以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成または論理的意義を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成または論理的意義を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
[1.第1の実施形態]
[1.1 情報処理システムの構成例]
[1.1.1 情報処理システムの構成]
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。図1に示すように、情報処理システムは、路側機10と、路側機20と、信号機制御装置30と、信号機40、車両50Eと、車両50F、車載器60と、通信網70と、通信線80と、通信線90とで構成される。以下に、本実施形態に係る情報処理システムに含まれる各構成の概要について説明する。
<路側機10>
路側機10は、後述の車両50Eと後述の路側機20より各種情報を受信し、車両50Eが信号無視車両か否かに応じて、後述の信号機制御装置30に対し、制御情報を送信する機能を有する。路側機10は撮像機能を有するカメラを備える。当該カメラを備える路側機10の筐体面を路側機10の前方向とする。路側機10は当該筐体面が道路側に向くように設置される。路側機10は、路側機10の前を通過する車両50Eが赤信号無視の車両か否かを判定する。路側機10は、路側機10の前を通過する車両50Eを赤信号無視の車両50か否かを判定し、当該車両50Eが赤信号無視の車両である場合、当該車両50Eと後述の車両50Fとが衝突するか否かを推定し、衝突すると推定した場合に信号機制御装置30に対し、予め設定された灯火順と灯火秒数を一時的に変更させる制御情報を送信する。
<路側機20>
路側機20は、後述の車両50Eより各種情報を受信し、受信した各種情報を路側機10に送信する機能を有する。詳細には、路側機20は、路側機20の前を通過する車両50Eから各種情報を受信した場合に、受信した各種情報を路側機10に送信する。
<信号機制御装置30>
信号機制御装置30は、予め設定された灯火順と灯火秒数の情報(設定情報)に基づいて後述の信号機40を制御する機能を有する。設定情報とは、信号機40に灯火させる信号の色の順番や、信号の色毎に定められた灯火の秒数である。さらに、信号機制御装置30は、路側機10より制御情報を受信した場合、受信した制御情報に基づいて設定情報とは異なる灯火順と灯火秒数で信号機40を制御する機能を有する。なお、信号機制御装置30は、本実施例において交差点に設置される各信号機40に対応して設置され、信号機制御装置30A、信号機制御装置30B、信号機制御装置30C、信号機制御装置30Dがある。信号機制御装置30A、信号機制御装置30B、信号機制御装置30C、信号機制御装置30Dについて後段で説明をする。
<信号機40>
信号機40は、信号機制御装置30から受信する制御情報に従い車両の進行可否を示す信号を灯火する機能を有する。なお、信号機40は、本実施例において交差点に設置される各信号機制御装置30に対応して設置され、信号機40A、信号機40B、信号機40C、信号機40Dがある。各信号機40はそれぞれの信号機が設置される道路を走行する車両用の信号機である。信号機40A、信号機40B、信号機40C、信号機40Dについて後段で説明をする。
<車両50E、車載器60>
車両50Eは、DSRC方式の無線通信機を内蔵した車載器60を備える。車載器60は、車載器60のID情報(車載器識別情報)として、例えばWCN(Wireless Call Number)情報(車載器60に付与されている固有番号)を送信する機能を有する。なお、本実施例において、車両50Eは一般的な自動車と想定するが、特に自動車に限定されるものではなく、バス、トラック、自動二輪車などであってよい。その場合、バス、トラック、自動二輪車はそれぞれ上述の車載器60同様の無線通信機を備える。また、車載器60は常時WCN情報を送信している。
<車両50F>
車両50Fは、車両50Eと同様の機能を有する。なお、車両50Fは、車両50Eが走行する道路と交差する道路にいると推定される車両である。以降、特に車両50Fと車両50Eを区別する必要がない場合は車両50として説明する。
<通信網70>
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムは、通信網70に接続されており、当該通信網70を介して路側機10と信号機制御装置30とが接続される。通信網70は、有線又は無線であって、例えば、路側機10と信号機制御装置30とを接続する専用回線や、衛星通信網等の既存の公衆回線網や、インターネット、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN又はWAN等の任意の通信ネットワークから構成される。
<通信線80>
通信線80は、路側機10と路側機20の間の情報の送受信に利用されるネットワークである。通信線80は、有線又は無線であり、例えば、路側機10と路側機20とを接続する専用線、有線LAN(Local Area Network)又は無線LANから構成される。
<通信線90>
通信線90は、信号機制御装置30と信号機40の間の情報の送受信に利用されるネットワークである。通信線90は、有線又は無線であり、例えば、信号機制御装置30と信号機40とを接続する専用線、有線LAN(Local Area Network)又は無線LANから構成される。
以上が情報処理システムに含まれる各構成の概要である。次に、本実施形態に係る情報処理システムの概要について説明をする。
[1.1.2 情報処理システムの概要]
本実施形態に係る情報処理システムの概要について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの各構成の交差点1における配置の一例を示す説明図である。最初に、交差点1について説明をする。交差点1は、図2に示すように、第1道路5及び第2道路6が交差する図2の点線で囲まれる領域である。第1道路5について説明をする。4車線からなる第1道路5は、車両50Fが走行する予定の第1走行レーン5A(2車線)と、第1走行レーンに対向する第1対向レーン5B(2車線)とから構成される。第2道路6について説明をする。4車線からなる第2道路6は、車両50Eが走行する予定の第2走行レーン6A(2車線)と、第2走行レーンに対向する第2対向レーン6B(2車線)とから構成される。また、交差点1内の道路には、車両50の停止位置を示す停止線2や、歩行者が交差点1内を安全に横断するための歩行範囲を示す横断歩道3が描かれている。また、各道路の隣には歩道4が設けられる。当該交差点1において、情報処理システムは、複数の路側機10と、複数の路側機20と、複数の信号機制御装置30と、複数の信号機40とで構成される。また、各路側機10、各路側機20、各信号機制御装置30、各信号機40は交差点1の隅部周辺に設置される。
なお、信号機40は、一般的な信号機である。信号機40は、青色/赤色/黄色の信号色のいずれかの一つの灯火によって、進入可能、進入不可及び進入可能から進入不可へと遷移していることを示す。ここで、「進入可能」は車両の交差点1への進入を許可していることを示し、この場合、信号機40は青色を灯火する(以下、灯火した信号を青信号という)。また、「進入不可」は車両の交差点1への進入を禁止していることを示し、この場合、信号機40は赤色を灯火する(以下、灯火した信号を赤信号という)。また、「進入可能から進入不可への遷移」とは、「進入可能」から「進入不可」に遷移している状態であって原則的に車両の交差点1への進入を禁止していることを示し、この場合、信号機40は黄色を灯火する(以下、灯火した信号を黄信号という)。黄信号は、原則として停止線2を越えてはならないことを意味し、停止線2等の直前で停止しなければならないが、安全に停止できない場合にはそのまま進入しても良いことを示す。安全に停止できない場合とは、黄信号になった時点で車両50の位置が停止線2に近く、止まるには車両50が急ブレーキ等を必要とする場合である。
図2に戻り、各路側機10、各路側機20、各信号機制御装置30、各信号機40の交差点1における配置の詳細について説明をする。路側機10は、交差点1の各道路の停止線2から交差点1までの間に設置される情報処理装置である。路側機20は、交差点1の各道路の停止線2手前に設置される。路側機10と路側機20は停止線2が描かれている交差点1手前の各レーンの歩道4上に設置され、例えば、第2走行レーン6Aの停止線2が描かれている交差点1手前の歩道4上に路側機10と路側機20が設置される。信号機制御装置30は、停止線2が描かれていない交差点1を超えた各レーンの歩道4上に設置される。ここでは、信号機制御装置30A、信号機制御装置30B、信号機制御装置30C、信号機制御装置30Dの4つの信号機制御装置30が設置される。詳細には、信号機制御装置30Aは第2走行レーン6Aの交差点1を超えた歩道4上に設置され、信号機制御装置30Cは第2対向レーン6Bの交差点1を超えた歩道4上に設置される。また、信号機制御装置30Bは第1走行レーン5Aの交差点1を超えた歩道4上に設置され、信号機制御装置30Dは第1対向レーン5Bの交差点1を超えた歩道4上に設置される。信号機40は、停止線2が描かれていない交差点1を超えた各レーンの所定高さの位置に設置される。所定の高さとは、地上から5mであり、大型車両の通過障害とらない程度の高さである。ここでは、信号機40A、信号機40B、信号機40C、信号機40Dの4つの信号機40が設置される。信号機40Aは第2走行レーン6Aを走行する車両用の信号機である。信号機40Bは第1走行レーン5Aを走行する車両用の信号機である。信号機40Cは第2対向レーン6Bを走行する車両用の信号機である。信号機40Dは第1対向レーン5Bを走行する車両用の信号機である。各信号機制御装置30は、各信号機40周辺に設置される。なお、各信号機制御装置30は上述の通り、各信号機40に対応して設置される。信号機制御装置30Aは信号機40Aを制御する装置であり、信号機制御装置30Bは信号機40Bを制御する装置であり、信号機制御装置30Cは信号機30Cを制御する装置であり、信号機制御装置30Dは信号機40Dを制御する装置である。
次に、交差点1を構成する第1道路5及び第2道路6の道路幅、路側機10から交差点1までの距離、路側機10から路側機20までの距離について図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの各構成の交差点1における各種距離情報を説明する説明図である。道路幅Gは、第1道路5の道路幅を示す。1車線が3メートルの場合、第1道路5は4車線道路であるので幅12mである。道路幅Hは、第2道路6の道路幅を示し、道路幅Hは幅12mである。距離Iは、第2道路6の第2走行レーン6A沿いに設置している路側機10から交差点1までの距離を示し、距離Iは3mである。距離Jは、第1道路5の第1走行レーン5A沿いに設置している路側機10から交差点1までの距離を示し、距離Jは2mである。距離Kは、路側機10から路側機20までの距離を示し、距離Kは10mである。
以上が本実施形態に係る情報処理システムの概要である。次に、路側機10と、路側機20と、信号機制御装置30と、信号機40、車両50と車載器60の各構成の詳細について説明をする。
[1.1.3 路側機10の構成例]
本実施形態に係る路側機10の構成の詳細について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る路側機10の構成を示すブロック図である。図4に示すように、路側機10は、通信部11と、車速算定部12と、記憶部13と、信号無視車両判定部14と、車両位置推定部15と、事故発生推定部16と、非常灯火情報生成部17と、制御部18とを有する。以下に、路側機10の各機能部について説明する。
通信部11は、通信網70を通じて各信号機制御装置30と接続し、通信線80を通じて路側機20と接続し、無線通信網を通じて車両50と接続するインターフェースである。通信部11は、車両50から無線通信網を通じてWCN情報を受信する。WCN情報とは、車両50の識別情報である。通信部11は、車両50から受信したWCN情報と受信時間情報を紐づけて記憶部13に格納する機能を有する。受信時間情報とは受信した時間のミリ秒単位の情報である。また、通信部11は、路側機20から路側機20が受信したWCN情報と受信時間情報を受信すると、受信したWCN情報と受信時間情報を紐づけて記憶部13に格納する機能を有する。また、通信部11は、後述する各信号機制御装置30から現示状態情報、切換予定時刻情報を受信すると、受信した現示状態情報、切換予定時刻情報を記憶部13に格納する機能を有する。現示状態情報とは、各信号機制御装置30が信号機40に現在灯火させている信号の色の情報である。切換予定時刻情報とは、各信号機制御装置30が信号機40に現在灯火させている信号から次の信号へと切換る予定時刻の情報である。なお、切換予定時刻情報は、現在時刻から何秒後に現在灯火させている信号から次の信号へと切換るといった情報であってもよい。また、通信部11は、後述の制御部18の制御情報により、非常灯火情報生成部17で生成した非常灯火情報を各信号機制御装置30へ送信する機能を有する。非常灯火情報とは、各信号機制御装置30に予め設定される設定情報とは異なる灯火順に一時的に変更させる制御情報と、各信号機制御装置30に予め設定される設定情報とは異なる灯火秒数に一時的に変更させる制御情報が含まれる情報である。設定情報とは、上述の通り、予め設定された灯火順と灯火秒数の情報である。非常灯火情報の詳細な説明は後述する。
車速算定部12について説明をする。車速算定部12は、路側機10が受信したWCN情報と受信時間情報と、路側機20から受信したWCN情報と受信時間情報と、距離Kの情報から、路側機10の前を通過した車両50の車速を算定する機能を有する。車速算定部12は、車両50の車速を計算し、車速情報を取得する取得部と記載することがあるが、取得部と車速算定部12は同一の機能である。
記憶部13について説明をする。記憶部13は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどである。記憶部13には、路側機10を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。また、記憶部13には、道路幅Gと、道路幅Hと、距離Iと、距離Jと、距離Kの距離情報が格納される。また、記憶部13には、車速の閾値情報が格納される。車速の閾値情報は、後述の信号無視車両判定部14で算定した車両50の車速が信号無視車両であるか否か判定する際に使用される値である。車速の閾値は、停車するには車両50が急ブレーキ等を必要とする速度であって、例えば20km/hである。また、記憶部13には、路側機10が受信したWCN情報と受信時間情報と、路側機20から受信したWCN情報と受信時間情報とが格納される。また、記憶部13には、各信号機制御装置30から受信した現示状態情報と、切換予定時刻情報とが格納される。
信号無視車両判定部14について説明をする。信号無視車両判定部14は、車両50からWCN情報受信時の各信号機40の現示状態が赤信号の場合に、車速算定部12で算定した車速が記憶部13に格納される車速の閾値以上であると、当該車両50を信号無視車両と判定する機能を有する。以下、信号無視車両判定部14で信号無視車両と判定された車両を信号無視車両50Eとする。
車両位置推定部15について説明をする。車両位置推定部15は、信号無視車両50Eが走行する道路と交差する道路の信号機40の赤色信号から青色信号へ切り替わる切換予定時刻における信号無視車両50Eの位置と、それ以降の所定間隔後の時刻における信号無視車両50Eの位置とを、車速算定部12で算定した車速に基づいてそれぞれ推定する機能を有する。所定間隔とは例えば0.1秒である。また、車両位置推定部15は、信号無視車両50Eが走行する道路と交差する道路に停車していると推定される車両50の切換予定時刻以降の所定間隔の時刻における位置を予め設定された車速に基づいて推定する機能を有する。停車していると推定される車両50を、以下停車車両50Fとする。車両位置推定部15で推定した信号無視車両50E、停車車両50Fの各位置を推定位置とする。予め設定された車速とは、停車車両50Fが停止している状態から発進し交差点内に進入するまでの平均の速度である。平均の速度は、例えば30km/hである。なお、停止状態からの加速となることで停止車両50Fの実際の平均速度は15km/h程度であることが多いが、本実施例においては説明の便宜上、平均速度は30km/hとする。
事故発生推定部16について説明をする。事故発生推定部16は、車両位置推定部15で算定した切換予定時刻における信号無視車両50Eの推定位置が交差点1内にあると推定した場合に、車両位置推定部15で算定した切換予定時刻以降の所定間隔の時刻における信号無視車両50Eの推定位置と、停車車両50Fの切換予定時刻以降の所定間隔の時刻における推定位置とが重なるか、或いは、車両位置推定部15で推定した切換予定時刻以降の所定間隔の時刻における信号無視車両50Eの推定位置と、停車車両50Fの切換予定時刻以降の所定間隔の時刻における推定位置とが所定の距離以内であるかを判別する機能を有する。所定の距離とは、車両と車両とが衝突すると推定できる距離であり、例えば1mである。事故発生推定部16は、信号無視車両50Eの推定位置と、停車車両50Fの推定位置とが重なる場合、或いは、信号無視車両50Eの推定位置と、停車車両50Fの推定位置との距離が所定距離以内の場合に、切換予定時刻以降に停車車両50Fが走行すると推定される道路の信号機40が次の表示に切り換わると交通事故が発生すると推定する。なお、事故発生推定部16は、各車両50を一般的な車両のサイズと想定した車両領域で各車両50の重なりや所定距離を判定してもよい。
非常灯火情報生成部17について説明をする。非常灯火情報生成部17は、事故発生推定部16で交通事故が発生すると推定した場合に、上述の非常灯火情報を生成する機能を有する。非常灯火情報には、各信号機制御装置30に予め設定される設定情報とは異なる灯火順に一時的に変更させる制御情報と当該制御の対象となる信号機制御装置IDの情報と、各信号機制御装置30に予め設定される設定情報とは異なる灯火秒数に一時的に変更させる制御情報と当該制御の対象となる信号機制御装置IDの情報とが含まれる。予め設定される設定情報とは異なる灯火順に一時的に変更させる制御情報について説明する。予め設定される設定情報の灯火順が、青信号、黄信号、赤信号の順をループする場合、設定情報に従うと赤信号の次は青信号の灯火順になるが、これを一時的に赤信号から黄信号の灯火順に変更させるのが当該制御情報である。また、当該制御情報には、灯火順と当該灯火する信号の設定情報に基づく灯火秒数の情報が含まれる。後述するが、黄信号の設定情報の灯火秒数は5秒であるので、当該制御情報には黄信号を5秒間灯火させる制御情報と、その対象となる信号機制御装置30の信号機制御装置IDの情報が紐づけされている。次に、予め設定される設定情報とは異なる灯火秒数に一時的に変更させる制御情報について説明する。予め設定される赤信号の灯火秒数が51秒の場合、設定情報に従うと赤信号を51秒間灯火するが、これを一時的に赤信号の灯火秒数を一時的に56秒に変更させるのが当該制御情報である。設定情報よりも5秒間長く変更したのは、他の制御情報で設定情報とは異なる灯火順の黄信号を5秒間灯火させた後に青信号、黄信号の設定情報の灯火順に戻すべく、その間は赤信号を灯火させる必要があり、黄信号の5秒を赤信号の設定の灯火秒数である51秒に追加する必要があるためである。当該制御情報には赤信号灯火秒数を56秒間に延長させる制御情報と、その対象となる信号機制御装置30の信号機制御装置IDの情報が紐づけされている。信号機制御装置IDとは、各信号機制御装置30を識別するための識別子である。非常灯火情報生成部17が生成する非常灯火情報により、路側機10は信号機制御装置30に対して設定情報とは異なる灯火順あるいは秒数で灯火制御させることができる。これにより、普段の青信号に変わるタイミングで通常とは異なる灯火順である黄信号を灯火し、普段の青信号に変わるタイミングで車を発進したドライバーに戸惑いを与えることで、ドライバーが見切り発車をしても停車を促し、あるいは加速することを抑制させ、交差点内での事故を防ぐことができる。
制御部18について説明をする。制御部18は、例えばCPU(CentralProcessing Unit)、RAMなどのハードウェアであって、路側機10の動作を全般的に制御するプログラムが格納される。制御部18は、通信部11を通じて非常灯火情報生成部17で生成された制御情報を各信号機制御装置30へ送信する制御機能を有する。制御部18は、通信部11を通じて外部のタイムサーバに一定の間隔でアクセスし、現在時刻情報を取得し、タイムサーバの時刻に自装置内の時計を同期させる処理を行う。
[1.1.4 路側機20の構成例]
次に、本実施形態に係る路側機20の詳細について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る路側機20の構成を示すブロック図である。図5に示すように、路側機20は、通信部21と、記憶部23と、制御部28とを有する。以下に、路側機20の各機能部について説明する。
通信部21は、通信線80を通じて路側機10と接続し、無線通信網を通じて車両50と接続するインターフェースである。通信部21は、無線通信網を通じて車両50からWCN情報を受信する。通信部21は、車両50から受信したWCN情報と受信時間情報を紐づけて路側機10に送信する機能を有する。
記憶部23について説明をする。記憶部23は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどである。記憶部23には、路側機20を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。
制御部28について説明をする。制御部28は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAMなどのハードウェアであって、路側機20の動作を全般的に制御するプログラムが格納される。制御部28は、通信部21を通じて外部のタイムサーバに一定の間隔でアクセスし、現在時刻情報を取得し、タイムサーバの時刻に自装置内の時計を同期させる処理を行う。
[1.1.5 信号機制御装置30の構成例]
次に、本実施形態に係る信号機制御装置30の詳細について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る信号機制御装置30の構成を示すブロック図である。図6に示すように、信号機制御装置30は、通信部31と、制御情報生成部32と、記憶部33と、制御部34とを有する。以下に、信号機制御装置30の各機能部について説明する。
通信部31は、通信網70を通じて各路側機10と接続し、通信線90を通じて信号機40と接続するインターフェースである。通信部31は、各路側機10から非常灯火情報を受信し、制御情報生成部32へ受信した非常灯火情報を出力する機能を有する。また、通信部31は、制御情報生成部32で生成した信号機制御情報を各信号機40へ送信する機能を有する。また、通信部31は、信号機制御情報を各信号機40へ送信したタイミングで現示状態情報、切換予定時刻情報を路側機10へ送信する機能を有する。
制御情報生成部32について説明をする。制御情報生成部32は、予め設定された設定情報に従い、信号機40を制御する信号機制御情報を生成する機能を有する。さらに、制御情報生成部32は、路側機10から受信した非常灯火情報に基づいて、予め設定された設定情報とは異なる灯火順に一時的に変更する信号機制御情報を生成する機能を有する。さらに、制御情報生成部32は、受信した非常灯火情報に基づいて、予め設定された設定情報と異なる灯火秒数に一時的に変更する信号機制御情報を生成する機能を有する。
記憶部33について説明をする。記憶部33は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどである。記憶部33には、信号機制御装置30を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。また、記憶部33には、信号機40に灯火させる信号色の順番や、灯火秒数の設定情報が予め格納される。ここで、本実施形態に係る記憶部33の詳細について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る記憶部33に格納される設定情報の灯火順と灯火秒数の一例である。図7に示すように、灯火順とは、青信号、黄信号、赤信号の順である。灯火秒数とは各信号の灯火時間を示す情報であり、本実施例において青信号の灯火秒数は40秒間、黄信号の灯火秒数は5秒間、赤信号の灯火秒数は51秒間である。この場合、設定情報に基づき、本実施例における信号機制御装置30は合計96秒のサイクルで青信号、黄信号、赤信号の順の灯火を繰り返すように信号機40に信号機制御情報を送信する。また、記憶部33には、信号機制御装置IDの情報が格納される。信号機制御装置30Aの信号機制御装置IDは「0001」、信号機制御装置30Bの信号機制御装置IDは「0002」、信号機制御装置30Cの信号機制御装置IDは「0003」、信号機制御装置30Dの信号機制御装置IDは「0004」である。
図6に戻り、制御部34を説明する。制御部34は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAMなどのハードウェアであって、信号機制御装置30の動作を全般的に制御するプログラムが格納される。制御部34は、通信部31を通じて外部のタイムサーバに一定の間隔でアクセスし、現在時刻情報を取得し、タイムサーバの時刻に自装置内の時計を同期させる処理を行う。
[1.1.6 信号機40の構成例]
次に、本実施形態に係る信号機40の詳細について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る信号機40の構成を示すブロック図である。図8に示すように、信号機40は、通信部41と、灯火部42と、制御部43と、記憶部44とを有する。以下に、信号機40の各機能部について説明する。
通信部41は、通信線90を通じて各信号機制御装置30と接続するインターフェースである。通信部41は、各信号機制御装置30から信号機制御情報を受信し、制御部43へ出力する機能を有する。
灯火部42について説明をする。灯火部42は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を複数配置して形成される。灯火部42には、青色を灯火する灯火部と、黄色を灯火する灯火部、赤色を灯火する灯火部の3つの灯火部を備える。
制御部43について説明をする。制御部43は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAMなどのハードウェアであって、信号機制御装置40の動作を全般的に制御するプログラムが格納される。制御部43は、各信号機制御装置30から受信する信号機制御情報に基づいて灯火部42に灯火される信号色、灯火秒数を制御する機能を有する。
記憶部44について説明をする。記憶部44は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどである。記憶部44には、信号機40を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。
[1.1.7 車載器60の構成例]
次に、本実施形態に係る車載器60の詳細について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る車載器60の構成を示すブロック図である。図9に示すように、車載器60は、通信部61と、記憶部62と、制御部63とを有する。以下に、車載器60の各機能部について説明する。
通信部61は、無線通信網を通じて路側機10と路側機20と接続するインターフェースである。通信部61は、DSRC方式の無線通信を行う機能を有する。通信部61は、記憶部62に記憶されているWCN情報を一定の間隔で送信する。
記憶部62について説明をする。記憶部62は、各種のデータやプログラムを格納する、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどである。記憶部62には、車載器60を制御するための複数の制御プログラムが格納されている。また、記憶部62には、当該車載器60に予め付与される固有番号のWCN情報が格納される。
制御部63について説明をする。制御部63は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAMなどのハードウェアであって、車載器60の動作を全般的に制御するプログラムが格納される。
以上が路側機10と、路側機20と、信号機制御装置30と、信号機40、車両50と車載器60の各構成の詳細である。次に、路側機10の処理内容について説明する。
[1.2 路側機10の処理内容]
路側機10の、特に車速算定部12と、信号無視車両判定部14と、車両位置推定部15と、事故発生推定部16と、非常灯火情報生成部17の処理内容について図2、図3を参照しながら説明をする。
まず車速算定部12の処理内容について説明をする。なお、路側機10は第2走行レーン6Aの歩道4上に設置される路側機10として説明する。また、路側機20も第2走行レーン6Aの歩道4上に設置される路側機20として説明する。車速算定部12は、路側機10の前を通過した車両50Eから通信部11で受信したWCN情報をもとに記憶部13を参照し、路側機20から受信した車両50EのWCN情報を特定し、当該WCNに紐づく受信時間情報を特定する。通信部11で車両50Eから受信したWCN情報の受信時間と、特定した受信時間の時間差を算定し、距離Kと算定した時間差から車両50Eの車速を算定する。例えば、路側機20のWCN情報受信時間が2019年1月1日の11:59:59:1であり、路側機10のWCN情報受信時間が2019年1月1日の11:59:59:7である場合、時間差は0.6秒である。また、距離Kは10mであるので、車速算定部12は車両50の車速を60km/hと算定する。車速算定部12は車両50の車速を算定して車速情報を取得する取得部として車両50の車速情報60km/hを取得する。
信号無視車両判定部14の処理内容について、車両50EからWCN情報を受信した時の路側機10が設置される第2走行レーンに対向する信号機40Aの現示状態を赤信号として説明する。上述の例の場合、信号無視車両判定部14は、車速算定部12で算定した車両50Eの車速が60km/hであり、車速の閾値20km/h以上であるので車両50を信号無視車両50Eと判定する。つまり、信号無視車両判定部14は、算定した車速が閾値以上で、且つ対向する信号機40Aの現示状態が赤信号の場合に、車両50Eを赤信号無視で交差点1を通過しようとしている信号無視車両50Eと判定する。
車両位置推定部15の処理内容について説明をする。なお、交差する側の道路(この場合、第1道路5)に設置される信号機制御装置30Bと信号機制御装置30Dから路側機10が受信する切換予定時刻を2019年1月1日の12:00:00して説明する。また、現在時刻は2019年1月1日の11:59:59:7として説明する。この場合、切換予定時刻と現在時刻との差の時間は0.3秒である。車両位置推定部15は、算定した車速60km/hから、0.3秒後の信号無視車両50Eの走行距離を5mと計算する。つまり、車両位置推定部15は、0.3秒後の信号無視車両50Eの位置を路側機10が設置される位置から5m走行した位置と推定する。また、車両位置推定部15は、0.3秒後の停車車両50Fの位置を停止線2の位置と推定する。これは、切換予定時刻の停車車両50Fの走行距離は0mと想定されるためである。次に、車両位置推定部15は、切換予定時刻である12:00:00から0.1秒間隔経過後の各車両50の位置を推定する。車両位置推定部15は、算定した車速60km/hから、0.1秒毎の信号無視車両50Eの走行距離を約1.6mと計算する。また、車両位置推定部15は、予め設定された車速30km/hから、0.1秒毎の停車車両50Fの走行距離を約0.8mと計算する。つまり、車両位置推定部15は、切換予定時刻である12:00:00から0.1秒後の12:00:00:1の信号無視車両50Eの位置を路側機10が設置される位置から約6.6m走行した位置と推定する。また、車両位置推定部15は、切換予定時刻である12:00:00から0.1秒後の12:00:00:1の停車車両50Fの位置を停止線2から約0.8m走行した位置と推定する。次に、車両位置推定部15は、切換予定時刻である12:00:00から0.2秒後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの位置を推定する。車両位置推定部15は、0.2秒後の12:00:00:2の信号無視車両50Eの位置を路側機10が設置される位置から約8.2m走行した位置と推定する。また、車両位置推定部15は、0.2秒後の12:00:00:2の停車車両50Fの位置を停止線2から約1.6m走行した位置と推定する。次に、車両位置推定部15は、切換予定時刻である12:00:00から0.3秒後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの位置を推定する。車両位置推定部15は、0.3秒後の12:00:00:3の信号無視車両50Eの位置を路側機10が設置される位置から約9.8m走行した位置と推定する。また、車両位置推定部15は、0.3秒後の12:00:00:3の停車車両50Fの位置を停止線2から約2.4m走行した位置と推定する。次に、車両位置推定部15は、切換予定時刻である12:00:00から0.4秒後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの位置を推定する。車両位置推定部15は、0.4秒後の12:00:00:4の信号無視車両50Eの位置を路側機10が設置される位置から約11.4m走行した位置と推定する。また、車両位置推定部15は、0.4秒後の12:00:00:4の停車車両50Fの位置を停止線2から約3.2m走行した位置と推定する。このように、車両位置推定部15は、0.1秒間隔における所定時刻毎の各車両50の位置を推定する。
事故発生推定部16の処理内容について説明をする。ここで、事故発生推定部16は、記憶部13の各道路幅の距離情報を参照して車両位置推定部15で算定した切換予定時刻における信号無視車両50Eの位置が交差点1内にあるか否かを判定する。上述の例の場合、切換予定時刻と現在時刻との差の時間は0.3秒であり、信号無視車両50Eの推定位置は路側機10が設置される位置から5m走行した位置である。そして、路側機10から距離Iと、第1道路5の道路幅Gを考慮すると、5mの走行距離は交差点1内である。つまり、上述の例の場合、事故発生推定部16は、信号無視車両50Eの位置は交差点1内であると判定する。なお、切換予定時刻における信号無視車両50Eの走行距離が距離Iと第1道路5の道路幅Gとの和以上の距離の場合、事故発生推定部16は切換予定時刻における信号無視車両50Eについて交差点1内にいない(交差点1通過)と判定する。その場合、事故発生推定部16は切換予定時刻以降に交差する側の道路の信号機40が次の表示に切り換わっても交通事故は発生しないと推定する。
一方で、車両位置推定部15で算定した切換予定時刻における信号無視車両50Eの位置が交差点1内にあると推定した場合、事故発生推定部16は、車両位置推定部15で算定した所定時刻毎の信号無視車両50Eの推定位置と、停車車両50Fの推定位置とが重なるかを判別する。上述の例の場合の、切換予定時刻以降の0.1秒間隔経過する毎の信号無視車両50Eの推定位置と、停車車両50Fの推定位置について図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る切換予定時刻以降の所定時刻毎の各車両50の推定位置を示す図である。図10(a)は、切換予定時刻と現在時刻との差の時間である0.3秒後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置を示す図である。0.3秒後の信号無視車両50Eの推定位置300は、路側機10が設置される位置から5m走行した位置である。また、0.3秒後の停車車両50Fの推定位置400は、停止線2の位置である。図10(b)は、切換予定時刻から0.1秒後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置を示す図である。0.1秒後の信号無視車両50Eの推定位置301は、路側機10が設置される位置から約6.6m走行した位置である。また、0.1秒後の停車車両50Fの推定位置401は、停止線2から約0.8m走行した位置である。図10(c)は、切換予定時刻から0.2秒後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置を示す図である。0.2秒後の車両50Eの推定位置302は、路側機10が設置される位置から約8.2m走行した位置である。また、0.2秒後の停車車両50Fの推定位置402は、停止線2から約1.6m走行した位置である。図10(d)は、切換予定時刻から0.3秒後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置を示す図である。0.3秒後の信号無視車両50Eの推定位置303は、路側機10が設置される位置から約9.8m走行した位置である。また、0.3秒後の停車車両50Fの推定位置403は、停止線2から約2.4m走行した位置である。図10(e)は、切換予定時刻から0.4秒後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置を示す図である。0.4秒後の信号無視車両50Eの推定位置304は、路側機10が設置される位置から約11.4m走行した位置である。また、0.3秒後の停車車両50Fの推定位置404は、停止線2から約3.2m走行した位置である。上述の例の場合、図10(e)に示すように、事故発生推定部16は、切換予定時刻から0.4秒後の信号無視車両50Eの推定位置304と、停車車両50Fの推定位置404が重なるため交通事故が発生すると推定する。或いは、事故発生推定部16は、図10(d)に示すように、切換予定時刻から0.3秒後の信号無視車両50Eの推定位置303と、停車車両50Fの推定位置403が所定の距離以内であるため交通事故が発生すると推定する。
非常灯火情報生成部17の処理内容について説明をする。事故発生推定部16で交通事故が発生すると推定した場合に、非常灯火情報生成部17は非常灯火情報を生成する。非常灯火情報生成部17は、予め設定される設定情報とは異なる灯火順に一時的に変更させる制御情報と、予め設定される設定情報とは異なる灯火秒数に一時的に変更させる制御情報を生成する。上述の例の場合、切換予定時刻である12:00:00になると、通常の設定情報によれば信号機制御装置30B、信号機制御装置30Dは信号機40B、40Dに青信号を40秒間灯火する信号機制御情報を送付する。しかし、0.4秒後の12:00:00:4に信号無視車両50Eと停車車両50Fが衝突し、交通事故が発生すると推定したので、非常灯火情報生成部17は、信号機制御装置30B、信号機制御装置30Dに対して青信号でなく、黄信号を例えば5秒間灯火させる非常灯火情報を生成する。当該非常灯火情報には信号機制御装置30B、信号機制御装置30Dの信号機制御装置ID「0002」と、信号機制御装置ID「0004」の情報が含まれる。また、非常灯火情報生成部17は信号機制御装置30A、信号機制御装置30Cに対して赤信号を5秒間延長して灯火させる非常灯火情報を生成する。これは、信号機制御装置30B、信号機制御装置30Dに通常とは異なる順番の黄信号を5秒間灯火させてその後に通常の灯火順、灯火秒数のサイクルに戻すため、信号機制御装置30A、信号機制御装置30Cも5秒間赤信号を延長する必要があるためである。
以上が路側機10の処理内容である。次に、信号機制御装置30の処理内容について説明する。
[1.3 信号機制御装置30の処理内容]
信号機制御装置30の処理内容について図2、図7、図11を参照しながら説明をする。
図11は、各信号機制御装置30の設定情報に基づく灯火順、灯火秒数のサイクルの一例を示す図である。設定情報に基づき、各信号機制御装置30は信号機制御情報を送付する。図2で説明した信号機制御装置30B、信号機制御装置30Dは、例えば時刻Vのタイミングで赤信号を51秒間灯火する信号機制御情報を信号機40B、信号機40Dに送付する。当該信号機制御情報を受信した信号機40B、信号機40Dは時刻Vから51秒間赤信号を灯火する。一方で、信号機制御装置30A、信号機制御装置30Cは時刻Vの48秒前に赤信号を51秒間灯火する信号機制御情報を信号機40A、信号機40Cに送付し、信号機40A、信号機40Cは赤信号を灯火している状態である。時刻Vから3秒後の時刻Wまでの期間は全ての信号機40が赤信号を灯火している。次に、時刻Wのタイミングで、信号機制御装置30A、信号機制御装置30Cは青信号を40秒間灯火する信号機制御情報を信号機40A、信号機40Cに送付する。当該信号機制御情報を受信した信号機40A、信号機40Cは時刻Wから40秒間青信号を灯火する。次に、信号機制御装置30A、信号機制御装置30Cは時刻Wから40秒後の時刻Xに黄信号を5秒間灯火する信号機制御情報を信号機40A、信号機40Cに送付する。当該信号機制御情報を受信した信号機40A、信号機40Cは時刻Xから5秒間黄信号を灯火する。次に、信号機制御装置30A、信号機制御装置30Cは、時刻Xから5秒後の時刻Yに赤色信号を51秒間灯火する信号機制御情報を信号機40A、信号機40Cに送付する。当該信号機制御情報を受信した信号機40A、信号機40Cは時刻Yから51秒間赤信号を灯火する。次に、信号機制御装置30B、信号機制御装置30Dは時刻Yから3秒後の時刻Zに信号機40B、信号機40Dに青信号を40秒間灯火する信号機制御情報を送付する。当該信号機制御情報を受信した信号機40B、信号機40Dは時刻Zから40秒間青信号を灯火する。時刻Yから3秒後の時刻Zまでの期間は全ての信号機40が赤信号を灯火している。以上のサイクルで、各信号機制御装置30は設定情報の灯火順、灯火秒数で各信号機40を制御する。なお、上記では、信号機制御情報に灯火秒数を含めて説明をしたが、青信号、黄信号、赤信号の灯火する信号色を指定するだけでもよい。なぜならば、灯火秒数の管理と送信のタイミングの管理は各信号機制御装置30が行うからである。
[1.4 情報処理システムの動作例]
次に、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作例について図12を参照しながら詳細に説明する。図12は、情報処理システムの主たる動作の処理フローの例を示す図である。
まず、信号機制御装置30Bは、信号機制御情報を信号機40Bへ送信したタイミングで現示状態情報、切換予定時刻情報を路側機10へ送信する(STEP1000)。信号機制御装置30Bは、例えば、2019年1月1日の11:59:09に、現示状態が赤信号、切換予定時刻が2019年1月1日の12:00:00の現示状態情報、切換予定時刻情報を路側機10へ送信する。路側機10は、信号機制御装置30Bから現示状態情報、切換予定時刻情報を受信し、記憶する(STEP1001)。次に、信号機制御装置30Aは、信号機制御情報を信号機40Aへ送信したタイミングで現示状態情報、切換予定時刻情報を路側機10へ送信する(STEP1002)。信号機制御装置30Aは、例えば、2019年1月1日の11:59:57に、現示状態が赤信号、切換予定時刻が2019年1月1日の12:00:48の現示状態情報、切換予定時刻情報を路側機10へ送信する。路側機10は、信号機制御装置30Aから現示状態情報、切換予定時刻情報を受信し、記憶する(STEP1003)。
次に、車両50がWCN情報を送信する(STEP1004)。路側機20の前を車両50が通過、又は路側機20の前に停車した際に、路側機20は車両50からWCN情報を受信する(STEP1005)。路側機20は車両50からWCN情報を受信すると、受信した受信時間情報とWCN情報を路側機10へ送信する(STEP1006)。路側機20が車両50EのWCN情報を受信した受信時間を上述の例と同様に2019年1月1日の11:59:59:1とする。路側機10は、路側機20から受信時間情報とWCN情報を受信する(STEP1007)。
次に、路側機10の前を車両50が通過、又は路側機10の前に停車した際に、路側機10は車両50からWCN情報を受信する(STEP1008)。路側機10が車両50のWCN情報を受信した受信時間(現在時刻)を上述の例と同様に2019年1月1日の11:59:59:7とする。次に、路側機10は、車両50から受信したWCN情報の受信時間と路側機20が受信したWCN情報の受信時間との時間差、距離Kから車両50の車速を算定する(STEP1009)。路側機10は車両50の車速を60km/hと算定する。次に、路側機10は、路側機10の前を通過した車両50が信号無視車両かを判定する(STEP1010)。この場合、車両50の車速60km/hは閾値20km/h以上であり、且つ対向する信号機40Aの現示状態は赤信号であるので、路側機10は、車両50を信号無視車両50Eと判定する。一方で、路側機10は、車両50の車速が閾値以下の場合には信号無視車両と判定せずに、停止線2を超えて停車する車両50と判定する(STEP1011)。
次に、路側機10は、前を通過した車両50を信号無視車両50Eと判定した場合、切換予定時刻の信号無視車両50Eの位置を推定する(STEP1012)。路側機10は、切換予定時刻と現在時刻との差の時間を算定し、車両50の車速から信号無視車両50Eの走行距離を計算する。路側機10は、計算した走行距離が路側機10の設置される道路に交差する道路の道路幅と、路側機交差点間距離との和の距離以下であれば、当該信号無視車両50Eの切換予定時刻の位置は交差点1内にあると推定する。一方で、路側機10は、計算した走行距離が路側機10の設置される道路に交差する道路の道路幅と、路側機交差点間距離との和の距離以上であれば、当該信号無視車両50Eの切換予定時刻の位置は交差点1を通過すると推定する(STEP1013)。上述の例の場合、切換予定時刻と現在時刻との差の時間は0.3秒であり、車両50Eの推定距離は5mと推定される。これは、距離I(3m)と、道路幅G(12m)の和である15m以下であるので、路側機10は、信号無視車両50Eの切換予定時刻の位置を交差点1内にあると推定する。
次に、路側機10は、信号無視車両50Eの切換予定時刻の位置が交差点1内にあると推定した場合に、切換予定時刻から所定間隔における所定時刻毎の信号無視車両50Eの位置を推定する(STEP1014)。上述の例の場合、路側機10は、切換予定時刻である12:00:00から0.1秒間隔経過後の信号無視車両50Eと停車車両50Fの位置を推定する。路側機10は、切換予定時刻から0.1秒後の12:00:1の各車両50信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置、0.2秒後の12:00:00:2の信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置、0.3秒後の12:00:00:3の信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置、0.4秒後の12:00:00:4の信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置をそれぞれの車両50の車速から推定する。
次に、路側機10は、信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置が重なる場合、或いは、信号無視車両50Eと停車車両50F間の推定位置の距離が所定距離以内の場合に、切換予定時刻以降に停車車両50Fが走行すると推定される道路の信号機40が次の表示に切り換わると交通事故が発生すると推定する(STEP1015)。各車両50の推定位置が重ならない場合、或いは、信号無視車両50Eと停車車両50F間の推定位置の距離が所定距離以内にならない場合に、路側機10は、切換予定時刻以降に停車車両50Fが走行すると推定される道路の信号機40が次の表示に切り換わっても交通事故は発生しないと推定する。(STEP1016)。上述の例の場合、路側機10は、切換予定時刻から0.4秒後に信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置が重なるので信号無視車両50Eと停車車両50Fとが衝突し、交通事故が発生すると推定する。或いは、路側機10は、切換予定時刻から0.3秒後に信号無視車両50Eと停車車両50Fの推定位置が所定距離以内になるので信号無視車両50Eと停車車両50Fとが衝突し、交通事故が発生すると推定する。
次に、路側機10は、交通事故が発生すると推定した場合に、非常灯火情報を生成する(STEP1017)。上述の例の場合、路側機10は、黄信号を5秒間灯火させる非常灯火情報を生成し、当該非常灯火情報に信号機制御装置ID「0002」と信号機制御装置ID「0004」とが紐づけされている。また、路側機10は、赤信号を5秒間延長して灯火させる非常灯火情報を生成し、信号機制御装置ID「0001」と信号機制御装置ID「0003」とが紐づけされている。路側機100は、各信号機制御装置30に生成した非常灯火情報を送信する(STEP1018)。
次に、信号機制御装置30Bは非常灯火情報を受信する(STEP1019)。信号機制御装置30Aは非常灯火情報を受信する(STEP1020)。なお、STEP1019とSTEP1020は同タイミングで受信するものとする。非常灯火情報を受信した信号機制御装置30Bは、自機の信号機制御装置IDと一致する非常灯火情報に基づいて信号機制御情報を生成する(STEP1021)。信号機制御装置30Aも自機の信号機制御装置IDと一致する非常灯火情報に基づいて信号機制御情報を生成する(STEP1022)。つまり、信号機制御装置30Bは信号機40Bに黄信号を5秒間灯火させる信号機制御情報を生成し、信号機制御装置30Aは信号機40Aに赤信号を5秒間延長して灯火させる信号機制御情報を生成する。次に、信号機制御装置30Bは生成した信号機制御情報を信号機40Bに送信する(STEP1023)。信号機制御装置30Aも生成した信号機制御情報を信号機40Aに送信する(STEP1024)。より詳細には、信号機制御装置30Bは生成した信号機制御情報を切換予定時刻の2019年1月1日の12:00:00に送信し、信号機40Bに黄信号を2019年1月1日の12:00:00から5秒間灯火させる。信号機制御装置30Aは生成した信号機制御情報を信号機40Aに送信し、現示状態である赤信号を通常の灯火秒数よりも5秒延長して灯火させる。
次に、信号機制御装置30Bは一時的に変更させた信号色の順番を予め設定された順番に戻すための信号機制御情報を生成する(STEP1025)。詳細には、信号機制御装置30Bは2019年1月1日の12:00:00から5秒後の12:00:05に信号機40Bに青信号を40秒間灯火させる信号機制御情報を生成する。次に、信号機制御装置30Bは生成した信号機制御情報を信号機40Bに送信する(STEP1026)。
[1.5 第1の実施形態のまとめ]
以上述べたように、本実施の形態によれば、全赤信号時に交差点へ車両が進入していた場合に通常の信号の灯火の順番ならば青信号を灯火するところを、通常とは異なる黄信号を灯火するように信号無視の車両が走行する道路と交差する道路にある信号機の灯火を制御する。通常の信号の灯火順と異なるように信号機の灯火を制御することで、ドライバーは普段とは異なる灯火順で灯火された黄信号を見て発車を躊躇うようになる。このため普段の青信号に変わるタイミングを予測して車を発進するといった、ドライバーの見切り発車に対しても停車を促し、あるいは加速することを抑制させ、交差点内での事故を防ぐことができる。
[2.第2の実施形態]
第1の実施形態においては、車両50の車速はWCN情報の受信時間と路側間距離で路側機10が算定した。第2の実施形態においては、路側機は車両の車速を算定せずに車両からWCN情報と同時に車速の情報を受信する。その場合、車両は自車の車速を検出し、検出した車速をWCN情報と同時に送信する機能を有する。以下、第1の実施形態における車両50に相当する車両を第2の実施形態においては車両500として説明する。第1の実施形態における車載器60に相当する車載器を第2の実施形態においては車載器600として説明する。第1の実施形態における路側機10に相当する路側機を第2の実施形態においては路側機100として説明する。第1の実施形態における路側機20に相当する路側機を第2の実施形態においては路側機200として説明する。なお、車両500、車載器600、路側機100、路側機200の各構成、処理について第1の実施形態との差分を中心に説明をする。
[2.1.1 車両500、車載器600の構成例]
本実施形態に係る車両500の詳細について、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る車両500の構成を示すブロック図である。車両500は、DSRC方式の無線通信機を内蔵した車載器600と、車両500の車速を検出する車速検知部501を備える。車速検知部501は、車両500の車速を検出するセンサである。通信部601は、路側機100と路側機200とDSRC方式の無線通信を行う機能を有し、WCN情報と、車速検知部501で検出した車速情報を常時送信する機能を有する。記憶部602は第1の実施形態と同様である。
[2.1.2 路側機100の構成例]
次に、本実施形態に係る路側機100の構成の詳細について、図14を参照して説明する。図14は、本実施形態に係る路側機100の構成を示すブロック図である。図14に示すように、路側機100は、通信部101と、記憶部103と、信号無視車両判定部104と、車両位置推定部105と、事故発生推定部106と、非常灯火情報生成部107と、制御部108とを有する。構成としては、車速算定部12が無い点で第1の実施形態と異なる。
通信部101は、通信網70を通じて各信号機制御装置30と接続し、通信線80を通じて路側機200と接続し、無線通信網を通じてと接続するインターフェースである。通信部101は、車両500からWCN情報と車速情報とを受信する。通信部101は、受信したWCN情報と車速情報を紐づけて記憶部103に格納する機能を有する。また、通信部101は、路側機200から路側機200が受信したWCN情報と車速情報を受信すると、受信したWCN情報と車速情報を紐づけて記憶部103に格納する機能を有する。その他、通信部101は、第1の実施形態と同様に、現示状態情報と切換予定時刻情報を受信して記憶部103に格納する機能と、非常灯火情報を送信する機能と、を有する。
記憶部103について説明をする。記憶部103には、路側機100が受信したWCN情報と車速情報と、路側機200から受信したWCN情報と車速情報とが格納される。その他、記憶部103には、第1の実施形態と同様に、道路幅Gと、道路幅Hと、距離Iと、距離Jと、距離Kの距離情報が格納される。また、記憶部103には、車速の閾値情報と、各信号機制御装置30から受信した現示状態情報と切換予定時刻情報とが格納される。
次信号無視車両判定部104について説明をする。信号無視車両判定部104は、車両500からWCN情報受信時の各信号機40の現示状態が赤信号であって、当該車両500の車速が路側機200から路側機100までの間で減速していない場合に当該車両500を信号無視車両と判定する機能を有する。第1の実施形態においては車両50の車速が閾値以上の場合に信号無視車両50Eと判定した。第2の実施形態においては車両500が減速していない場合に信号無視車両50Eと判定する点で第1の実施形態と異なる。つまり、信号無視車両判定部104は、路側機200から路側機100までの間に車両500が減速していれば停止する意思のあると推定される車両として信号無視車両50Eと判定しない。一方で、路側機200から路側機100までの間に車両500が加速していれば、或いは加速せずに一定の車速を維持していれば、路側機100で受信した車速情報が閾値以下であったとしても停止する意思のないと推定される車両として、信号無視車両判定部104は、信号無視車両50Eと判定する。
車両位置推定部105は、信号無視車両判定部104において信号無視車両50Eと判定された車両500の切換予定時刻の位置と、それ以降の所定間隔の時刻における位置とを、路側機200から路側機100までの間の加速度に基づいて推定する機能を有する。
事故発生推定部106と、非常灯火情報生成部107と、制御部108は、第1の実施形態の事故発生推定部16と、非常灯火情報生成部17と、制御部18と同様の機能を有する。
[2.1.3 路側機200の構成例]
次に、本実施形態に係る路側機200の詳細について図15を参照して説明する。図15は、本実施形態に係る路側機200の構成を示すブロック図である。図15に示すように、路側機200は、通信部201と、記憶部203と、制御部208とを有する。記憶部203と制御部208は、第1の実施形態の記憶部23と制御部28と同様の機能を有する。以下に、通信部201について説明する。
通信部201は、通信線80を通じて路側機100と接続し、無線通信網を通じて車両500と接続するインターフェースである。詳細には、通信部201は、車両500からWCN情報と車速情報とを受信する。通信部201は、受信したWCN情報と車速情報を紐づけて路側機100に送信する機能を有する。
以上が車両500、車載器600、路側機100、路側機200の構成例である。
[2.2 情報処理システムの動作例]
次に、第2の実施形態に係る情報処理システムの動作例について図16を参照しながら詳細に説明する。図16は、情報処理システムの主たる動作の処理フローの例を示す図である。
図16に示すSTEP2000からSTEP2003までは、第1の実施形態のSTEP1000からSTEP1003と同じであるので、STEP2004から説明する。車両500がWCN情報と車速情報を送信する(STEP2004)。路側機200の前を車両500が通過、又は路側機200の前に停車した際に、路側機200は車両500からWCN情報と車速情報を受信する(STEP2005)。路側機200は車両500からWCN情報と車速情報を受信すると、受信したWCN情報と車速情報を路側機100へ送信する(STEP2006)。路側機100は、路側機200からWCN情報と車速情報を受信する(STEP2007)。
次に、路側機100の前を車両500が通過、又は路側機100の前に停車した際に、路側機100は車両500からWCN情報と車速情報を受信する(STEP2008)。次に、路側機100は、路側機100の前を通過した車両500が信号無視車両かを判定する(STEP2010)。路側機100は、路側機200から路側機100までの間に車両500が減速していなければ車両500を信号無視車両50Eと判定する。一方で、路側機100は、路側機200から路側機100までの間に車両500が減速していれば車両500を信号無視車両50Eと判定せずに、停止線2を超えて停車すると推定される車両500と判定する(STEP2011)。
次に、路側機100は、前を通過した車両500を信号無視車両50Eと判定した場合、切換予定時刻の車両500の位置を推定する(STEP2012)。このとき路側機100は、路側機200から路側機100までの間の車両500の加速度に基づいて信号無視車両50Eの位置を推定する。以下、STEP2013からSTEP2026までは、第1の実施形態のSTEP1013からSTEP1026と同じであるので説明を省略する。
[2.3 第2の実施形態のまとめ]
以上述べたように、本実施の形態によれば、停車意思のあると推定される車両が停止線を越えてしまった場合には通常の信号の灯火順で灯火をし、停車意思のないと推定される車両が停止線を越えた場合に通常の信号の灯火順と異なるように信号機の灯火を制御することで、交通事故が発生する可能性の高い場合に限ってドライバーに注意を促す。つまり、普段の青信号に変わるタイミングで通常とは異なる灯火順である黄信号を灯火し、ドライバーに普段の青信号に変わるタイミングでの車の発進に戸惑いを与える。これにより、ドライバーが見切り発車をした場合であっても停車を促し、あるいは加速することを抑制させ、交差点内での事故を防ぐことができる。
[3.むすび]
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記の第2の実施形態においては、車両500より車速情報を受信し、路側機100と路側機200の間で車両500が減速したか、加速したかで信号無視車両か否かを判定した。係る例に限らず、その他の方法で路側機は車両が減速したか、加速したかを判断してもよい。第2の実施形態のように車両から車速情報を受信せずとも、第1の実施形態に路側機をもう一つ増やすことで車両が減速したか、加速したかを判断することができる。第1の実施形態に記載の路側機10、路側機20に加えて第3の路側機を備える。第3の路側機は、交差点1とは反対方向で且つ、路側機20よりも後方の位置に設置される。第3の路側機は路側機20と同様の構成であって、その機能は車両50からWCN情報を受信するとWCN情報と受信時間情報を路側機10に送信する。この場合の路側機10は距離Kの情報に加えて、路側機20から第3の路側機までの距離を示す距離情報を記憶部13に格納している。路側機10は第3の路側機から受信したWCN情報と受信時間情報と、路側機20から受信したWCN情報と受信時間情報と、上述の距離情報から路側機20の前を通過した車両50の車速を算定する。路側機10の前を通過した車両50の車速の算定は第1の実施形態に記載の通りである。路側機10は第2の実施形態同様に、路側機20から路側機10までの間で車両50が減速していない場合に信号無視車両50Eと判定する。このように3つの路側機を用いた場合、路側機は車両から車速情報を受信せずとも減速したか否かを判断することができる。
また、上記の各実施形態においては、各信号機制御装置30が対応する各信号機40の制御をおこなったが、これに限らず、1つの信号機制御装置30が各信号機40を制御してもよい。この場合、当該信号機制御装置30は、各路側機10と通信網70を通じて接続し、また通信線90を通じて各信号機40と接続する。当該信号機制御装置30は、各信号機40の現示状態情報、切換予定時刻情報を各路側機10に送信し、路側機10で生成された非常灯火情報を受信して各信号機40を制御する。
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に、または個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。