以下、図面を用いて、本実施の形態に係る陳列棚10について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、それぞれ陳列棚10の上側、前側、右側(幅方向一方側)を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときは、特に断りのない限り、陳列棚10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
図1(A)及び(B)に示されるように、陳列棚10は、陳列棚10の骨格を構成するフレーム11と、複数(本実施の形態では、3個)のスライド棚20と、を含んで構成されている。そして、スライド棚20が、フレーム11に組付けられて、上下方向に所定の間隔を空けて配置されている。以下、陳列棚10の各構成について説明する。
(フレーム11について)
フレーム11は、左右一対の脚フレーム12と、左右一対の支柱13と、を含んで構成されている。脚フレーム12は、中空の矩形柱状に形成されて、前後方向に延在されている。そして、脚フレーム12が、陳列棚10を設置する設置面上に設置されている。
支柱13は、中空の矩形柱状に形成されて、上下方向に延在されている。そして、支柱13の下端部が、脚フレーム12の後端部に連結されて、支柱13が、脚フレーム12の後端部から上側へ延出している。また、左右一対の支柱13の間には、左右方向に延在された上下一対の横フレーム14(図1(A)では、下側の横フレーム14のみが図示されている)が設けられている。上側の横フレーム14は、一対の支柱13の上端部を連結しており、下側の横フレーム14は、一対の支柱13の下端部を連結している。また、支柱13の前壁には、複数の係止孔13Aが貫通形成されている。係止孔13Aは、上下方向を長手方向とする矩形状に形成されている。また、係止孔13Aは、上下方向に所定の間隔を空けて並んで配置されており、上下方向に並ぶ係止孔13Aの列が、左右方向に2列に並んで配置されている。
また、フレーム11の後部には、支柱13と横フレーム14とによって形成された枠内において、格子状の背面パネル15が設けられている。
(スライド棚20について)
図1〜図3に示されるように、スライド棚20は、棚受けユニット22と、「棚板」としての棚板ユニット24と、を含んで構成されている。棚板ユニット24は、棚受けユニット22に前後方向にスライド可能に組付けられている。具体的には、棚板ユニット24が、収納位置(図1(B)において、実線にて示される位置)と、収納位置から前側へ引き出された引出位置(図1(B)の最上段の棚板ユニット24において、2点鎖線にて示される位置)と、の間をスライドするように構成されている。なお、本実施の形態では、最上段のスライド棚20の前後方向の寸法が、2段目のスライド棚20の前後方向の寸法よりも小さく、2段目のスライド棚20の前後方向の寸法が、最下段のスライド棚20の前後方向の寸法よりも小さく設定されている。以下、スライド棚20の構成について説明する。
<棚受けユニット22について>
図3に示されるように、棚受けユニット22は、左右一対の「棚受け部材」としてのブラケットユニット30L,30Rを有している。ブラケットユニット30Lとブラケットユニット30Rとは、陳列棚10の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、以下、右側のブラケットユニット30Rの構成について説明し、左側のブラケットユニット30Lの構成についての説明は、適宜省略する。
図4にも示されるように、ブラケットユニット30Rは、ブラケット31と、ガイドレール32と、固定側ローラ33と、を含んで構成されている。
ブラケット31は、鋼板によって構成されている。このブラケット31は、左右方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された長尺状の略台形板状に形成されている。また、ブラケット31の上下寸法が、後側へ向かうに従い大きくなるように設定されている。ブラケット31の後端部には、複数(本実施の形態では、4箇所)の係止片31Aが一体に形成されている。この係止片31Aは、支柱13の係止孔13Aに対応して、上下方向に所定の間隔を空けて並んで配置されている。係止片31Aは、側面視で略逆L字形状に形成されている。そして、係止片31Aが、支柱13の係止孔13A内に挿入され、支柱13に係止されて、ブラケット31(棚受けユニット22)が支柱13に組付けられている。これにより、棚受けユニット22の支柱13への組付状態では、ブラケットユニット30Rが支柱13から前側へ延出されている。
ブラケット31の上端部には、前端側部分を除いて、左側(陳列棚10の幅方向中央側)へ屈曲された上側ガイド壁31Bが形成されている。また、ブラケット31の上端側の部分には、前後一対のレール用位置決め孔31Cが貫通形成されている。
ガイドレール32は、鋼板によって構成されている。ガイドレール32は、前後方向に延在された略長尺板状に形成されると共に、前側から見た正面視で、上側へ開放された略U字形状に屈曲されている。具体的には、ガイドレール32は、ガイドレール32の底壁を構成する下側ガイド壁32Aと、下側ガイド壁32Aの幅方向内側(陳列棚10の幅方向中央側)の端部から上側へ延出された「側壁」としての内側ガイド壁32Bと、下側ガイド壁32Aの幅方向外側端部から上側へ延出された「側壁」としての外側ガイド壁32Cと、を含んで構成されている。
外側ガイド壁32Cには、ブラケット31のレール用位置決め孔31Cに対応する位置において、前後一対の位置決めダボ32Dが形成されている。位置決めダボ32Dは、半抜き加工等によって形成されて、外側ガイド壁32Cからガイドレール32の幅方向外側へ突出している。そして、ガイドレール32が、ブラケット31の上端部の左側に隣接して配置されて、位置決めダボ32Dが、ブラケット31のレール用位置決め孔31C内に嵌入されている。さらに、外側ガイド壁32Cがブラケット31に溶接によって接合されている。これにより、ブラケットユニット30Rでは、左右方向を板厚方向とするブラケット31及び外側ガイド壁32Cが、接合した状態で前後方向に延在されている。また、ブラケットユニット30Rでは、上側ガイド壁31Bが、ガイドレール32の開口部の一部(幅方向外側部分)を閉塞しており、上側ガイド壁31B及び下側ガイド壁32Aが平行に配置されている。
また、内側ガイド壁32Bでは、前端部を除いて、曲げ高さが、外側ガイド壁32Cの曲げ高さよりも低くなっている。さらに、内側ガイド壁32Bには、左側へ直角に屈曲された前後一対の連結壁32Eが形成されている。
図4及び図7に示されるように、固定側ローラ33は、ガイドレール32における内側ガイド壁32Bの前端部に設けられて、ガイドレール32の内部に配置されている。具体的には、固定側ローラ33は、左右方向を軸方向とした略円筒状に形成されている。また、固定側ローラ33は、左右方向を軸方向とした固定側ローラ支持軸34の基端部にベアリング(図示省略)を介して回転可能に支持されている。固定側ローラ支持軸34の先端部は、ガイドレール32の内側ガイド壁32Bよりも左側へ突出しており、固定側ローラ支持軸34の先端部の外周部には、雄ねじが形成されている。そして、固定側ローラ支持軸34の先端部に、スプリングワッシャW1が挿入されると共に、ナットN1が螺合されて、固定側ローラ支持軸34が、内側ガイド壁32Bに締結固定されている。また、固定側ローラ33と下側ガイド壁32Aとの間には、所定の隙間が形成されており、固定側ローラ33の上端部は、内側ガイド壁32Bよりも上側へ若干突出している。
図3及び図4に示されるように、棚受けユニット22は、前後一対の連結板35を有している。連結板35は、鋼板によって構成されている。この連結板35は、左右方向に延在されると共に、右側から見た側面視で、下側へ開放された略逆U字形状に屈曲されている。そして、連結板35の長手方向両端部が、ブラケットユニット30R,30Lの連結壁32Eの上側に配置され、リベット36によって連結壁32Eに固定されている。これにより、ブラケットユニット30R及びブラケットユニット30Lが、一対の連結板35によって連結されて、棚受けユニット22が補強されている。
<棚板ユニット24について>
図5及び図6に示されるように、棚板ユニット24は、天板40と、左右一対の側板50L,50Rと、前後一対の補強板60と、左右一対の、棚板レール70L,70R、可動側ローラ80(図11参照)、及び「規制部材」としてのブッシュ90L,90R(図11参照)と、を含んで構成されている。また、天板40、側板50L,50R、補強板60、及び棚板レール70L,70Rは、それぞれ鋼板によって構成されている。
図5に示されるように、天板40は、上下方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。そして、天板40の上面が、陳列する商品を載置するための載置面として構成されている。天板40の前端部及び後端部は、下側へ屈曲されている。天板40の前端部には、前側において、ガード部材42が取付けられている。ガード部材42は、左右方向に延在されると共に、左側から見た側面視で、略L字形状に屈曲されている。
側板50L,50Rは、天板40の幅方向両端部の下側にそれぞれ配置されている。また、側板50L,50Rは、棚板ユニット24の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、以下、側板50Rの構成について説明し、側板50Lの構成についての説明は適宜省略する。
側板50Rは、前後方向に延在された長尺状に形成されると共に、天板40の右端部の下側に配置されている。この側板50Rは、正面視で、略逆L字形状に形成されている。具体的には、側板50Rは、左右方向を板厚方向とする側壁51と、側壁51の上端部から天板40の幅方向内側へ延出された上壁52と、を含んで構成されている。そして、上壁52が、天板40の右端部の下面に接合されている。また、棚板ユニット24が、棚受けユニット22に組付けられた状態では、側壁51が、棚受けユニット22のブラケット31に対して天板40の幅方向外側に配置されるようになっている(図2、図7、及び図8参照)。
補強板60は、左右方向に延在された略長尺状に形成されて、側面視で、上側へ開放された略逆ハット形状に形成されている。そして、前後一対の補強板60が、天板40の下側に隣接して配置されており、補強板60の上端部における一対のフランジが、天板40の下面に溶接等によって接合されている。
棚板レール70L,70Rは、天板40の幅方向両端部の下側にそれぞれ配置されている。棚板レール70L,70Rは、棚板ユニット24の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、以下、棚板レール70Rの構成について説明し、棚板レール70Lの構成についての説明は適宜省略する。
図5及び図6に示されるように、棚板レール70Rは、補強板60の右端部の下側において、前後方向に延在されている。図7及び図8にも示されるように、棚板レール70Rは、前側から見た断面視で下側へ開放された略逆U字形状に形成されている。具体的には、棚板レール70Rは、上下方向を板厚方向とした頂壁71と、頂壁71の幅方向内側(棚板ユニット24の幅方向中央側)の端部から下側へ延出された内側レール壁72と、頂壁71の幅方向外側の端部から下側へ延出された外側レール壁73と、を含んで構成されている。そして、棚板レール70Rの頂壁71が、補強板60の右端部の底壁に締結部材によって締結固定されている。
また、棚板ユニット24が、棚受けユニット22に組付けられた状態では、棚板レール70L,70Rにおける外側レール壁73が、棚受けユニット22のガイドレール32の内部にそれぞれ配置されている。詳しくは、棚板レール70L,70Rにおける外側レール壁73が、ガイドレール32の略幅方向中央部に配置されている。さらに、外側レール壁73の前端部が、固定側ローラ33に対して棚板ユニット24の幅方向外側に所定の隙間G1を空けて配置されており、固定側ローラ33の上側に棚板レール70L,70Rの頂壁71が載置されている(図7参照)。これにより、棚板ユニット24が前後方向にスライドするときには、固定側ローラ33が自身の軸回りに回転するように構成されている。
図6に示されるように、外側レール壁73の後端部には、他の部分よりも下側へ張出された取付部73Aが形成されている。取付部73Aには、後述する可動側ローラ80を取付けるための取付孔73Bが貫通形成されている。また、取付部73Aには、取付孔73Bの前側において、後述するブッシュ90L,90Rの位置を決めるためのブッシュ用位置決め孔73Cが貫通形成されている。
図6及び図8に示されるように、可動側ローラ80は、左右方向を軸方向とした円筒状に形成されている。また、可動側ローラ80は、「ローラ支持軸」としての可動側ローラ支持軸82によって棚板レール70L,70Rの後端部にそれぞれ固定されて、棚板ユニット24の幅方向外側に配置されている(図8では、可動側ローラ80が棚板レール70Rに固定された状態を図示している)。
可動側ローラ支持軸82は、左右方向を軸方向としたシャフト状に形成されている。具体的には、可動側ローラ支持軸82は、可動側ローラ支持軸82の一端部を構成する略円柱状のローラ支持部82Aと、ローラ支持部82Aから可動側ローラ支持軸82の軸方向他方側へ延出された固定軸部82Bと、を含んで構成されている。ローラ支持部82Aには、固定軸部82Bとの境界部分において、径方向外側へ突出されたフランジ部82Cが一体に形成されており、フランジ部82Cは、ローラ支持部82Aの周方向全周に亘って形成されている。また、ローラ支持部82Aの径方向外側には、ベアリング84が設けられている。そして、ローラ支持部82Aが、ベアリング84の内部に嵌入されており、可動側ローラ80の内部にベアリング84が嵌入されている。これにより、可動側ローラ80が、可動側ローラ支持軸82に回転可能に支持されている。
また、可動側ローラ支持軸82の固定軸部82Bの外周部には、雄ねじが形成されている。そして、固定軸部82Bが、棚板レール70L,70Rの取付孔73B内に棚板ユニット24の幅方向外側から挿入されて、後述するブッシュ90R(90L)と共に外側レール壁73に締結固定されている。これにより、可動側ローラ80が、外側レール壁73に対して棚板ユニット24の幅方向外側に配置されている。
また、棚板ユニット24が棚受けユニット22に組付けられた状態では、可動側ローラ80が、ガイドレール32の内部(詳しくは、幅方向外側部分)に配置されると共に、ガイドレール32の下側ガイド壁32A上に載置されている。これにより、棚板ユニット24が前後方向にスライドするときには、可動側ローラ80が転動する構成になっている。さらに、棚板ユニット24が前後方向にスライドするときには、可動側ローラ80が、棚受けユニット22の上側ガイド壁31Bと下側ガイド壁32Aとの間に配置されて、上側ガイド壁31B及び下側ガイド壁32Aによってガイドされる構成になっている。なお、可動側ローラ80と、棚受けユニット22の外側ガイド壁32Cと、の間には、左右方向において所定の隙間G2(図8参照)が形成されている。
図6、図8、及び図9〜図11に示されるように、ブッシュ90L,90Rは、樹脂材(本実施の形態では、ポリアセタール)によって構成されている。また、ブッシュ90L,90Rは、棚板ユニット24の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、以下、ブッシュ90Rに構成について説明し、ブッシュ90Lの構成の説明については適宜省略する。
ブッシュ90Rは、正面視で、略逆L字形板状に形成されている。具体的には、ブッシュ90Rは、左右方向を板厚方向としたブッシュ本体部91と、ブッシュ本体部91の下端部から棚板ユニット24の幅方向内側(左側)へ延出されたブッシュ規制部92と、を含んで構成されている。
ブッシュ本体部91は、前後方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。ブッシュ本体部91の後部には、可動側ローラ支持軸82の固定軸部82Bに対応する位置において、固定孔91Aが貫通形成されている。そして、ブッシュ本体部91が、棚板レール70Rの外側レール壁73に対して棚板ユニット24の幅方向内側に隣接して配置され、可動側ローラ支持軸82の固定軸部82Bが、固定孔91A内に棚板ユニット24の幅方向外側から挿入されている。また、固定軸部82Bの先端部には、スプリングワッシャW2が挿入されると共に、ナットN2が螺合されている。これにより、ブッシュ90Rが、固定軸部82B(可動側ローラ支持軸82)と共に、棚板レール70Rの外側レール壁73に固定されている。そして、棚板ユニット24が棚受けユニット22に組付けられた状態では、ブッシュ90L,90Rが、ガイドレール32の内部(詳しくは、幅方向内側部分)に配置されている。
また。ブッシュ本体部91の前部には、位置決め部91Bが一体に形成されている。位置決め部91Bは、左右方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、ブッシュ本体部91から右側へ突出している。そして、位置決め部91Bが、ガイドレール32のブッシュ用位置決め孔73Cに嵌入されている。
また、ブッシュ本体部91の後下の角部は、可動側ローラ80の外形と同心円状を成す円弧状に形成されている。さらに、ブッシュ本体部91の後下の角部には、右側へ突出されたリブ91Cが形成されており、リブ91Cは、ブッシュ本体部91の外形に沿って延在されている。そして、リブ91Cが、外側レール壁73における後下角部の端面を被覆している。これにより、ブッシュ90Rが外側レール壁73に固定されるときには、位置決め部91B及びリブ91Cが回り止部として機能して、ブッシュ90Rの棚板レール70Rに対する相対回転が制限される構成になっている。
ブッシュ規制部92は、上下方向を板厚方向とし、且つ平面視で前後方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。また、ブッシュ規制部92の先端部における前後の角部は、円弧状に湾曲された円弧部92Aとして構成されている。さらに、ブッシュ規制部92の上面には、上側へ開放された抉り部92Bが形成されており、抉り部92Bは、左側から見て、固定孔91Aと同心円状に形成された円弧状に形成されている。また、ブッシュ規制部92の下面には、下側へ開放された凹部92Cが形成されている。
そして、棚板ユニット24の棚受けユニット22への組付状態では、ブッシュ規制部92の先端部が内側ガイド壁32Bの下端部(根元部)と左右方向に対向配置されている。また、この状態では、ブッシュ規制部92の先端部と内側ガイド壁32Bとの間には、左右方向に僅かな隙間G3(図8及び図9参照)が形成されている。具体的には、左右方向における、ブッシュ規制部92の先端部と内側ガイド壁32Bとの間の隙間G3が、可動側ローラ80と外側ガイド壁32Cとの間の隙間G2、及び固定側ローラ33と外側レール壁73との間の隙間G1よりも小さく設定されている。これにより、ブッシュ規制部92の先端部が内側ガイド壁32Bの下端部(根元部)に当接することで、ブッシュ90L,90Rによって、左右方向における棚板ユニット24のガイドレール32(棚受けユニット22)に対する相対移動を規制する構成になっている。また、棚板ユニット24の棚受けユニット22への組付状態では、ブッシュ規制部92の下面と下側ガイド壁32Aとの間には、上下方向に隙間が形成されている。すなわち、ブッシュ90L,90Rが、下側ガイド壁32Aに対して上側に離間して配置されている。
なお、天板40の前端部の下面には、収納位置における棚板ユニット24をロックするロック機構(図示省略)が設けられており、ロック機構は、棚受けユニット22における前側の連結板35に形成されたロック孔35A(図3参照)に係合可能に構成されている。そして、使用者がロック機構を操作して、ロック機構の連結板35に対する係合状態を解除することで、棚板ユニット24が収納位置から前側へスライドできるように構成されている。
(作用及び効果)
上記のように構成された陳列棚10は、複数のスライド棚20を有しており、スライド棚20が、フレーム11の支柱13に組付けられている。このスライド棚20は、支柱13に組付けられた棚受けユニット22と、棚受けユニット22に前後方向にスライド可能に組付けられた棚板ユニット24と、を含んで構成されている。そして、収納位置の棚板ユニット24を前側へ引き出すことで、棚板ユニット24が収納位置から前側へスライドする。また、このときには、棚板ユニット24の可動側ローラ80が、棚受けユニット22のガイドレール32内を転動すると共に、棚受けユニット22の上側ガイド壁31B及び下側ガイド壁32Aによってガイドされる。さらに、このときには、棚板ユニット24の棚板レール70L,70Rの頂壁71が、棚受けユニット22の固定側ローラ33上をスライドして、固定側ローラ33が回転する。これにより、棚板ユニット24が、引出位置に配置される。
一方、引出位置の棚板ユニット24を後側へ押込むことで、棚板ユニット24が引出位置から後側へスライドする。また、このときには、上述と同様に、棚板ユニット24の可動側ローラ80が、ガイドレール32内を転動すると共に、棚受けユニット22の固定側ローラ33が回転する。そして、棚板ユニット24が収納位置に配置される。
ここで、本実施の形態の陳列棚10では、左右一対のブッシュ90L,90Rが、棚板ユニット24の後端部における幅方向両端部に設けられている。そして、ブッシュ90L,90Rが、棚受けユニット22のガイドレール32内に配置されて、棚板ユニット24のガイドレール32に対する左右方向の相対移動を規制している。このため、棚板ユニット24を前後方向に良好に(スムースに)スライドさせることができる。以下、この点について詳述する。
すなわち、引出位置の棚板ユニット24を収納位置へスライドさせるときには、使用者が棚板ユニット24の前端部の任意の部位を後方側へ押込むことができる。このため、使用者が棚板ユニット24の前端部における左端部又は右端部を後方側へ押込むと、棚板ユニット24に回転モーメントが発生する。例えば、図11に示されるように、棚板ユニット24の前端部における左端部を押込むと、当該左端部に後側への操作力Fが入力されて、平面視で時計回りの回転モーメントが棚板ユニット24に発生する。このため、棚板ユニット24が棚受けユニット22に対して傾く。具体的には、棚板ユニット24の後端部が右側(図11の矢印A方向側)へ変位し、棚板ユニット24の右前端部が左側(図11の矢印B方向側)へ変位するように、棚板ユニット24が棚受けユニット22に対して傾く。
そして、仮に、棚板ユニット24においてブッシュ90L,90Rを省略した場合(以下、この形態を比較例の陳列棚と称す)には、左右方向における棚板ユニット24のガイドレール32に対する相対移動が規制されない。このため、比較例の陳列棚では、棚板ユニット24の後端部が右側へ変位して、右側の可動側ローラ80が右側のガイドレール32の外側ガイド壁32Cに当接する。また、棚板ユニット24の右前端部が左側へ変位して、右側の棚板レール70Rの外側レール壁73が、右側の固定側ローラ33に当接する。このため、右側の可動側ローラ80がガイドレール32の外側ガイド壁32Cをこじると共に、右側の棚板レール70Rの外側レール壁73が固定側ローラ33をこじるようになる。これにより、比較例の陳列棚では、右側の固定側ローラ33及び可動側ローラ80の回転が阻害されて、固定側ローラ33及び可動側ローラ80が良好に回転しなくなる。その結果、棚板ユニット24が引出位置から後側へスライドできなくなる可能性がある。
一方、本実施の形態の陳列棚10では、上述のように、ブッシュ90L,90Rが、棚板ユニット24に設けられると共に、棚受けユニット22のガイドレール32内に配置されている。このため、例えば、棚板ユニット24の前端部における左端部を後方側へ押込んで、時計回りの回転モーメントが棚板ユニット24に発生したときには、左側のブッシュ90Lのブッシュ規制部92の先端部が、左側のガイドレール32の内側ガイド壁32Bに当接する(図11のa部拡大を参照)。これにより、棚板ユニット24の棚受けユニット22に対する傾きが制限されると共に、棚板ユニット24のガイドレール32に対する左右方向の相対移動が規制される。その結果、右側の可動側ローラ80が右側のガイドレール32の外側ガイド壁32Cをこじることを抑制できると共に、右側の棚板レール70Rの外側レール壁73が、右側の固定側ローラ33をこじることを抑制できる(図11のb部拡大を参照)。これにより、固定側ローラ33及び可動側ローラ80の回転が阻害されることを抑制できる。
そして、棚板ユニット24に入力された後側への操作力Fによって、ブッシュ90Lにおけるブッシュ規制部92の円弧部92Aが、左側のガイドレール32の内側レール壁72を摺動しながら、棚板ユニット24が後側へスライドする。また、このときには、固定側ローラ33が回転すると共に、可動側ローラ80が転動する。したがって、本実施の形態の陳列棚10によれば、引出位置の棚板ユニット24の前端部における左端部又は右端部を後方側へ押込んでも、棚板ユニット24をスムースに後方側へ移動させることができる。以上により、棚板ユニット24を良好にスライドさせることができる。
また、ブッシュ90L,90Rは、可動側ローラ80を支持する可動側ローラ支持軸82の固定軸部82Bと共に、棚板レール70L,70Rに締結固定されている。具体的には、固定軸部82Bが、棚板レール70L,70Rにおける外側レール壁73の取付孔73B、及びブッシュ90L,90Rの固定孔91Aに挿入されて、ナットN2が固定軸部82Bに螺合されている。このため、可動側ローラ80を棚板レール70L,70Rに固定するための可動側ローラ支持軸82を活用して、ブッシュ90L,90Rを棚板レール70L,70Rに固定することができる。これにより、ブッシュ90L,90Rを固定するための固定部材を別途設けることなく、ブッシュ90L,90Rを棚板ユニット24(棚板レール70L,70R)に固定することができる。したがって、部品点数の増加を抑制しつつ、ブッシュ90L,90Rを棚板ユニット24に固定することができる。
また、ガイドレール32は、正面視で、上側へ開放された略U字形状に屈曲形成されている。さらに、ブッシュ90L,90Rは、ブッシュ規制部92を有しており、ブッシュ規制部92の先端部がガイドレール32の内側ガイド壁32Bの曲げ根元部に当接可能に構成されている。このため、左右方向における内側ガイド壁32Bとブッシュ規制部92との間の隙間G3を極力小さく設定することができる。すなわち、内側ガイド壁32Bは、上側へ屈曲されているため、左右方向における、内側ガイド壁32Bの先端部の位置精度が、内側ガイド壁32Bの根元部の位置精度よりも悪化する傾向になる。換言すると、左右方向における、内側ガイド壁32Bの先端部の寸法公差が、内側ガイド壁32Bの根元部の寸法公差よりも大きくなる。このため、仮に、ブッシュ規制部92の先端部をガイドレール32の内側ガイド壁32Bの先端部に当接可能に構成した場合には、左右方向における内側ガイド壁32Bとブッシュ規制部92との間の隙間G3を比較的大きく設定する必要がある。これに対して、本実施の形態では、ブッシュ規制部92の先端部がガイドレール32の内側ガイド壁32Bの曲げ根元部に当接可能に構成されている。このため、ブッシュ規制部92の先端部を内側ガイド壁32Bの先端部に当接可能に構成した場合と比べて、左右方向における内側ガイド壁32Bとブッシュ規制部92との間の隙間G3を小さく設定することができる。これにより、ブッシュ90L,90Rによる棚板ユニット24に対する規制効果を高くすることができる。
また、ブラケットユニット30L,30Rでは、左右方向を板厚方向とする、ブラケット31と、ガイドレール32の外側ガイド壁32Cと、が接合されている。このため、ブラケットユニット30L,30Rの上下方向の曲げ剛性を高くすることができる。したがって、棚板ユニット24を下側から支持するブラケットユニット30L,30Rの支持性能を高くすることができる。
なお、本実施の形態では、ブッシュ90L,90Rによって、左右方向における棚板ユニット24のガイドレール32(棚受けユニット22)に対する相対移動を規制する構成になっているが、棚板ユニット24のガイドレール32(棚受けユニット22)に対する相対移動を規制する構成は、これに限らない。例えば、ブッシュ90L,90Rの代わりに、上下方向を軸方向とした規制用ローラを棚板ユニット24の棚板レール70L,70Rに設けて、規制用ローラをガイドレール32の内側ガイド壁32Bに当接可能に構成してもよい。この場合には、棚板ユニット24のスライド時に、規制用ローラが転動するため、棚板ユニット24を一層良好にスライドさせることができる。
また、本実施の形態では、ブッシュ90L,90Rが、棚板レール70L,70Rの内部に配置されているが、ブッシュ90L,90Rを、可動側ローラ80と同様に棚板レール70L,70Rの幅方向外側(外部)に配置して、ブッシュ90L,90Rのブッシュ規制部92をガイドレール32の外側ガイド壁32Cの曲げ根元部に当接可能に構成してもよい。この場合には、例えば、ブッシュ90L,90Rを可動側ローラ80の前側に配置して、棚板レール70L,70Rの外側レール壁73にブッシュ90L,90Rを固定するための固定ボルトを設けてもよい。これにより、ブッシュ90L,90R及び可動側ローラ80が、棚板レール70L,70Rの幅方向外側(外部)に配置される。このため、可動側ローラ80がガイドレール32の外側ガイド壁32Cに当接することを、可動側ローラ80の前側に配置されたブッシュ90L,90R(ブッシュ規制部92)によって直接的に阻止することができる。また、この場合には、ブッシュ90L,90Rのブッシュ規制部92の先端部が、可動側ローラ80よりも棚板ユニット24の幅方向外側へ突出する。このため、例えば、棚板ユニット24のユニット状態において、ブッシュ90L,90Rを可動側ローラ80に対する保護部材としても活用することができる。
また、本実施の形態では、ブッシュ90L,90Rのブッシュ規制部92がガイドレール32の内側ガイド壁32Bの根元部に当接可能に構成されている。これに代えて、ブッシュ90L,90Rをガイドレール32の外側ガイド壁32Cに当接可能に構成してもよい。例えば、図9の2点鎖線にて示されるように、ブッシュ90L,90Rの位置決め部91Bを、可動側ローラ80の前側においてブッシュ本体部91から棚板ユニット24の幅方向外側へ延ばして、外側ガイド壁32Cに当接可能に構成してもよい。また、この場合には、位置決め部91Bの先端部を半球状に形成してもよい。さらに、この場合には、位置決め部91Bの位置を変更して、位置決め部91Bの先端部を外側ガイド壁32Cの根元部に当接可能に構成してもよい。
これにより、ブッシュ90L,90Rの棚板レール70L,70Rへの位置を決めるための位置決め部91Bを活用して、棚板ユニット24のガイドレール32に対する左右方向の相対移動を規制することができる。また、この場合には、上述と同様に、位置決め部91B及び可動側ローラ80が、棚板レール70L,70Rの幅方向外側(外部)に配置される。このため、可動側ローラ80がガイドレール32の外側ガイド壁32Cに当接することを、可動側ローラ80の前側に配置された位置決め部91Bによって直接的に阻止することができる。また、この場合には、上述と同様に、位置決め部91Bの先端部が、可動側ローラ80よりも棚板ユニット24の幅方向外側へ突出する。このため、上述と同様に、棚板ユニット24のユニット状態において、位置決め部91Bを可動側ローラ80に対する保護部材としても活用することができる。
また、上述のように、ブッシュ90L,90Rの位置決め部91Bを、ガイドレール32の外側ガイド壁32Cに当接可能に構成する場合には、ブッシュ90L,90Rにおいて、ブッシュ規制部92を残してもよい。この場合には、ブッシュ90L,90Rを、ガイドレール32の内側ガイド壁32B及び外側ガイド壁32Cに当接可能に構成することができる。したがって、この場合には、ブッシュ90L,90Rの一方を省略してもよい。すなわち、ブッシュ90L,90Rの一方を省略しても、他方のブッシュ90L,90Rの位置決め部91B及びブッシュ規制部92によって、左右方向における棚板ユニット24のガイドレール32に対する相対移動を規制することができる。