JP2008068284A - 欠陥修正装置、欠陥修正方法、及びパターン基板の製造方法 - Google Patents

欠陥修正装置、欠陥修正方法、及びパターン基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな欠陥で覆われた画素を正確にレーザーリペアできる欠陥修正装置、欠陥修正方法、及びパターン基板の製造方法を得ること。
【解決手段】本発明にかかる欠陥修正装置23は、基板上に設けられた画素パターンのうちの欠陥画素に対して、レーザー光を照射することによって欠陥を除去するものである。これは、画素パターンの配置ピッチが設定される情報処理部22と、パターンマッチングによって得られた欠陥画素周辺の正常画素の位置と、画素パターンの配置ピッチとに基づいて決められた欠陥画素の位置にレーザー光の照射位置をアライメントするステージ21と、アライメントされた位置で、欠陥画素にレーザー光を照射するレーザー光源12とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、欠陥修正装置、欠陥修正方法、及びパターン基板の製造方法に関し、特に基板上に設けられた連続パターンのうちの欠陥パターンに対して、レーザー光を照射することによって欠陥を除去する欠陥修正装置、欠陥修正方法、及びパターン基板の製造方法に関する。
パーソナルコンピュータ、携帯情報端末機器等の各種モニタ用の表示装置として、フラットパネルディスプレイが用いられている。ここで、フラットパネルディスプレイは、液晶表示ディスプレイ、有機EL表示ディスプレイ等の平面型表示装置のことである。
このようなフラットパネルディスプレイの構成部品であるカラーフィルタに欠陥が生じた場合、レーザー光を用いた欠陥修正(レーザーリペア)が行われている。つまり、カラーフィルタの欠陥部分にレーザー光を照射することにより、欠陥を除去し、カラーフィルタの修正を行う。このような欠陥修正について、特許文献1〜3が開示されている。
以下、従来の欠陥修正方法の一例を説明する。
欠陥修正を行うにあたり、まず正常な画素のパターンを画素テンプレートとして登録する。そして、この画素テンプレートを基準として、カメラで撮像した画素の画像とのパターンマッチングを行う。パターンマッチングとは、予め登録した画素テンプレートに類似しているものを、画素の画像内から探し出し、その位置と登録した画素テンプレートとの類似度(パターンマッチング度)を検出するものである。パターンマッチングで得られたそれぞれの箇所で画素テンプレートと各画素との差分をとり、その差分値が閾値以上の場合に欠陥があると判断される。つまり、差分値が大きいとパターンマッチング度が低くなる。そして、欠陥とみなされた箇所の位置を記憶させる。その後、記憶させた位置にレーザー光の照射位置を合わせ、レーザー光を照射して、欠陥を除去する。これにより、カラーフィルタの修正が行われる。
特開2002−71939号公報 特開平9−5732号公報 特開平9−61296号公報
しかし、画素に大きくまたがる欠陥があった場合、正確な画素位置が得られなかった。すなわち、レーザーショットの位置及びサイズを決定することができなかった。これは、大きな欠陥が存在する画素は、大きな欠陥によって画素が覆われているため、画素テンプレートとのパターンマッチング度が悪くなることによる。さらに、大きな欠陥が存在する画素と画素テンプレートとは、直接パターンマッチングしても、類似しているものとしてみなされない場合もある。つまり、大きな欠陥が存在する画素は、検出されない場合もある。従って、欠陥修正を正確に行うことは、困難であった。
本発明は、上記の問題を鑑みるためになされたものであり、大きな欠陥で覆われた画素を正確にレーザーリペアできる欠陥修正装置、欠陥修正方法、及びパターン基板の製造方法を得ることを目的とする。
本発明に係る欠陥修正装置は、基板上に設けられた連続パターンのうちの欠陥パターンに対して、レーザー光を照射することによって欠陥を除去する欠陥修正装置であって、前記連続パターンの配置ピッチが設定される情報処理部と、パターンマッチングによって得られた前記欠陥パターン周辺の正常パターンの位置と、前記連続パターンの配置ピッチとに基づいて決められた前記欠陥パターンの位置にレーザー光の照射位置をアライメントするアライメント部と、アライメントされた位置で、前記欠陥パターンにレーザー光を照射する照射部と、を備えるものである。これにより、大きな欠陥で覆われた画素を正確にレーザーリペアできる。
また、上記の欠陥修正装置は、前記正常パターンの形状に対応するレーザー光のスポット形状を成形するビーム成形機構を備え、複数のレーザーショットテンプレートの中から前記欠陥パターンの中の欠陥の位置に応じて1つ以上の前記レーザーショットテンプレートを選択し、選択された前記レーザーショットテンプレートによって前記ビーム成形機構がスポット形状を成形してもよい。これにより、効率よくレーザーリペアできる。
本実施の形態に係る欠陥修正方法は、基板上に設けられた連続パターンのうちの欠陥パターンに対して、レーザー光を照射することによって欠陥を除去する欠陥修正方法であって、前記連続パターンの配置ピッチを設定する工程と、前記欠陥パターン周辺の正常パターンを、パターンマッチングによって検出して、当該正常パターンの位置を得る工程と、パターンマッチングによって得られた前記欠陥パターン周辺の正常パターンの位置と、前記連続パターンの配置ピッチとに基づいて、前記欠陥パターンの位置を決める工程と、決められた前記欠陥パターンの位置に、レーザー光の照射位置をアライメントする工程と、アライメントされた位置で、前記欠陥パターンに対してレーザー光を照射し、欠陥を除去する工程と、を備える方法である。これにより、大きな欠陥で覆われた画素を正確にレーザーリペアできる。
また、上記の欠陥修正方法は、前記正常パターンの形状に対応して複数のレーザーショットテンプレートを登録し、前記欠陥を除去する工程では、前記複数のレーザーショットテンプレートの中から、前記欠陥パターンの中の欠陥の位置に応じて、1つ以上の前記レーザーショットテンプレートを選択し、選択された前記レーザーショットテンプレートによってレーザー光のスポット形状を成形してレーザー光を照射してもよい。これにより、効率よくレーザーリペアできる。
さらに、前記欠陥を除去する工程後、前記レーザー光が照射された欠陥パターンと前記正常パターンのテンプレートとを比較して、比較結果に応じて、前記レーザー光が照射された欠陥パターンにレーザー光を再度照射するか否かを判定してもよい。これにより、レーザー光の出力が弱い等により、欠陥が除去しきれない場合でも、再度照射することにより、確実に欠陥を除去することができる。
本発明に係るパターン基板の製造方法は、基板上に前記連続パターンを形成し、前記基板上の欠陥を検出し、上記の欠陥修正方法により欠陥を修正する方法である。これにより、生産性を向上することができる。
本発明によれば、大きな欠陥で覆われた画素を正確にレーザーリペアできる。
実施の形態.
本発明にかかる基板上に設けられた連続パターンのうちの欠陥パターンに対して、レーザー光を照射することによって欠陥を除去する欠陥修正装置について、図1を用いて説明する。図1は、欠陥修正装置23の構成を示す側面図である。連続パターンとは、同一形状のパターンが一定の配置ピッチで繰り返し配置されているパターンをいう。例えば、液晶表示装置等の表示装置用カラーフィルタ基板は、画素となるパターンがマトリクス状に配列されている。すなわち、カラーフィルタ基板では、同じ形状の画素パターンが縦横に配列されている。そして、その複数の画素パターンのうちの欠陥パターン(欠陥画素)に、レーザー光を照射して修正する。ここでは、連続パターンを有する基板(パターン基板)20を、カラーフィルタ基板として説明する。カラーフィルタ基板は、画素となるR(赤)、G(緑)、B(青)の三色の着色層を有している。更にカラーフィルタ基板は、着色層の間に設けられた遮光層とを備えている。本実施の形態で用いられる欠陥修正装置23は、後述する欠陥検査装置によって検出された欠陥パターンに対して、レーザー光を照射して基板20の修正を行う。
欠陥修正装置23は、情報処理部22、光学系24、照明光源19、ステージ21を備える。光学系24は、ハーフミラー11、レーザー光源12、ビーム成形機構13、対物レンズ14、ランプ光源15、フィルタ16、ハーフミラー17及びCCDカメラ18を備えている。光学系24のランプ光源15、ハーフミラー11、ハーフミラー17、フィルタ16及びCCDカメラ18ならびに照明光源19は欠陥の確認あるいは、欠陥の修正が正常に行われたか否かを確認するために用いられる。すなわち、基板20の反射像あるいは透過像を観察して、欠陥の確認等が行なわれる。さらに、対物レンズ14を切り換えることによって、20倍と5倍の拡大像を撮像することができる。これらの対物レンズ14は、同一光軸上で切り替えられる。なお、拡大倍率5倍では、基板20上でおよそ2.5mm×1.9mmの視野範囲となる。拡大倍率20倍では、基板20上でおよそ640μm×480μmの視野範囲となる。
基板20の反射像を観察するための構成について説明する。反射観察用光源として光学系24に設けられたランプ光源15を用いている。ランプ光源15は基板20の表面を照明するための白色光を出射する。ランプ光源15から出射した反射観察用の光はフィルタ16を通過して、ハーフミラー17に入射する。フィルタ16は波長可変フィルタであり、所定の波長のみを遮光することができる。ここで、フィルタ16は欠陥の確認に好適な波長の光を出射させることができる。ハーフミラー17に入射した光は基板20の方向に反射する。この光はハーフミラー11を透過して、対物レンズ14に入射する。そして、対物レンズ14で集光された光は基板20の表面に入射する。これにより、基板20の上面から基板20の一部を照明することができる。基板20で反射された光は対物レンズ14、ハーフミラー11及びハーフミラー17を透過してCCDカメラ18に入射する。CCDカメラ18は基板20の表面での反射光に基づいて反射画像を検出する。これによって、基板20の反射像を観察することができる。
次に、透過像を観察するための構成について説明する。本発明では、基板20の透過像を観察するため、照明光源19を用いている。照明光源19は、対物レンズ14の光軸上に設けられている。すなわち、照明光源19の光軸は上記の反射像の観察用光学系の光軸と一致している。照明光源19はステージ21を介して基板20の裏面側から基板20に透過照明光を入射させる。基板20を透過した透過光は、対物レンズ14、ハーフミラー11及びハーフミラー17を透過してCCDカメラ18に入射する。照明光源19には、反射像の観察と同様にランプ光源を用いることができる。また、照明光源19に対してレンズや波長可変フィルタなどのフィルタ等を設けても良い。このように、透過照明光と反射照明光とが同じ光軸で基板20に入射するため、ランプ光源15及び照明光源19のON/OFFを独立して制御することにより、透過像又は反射像のいずれを撮像するかを容易に切り替えることができる。
次に、欠陥修正機構について以下に説明する。照射部としてのレーザー光源12は、QスイッチYAGレーザーであり、10nsec以下の短パルス光を出射することができる。レーザー光源12から出射したレーザー光はビーム成形機構13に入射する。
ビーム成形機構13はアパーチャーやスリットあるいはレンズ等を備えており、レーザー光のスポット形状を適当な形状のビームスポットに成形することが可能である。例えば、基板20上でのレーザー光のビームスポットをパターン(ここでは、カラーフィルタの画素)と略同じ形状に成形する。また、カラーフィルタの画素の一部と略同じ形状に成形するようにしてもよい。ここでは、レーザー光のスポット形状を、複数のレーザーショットテンプレートによって、適当な形状のビームスポットに成形する。つまり、ビーム成形機構13は、正常画素の形状に対応するレーザー光のスポット形状を成形する。レーザーショットテンプレートの詳細については、後述する。
そして、レーザー光源12からビーム成形機構13に入射したレーザー光は、ハーフミラー11によって、基板20の方向に反射される。ここでレーザー光源12とランプ光源15からの光が同軸になるようにそれぞれの光学部品が配置されている。ハーフミラー11で反射したレーザー光は基板20に照射される。
アライメント部としてのステージ21は、透明なガラス板から構成される。そして、ステージ21の上には、欠陥が修正される基板20が載置される。ステージ21は、基板20が載置される面をXY平面とすると、X方向、Y方向に移動可能となり、位置合わせ(アライメント)が行われる。これにより、基板20の任意の位置を観察したり、任意の位置にレーザー光を照射することが可能となる。例えば、後述する欠陥検査装置での検出結果に基づいて、欠陥画素を含む領域にランプ光源15の白色光、又は照明光源19からの照明光が照射されるよう、ステージ21を移動する。欠陥検査装置での検出結果には、欠陥画素の基板20上での位置データ、及び正常画素の基板20上での位置データが含まれている。また、ステージ21は、後述の情報処理部22によって決められた欠陥画素の位置にレーザー光の照射位置をアライメントする。ここで、決められた欠陥画素の位置とは、パターンマッチングによって得られた欠陥画素周辺の正常画素の位置、及び連続パターンである画素パターンの配置ピッチに基づいて決められたものである。このアライメントされた位置で、レーザー光源12によって欠陥画素にレーザー光を照射する。なお、ステージ21はX−Y−Zステージとしてもよい。また、上記のようにステージ21を移動させてアライメントを行ってもよいし、ステージ21を固定させて、光学ヘッド、つまり光学系24及び照明光源19を移動させてもよい。すなわち、アライメント部として光学ヘッドを用い、光学ヘッドをX方向あるいはY方向に移動することにより、アライメントを行ってもよい。
そして、情報処理部22は、欠陥検査装置から入力された位置データを記憶している。情報処理部22が欠陥検査装置からの位置データに基づいて、ステージ21を駆動させる。これにより、ランプ光源15からの白色光、及び照明光源19からの照明光が欠陥画素に入射する。さらに、情報処理部22は、欠陥画素を含む領域を照明した状態でパターンマッチングを行う。これにより、照明領域において基板の正常画素、及び欠陥画素が判別される。なお、パターンマッチングの詳細については後述する。そして、情報処理部22は、パターンマッチングによって得られた欠陥画素周辺の正常画素の位置と、画素パターンの配置ピッチとに基づいて、欠陥画素の位置を決め、ステージ21を駆動させる。ここでは、欠陥画素周辺の正常画素を、欠陥画素の隣接正常画素とする。すなわち、情報処理部22は、欠陥画素の隣接正常画素から1画素分の配置ピッチだけずれた位置がレーザー光の光軸上に配置されるよう、ステージ21を移動させる。これにより、レーザー光の光軸が欠陥画素と一致する。つまり、情報処理部22がステージ21を移動させることにより、ステージ21がレーザー光の照射位置をアライメントする。そして、レーザー光を欠陥画素に照射して、欠陥を除去する。これにより、欠陥修正を正確に行うことができる。なお、これらの処理の詳細については後述する。
さらに、ハーフミラー11にはレーザー光源12からのレーザー光を効率よく反射させるミラー等を用いることも可能である。例えば、レーザー光の波長に対して反射率の高いダイクロイックミラーや反射ミラーを用いてもよい。これにより、レーザー光を効率よく基板20に照射することができるため、レーザー光源12の出力を低減することができる。この場合、欠陥観察時には、ハーフミラー11を光路上から外してもよい。すなわち、欠陥観察時には、欠陥の観察に好適な波長の光によって基板20を照明するため、ハーフミラー11をランプ光源15の光路上から外すことが好ましい。このとき、ハーフミラー11を機械的に移動させることによって、光路上から取り除くようにする。欠陥観察時には、ハーフミラー11をランプ光源15の光路上から除去し、欠陥修正時にはハーフミラー11をランプ光源15の光路上に配置する。
次に、情報処理部22について、図2を用いて説明する。図2は、欠陥修正装置23の情報処理部22の構成を示すブロック図である。
情報処理部22は、検査データ記憶部1、配置ピッチ設定部2、画像表示部3、画像登録部4、計算部5、閾値設定部6、欠陥位置記憶部7、ステージ制御部8、テンプレート登録部9、ビーム成形機構制御部10を備える。また、情報処理部22としては、例えばパーソナルコンピューター(PC)等の情報処理装置を用いることができる。検査データ記憶部1は、例えばメモリやハードディスク等の記憶手段である。検査データ記憶部1には、欠陥検査装置によって抽出された欠陥画素の位置(座標)、あるいは正常画素の位置(座標)が設定される。ここでは、欠陥検査装置によって抽出された欠陥画素の位置を欠陥画素の位置データとし、正常画素の位置を正常画素の位置データとする。配置ピッチ設定部2は、画素パターンの配置ピッチ(x座標及びy座標)が設定される。これは、例えば画素パターンの設計値のx座標及びy座標が設定される。
画像表示部3は、例えばディスプレイ等の表示手段である。画像表示部3は、基板20上の観察を行う画素の画像を表示する。これは、例えばCCDカメラ18によって撮像された画素の画像を表示する。なお、画素の画像を撮像するCCDカメラ18と、情報処理部22とは、接続されている。これにより、CCDカメラ18によって撮像された画像が、情報処理部22の画像表示部3に写し出されるようになる。画像登録部4には、正常画素のパターンを画素テンプレートとして予め登録してある。この正常画素のパターンとして、CCDカメラ18によって撮像された画素の画像を画像登録部4に登録することができる。この画素テンプレートがパターンマッチングを行う際の基準画像である。また、画素テンプレートとして、拡大倍率5倍用のテンプレートと、拡大倍率20倍用のテンプレートとが登録されている。そして、入力画像として、CCDカメラ18によって撮像され、画像表示部3に表示された画素の画像を画像登録部4に登録する。これにより、例えば撮像された画素の画像において、CCDカメラ18の1受光画素毎の検出光量が画素テンプレートとして登録される。すなわち、カラーフィルタの1画素分の領域に対応する複数の受光画素のデータが記憶される。
計算部5は、画像登録部4に予め登録された画素テンプレートと、画像登録部4に入力された入力画像内のターゲット像とのパターンマッチング度(類似度)を計算する。閾値設定部6は、パターンマッチング度の閾値及び許容値が設定される。なお、許容値は閾値より低い値になっている。閾値とは、欠陥画素と正常画素とを判別する値である。許容値とは、パターンマッチングによって得られる位置が、正確であるか否かを判別する値である。ここでは、パターンマッチング度の閾値及び許容値を設定したが、差分値の閾値及び許容値を設定してもよい。ここで、差分値とは、パターンマッチングによって得られたそれぞれの箇所における画素テンプレートと各画素との差分のことである。この場合、計算部5では、差分値を計算する。計算部5によって計算されたパターンマッチング度が閾値以下となると、画素に欠陥があると認識される。なお、パターンマッチング度ではなく差分値とした場合は、閾値以上となると、画素に欠陥があると認識される。また、パターンマッチング度が許容値以上であれば、パターンマッチングによって得られた位置は略正確である。パターンマッチング度ではなく差分値とした場合は、許容値以下であれば、パターンマッチングによって得られた位置は略正確である。つまり、欠陥画素であっても、パターンマッチング度が許容値以上(差分値の場合は許容値以下)であれば、パターンマッチングによって略正確な位置が得られる。従って、パターンマッチング度が許容値以上の場合、パターンマッチングによって算出された欠陥画素の位置を後述の欠陥位置記憶部7に記憶する。一方、パターンマッチング度が許容値以下の場合、パターンマッチングによって算出された正常画素の位置から配置ピッチだけずれた位置を欠陥画素の位置として記憶する。
欠陥位置記憶部7は、欠陥画素の位置を記憶する。この欠陥画素の位置は、パターンマッチングによって得られた欠陥画素周辺の正常画素の位置と、画素パターンの配置ピッチによって得られた位置である。あるいは、パターンマッチングによって得られた欠陥画素の位置である。ステージ制御部8は、ステージ21を移動させ、レーザー光の照射位置等をアライメントさせる。テンプレート登録部9は、正常画素の形状に対応して複数のレーザーショットテンプレートが登録されている。ビーム成形機構制御部10は、テンプレート登録部9に登録された複数のレーザーショットテンプレートの中から欠陥画素の中の欠陥の位置や大きさに応じて1つ以上のレーザーショットテンプレートを選択する。そして、選択されたレーザーショットテンプレートに応じて、ビーム成形機構13のスリット幅を変化させる。これによって、ビームスポットがレーザーショットテンプレートに応じた形状となる。なお、情報処理部22は図示した構成に限らず、これ以外の構成でもよい。
次に、欠陥修正装置23によって、欠陥が修正される基板20の一例であるカラーフィルタ基板について図3を用いて説明する。図3は、カラーフィルタ基板30の構成を示す平面図である。
カラーフィルタ基板30は、R(赤)G(緑)B(青)の着色層31と、ブラックマトリックス(BM)32を有し、これらは基板の上面側に設けられている。ここでは、便宜上R(赤)G(緑)B(青)それぞれを1画素とする。また、図3に示されるように画素の形状は、左上隅に欠けを有する矩形、つまりL字型の多角形となっている。なお、これは画素の形状の一例を示したものであり、このような形状に限られない。例えば、画素の形状が欠けのない矩形となっていてもよい。
ここで、カラーフィルタ基板30の一般的な製造方法について説明する。カラーフィルタ用の基板として透明なガラス基板等に、遮光膜となる黒色の樹脂膜等を形成して、露光、現像工程によりパターニングする。これにより、樹脂膜はマトリクス状に形成されたBM32となる。この上から、着色層の色に対応した顔料を分散した感光性樹脂を塗布して、露光、現像工程によりパターンニングする。この工程を繰り返すことにより、R(赤)G(緑)B(青)の着色層31をBM32の間に順番に設ける。この上から保護膜や画素電極が形成される。このように、基板上にパターン(画素)を形成する。そして、基板上の欠陥を検出し、上記の欠陥修正装置23によって欠陥を修正する。これにより、パターン基板であるカラーフィルタ基板30を製造する。このように、製造することにより生産性が向上できる。
また、画素に照射されるレーザー光のスポット形状を、適当な形状のビームスポットに成形するレーザーショットテンプレートは、画素の一部の形状と一致する。つまり、図3に示されたL字型の多角形となっている画素の形状の一部に一致している。そして、複数のレーザーショットテンプレートをつなぎ合わせると、画素の形状と略同一の形状となる。ここでは、3種類のレーザーショットテンプレートを用いる。具体的には、画素の形状を上部33、中央部34、下部35の3つに分ける。そして、画素の上部33、中央部34、下部35の形状に合うように矩形状の3種類のレーザーショットテンプレートを用いる。なお、これらのレーザーショットテンプレートは、全て拡大倍率20倍用のレーザーショットテンプレートとなっている。また、レーザーショットテンプレートは、画素の形状をどのように分割してもよい。さらには、画素の形状の一部に一致していないレーザーショットテンプレートを含んでもよい。つまり、レーザーショットテンプレートの形状は、どのような形状であってもよい。
次に、欠陥を検出する欠陥検査装置について図4、図5を用いて説明する。図4は、欠陥検査装置59の構成を示す側面図である。図5は、欠陥検査装置59の画像処理部40の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、欠陥検査装置59は、画像処理部40、光学系51、照明光源52、ステージ53を備える。光学系51は、対物レンズ54、ランプ光源55、フィルタ56、ハーフミラー57及びCCDカメラ58を備えている。画像処理部40以外のこれらの部品は、図1に示された欠陥修正装置23と同様のものを用いることができる。また、欠陥検査装置59は、欠陥修正装置23において欠陥修正機構であるレーザー光源12、ビーム成形機構13、及びハーフミラー11を備えていない。なお、それ以外の構成については、欠陥修正装置23と同様となっている。つまり、欠陥検査装置59は、欠陥修正装置23と同様、反射像、透過像を観察することができる。これらの像をCCDカメラ58によって、撮像する。なお、欠陥検査装置59の構成は図示した構成に限らず、これ以外の構成でもよい。例えば、基板20に対して、線状光を照射する線状照明光源を用いて、ラインセンサカメラによって撮像してもよい。
次に、図5を用いて、画像処理部40の構成について説明する。画像処理部40としては、PC等の情報処理装置を用いることができる。
画像信号入力部41は、CCDカメラ58等から出力される画像信号が入力される。光量計算部42は、画像信号入力部41に入力された画像信号を処理し、単位領域毎の光量(輝度値)の差分値を算出する。単位領域は、任意の矩形領域としてもよいし、1受光画素としてもよい。ここでは、正常画素と各画素とを受光画素毎に光量の差分値を計算する。欠陥レベル設定部43は、単位領域の光量の欠陥レベルが設定される。そして、光量計算部42によって計算された差分値が欠陥レベル以上となると画素に欠陥あるいはノイズがあると認識される。そして、圧縮/膨張処理を施し、ノイズを除去する。これにより、欠陥のみが抽出できる。つまり、抽出された欠陥を有する欠陥画素が抽出できる。また、欠陥レベル以下であれば、正常画素として認識される。位置データ記憶部44は、欠陥画素及び正常画素の位置データを記憶する。これらの位置データは、欠陥修正装置23の情報処理部22の検査データ記憶部1に入力される。このように、欠陥検査装置59は、基板20の欠陥を光学的に検出する。なお、画像処理部40は図示した構成に限らず、これ以外の構成でもよい。
次に、連続パターン(ここでは、画素パターン)を有する基板20上の欠陥を検査する欠陥検査方法について図6を用いて説明する。図6は、欠陥検査方法の工程を示すフローチャートである。なお、欠陥検査には、図4に示される欠陥検査装置59を用いる。
まず、CCDカメラ58よって、単位領域の画像を撮像する(ステップS1)。光学系51のCCDカメラ58の光軸と、照明光源52の光軸とが一致している。これによって、透過観察が可能になり、欠陥の検出効率を向上することができる。もちろん、反射観察によって欠陥を検出してもよい。そして、CCDカメラ58によって撮像された画像は、画像信号として画像信号入力部41に入力される。次に、単位領域の画像の光量を算出する(ステップS2)。具体的には、画像信号入力部41に入力された画像信号に基づき、光量計算部42によって単位領域の光量と正常な単位領域の光量との差分値を算出する。ここでは、正常画素と各画素とを受光画素毎に光量の差分値を計算する。また、検査される単位領域と比較される正常な単位領域とは、予め登録されてもよいし、例えば検査される単位領域の隣接単位領域であってもよい。そして、欠陥レベルと比較することにより、欠陥あるいはノイズを検出する(ステップS3)。欠陥レベルは、予め欠陥レベル設定部43に設定されている。これと算出された単位領域の差分値とを比較し、欠陥レベル以下であれば正常画素、欠陥レベル以上であれば欠陥あるいはノイズを含む画素として検出される。次に、欠陥あるいはノイズを含む画素の画像に対して、圧縮/膨張処理を施す(ステップS4)。これにより、ノイズが除去され、欠陥のみが抽出される。つまり、抽出された欠陥を有する欠陥画素が抽出される(ステップS5)。このようにして、抽出された欠陥画素の位置データは、位置データ記憶部44に記憶される。また、正常画素の位置データも、位置データ記憶部44に記憶される。以上の工程を全画素に対して行う(ステップS6)。例えば、ステージ21を移動させて、基板20全面に対して欠陥検査を行う。以上の工程により、欠陥検査装置59によって基板20の欠陥を光学的に検出する。
次に、本実施の形態にかかる欠陥修正方法について図7を用いて説明する。これは、基板20に設けられた連続パターン(ここでは、画素パターン)のうちの欠陥パターンに対して、レーザー光を照射することによって欠陥を除去する方法である。図7は、欠陥修正方法の工程を示すフローチャートである。なお、欠陥修正には、図1に示される欠陥修正装置23を用いる。
まず、欠陥修正装置23に、種々のデータを入力する(ステップS10)。具体的には、欠陥検査装置59の画像処理部40の位置データ記憶部44に記憶された欠陥画素の位置データ及び正常画素の位置データを入力する。これは、例えば欠陥検査装置59の画像処理部40と、欠陥修正装置23の情報処理部22とを接続して行ってもよい。そして、欠陥修正装置23の情報処理部22に、位置データが入力される。さらに、画素パターンの配置ピッチ(x座標及びy座標)を、配置ピッチ設定部3に設定する。これは、カラーフィルタ基板30を製造する際の設計値(x座標及びy座標)を設定すればよい。なお、画像登録部4には、画素テンプレートが登録される。例えば、撮像された画素の画像において、1受光画素毎の光量等が登録される。また、テンプレート登録部9に、複数のレーザーショットテンプレートが登録される。ここでは、上述の3種類のレーザーショットテンプレートが登録される。このレーザーショットテンプレートは、作業者が登録してもよい。あるいは、レーザーショットテンプレートと画素の形状から演算処理により求めて登録してもよい。
次に、欠陥画素を画像の中央に揃える(ステップS11)。まず、検査データ記憶部1に入力された欠陥画素の位置データに基づいて、ステージ制御部8によってステージ21を移動させる。そして、CCDカメラ18によって撮像された欠陥画素の画像を画像表示部3に表示する。なお、ここで使用される対物レンズ14は、拡大倍率5倍のレンズである。このように、低倍率のレンズを用いているため、欠陥検査装置59と欠陥修正装置23との間に位置ずれがある場合でも、欠陥画素がCCDカメラ18の視野内に含まれる。さらに、画像表示部4には、欠陥画素とその周辺の複数の画素が表示される。そして、CCDカメラ18で撮像された画像内の画素に対して、セルシフト法により欠陥画素と正常画素とを判別する。セルシフト法とは、画像表示部4に表示された画像と、その画像から1画素分シフトした画像との差分をとり、その差分値によって欠陥を検出する方法である。例えば、差分値が所定値より高くなっている画素が欠陥画素となる。そして、欠陥画素の位置に基づいて、ステージ21を移動させ、欠陥画素を画像の中央に揃える(センタリング)。また、欠陥画素周辺の複数の画素に対して、画素テンプレートを用いてパターンマッチングを行う。そして、その中でパターンマッチング度が最も高い画素を、欠陥画素周辺の正常画素とする。このように、欠陥画素周辺の正常画素をパターンマッチングによって検出する。これにより、正常画素の位置が得られる。例えば、欠陥画素及び欠陥画素を取り囲む8つの画素と、画素テンプレートとをパターンマッチングする。そして、8つの画素の中から最もパターンマッチング度が高い画素を欠陥画素周辺の正常画素とする。ここでは、欠陥画素周辺の正常画素を、欠陥画素の隣接正常画素とする。
次に、レンズを拡大倍率20倍の近紫外レーザー加工用レンズに換える(ステップS12)。これにより、画素の画像が拡大されるため、より正確に位置を合わせることができる。次に、欠陥画素の位置を確認する(ステップS13)。まず、ステップS11によって得られた欠陥画素及び正常画素と、画素テンプレートとのパターンマッチングを行う。これにより、欠陥画素及び正常画素の位置、欠陥画素及び正常画素のパターンマッチング度が得られる。欠陥画素のパターンマッチング度を、閾値設定部6に設定された許容値と比較する。許容値より高ければ、パターンマッチングによって、アライメントを行う。なお、上述のように差分値を閾値あるいは許容値と比較してアライメントをおこなってもよい。また、欠陥画素のパターンマッチング度が許容値より低ければ、以下の様にアライメントを行う。まず、パターンマッチングによって得られた欠陥画素周辺の正常画素の位置と、画素パターンの配置ピッチとに基づいて、欠陥画素の位置を決める。ここでは、正常画素として、欠陥画素の隣接正常画素を用いているので、パターンマッチングによって得られた正常画素の位置から1画素分の配置ピッチだけステージ21を移動させる。これにより、レーザー光の光軸が、欠陥画素と一致する。つまり、この工程によって、決められた欠陥画素の位置に、レーザー光の照射位置がアライメントされる。欠陥画素周辺の正常画素としては、隣接正常画素のうちステップS11で求めた最もパターンマッチング度が高い画素が選択されている。
このように、アライメントの前にパターンマッチングを行っている。そして、欠陥画素のパターンマッチング度が、許容値より低ければ、パターンマッチングによって得られた欠陥画素の位置に基づいて、アライメントを行わない。これは、画素の欠陥が大きく、パターンマッチング度が非常に低くなってしまった場合、正確な欠陥の位置が把握できないためである。さらに、大きな欠陥が存在する欠陥画素と画素テンプレートとは、直接パターンマッチングしても、類似しているものとしてみなされない場合もある。つまり、大きな欠陥が存在する画素は、検出されない場合もある。この場合、パターンマッチングによって得られた正常画素の位置、及びステップS10で入力された画素パターンの配置ピッチに基づいて、アライメントを行う。
次に、欠陥画素の欠陥の大きさと位置を確認する(ステップS14)。これには、画素テンプレートの光量と、欠陥画素の光量とをCCDカメラ18の1受光画素毎に比較する。そして、欠陥画素の中で、画素テンプレートよりも光量が低い部分に欠陥があると認識される。これによって、欠陥画素の大きさと位置が確認できる。例えば、図3におけるカラーフィルタ基板30において、画素テンプレートの光量と、欠陥画素37との光量とを比較すると、欠陥画素37の下側での光量が画素テンプレートの下側での光量よりも低くなる。これによって、欠陥画素37の下側のみに欠陥36があることが確認できる。そして、欠陥の大きさと位置によって、レーザーショットの位置(レーザー光の照射位置)を決める(ステップS15)。ここでは、画素の形状がL字型の多角形となっているため、前述の3種類のレーザーショットテンプレートが用いられる。このように、3種類のレーザーショットテンプレートを用いることにより、画素の欠陥の位置に応じて、画素の上部33、中央部34、下部35と3箇所で打ち分けることができる。例えば、図3におけるカラーフィルタ基板30では、ステップS14で欠陥画素37の下側のみに欠陥36があることが確認できるので、欠陥画素37の下部35がレーザーショットの位置となる。つまり、使用するレーザーショットテンプレートは、下部35を打ち抜くことができる下部35用のレーザーショットテンプレートである。なお、ここでのレーザーショットテンプレートは、3種類とも拡大倍率20倍用のレーザーショットテンプレートとなっている。また、レーザー光のスポット形状は、レーザーショットテンプレートによって、適当な形状のビームスポットにすることが可能である。このため、画素の形状がL字型の多角形でなかったら、画素の形状に応じて、レーザーショットテンプレートの形状を適宜変更させてもよい。
次に、アライメントされた位置で欠陥画素に対して、レーザー光を照射して、欠陥を除去する(ステップS16)。これを、レーザーリペアという。まず、テンプレート登録部9に登録された複数のレーザーショットテンプレートの中から欠陥画素の中の欠陥の位置に応じて1つ以上のレーザーショットテンプレートをビーム成形機構制御部10によって選択する。そして、選択されたレーザーショットテンプレートによって、レーザー光のスポット形状を成形してレーザー光を照射する。欠陥画素の欠陥の位置を含む部分のレーザーショットテンプレートのみが選択され、レーザー光が照射される。例えば、図3におけるカラーフィルタ基板30では、下部35用のレーザーショットテンプレートを用いて、欠陥画素37の下部35のみにレーザー光を照射する。このため、より効率よくレーザー光を照射することができ、レーザー光の出力も最小限にすることができる。さらに、画素の形状が複雑な場合であっても、レーザーショットテンプレートを用いることによって正確に修正することができる。また、ステップS13によって、欠陥画素37の正確な位置に、レーザー光の照射位置がアライメントされている。このため、正確にレーザー光を照射することができる。そして、ステップS16によって欠陥が除去され、画素を修正できたか検査する(ステップS17)。ここでは、ステップS14と同様、レーザー光が照射された欠陥画素と、画素テンプレートとの光量を、CCDカメラ18の1受光画素毎に比較する。そして、修正が完了したか確認する(ステップS18)。ここでは、ステップS17によって比較した、レーザー光が照射された欠陥画素と画素テンプレートとの光量に基づいて判定される。画素テンプレートよりもレーザー光が照射された画素の方が、光量が低くなっていると、欠陥の除去が足りず、修正が完了していないことになる。これは、レーザー光の出力が弱い等の理由により、欠陥を除去しきれていないためである。この場合、ステップS14に戻り、再度ステップS14〜ステップS17までの工程を実施する。このように、ステップS17の比較結果に応じて、レーザー光が照射された欠陥画素にレーザー光を再度照射するか否かを判定する。これにより、確実に欠陥を除去することができる。そして、画素が修正できたと判定されたら、全欠陥に対して修正が完了したか確認する(ステップS19)。ここで、他の欠陥画素があれば、ステップS11に戻り、再度ステップS11〜ステップS18までの工程を実施する。以上の工程によって、カラーフィルタの修正を行う。なお、欠陥修正装置23で行われるステップS11〜ステップS19までの工程は、自動で行われる。すなわち、検査データによって、ステージ21を移動して、ステップS11からの工程を実施する。
次に、パターンマッチングについて説明する。パターンマッチングによれば、欠陥パターンと、正常パターンとの位置(座標)を得ることができる。ここでは、連続パターンを有する基板20としてのカラーフィルタ基板30を用いている。そして、カラーフィルタ基板30に対して、パターンマッチングを行っているので、欠陥パターンは欠陥画素、正常パターンは正常画素となる。また、基準画像として予め登録された画素テンプレート、入力画像としてカラーフィルタ基板30上のパターンである画素を用いて、パターンマッチングを行っている。
パターンマッチングとは、予め登録した基準画像に類似しているものを、入力画像内から探し出し、探し出されたターゲット像と登録した基準画像との類似度を検出するものである。この基準画像との類似度がパターンマッチング度であり、正規化相関という情報処理手法によって求められる。正規化相関とは、基準画像と入力画像とのパターンマッチング度を2つのデータ群の関係を演算することによって求めるものである。具体的には、計測対象領域(計測ウィンドウ)内で基準画像を1受光画素ずつずらしながら、入力画像内のターゲット像との間の相関値を計算する。最大の相関値が得られる位置にターゲット像が存在するとみなし、その時のパターンマッチング度を求める。濃度が同じ傾向(正の相関)ならば似ており、濃度が逆の傾向(負の相関)ならば似ていないとなる。即ち、基準画像と入力画像が似ている部分(両方明るいか、暗い)は正、似ていない部分(片方が明るく、片方が暗い)は負となる。2値化画像にも正規化相関法は適用できるが、グレースケール画像(濃淡画像)の場合は2値化画像に比べ情報量が多い(256階調のグレースケールでは2値化方式の256倍)。つまり、グレースケール画像は2値化画像よりも、精度や信頼性の高い結果が得られる。
本実施の形態では、パターンマッチング度が低いときには、パターンマッチングによって得られた欠陥画素周辺の正常画素の位置と、画素パターンの配置ピッチとに基づいて、アライメントを行う。このように、パターンマッチングによって直接欠陥画素の位置を得るのではない。具体的には、まずパターンマッチングによって正常画素の位置を得る。そして、欠陥画素と正常画素との間隔に応じた配置ピッチだけステージ21を移動させる。例えば、欠陥画素から1画素隔てた隣接正常画素の場合、隣接正常画素から1画素分の配置ピッチだけステージ21が移動して、アライメントを行っている。従来のように、パターンマッチングによって直接欠陥画素の位置を得る方法では、パターンマッチング度が低すぎた場合、正確な欠陥画素の位置が得られないため、正確にレーザーリペアが行われなかった。例えば、大きな欠陥で覆われた画素には、対応できなかった。しかし、本実施の形態では、パターンマッチングによって直接欠陥画素の位置を得てアライメントを行っていないので、大きな欠陥で覆われた画素にも対応することができる。つまり、パターンマッチング度が低い場合でも、対応することができる。また、パターンマッチング度が高い正常画素の位置をパターンマッチングによって得ている。パターンマッチング度が高い場合には、パターンマッチングによって正確な位置が得られるため、この正常画素の位置は略正確である。また、画素パターンの配置ピッチは、設計値等から取得しているため、この値も略正確である。つまり、本実施の形態では、これらの値を用いて、欠陥画素の位置を把握しているため、正確にレーザーリペアできる。さらに、本実施の形態にかかる欠陥修正装置23を用いれば、従来のような欠陥画素の正確な位置が検出できない等の不具合が生じないため、欠陥修正を自動で行うことができる。このため、作業者の負担を軽減することができ、簡便かつ正確に欠陥修正を行うことができる。また、レーザーショットテンプレートを複数用いて、レーザーショットを複数箇所に打ち分けることができるので、より効率よくレーザーリペアを行うことができる。
実施の形態にかかる欠陥修正装置の構成を示す平面図である。 情報処理部の構成を示すブロック図である。 カラーフィルタ基板の構成を示す平面図である。 欠陥検査装置の構成を示す平面図である。 画像処理部の構成を示すブロック図である。 欠陥の検査方法の工程を示すフローチャートである。 実施の形態にかかる欠陥修正方法の工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 検査データ記憶部、2 配置ピッチ設定部、3 画像表示部、4 画像登録部、
5 計算部、6 閾値設定部、7 欠陥位置記憶部、8 ステージ制御部、
9 テンプレート登録部、10 ビーム成形制御部、
11 ハーフミラー、12 レーザー光源、13 ビーム成形機構、14 対物レンズ、
15 ランプ光源、16 フィルタ、17 ハーフミラー、18 CCDカメラ、
19 照明光源、20 基板、21 ステージ、22 情報処理部、
23 欠陥修正装置、24 光学系、
30 カラーフィルタ基板、31 着色層、32 BM、33 上部、34 中央部、
35 下部、36 欠陥、37 欠陥画素、
40 画像処理部、41 画像信号入力部、42 光量計算部、
43 欠陥レベル設定部、44 位置データ記憶部、
51 光学系、52 照明光源、53 ステージ、54 対物レンズ、
55 ランプ光源、56 フィルタ、57 ハーフミラー、58 CCDカメラ、
59 欠陥検査装置

Claims (6)

  1. 基板上に設けられた連続パターンのうちの欠陥パターンに対して、レーザー光を照射することによって欠陥を除去する欠陥修正装置であって、
    前記連続パターンの配置ピッチが設定される情報処理部と、
    パターンマッチングによって得られた前記欠陥パターン周辺の正常パターンの位置と、前記連続パターンの配置ピッチとに基づいて決められた前記欠陥パターンの位置にレーザー光の照射位置をアライメントするアライメント部と、
    アライメントされた位置で、前記欠陥パターンにレーザー光を照射する照射部と、
    を備える欠陥修正装置。
  2. 前記正常パターンの形状に対応するレーザー光のスポット形状を成形するビーム成形機構を備え、
    複数のレーザーショットテンプレートの中から前記欠陥パターンの中の欠陥の位置に応じて1つ以上の前記レーザーショットテンプレートを選択し、
    選択された前記レーザーショットテンプレートによって前記ビーム成形機構がスポット形状を成形する請求項1に記載の欠陥修正装置。
  3. 基板上に設けられた連続パターンのうちの欠陥パターンに対して、レーザー光を照射することによって欠陥を除去する欠陥修正方法であって、
    前記連続パターンの配置ピッチを設定する工程と、
    前記欠陥パターン周辺の正常パターンを、パターンマッチングによって検出して、当該正常パターンの位置を得る工程と、
    パターンマッチングによって得られた前記欠陥パターン周辺の正常パターンの位置と、前記連続パターンの配置ピッチとに基づいて、前記欠陥パターンの位置を決める工程と、
    決められた前記欠陥パターンの位置に、レーザー光の照射位置をアライメントする工程と、
    アライメントされた位置で、前記欠陥パターンに対してレーザー光を照射し、欠陥を除去する工程と、
    を備える欠陥修正方法。
  4. 前記正常パターンの形状に対応して複数のレーザーショットテンプレートを登録し、
    前記欠陥を除去する工程では、前記複数のレーザーショットテンプレートの中から、前記欠陥パターンの中の欠陥の位置に応じて、1つ以上の前記レーザーショットテンプレートを選択し、
    選択された前記レーザーショットテンプレートによってレーザー光のスポット形状を成形してレーザー光を照射する請求項3に記載の欠陥修正方法。
  5. 前記欠陥を除去する工程後、前記レーザー光が照射された欠陥パターンと前記正常パターンのテンプレートとを比較して、比較結果に応じて、前記レーザー光が照射された欠陥パターンにレーザー光を再度照射するか否かを判定する請求項3又は4に記載の欠陥修正方法。
  6. 基板上に前記連続パターンを形成し、
    前記基板上の欠陥を検出し、
    請求項3乃至5のいずれかに記載の欠陥修正方法により欠陥を修正するパターン基板の製造方法。
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