JP2020155539A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧が低く、経時駆動しても電圧上昇が抑制された有機EL素子を提供すること。【解決手段】基板上に、対となる陰極と陽極と、発光層と前記陰極に隣接する電子輸送層とを含む有機機能層とを、備える有機EL素子であって、前記電子輸送層が、下記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有し、下記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)が前記金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)より高く、前記EDLと前記ECBとのエネルギー差ΔE(EDL−ECB)が、0.3eV以上であり、前記発光層中の発光性化合物の発光波長領域と下記式(I)で表される構造を有する化合物の吸収波長領域に重なり部分を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、より詳しくは、駆動電圧が低く、経時駆動しても電圧上昇が抑制された有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう。)は、低電圧で駆動でき、画像表示装置や照明装置に好適に用いられている。有機EL素子は、陰極と陽極との間に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層等の複数の層が積層された構造を有している。
従来、有機EL素子の電子注入層の材料として、LiFなどのアルカリ金属化合物が用いられている。近年では、大気中で安定な金属酸化物を用いる試みがなされている。
しかし、金属酸化物は高導電性を有するものの、仕事関数が材料により決まっており、その材料選択幅が狭く、とくに陰極からの電子注入障壁が高いという問題があった。その解決手段として、ポリエチレンイミンなどの高分子や、ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物のような材料をドープすることで電子注入性を改善できることが知られている(例えば、非特許文献1、及び特許文献1参照。)
しかしながら、ポリエチレンイミンに限らず、金属酸化物に有機物をドープした場合、陰極との界面劣化が原因となるデバイスの電圧上昇が多く起こることが知られている。
このため、経時駆動すると駆動電圧が上昇し、有機EL素子の寿命に影響するという問題があった。
特開2018−093080号公報
ACS Appl.Mater.Interface.2018,10.17318−17326
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、駆動電圧が低く、経時駆動しても電圧上昇が抑制された有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、金属酸化物に、特定のLUMOエネルギー準位を有する吸光性化合物をドープすることにより、陰極からの電子注入障壁を軽減することができ、駆動電圧を大幅に軽減できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.基板上に、対となる陰極と陽極と、発光層と前記陰極に隣接する電子輸送層とを含む有機機能層とを、備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記電子輸送層が、下記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有し、
下記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)が、前記金属酸化物伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)より高く、
下記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)と前記金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)とのエネルギー差ΔE(EDL−ECB)が、0.3eV以上であり、
前記発光層中の発光性化合物の発光波長領域と下記式(I)で表される構造を有する化合物の吸収波長領域に重なり部分があることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2020155539
(式中、Arは、置換若しくは非置換の、芳香族炭化水素基又は複素環基を表す。ただし、Arが、ジメチルアミノ基を有するものを除く。Xは、酸性基、電子吸引性基又は電子吸引性環構造を有する有機残基を表す。nは、1〜4の整数を表す。nが複数のとき、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。)
2.前記式(I)で表される構造を有する化合物が、下記式(II)で表されるトリフェニルアミン骨格を有する化合物であることを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2020155539
(式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は非置換のベンゼン環を表す。Xは、酸性基、電子吸引性基又は電子吸引性環構造を有する有機残基を表す。ただし、Ar、Ar又はArが、ジメチルアミノ基を有するものを除く。nは、1〜4の整数を表す。nが複数のとき、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。)
3.前記電子輸送層が、前記金属酸化物として、酸化亜鉛を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記金属酸化物が、ナノ粒子であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明の上記手段により、駆動電圧が低く、経時駆動しても電圧上昇が抑制された有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明では、有機EL素子の発光層から発光の一部を、金属酸化物にドープした式(I)で表される構造を有する化合物(吸光性化合物ともいう)に吸収・再励起させ、生成したキャリアを金属酸化物上に変換することで、金属酸化物上のキャリア密度を増加させることができ、陰極からの電子注入障壁を低減してデバイスを駆動できるものと推定される。
したがって、陰極に隣接する電子注入層又は輸送層と陰極の界面で発生していた劣化を大幅に低減できることから、駆動電圧を低くすることができ、経時駆動しても駆動電圧の上昇を小さくすることができるものと推定される。
図を用いて説明する。図1は、有機EL素子に含まれる材料が有するエネルギー準位の関係を示す概念図である。図1に示す有機EL素子は、陽極(ITO)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極(Al)から構成されている例である。
なお、エネルギー準位は、最も高エネルギーの真空準位0eVを基準として、これよりも低い側は負の値で定義される。つまり、例えば、エネルギー準位が−(マイナス)3eVと−4eVとでは、−3eVの方が高いエネルギー準位である。
正孔輸送層には正孔輸送材料、発光層には発光性化合物、を含有している。本発明に係る電子輸送層は、陰極に接しており、式(I)で表される構造を有する化合物(吸光性化合物)をドープした酸化亜鉛(金属酸化物)を含有している。
本発明では、有機EL素子の発光層中の発光性化合物に起因する発光の一部を、金属酸化物にドープした式(I)で表される構造を有する化合物(吸光性化合物ともいう)に吸収・再励起させる。生成した励起電子、つまり吸光性化合物のHOMOからLUMOに遷移した電子を金属酸化物上に移動することで、金属酸化物上のキャリア密度を増加させることができる。
すなわち、吸光性化合物は、発光層中の発光の一部を吸収することで、吸光性化合物HOMOエネルギー準位(EDH)の電子が吸光性化合物LUMOエネルギー準位(EDL)に遷移し、さらに、吸光性化合物LUMOエネルギー準位(EDL)の電子は金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)に移動することで、金属酸化物上のキャリア密度を増加させる。
このとき、電子移動は高エネルギー側から低エネルギー側に効率的に起こるので、吸光性化合物LUMOエネルギー準位(EDL)が金属酸化物伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)より高く、吸光性化合物LUMOエネルギー準位(EDL)と前記金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)とのエネルギー差ΔE(EDL−ECB)が、0.3eV以上あることが、吸光性化合物LUMOエネルギー準位(EDL)から金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)に電子が高効率に移動するために好ましい。より好ましくは0.5eV以上であり、更に0.7eV以上のエネルギー差ΔEがあることが好ましい。
本発明において、発光層中の発光性化合物の発光波長領域と前記式(I)で表される構造を有する化合物の吸収波長領域に重なり部分があることが必要である。この重なりを利用して、発光性化合物で発光した光の一部を、式(I)で表される構造を有する化合物(吸光性化合物)が吸収する。
具体的には、発光性化合物の発光スペクトルと吸光性化合物の吸収スペクトルに重なり部分があること必要である。発光スペクトルと吸収スペクトルのピーク波長の関係は、吸収のピーク波長が発光のピーク波長よりも短波長側でも長波長でもよい。
発光性化合物の発光スペクトルと吸光性化合物の吸収スペクトルに重なり部分があるためには、発光性化合物の発光スペクトルピーク波長λemと吸光性化合物の吸収スペクトルピーク波長λaの差が±0〜200nmの範囲が好ましく、±0〜100nmの範囲がより好ましい。
発光性化合物の発光スペクトルの測定は、例えば、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)を用いて、吸光性化合物の吸収スペクトルの測定は、例えば、日立ハイテク製の分光光度計U−3300を用いて行うことができる。
また、吸光性化合物と金属酸化物とは、接している必要がある。本発明において、式(I)で表される構造を有する化合物(吸光性化合物)をドープした金属酸化物とは、金属酸化物中に吸光性化合物を含有している場合だけでなく、金属酸化物粒子の表面に吸着している態様も含む。吸光性化合物と金属酸化物との間で電子の移動が可能であればよい。
吸光性化合物と金属酸化物との間で、より電子移動を効率的に行うためには、強い相互作用として、両者の間で、静電相互作用や、ファンデルワールス力、水素結合、又は、化学的結合などが生じることが好ましい。そのためには、吸光性化合物が酸性基、電子吸引性基又は電子吸引性環構造を有することが好ましく、酸性基としてカルボキシ基、スルホ基、又はホスホン酸基を有することがより好ましい。
有機EL素子に含まれる材料が有するエネルギー準位の関係を示す概念図 有機EL素子の一例を示す断面図 電子デバイスをインクジェットヘッドより吐出して形成するときの模式図 インクジェット印刷法を用いて、電子デバイスを塗布する方法の一例を示す模式図 インクジェット印刷方式に適用可能なインクジェットヘッドの構造の一例を示す概略斜視図と底面図
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、対となる陰極と陽極と、発光層と前記陰極に隣接する電子輸送層とを有する有機機能層とを、備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記電子輸送層が、前記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有し、
前記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)が、前記金属酸化物伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)より高く、
前記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)と前記金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)とのエネルギー差ΔE(EDL−ECB)が、0.3eV以上であり、
前記発光層中の発光性化合物の発光波長領域と前記式(I)で表される構造を有する化合物の吸収波長領域に重なり部分があることを特徴とする。この特徴は、下記各実施態様(形態)に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記式(I)で表される構造を有する化合物が、前記式(II)で表されるトリフェニルアミン骨格を有する化合物であることが、吸光性化合物が光吸収した際に効率的に電荷分離することから好ましい。トリフェニルアミン骨格は強いドナー性骨格であり、電子吸引性骨格と結合した構造を有する場合、この化合物のHOMOの電荷分布はドナー性骨格部位に局在化し、LUMOの電荷分布は電子吸引性骨格部位に局在化する。これにより、化合物のLUMOに励起された電子は、HOMOへの失活を抑制して、金属酸化物の伝導帯への電子移動が起こりやすくなる。
また、前記電子輸送層が、前記金属酸化物として、酸化亜鉛を含有することが、吸光性化合物からの電子移動が起こり易い伝導帯エネルギー準位であること、および、電子易動度が高いことから好ましい。
前記金属酸化物が、ナノ粒子であることが、表面積が大きく、吸光性化合物が安定に吸着しやすいことから好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《有機エレクトロルミネッセンス素子》
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、対となる陰極と陽極と、発光層と前記陰極に隣接する電子輸送層とを有する有機機能層とを、備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記電子輸送層が、下記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有し、
前記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)が、前記金属酸化物伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)より高く、
前記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)と前記金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)とのエネルギー差ΔE(EDL−ECB)が、0.3eV以上であり、
前記発光層中の発光性化合物の発光波長領域と前記式(I)で表される構造を有する化合物の吸収波長領域に重なり部分があることを特徴とする。
なお、本発明において、用いる吸光性化合物の、HOMO及びLUMOのエネルギー準位は、下記の方法を用いて求める。
本発明において、HOMOのエネルギー準位(EDH)は、イオン化ポテンシャルの測定値(正の値)を負の値として定義したものである。なお、イオン化ポテンシャルは大気中光電子分光装置(例えば、AC−1、AC−2、及びAC−3(理研計器(株)製))や、紫外光電子分光(UPS)装置で測定することができる。本実施例では、AC−3で測定した。AC−3で測定する場合は、アルミ製皿上の粉末サンプル、あるいは、洗浄したITO上に有機薄膜を50〜100nmの厚さに成膜し測定する。
LUMOのエネルギー準位(EDL)は、下記のように定義した。
DL= EDH+Eg
ここでEgは、吸光性化合物のHOMOとLUMOのエネルギーギャップに相当する励起エネルギーであり、吸光性化合物の吸収スペクトルの吸収ピークの5%強度となる長波長側吸収端波長のエネルギー(eV単位換算値)とした。
吸光性化合物の吸収スペクトルの測定は、例えば、日立ハイテク製の分光光度計U−3300を用いて行うことができる。本実施例では、吸光性化合物を10−6〜10−4mol/Lの濃度でエタノール溶液として測定した。
また、金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)を見積もる方法としては、紫外線光電子分光法、X線光電子分光法、オージェ電子分光法により求められる価電子帯のエネルギー準位および光学的バンドギャップエネルギーから見積もる方法がある。
本発明では、紫外線光電子分光法により求められる価電子帯のエネルギー準位及び光学的バンドギャップエネルギーにより得た。
《金属酸化物》
本発明に用いることのできる金属酸化物は、前述したように、下記2要件を満たせば、特に制限はない。
(1)前記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)が、金属酸化物伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)より高い。
(2)前記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)と金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)とのエネルギー差ΔE(EDL−ECB)が、0.3eV以上である。
このような、金属酸化物としては、化学的安定性、物理的安定性という観点から、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、マグネシア又はニオブの酸化物が好ましい。具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化シリコン、酸化二アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化セリウム、又はこれら金属酸化物の水和物、さらには、チタン酸バリウム、ジルコニウム酸バリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸ナトリウム、チタン酸カルシウム、タンタル酸ストロンチウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ビスマスナトリウム、又はこれらのうち少なくとも一種を組成に含む固溶体を例示することができる。
中でも好ましくは、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)又はAZO(AlドープZnO)のような固溶体が挙げられる。より好ましいのは、金属酸化物伝導帯下端のエネルギー準位や電子易動度の観点から酸化亜鉛又は酸化亜鉛にAlをドープしたAZOである。さらに好ましくは、酸化亜鉛である。
本発明では前記金属酸化物がナノ粒子であることが好ましい。「ナノ粒子」とは、粒子直径が1nm以上500nm以下の球状、断面直径が1nm以上500nm以下の繊維状、または厚さが1nm以上500nm以下の板状の粒子をいう。
《式(I)で表される構造を有する化合物》
本発明において、陰極に隣接する電子輸送層が、下記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有する。
また、前記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)が、前記金属酸化物伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)より高く、前記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)と前記金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)とのエネルギー差ΔE(EDL−ECB)が、0.3eV以上であり、前記発光層中の発光性化合物の発光波長領域と前記式(I)で表される構造を有する化合物の吸収波長領域に重なり部分がある。
Figure 2020155539
(式中、Arは、置換若しくは非置換の、芳香族炭化水素基又は複素環基を表す。ただし、Arが、ジメチルアミノ基を有するものを除く。Xは、酸性基、電子吸引性基又は電子吸引性環構造を有する有機残基を表す。nは、1〜4の整数を表す。nが複数のとき、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。)
さらに、前記式(I)で表される構造を有する化合物が、下記式(II)で表されるトリフェニルアミン骨格を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2020155539
(式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換若しくは非置換のベンゼン環を表す。Xは、酸性基、電子吸引性基又は電子吸引性環構造を有する有機残基を表す。ただし、Ar、Ar又はArが、ジメチルアミノ基を有するものを除く。nは、1〜4の整数を表す。nが複数のとき、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。)
Arで表される、置換若しくは非置換の、芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、クリセン環、ナフタセン環、ピレン環、ペンタレン環、アセアントリレン環、ヘプタレン環、トリフェニレン環、as−インダセン環、クリセン環、s−インダセン環、プレイアデン環、フェナレン環、フルオランテン環、ペリレン環、アセフェナントリレン環、ビフェニル環、ターフェニル環、テトラフェニル環等が挙げられる。
Arで表される、置換若しくは非置換の、芳香族炭化水素基は、炭素原子数6〜40の置換又は非置換の、芳香族炭化水素基であることが好ましい。
Arで表される複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、ピラゾロトリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、9,10−ジヒドロアクリジン基、フェノキサジン環、フェノチアジン環、ジベンゾシロール環等が挙げられる。
Arで表される複素環基は、炭素原子数1〜40の置換又は非置換の、芳香族複素環基であることが好ましい。
Ar、Ar又はArは、置換若しくは非置換の、ベンゼン環を表す。
置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、ピラゾロトリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジタートブチル基、シクロヘキシルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、ホスホノ基等が挙げられる。好ましくは、アルキル基、芳香族炭化水素基、アミノ基、ヒドロキシ基、シリル基が挙げられる。
また、これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。
置換基Xに含まれる酸性基としては、カルボキシ基、スルホ基(−SOH) 、スルフィノ基、スルフィニル基、ホスホン酸基[−PO(OH)]、ホスホリル基、 ホスフィニル基、ホスホノ基、チオール基、ヒドロキシ基、ホスホニル基、及びスルホニ ル基;並びにこれらの塩(金属塩、有機カチオン塩)などが挙げられる。これらのうち、 酸性基としては、カルボキシ基、スルホ基、ホスホン酸基、ヒドロキシ基が好ましく、カ ルボキシ基、スルホ基、ホスホン酸基がより好ましい。
置換基Xに含まれる酸性を示す環構造としては、バルビツール酸、チオバルビツール酸、四角酸、クロコン酸、尿酸、ウラシル、チミン由来の環構造などが挙げられる。
Xが表す電子吸引性基又は電子吸引性環構造を有する有機残基としては、電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、パーフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基)、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、パーフルオロアルキルスルホニル基、パーフルオロアリールスルホニル基などが挙げられる。これらのうち、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、クロロ基が好ましく、シアノ基、ニトロ基がより好ましい。また、電子吸引性環構造としては、ローダニン環、ジローダニン環、イミダゾロン環、ピラゾロン環、ピラゾリン環、ヒダントイン環、チオヒダントイン環、キノン環、ピラン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアジアゾール環等が挙げられる。中でも、ローダニン環、ジローダニン環、イミダゾロン環、ピラゾロン環、ピラゾリン環、キノン環、チアジアゾール環が好ましく、ローダニン環、ジローダニン環、イミダゾロン環、ピラゾリン環であることがより好ましい。
また、置換基Xにおいて、酸性基と、電子吸引性基又は電子吸引性環構造とは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、セレン原子(Se)、又はテルル原子(Te)等の原子を介して結合してもよい。又は、置換基Xは、電荷、特に正の電荷を帯びてもよく、この際、Cl、Br、I、ClO 、NO 、SO 2−、HPO 等の対イオンを有していてもよい。
これらのXは、吸光性化合物において光吸収してLUMOに遷移した電子とHOMOの正孔との電荷分離を起こしやすくし、LUMOの電子を効果的に金属酸化物に注入できる。
Xとして、特に好ましくは、それぞれカルボキシ基若しくはホスホン酸を有する、ローダニン環、ジローダニン環、イミダゾロン環、チオヒダントイン環、ピラゾロン環、シアノアクリル酸又はシアノビニルホスホン酸である。
これらXは、金属酸化物と強く相互作用し、安定して金属酸化物に吸着あるいは結合する。
また、式(I)で表される構造を有する化合物において、Xは複数有していてもよく、Xが複数有していている場合は、Xが互いに同一でも異なっていても良い。Xを複数有していると、金属酸化物に多点で吸着してより安定化し得る。
式(I)で表される構造を有する化合物は、有機EL素子の発光層から発光の一部を吸収することでその特性が機能する。この時、光吸収量が著しく多いと、素子外部に取り出される発光量が少なくなり、素子性能が悪化してしまう。そのため、適切な光吸収量となる金属酸化物と、式(I)で表される構造を有する化合物からなる電子輸送層の吸光度は、吸光性化合物由来のピーク波長において、好ましくは0.01〜1.00、より好ましくは0.02〜0.50、更に好ましくは0.02〜0.30の範囲内である。
このような電子輸送層の吸光度であるためには、電子輸送層の厚さにもよるが、電子輸送層中における吸光性化合物の量の範囲は、1〜10000mol/mであることが好ましく、10〜5000mol/mであることがより好ましく、50〜2000mol/mの範囲内であることがさらに好ましい。
電子輸送層中における金属酸化物との割合は、金属酸化物100質量部に対して、吸光性化合物を0.01〜1000質量部含むことが好ましく、より好ましくは0.1〜500質量部、さらに好ましくは0.5〜100質量部の範囲内である。
なお電子輸送層の吸光度の測定は、透明ガラス上に形成した電子輸送層の吸収スペクトルの測定を、例えば、日立ハイテク製の分光光度計U−3300を用いて行うことができる。
これら、式(I)で表される構造を有する化合物の具体例としては、例えば下記化合物が挙げられる。
Figure 2020155539
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これらの化合物は公知の合成方法で合成することができる。
〔有機EL素子の素子構成〕
有機EL素子における代表的な素子構成としては、以下の構成を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(1)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/(電子阻止層/)発光層/(正孔阻止層/)電子輸送層/電子注入層/陰極
上記の中で(5)の構成が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
(5)の構成において、正孔注入層/正孔輸送層/(電子阻止層/)発光層までを有機機能層群1、及び(正孔阻止層/)電子輸送層/電子注入層までを有機機能層群2と呼ぶ場合がある。
本発明に用いられる発光層は、単層又は複数層で構成されており、発光層が複数の場合は各発光層の間に非発光性の中間層を設けてもよい。
必要に応じて、発光層と陰極との間に正孔阻止層(正孔障壁層ともいう)や電子注入層(陰極バッファー層ともいう)を設けてもよく、また、発光層と陽極との間に電子阻止層(電子障壁層ともいう)や正孔注入層(陽極バッファー層ともいう)を設けてもよい。
本発明に用いられる電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層であり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。また、複数層で構成されていてもよい。
本発明に用いられる正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。また、複数層で構成されていてもよい。
図2は、代表的な有機EL素子の一例を示す断面図である。
有機EL素子100は、基材101、陽極102、正孔注入層103、正孔輸送層104、発光層105、正孔阻止層106、電子輸送層107、電子注入層108及び陰極109をこの順に備えている。
上記の代表的な素子構成において、陽極と陰極を除いた層を「機能層110」という。
(タンデム構造)
また、当該有機EL素子は、少なくとも1層の発光層を含む発光ユニットを複数積層した、いわゆるタンデム構造の素子であってもよい。
タンデム構造の代表的な素子構成としては、例えば以下の構成を挙げることができる。
陽極/第1発光ユニット/中間層/第2発光ユニット/中間層/第3発光ユニット/陰極
ここで、上記第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットは全て同じであっても、異なっていてもよい。また二つの発光ユニットが同じであり、残る一つが異なっていてもよい。
複数の発光ユニットは直接積層されていても、中間層を介して積層されていてもよく、中間層は、一般的に中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、陽極側の隣接層に電子を、陰極側の隣接層に正孔を供給する機能を持った層であれば、公知の材料構成を用いることができる。
中間層に用いられる材料としては、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)、ZnO、TiN、ZrN、HfN、TiO、VO、CuI、InN、GaN、CuAlO、CuGaO、SrCu、LaB、RuO、Al等の導電性無機化合物層や、Au/Bi等の2層膜や、SnO/Ag/SnO、ZnO/Ag/ZnO、Bi/Au/Bi、TiO/TiN/TiO、TiO/ZrN/TiO等の多層膜、またC60等のフラーレン類、オリゴチオフェン等の導電性有機物層、金属フタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、金属ポルフィリン類、無金属ポルフィリン類等の導電性有機化合物層等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
発光ユニット内の好ましい構成としては、例えば、上記の代表的な素子構成で挙げた(1)〜(5)の構成から、陽極と陰極を除いたもの等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
タンデム型有機EL素子の具体例としては、例えば、米国特許第6337492号明細書、米国特許第7420203号明細書、米国特許第7473923号明細書、米国特許第6872472号明細書、米国特許第6107734号明細書、米国特許第6337492号明細書、国際公開第2005/009087号、特開2006−228712号公報、特開2006−24791号公報、特開2006−49393号公報、特開2006−49394号公報、特開2006−49396号公報、特開2011−96679号公報、特開2005−340187号公報、特許第4711424号公報、特許第3496681号公報、特許第3884564号公報、特許第4213169号公報、特開2010−192719号公報、特開2009−076929号公報、特開2008−078414号公報、特開2007−059848号公報、特開2003−272860号公報、特開2003−045676号公報、国際公開第2005/094130号等に記載の素子構成や構成材料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
更に、有機EL素子を構成する各層について説明する。
〔基板〕
有機EL素子に適用可能な基板としては、特に制限はなく、例えば、ガラス、プラスチック等の種類を挙げることができる。
本発明に用いられる基板は、光透過性であっても、光不透過性であってもよい。本発明に適用可能な基板としては、特に制限されず、例えば、樹脂基板、薄膜金属箔、薄板フレキシブルガラス等が挙げられる。
本発明に適用可能な樹脂基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(略称:TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(略称:CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート(略称:PC)、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(略称:PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(登録商標)(JSR社製)及びアペル(登録商標)(三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
これら樹脂基板のうち、コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)、ポリカーボネート(略称:PC)等のフィルムが可撓性の樹脂基板として好ましく用いられる。
樹脂基板の厚さとしては、3〜200μmの範囲内にある薄膜の樹脂基板であることが好ましいが、より好ましくは10〜150μmの範囲内であり、特に好ましくは、20〜120μmの範囲内である。
また、本発明用いられる基板として適用可能な薄板ガラスは、湾曲できるほど薄くしたガラス板である。薄板ガラスの厚さは、薄板ガラスが可撓性を示す範囲で適宜設定できる。
薄板ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。薄板ガラスの厚さとしては、例えば、5〜300μmの範囲であり、好ましくは20〜150μmの範囲である。
また、薄膜金属箔の形成材料としては、例えば、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる1種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。薄膜金属箔の厚さは、薄膜金属箔がフレキシビリティーを示す範囲で適宜設定することができ、例えば、10〜100μmの範囲内であり、好ましくは20〜60μmの範囲内である。
〔第1電極:陽極〕
有機EL素子を構成する陽極としては、Ag、Au等の金属又は金属を主成分とする合金、CuI、又はインジウム−スズの複合酸化物(ITO)、SnO及びZnO等の金属酸化物を挙げることができるが、金属又は金属を主成分とする合金であることが好ましく、更に好ましくは、銀又は銀を主成分とする合金である。
透明陽極を、銀を主成分として構成する場合、銀の純度としては、99%以上であることが好ましい。また、銀の安定性を確保するためにパラジウム(Pd)、銅(Cu)及び金(Au)等が添加されていてもよい。
透明陽極は銀を主成分として構成されている層であるが、具体的には、銀単独で形成しても、又は銀(Ag)を含有する合金から構成されていてもよい。そのような合金としては、例えば、銀・マグネシウム(Ag・Mg)、銀・銅(Ag・Cu)、銀・パラジウム(Ag・Pd)、銀・パラジウム・銅(Ag・Pd・Cu)、銀・インジウム(Ag・In)などが挙げられる。
上記陽極を構成する各構成材料の中でも、本発明用いられる有機EL素子を構成する陽極としては、銀を主成分として構成し、厚さが2〜20nmの範囲内にある透明陽極であることが好ましいが、更に好ましくは厚さが4〜12nmの範囲内である。厚さが20nm以下であれば、透明陽極の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、高い光透過率が維持されるため好ましい。
本発明でいう銀を主成分として構成されている層とは、透明陽極中の銀の含有量が60質量%以上であることをいい、好ましくは銀の含有量が80質量%以上であり、より好ましくは銀の含有量が90質量%以上であり、特に好ましくは銀の含有量が98質量%以上である。また、本発明に係る透明陽極でいう「透明」とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
透明陽極においては、銀を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であってもよい。
また、本発明においては、陽極が、銀を主成分として構成する透明陽極である場合には、形成する透明陽極の銀膜の均一性を高める観点から、その下部に、下地層を設けることが好ましい。下地層としては、特に制限はないが、窒素原子又は硫黄原子を有する有機化合物を含有する層であることが好ましく、当該下地層上に、透明陽極を形成する方法が好ましい態様である。
〔発光層〕
有機EL素子を構成する発光層は、発光材料としてリン光発光化合物、又は蛍光性化合物(両者を総称して発光性化合物ともいう)を用いることができるが、本発明においては、特に、発光材料としてリン光発光化合物が含有されている構成が好ましい。
この発光層は、電極又は電子輸送層から注入された電子と、正孔輸送層から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であってもよい。
このような発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。この場合、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の厚さの総和は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1〜30nmの範囲内がさらに好ましい。なお、発光層の厚さの総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む厚さである。
以上のような発光層は、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)及びインクジェット法等の公知の方法により形成することができる。
また発光層は、複数の発光材料を混合してもよく、リン光発光材料と蛍光発光材料(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)とを同一発光層中に混合して用いてもよい。発光層の構成としては、ホスト化合物(発光ホスト等ともいう)及び発光材料(発光ドーパントともいう。)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
(ホスト化合物)
発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。さらにリン光量子収率が0.01未満であることが好ましい。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、又は、複数種のホスト化合物を用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機電界発光素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
発光層に用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
本発明に適用可能なホスト化合物としては、例えば、特開2001−257076号公報、同2001−357977号公報、同2002−8860号公報、同2002−43056号公報、同2002−105445号公報、同2002−352957号公報、同2002−231453号公報、同2002−234888号公報、同2002−260861号公報、同2002−305083号公報、米国特許出願公開第2005/0112407号明細書、米国特許出願公開第2009/0030202号明細書、国際公開第2001/039234号、国際公開第2008/056746号、国際公開第2005/089025号、国際公開第2007/063754号、国際公開第2005/030900号、国際公開第2009/086028号、国際公開第2012/023947号、特開2007−254297号公報、欧州特許第2034538号明細書等に記載されている化合物を挙げることができる。
(発光材料)
本発明で用いることのできる発光材料としては、リン光発光性化合物(リン光性化合物、リン光発光材料又はリン光発光ドーパントともいう。)及び蛍光発光性化合物(蛍光性化合物又は蛍光発光材料ともいう。)が挙げられるが、特に、リン光発光性化合物を用いることが、高い発光効率を得ることができる観点から好ましい。
〈リン光発光性化合物〉
リン光発光性化合物とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は、種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明においてリン光発光性化合物を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて、上記リン光量子収率として0.01以上が達成されればよい。
リン光発光性化合物は、一般的な有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)又は希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、少なくとも一つの発光層が、二種以上のリン光発光性化合物が含有されていてもよく、発光層におけるリン光発光性化合物の濃度比が発光層の厚さ方向で変化している態様であってもよい。
本発明に使用できる公知のリン光発光性化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物等が挙げられる。
Nature 395,151(1998)、Appl.Phys.Lett.78, 1622(2001)、Adv.Mater.19,739(2007)、Chem.Mater.17,3532(2005)、Adv.Mater.17,1059(2005)、国際公開第2009/100991号、国際公開第2008/101842号、国際公開第2003/040257号、米国特許出願公開第2006/835469号明細書、米国特許出願公開第2006/0202194号明細書、米国特許出願公開第2007/0087321号明細書、米国特許出願公開第2005/0244673号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。
また、Inorg.Chem.40,1704(2001)、Chem.Mater.16,2480(2004)、Adv.Mater.16,2003(2004)、Angew.Chem.Int.Ed.2006,45,7800、Appl.Phys.Lett.86,153505(2005)、Chem.Lett.34,592(2005)、Chem.Commun.2906(2005)、Inorg.Chem.42,1248(2003)、国際公開第2009/050290号、国際公開第2009/000673号、米国特許第7332232号明細書、米国特許出願公開第2009/0039776号、米国特許第6687266号明細書、米国特許出願公開第2006/0008670号明細書、米国特許出願公開第2008/0015355号明細書、米国特許第7396598号明細書、米国特許出願公開第2003/0138657号明細書、米国特許第7090928号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。
また、Angew.Chem.lnt.Ed.47,1(2008)、Chem.Mater.18,5119(2006)、Inorg.Chem.46,4308(2007)、Organometallics 23,3745(2004)、Appl.Phys.Lett.74,1361(1999)、国際公開第2006/056418号、国際公開第2005/123873号、国際公開第2006/082742号、米国特許出願公開第2005/0260441号明細書、米国特許第7534505号明細書、米国特許出願公開第2007/0190359号明細書、米国特許第7338722号明細書、米国特許第7279704号明細書、米国特許出願公開第2006/103874号明細書等に記載の化合物も挙げることができる。
さらには、国際公開第2005/076380号、国際公開第2008/140115号、国際公開第2011/134013号、国際公開第2010/086089号、国際公開第2012/020327号、国際公開第2011/051404号、国際公開第2011/073149号、特開2009−114086号公報、特開2003−81988号公報、特開2002−363552号公報等に記載の化合物も挙げることができる。
本発明においては、好ましいリン光発光性化合物としてはIrを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含む錯体が好ましい。
上記説明したリン光発光性化合物(リン光発光性金属錯体ともいう)は、例えば、Organic Letter誌、vol3、No.16、2579〜2581頁(2001)、Inorganic Chemistry,第30巻、第8号、1685〜1687頁(1991年)、J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第40巻、第7号、1704〜1711頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第41巻、第12号、3055〜3066頁(2002年)、New Journal of Chemistry.,第26巻、1171頁(2002年)、European Journal of Organic Chemistry,第4巻、695〜709頁(2004年)、さらにこれらの文献中に記載されている参考文献等に開示されている方法を適用することにより合成することができる。
〈蛍光発光性化合物〉
蛍光発光性化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
〔有機機能層群〕
次いで、有機機能層ユニットを構成する各層について、電荷注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び阻止層の順に説明する。
〔電荷注入層〕
電荷注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、電極と発光層の間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)にその詳細が記載されており、正孔注入層と電子注入層とがある。
電荷注入層としては、一般には、正孔注入層であれば、陽極と発光層又は正孔輸送層との間、電子注入層であれば陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させることができる。また、中間電極で用いられる場合は、隣接する電子注入層及び正孔注入層の少なくとも一方が、本発明の要件を満たしていればよい。
正孔注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陽極に隣接して配置される層であり、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
正孔注入層は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、正孔注入層に用いられる材料としては、例えば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、イソインドール誘導体、アントラセンやナフタレン等のアセン系誘導体、フルオレン誘導体、フルオレノン誘導体、及びポリビニルカルバゾール、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー、ポリシラン、導電性ポリマー又はオリゴマー(例えば、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン):PSS(ポリスチレンスルホン酸)、アニリン系共重合体、ポリアニリン、ポリチオフェン等)等が挙げられる。
トリアリールアミン誘導体としては、α−NPD(4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル)に代表されるベンジジン型や、MTDATA(4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン)に代表されるスターバースト型、トリアリールアミン連結コア部にフルオレンやアントラセンを有する化合物等が挙げられる。
また、特表2003−519432号公報や特開2006−135145号公報等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体も同様に正孔輸送材料として用いることができる。
電子注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陰極と発光層との間に設けられる層のことであり、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
電子注入層は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、電子注入層に好ましく用いられる材料の具体例としては、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等に代表されるアルカリ金属化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等に代表されるアルカリ金属ハライド層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物層、酸化モリブデン、酸化アルミニウム等に代表される金属酸化物、リチウム8−ヒドロキシキノレート(Liq)等に代表される金属錯体等が挙げられる。また、本発明における透明電極が陰極の場合は、金属錯体等の有機材料が特に好適に用いられる。電子注入層はごく薄い膜であることが望ましく、構成材料にもよるが、その層厚は1nm〜10μmの範囲が好ましい。
〔正孔輸送層〕
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層及び電子阻止層も正孔輸送層の機能を有する。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー及びチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物を用いることができ、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(略称:TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン及びN−フェニルカルバゾール等が挙げられる。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲である。この正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよい。
また、正孔輸送層の材料に不純物をドープすることにより、p性を高くすることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報及びJ.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
このように、正孔輸送層のp性を高くすると、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
〔電子輸送層〕
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料から構成され、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は、単層構造又は複数層の積層構造として設けることができる。
本発明においては、前述したように、陰極に隣接する電子輸送層が、前記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有する。
前記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有する電子輸送層の形成方法は特に限定されないが、例えば、下記のような実施形態がある。
(a)前記式(I)で表される構造を有する化合物と金属塩とを含む溶液を塗布し、加熱処理することで、金属塩が熱分解して金属酸化物を生じ、前記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有する電子輸送層を形成する。
(b)金属酸化物のナノ粒子と前記式(I)で表される構造を有する化合物とを含む溶液を塗布し、前記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有する電子輸送層を形成する。
(c)金属酸化物のナノ粒子を塗布し、金属酸化物の膜を形成する。その後、金属酸化物の膜に、前記式(I)で表される構造を有する化合物を含む溶液を塗布し、金属酸化物のナノ粒子に前記式(I)で表される構造を有する化合物を吸着させて、前記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有する電子輸送層を形成する。
積層構造の電子輸送層において、発光層に隣接する層部分を構成する電子輸送層以外の電子を輸送する機能を有する材料から構成される層に含まれる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体及びオキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送層の材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した高分子材料又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(略称:Znq)等及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送層の材料として用いることができる。
電子輸送層は、上記材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法等の公知の方法により、薄膜化することで形成することができる。電子輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は2nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲内である。電子輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる単一構造であってもよい。
〔阻止層〕
阻止層としては、正孔阻止層及び電子阻止層が挙げられ、上記説明した有機機能層ユニット3の各構成層の他に、必要に応じて設けられる層である。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層等を挙げることができる。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有する。正孔阻止層は、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有する。電子阻止層は、正孔を輸送する機能を有しつつ、電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に適用する正孔阻止層の層厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲である。
〔第2電極:陰極〕
陰極は、有機機能層群や発光層に電子を供給するために機能する電極膜であり、金属、合金、有機又は無機の導電性化合物若しくはこれらの混合物が用いられる。具体的には、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO及びSnO等の酸化物半導体などが挙げられる。
陰極は、これらの導電性材料やその分散液をスピンコート法、キャスト法、インクジェット法、蒸着法、印刷法等の方法により薄膜を形成させて作製することができる。また、第2電極としてのシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましく、厚さは通常5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。
なお、有機EL素子が、陰極側からも発光光Lを取り出す、両面発光型の場合には、光透過性の良好な陰極を選択して構成すればよい。
〔封止部材〕
有機EL素子を封止するのに用いられる封止手段としては、例えば、フレキシブル封止部材と、陰極及び透明基板とを封止用接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また透明性及び電気絶縁性は特に限定されない。
具体的には、フレキシブル性を備えた薄膜ガラス板、ポリマー板、フィルム、金属フィルム(金属箔)等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属フィルムとしては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる1種以上の金属又は合金が挙げられる。
本発明においては、封止部材としては、有機EL素子を薄膜化することできる観点から、ポリマーフィルム及び金属フィルムを好ましく使用することができる。さらに、ポリマーフィルムは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3mL/m・24h・atom(1atomは、1.01325×10Paである)以下であって、温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましい。
封止部材と有機EL素子の表示領域(発光領域)との間隙には、気相及び液相では窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコーンオイルのような不活性液体を注入することもできる。また、封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙を真空とすることや、間隙に吸湿性化合物を封入することもできる。
また、有機EL素子における発光機能層ユニットを完全に覆い、かつ有機EL素子における第1電極である陽極(3)と、第2電極である陰極(6)の端子部分を露出させる状態で、透明基板上に封止膜を設けることもできる。
このような封止膜は、無機材料や有機材料を用いて構成され、特に、水分や酸素等の浸入を抑制する機能を有する材料、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機材料が用いられる。さらに封止膜の脆弱性を改良するために、これら無機材料からなる膜とともに、有機材料からなる膜を用いて積層構造としてもよい。
これらの封止膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
以上のような封止材は、有機EL素子における第1電極である陽極(3)と、第2電極である陰極(6)の端子部分を露出させるとともに、少なくとも発光機能層を覆う状態で設けられている。
《有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法》
有機EL素子の製造方法としては、透明基材上に、陽極、有機機能層群1、発光層、有機機能層群2及び陰極を積層して積層体を形成する。
まず、透明基材を準備し、該透明基材上に、所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲内の厚さになるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を形成する。同時に、陽極端部に、外部電源と接続する接続電極部を形成する。
次に、この上に、有機機能層群1を構成する正孔注入層及び正孔輸送層、発光層、有機機能層群2を構成する電子輸送層等を順に積層する。
これらの各層の形成は、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、蒸着法、印刷法等があるが、均質な層が得られやすく、かつ、ピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法又はインクジェット法が特に好ましい。更に、層ごとに異なる形成法を適用してもよい。これらの各層の形成に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度1×10−6〜1×10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、層厚0.1〜5μmの範囲内で、各条件を適宜選択することが望ましい。
以上のようにして有機機能層群2を形成した後、この上部に陰極をスピンコート法、キャスト法、インクジェット法、蒸着法、印刷法などの適宜の形成法によって形成する。この際、陰極は、有機機能層群によって陽極に対して絶縁状態を保ちつつ、有機機能層群の上方から透明基板の周縁に端子部分を引き出した形状にパターン形成する。
陰極の形成後、これら透明基材、陽極、有機機能層群、発光層及び陰極を封止材で封止する。すなわち、陽極及び陰極の端子部分を露出させた状態で、透明基材上に、少なくとも有機機能層群を覆う封止材を設ける。
中でも、インクジェット印刷法等の湿式塗布方式により形成することが生産性や加工適性の観点から好ましい実施形態である。
〔インクジェット印刷法〕
以下、インクジェット印刷法による形成方法について、その一例を、図を交えて説明
する。
図3は、湿式塗布方式の一例であるインクジェット印刷方式を用いた電子デバイスの形成方法の一例を示す概略図である。
図4は、インクジェットヘッド30を用いた湿式塗布装置を用いて、基材1上に本発明の電子デバイス用組成物を含むインクを吐出する方法の一例を示してある。
図3に示すように、一例として、基材1を連続的に搬送しながら、インクジェットヘッド30により電子デバイス形成材料を含むインクを、インク液滴として順次射出して、例えば、電子デバイスである電子輸送層を形成する。
本発明の有機ELデバイスの製造方法に適用可能なインクジェットヘッド30としては、特に限定はなく、例えばインク圧力室に圧電素子を備えた振動板を有しており、この振動板によるインク圧力室の圧力変化でインク液を吐出させる剪断モード型(ピエゾ型)のヘッドでもよいし、発熱素子を有しており、この発熱素子からの熱エネルギーによりインク液の膜沸騰による急激な体積変化によりノズルからインク液を吐出させるサーマルタイプのヘッドであってもよい。
インクジェットヘッド30には、射出用のインク液の供給機構などが接続されている。インク液の供給はタンク38Aにより行われる。インクジェットヘッド30内のインク液圧力を常に一定に保つようにこの例ではタンク液面を一定にする。その方法としては、インク液をタンク38Aからオーバーフローさせてタンク38Bに自然流下で戻している。タンク38Bからタンク38Aへのインク液の供給は、ポンプ31により行われており、射出条件に合わせて安定的にタンク38Aの液面が一定となるように制御されている。
なお、ポンプ31からタンク38Aへインク液を戻す際には、フィルター32を通してから行われている。このように、インク液はインクジェットヘッド30へ供給される前に絶対濾過精度又は準絶対濾過精度が0.05〜50μmの濾材を少なくとも1回は通過させることが好ましい。
また、インクジェットヘッド30の洗浄作業や液体充填作業などを実施するためにタンク36よりインク液が、タンク37より洗浄溶媒がポンプ39によりインクジェットヘッド30へ強制的に供給可能となっている。インクジェットヘッド30に対してこうしたタンクポンプ類は複数に分けても良いし、配管の分岐を使用しても良い、またそれらの組み合わせでもかまわない。図4では配管分岐33を使用している。さらにインクジェットヘッド30内のエアーを十分に除去するためにタンク36よりポンプ39にてインクジェット30へインク液を強制的に送液しながら下記に記すエアー抜き配管からインク液を抜き出して廃液タンク34に送ることもある。
図5は、インクジェット印刷方式に適用可能なインクジェットヘッドの構造の一例を示す概略外観図である。
図5の(a)は、本発明に適用可能なインクジェットヘッド100を示す概略斜視図であり、図5の(b)は、インクジェットヘッド100の底面図である。
本発明に適用可能なインクジェットヘッド100は、インクジェットプリンタ(図示略)に搭載されるものであり、インクをノズルから吐出させるヘッドチップと、このヘッドチップが配設された配線基板と、この配線基板とフレキシブル基板を介して接続された駆動回路基板と、ヘッドチップのチャネルにフィルターを介してインクを導入するマニホールドと、内側にマニホールドが収納された筐体56と、この筐体56の底面開口を塞ぐように取り付けられたキャップ受板57と、マニホールドの第1インクポート及び第2インクポートに取り付けられた第1及び第2ジョイント81a、81bと、マニホールドの第3インクポートに取り付けられた第3ジョイント82と、筐体56に取り付けられたカバー部材59とを備えている。また、筐体56をプリンタ本体側に取り付けるための取り付け用孔68がそれぞれ形成されている。
また、図5の(b)で示すキャップ受板57は、キャップ受板取り付け部62の形状に対応して、外形が左右方向に長尺な略矩形板状として形成され、その略中央部に複数のノズルが配置されているノズルプレート61を露出させるため、左右方向に長尺なノズル用開口部71が設けられている。また、図5のaで示すインクジェットヘッド内部の具体的な構造に関しては、例えば、特開2012−140017号公報に記載されている図2等を参照することができる。
図5にはインクジェットヘッドの代表例を示したが、そのほかにも、例えば、特開2
012−140017号公報、特開2013−010227号公報、特開2014−058171号公報、特開2014−097644号公報、特開2015−142979号公報、特開2015−142980号公報、特開2016−002675号公報、特開2016−002682号公報、特開2016−107401号公報、特開2017−109476号公報、特開2017−177626号公報等に記載されている構成からなるインクジェットヘッドを適宜選択して適用することができる。
(インクの調製)
本発明の電子デバイスの製造方法においては、上記の各構成材料をそのまま電子デバイス用インクとして使用する方法の他、インクジェット印刷方式に適性を有するインクとするため、構成材料をインク溶媒等に溶解して電子デバイス用インクを調製する、及び各種機能性添加剤を含有させることができる。
(インク溶媒)
本発明係る電子デバイス用インク(以下、単にインクともいう。)を調製する場合、本発明に係る成分A、成分B及び成分Cの他に公知の各種有機溶媒を用いることができる。
本発明に係るインクに適用可能な有機溶媒としては、例えば、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
(その他の添加剤)
本発明の電子デバイス用インクには、本発明の目的効果を損なわない範囲で、吐出安定性、プリントヘッド適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、溶媒、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防バイ剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができる。
有機EL素子は、電子機器、例えば、表示装置、ディスプレイ、各種発光装置として用いることができる。発光装置として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[金属酸化物インクの調製]
(ZnOインク)
酢酸亜鉛(Zn(Ac))2.0g(10.9mmol)とイオン交換水360μLをメタノール100mLに加えて撹拌し、60℃に加熱した。これに、水酸化カリウム(KOH)1.17g(20.9mmol)をメタノール55mlに溶解した溶液を10〜15分間かけて滴下させた。60℃で3時間撹拌した後、溶媒をTFPO(1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール)に置換した後、0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターを通してろ過し、粒径6〜7nmのZnOナノインク(C−1)を得た。
(AZOインク)
酢酸亜鉛(Zn(Ac))2.0g(10.9mmol)、硝酸アルミニウム(Al(NO)0.077g(0.36mmol)、イオン交換水360μLをメタノール100mLに加えて撹拌し、60℃に加熱した。これに、水酸化カリウム(KOH)1.17g(20.9mmol)をメタノール55mLに溶解した溶液を10〜15分間かけて滴下させた。60℃で3時間撹拌した後、溶媒をTFPO(1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール)に置換した後、0.45μmのPTFEフィルターを通してろ過し、粒径6〜7nmのアルミニウムドープZnO(AZO)ナノインク(C−2)を得た。
(ZrOインク)
イオン交換水250gにオキシ塩化ジルコニウム8水塩(ZrOCl・8HO)6.5g(20.2mmol)を溶解し、これにリンゴ酸1.1g(8.2mmol)を添加し、ついで、濃度10質量%のKOH水溶液30gを添加した後、水熱処理(オートクレーブ200℃2時間)を行った。その後、溶媒をTFPO(1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール)に置換した後、0.45μmのPTFEフィルターを通してろ過し、粒径10〜13nmのZrOナノインク(C−3)を得た。
(TiOインク)
15℃に保持したイオン交換水に9gの炭酸アンモニウム(93.7mmol)を溶解し、100mLの水溶液を得た後、攪拌しながら四塩化チタン溶液6.1g(32.3mmol)を徐々に滴下した。15℃にて1時間撹拌を継続し酸化チタンの沈殿物を得た。この沈殿物を濾別、洗浄し、イオン交換水を加え90mlの酸化チタンゾルを得た。この酸化チタンゾルを水熱処理(オートクレーブ230℃12時間)を行った。その後、溶媒をTFPO(1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール)に置換した後、0.45μmのPTFEフィルターを通してろ過し、粒径15〜20nmのTiOナノインク(C−4)を得た。
〔実施例1〕
《有機EL素子1の作製》
(陽極の形成)
縦50mm、横50mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、ITO(インジウムスズ酸化物)を120nmの厚さで成膜してパターニングを行い、ITO透明電極からなる陽極を形成した。その後、イソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
(正孔注入層の形成)
ITO陽極上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSSと略記、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、200℃にて1時間乾燥し、厚さ30nmの正孔注入層を設けた。
(正孔輸送層の形成)
この基板を、窒素ガス(グレードG1)を用いた窒素雰囲気下に移し、下記組成の正孔輸送層形成用塗布液を用いて、1500rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、130℃で30分間保持し、厚さ30nmの正孔輸送層とした。
<正孔輸送層形成用塗布液>
正孔輸送材料 B1(重量平均分子量Mw=80000) 15質量部
クロロベンゼン 3000質量部
Figure 2020155539
(発光層の形成)
次いで、下記組成の発光層形成用塗布液を1500rpm、30秒でスピンコート法によりそれぞれ製膜した後、120℃で30分間保持し、乾燥後の厚さが40nmの発光層を形成した。
〈発光層形成用塗布液〉
ホスト化合物 B2 10質量部
発光性化合物 B3 1質量部
酢酸プロピレン 2200質量部
Figure 2020155539
(電子輸送層の形成)
続いて、ZnOインク(C−1)をスピンコート法により乾燥後40nmの厚さとなるように成膜した。更に例示化合物(A−6)の、1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール(TFPO)溶液(0.02質量%)を1000rpm、30秒でスピンコート法により塗布した後、120℃で30分間保持し、電子輸送層を形成した。なお、電子輸送層の吸収スペクトルのピーク波長における吸光度は0.08であった。
(陰極及び封止)
次に、アルミニウム100nmを蒸着して陰極を形成した後、上記発光素子の非発光面をガラスケースで多い、発光素子が作成されたガラス基板(支持基盤)と接触する、発光素子を覆うガラスケースの周辺部に、エポキシ系光硬化型接着剤(東亜合成社製ラクストラックLC0629B)によるシール剤を設けた。そして、このシール材を上記発光素子の陰極側に重ねてガラス基板と密着させた。その後、ガラスケース側からUV光を照射してシール材を硬化することで発光素子を封止し、有機EL素子1を作製した。なお、ガラスケースでの封止作業は、発光素子を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った。
《有機EL素子2〜6の作製》
有機EL素子1の作製における電子輸送層の形成において、例示化合物(A−6)を、それぞれ表に示した化合物を変えて、そのほかの手順は有機EL素子1の作製と同様にして、有機EL素子2〜6の作製を行った。
《有機EL素子7〜10の作製》
有機EL素子1の作製における電子輸送層の形成において、ZnOインク(C−1)及び例示化合物(A−6)を、それぞれ表に示した金属酸化物を含有するインク及び例示化合物を変えて、そのほかの手順は有機EL素子1の作製と同様にして、有機EL素子7〜10の作製を行った。
《有機EL素子11の作製》
有機EL素子1の作製における発光層の形成において、発光性化合物B3を発光性化合物B4に変えて、さらに電子輸送層の形成において、化合物(A−6)を表に示した例示化合物を変えて、そのほかの手順は有機EL素子1の作製と同様にして、比較の有機EL素子11の作製を行った。
Figure 2020155539
《有機EL素子12の作製》
有機EL素子1の作製における電子輸送層の形成において、ZnOインク(C−1)及び例示化合物(A−6)を、それぞれ表に示した金属酸化物を含有するインク及び例示化合物を変えて、そのほかの手順は有機EL素子1の作製と同様にして、有機EL素子12の作製を行った。
[LUMOエネルギー準位]
吸光性化合物のLUMOエネルギー準位EDLは、以下のようにHOMOエネルギー準位(EDH)を測定して、求めたEDHに表で示したEgを加えることにより求めた(EDL=EDH+Eg)。
吸光性化合物のHOMOのエネルギー準位(EDH)は、イオン化ポテンシャルの測定値(正の値)を負の値として定義した。イオン化ポテンシャルは大気中光電子分光装置(AC−3(理研計器(株)製))で測定した。
吸光性化合物のLUMOのエネルギー準位(EDL)は、下記のように定義した。
DL= EDH+Eg
ここで、Egは、吸光性化合物のHOMOとLUMOのエネルギーギャップに相当する励起エネルギーを表し、吸光性化合物の吸収スペクトルの吸収ピークの5%強度となる長波長側吸収端波長のエネルギー(eV単位換算値)とした。
吸光性化合物の吸収スペクトルの測定は、日立ハイテク製の分光光度計U−3300を用いて行った。吸光性化合物を10−6〜10−4mol/Lの濃度でエタノール溶液として測定した。
[発光スペクトルと吸収スペクトルの重なり]
発光層中の発光性化合物の発光波長領域と前記式(I)で表される構造を有する化合物(吸光性化合物)の吸収波長領域に重なり部分は、前述した発光性化合物の発光スペクトルと吸光性化合物の吸収スペクトルを測定して、発光性化合物の発光スペクトルピーク波長λemと吸光性化合物の吸収スペクトルピーク波長λaの差が200nm以下の範囲である場合、発光スペクトルと吸収スペクトルの重なりがあるものと判定した。
《評価》
<駆動電圧>
室温(25℃)で、1000cd/mの定輝度条件下による点灯を行い、ケースレー社製の「2400型ソースメーター」により、有機EL素子への電圧印加と電流測定を行い、分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタセンシング社製)を用いて、各サンプルの発光輝度を測定し、発光輝度1000cd/mにおける駆動電圧を求めた。
なお、表Iでは、有機EL素子1の初期の駆動電圧を1.00として、各有機EL素子の駆動電圧を相対値で示した。
<耐久性の評価>
上記有機EL素子1〜12のそれぞれを、400μAの電流を25℃で50時間通電保持した。その後、室温(25℃)で、1000cd/mの定輝度条件下による点灯を行い、ケースレー社製の「2400型ソースメーター」により、有機EL素子への電圧印加と電流測定を行い、分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタセンシング社製)を用いて、各サンプルの発光輝度を測定し、発光輝度1000cd/mにおける駆動電圧を求めた。表Iでは、有機EL素子1の初期の駆動電圧を1.00として、各有機EL素子の耐久試験後の駆動電圧を相対値で示した。
なお、値が小さいものほど安定性が高いことを示している。
Figure 2020155539
表Iより、本発明の有機EL素子は、比較の有機エレクトロルミネッセンス素子に比べて駆動電圧が低く、経時駆動しても電圧上昇が抑制されていることが分かる。比較例1は、赤色に発光したが、式(I)で表される構造を有する化合物(吸光性化合物)の長波端が赤色領域までなくて、発光スペクトルと記式(I)で表される構造を有する化合物の吸収スペクトルに重なり部分がなかった。また、比較例2はΔEが0.3eV以上なかった。このため初期及び経時駆動での駆動電圧の大きな上昇がみられた。
100 有機EL素子
101 基材
102 陽極
103 正孔注入層
104 正孔輸送層
105 発光層
106 正孔阻止層
107 電子輸送層
108 電子注入層
109 陰極
110 機能層
1 基材
2 評価用単膜
30、100 インクジェットヘッド
31 ポンプ
32 フィルター
33 配管分岐
34 廃液タンク
35 制御部
36 タンク
37 タンク
38A タンク
38B タンク
39 ポンプ
30b 圧電性基板
30c 天板
30d ノズル板
30e インク液供給管
30f 配管
56 筐体
57 キャップ受板
59 カバー部材
61 ノズルプレート
62 キャップ受板取付部
68 取付用孔
71 ノズル用開口部
81a 第1ジョイト
81b 第2ジョイント
82 第3ジョイント

Claims (4)

  1. 基板上に、対となる陰極と陽極と、発光層と前記陰極に隣接する電子輸送層とを含む有機機能層とを、備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記電子輸送層が、下記式(I)で表される構造を有する化合物と金属酸化物とを含有し、
    下記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)が、前記金属酸化物伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)より高く、
    下記式(I)で表される構造を有する化合物のLUMOエネルギー準位(EDL)と前記金属酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位(ECB)とのエネルギー差ΔE(EDL−ECB)が、0.3eV以上であり、
    前記発光層中の発光性化合物の発光波長領域と下記式(I)で表される構造を有する化合物の吸収波長領域に重なり部分があることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020155539
    (式中、Arは、置換若しくは非置換の、芳香族炭化水素基又は複素環基を表す。ただし、Arが、ジメチルアミノ基を有するものを除く。Xは、酸性基、電子吸引性基又は電子吸引性環構造を有する有機残基を表す。nは、1〜4の整数を表す。nが複数のとき、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記式(I)で表される構造を有する化合物が、下記式(II)で表されるトリフェニルアミン骨格を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020155539
    (式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は非置換のベンゼン環を表す。Xは、酸性基、電子吸引性基又は電子吸引性環構造を有する有機残基を表す。ただし、Ar、Ar又はArが、ジメチルアミノ基を有するものを除く。nは、1〜4の整数を表す。nが複数のとき、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。)
  3. 前記電子輸送層が、前記金属酸化物として、酸化亜鉛を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記金属酸化物が、ナノ粒子であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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