変更を行うと推定した場合の車線変更開始タイミングを示している。ここで、車線変更開始タイミングは、自車両301が隣接車線との間の車線(白線等)を乗り越えるタイミングであり、ウィンカの点灯時から決定されるタイミングである。例えば、ウィンカの点灯から3秒間(ウィンカ点灯から車線変更を開始するまでの所定待機時間)を加算し、さらに車線変更のための時間(白線にかかるまで)を加算したタイミングとしても良い。車線変更のための時間は、自車両301から車両302と車両304の中点までの距離と、加速後の自車両301の速度とに基づいて算出しても良い。もしくは、自車両301から車両304と車両303の中点までの距離と、減速後の自車両301の速度とに基づいて算出しても良い。
図3に示すケースでは、自車両301は、車両304より若干後方に位置するため、後方車線変更を開始するタイミングが前方車線変更を開始するタイミングよりも早い。また、時間軸上のtmaxは、ウィンカの点灯から車線変更終了までの限界時間であり、例えば、ウィンカの点灯から10秒間を加算したタイミングである。
ハッチング領域1108は、自車両301が前方車線変更を開始してから(時間t2)、時間tmaxまでのLC可能空間313の時間積分値Sαを示している。また、ハッチング領域1109は、自車両301が後方車線変更を開始してから(時間t1)、ハッチング領域1109が消失するまでのLC可能空間314の時間積分値Sβを示している。
図11に示すように、車両302の速度Vfと車両304の速度Vsはほぼ等しいため、ハッチング領域1108は、時間tmaxまで維持されている。一方、車両304の速度Vsより車両303の速度Vrの方が大きいため、ハッチング領域1109は、時間の経過とともに減少し、時間tmaxまでに消失している。つまり、後方車線変更を行う場合は、前方車線変更を行う場合よりも車線変更開始タイミングを早くすることができる一方、LC可能空間が消失する可能性があるので、交通全体の流れを妨げてしまうおそれがある。一方、前方車線変更を行う場合、後方車線変更を行う場合に比べてLC可能空間が維持されるものの、車線変更開始タイミングは遅くなってしまう。
そこで、本実施形態では、以下のような式(2)を用いて、時間積分値S(Sα、Sβ)を評価する。
評価関数f = (w1/d)×(w2×S)×(w3×S’(t)) ・・・(2)
ここで、右辺の第1項では、自車両301の移動距離が寄与し、第2項では、LC可能空間の面積S(時間積分値)が寄与し、第3項では、その面積Sの時間変化分が寄与している。dは、自車両301から、車間距離307、308それぞれの中点への距離である(dα、dβ)。w1、w2、w3は、任意のパラメータであり、例えばシーンに応じて、移動距離d、LC可能空間の面積S、面積の時間変化分S’(t)、の重要度を設定することができる。
面積Sの時間変化分については、所定の時間間隔、t0〜tb(t1<tb)に対するSbと、t0〜ta(t1<ta<tb)に対するSaとについて、以下のように求められても良い。
S’(t) = (Sb−Sa)/(tb−ta) ・・・(3)
式(3)の右辺の第1項はΔSを表し、第2項はΔtを表している。
式(2)に示されるように、dが大きくなるほど評価値は小さくなり、dが小さくなるほど評価値は大きくなる。これは、車線変更を行うための移動距離が長くなるほど評価値が小さくなり、短くなるほど評価値が大きくなることを表している。また、Sが大きくなるほど評価値は大きくなり、Sが小さくなるほど評価値は小さくなる。これは、LC可能空間が大きくなるほど評価値が大きくなり、LC可能空間が小さくなるほど評価値が小さくなることを表している。また、S’(t)が大きくなるほど評価値は大きくなり、S’(t)が小さくなるほど評価値は小さくなる。これは、LC可能空間が時間経過に伴い増大するほど評価値が大きくなり、LC可能空間が時間経過に伴い減少するほど評価値が小さくなることを表している。
再び、図6を参照する。S108でLC可能空間313及び314それぞれについて評価値が算出されると、S109において、制御部200は、評価値の大きい方を車線変更の実行対象として選択する。S110において、制御部200は、選択されたLC可能空間に進入するLC位置を決定する。例えば、選択されたLC可能空間の中間位置をLC位置として決定しても良い。S111において、制御部200は、決定されたLC位置に向かって車線変更を行うよう自車両301を制御する。S111の後、図6の処理を終了する。
図13は、S111の処理を示すフローチャートである。S501において、制御部200は、S110で決定されたLC位置に向かうよう自車両301の走行を制御する。その際、S101でのウィンカの点灯から所定の時間内に行うよう自車両301の走行を制御する。所定の時間とは、例えば、ウィンカの点灯から車線変更終了までの時間10秒である。
S502において、制御部200は、車線変更が可能であるか否かを判定する。制御部200は、前方他車両による影響により、自車両301に加わる加減速度の大きさが所定値より大きくなったか否かを判定する。また、制御部200は、後方他車両に及ぼす影響により、後方他車両に加わる加減速度の大きさが所定値より大きくなったか否かを判定する。上記の2つの判定のいずれかについて、加減速度の大きさが所定値より大きくなったと判定された場合、制御部200は、車線変更が可能でないと判定し、S504において、車線変更を中止し、図13及び図6の処理を終了する。
一方、上記の2つの判定のいずれについても、加減速度の大きさが所定値より大きくなっていないと判定された場合、制御部200は、S503において、車線変更の走行制御が終了したか否かを判定する。S503では、制御部200は、自車両301がS110で決定されたLC位置に到達したか否かに基づいて判定する。車線変更の走行制御が終了したと判定された場合、図13及び図6の処理を終了する。一方、車線変更の走行制御が終了していないと判定された場合、S501からの処理を繰り返す。
以下、図6のS107で自車線上に前方他車両及び後方他車両があると判定された場合について説明する。図4は、自車線上に前方他車両及び後方他車両があると判定された場合のシーンの一例を示す図である。図4に示すように、自車両301の前方に車両321が速度Vf0で走行しており、車両321が上記の前方他車両に対応する。また、自車両301の後方に車両322が速度Vr0で走行しており、車両322が上記の後方他車両に対応する。車間距離323は、車両321と自車両301の車間距離であり、車間距離324は、自車両301と車両322の車間距離である。
S107で自車線上に前方他車両及び後方他車両があると判定された場合、図7のS111及びS112の処理が行われる。S111では、LC可能空間325を探索するための探索処理γが行われ、S112では、LC可能空間326を探索するための探索処理δが行われる。なお、本実施形態では、S111の探索処理γとS112の探索処理δとが並列で行われるとして説明するが、探索処理γの後に探索処理δが行われるようにしても良いし、探索処理δの後に探索処理γが行われるようにしても良い。
図9は、S112の探索処理γの処理を示すフローチャートである。S301において、制御部200は、ギャップ長を取得する。ここで、ギャップ長は、図4の車間距離324に対応する。なお、本実施形態では、車間距離323、324、LC可能空間325、326は、走行車線上に沿った距離を表すものとする。
S302において、制御部200は、自車両301の速度V0を取得する。ここで取得される速度V0は、車線変更のための減速後の速度となる。S303において、制御部200は、後方他車両の速度Vr0を取得する。ここで、後方他車両とは、車両322である。制御部200は、例えば、外界認識用カメラ207、外界認識用センサ208を用いて、後方他車両の速度を取得する。
S304において、制御部200は、車間距離324における自車両301の仮想位置(将来位置)を表す変数S(仮想位置S)を初期化する。仮想位置Sの初期値は、例えば、車両322から1m前方の位置とする(S=1)。
S305において、制御部200は、仮想位置Sの自車両301に対する後方他車両のIDM値γを取得する。S305では、制御部200は、例えば、車両322の速度に基づいてIDMモデルを作成し、仮想位置Sの自車両301と後方他車両についての相対速度および車間距離からIDM値γを求め、仮想位置Sに対応づけて記憶領域に保持する。
S306において、制御部200は、仮想位置Sを更新する。仮想位置Sは、例えば、1ずつインクリメントしていくようにしても良い。S307において、制御部200は、所定の条件、例えば、更新された仮想位置Sが「S≦L−1」を満たすか否かを判定する。ここで、Lとは、図4の車間距離324に対応する。所定の条件を満たすと判定された場合には、S308に進み、所定の条件を満たさないと判定された場合は、S305からの処理を繰り返す。
S308において、制御部200は、各仮想位置Sについて求められた加減速度γから、大きさが所定値以下(例えば、0.2以下)となる空間をLC可能空間326として特定する。つまり、図9の探索処理γが終了すると、減速してから車線変更を行う場合の自車両301の後方に加減速度の大きさが所定値以下となる空間を特定することができる。S308の後、図9の処理を終了する。
図10は、S112の探索処理δの処理を示すフローチャートである。S401において、制御部200は、ギャップ長を取得する。ここで、ギャップ長は、図4の車間距離323に対応する。
S402において、制御部200は、自車両301の速度V0を取得する。ここで取得される速度V0は、車線変更のための加速後の速度となる。S403において、制御部200は、前方他車両の速度Vf0を取得する。ここで、前方他車両とは、車両321である。制御部200は、例えば、外界認識用カメラ207、外界認識用センサ208を用いて、前方他車両の速度を取得する。
S404において、制御部200は、車間距離323における自車両301の仮想位置(将来位置)を表す変数S(仮想位置S)を初期化する。仮想位置Sの初期値は、例えば、車両321から1m後方の位置とする(S=1)。
S405において、制御部200は、前方他車両に対する仮想位置Sの自車両301のIDM値δを取得する。S405では、制御部200は、例えば、仮想位置Sの自車両301の速度に基づいてIDMモデルを作成し、前方他車両と仮想位置Sの自車両301についての相対速度および車間距離からIDM値δを求め、仮想位置Sに対応づけて記憶領域に保持する。
S406において、制御部200は、仮想位置Sを更新する。仮想位置Sは、例えば、1ずつインクリメントしていくようにしても良い。S407において、制御部200は、所定の条件、例えば、更新された仮想位置Sが「S≦L−1」を満たすか否かを判定する。ここで、Lとは、図4の車間距離323に対応する。所定の条件を満たすと判定された場合には、S408に進み、所定の条件を満たさないと判定された場合には、S405からの処理を繰り返す。
S408において、制御部200は、各仮想位置Sについて求められた加減速度δから、大きさが所定値以下(例えば、0.2以下)となる空間をLC可能空間325として特定する。つまり、図10の探索処理δが終了すると、加速してから車線変更を行う場合の自車両301の前方に加減速度の大きさが所定値以下となる空間を特定することができる。S408の後、図10の処理を終了する。
再び、図7を参照する。S111及びS112の後、S113に進む。S113において、制御部200は、探索処理γと探索処理δの両方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたか否かを判定する。ここで、探索処理γと探索処理δの両方で加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合には、図6のS108に進む。一方、そうでないと判定された場合には、S114において、制御部200は、探索処理γ、探索処理δの一方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたか否かを判定する。ここで、探索処理γ、探索処理δの一方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合には、図7の処理を終了し、後方他車両の意思推定処理が行われる。後方他車両の意思推定処理については後述する。一方、そうでないと判定された場合には、再び、S111及びS112の処理が行われる。
探索処理γと探索処理δの両方で加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合、S108において、制御部200は、探索処理γ、探索処理δで特定されたLC可能空間325及び326を考慮して、探索処理αで特定されたLC可能空間313と、探索処理βで特定されたLC可能空間314とを評価する。
ここで、S108で行われるLC可能空間の評価について説明する。図12は、LC可能空間の評価を説明するための図である。図12の左部分は、図4のシーンと対応している。図12の右部分は、Vf、Vs、Vr、Vf0、Vr0に基づき制御部200により予測される、車両302、303、304、321、322の位置関係の時間変化を示している。つまり、図12のグラフ1203に示されるように、Vf0>Vf、Vr0<Vrの関係となっている。点1201、1202は、車両321、322に対応し、点1103は、自車両301に対応している。従って、点1201と点1103の間の距離は車間距離323に対応し、点1103と点1202の間の距離は車間距離324に対応する。
図12において、グラフ1105とグラフ1106の間のハッチング領域は、LC可能空間313の時間積分値に相当するが、車両321による影響によって時間t0〜t1近傍で図11よりもハッチングの形状が削れている。これは、車間距離323内のLC可能空間325以外の部分では、自車両301が受ける加減速度の大きさが所定値より大きくなることから、LC可能空間313の一部であっても評価の対象外とする必要があるためである。また、グラフ1106とグラフ1107の間のハッチング領域は、LC可能空間314の時間積分値に相当するが、車両322による影響によって時間t0〜t1近傍で図11よりもハッチングの形状が削れている。これは、車間距離324内のLC可能空間326以外の部分では、車両322に及ぼす加減速度の大きさが所定値より大きくなることから、LC可能空間314の一部であっても評価の対象外とする必要があるためである。
上記の点以外は図11と同様であり、既に説明したように、式(2)を用いて、探索処理αで特定されたLC可能空間313と、探索処理βで特定されたLC可能空間314とを評価する。
図12では、時間t1において、車間距離308の中点は、ハッチング領域のほぼ中心に位置するために、図11のケースと同様に評価が行われる。ここで、ハッチング領域の形状が車両321の影響により削れることにより、車間距離308の中点がハッチング領域から外れる、若しくは、境界近傍に位置することがある。その場合には、車間距離308の中点がハッチング領域の中心近傍内に含まれる位置に、時間t1の軸を変更しても良い。時間t2の軸についても同様に変更しても良い。
S108でLC可能空間313及び314それぞれについて評価値が算出されると、S109において、制御部200は、評価値の大きい方を車線変更の実行対象として選択する。S110において、制御部200は、選択されたLC可能空間に進入するLC位置を決定する。例えば、制御部200は、自車両301の位置から最も最短でLC可能空間313に進入する位置をLC位置として決定する。例えば、LC可能空間325がLC可能空間313に含まれている場合には、自車両301の車長分前方で隣接車線に平行移動した位置をLC位置として決定する。S111において、制御部200は、決定されたLC位置に向かって車線変更を行うよう自車両301を制御する。その際の処理は、図13に示すように行われる。S111の後、図6の処理を終了する。
以下、後方他車両の意思推定処理について説明する。図6のS102で並走他車両がないと判定された場合、図6のS106で探索処理α、探索処理βの一方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合、図7のS114で探索処理γ、探索処理δの一方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合、に行われる。
後方他車両の意思推定処理とは、例えば自車両301が車線変更のためのウィンカを点灯させることによって車線変更の意思を表した場合に、隣接車線の後方他車両による自車両301に対する譲る意思の有無を推定する。例えば、自車両301がウィンカを点灯させてから、後方他車両が減速したとしても、後方他車両は、隣接車線の前方他車両が減速したために減速したに過ぎない可能性がある。その場合は、後方他車両は自車両301に対して譲る意思がないと推定される。このように、本実施形態では、後方他車両の自車両301に対する挙動、後方他車両の前方他車両に対する挙動、に基づいて、後方他車両の自車両に対する譲る意思の有無を推定する。なお、「譲る」とは、後方他車両の前方の車間領域に自車両301が車線変更して進入してくることを許容するという意味で用いる。
図6のS102で並走他車両がないと判定された場合では、自車両301は、意図推定処理によって、後方他車両の自車両301に対する譲る意思の有無を推定する。また、図6のS106で探索処理α、探索処理βの一方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合では、その特定されたLC可能空間とターゲットとして車線変更を行うことになる。その際、自車両301は、意図推定処理によって、後方他車両の自車両301に対する譲る意思の有無を推定する。また、図7のS114で探索処理γ、探索処理δの一方で、加減速度の大きさが所定値以下となるLC可能空間が特定されたと判定された場合、その特定されたLC可能空間を通して車線変更を行うことになる。その際、自車両301は、意図推定処理によって、後方他車両の自車両301に対する譲る意思の有無を推定する。
図14は、後方他車両の意図推定処理を示すフローチャートである。図14の処理は、例えば、自車両301の制御部200がROM等の記憶領域に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。以下、特に断らない限り、自車両301の制御部200は、単に制御部200として説明する。
S601において、制御部200は、後方他車両の速度を取得する。制御部200は、例えば、外界認識用カメラ207や外界認識用センサ208を用いて、隣接車線の後方他車両の速度を取得する。そして、S602において、制御部200は、S601で取得した後方他車両302の速度に基づいて、図5に示すような加減速度の予測マップを作成する。
本実施形態では、S602で作成された加減速度の予測マップ上で、自車両301と後方他車両との間における相対速度及び車間距離に対応する点の軌跡、後方他車両と隣接車線の前方他車両との間における相対速度及び車間距離に対応する点の軌跡、を判定する。そして、判定された両軌跡に基づいて、後方他車両の譲る意思の有無を推定する。
S603において、制御部200は、自車両301と後方他車両との間における車間距離、後方他車両と前方他車両との間における車間距離、を取得する。S604において、制御部200は、自車両301と後方他車両との間における相対速度、後方他車両と前方他車両との間における相対速度、を取得する。
S605において、制御部200は、S602で作成された加減速度の予測マップ上で、自車両301と後方他車両との間における相対速度及び車間距離に対応する第1の点をプロットし、その点の座標、及び、そのIDM値としての加減速度を保存する。さらに、S605において、制御部200は、S602で作成された加減速の予測マップ上で、後方他車両と前方他車両との間における相対速度及び車間距離に対応する第2の点をプロットし、その点の座標、及び、そのIDM値としての加減速度を保存する。
S606において、制御部200は、S605の処理が所定回数行われたか否かを判定する。所定回数行われていないと判定された場合には、S603〜S605の処理を繰り返す。一方、S605の処理が所定回数行われたと判定された場合には、S607において、制御部200は、第1の点の所定回数分の軌跡と、第2の点の所定回数分の軌跡とに基づいて、後方他車両の譲る意思の有無を推定する。
以下、S607における後方他車両の譲る意思の有無の推定について、S102で並走他車両がないと判定されたケースを一例として説明する。
図14のS602で加減速度の予測マップが生成された後、1回目のS603及びS604の処理が行われる際、自車両301、前方他車両302、後方他車両303がそれぞれ、V0=65km/h、Vf=80km/h、Vr=70km/hで走行しているとする。なお、S603〜S605の処理を繰り返す所定回数は3回とする。
このとき、自車両301と後方他車両303との間における相対速度は、65km/h−70km/h=−5km/hとなる。その際、自車両301と後方他車両303との間における車間距離は30mとする。つまり、第1点は、図15(a)の点1501に示すようにプロットされる。一方、後方他車両303と前方他車両302との間における相対速度は、80km/h−70km/h=10km/hとなる。その際、後方他車両303と前方他車両302との間における車間距離は70mとする。つまり、第2点は、図15(a)の点1502に示すようにプロットされる。
次に、2回目のS603及びS604の処理が行われる際、自車両301、前方他車両302、後方他車両303がそれぞれ、V0=65km/h、Vf=80km/h、Vr=65km/hで走行しているとする。
このとき、自車両301と後方他車両303との間における相対速度は、65km/h−65km/h=0km/hとなる。その際、自車両301と後方他車両303との間における車間距離は35mとする。つまり、第1点は、図15(b)の点1501に示すようにプロットされる。一方、後方他車両303と前方他車両302との間における相対速度は、80km/h−65km/h=+15km/hとなる。その際、後方他車両303と前方他車両302との間における車間距離は80mとする。つまり、第2点は、図15(b)の点1502に示すようにプロットされる。
次に、3回目のS603及びS604の処理が行われる際、自車両301、前方他車両302、後方他車両303がそれぞれ、V0=65km/h、Vf=80km/h、Vr=60km/hで走行しているとする。
このとき、自車両301と後方他車両303との間における相対速度は、65km/h−60km/h=+5km/hとなる。その際、自車両301と後方他車両303との間における車間距離は40mとする。つまり、第1点は、図15(c)の点1501に示すようにプロットされる。一方、後方他車両303と前方他車両302との間における相対速度は、80km/h−60km/h=+20km/hとなる。その際、後方他車両303と前方他車両302との間における車間距離は90mである。つまり、第2点は、図15(c)の点1502に示すようにプロットされる。
図15(a)〜図15(c)のように、各保存された第1点(点1501)の軌跡に着目すると、次第に右上へ移動していることが分かる。加減速度の予測マップ上での右上への移動とは、相対速度と車間距離がともに大きくなる傾向を示している。言い換えると、加減速度の予測マップ上での右上への移動とは、相手車両に及ぼす加減速度が小さくなる方向への移動ともいえる。自車両301と後方他車両303に着目すれば、後方他車両303の速度が自車両301の速度よりも遅くなるとともに、車間距離が長くなることを示している。
さらに、各保存された第2点(点1502)の軌跡に着目すると、図15(a)〜図15(c)に示されるように、次第に右上へ移動していることが分かる。加減速度の予測マップ上での右上への移動とは、相対速度と車間距離がともに大きくなる傾向を示している。後方他車両303と前方他車両302に着目すれば、後方他車両303の速度が前方他車両302の速度よりも遅くなるとともに、車間距離が長くなることを示している。
上記の2つの点の移動の傾向から、自車両301の制御部200は、後方他車両303は自車両301に対して譲る意思があると推定する。また、譲る意思があると推定可能となる第1点及び第2点の右上への移動については、例えば、車間距離と相対速度の各軸に基づく45°ライン近傍を所定の移動ラインとして定めても良い。また、各軸と、加減速度の分布とに基づいて、所定の移動ラインを定めても良い。また、移動ライン上の点1501及び1502の移動量、即ち、図15(b)及び(c)の矢印方向への移動量が閾値以上である場合に、点1501及び1502が移動したと判定する。
以下、自車両と後方他車両、後方他車両と前方他車両、のそれぞれの相対関係(相対距離、相対速度)と、推定結果の一例について説明する。
<後方他車両と前方他車両の相対距離及び相対速度が離れ(若しくは維持)、且つ、後方他車両と自車両の相対距離及び相対速度が縮まるケース>
本ケースの場合、後方他車両と前方他車両の関係に着目すれば、後方他車両の速度が前方他車両の速度よりも遅くなるとともに、車間距離が長くなることを示している。この傾向からは、後方他車両は、自車両に対して譲る意図ありと推定できる可能性がある。しかしながら、さらに、自車両と後方他車両の関係に着目すれば、後方他車両の速度が自車両の速度よりも速くなるとともに、車間距離が短くなることを示している。その結果、結論として、後方他車両は、自車両に対して譲る意思がないと推定される。
さらに、本ケースでは、後方他車両と前方他車両の相対距離が維持され、相対速度も維持されていることを示している。そのような場合には、自車両と後方他車両の関係に関わらず、例えば、後方他車両のドライバは、自車両に気が付いていない可能性がある。従って、結論として、後方他車両は、自車両に対して譲る意思がないと推定される。
<後方他車両と前方他車両の相対距離及び相対速度が縮まり(若しくは維持)、且つ、後方他車両と自車両の相対距離及び相対速度が離れるケース>
本ケースの場合、自車両と後方他車両の関係に着目すれば、後方他車両の速度が自車両の速度よりも遅くなるとともに、車間距離が長くなることを示している。この傾向からは、後方他車両は、自車両に対して譲る意思があると推定できる可能性がある。しかしながら、さらに、後方他車両と前方他車両の関係に着目すれば、後方他車両の速度が前方他車両の速度よりも速くなるとともに、車間距離が短くなることを示している。その結果、結論として、後方他車両は、自車両に対して譲る意思がないと推定される。
さらに、本ケースでは、後方他車両と前方他車両の相対距離が維持され、相対速度も維持されていることを示している。そのような場合には、自車両と後方他車両の関係に関わらず、例えば、後方他車両のドライバは、自車両に気が付いていない可能性がある。従って、結論として、後方他車両は、自車両に対して譲る意思がないと推定される。
<後方他車両と前方他車両の相対距離及び相対速度が縮まり、且つ、後方他車両と自車両の相対距離及び相対速度が縮まるケース>
本ケースの場合、後方他車両と前方他車両の関係に着目すれば、後方他車両の速度が前方他車両の速度より速くなるとともに、車間距離が短くなることを示している。また、自車両と後方他車両の関係に着目すれば、後方他車両の速度が自車両の速度よりも速くなるとともに、車間距離が短くなることを示している。その結果、結論として、後方他車両は、自車両に対して譲る意思がないと推定される。
このように、自車両と後方他車両との間における相対速度及び車間距離、後方他車両と前方他車両との間における相対速度及び車間距離、に基づいて、後方他車両の譲る意思の有無を推定することができる。
以上のように、本実施形態によれば、複数のLC可能空間それぞれが時間的にどのように変化していくかということに基づいて、各LC可能空間を評価し、前方車線変更を行うか、若しくは後方車線変更を行うかを判断する。その結果、交通全体の走行を妨げることなく、円滑な車線変更を行うことができる。
<実施形態のまとめ>
上記実施形態の走行制御装置は、車両の外界の情報を取得する取得手段と(外界認識用カメラ207、外界認識用センサ208)、前記取得手段により取得された前記車両の外界の情報に基づいて、前記車両の走行を制御する制御手段と(制御部200)、前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の前方を走行する前方他車両の情報とが取得される場合、前記前方他車両と前記近接車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記近接車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第1可能空間(313)を特定する第1特定手段と、前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の後方を走行する後方他車両の情報とが取得される場合、前記近接車両と前記後方他車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第2可能空間(314)を特定する第2特定手段と、前記第1特定手段により特定された前記第1可能空間と、前記第2特定手段により特定された前記第2可能空間とを評価する評価手段と(S108)、を備え、前記制御手段は、前記評価手段による評価の結果に基づいて、前記隣接車線への車線変更を行うよう前記車両の走行を制御することを特徴とする。
そのような構成により、車線変更のターゲットが複数ある場合に、それらを評価結果に基づいて、車両の走行を制御することができる。
また、前記評価手段は、前記第1可能空間および前記第2可能空間の大きさに基づいて評価を行うことを特徴とする。また、前記評価手段は、前記車両が前記第1可能空間および前記第2可能空間に車線変更すると推定される位置に到達するまでの距離に基づいて評価を行うことを特徴とする。また、前記推定される位置は、前記第1可能空間および前記第2可能空間それぞれの中点であることを特徴とする。また、前記評価手段は、前記車両が前記第1可能空間および前記第2可能空間に車線変更したと推定した場合、各推定される時間からの前記第1可能空間および前記第2可能空間の時間変化に基づいて評価を行うことを特徴とする。また、前記各推定される時間は、所定の同一の上限値が設定されることを特徴とする。
そのような構成により、車両変更可能な空間の大きさ、その時間変化、車両変更を行うと推定される位置までの距離に基づいて、評価を行うことができる。また、車線変更にはウィンカの点灯から所定時間内に完了することが求められることから、上限値としてのタイムリミットを設けることができる。また、2つの空間に対して同じ上限値を設けることで、同様の基準での評価が可能となる。
また、前記第1特定手段は、前記前方他車両と前記近接車両の間に推定される前記車両の位置(305)に基づいて、前記第1可能空間を特定し、前記第2特定手段は、前記近接車両と前記後方他車両の間に推定される前記車両の位置(306)に基づいて、前記第2可能空間を特定することを特徴とする。また、前記第1特定手段は、前記前方他車両と前記推定される前記車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記推定される前記車両の速度と、から特定される第3可能空間と、前記推定される前記車両と前記近接車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記推定される前記車両の速度と、から特定される第4可能空間と、に基づいて、前記第1可能空間を特定することを特徴とする。また、前記第1可能空間は、前記隣接車線上で特定され、前記第3可能空間と前記第4可能空間とを含む領域であることを特徴とする。また、前記第2特定手段は、前記近接車両と前記推定される前記車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記推定される前記車両の速度と、から特定される第5可能空間と、前記推定される前記車両と前記後方他車両の車間距離と、前記推定される前記車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から特定される第6可能空間と、に基づいて、前記第2可能空間を特定することを特徴とする。また、前記第2可能空間は、前記隣接車線上で特定され、前記第5可能空間と前記第6可能空間とを含む領域であることを特徴とする。
そのような構成により、隣接車線において推定される車両の位置の前後の他車両の挙動から特定される空間に基づいて、評価を行うことができる。
また、前記第1可能空間、前記第2可能空間、前記第3可能空間、前記第4可能空間、前記第5可能空間、前記第6可能空間は、2車両間における車間距離および相対距離を用いて後方車両の加減速度を算出するモデルに基づいて特定されることを特徴とする。また、前記第1可能空間、前記第2可能空間、前記第3可能空間、前記第4可能空間、前記第5可能空間、前記第6可能空間は、前記加減速度の大きさが所定値以下である空間として特定されることを特徴とする。
そのような構成により、IDMモデルを用いて、隣接車線において推定される車両の位置の前後の他車両の挙動から特定される空間に基づいて、評価を行うことができる。
また、前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線を走行する車両で前記車両の前方を走行する第2前方他車両の情報が取得される場合、前記第2前方他車両と前記車両の車間距離(323)と、前記第2前方他車両の速度と、前記車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第7可能空間(325)を特定する第3特定手段と、前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線を走行する車両で前記車両の後方を走行する第2後方他車両の情報が取得される場合、前記第2後方他車両と前記車両の車間距離(324)と、前記第2後方他車両の速度と、前記車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第8可能空間(324)を特定する第4特定手段と、をさらに備え、前記評価手段は、前記第3特定手段により特定された前記第7可能空間と、前記第4特定手段により特定された前記第8可能空間とに基づいて、前記第1特定手段により特定された前記第1可能空間と、前記第2特定手段により特定された前記第2可能空間とを評価することを特徴とする。
そのような構成により、自車線の他車両の挙動から特定される空間に基づいて、評価を行うことができる。
また、前記第7可能空間および前記第8可能空間は、2車両間における車間距離および相対距離を用いて後方車両の加減速度を算出するモデルに基づいて特定されることを特徴とする。また、前記第7可能空間および前記第8可能空間は、前記加減速度の大きさが所定値以下である空間として特定されることを特徴とする。
そのような構成により、IDMモデルを用いて、自車線の他車両の挙動から推定される空間に基づいて、評価を行うことができる。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
1 車両: 2 制御ユニット: 20、21、22、23、24、25、26、27、28、29 ECU: 200 制御部

Claims (18)

  1. 車両の外界の情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記車両の外界の情報に基づいて、前記車両の走行を制御する制御手段と、
    前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の前方を走行する前方他車両の情報とが取得される場合、前記前方他車両と前記近接車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記近接車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第1可能空間を特定する第1特定手段と、
    前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の後方を走行する後方他車両の情報とが取得される場合、前記近接車両と前記後方他車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第2可能空間を特定する第2特定手段と、
    前記第1特定手段により特定された前記第1可能空間と、前記第2特定手段により特定された前記第2可能空間とを評価する評価手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記評価手段による評価の結果に基づいて、前記隣接車線への車線変更を行うよう前記車両の走行を制御する、
    ことを特徴とする走行制御装置。
  2. 前記評価手段は、前記第1可能空間および前記第2可能空間の大きさに基づいて評価を行うことを特徴とする請求項1に記載の走行制御装置。
  3. 前記評価手段は、前記車両が前記第1可能空間および前記第2可能空間に車線変更すると推定される位置に到達するまでの距離に基づいて評価を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の走行制御装置。
  4. 前記推定される位置は、前記第1可能空間および前記第2可能空間それぞれの中点であることを特徴とする請求項3に記載の走行制御装置。
  5. 前記評価手段は、前記車両が前記第1可能空間および前記第2可能空間に車線変更したと推定した場合、各推定される時間からの前記第1可能空間および前記第2可能空間の時間変化に基づいて評価を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の走行制御装置。
  6. 前記各推定される時間は、所定の同一の上限値が設定されることを特徴とする請求項5に記載の走行制御装置。
  7. 前記第1特定手段は、前記前方他車両と前記近接車両の間に推定される前記車両の位置に基づいて、前記第1可能空間を特定し、
    前記第2特定手段は、前記近接車両と前記後方他車両の間に推定される前記車両の位置に基づいて、前記第2可能空間を特定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の走行制御装置。
  8. 前記第1特定手段は、前記前方他車両と前記推定される前記車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記推定される前記車両の速度と、から特定される第3可能空間と、前記推定される前記車両と前記近接車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記推定される前記車両の速度と、から特定される第4可能空間と、に基づいて、前記第1可能空間を特定することを特徴とする請求項7に記載の走行制御装置。
  9. 前記第1可能空間は、前記隣接車線上で特定され、前記第3可能空間と前記第4可能空間とを含む領域であることを特徴とする請求項8に記載の走行制御装置。
  10. 前記第2特定手段は、前記近接車両と前記推定される前記車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記推定される前記車両の速度と、から特定される第5可能空間と、前記推定される前記車両と前記後方他車両の車間距離と、前記推定される前記車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から特定される第6可能空間と、に基づいて、前記第2可能空間を特定することを特徴とする請求項8又は9に記載の走行制御装置。
  11. 前記第2可能空間は、前記隣接車線上で特定され、、前記第5可能空間と前記第6可能空間とを含む領域であることを特徴とする請求項10に記載の走行制御装置。
  12. 前記第1可能空間、前記第2可能空間、前記第3可能空間、前記第4可能空間、前記第5可能空間、前記第6可能空間は、2車両間における車間距離および相対距離を用いて後方車両の加減速度を算出するモデルに基づいて特定されることを特徴とする請求項10又は11に記載の走行制御装置。
  13. 前記第1可能空間、前記第2可能空間、前記第3可能空間、前記第4可能空間、前記第5可能空間、前記第6可能空間は、前記加減速度の大きさが所定値以下である空間として特定されることを特徴とする請求項12に記載の走行制御装置。
  14. 前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線を走行する車両で前記車両の前方を走行する第2前方他車両の情報が取得される場合、前記第2前方他車両と前記車両の車間距離と、前記第2前方他車両の速度と、前記車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第7可能空間を特定する第3特定手段と、
    前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線を走行する車両で前記車両の後方を走行する第2後方他車両の情報が取得される場合、前記第2後方他車両と前記車両の車間距離と、前記第2後方他車両の速度と、前記車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第8可能空間を特定する第4特定手段と、をさらに備え、
    前記評価手段は、前記第3特定手段により特定された前記第7可能空間と、前記第4特定手段により特定された前記第8可能空間とに基づいて、前記第1特定手段により特定された前記第1可能空間と、前記第2特定手段により特定された前記第2可能空間とを評価する、
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の走行制御装置。
  15. 前記第7可能空間および前記第8可能空間は、2車両間における車間距離および相対距離を用いて後方車両の加減速度を算出するモデルに基づいて特定されることを特徴とする請求項14に記載の走行制御装置。
  16. 前記第7可能空間および前記第8可能空間は、前記加減速度の大きさが所定値以下である空間として特定されることを特徴とする請求項15に記載の走行制御装置。
  17. 走行制御装置において実行される走行制御方法であって、
    車両の外界の情報を取得する取得工程と、
    前記取得工程において取得された前記車両の外界の情報に基づいて、前記車両の走行を制御する制御工程と、
    前記取得工程において、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の前方を走行する前方他車両の情報とが取得される場合、前記前方他車両と前記近接車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記近接車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第1可能空間を特定する第1特定工程と、
    前記取得工程において、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の後方を走行する後方他車両の情報とが取得される場合、前記近接車両と前記後方他車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第2可能空間を特定する第2特定工程と、
    前記第1特定工程において特定された前記第1可能空間と、前記第2特定工程において特定された前記第2可能空間とを評価する評価工程と、を有し、
    前記制御工程では、前記評価工程における評価の結果に基づいて、前記隣接車線への車線変更を行うよう前記車両の走行を制御する、
    ことを特徴とする走行制御方法。
  18. 車両の外界の情報を取得する取得手段、
    前記取得手段により取得された前記車両の外界の情報に基づいて、前記車両の走行を制御する制御手段、
    前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の前方を走行する前方他車両の情報とが取得される場合、前記前方他車両と前記近接車両の車間距離と、前記前方他車両の速度と、前記近接車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第1可能空間を特定する第1特定手段、
    前記取得手段により、前記車両の外界の情報として、前記車両の走行車線と異なる隣接車線で前記車両の近傍を走行する近接車両の情報と、前記近接車両の後方を走行する後方他車両の情報とが取得される場合、前記近接車両と前記後方他車両の車間距離と、前記近接車両の速度と、前記後方他車両の速度と、から前記車両の車線変更が可能な第2可能空間を特定する第2特定手段、
    前記第1特定手段により特定された前記第1可能空間と、前記第2特定手段により特定された前記第2可能空間とを評価する評価手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    前記制御手段は、前記評価手段による評価の結果に基づいて、前記隣接車線への車線変更を行うよう前記車両の走行を制御する、
    ことを特徴とするプログラム。
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