JP2020153854A - 基板検査装置、基板処理装置、基板検査方法および基板処理方法 - Google Patents

基板検査装置、基板処理装置、基板検査方法および基板処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の表面上の欠陥を高い信頼性で検出することを可能にする基板検査装置、基板処理装置、基板検査方法および基板処理方法を提供する。【解決手段】サンプルの基板および検査対象となる基板が撮像部により撮像される。撮像により得られるサンプルの基板の画像データおよび検査対象となる基板の画像データが取得される。取得されたサンプル画像データおよび対象画像データの互いに対応する画素について画素値の差分に対応する値が差分画素値として算出され、複数の差分画素値からなる差分画像データが生成される。差分画像データにより表される差分画像から差分画素値が予め定められた許容範囲外となる画素が判定され、判定された領域が欠陥候補部分として抽出される。抽出された欠陥候補部分が、実際の欠陥を表すか否かが欠陥の特徴に対応する1または複数の特徴パラメータに基づいて判定される。【選択図】図4

Description

本発明は、基板の検査を行う基板検査装置、基板処理装置、基板検査方法および基板処理方法に関する。
基板に対する種々の処理工程において、基板の検査が行われる。特許文献1に記載される検査装置では、レジスト膜が形成された基板に露光処理および現像処理が順次行われた後、基板の外観検査が行われる。具体的には、検査対象の基板(以下、検査基板と呼ぶ。)の表面が撮像部によって撮像されることにより表面画像データが取得される。一方、外観上の欠陥がないサンプル基板が予め用意され、そのサンプル基板の表面画像データが取得される。サンプル基板の表面画像データの各画素の階調値と検査基板の表面画像データの各画素の階調値との差分が算出され、算出された差分に基づいて差分画像データが生成される。差分画像データの各画素の階調値が予め設定された許容範囲内にあるか否かに基づいて、検査基板の欠陥が検出される。
特開2016−206452号公報
上記の検査装置においては、許容範囲が小さく設定されると、検査基板の撮像時に発生するノイズおよび差分画像データの生成時における階調値の算出誤差等に起因して基板表面の正常な部分が欠陥として検出される可能性がある。一方、許容範囲が大きく設定されると、検出されるべき欠陥に対応する差分画像データの画素の階調値が許容範囲内となる可能性がある。この場合、当該欠陥の部分は正常であると判定される。
本発明の目的は、基板の表面上の欠陥を高い信頼性で検出することを可能にする基板検査装置、基板処理装置、基板検査方法および基板処理方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る基板検査装置は、基板の外観検査を行う基板検査装置であって、外観上の欠陥がない基板の画像データを第1の画像データとして取得するとともに、検査すべき基板を撮像することにより検査すべき基板の画像データを第2の画像データとして取得する画像データ取得部と、画像データ取得部により取得された第1および第2の画像データの互いに対応する画素について画素値の差分に対応する値を差分画素値として算出することにより複数の差分画素値からなる差分画像データを生成する差分画像生成部と、差分画像データにより表される差分画像から差分画素値が予め定められた許容範囲外となる欠陥候補部分を抽出する候補抽出部と、欠陥候補部分の差分画素値に基づいて、基板の欠陥の特徴に対応する特徴パラメータの値を算出する算出部と、算出部により算出された特徴パラメータの値と特徴パラメータに対応する基準値との関係に基づいて、検査すべき基板のうち欠陥候補部分に対応する部分に外観上の欠陥があるか否かを判定する欠陥判定部とを備える。
その基板検査装置においては、欠陥がない基板および検査すべき基板にそれぞれ対応する第1および第2の画像データが取得され、第1および第2の画像データに基づいて差分画像データが生成される。差分画像データにより表される差分画像において、差分画素値が許容範囲外となる欠陥候補部分が抽出される。欠陥候補部分の差分画素値に基づいて特徴パラメータの値が算出される。特徴パラメータの値と基準値との関係に基づいて、検査すべき基板に外観上の欠陥があるか否かが判定される。
上記の構成によれば、差分画像のうち基板の正常な部分に対応する部分がノイズまたは差分画素値の算出誤差等により欠陥候補部分として抽出される場合でも、その欠陥候補部分について特徴パラメータの値に基づく判定が行われる。ノイズまたは算出誤差等に起因する欠陥候補部分には、基板の欠陥の特徴が表れる可能性が低い。そのため、特徴パラメータの値に基づく判定を行うことにより、基板における実際に正常である部分に欠陥が存在すると誤判定されることが抑制される。この場合、欠陥に対応する部分の差分画素値が許容範囲内とならないように、許容範囲を小さく設定することができる。それにより、実際に欠陥が存在する部分が正常であると誤判定されることが抑制される。したがって、基板の表面上の欠陥を高い信頼性で検出することが可能である。
(2)特徴パラメータは、複数の特徴パラメータを含み、基準値は、複数の特徴パラメータにそれぞれ対応する複数の基準値を含み、欠陥判定部は、各特徴パラメータの値がその特徴パラメータに対応する基準値に対して予め定められた第1の関係を満たすか否かを判定するとともに、複数の特徴パラメータについての複数の判定結果が予め定められた第2の関係を満たすか否かに基づいて、検査すべき基板のうち欠陥候補部分に対応する部分に外観上の欠陥があるか否かを判定してもよい。
この場合、複数の特徴パラメータについての複数の判定結果の組み合わせに基づいて基板の外観上の欠陥が判定される。したがって、欠陥の判定の信頼性が向上する。
(3)特徴パラメータの値は、欠陥候補部分の面積に関する値を含んでもよい。
この場合、欠陥候補部分の面積に関する値に基づいて基板の表面上の欠陥が検出される。
(4)特徴パラメータの値は、欠陥候補部分の寸法に関する値を含んでもよい。
この場合、欠陥候補部分の寸法に関する値に基づいて基板の表面上の欠陥が検出される。
(5)特徴パラメータの値は、欠陥候補部分の差分画素値に関する値を含んでもよい。
この場合、欠陥候補部分の差分画素値に関する値に基づいて基板の表面上の欠陥が検出される。
(6)特徴パラメータの値は、差分画像における欠陥候補部分の位置に関する値を含んでもよい。
この場合、差分画像における欠陥候補部分の位置に関する値に基づいて基板の表面上の欠陥が検出される。
(7)特徴パラメータの値は、差分画像における欠陥候補部分の向きに関する値を含んでもよい。
この場合、差分画像における欠陥候補部分の向きに関する値に基づいて基板の表面上の欠陥が検出される。
(8)第2の発明に係る基板処理装置は、基板上に膜を形成する膜形成部と、膜形成部により膜が形成された基板を検査する上記の基板検査装置とを備える。
その基板処理装置においては、膜形成部による膜の形成後の基板が上記の基板検査装置により検査される。これにより、膜が形成された基板の表面上の欠陥を高い信頼性で検出することが可能になる。その結果、膜形成部における基板の処理不良の発生を正確に把握することができる。
(9)第3の発明に係る基板検査方法は、基板の外観検査を行う基板検査方法であって、外観上の欠陥がない基板の画像データを第1の画像データとして取得するとともに、検査すべき基板を撮像することにより検査すべき基板の画像データを第2の画像データとして取得するステップと、取得された第1および第2の画像データの互いに対応する画素について画素値の差分に対応する値を差分画素値として算出することにより複数の差分画素値からなる差分画像データを生成するステップと、差分画像データにより表される差分画像から差分画素値が予め定められた許容範囲外となる欠陥候補部分を抽出するステップと、欠陥候補部分の差分画素値に基づいて、基板の欠陥の特徴に対応する特徴パラメータの値を算出するステップと、算出された特徴パラメータの値と特徴パラメータに対応する基準値との関係に基づいて、検査すべき基板のうち欠陥候補部分に対応する部分に外観上の欠陥があるか否かを判定するステップとを含む。
その基板検査方法においては、欠陥がない基板および検査すべき基板にそれぞれ対応する第1および第2の画像データが取得され、第1および第2の画像データに基づいて差分画像データが生成される。差分画像データにより表される差分画像において、差分画素値が許容範囲外となる欠陥候補部分が抽出される。欠陥候補部分の差分画素値に基づいて特徴パラメータの値が算出される。特徴パラメータの値と基準値との関係に基づいて、検査すべき基板に外観上の欠陥があるか否かが判定される。
上記の方法によれば、差分画像のうち基板の正常な部分に対応する部分がノイズまたは差分画素値の算出誤差等により欠陥候補部分として抽出される場合でも、その欠陥候補部分について特徴パラメータの値に基づく判定が行われる。ノイズまたは算出誤差等に起因する欠陥候補部分には、基板の欠陥の特徴が表れる可能性が低い。そのため、特徴パラメータの値に基づく判定を行うことにより、基板における実際に正常である部分に欠陥が存在すると誤判定されることが抑制される。この場合、欠陥に対応する部分の差分画素値が許容範囲内とならないように、許容範囲を小さく設定することができる。それにより、実際に欠陥が存在する部分が正常であると誤判定されることが抑制される。したがって、基板の表面上の欠陥を高い信頼性で検出することが可能である。
(10)特徴パラメータは、複数の特徴パラメータを含み、基準値は、複数の特徴パラメータにそれぞれ対応する複数の基準値を含み、判定するステップは、各特徴パラメータの値がその特徴パラメータに対応する基準値に対して予め定められた第1の関係を満たすか否かを判定するとともに、複数の特徴パラメータについての複数の判定結果が予め定められた第2の関係を満たすか否かに基づいて、検査すべき基板のうち欠陥候補部分に対応する部分に外観上の欠陥があるか否かを判定することを含んでもよい。
この場合、複数の特徴パラメータについての複数の判定結果の組み合わせに基づいて基板の外観上の欠陥が判定される。したがって、欠陥の判定の信頼性が向上する。
(11)第4の発明に係る基板処理方法は、基板上に膜を形成するステップと、膜が形成された基板を上記の基板検査方法により検査するステップとを含む。
その基板処理方法においては、膜の形成後の基板が上記の基板検査方法により検査される。これにより、膜が形成された基板の表面上の欠陥を高い信頼性で検出することが可能になる。それにより、膜の形成時における基板の処理不良の発生を正確に把握することができる。
本発明によれば、基板の表面上の欠陥を高い信頼性で検出することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る基板検査装置の外観斜視図である。 図1の基板検査装置の内部の構成を示す模式的側面図である。 図1の制御部の機能的な構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る基板検査処理の一例を示すフローチャートである。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。 欠陥の第1の判定例を説明するための図である。 欠陥の第2の判定例を説明するための図である。 欠陥の第3の判定例を説明するための図である。 欠陥の第4の判定例を説明するための図である。 図1の基板検査装置を備える基板処理装置の一例を示す模式的ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態に係る基板検査装置、基板処理装置、基板検査方法および基板処理方法について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、基板とは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。また、本実施の形態において検査対象となる基板は、一面(主面)および他面(裏面)を有し、その一面上には周期的なパターンを有する膜が形成されている。基板に形成される膜としては、例えばレジスト膜、反射防止膜、レジストカバー膜等が挙げられる。
[1]基板検査装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板検査装置の外観斜視図である。図2は、図1の基板検査装置200の内部の構成を示す模式的側面図である。図1に示すように、基板検査装置200は、筐体部210、投光部220、反射部230、撮像部240、基板保持装置250、移動部260、ノッチ検出部270および制御部280を含む。
投光部220、反射部230、撮像部240、基板保持装置250、移動部260およびノッチ検出部270は、筐体部210内に収容される。制御部280(図1)は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、投光部220、撮像部240、基板保持装置250、移動部260およびノッチ検出部270の動作を制御する。
投光部220は、例えば1または複数の光源を含み、一方向に延びるように形成されている。また、投光部220は、筐体部210内の略中央部に設けられ、基板Wの直径よりも大きい帯状の光を斜め下方に出射する。反射部230は、例えば長尺状のミラーを含み、投光部220に隣り合うように、筐体部210内の略中央部に設けられている。撮像部240は、複数の画素が横方向に線状に並ぶように配置された撮像素子、および1または複数の集光レンズを含む。本例では、撮像素子としてカラーのCCD(電荷結合素子)ラインセンサが用いられる。この場合、ラインセンサの各画素は、複数の波長領域にそれぞれ対応するR画素、G画素およびB画素で構成される。なお、撮像部240のラインセンサとしては、カラーのCMOS(相補性金属酸化膜半導体)ラインセンサを用いることもできる。あるいは、撮像部240のラインセンサとしては、カラーに限らず、モノクロ(白黒)のCCDラインセンサまたはモノクロのCMOSラインセンサを用いることもできる。
図2に示すように、基板保持装置250は、例えばスピンチャックであり、駆動装置251および回転保持部252を含む。駆動装置251は、例えば電動モータであり、回転軸253を有する。回転保持部252は、駆動装置251の回転軸253の先端に取り付けられ、検査対象の基板Wを保持した状態で鉛直軸の周りで回転駆動される。
移動部260は、一対のガイド部材261(図1)および移動保持部262を含む。一対のガイド部材261は、互いに平行に一方向に延びるように設けられる。移動保持部262は、基板保持装置250を保持しつつ一対のガイド部材261に沿って一方向に移動可能に構成される。基板保持装置250が基板Wを保持する状態で移動保持部262が移動することにより、基板Wが投光部220および反射部230の下方を通過する。
ノッチ検出部270は、例えば投光素子および受光素子を含む反射型光電センサであり、基板Wが基板保持装置250により回転される状態で、その基板Wの外周部に向けて光を出射するとともに基板Wからの反射光を受光する。ノッチ検出部270は、基板Wからの反射光の受光量に基づいて基板Wのノッチを検出する。ノッチ検出部270として透過型光電センサを用いることもできる。
図1の基板検査装置200においては、筐体部210内に搬入される基板Wの一面が撮像部240により撮像される。この撮像動作について説明する。筐体部210の側部には、基板Wを搬入および搬出するためのスリット状の開口部211が形成されている。撮像対象の基板Wは、後述する図22の搬送装置120により開口部211を通して筐体部210内に搬入され、基板保持装置250により保持される。
続いて、基板保持装置250により基板Wが回転されつつノッチ検出部270から基板Wの周縁部に光が出射され、その反射光がノッチ検出部270により受光される。これにより、基板Wのノッチが検出され、基板Wの向きが判定される。基板Wの向きの判定結果に基づいて、基板Wのノッチが一定の方向を向くように基板Wの回転位置が基板保持装置250により調整される。
次に、投光部220から斜め下方に帯状の光が出射される。この状態で、基板Wが投光部220の下方を通るように、基板Wが移動部260により一方向に移動される。これにより、基板Wの一面の全体に投光部220からの光が照射される。基板Wの一面で反射された光は反射部230によりさらに反射されて撮像部240に導かれる。
撮像部240の撮像素子は、基板Wの一面から反射される光を所定のサンプリング周期で受光することにより、基板Wの一面における複数の部分を順次撮像する。撮像素子を構成する各画素は受光量に応じた値を示す画素データを出力する。撮像部240から出力される複数の画素データに基づいて、基板Wの一面上の全体の画像を示す画像データが生成される。その後、移動部260により基板Wが所定の位置に戻され、後述する図22の搬送装置120により基板Wが開口部211を通して筐体部210の外部に搬出される。
[2]基板検査装置200による基板Wの検査
基板検査装置200においては、まず欠陥がないサンプルの基板Wの一面が撮像され、そのサンプルの基板Wの一面の画像を表す画像データが生成される。また、検査対象の基板Wの一面が撮像され、その検査対象の基板Wの一面の画像を表す画像データが生成される。ここでいう基板Wの一面は、より正確には基板Wの一面上に形成された膜の表面を意味する。
その後、サンプルの基板Wの画像データおよび検査対象の基板Wの画像データに基づいて、検査対象の基板Wの表面状態の欠陥の有無が判定される。サンプルの基板Wおよび検査対象の基板Wの画像データの各々は、基板Wの一面上の複数の位置の画像をそれぞれ表す複数の画素値(R画素、G画素およびB画素にそれぞれ対応する画素値)を含む。以下の説明では、サンプルの基板Wの画像データをサンプル画像データと呼ぶ。また、検査対象の基板Wの画像データを対象画像データと呼ぶ。
基板検査装置200による基板Wの検査の詳細を、基板検査装置200の制御部280の機能的な構成とともに説明する。図3は、図1の制御部280の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部280は、撮像制御部281、画像データ取得部282、差分画像生成部283、候補抽出部284、算出部285、欠陥判定部286、検査記憶部287および検査部288を有する。これらの機能部は、CPUがメモリ等に記憶されたコンピュータプログラム(後述する基板検査処理用のプログラム)を実行することにより実現される。なお、制御部280の一部または全ての機能部の構成が電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
撮像制御部281は、筐体部210(図1)に搬入されるサンプルの基板Wが撮像されるように、投光部220、撮像部240、基板保持装置250、移動部260およびノッチ検出部270を制御する。この場合、撮像部240は、撮像により得られる画素データを制御部280に出力する。また、撮像制御部281は、筐体部210(図1)に搬入される検査対象の基板Wが撮像されるように、投光部220、撮像部240、基板保持装置250、移動部260およびノッチ検出部270を制御する。この場合、撮像部240は、撮像により得られる画素データを制御部280に出力する。
画像データ取得部282は、撮像部240によるサンプルの基板Wの撮像時に、撮像部240から出力される画素データに基づいてサンプル画像データを生成する。また、画像データ取得部282は、撮像部240による検査対象の基板Wの撮像時に、撮像部240から出力される画素データに基づいて対象画像データを生成する。さらに、画像データ取得部282は、生成されたサンプル画像データおよび対象画像データを検査記憶部287に記憶させる。
差分画像生成部283は、画像データ取得部282により生成されたサンプル画像データおよび対象画像データの互いに対応する画素について画素値の差分に対応する値を差分画素値として算出する。また、差分画像生成部283は、複数の差分画素値からなる差分画像データを生成する。
画素値の差分に対応する値は、画素値の差分値であってもよいし、画素値の差分値に所定値を加算した値であってもよい。なお、本実施の形態では、上記のように撮像部240のラインセンサの各画素がR画素、G画素およびB画素で構成されるので、差分画像データの各画素に対応する差分画素値にはR画素、G画素およびB画素にそれぞれ対応する3つの画素値が含まれる。
基板検査装置200においては、基板Wの欠陥部分を表している可能性がある差分画像データを抽出するために、差分画素値についての許容範囲が予め設定されている。許容範囲は、基板Wの撮像時に発生するノイズおよび差分画像データの生成時に発生する算出誤差等を考慮して設定される。検査記憶部287は、設定された許容範囲を記憶する。
基板Wの正常部分を表す差分画像データの一画素(R画素、G画素およびB画素の各々)について、当該一画素の理想的な差分画素値が値(α)である場合、許容範囲は例えば値(α−1)以上値(α+1)以下に設定される。あるいは、許容範囲は値(α)に設定されてもよいし、値(α−2)以上値(α+2)以下に設定されてもよい。許容範囲が適切に設定されることにより、欠陥部分を表している可能性がある差分画像データの部分と正常部分を表している可能性がある差分画像データの部分とを高い信頼性で区別することができる。
候補抽出部284は、差分画像データにより表される差分画像から差分画素値が予め定められた許容範囲外となる画素を判定する。また、候補抽出部284は、許容範囲外と判定された1または複数の画素から単一の塊とみなすことができる領域を欠陥候補部分として抽出する。
例えば、候補抽出部284は、許容範囲外と判定されかつ差分画像上で連続的に並ぶ複数の画素により形成される領域を欠陥候補部分として抽出する。具体的には、許容範囲外と判定された一の画素について、その一の画素を取り囲む全ての画素が許容範囲内と判定される場合、当該一の画素が欠陥候補部分として抽出される。また、許容範囲外と判定された互いに隣り合う4個の画素について、その4個の画素を取り囲む全ての画素が許容範囲内と判定される場合、当該4個の画素の部分が欠陥候補部分として抽出される。なお、欠陥候補部分の抽出方法の例は上記の例に限定されない。例えば、許容範囲外と判定されかつ連続的または微小間隔をおいて並ぶ複数の画素により形成される領域が欠陥候補部分として抽出されてもよい。
基板検査装置200においては、抽出された欠陥候補部分が実際の欠陥を表すか否かを判定するために、欠陥の特徴に対応する複数の特徴パラメータの種類が予め設定されている。また、基板検査装置200においては、複数の特徴パラメータにそれぞれ対応する複数の基準値および複数の第1の判定条件が予め設定されている。さらに、基板検査装置200においては、複数の特徴パラメータに共通の第2の判定条件が予め設定されている。第1の判定条件は、対応する特徴パラメータの値と基準値との間の予め定められた関係を示すものであり、例えば「<」、「>」、「≦」、「≧」、「=」、「≒」および「≠」等の演算子を用いて表すことができる。第2の判定条件については後述する。
検査記憶部287は、上記のサンプル画像データ、対象画像データおよび許容範囲に加えて、予め設定された複数の特徴パラメータの種類、複数の基準値、複数の第1の判定条件および複数の第2の判定条件を記憶する。複数の特徴パラメータは、例えば欠陥候補部分の面積(画素数)を含んでもよいし、欠陥候補部分の画素値を含んでもよい。特徴パラメータの具体例については後述する。なお、設定される特徴パラメータの種類は1つであってもよい。
算出部285は、候補抽出部284により抽出された欠陥候補部分ごとに、当該欠陥候補部分の差分画素値に基づいて設定された複数の特徴パラメータの値を算出する。設定される特徴パラメータの種類が1つである場合、算出部285は、設定された1つの特徴パラメータの値を算出する。
欠陥判定部286は、算出部285により算出された各特徴パラメータの値とその特徴パラメータに対応する基準値との関係がその特徴パラメータに対応する第1の判定条件を満たすか否かを判定する。
また、欠陥判定部286は、第1の判定条件を用いた複数の特徴パラメータについての複数の判定結果が第2の判定条件を満たすか否かに基づいて、欠陥候補部分に対応する検査対象の基板Wの部分に外観上の欠陥があるか否かを判定する。第2の判定条件は、複数の特徴パラメータについての複数の判定結果の間の予め定められた関係を示すものであり、例えば「and」、「or」および「not」等の演算子を用いて表すことができる。この場合、複数の特徴パラメータについての複数の判定結果の組み合わせに基づいて基板Wの外観上の欠陥が判定される。したがって、欠陥の判定の信頼性が向上する。第1および第2の判定条件を用いた欠陥の判定の具体例については後述する。
なお、設定される特徴パラメータの種類が1つである場合、欠陥判定部286は、その特徴パラメータの値と基準値との関係が第1の判定条件を満たすか否かに基づいて欠陥の有無を判定する。そのため、第2の判定条件は設定されない。
検査部288は、候補抽出部284により抽出された全ての欠陥候補部分について、欠陥が存在しないという判定が行われることにより、基板Wが正常であることを示す信号を基板検査装置200の外部に出力する。一方、検査部288は、候補抽出部284により抽出された少なくとも1つの欠陥候補部分について、欠陥が存在するという判定が行われることにより、基板Wが正常でないことを示す信号を基板検査装置200の外部に出力する。
基板検査装置200には、検査部288からの出力信号に基づいて使用者に基板Wが良品であるか否かを提示する提示装置が接続されてもよい。提示装置は、例えば基板Wの良否を表示する表示装置であってもよいし、例えば基板Wの良否を音声出力する音声出力装置であってもよい。提示装置が表示装置である場合、その表示装置には、欠陥と判定された部分を示す基板Wの差分画像が表示されてもよい(後述する図18(b)、図19(b)、図20(b)および図21(b)参照)。
[3]基板検査処理
上記のように、基板検査装置200において基板Wを検査するために制御部280において行われる一連の処理を基板検査処理と呼ぶ。図4は、本発明の一実施の形態に係る基板検査処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図3の撮像制御部281および画像データ取得部282は、サンプルの基板Wおよび検査対象の基板Wの一面をそれぞれ撮像することにより、サンプル画像データおよび対象画像データを生成する(ステップS11)。また、図3の差分画像生成部283は、サンプル画像データおよび対象画像データに基づいて、複数の差分画素値からなる差分画像データを生成する(ステップS12)。
次に、図3の候補抽出部284は、予め設定された許容範囲に基づいて、差分画像データにより表される差分画像から欠陥候補部分を抽出する(ステップS13)。また、候補抽出部284は、欠陥候補部分が存在するか否かを判定する(ステップS14)。欠陥候補部分が存在しない場合、図3の検査部288は、後述するステップS17の処理に進む。一方、欠陥候補部分が存在する場合、図3の算出部285は、抽出された欠陥候補部分ごとに差分画素値に基づいて予め設定された特徴パラメータの値を算出する(ステップS15)。
次に、図3の欠陥判定部286は、欠陥候補部分ごとに、算出された特徴パラメータの値と対応する基準値ならびに第1および第2の判定条件とに基づいて、その欠陥候補部分に対応する基板Wの部分に外観上の欠陥があるか否かを判定する(ステップS16)。
具体的には、欠陥判定部286は、複数の特徴パラメータが設定されている場合、欠陥候補部分ごとに各特徴パラメータの値と基準値とが第1の判定条件を満たすか否かを判定する。その後、欠陥判定部286は、その欠陥候補部分の複数の特徴パラメータについての複数の判定結果が第2の判定条件を満たすか否かを判定することにより欠陥があるか否かを判定する。一方、欠陥判定部286は、特徴パラメータの種類が1つのみ設定されている場合、欠陥候補部分ごとにその特徴パラメータの値と基準値とが第1の判定条件を満たすか否か判定することにより欠陥があるか否かを判定する。
最後に、図3の検査部288は、ステップS14,S16のいずれかの判定結果に基づいて、基板Wが良品であるか否かを判定して判定結果を出力する(ステップS17)。具体的には、検査部288は、ステップS14で欠陥候補部分が存在しないと判定された場合、およびステップS16で全ての欠陥候補部分について欠陥がないと判定された場合に、検査対象の基板Wが良品であると判定する。一方、検査部288は、ステップS16で少なくとも1つの欠陥候補部分について欠陥があると判定された場合に、検査対象の基板Wが不良品であると判定する。その後、検査部288は、基板検査処理を終了する。
[4]特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法
図5〜図17は、特徴パラメータの具体例およびその特徴パラメータの値の算出方法を説明するための図である。
(a)特徴パラメータとして、欠陥候補部分の画素数が設定されてもよい。欠陥候補部分の画素数の値は、欠陥候補部分の面積に関する値に相当する。図5に示すように、欠陥候補部分の画素数V1が設定される場合には、その画素数V1に対応する基準値が設定される。また、画素数V1と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図5の例では、基準値が「10」に設定され、第1の判定条件が「基準値よりも大きいこと(V1>10)」に設定されている。
図5に示される差分画像imにおいては、欠陥候補部分の各画素に対応する画素値がその値に応じたハッチングまたはドットパターンで示される。この差分画像imにおける欠陥候補部分の画素数V1は「144」であり、基準値「10」よりも大きい。したがって、図5の欠陥候補部分は、第1の判定条件を満たす。
(b)特徴パラメータとして、欠陥候補部分におけるR画素値の最大値および最小値の差分、G画素値の最大値および最小値の差分、B画素値の最大値および最小値の差分のうちの最大値が設定されてもよい。以下の説明では、この最大値を第1の差分最大値と呼ぶ。第1の差分最大値は、欠陥候補部分の差分画素値に関する値に相当する。
図6に示すように、第1の差分最大値V2が設定される場合には、その第1の差分最大値V2に対応する基準値が設定される。また、第1の差分最大値V2と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図6の例では、基準値が「5」に設定され、第1の判定条件が「第1の差分最大値が基準値よりも大きいこと(V2>5)」に設定されている。
図6に示される差分画像imにおいては、図5の例と同様に、欠陥候補部分が複数種類のハッチングおよびドットパターンで示される。また、欠陥候補部分内の3つの画素についてのRGBの画素値が示される。一の画素におけるRGBの画素値はRGBの順に(130,127,129)である。他の画素におけるRGBの画素値はRGBの順に(129,130,130)である。さらに他の画素におけるRGBの画素値はRGBの順に(128,138,135)である。このように、本例の欠陥候補部分においては複数の画素間でRGBの画素値がばらつく。それにより、欠陥候補部分の各画素においてはRGBの画素値のばらつきに応じた色が表される。
図6の例において、欠陥候補部分の全てのR画素値の最大値および最小値は、それぞれ「130」および「128」であり、R画素値の最大値および最小値の差分は「2」である。一方、欠陥候補部分の全てのG画素値の最大値および最小値は、それぞれ「138」および「127」であり、G画素値の最大値および最小値の差分は「11」である。他方、欠陥候補部分の全てのB画素値の最大値および最小値は、それぞれ「135」および「129」であり、B画素値の最大値および最小値の差分は「6」である。この場合、第1の差分最大値V2は「11」であり、基準値「5」よりも大きい。したがって、図6の欠陥候補部分は、第1の判定条件を満たす。
(c)サンプルの基板Wの画像データと検査対象の基板Wの画像データとの間で互いに対応する画素値に差が生じない部分は、差分画像データにおいて予め定められた差分画素値で表されることになる。以下の説明では、この差分画素値を正常画素値と呼ぶ。
特徴パラメータとして、欠陥候補部分におけるR画素値の正常画素値に対する最大の差分、G画素値の正常画素値に対する最大の差分、B画素値の正常画素値に対する最大の差分のうちの最大値が設定されてもよい。以下の説明では、この最大値を第2の差分最大値と呼ぶ。第2の差分最大値は、欠陥候補部分の差分画素値に関する値に相当する。なお、RGBの各画素値の正常画素値に対する最大の差分は、RGBの各画素値の正常画素値に対する最大の差分絶対値を意味する。
図7に示すように、第2の差分最大値V3が設定される場合には、その第2の差分最大値V3に対応する基準値が設定される。また、第2の差分最大値V3と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図7の例では、基準値が「8」に設定され、第1の判定条件が「第2の差分最大値が基準値よりも大きいこと(V3>8)」に設定されている。
図7に示される差分画像imにおいては、図6の例と同様に、欠陥候補部分がハッチングおよびドットパターンで示される。また、欠陥候補部分内の3つの画素についてのRGBの画素値が示される。
図7の例において、正常画素値は「128」であるものとする。R画素値の正常画素値に対する最大の差分は「2」である。一方、G画素値の正常画素値に対する最大の差分は「10」である。他方、B画素値の正常画素値に対する最大の差分は「7」である。この場合、第2の差分最大値V3は「10」であり、基準値「8」よりも大きい。したがって、図7の欠陥候補部分は、第1の判定条件を満たす。
(d)特徴パラメータとして、欠陥候補部分における全てのR画素の画素値、G画素の画素値およびB画素の画素値の平均値が設定されてもよい。以下の説明では、この平均値を画素平均値と呼ぶ。画素平均値は、欠陥候補部分の差分画素値に関する値に相当する。
図8に示すように、画素平均値V4が設定される場合には、その画素平均値V4に対応する基準値が設定される。また、画素平均値V4と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図8の例では、基準値が「131」に設定され、第1の判定条件が「画素平均値が基準値よりも大きいこと(V4>131)」に設定されている。
図8に示される差分画像imにおいては、図5の例と同様に、欠陥候補部分がハッチングまたはドットパターンで示される。この差分画像imにおける欠陥候補部分の画素平均値V4は「132」である。この場合、画素平均値V4は基準値「131」よりも大きい。したがって、図8の欠陥候補部分は、第1の判定条件を満たす。
(e)差分画像のうち基板Wの中心に対応する画素を中心画素と呼ぶ。中心画素の位置は、基板Wの撮像時における基板Wと撮像部240の撮像視野との位置関係等に基づいて定められる。また、欠陥候補部分のうち中心画素に最も近い位置にある画素を第1画素と呼び、中心画素と第1画素との間の距離を最短距離と呼ぶ。特徴パラメータとして、最短距離が設定されてもよい。最短距離は、差分画像における欠陥候補部分の位置に関する値に相当する。図9に示すように、最短距離V5が設定される場合には、その最短距離V5に対応する基準値が設定される。また、最短距離V5と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図9の例では、基準値が「100」に設定され、第1の判定条件が「最短距離が基準値よりも小さいこと(V5<100)」に設定されている。
図9に示される差分画像imにおいては、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。さらに、中心画素icが丸印で示され、第1画素px1が四角印で示される。
(f)欠陥候補部分のうち中心画素icから最も遠い位置にある画素を第2画素と呼び、中心画素icと第2画素との間の距離を最長距離と呼ぶ。特徴パラメータとして、最長距離が設定されてもよい。最長距離は、差分画像における欠陥候補部分の位置に関する値に相当する。図10に示すように、最長距離V6が設定される場合には、その最長距離V6に対応する基準値が設定される。また、最長距離V6と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図10の例では、基準値が「140」に設定され、第1の判定条件が「最長距離が基準値よりも小さいこと(V6<140)」に設定されている。
図10に示される差分画像imにおいては、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。さらに、中心画素icが丸印で示され、第2画素px2が四角印で示される。
(g)特徴パラメータとして、欠陥候補部分の長さが設定されてもよい。以下の説明では、この長さを候補部分長さと呼ぶ。この場合、候補部分長さは、欠陥候補部分の寸法に関する値に相当する。ここで、回転する基板Wにレジスト液等の処理液を供給することにより基板W上に形成される膜には、基板Wの中心から基板Wの外周部に向かって放射状に欠陥が形成される可能性が高い。そこで、本例では、図10の最長距離V6と図9の最短距離V5との差分を候補部分長さとみなす。
図11に示すように、候補部分長さV7が設定される場合には、その候補部分長さV7に対応する基準値が設定される。また、候補部分長さV7と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図11の例では、基準値が「15」に設定され、第1の判定条件が「候補部分長さが基準値よりも大きいこと(V7>15)」に設定されている。
図11に示される差分画像imにおいては、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。さらに、中心画素icが丸印で示され、第1画素px1および第2画素px2が四角印で示される。
(h)欠陥候補部分の面積を図11の候補部分長さV7で除算することにより得られるパラメータを欠陥候補部分の第1の部分幅と呼ぶ。さらに、第1の部分幅を候補部分長さV7で除算することにより得られるパラメータを第1の直線度と呼ぶ。第1の直線度は、欠陥候補部分の形状が直線に近いか否かの度合いを示す。第1の直線度は、0に近いほど欠陥候補部分の形状が直線に近似することを意味し、1に近いほど欠陥候補部分の形状が直線から相違することを意味する。
特徴パラメータとして、第1の直線度が設定されてもよい。この場合、第1の直線度は、欠陥候補部分の寸法に関する値に相当する。図12に示すように、第1の直線度V8が設定される場合には、その第1の直線度V8に対応する基準値が設定される。また、第1の直線度V8と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図12の例では、基準値が「0.5」に設定され、第1の判定条件が「第1の直線度が基準値よりも大きいこと(V8>0.5)」に設定されている。
図12に示される差分画像imにおいては、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。さらに、中心画素icが丸印で示され、第1画素px1および第2画素px2が四角印で示される。また、欠陥候補部分の面積が符号A1で示され、第1の部分幅が符号W1で示される。
(i)図11の第1画素px1および第2画素px2を結ぶ直線を定義した場合に、当該直線に対して直交する方向における欠陥候補部分の最大幅を第2の部分幅と呼ぶ。特徴パラメータとして、第2の部分幅が設定されてもよい。この場合、第2の部分幅は、欠陥候補部分の寸法に関する値に相当する。図13に示すように、第2の部分幅V9が設定される場合には、その第2の部分幅V9に対応する基準値が設定される。また、第2の部分幅V9と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図13の例では、基準値が「5」に設定され、第1の判定条件が「第2の部分幅が基準値よりも大きいこと(V9>5)」に設定されている。
図13に示される差分画像imにおいては、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。さらに、第1画素px1および第2画素px2が四角印で示される。また、第1画素px1および第2画素px2を結ぶ直線が符号VLで示される。
(j)第2の部分幅V9(図13)を候補部分長さV7(図11)で除算することにより得られるパラメータを第2の直線度と呼ぶ。第2の直線度は、第1の直線度と同様に、欠陥候補部分の形状が直線に近いか否かの度合いを示す。第2の直線度は、0に近いほど欠陥候補部分の形状が直線に近似することを意味し、1に近いほど欠陥候補部分の形状が直線から相違することを意味する。
特徴パラメータとして、第2の直線度が設定されてもよい。この場合、第2の直線度は、欠陥候補部分の寸法に関する値に相当する。図14に示すように、第2の直線度V10が設定される場合には、その第2の直線度V10に対応する基準値が設定される。また、第2の直線度V10と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図14の例では、基準値が「0.5」に設定され、第1の判定条件が「第2の直線度が基準値よりも大きいこと(V10>0.5)」に設定されている。
図14に示される差分画像imにおいては、図13の例と同様に、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。さらに、第1画素px1および第2画素px2が四角印で示される。また、第1画素px1および第2画素px2を結ぶ直線が符号VLで示される。
(k)特徴パラメータとして、欠陥候補部分の輪郭を構成する複数の画素から図11の直線VLまでの複数の距離の平均値が設定されてもよい。以下の説明では、この平均値を距離平均値と呼ぶ。この場合、距離平均値は、欠陥候補部分の寸法に関する値に相当する。図15に示すように、距離平均値V11が設定される場合には、その距離平均値V11に対応する基準値が設定される。また、距離平均値V11と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図15の例では、基準値が「2」に設定され、第1の判定条件が「距離平均値が基準値よりも大きいこと(V11>2)」に設定されている。
図15に示される差分画像imにおいては、図13の例と同様に、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。また、第1画素px1および第2画素px2が四角印で示され、第1画素px1および第2画素px2を結ぶ直線が符号VLで示される。さらに、欠陥候補部分の輪郭を構成する1個目の画素からn個目の画素のうち一部の画素から直線VLまでの距離が、符号d1,d2,d3,d4,d5,dnで示される。
(l)基板検査装置200においては、当該装置内における基板Wの位置が把握できるように、水平面内で互いに直交するX軸およびY軸を有するXY座標系が定義される。基板Wは、例えば基板W上に形成される膜の複数のパターンがX軸およびY軸の方向にマトリクス状に並ぶ状態で撮像部240により撮像される。そのため、隣り合う複数のパターン間の隙間は、X軸およびY軸の方向に平行に延びる。一方、上記のように、基板W上に形成される膜には、基板Wの中心から基板Wの外周部に向かって放射状に欠陥が形成される可能性が高い。そのため、基板W上の大部分において、欠陥を示す欠陥候補部分は、X軸およびY軸に対して交差する方向に延びると考えられる。したがって、X軸およびY軸に対する欠陥候補部分の角度を求めることができれば、それらの角度に基づいて欠陥候補部分が欠陥を示すか否かを判定することが可能になると考えられる。
そこで、上記の点を考慮して、特徴パラメータとして、X軸およびY軸に対する欠陥候補部分の角度が設定されてもよい。以下の説明では、X軸に対する欠陥候補部分の角度をX軸傾斜角度と呼び、Y軸に対する欠陥候補部分の角度をY軸傾斜角度と呼ぶ。この場合、X軸傾斜角度およびY軸傾斜角度は、差分画像における欠陥候補部分の向きに関する値に相当する。図16に示すように、X軸傾斜角度V12xおよびY軸傾斜角度V12yが設定される場合には、それらのX軸傾斜角度V12xおよびY軸傾斜角度V12yにそれぞれ対応する基準値が設定される。また、X軸傾斜角度V12xおよびY軸傾斜角度V12yと基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図16の例では、X軸傾斜角度V12xおよびY軸傾斜角度V12yの基準値が共通の「0」に設定され、第1の判定条件が「X軸傾斜角度およびY軸傾斜角度が基準値ではないこと(V12x≠0,V12y≠0)」に設定されている。
図16に示される差分画像imにおいては、図13の例と同様に、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。さらに、第1画素px1および第2画素px2が四角印で示され、第1画素px1および第2画素px2を通る直線が符号VLで示される。本例では直線VLの方向を、欠陥候補部分が延びる方向とみなす。また、図16の差分画像imでは、X軸およびY軸が一点鎖線で示される。
(m)特徴パラメータとして、中心画素icおよび第2画素px2を結ぶ直線に対する欠陥候補部分の角度が設定されてもよい。以下の説明では、この角度を半径傾斜角度を呼ぶ。この場合、半径傾斜角度は、差分画像における欠陥候補部分の向きに関する値に相当する。図17に示すように、半径傾斜角度V13が設定される場合には、その半径傾斜角度V13に対応する基準値が設定される。また、半径傾斜角度V13と基準値との間の予め定められた関係が第1の判定条件として設定される。図17の例では、半径傾斜角度V13の基準値が「0」に設定され、第1の判定条件が「半径傾斜角度が基準値であること(V13=0)」に設定されている。
図17に示される差分画像imにおいては、欠陥候補部分が単一のドットパターンで示されるとともに、その輪郭が点線で示される。また、第1画素px1および第2画素px2が四角印で示され、第1画素px1および第2画素px2を通る直線が符号VLで示される。本例では直線VLの方向を、欠陥候補部分が延びる方向とみなす。さらに、中心画素icが丸印で示され、中心画素icおよび第2画素px2を結ぶ直線が符号VL0で示される。
[5]欠陥の具体的な判定例
(a)第1の判定例
上記のように、基板W上に形成される膜には、基板Wの中心から外周端部に向かって放射状に欠陥が形成される可能性が高い。第1の判定例では、このような欠陥を判定するために、予め4つの特徴パラメータが設定される。具体的には、第1の特徴パラメータとして上記の画素数V1が設定される。第1の特徴パラメータに対応する基準値として「45」が設定され、第1の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「画素数が基準値45以上であること」が設定される。
また、第2の特徴パラメータとして上記の第1の直線度V8が設定される。第2の特徴パラメータに対応する基準値として「0.2」が設定され、第2の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「第1の直線度が基準値0.2よりも小さいこと」が設定される。
また、第3の特徴パラメータとして上記の距離平均値V11が設定される。第3の特徴パラメータに対応する基準値として「1.5」が設定され、第3の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「距離平均値が基準値1.5以下であること」が設定される。
また、第4の特徴パラメータとして上記の半径傾斜角度V13が設定される。第4の特徴パラメータに対応する基準値として「0.2」および「−0.2」が設定され、第4の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「半径傾斜角度が基準値−0.2以上基準値0.2以下であること」が設定される。
さらに、本例では、上記の第1〜第4の特徴パラメータに共通の第2の判定条件として、「第1〜第4の特徴パラメータに対応する全ての第1の条件が満たされること」が設定される。この設定内容は、各特徴パラメータの符号を用いて、論理式「(V1≧45)and(V8<0.2)and(V11≦1.5)and(−0.2≦V13≦0.2)」で表すことができる。
図18は、欠陥の第1の判定例を説明するための図である。図18(a)には、対象画像データに基づく基板Wの表面画像im1の第1の例が示される。図18(a)の表面画像im1は基板Wの一部分を表す。その基板Wの一部分には、基板Wの中心から外周端部にかけて直線状に延びる欠陥が発生しているものとする。しかしながら、図18(a)の表面画像im1を視認しても、その欠陥部分を把握することは難しい。なお、図18(a)では、欠陥部分を容易に識別することができるように、表面画像im1のうち基板W上の欠陥に対応する部分が点線で示される。
図18(a)の表面画像im1を表す対象画像データとサンプル画像データとに基づいて差分画像データを生成し、差分画像データにより表される差分画像から欠陥候補部分を抽出する。さらに、抽出された欠陥候補部分から上記の第1〜第4の特徴パラメータ、複数の第1の条件および第2の条件に基づいて欠陥を判定する。
欠陥の判定結果を示す差分画像の一例が図18(b)に示される。図18(b)の差分画像においては、図18(a)の表面画像im1に基づいて欠陥と判定された部分が他の部分に対して異なる態様で示されている。図18(b)の差分画像im2においても、図18(a)の表面画像im1と同様に、基板W上の欠陥に対応する欠陥部分が点線で示される。
図18(b)に白抜きの矢印で示すように、本例では、欠陥と判定された画像部分が灰色で示され、他の部分が黒色で示される。このように、第1の判定例においては、複数の判定結果の組み合わせに基づいて欠陥の判定が行われることにより、実際の欠陥部分の一部が正確に検出されている。
(b)第2の判定例
膜が形成された基板Wにおいては、例えば基板Wの外周端部から一定幅の膜の部分が除去される場合がある。このとき、基板Wの外周端部から一定幅の部分よりもさらに内側の部分の膜が部分的に除去されると、その除去部分は欠陥となる。第2の判定例では、このような欠陥を判定するために、1つの特徴パラメータが設定される。具体的には、特徴パラメータとして上記の画素平均値V4が設定される。その特徴パラメータに対応する基準値として「20」が設定され、その特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「画素平均値が基準値20以上であること」が設定される。本例では、1つの特徴パラメータのみが設定されるので、第2の条件は設定されない。この設定内容は、特徴パラメータの符号を用いて、論理式「V4≧20」で表すことができる。
図19は、欠陥の第2の判定例を説明するための図である。図19(a)には、対象画像データに基づく基板Wの表面画像im1の第2の例が示される。図19(a)の表面画像im1は基板Wの一部分を表す。その基板Wの一部分には、基板Wの外周端部近傍に局部的な欠陥が発生しているものとする。なお、図19(a)では、欠陥部分を容易に識別することができるように、表面画像im1のうち基板W上の欠陥に対応する部分が点線で示される。
欠陥の判定結果を示す差分画像の一例が図19(b)に示される。図19(b)の差分画像においては、図19(a)の表面画像im1に基づいて欠陥と判定された部分が他の部分に対して異なる態様で示されている。図19(b)の差分画像im2においても、図19(a)の表面画像im1と同様に、基板W上の欠陥に対応する欠陥部分が点線で示される。
図19(b)に白抜きの矢印で示すように、本例においても、図18(b)の第1の判定例と同様に、欠陥と判定された画像部分が灰色で示され、他の部分が黒色で示される。このように、第2の判定例においても、実際の欠陥部分の少なくとも一部が正確に検出されている。
(c)第3の判定例
膜が形成された基板W上には、比較的広い幅で一方向に延びるように直線状の欠陥が形成される場合がある。第3の判定例では、このような欠陥を判定するために、3つの特徴パラメータが設定される。具体的には、第1の特徴パラメータとして上記の画素数V1が設定される。第1の特徴パラメータに対応する基準値として「900」が設定され、第1の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「画素数が基準値900以上であること」が設定される。
また、第2の特徴パラメータとして上記の第1の直線度V8が設定される。第2の特徴パラメータに対応する基準値として「0.1」が設定され、第2の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「第1の直線度が基準値0.1よりも小さいこと」が設定される。
また、第3の特徴パラメータとして上記の画素平均値V4が設定される。第3の特徴パラメータに対応する基準値として「1」が設定され、第3の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「画素平均値が基準値1以上であること」が設定される。
さらに、本例では、上記の第1〜第3の特徴パラメータに共通の第2の判定条件として、「第1〜第3の特徴パラメータに対応する全ての第1の条件が満たされること」が設定される。この設定内容は、各特徴パラメータの符号を用いて、論理式「(V1≧900)and(V8<0.1)and(V4≧1)」で表すことができる。
図20は、欠陥の第3の判定例を説明するための図である。図20(a)には、対象画像データに基づく基板Wの表面画像im1の第3の例が示される。図20(a)の表面画像im1は基板Wの一部分を表す。その基板Wの一部分には、比較的広い幅で一方向に延びる直線状の欠陥が発生しているものとする。なお、図20(a)では、欠陥部分を容易に識別することができるように、表面画像im1のうち基板W上の欠陥に対応する部分が点線で示される。
欠陥の判定結果を示す差分画像の一例が図20(b)に示される。図20(b)の差分画像においては、図20(a)の表面画像im1に基づいて欠陥と判定された部分が他の部分に対して異なる態様で示されている。図20(b)の差分画像im2においても、図20(a)の表面画像im1と同様に、基板W上の欠陥に対応する欠陥部分が点線で示される。
図20(b)に白抜きの矢印で示すように、本例においても、図18(b)および図19(b)の第1および第2の判定例と同様に、欠陥と判定された画像部分が灰色で示され、他の部分が黒色で示される。このように、第3の判定例においても、実際の欠陥部分の少なくとも一部が正確に検出されている。
(d)第4の判定例
膜が形成された基板W上には、基板Wの外周端部近傍にやや広がりがある局部的な欠陥が形成される場合がある。第4の判定例では、このような欠陥を判定するために、2つの特徴パラメータが設定される。具体的には、第1の特徴パラメータとして上記の画素数V1が設定される。第1の特徴パラメータに対応する基準値として「150」が設定され、第1の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「画素数が基準値150以上であること」が設定される。
また、第2の特徴パラメータとして上記の画素値の平均値V4が設定される。第2の特徴パラメータに対応する基準値として「10」が設定され、第2の特徴パラメータに対応する第1の判定条件として「平均値が基準値10以上であること」が設定される。
さらに、本例では、上記の第1および第2の特徴パラメータに共通の第2の判定条件として、「第1および第2の特徴パラメータに対応する全ての第1の条件が満たされること」が設定される。この設定内容は、各特徴パラメータの符号を用いて、論理式「(V1≧150)and(V4≧10)」で表すことができる。
図21は、欠陥の第4の判定例を説明するための図である。図21(a)には、対象画像データに基づく基板Wの表面画像im1の第4の例が示される。図21(a)の表面画像im1は基板Wの一部分を表す。その基板Wの一部分には、基板Wの外周端部近傍に局部的な欠陥が発生しているものとする。なお、図21(a)では、欠陥部分を容易に識別することができるように、表面画像im1のうち基板W上の欠陥に対応する部分が点線で示される。
欠陥の判定結果を示す差分画像の一例が図21(b)に示される。図21(b)の差分画像においては、図21(a)の表面画像im1に基づいて欠陥と判定された部分が他の部分に対して異なる態様で示されている。図21(b)の差分画像im2においても、図21(a)の表面画像im1と同様に、基板W上の欠陥に対応する欠陥部分が点線で示される。
図21(b)に白抜きの矢印で示すように、本例においても、図18(b)、図19(b)および図20(b)の第1〜第3の判定例と同様に、欠陥と判定された画像部分が灰色で示され、他の部分が黒色で示される。このように、第4の判定例においても、実際の欠陥部分の少なくとも一部が正確に検出されている。
[6]効果
上記の基板検査装置200においては、サンプル画像データおよび対象画像データが取得され、サンプル画像データおよび対象画像データに基づいて差分画像データが生成される。差分画像データにより表される差分画像において、差分画素値が許容範囲外となる欠陥候補部分が抽出される。欠陥候補部分の差分画素値に基づいて欠陥の特徴に対応する特徴パラメータの値が算出される。特徴パラメータの値と基準値との関係に基づいて、検査対象となる基板Wに外観上の欠陥があるか否かが判定される。
その判定方法によれば、差分画像のうち基板Wの正常な部分に対応する部分がノイズまたは差分画素値の算出誤差等により欠陥候補部分として抽出される場合でも、その欠陥候補部分について特徴パラメータの値に基づく判定が行われる。ノイズまたは算出誤差等に起因する欠陥候補部分には、基板の欠陥Wの特徴が表れる可能性が低い。そのため、特徴パラメータの値に基づく判定を行うことにより、基板Wにおける実際に正常である部分に欠陥が存在すると誤判定されることが抑制される。この場合、欠陥に対応する部分の差分画素値が許容範囲内とならないように、許容範囲を小さく設定することができる。それにより、実際に欠陥が存在する部分が正常であると誤判定されることが抑制される。したがって、基板Wの表面上の欠陥を高い信頼性で検出することが可能である。
[7]基板検査装置200を備える基板処理装置
図22は、図1の基板検査装置200を備える基板処理装置の一例を示す模式的ブロック図である。図22に示すように、基板処理装置100は、露光装置300に隣接して設けられ、上記の基板検査装置200を備えるとともに、制御装置110、搬送装置120、塗布処理部130、現像処理部140および熱処理部150を備える。
制御装置110は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、搬送装置120、塗布処理部130、現像処理部140および熱処理部150の動作を制御する。また、制御装置110は、基板Wの一面の表面状態を検査するための指令を基板検査装置200の制御部280(図1)に与える。
搬送装置120は、基板Wを塗布処理部130、現像処理部140、熱処理部150、基板検査装置200および露光装置300の間で搬送する。
塗布処理部130は、未処理の基板Wの一面上にレジスト膜を形成する(塗布処理)。レジスト膜が形成された塗布処理後の基板Wには、露光装置300において露光処理が行われる。現像処理部140は、露光装置300による露光処理後の基板Wに現像液を供給することにより、基板Wの現像処理を行う。熱処理部150は、塗布処理部130による塗布処理、現像処理部140による現像処理、および露光装置300による露光処理の前後に基板Wの熱処理を行う。
なお、塗布処理部130は、基板Wに反射防止膜を形成してもよい。この場合、熱処理部150には、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理を行うための処理ユニットが設けられてもよい。また、塗布処理部130は、基板W上に形成されたレジスト膜を保護するためのレジストカバー膜を基板Wに形成してもよい。
基板検査装置200は、塗布処理部130によりレジスト膜が形成された後の基板Wの検査(基板検査処理)を行う。例えば、基板検査装置200は、塗布処理部130による塗布処理後かつ露光装置300による露光処理前の基板Wの検査を行う。または、基板検査装置200は、塗布処理部130による塗布処理後かつ露光装置300による露光処理後の基板Wの検査を行う。これにより、レジスト膜が形成された基板Wの表面上の欠陥が高い信頼性で検出される。それにより、使用者は、レジスト膜の形成時における基板Wの処理不良の発生を正確に把握することができる。
あるいは、基板検査装置200は、塗布処理部130による塗布処理後かつ露光装置300による露光処理後かつ現像処理部140による現像処理後の基板Wの検査を行ってもよい。これにより、現像処理後の基板Wの表面上の欠陥が高い信頼性で検出される。それにより、使用者は、レジスト膜の形成時、露光処理時および現像処理時における基板Wの処理不良の発生を正確に把握することができる。
[8]他の実施の形態
(a)上記実施の形態では、サンプル画像データは、サンプルの基板Wを撮像することにより生成されるが、本発明はこれに限定されない。サンプル画像データは、サンプルの基板Wを撮像することに代えて、例えば基板W処理のシミュレーションに基づいて生成されてもよい。この場合、シミュレーションにより得られるサンプル画像データは、予め検査記憶部287に記憶される。それにより、画像データ取得部282は、基板Wの検査時に検査記憶部287からサンプル画像データを取得する。
なお、上記実施の形態においても、一度サンプル画像データが検査記憶部287に記憶された後は、画像データ取得部282は、基板Wの検査時に検査記憶部287からサンプル画像データを取得してもよい。
(b)上記実施の形態では、サンプル画像データおよび対象画像データの各々は、基板検査装置200において帯状の光が水平方向に移動する基板Wに照射され、その反射光を撮像部240のラインセンサが受光することにより生成されるが、本発明はこれに限定されない。
サンプル画像データは、例えば複数の画素がマトリクス状に並ぶように配置された撮像素子を備えるカメラでサンプルの基板Wを撮像することにより生成されてもよい。また、対象画像データは、例えば複数の画素がマトリクス状に並ぶように配置された撮像素子を備えるカメラで検査対象の基板Wを撮像することにより生成されてもよい。
(c)基板検査装置200において、差分画素値についての許容範囲、特徴パラメータ、基準値、第1の判定条件および第2の判定条件のうちの少なくとも一部は、使用者が図示しない操作部を操作することにより設定可能であってもよい。
[9]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明する。上記実施の形態では、基板検査装置200が基板検査装置の例であり、サンプル画像データが第1の画像データの例であり、対象画像データが第2の画像データの例であり、画像データ取得部282が画像データ取得部の例である。
また、差分画像生成部283が差分画像生成部の例であり、候補抽出部284が候補抽出部の例であり、算出部285が算出部の例であり、欠陥判定部286が欠陥判定部の例であり、第1の判定条件が第1の関係の例であり、第2の判定条件が第2の関係の例であり、塗布処理部130が膜形成部の例であり、基板処理装置100が基板処理装置の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
100…基板処理装置,110…制御装置,120…搬送装置,130…塗布処理部,140…現像処理部,150…熱処理部,200…基板検査装置,210…筐体部,211…開口部,220…投光部,230…反射部,240…撮像部,250…基板保持装置,251…駆動装置,252…回転保持部,253…回転軸,260…移動部,261…ガイド部材,262…移動保持部,270…ノッチ検出部,280…制御部,281…撮像制御部,282…画像データ取得部,283…差分画像生成部,284…候補抽出部,285…算出部,286…欠陥判定部,287…検査記憶部,288…検査部,300…露光装置,V1…画素数,V2…第1の差分最大値,V3…第2の差分最大値,V4…画素平均値,V5…最短距離,V6…最長距離,V7…候補部分長さ,V8…第1の直線度,V9…第2の部分幅,V10…第2の直線度,V11…距離平均値,V12x…X軸傾斜角度,V12y…Y軸傾斜角度,V13…半径傾斜角度,W…基板,ic…中心画素,im,im2…差分画像,im1…表面画像,px1…第1画素,px2…第2画素

Claims (11)

  1. 基板の外観検査を行う基板検査装置であって、
    外観上の欠陥がない基板の画像データを第1の画像データとして取得するとともに、検査すべき基板を撮像することにより前記検査すべき基板の画像データを第2の画像データとして取得する画像データ取得部と、
    前記画像データ取得部により取得された第1および第2の画像データの互いに対応する画素について画素値の差分に対応する値を差分画素値として算出することにより複数の差分画素値からなる差分画像データを生成する差分画像生成部と、
    前記差分画像データにより表される差分画像から前記差分画素値が予め定められた許容範囲外となる欠陥候補部分を抽出する候補抽出部と、
    前記欠陥候補部分の差分画素値に基づいて、基板の欠陥の特徴に対応する特徴パラメータの値を算出する算出部と、
    前記算出部により算出された前記特徴パラメータの値と前記特徴パラメータに対応する基準値との関係に基づいて、前記検査すべき基板のうち前記欠陥候補部分に対応する部分に外観上の欠陥があるか否かを判定する欠陥判定部とを備える、基板検査装置。
  2. 前記特徴パラメータは、複数の特徴パラメータを含み、
    前記基準値は、前記複数の特徴パラメータにそれぞれ対応する複数の基準値を含み、
    前記欠陥判定部は、各特徴パラメータの値がその特徴パラメータに対応する基準値に対して予め定められた第1の関係を満たすか否かを判定するとともに、前記複数の特徴パラメータについての複数の判定結果が予め定められた第2の関係を満たすか否かに基づいて、前記検査すべき基板のうち前記欠陥候補部分に対応する部分に外観上の欠陥があるか否かを判定する、請求項1記載の基板検査装置。
  3. 前記特徴パラメータの値は、前記欠陥候補部分の面積に関する値を含む、請求項1または2記載の記載の基板検査装置。
  4. 前記特徴パラメータの値は、前記欠陥候補部分の寸法に関する値を含む、請求項1または2記載の基板検査装置。
  5. 前記特徴パラメータの値は、前記欠陥候補部分の差分画素値に関する値を含む、請求項1または2記載の基板検査装置。
  6. 前記特徴パラメータの値は、前記差分画像における前記欠陥候補部分の位置に関する値を含む、請求項1または2記載の基板検査装置。
  7. 前記特徴パラメータの値は、前記差分画像における前記欠陥候補部分の向きに関する値を含む、請求項1または2記載の基板検査装置。
  8. 基板上に膜を形成する膜形成部と、
    前記膜形成部により前記膜が形成された基板を検査する請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板検査装置とを備える、基板処理装置。
  9. 基板の外観検査を行う基板検査方法であって、
    外観上の欠陥がない基板の画像データを第1の画像データとして取得するとともに、検査すべき基板を撮像することにより前記検査すべき基板の画像データを第2の画像データとして取得するステップと、
    前記取得された第1および第2の画像データの互いに対応する画素について画素値の差分に対応する値を差分画素値として算出することにより複数の差分画素値からなる差分画像データを生成するステップと、
    前記差分画像データにより表される差分画像から前記差分画素値が予め定められた許容範囲外となる欠陥候補部分を抽出するステップと、
    前記欠陥候補部分の差分画素値に基づいて、基板の欠陥の特徴に対応する特徴パラメータの値を算出するステップと、
    前記算出された前記特徴パラメータの値と前記特徴パラメータに対応する基準値との関係に基づいて、前記検査すべき基板のうち前記欠陥候補部分に対応する部分に外観上の欠陥があるか否かを判定するステップとを含む、基板検査方法。
  10. 前記特徴パラメータは、複数の特徴パラメータを含み、
    前記基準値は、前記複数の特徴パラメータにそれぞれ対応する複数の基準値を含み、
    前記判定するステップは、各特徴パラメータの値がその特徴パラメータに対応する基準値に対して予め定められた第1の関係を満たすか否かを判定するとともに、前記複数の特徴パラメータについての複数の判定結果が予め定められた第2の関係を満たすか否かに基づいて、前記検査すべき基板のうち前記欠陥候補部分に対応する部分に外観上の欠陥があるか否かを判定することを含む、請求項9記載の基板検査方法。
  11. 基板上に膜を形成するステップと、
    前記膜が形成された基板を請求項9または10記載の基板検査方法により検査するステップとを含む、基板処理方法。
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