JP2020150582A - モーター用絶縁フィルム、その製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの絶縁フィルムは、通常、ステータコアの端面の開口部からスロット内に挿入されることで組み込まれる。
さらには、小型化によりモーター内部に熱が籠りやすくなるため、冷媒を直接ステータコアやロータコアに浸す場合があり、耐熱性に加えて冷媒等に対する耐薬品性も求められている。
しかもアラミド紙は、同じ厚みの樹脂フィルムに比べてコシがなく、座屈を生じ易いことから薄肉化させるとスロットへの挿入時に座屈を生じさせるおそれがある。
また、アラミド紙と樹脂フィルムの積層体においては、そもそもアラミド紙が50μm以上の製品しか市販されていないため、複数枚積層すると厚くなってしまい、通常数百μm程度の厚みとなってしまう。
さらに、アラミド紙の繊維はカットや挿入時に毛羽立ちか発生することがあり、異物としてモーター内部に残ってしまうことがあり、ロータの摩耗を引き起こし、モーター性能が著しく低下してしまう。
したがって、薄肉化されたモーター用絶縁フィルムを提供することが可能となる。
さらには、繊維を含まない樹脂フィルムであるため、スロットへの挿入時に異物の発生を抑制でき、モーターの性能を維持し得る。
以下、詳細に説明する。
なかでも、ポリエーテルエーテルケトンまたはポリエーテルイミドが好適である。
ポリエーテルエーテルケトンは、下記構造式(1)で表される繰り返し単位(a−1)を有する。繰り返し単位(a−1)は、2つのエーテル基及び1つのケトン基を有している。
ポリエーテルイミドは、下記構造式(2)で表される繰り返し単位(b−1)、または、下記構造式(3)で表される繰り返し単位(b−2)を有する。
本フィルムは接触式表面粗さ計を用いて測定を行い、算術平均粗さ(Ra)の下限としては、0.15μm以上であり、0.30μm以上であることが好ましく、0.50μm以上であることがより好ましい。本フィルムの算術平均粗さ(Ra)が0.15μm未満であれば、本フィルムの表面が平滑すぎて、滑り性が悪くなるため、かえってSUS板との動摩擦係数が大きくなり、モーターコアへの挿入性、ひいては挿入時の座屈や破断につながるおそれがある。
一方、上限としては、1.50μm以下であり、1.20μm以下であることが好ましく、1.00μm以下であることがより好ましい。本フィルムの算術平均粗さ(Ra)が1.50μmを超えると、本フィルムの表面が粗すぎるため、SUS板との動摩擦係数が大きくなり、SUS板との動摩擦係数が大きくなるため、モーターコアへの挿入性に優れ、ひいては挿入時の座屈や破断につながるおそれがある。
本フィルムのSUS板との動摩擦係数がかかる範囲であれば、モーターコアへの挿入性に優れ、ひいては挿入時の座屈や破断を防止することができる。算術平均粗さ(Ra)が0.15μm以上1.50μm以下の面を少なくとも片面に備えることにより、上記特性を満たすことができる。
本フィルムは、一般の成形法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等によって製造することができる。それぞれの成形方法において、装置および加工条件は特に限定されないが、生産性や厚み制御の観点から、押出成形、特に、Tダイ法が好ましい。
本発明のモーター用絶縁フィルムは滑り性を改善することにより挿入性に優れるため、家電製品やオーディオ機器、IT機器、通信機器、OA機器、医療機器、ヘルスケア機器、業務用機器、産業機器、自動車・鉄道・船舶等の輸送機器等向けのモーターに好適に使用できる。特に、ウェッジ紙またはスロット紙として好適に使用することができる。
実施例及び比較例においては、以下の原料を用い、下記表1に示す配合組成のフィルムを製造した。
(A)−1:VESTAKEEP 3300G(ダイセル・エボニック社製、(a−1)の繰り返し単位、結晶融解温度=343℃、ガラス転移温度=143℃)
(B)−1:Ultem 1000−1000(サビック社製、(b−1)の繰り返し単位、ガラス転移温度=217℃)
(B)−2:Ultem CRS5001−1000(サビック社製、(b−2)の繰り返し単位、ガラス転移温度=227℃)
原料としてポリエーテルエーテルケトンの(A)−1を使用した。Φ40mm単軸押出機を用いて原料を溶融混練し、Tダイから連続的に押し出し、表面粗さ(Ra)が1.05μmのロールにキャスティングしてフィルムを得た。この時、ポリエーテルエーテルケトンの押出機温度、押出機温度、口金の温度はいずれも380℃とした。
厚み300μmのフィルムを作成し、表面粗さと動摩擦係数の評価を行った。これらの結果を表1に示す。
ポリエーテルエーテルケトン層(PEEK層)の原料として(A)−1を、ポリエーテルイミド層(PEI層)の原料として(B)−1をそれぞれ使用した。これらを、Φ40mm押出機2台を使用して別々に溶融させた。PEEK層については、フィードブロックで半分ずつに分割し、PEEK層/PEI層/PEEK層の順番となるようにフィードブロック内で積層させて2種3層構成の積層フィルムとしてTダイから押出し、積層比が1/8/1(フィルム全体に占める、PEEK層の厚み割合=20%)となるように、表面粗さ(Ra)が1.05μmのキャストロールにキャスティングして積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
ポリエーテルイミド層(PEI層)の原料として(B)−2を使用した以外は、実施例2と同様の方法でサンプル作製した。評価結果を表1に示す。
原料としてポリエーテルエーテルケトンの(A)−1の代わりにポリエーテルイミドの(B)−1を使用して、キャストロールの表面粗さ(Ra)を0.32μmに変えた以外は実施例1と同様の方法で厚み175μmのサンプル作製した。評価結果を表1に示す。
原料としてポリエーテルエーテルケトンの(A)−1の代わりにポリエーテルイミドの(B)−2を使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプル作製した。評価結果を表1に示す。
キャストロールの表面粗さ(Ra)を0.32μmに変えた以外は実施例5と同様の方法でサンプル作製した。評価結果を表1に示す。
キャストロールの表面粗さを0.07μmに変えた以外は実施例3と同様の方法でサンプル作製した。評価結果を表1に示す。
上記実施例及び比較例で製造した各フィルムは、以下のようにして各種項目についての評価測定を行った。ここで、フィルムの「縦」とは、Tダイからフィルム状の成形品が押し出されてくる方向を指し、また、フィルム面内でこれに直交する方向を「横」とする。
各フィルムについて、接触式表面粗さ計Surf Coder ET4000Aを用いて、触針先端半径0.5mm、測定長さ8.0mm、基準長さ8.0mm、カットオフ値0.8mm、ならびに測定速度:0.2mm/秒の条件で縦方向に測定を行い、算術平均粗さ(Ra)を計算した。
各フィルムについて、JIS K7125:1999に準拠して、プラスチックフィルムすべり試験機(インテスコ)を用いて縦方向に測定を実施し、SUS板(ステンレス板)との動摩擦係数を評価した。
一方、比較例1は、表面粗さが0.15μm未満であり、動摩擦係数が大きくなるため、滑り性も劣っていた。
Claims (8)
- 算術平均粗さ(Ra)が0.15μm以上1.50μm以下の面を少なくとも片面に備えたモーター用絶縁フィルム。
- ポリエーテルエーテルケトンまたはポリエーテルイミドを含む請求項1に記載のモーター用絶縁フィルム。
- SUS板との動摩擦係数が0.250以下の面を少なくとも片面に備えた請求項1または2に記載のモーター用絶縁フィルム。
- 厚みが50μm以上500μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のモーター用絶縁フィルム。
- 押出成形により製造される請求項1〜4のいずれか1項に記載のモーター用絶縁フィルムの製造方法。
- 算術表面粗さ(Ra)が0.15μm以上1.5μm以下のキャストロールを用いて製造させる請求項5に記載のモーター用絶縁フィルムの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のモーター用絶縁フィルムを用いたウェッジ紙。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のモーター用絶縁フィルムを用いたスロット紙。
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JP2002272043A (ja) * | 2001-03-05 | 2002-09-20 | Daikin Ind Ltd | 回転式圧縮機、及びこの回転式圧縮機を備えた空気調和装置 |
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