JP2022079105A - 走行制御方法及び走行制御装置 - Google Patents

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Takefumi Goto
祐香 吉松
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Abstract

【課題】当初設定した位置に車線変更できないと判定した場合でも、車線変更を完了することができる走行制御方法及び走行制御装置を提供する。【解決手段】隣接車線L2を走行する第1の他車両を検出し、第1の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始した後、第1の他車両の後続車両の走行状態から、自車両V1が第1の他車両の後方に車線変更できないと判定した場合には、第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止し、続いて、隣接車線L2を走行する、第1の他車両とは異なる第2の他車両を検出し、第2の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の走行制御方法及び走行制御装置に関するものである。
自車と他車との相対距離及び相対速度から車線変更時の衝突危険度を算出し、相対距離、相対速度及び衝突危険度に基づいて車線変更の可否を判断する走行支援装置が知られている(たとえば、特許文献1)。特許文献1の走行支援装置では、車線変更ができないと判断した場合には、相対距離及び相対速度に基づいて、車線変更するための目標スペースを決定し、目標スペースに車線変更するスペースがあるか否かを判断する。目標スペースに車線変更するスペースがないと判断した場合には、車線変更待機位置へ向けて目標速度を設定する。一方、当該スペースがあると判断した場合には、車線変更可能位置へ向けて目標速度を設定する。
特開2009-078735号公報
上記従来技術では、目標スペースに車線変更するスペースがないと判断した場合には、目標スペースに車線変更するスペースができるまで、車線変更待機位置で他車と並走して待機する。すなわち、上記従来技術では並走中に新たな目標スペースを設定しないため、車線変更が完了するためには、車線変更先に車線変更するスペースができることが前提となる。
このため、車線変更先に車線変更するスペースができず、並走状態が所定時間以上継続したときには、車線変更支援が終了し、ドライバーの手動運転による車線変更が行われることになる。並走状態が長く続いた場合には、設定した経路に沿って走行するために車線変更を完了すべき位置に自車両が到達するまでに車線変更が完了しないおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、当初設定した位置に車線変更できないと判定した場合でも、車線変更を完了することができる走行制御方法及び走行制御装置を提供することである。
本発明は、自車両が走行する自車線から、自車線の隣接車線へ車線変更する場合に、隣接車線を走行する第1の他車両を検出し、第1の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始した後、第1の他車両の後続車両の走行状態から、自車両が第1の他車両の後方に車線変更できないと判定した場合には、第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止する。そして、隣接車線を走行する、第1の他車両とは異なる第2の他車両を検出し、第2の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、当初設定した位置に車線変更できないと判定した場合でも、車線変更を完了することができる。
本発明の走行制御方法及び走行制御装置を含む走行制御システムを示すブロック図である。 図1に示す走行支援システムにて走行動作の自律制御を実行する走行シーンの一例を示す平面図である(その1)。 図1に示す走行支援システムにて走行動作の自律制御を実行する走行シーンの一例を示す平面図である(その2)。 走行シーンとリスクファクタとの関係の一例を示すグラフである。 図1の走行制御システムにおける情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る走行制御方法及び走行制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
[走行制御システムの構成]
図1は、本発明に係る走行制御システム10を示すブロック図である。走行制御システム10は、たとえば、設定した経路に沿って自律制御により走行している場合に、経路に沿った走行支援を継続するために、自車両が走行する自車線から、自車線に隣接する隣接車線に車線変更する必要があるときに用いることができる。特に、複数の他車両が車列をなして隣接車線を走行しているときに、当該車列に割り込んで車線変更する走行シーンで用いることができる。
また、本発明に係る走行制御システム10は、ドライバーが手動運転する場合に、適切な走行経路を提示してドライバーの手動運転を支援するナビゲーションシステムにも適用できる。さらに、走行制御システム10を車両の自律走行制御に適用する場合には、速度制御と操舵制御の両方を自律制御するほか、速度制御と操舵制御の一方を自律制御し、他方を手動制御する場合にも適用することができる。
図1に示すように、走行制御システム10は、検出装置1と、地図情報2と、自車情報検出装置3と、ナビゲーション装置4と、方向指示器5と、車両制御装置6と、走行制御装置7とを備える。検出装置1は、撮像装置11と測距装置12を含む。自車情報検出装置3は、車速検出装置31と、舵角検出装置32を含む。車両制御装置6は、車速制御装置61と操舵制御装置62を含む。走行制御システム10に含まれる装置は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、互いに情報を授受することができる。
検出装置1は、自車両の周囲の対象物を検出するためのセンサである。対象物とは、たとえば、道路の車線境界線、センターライン、路面標識、中央分離帯、ガードレール、縁石、高速道路の側壁、道路標識、信号機、横断歩道、工事現場、事故現場、交通制限である。また、対象物には、自車両以外の自動車(他車両)、オートバイ、自転車、歩行者が含まれる。対象物には、自車両の走行に影響を与える可能性がある障害物も含まれる。
対象物は、たとえば、撮像装置11と測距装置12により検出される。撮像装置11は、画像により自車両の周囲の対象物を認識する装置であり、たとえば、CCD等の撮像素子を備えるカメラ、超音波カメラ、赤外線カメラなどのカメラである。撮像装置11は、一台の車両に複数を設けることができ、たとえば、車両のフロントグリル部、左右ドアミラーの下部、及びリアバンパ近傍に配置できる。これにより、車両の周囲の対象物を認識する場合の死角を減らすことができる。
一方、測距装置12は、車両と対象物との相対距離および相対速度を演算するための装置であり、たとえば、レーザーレーダー、ミリ波レーダーなど(LRF等)、LiDAR(light detection and ranging)ユニット、超音波レーダーなどのレーダー装置又はソナーである。測距装置12も、一台の車両に複数設けることができ、たとえば、車両の前方、右側方、左側方、及び後方に配置できる。これにより、車両の周囲の対象物との相対距離及び相対速度を正確に演算することができる。
走行制御装置7は、所定の時間間隔で、撮像装置11及び測距装置12から検出結果を取得する。撮像装置11の検出結果と測距装置12の検出結果は、走行制御装置7にて統合又は合成することができ、これにより、検出結果に不足している対象物の情報を補完する。
たとえば、GPS(Global Positioning System)により取得した、自車両が走行する位置である自己位置情報と、自車両と対象物の相対位置(距離と方向)により、走行制御装置7にて対象物の位置情報を算出することができる。またこれに代えて、地図情報2と、オドメトリによる自己位置情報と、自車両と対象物の相対位置(距離と方向)とを対応させて、対象物の位置情報を算出してもよい。
算出された対象物の位置情報は、走行制御装置7にて、撮像装置11及び測距装置12の検出結果及び地図情報2などの複数の情報と統合され、自車両の周囲の環境情報となる。これに加えて、撮像装置11及び測距装置12の検出結果と、地図情報2とを用いて、自車両の周囲の対象物を認識し、その動きを予測することもできる。
地図情報2は、走行経路の生成及び/又は走行制御に用いられる情報であり、道路情報、施設情報、それらの属性情報が含まれる。道路情報及び道路の属性情報には、道路幅、曲率半径、路肩構造物、道路交通法規(制限速度、車線変更の可否)、道路の合流地点、分岐地点、車線数の増加・減少位置等の情報が含まれている。走行制御装置7は、必要に応じて、車載LANを介して地図情報2を取得する。
地図情報2は、たとえば、レーンごとの移動軌跡を把握できる高精細地図情報である。高精細地図情報には、各地図座標における二次元位置情報及び/又は三次元位置情報、各地図座標における道路・レーンの境界情報、道路属性情報、レーンの上り・下り情報、レーン識別情報、接続先レーン情報が含まれる。地図情報2は、走行制御装置7、車載装置、又はサーバ装置に設けられた記録媒体に読み込み可能な状態で記憶されている。
また、地図情報2は、自車両が走行する走路とそれ以外との境界を示す走路境界の情報を含む。自車両が走行する走路とは、自車両が走行するための道であり、走路の形態は特に限定されない。走路境界は、自車両の進行方向に対して左右それぞれに存在する。走路境界の形態は特に限定されず、たとえば、路面標示、道路構造物が挙げられる。路面標示の走路境界としては、たとえば、車線境界線、センターラインが挙げられる。また、道路構造物の走路境界としては、たとえば、中央分離帯、ガードレール、縁石、トンネル又は高速道路の側壁が挙げられる。
なお、走路境界が明確に特定できない地点(例えば、交差点内)に対して、地図情報2には予め走路境界が設定されている。予め設定された走路境界は架空の走路境界であって、実際に存在する路面標示または道路構造物ではない。
自車情報検出装置3は、自車両の状態に関する情報を検出する装置である。自車両の状態とは、自車両の現在位置、走行速度、加速度、操舵角度、姿勢、車両性能などを含む。現在位置は、自車両のGPSユニット、ジャイロセンサ、オドメトリから取得した情報に基づいて算出する。走行速度と加速度は、車速検出装置31を用いて検出する。操舵角度は、舵角検出装置32を用いて検出する。姿勢は、慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)を用いて検出する。走行制御装置7は、必要に応じて、車載LANを介してこれらの装置の検出結果を取得する。
車速検出装置31としては、車両の走行速度を検出できるセンサであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。同様に、舵角検出装置32としては、車両の操舵角度を検出できるセンサであれば特に限定されない。またこれに代えて、車両制御装置6から自車両の走行速度及び操舵角度を取得してもよいし、自車両の各装置から取得してもよい。
ナビゲーション装置4は、地図情報2を参照して、自車情報検出装置3により検出された自車両の現在位置から、ドライバーにより設定された目的地までの走行経路を算出する装置である。算出された走行経路は、走行制御装置7に出力される。走行経路は、自車両が走行する道路、方向(上り/下り)及び車線が識別された線形である。走行経路は、走行レーンの情報を含む。
方向指示器5とは、左方又は右方に方向を変えようとするか、又は変えつつあることを表示するために車両に装備される一組の信号灯火であり、特に限定されず、公知のものを用いることができる。方向指示器5は、走行制御装置7によって制御され、必要に応じて動作する。
車両制御装置6は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)などの車載コンピュータであり、車両の走行を律する車載機器を電子的に制御する。車両制御装置6は、自車両の走行速度を制御する車速制御装置61と、自車両の操舵操作を制御する操舵制御装置62を備える。車速制御装置61及び操舵制御装置62は、走行制御装置7から入力された制御信号に応じて、これらの駆動装置及び操舵装置の動作を自律的に制御する。これにより、自車両は、設定した走行経路に従って自律的に走行できる。
車速制御装置61が制御する駆動装置には、走行駆動源である電動モータ及び/又は内燃機関、これら走行駆動源からの出力を駆動輪に伝達するドライブシャフトや自動変速機を含む動力伝達装置、動力伝達装置を制御する駆動装置などが含まれる。また、車速制御装置61が制御する制動装置は、たとえば、車輪を制動する制動装置である。車速制御装置61には、走行制御装置7から、設定した走行速度に応じた制御信号が入力される。車速制御装置61は、走行制御装置7から入力された制御信号に基づいて、これらの駆動装置を制御する信号を生成し、駆動装置に当該信号を送信することで、車両の走行速度を自律的に制御する。
一方、操舵制御装置62が制御する操舵装置には、ステアリングホイール(いわゆるハンドル)の操舵角度に応じて総舵輪を制御する操舵装置、たとえば、ステアリングのコラムシャフトに取り付けられるモータなどのステアリングアクチュエータが含まれる。操舵制御装置62は、走行制御装置7から入力された制御信号に基づき、検出装置1の検出結果、地図情報2、及び自車情報検出装置3で取得した自車情報のうちの少なくとも一つを用いて、設定した走行経路に対して所定の横位置(車両の左右方向の位置)を維持しながら自車両が走行するように、操舵装置の動作を自律的に制御する。
走行制御装置7は、走行制御システム10に含まれる装置を制御して協働させることで自車両の走行を制御し、自車両の走行、特に、自車線から隣接車線への自車両の車線変更を支援する装置である。走行制御装置7は、プロセッサ8により車線変更支援を実現する。プロセッサ8は、プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)82と、ROM82に格納されたプログラムを実行することで、走行制御装置7として機能するための動作回路であるCPU(Central Processing Unit)81と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)83とを備える。
[車線変更支援部]
本実施形態の走行制御装置7で用いるプログラムは、走行制御装置7による車線変更支援を実現するための機能ブロックである車線変更支援部100を含む。車線変更支援部100は、自車両が、自車線から隣接車線に車線変更するための走行動作を自律制御する機能を有する。図1に示すように、車線変更支援部100は、他車両検出部101、他車両設定部102、車線変更提示部103、車線変更判定部104、車線変更実行部105、及び設定他車両更新部106を備える。図1には、各部を便宜的に抽出して示す。
車線変更支援部100は、たとえば、図2左側の(A)に示す走行シーンにおける車線変更を支援する。図2(A)に示す走行シーンでは、矢印Dで示される走行方向(つまり、図面の下から上の方向)の道路において、自車両V1が自車線L1を走行し、他車両V2a,V2b,V2c,V2d,V2e,V2fが隣接車線L2を走行している。
本実施形態では、図2(A)の走行シーンにおいて、自車両V1は、設定した経路に沿って走行するために、走行方向前方に位置する交差点を右折するものとする。また、自車両V1の現在位置Pcから交差点までの距離が短いため、加速して他車両V2aの前方に車線変更することと、減速して他車両V2fの後方に車線変更することはできないものとする。この場合には、自車両V1は、自車線L1から隣接車線L2に車線変更するために、隣接車線L2を走行する他車量V2a~V2fがなす車列の間に割り込む必要がある。
以下、自車両V1が、他車量V2a~V2fがなす車列の間に割り込んで車線変更をするシーンについて、走行制御装置7が車線変更支援を実行する場合に、車線変更支援部100の各機能ブロックが果たす機能について説明する。
他車両検出部101は、車線変更先の隣接車線L2を走行する他車両を検出する機能を有する。走行制御装置7は、他車両検出部101の機能により、撮像装置11及び測距装置12を含む検出装置1の検出結果を取得し、取得した検出結果を処理して他車両を検出する。
図2(A)の走行シーンであれば、走行制御装置7は、撮像装置11から取得した画像情報と、測距装置12から取得した他車両との相対速度及び相対距離とを用いて6台の他車両V2a,V2b,V2c,V2d,V2e,V2fを検出し、地図情報2などと組み合わせて、各他車両の走行位置を求める。
他車両設定部102は、他車両検出部101によって検出された、隣接車線L2を走行する他車両から、車線変更が完了した場合に自車両V1の先行車両となる他車両を設定する機能を有する。本実施形態の先行車両とは、ある車両の前方を走行する車両のうち、ある車両と同じ車線で、ある車両の直前を走行している車両をいうものとする。隣接車線L2を走行する他車両が複数検出された場合には、複数の他車両の中から一台の他車両を選択し、選択された他車両を第1の他車両として設定する。選択される一台の他車両は特に限定されないが、たとえば、自車両V1との相対距離の大きさが最も小さい他車両、又は自車両V1と並走している他車両を選択する。
図2(A)の走行シーンであれば、走行制御装置7は、検出された6台の他車両V2a,V2b,V2c,V2d,V2e,V2fから、隣接車線L2にて自車両V1と並走している他車両V2bを第1の他車両に設定する。
車線変更提示部103は、他車両設定部102の機能により設定した他車両の後続車両に対して、設定した他車両の後方に自車両V1が車線変更する旨の走行動作を示す機能を有する。本実施形態の後続車両とは、ある車両の後方を走行する車両のうち、ある車両と同じ車線で、ある車両の直後を走行している車両をいうものとする。車線変更提示部103は、設定した他車両の後続車両に自車両V1が車線変更することを示すため、車線変更のための予備的な走行動作を制御する機能を有する。
予備的な走行動作とは、たとえば、現在位置Pcから車線変更の待機位置まで走行することである。走行制御装置7は、自車線L1上で、設定した他車両の後方である位置に待機位置を設定し、現在位置Pcから待機位置までの走行軌跡を生成し、車両制御装置6を用いて、生成した走行軌跡に沿った走行制御を行う。待機位置は、自車線L1上で、設定した他車両の後方であり、設定した他車両の後続車両の前方である位置に設定する。待機位置まで走行した後は、車線変更先である、設定した他車両の後方の位置と並走する。走行制御装置7は、車速制御装置61を用いて、設定した他車両の後方の位置と並走するように自車両V1の走行速度を制御する。これにより、車線変更が可能となった場合に、すぐに自車両V1の車線変更を開始できる。
また、予備的な走行動作として、車線変更先である隣接車線L2側の方向指示器5を点灯することを含んでもよい。走行制御装置7は、車線変更提示部103の機能により、隣接車線L2側の方向指示器5に点灯するよう信号を送る。これに加えて、又はこれに代えて、予備的な走行動作として、自車線L1の隣接車線L2側を走行し、隣接車線L2側へ幅寄せをしてもよい。走行制御装置7は、操舵制御装置62へ信号を送り、操舵装置を制御することで、自車両V1の走行位置を隣接車線L2側に移動する。これにより、設定した他車両の後続車両に、車線変更を行うことを明示できる。また、車線変更を行うことを明示することで、設定した他車両の後続車両のドライバーに、自車両V1の車線変更に必要なスペースを確保するための減速を促すことができる。
図2(A)の走行シーンでは、走行制御装置7は、第1待機位置Pq1を設定し、現在位置Pcから第1待機位置Pq1まで走行する第1走行軌跡T1を生成し、自車両V1が第1走行軌跡T1に沿って走行するように、車速制御装置61を用いて自車両V1の走行速度を制御する。自車両V1が第1待機位置Pq1に到達すると、走行制御装置7は、隣接車線L2側の方向指示器5を動作させ、設定した他車両V2bの後続車両V2cに、他車両V2bの後方に車線変更することを示す。なお、方向指示器5の動作の開始は、自車両V1が第1待機位置Pq1に到達する前であってもよく、自車両V1が第1走行軌跡T1に沿って走行している間に方向指示器5を動作させてもよい。
車線変更判定部104は、設定した他車両の後続車両の走行状態から、設定した他車両の後方に自車両V1が車線変更できるか否かを判定する機能を有する。本実施形態の走行状態とは、車両の走行速度が変化しない状態、走行速度が増加又は減少している状態、右左折又は車線変更のために方向指示器を動作させている状態、操舵装置により右又は左方向に走行方向を変更している状態などを含む。
たとえば、図2(A)の走行シーンにおいて、自車両V1の方向指示器5を点灯した後に、設定した他車両V2bの後続車両V2cが加速すると、他車両V2bとV2cとの車間距離が小さくなり、他車両V2bの後方に自車両V1が車線変更するためのスペースが確保できなくなる。この場合には、自車両V1が他車両V2bの後方に車線変更できないと判定する。同様に、図2(A)の走行シーンにおいて、自車両V1の方向指示器5を点灯しても後続車両V2cの走行速度が変化せず、他車両V2bとV2cとの車間距離が変化しないとすると、他車両V2bの後方に自車両V1が車線変更するためのスペースが確保できない。この場合にも、自車両V1が他車両V2bの後方に車線変更できないと判定する。
これに対して、図2(A)の走行シーンにおいて、自車両V1の方向指示器5を点灯した後に、設定した他車両V2bの後続車両V2cが減速すると、他車両V2bとV2cとの車間距離が大きくなり、他車両V2bの後方に自車両V1が車線変更するためのスペースが確保できる。この場合には、自車両V1が他車両V2bの後方に車線変更できると判定する。
具体的な車線変更可否の判定として、図2(A)の走行シーンの場合には、走行制御装置7は、隣接車線L2側の方向指示器5を点灯した後に、測距装置12から取得した他車両との相対速度及び相対距離を用いて、設定した他車両V2bの後続車両V2cの走行速度がどのように変化しているのかを判定する。そして、後続車両V2cが加速している、又は後続車両V2cの走行速度が変化していない場合には、自車両V1が他車両V2bの後方に車線変更できないと判定し、後続車両V2cが減速している場合には、自車両V1が他車両V2bの後方に車線変更できると判定する。なお、本実施形態では、自車両V1が車線変更の予備的な走行動作を実行した後に、車線変更ができるか否かを判定したが、走行制御装置7が車線変更の可否を判定するタイミングは、当該予備的な走行動作の実行が完了する前であってもよい。
設定した他車両の後続車両の走行速度から車線変更の可否を判定する場合には、設定した他車両と、設定した他車両の後続車両との車間距離が所定時間の間に増加したか否かによって車線変更の可否を判定してもよい。たとえば、方向指示器5を点灯するなど、設定した他車両の後方に車線変更することを、設定した他車両の後続車両に示してから所定時間が経過するまでに、設定した他車両と、設定した他車両の後続車両との車間距離が増加したか否かを判定する。そして、当該車間距離が増加しなかった場合には、車線変更ができないと判定し、設定した他車両の後方への車線変更の自律制御を中止する。また、これに代えて又はこれに加えて、設定した他車両の後続車両の走行速度から車線変更の可否を判定する場合に、自車両と、設定した他車両の後続車両との車間距離が所定時間の間に増加したか否かによって車線変更の可否を判定することもできる。なお、所定時間は、設定した他車両の後続車両の走行動作が検出できる範囲内で適宜の時間(たとえば、3~6秒)を設定することができる。
また、設定した他車両の後続車両の走行状態から、設定した他車両の後方に自車両V1が車線変更できるか否かを判定する場合には、当該後続車両の自車両V1に対する相対位置及び/又は相対速度に基づいて車線変更の可否を判定してもよい。たとえば、自車両V1と後続車両との相対距離、及び自車両V1と後続車両との走行速度からリスクファクタを求め、リスクファクタの値を用いて車線変更の可否を判定する。リスクファクタRFは、たとえば下記の式1から求めることができる。
Figure 2022079105000002
式1において、THW(Time HeadWay)とは車頭時間であり、自車両V1と後続車両との相対距離(つまり、自車両V1と後続車両との車間距離)を、自車両V1の走行速度の大きさで除した値である。一方、TTC(Time To Collision)とは衝突予想時間であり、自車両V1と後続車両との相対距離(つまり、自車両V1と後続車両との車間距離)を、後続車両に対する自車両V1の相対速度で除した値である。THW及びTTCは、値が大きいほど衝突までに時間がかかる、つまりリスクが低いことを示す。したがって、リスクファクタRFは、値が小さいほどリスクが低いことを示す。
車線変更可否の判定としては、リスクファクタRFが所定の値以上の場合には、後続車両は自車両V1に先行するものとし、自車両V1は設定した他車両の後方に車線変更できないと判定する。一方、リスクファクタRFが所定の値より小さい場合には、後続車両は自車両V1が車線変更するスペースを確保するために減速するものとし、自車両V1は設定した他車両の後方に車線変更できると判定する。リスクファクタRFの所定の値は、他車両と接触せずに自車両V1の車線変更が完了できる範囲内で適宜の値を設定できる。
これに加えて、設定した他車両の後続車両の走行状態から、設定した他車両の後方に自車両V1が車線変更できるか否かを判定する場合には、当該後続車両の自車両V1に対する相対位置及び/又は相対速度の時間変化に基づいて車線変更の可否を判定してもよい。たとえば、図4に示すように、リスクファクタRFと、リスクファクタRFの傾きの時間変化から、設定した他車両の後方に自車両V1が車線変更できるか否かを判定する。
図4に示すグラフにおいて、横軸はリスクファクタRFの値を示し、縦軸はリスクファクタRFの傾きを示す。図4(A)のグラフは、後続車両が自車両V1との短い車間距離を維持している走行シーンのグラフであり、図4(B)のグラフは、後続車両が加速して自車両V1に先行しようとしている走行シーンのグラフであり、図4(C)のグラフは、後続車両が減速し、自車両V1の車線変更に必要なスペースを確保しようとしている走行シーンのグラフである。各グラフの縦方向の破線は、車線変更可否の判定のための閾値を示し、当該閾値よりもリスクファクタRF小さければ車線変更ができると判定し、リスクファクタRFが当該閾値以上であれば車線変更ができないと判定する。
図4(A)のグラフの走行シーンでは、後続車両と自車両V1との車間距離が変化しないため、図4(A)のグラフでは、時間が経過してもリスクファクタRFは同じ値をとり、リスクファクタRFの傾きは0のままである。したがって、リスクファクタRFの値が常に車線変更可否の判定のための閾値よりも大きいため、設定した他車両の後方に自車両V1が車線変更することはできないと判定する。
図4(B)のグラフの走行シーンでは、後続車両が加速して自車両V1に接近するため、自車両V1と後続車両との車間距離は小さくなる。車間距離が小さくなると、THW及びTTCの値は小さくなり、時間の経過とともに、リスクファクタRFの値は大きくなる。また、後続車両は加速しているため、時間の経過とともに、リスクファクタRFの増加する割合も大きくなる。したがって、この走行シーンでは、図4(B)に示すように、矢印で示す方向に、時間の経過とともにリスクファクタRFとリスクファクタRFの傾きとが大きくなるグラフが得られる。図4(B)に示すグラフにおいて、リスクファクタRFの値は車線変更可否の判定のための閾値より大きく、時間の経過とともに増加していくため、設定した他車両の後方に自車両V1が車線変更することはできないと判定する。
図4(C)のグラフの走行シーンでは、後続車両が減速して自車両V1から離れるため、自車両V1と後続車両との車間距離は大きくなる。車間距離が大きくなると、THW及びTTCの値は大きくなり、時間の経過とともに、リスクファクタRFの値は小さくなる。また、後続車両は減速しているため、時間の経過とともに、リスクファクタRFの減少する割合も大きくなる。したがって、この走行シーンでは、図4(C)に示すように、矢印で示す方向に、時間の経過とともにリスクファクタRFとリスクファクタRFの傾きとが小さくなるグラフが得られる。図4(C)に示すグラフにおいて、リスクファクタRFの値は車線変更可否の判定のための閾値より小さく、時間の経過とともに減少していくため、設定した他車両の後方に自車両V1が車線変更することができると判定する。
このように、リスクファクタRFの時間変化をみると、時間の経過とともにリスクファクタRFが増加するか、変化しないか、又は減少するかが判定できる。特に、後続車両とのリスクファクタRFが、車線変更可否の判断のための閾値に近い値をとる場合に、リスクファクタRFの時間変化の傾向を用いて後続車両の走行状態を予測し、適切に車線変更可否の判断を行うことができる。これにより、設定した他車両の後続車両の走行状態による車線変更可否の判定を速やかに実行できる。
車線変更実行部105は、車線変更判定部104を用いて、自車両V1が設定した他車両の後方に車線変更できると判定した場合に、自車両V1の車線変更を実行する機能を有する。車線変更実行部105は、たとえば、隣接車線L2に車線変更位置を設定し、現在の走行位置から、設定した車線変更位置までの走行軌跡を生成し、車両制御装置6を用いて、生成した走行軌跡に沿って自車両V1が走行するように、駆動装置及び操舵装置を制御する機能を有する。
たとえば、図2(B)に示す走行シーンのように、設定した他車両V2bの後続車両V2cが減速することで、他車両V2bとV2cとの間に自車両V1が車線変更するスペースができた場合には、設定した他車両V2bの後方に自車両V1が車線変更できる。この場合に、走行制御装置7は、隣接車線L2に第1車線変更位置P1を設定し、現在の走行位置である第1待機位置Pq1から第1車線変更位置P1まで走行するための第2走行軌跡T2を生成する。そして、生成した第2走行軌跡T2に沿って自車両V1が走行するように、車速制御装置61及び操舵制御装置62に制御信号を送り、自車両V1の走行を自律制御する。これにより、自車両V1の自車線L1から隣接車線L2への車線変更が完了する。
一方、設定他車両更新部106は、車線変更判定部104を用いて、自車両V1が設定した他車両の後方に車線変更できないと判定した場合に、当初設定した第1の他車両の後方へ車線変更する自律制御を中止する機能を有する。また、設定他車両更新部106は、設定した他車両を、当初設定した第1の他車両から、当初設定した第1の他車両とは異なる第2の他車両に更新する機能を有する。設定する他車両を更新するときは、他車両検出部101により既に検出された他車両から選択してもよいし、他車両検出部101の機能を用いて新たな他車両を検出してもよい。
たとえば、図3(A)に示す走行シーンのように、設定した他車両V2bの後続車両V2cが加速することで、他車両V2bとV2cとの間に自車両V1が車線変更するスペースが確保できない場合には、設定した他車両V2bの後方に自車両V1が車線変更できない。この場合に、走行制御装置7は、第1の他車両である他車両V2bの後方に車線変更する自律制御を中止し、加速した他車両V2cを新たに第2の他車両として選択する。
他車両の設定が更新されると、走行制御装置7は、他車両設定部102の機能により、他車両V2cを第2の他車両として新たに設定し、車線変更提示部103の機能により、第1待機位置Pq1から第2待機位置Pq2まで走行する第3走行軌跡T3を生成する。走行制御装置7は、車速制御装置61に制御信号を送り、自車両V1が第3走行軌跡T3に沿って走行するように、自車両V1の走行を自律制御する。自車両V1が第3走行軌跡T3に沿って走行している間は、隣接車線L2側の方向指示器5は動作し続けるが、必要に応じて、方向指示器5を一度消灯し、再度点灯させてもよい。そして、自車両V1が第2待機位置Pq2に到達すると、車線変更判定部104の機能を用いて、自車両V1が設定した第2の他車両V2cの後方に車線変更できるか否か、後続車両V2dの走行状態からを判定する。
ここで、図3(B)に示す走行シーンのように、設定した第2の他車両V2cの後続車両V2dが減速することで、他車両V2cとV2dとの間に自車両V1が車線変更するスペースができた場合には、設定した第2の他車両V2cの後方に自車両V1が車線変更できる。この場合に、走行制御装置7は、隣接車線L2に第2車線変更位置P2を設定し、現在の走行位置である第2待機位置Pq2から第2車線変更位置P2まで走行するための第4走行軌跡T4を生成する。そして、生成した第4走行軌跡T4に沿って自車両V1が走行するように、車速制御装置61及び操舵制御装置62に制御信号を送り、自車両V1の走行を自律制御する。これにより、自車両V1の自車線L1から隣接車線L2への車線変更が完了する。
一方、設定した第2の他車両V2cの後続車両V2dが加速する、又は他車両V2cとV2dとの車間距離が変化しない場合には、設定した第2の他車両V2cの後方に自車両V1が車線変更するスペースが確保できない。この場合には、走行制御装置7は、設定他車両更新部106の機能を用いて、第2の他車両である他車両V2cの後方に車線変更する自律制御を中止し、他車両V2b及びV2cとは異なる、第3の他車両を選択し、他車両の設定を更新する。走行制御装置7は、自車両V1の車線変更が完了するまで他車両の設定の更新を繰り返すが、更新を所定回数実行しても車線変更を完了できないときは、車線変更支援を終了してもよい。この場合には、ドライバーの手動運転で、自車線L1から隣接車線L2への車線変更を試みることになる。なお、所定回数は、自車両V1が設定した経路に沿って走行できる範囲内で、適宜の回数を設定することができる。
設定した他車両の更新において、第2の他車両は、第1他車両の後方を走行する他車両のいずれかであってよい。図3(A)に示す走行シーンでは、第1の他車両V2bの直後を走行する他車両V2cを第2の他車両としたが、他車両V2d又はV2eを第2の他車両としてもよい。これにより、走行方向後方の位置に車線変更を試みることができ、車線変更をより確実に完了することができる。
またこれに代えて、設定した他車両の更新において、第2の他車両は、第1他車両の前方を走行する他車両のいずれかであってよい。図3(A)に示す走行シーンでは、第1の他車両V2bの直後を走行する他車両V2cを第2の他車両としたが、他車両V2aを第2の他車両としてもよい。これにより、設定した第1の他車両V2bが減速して自車両V1の後方まで走行する場合、及び設定した第1の他車両V2bが右折専用レーンに入るために減速する場合などに、他車両V2bの走行状態に則して、他車両V2aを第2の他車両に設定することができる。
[走行制御システムにおける情報処理]
図5を参照して、走行制御装置7が車線変更を支援する際の処理を説明する。図5は、図1の走行制御システム10における情報の処理を示すフローチャートの一例である。以下に説明する処理は、走行制御装置7のプロセッサ8により、所定の時間間隔で実行される。
フローチャートの各ステップは走行制御装置7により処理され、走行制御システム10に含まれる装置及び機能ブロックを用いて実行される。また、以下の説明は、走行制御装置7の自律制御により、設定した経路に沿って自車両V1が自律的に走行しており、走行速度は車速制御装置61により制御され、操舵操作は操舵制御装置62により制御され、設定した経路に沿って走行するために、自車線L1から隣接車線L2への車線変更が必要であることを前提とする。
まず、ステップS1にて、検出装置1を用いて、隣接車線L2を走行する他車両を検出する。具体的には、撮像装置11から取得した画像情報と、測距装置12から取得した他車両との相対速度及び相対距離とを用いて、他車両検出部101の機能により他車両を検出し、各他車両の走行位置を求める。
続くステップS2にて、ステップS1にて検出した他車両は複数であるか否かを判定する。検出した他車両が一台の場合には(ステップS2:No)、本実施形態の車線変更支援を終了し、通常の車線変更を実行する。一方、検出した他車両が複数台である場合には(ステップS2:Yes)、ステップS3に進む。
ステップS3にて、他車両設定部102の機能により、隣接車線L2を走行する検出した他車両の中から、自車両V1と並走する他車両を第1の他車両V2bとして設定する。続くステップS4にて、第1待機位置Pq1を設定し、ステップS5にて、現在位置Pcから第1待機位置Pq1まで走行するための第1走行軌跡T1を生成する。そして、ステップS6にて、第1走行軌跡T1に沿って走行するように、車速制御装置61及び操舵制御装置62を用いて自車両V1の走行を自律制御し、ステップS7にて、方向指示器5を作動させ、第1の他車両V2bの後方に車線変更することを、他車両V2bの後続車両である他車両V2cに示す。ステップS4~S7の処理は、車線変更提示部103の機能を用いる。
ステップS8にて、車線変更判定部104の機能を用いて、自車両V1が第1の他車両V2bの後方に車線変更できるか否かを判定する。当該車線変更可否の判定には、後続車両V2cの走行動作を用いる。たとえば、測距装置12の検出結果から後続車両V2cの走行速度の時間変化を検出し、撮像装置11により取得した画像情報から、第1の他車両V2bと後続車両V2cとの車間距離を算出する。
第1の他車両V2bの後方に車線変更するスペースがある場合には(ステップS8:Yes)、ステップS9に進む。ステップS9では、第1車線変更位置P1を隣接車線L2に設定し、ステップS10では、第1待機位置Pq1から第1車線変更位置P1までの第2走行軌跡T2を生成する。そして、ステップS11にて、第2走行軌跡T2に沿って走行するように、車速制御装置61及び操舵制御装置62を用いて自車両V1の走行を自律制御し、自車両V1の車線変更が完了する。ステップS9~S11の処理は、車線変更実行部105の機能を用いる。
一方、第1の他車両V2bの後方に車線変更するスペースがない場合には(ステップS8:No)、ステップS12に進む。ステップS12にて、第1の他車両V2bの後方に車線変更するための自律走行制御を中止し、続くステップS13にて、設定他車両を更新する。たとえば、第1の他車両V2bの直後を走行する他車両V2cを第2の他車両として選択する。ステップS12及びS13の処理では、設定他車両更新部106の機能を用いる。
ステップS13にて設定した他車両を更新すると、ステップS14に進み、他車両設定部102の機能により、他車両V2cを第2の他車両として設定する。続くステップS15にて、第2待機位置Pq2を設定し、ステップS16にて、第1待機位置Pq1から第2待機位置Pq2まで走行する第3走行軌跡T3を生成する。そして、ステップS17にて、第3走行軌跡T3に沿って走行するように、車速制御装置61を用いて自車両V1の走行を自律制御し、ステップS18にて、操舵制御装置62を用いて自車両V1の走行位置を隣接車線L2側に幅寄せし、第2の他車両V2cの後方に車線変更することを、他車両V2cの後続車両である他車両V2dに示す。ステップS15~S18の処理は、車線変更提示部103の機能を用いる。
ステップS19にて、車線変更判定部104の機能を用いて、自車両V1が第2の他車両V2cの後方に車線変更できるか否かを判定する。当該車線変更可否の判定には、後続車両V2dの走行動作を用いる。たとえば、測距装置12の検出結果から自車両V1と後続車両V2dとの相対距離及び相対速度を取得し、式1を用いて後続車両V2dに対するリスクファクタRFを算出する。
ステップS19にて算出したリスクファクタRFが、車線変更可否の判断の閾値よりも小さい場合には(ステップS19:Yes)、ステップS20に進む。ステップS20では、第2車線変更位置P2を隣接車線L2に設定し、ステップS21では、第2待機位置Pq2から第2車線変更位置P2までの第4走行軌跡T4を生成する。そして、ステップS22にて、第4走行軌跡T4に沿って走行するように、車速制御装置61及び操舵制御装置62を用いて自車両V1の走行を自律制御し、自車両V1の車線変更が完了する。ステップS20~S22の処理は、車線変更実行部105の機能を用いる。
一方、ステップS19にて算出したリスクファクタRFが、車線変更可否の判断の閾値以上である場合には(ステップS19:No)、ステップS23に進む。ステップS23にて、第2の他車両V2cの後方に車線変更するための自律走行制御を中止し、続くステップS24にて、車線変更支援を終了する否かを判定する。車線変更支援を終了する場合には(ステップS24:Yes)、図5に示すルーチンの実行を終了する。一方、車線変更支援を継続する場合には(ステップS24:No)、ステップS12に戻り、設定他車両を更新する。
[本発明の実施態様]
本実施形態の走行制御方法及び走行制御装置7によれば、自車両V1が走行する自車線L1から、自車線L1の隣接車線L2への自車両V1の車線変更を自律制御する車両の走行制御方法において、隣接車線L2を走行する第1の他車両を検出し、第1の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始した後、第1の他車両の後続車両の走行状態から、自車両V1が第1の他車両の後方に車線変更できないと判定した場合には、第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止し、続いて、隣接車線L2を走行する、第1の他車両とは異なる第2の他車両を検出し、第2の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始する、車両の走行制御方法及び走行制御装置が提供される。これにより、当初設定した位置に車線変更できないと判定した場合でも、車線変更を完了することができる。
本実施形態の走行制御方法及び走行制御装置7によれば、第2の他車両は、第1の他車両の後方を走行する他車両のいずれかである。これにより、走行方向後方の位置に車線変更を試みることができ、結果として、より車線変更を完了することができるようになる。
本実施形態の走行制御方法及び走行制御装置7によれば、第2の他車両は、第1の他車両の前方を走行する他車両のいずれかである。これにより、設定した他車両が減速して自車両V1の後方まで走行するシーン、及び設定した他車両が右折専用レーンに入るために減速するシーンなどで、走行シーンに則して他車両を設定することができる。
本実施形態の走行制御方法及び走行制御装置7によれば、第1の他車両の後方に向けた車線変更の自律制御は、第1の他車両の後方に向けて自車線L1を走行し、第1の他車両の後方に車線変更する旨の走行動作を第1の他車両の後続車両に示し、当該走行動作を後の、第1の他車両の後続車両の走行状態から、自車両V1が第1の他車両の後方に車線変更できるか否かを判定することを含む。これにより、設定した他車両の後続車両に車線変更を行うことを明示することができ、結果として、自車両V1の車線変更に必要なスペースを確保するための減速を促すことになる。
本実施形態の走行制御方法及び走行制御装置7によれば、第1の他車両の後方に車線変更する旨の走行動作を示してから所定時間が経過するまでに、自車両V1又は第1の他車両と、第1の他車両の後続車両との車間距離が増加したか否かを判定し、当該車間距離が増加しなかった場合には、第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止する。これにより、より走行シーンに則して、設定する他車両を更新することができる。
本実施形態の走行制御方法及び走行制御装置7によれば、自車両V1が第1の他車両の後方に車線変更できると判定した場合には、第1の他車両の後方に車線変更し、自車両V1が第1の他車両の後方に車線変更できないと判定した場合には、第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止する。これにより、車線変更可否の判定結果に則した制御を行うことができる。
本実施形態の走行制御方法及び走行制御装置7によれば、第2の他車両の後方に向けた車線変更の自律制御は、第2の他車両の後方に向けて自車線L1を走行し、第2の他車両の後方に車線変更する旨の走行動作を第2の他車両の後続車両に示し、当該走行動作を示した後の、第2の他車両の後続車両の走行状態から、自車両V1が第2の他車両の後方に車線変更できるか否かを判定することを含む。これにより、設定した他車両の後続車両に車線変更を行うことを明示することができ、結果として、自車両V1の車線変更に必要なスペースを確保するための減速を促すことになる。
10…走行制御システム
1…検出装置
11…撮像装置
12…測距装置
2…地図情報
3…自車情報検出装置
31…車速検出装置
32…舵角検出装置
4…ナビゲーション装置
5…方向指示器
6…車両制御装置
61…車速制御装置
62…操舵制御装置
7…走行制御装置
8…プロセッサ
81…CPU
82…ROM
83…RAM
100…車線変更支援部
101…他車両検出部
102…他車両設定部
103…車線変更提示部
104…車線変更判定部
105…車線変更実行部
106…設定他車両更新部
D…走行方向
L1…自車線
L2…隣接車線
Pc…現在位置
Pq1…第1待機位置
Pq2…第2待機位置
P1…第1車線変更位置
P2…第2車線変更位置
T1…第1走行軌跡
T2…第2走行軌跡
T3…第3走行軌跡
T4…第4走行軌跡
V1…自車両
V2a,V2b,V2c,V2d,V2e,V2f…他車両

Claims (8)

  1. 自車両が走行する自車線から、前記自車線の隣接車線への自車両の車線変更を自律制御する車両の走行制御方法において、
    前記隣接車線を走行する第1の他車両を検出し、
    前記第1の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始した後、前記第1の他車両の後続車両の走行状態から、自車両が前記第1の他車両の後方に車線変更できないと判定した場合には、前記第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止し、
    続いて、前記隣接車線を走行する、前記第1の他車両とは異なる第2の他車両を検出し、
    前記第2の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始する、車両の走行制御方法。
  2. 前記第2の他車両は、前記第1の他車両の後方を走行する他車両のいずれかである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の他車両は、前記第1の他車両の前方を走行する他車両のいずれかである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の他車両の後方に向けた車線変更の自律制御は、
    前記第1の他車両の後方に向けて前記自車線を走行し、
    前記第1の他車両の後方に車線変更する旨の走行動作を前記第1の他車両の後続車両に示し、
    前記走行動作を示した後の、前記第1の他車両の後続車両の走行状態から、自車両が前記第1の他車両の後方に車線変更できるか否かを判定することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記走行動作を示してから所定時間が経過するまでに、自車両又は前記第1の他車両と、前記第1の他車両の後続車両との車間距離が増加したか否かを判定し、
    前記車間距離が増加しなかった場合には、前記第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止する、請求項4に記載の方法。
  6. 自車両が前記第1の他車両の後方に車線変更できると判定した場合には、前記第1の他車両の後方に車線変更し、
    自車両が前記第1の他車両の後方に車線変更できないと判定した場合には、前記第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止する、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記第2の他車両の後方に向けた車線変更の自律制御は、
    前記第2の他車両の後方に向けて前記自車線を走行し、
    前記第2の他車両の後方に車線変更する旨の走行動作を前記第2の他車両の後続車両に示し、
    前記走行動作を示した後の、前記第2の他車両の後続車両の走行状態から、自車両が前記第2の他車両の後方に車線変更できるか否かを判定することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 自車両が走行する自車線から、前記自車線の隣接車線への自車両の車線変更を自律制御するプロセッサを備えた車両の走行制御装置において、
    前記プロセッサは、
    前記隣接車線を走行する第1の他車両を検出し、
    前記第1の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始した後、前記第1の他車両の後続車両の走行状態から、自車両が前記第1の他車両の後方に車線変更できないと判定した場合には、前記第1の他車両の後方への車線変更の自律制御を中止し、
    続いて、前記隣接車線を走行する、前記第1の他車両とは異なる第2の他車両を検出し、
    前記第2の他車両の後方に向けて車線変更の自律制御を開始する、車両の走行制御装置。
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