JP2017043768A - ポリエステルフィルムおよびそれを用いてなる積層シート - Google Patents

ポリエステルフィルムおよびそれを用いてなる積層シート Download PDF

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莉沙 ▲浜▼▲崎▼
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昌平 吉田
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Abstract

【課題】制振性および寸法安定性、耐熱性に優れたポリエステルフィルムを提供することである。【解決手段】フィルム面内でヤング率が最も小さい方向(方向b)のフィルムのヤング率をEbとしたとき、Ebが0.5GPa以上であり、25℃10Hzでの方向bの損失正接をtanδbとしたとき、tanδbが0.03以上であるポリエステルフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムに関する。また該フィルムと、ガラス、金属、繊維強化プラスチックからなる群からなるシート材料と一体化されてなる積層シートに関する。
ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレン−2、6−ナフタレンジカルボキシレートなど)樹脂は機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。そのポリエステルをフィルム化したポリエステルフィルム、中でも二軸配向ポリエステルフィルムは、その機械特性、電気的特性などから、銅貼り積層板、太陽電池用バックシート、粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチ、面状発熱体、もしくはフラットケーブル、モーター絶縁材料などの電気絶縁材料、磁気記録材料や、コンデンサ用材料、包装材料、自動車用材料、建築材料、写真用途、グラフィック用途、感熱転写用途などの各種工業材料として使用されている。
近年、電子部品の小型化が進み、高集積化され、また取り扱われるデータ量が膨大となってきている。それに伴い、その動作安定性のために、それに用いられる部品等の微小振動制御が極めて重要になってきている。例えば、ハードディスクなどの作動高速化に当たっては僅かな設計外の微小振動が、読み込みの速度に大きく影響を与えたりしており、モーター等の絶縁材料、回路材料、筐体材料など、従来のポリエステルフィルムが使用されている部分(モーター等の絶縁フィルム、電子部品用粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチなど)においても、微小振動を抑制することが重要となっている。
また自動車分野においては、車内空間の静寂性向上の要求が高まり、風切り音などの外部からのごく僅かな微小振動や、エンジンノイズなどを抑える技術が求められている。
従来、振動を抑える材料として、ゴムやエラストマーに粒子を多量添加したものが用いられている(特許文献1)。また、自動車用途においては、たとえば窓においてはガラスの中間にポリビニルブチラール系樹脂に粒子を含有させたものが用いられている(特許文献2)。
特開2011−38069号公報 国際公開第2009/131195号パンフレット
しかしながら、従来のゴムや、通常のエラストマー(ウレタン系、アクリル系、オレフィン系など)をベースとした制振材料は耐熱性や寸法安定性等の特性が乏しいといった問題があり、電子部品や自動車といった高耐熱、高耐久を要求される用途への適用は制限があった。また、シリコーン系エラストマーは耐熱性に優れるものの、シリコンの汚染の問題で電子部品への使用を嫌煙される傾向にある。
また、通常のポリエステルフィルムは寸法安定性に優れるものの、剛直であり、振動を抑えることは困難であった。そこで、本発明の課題は制振性および寸法安定性、耐熱性に優れたポリエステルフィルムを提供することである。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。すなわち、
[I]フィルム面内でヤング率が最も小さい方向(方向b)のフィルムのヤング率をEb(GPa)としたとき、Ebが0.5GPa以上であり、25℃10Hzでの方向bの損失正接をtanδbとしたとき、tanδbが0.03以上であるポリエステルフィルム。
[II]方向bとはフィルム面内で垂直方向(方向a)のフィルムのヤング率をEa(GPa)としたときに、EaとEbの比Ea/Ebが1/1〜3/1である[I]に記載のポリエステルフィルム。
[III]25℃10Hzでの、方向bとはフィルム面内で垂直方向(方向a)の損失正接をtanδaとしたとき、tanδaとtanδbの比tanδa/tanδbが1/3〜3/1である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
[IV]少なくとも2層を有するポリエステルフィルムであって、結晶性ポリエステルを主たる成分とする層(A層)と、熱可塑性エラストマーを主たる成分とする層(B層)を含む請求項[I]〜[III]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[V]前記A層の厚みの和T1と前記B層の厚みの和T2の比T1/T2が1/8〜2/1である[IV]に記載のポリエステルフィルム。
[VI]A層を構成する樹脂組成物の融点TmAが230℃以上280℃以下であり、B層を構成する樹脂組成物の融点TmBが140℃以上240℃以下である[IV]または[V]に記載のポリエステルフィルム。
[VII]A層とB層が交互に合計9層以上積層されてなる[IV]〜[VI]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VIII]B層が少なくとも片側表層にある[IV]〜[VII]のいずれかに記載ポリエステルフィルム。
[IX]A層が少なくとも片側表層にある請求項[IV]〜[VII]のいずれかに記載ポリエステルフィルム。
[X]B層中の該熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーである[IV]〜[IX]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[XI]B層が充填材を含み、その充填材の含有率がB層を構成する樹脂組成物全体に対して1〜50重量%である[IV]〜[X]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[XIII][I]〜[XI]のいずれかに記載のポリエステルフィルムと、ガラス、金属、繊維強化プラスチックからなる群からなるシート材料と一体化されてなる積層シート。
本発明によれば、耐熱性や寸法安定性に優れ、シリコンの汚染の懸念のない、かつ制振性に優れるポリエステルフィルムを提供する事ができる。かかるポリエステルフィルムは、銅貼り積層板、太陽電池用バックシート、粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチ、面状発熱体、もしくはフラットケーブルなどの電気絶縁材料、コンデンサ用材料、筐体材料、自動車用制振材料、建築制振材料をはじめとした制振性と耐熱性が重視されるような用途に好適に使用することができる。特には、かかるポリエステルフィルムを用いることで、より静粛な電子機器、自動車を提供することができる。
粒子を外接直方体で囲んだ模式図である。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム面内でヤング率が最も小さい方向(方向b)のフィルムのヤング率をEbとしたとき、Ebが0.5GPa以上であり、25℃10Hzでの方向bの損失正接をtanδbとしたとき、tanδbが0.03以上であるポリエステルフィルムとする必要がある。フィルムのヤング率は分子の配向・結晶化の指標であり、ヤング率が高いほど分子が配向・結晶化していることを表し、耐熱性や寸法安定性が高くなる。また、損失正接はフィルム材料の粘弾性の指標であり、損失正接が大きくなるほど、粘性が高くなり、外部からの振動を吸収し、熱エネルギーへと変換するのが容易となる結果、制振性が高くなる。通常のフィルムの場合、ヤング率が高くなるほど、剛直となるため制振性は失われるが、本発明においては高ヤング率と高損失正接を両立した結果、高い耐熱性、寸法安定性と、制振性の両立を可能としたものである。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、フィルム面内でヤング率が最も小さい方向(方向b)のフィルムのヤング率をEbとしたとき、Ebが0.5GPa以上である事が必要である。なお、ここでいうヤング率は、フィルムのヤング率をフィルム面内に10°毎に方向を変えて測定し、そのヤング率がもっとも小さい方向(方向b)のヤング率をEbとする。より好ましくは0.7GPa以上、更に好ましくは1.0GPa以上、特に好ましくは1.5GPa以上である。ヤング率Ebを0.5GPa以上とすることで、高い耐熱性と寸法安定性を付与することが可能となる。なお、ヤング率の上限は特に制限されるものではないが、寸法安定性、耐熱性と制振性の両立という観点からは、実質5GPa以下である。
本発明のポリエステルフィルムは、方向bとはフィルム面内で垂直方向(方向a)のフィルムのヤング率をEaとしたときに、EaとEbの比Ea/Ebが1/1〜3/1であることが好ましい。より好ましくは1/1〜1/2、更に好ましくは1/1〜1/1.5である。Ea/Ebを1/1〜3/1とすることで、フィルム面内方向いずれの方向においても寸法安定性に優れ、また、破断しにくいフィルムとする事ができる。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、25℃10Hzでの方向bの損失正接をtanδbとしたとき、tanδbが0.03以上であることが必要である。より好ましくはtanδbが0.05以上、更に好ましくは0.08以上、特に好ましくは0.1以上である。tanδbを0.03以上とすることによって、ポリエステルフィルムに制振性を付与することが可能となる。なお、tanδbの上限は特に制限されるものではないが、寸法安定性、耐熱性と制振性の両立という観点からは、実質1以下である。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、方向bとはフィルム面内で垂直方向(方向a)の損失正接をtanδaとしたとき、25℃10Hzでのtanδaとtanδbの比tanδa/tanδbが1/3〜3/1であるのが好ましい。より好ましくは1/2〜1/2,更に好ましくは1/1.5〜1.5/1である。tanδa/tanδbを1/3〜3/1とすることによって、フィルム面内のいかなる方向の振動においても優れた制振性を発現する事が可能となる。
通常の場合、ヤング率を高めるためにはフィルムを延伸するのが有効であるが、その場合分子鎖が緊張して剛直となり、損失正接が低下して制振性は失われるため、Ebを0.5GPaとした上で、tanδbを0.03以上とすることは困難であった。本発明のポリエスエルフィルムにおいて、Ebを0.5GPa以上でtanδbを0.03以上とするための方法について、以下詳述する。
本発明のポリエステルフィルムは、結晶性ポリエステルを主たる成分とする層(A層)と、熱可塑性エラストマーを主たる成分とする層(B層)を含むのが好ましい。ここで、結晶性ポリエステルを主たる成分とする層とは、層を構成する樹脂全体に対して結晶性ポリエステルが50質量%以上含む層であることを表す。また、熱可塑性エラストマーを主たる成分とする層とは、層を構成する樹脂全体に対して熱可塑性エラストマーが50質量%以上含む層であることを表す。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、結晶性ポリエステルとは、主たる構成成分が、ジカルボン酸構成成分とジオール構成成分を有してなるポリエステルであり、かつJIS K7122(1987)に準じて、昇温速度20℃/minで樹脂を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持後、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/minの昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、融解ピークのピーク面積から求められる結晶融解熱量ΔHmAが、15J/g以上である樹脂である。より好ましくは結晶融解熱量がΔHmA20J/g以上、さらに好ましくは25J/g以上、特に好ましくは30J/g以上の樹脂を用いるのがよい。A層を構成するポリエステルとして、結晶性ポリエステルとすることで、後述する製造方法において、配向・結晶化が容易となり、高耐熱のフィルムとすることができる。なお、本明細書において、構成成分とはポリエステルを加水分解することで得ることが可能な最小単位のことを示す。
かかる結晶性ポリエステルを構成するジカルボン酸構成成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。また、上述のカルボン酸構成成分のカルボキシル基末端に、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類、およびその誘導体や、オキシ酸類が複数個連なったもの等を付加させたものも好適に用いられる。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。
また、かかるポリエステルを構成するジオール構成成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、芳香族ジオール類等のジオール、上述のジオールが複数個連なったものなどが例としてあげられるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。
また、本発明のポリエステルフィルムにおいて、A層中の結晶性ポリエステル中の全ジカルボン酸構成成分中の芳香族ジカルボン酸構成成分の割合は、90モル%以上100モル%以下が好ましい。より好ましくは95モル%以上100モル%が好ましい。更に好ましくは98モル%以上100モル%以下、特に好ましくは99モル%以上100モル%以下、最も好ましくは100モル%、すなわちジカルボン酸構成成分全てが芳香族カルボン酸構成成分であるのがよい。90モル%に満たないと、耐熱性が低下したりする場合がある。本発明のポリエステルフィルムにおいて、A層中の結晶性ポリエステル中の全ジカルボン酸構成成分中の芳香族ジカルボン酸構成成分の割合を90モル%以上100モル%以下とすることで、後述する製造方法において、配向・結晶化が容易となり、高耐熱のフィルムとすることができる。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、A層の結晶性ポリエステルの繰り返し単位、すなわち、ジカルボン酸構成成分とジオール構成成分からなる主たる繰り返し単位は、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、プロピレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなるものが好適に用いられ、これらが主たる繰り返し単位となることが好ましい。なお、ここでいう主たる繰り返し単位とは、上記繰り返し単位の合計が、ポリエステル層(A層)に含まれる結晶性ポリエステルの場合は、全繰り返し単位の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。
さらには低コストで、より容易に重合が可能で、かつ耐熱性に優れるという点で、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが主たる繰り返し単位であることが好ましい。この場合、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位として用いた場合はより安価で汎用性のある耐熱性を有するフィルムを得ることができ、またエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートをより主たる繰り返し単位として用いた場合はより耐熱性に優れるフィルムとすることができる。
上述の構成成分(ジカルボン酸とジオール)を適宜組み合わせて、重縮合させることでポリエステルを得ることができるが、本発明のポリエステルフィルムにおいて、A層の結晶性ポリエステルは、カルボキシル基および/または水酸基を3つ以上有する構成成分などが共重合されていることも好ましい。その場合は、カルボキシル基および/または水酸基を3つ以上有する構成成分の共重合率が、結晶性ポリエステルの全構成成分に対して0.005モル%以上2.5モル%であることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、ポリエステル層(A層)を構成する結晶性ポリエステルの固有粘度(IV)は0.6以上であることが好ましい。より好ましくは0.65以上、更に好ましくは0.68以上、特に好ましくは0.7以上である。IVが0.6に満たないと、熱可塑性エラストマーを主たる成分とする層(B層)との積層が困難であったり、分子間の絡み合いが少なくなりすぎて、機械物性が得られなかったり、経時での機械特性の劣化が進行しやすくなり、脆化しやすくなる場合がある。本発明のポリエステルフィルムにおいて、ポリエステル層(A層)を構成する結晶性ポリエステルのIVを0.6以上とすることによって、熱可塑性エラストマーを主たる成分とする層(B層)との積層性、およびフィルムの高い機械特性を得ることができる。なお、IVの上限は特に決められるものではないが、重合時間が長くなるためコスト的に不利であったり、溶融押出が困難となるという点から好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.9以下である。
なお、上記固有粘度とするには、溶融重合によって所定の溶融粘度になった時点で吐出、ストランド化、カッティングを行い、チップ化することにより得られるポリエステルを用いる方法と、目標より低めの固有粘度で一旦チップ化し、その後固相重合を行うことにより得られるポリエステルを用いる方法がある。これらのうち、特にポリエステル層(A層)のIVを0.65以上とする場合には、熱劣化を抑えられ、かつカルボキシル基末端基数を低減できるという点で、目標より低めの固有粘度で一旦チップ化し、その後固相重合を行うことにより得られるポリエステルを用いる方法を用いるのが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、ポリエステル層(A層)を構成する結晶性ポリエステルの融点TmAは220℃以上280℃以下であることが好ましい。ここでいう融点TmAとはDSCにより得られる、昇温過程(昇温速度:20℃/min)における融点Tmであり、上述と同様にJIS K−7121(1987)に基づいた方法により、25℃からポリエステルの融点+50℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRunの結晶融解ピークにおけるピークトップの温度でもって結晶性ポリエステルの融点TmAとする。より好ましくは融点TmAが230℃以上275℃以下、更に好ましくは240℃以上265℃以下である。融点TmAが220℃に満たないと、フィルムの耐熱性に劣ったりすることがあり好ましくなく、また、融点TmAが280℃を越えると、押出加工が困難となる場合があるため好ましくない。本発明のポリエステルフィルムにおいて、ポリエステル層(A層)を構成する結晶性ポリエステルの融点TmAを210℃以上290℃以下とすることにより、耐熱性を有するポリエステルフィルムとすることができる。なお、複数の結晶融解ピークトップがあらわれる場合は、最も高いピークトップ温度が上記範囲内であることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、ポリエステル層(A層)を構成する結晶性ポリエステルのカルボキシル基末端基数は40等量/t以下であることが好ましい。より好ましくは30等量/t以下、さらに好ましくは20等量/t以下である。40等量/tを超えると、構造制御したとしても、カルボキシル基末端基由来のプロトンによる触媒作用が強く、加水分解や熱分解が促進され通常のポリエステルフィルムより劣化が進行しやすくなる場合がある。なお、カルボキシル基末端基数を40等量/t以下とするには、1)ジカルボン酸構成成分とジオール構成成分とのエステル化反応をさせ、溶融重合によって所定の溶融粘度になった時点で吐出、ストランド化、カッティングを行い、チップ化したのち、固相重合する方法、2)緩衝剤をエステル交換反応またはエステル化反応終了後から重縮合反応初期(固有粘度が0.3未満)までの間に添加する方法、等の組み合わせ等により得られたポリエステルを用いることにより得ることができる。また、緩衝剤や末端封止剤を成形時に添加することによっても得ることができる。耐加水分解剤とはポリエステルのカルボキシル基または水酸基末端基と反応して結合し、カルボキシル基末端基由来のプロトンの触媒活性を消失させる化合物のことであり、具体的には、オキサゾリン基、エポキシ基、カルボジイミド基、イソシアネート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。耐加水分解剤を用いる場合は、A層に対して0.01重量%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.1重量%以上である。上記ポリエステルと組み合わせて耐加水分解剤を添加することによって、ポリエステルの劣化を抑制することができ、機械特性、耐熱性をより高めることが可能となる。なお、耐加水分解剤の含有量の上限は過剰な耐加水分解剤が難燃性を低下させる場合があるという点からP層に対して2重量%以下が好ましく、より好ましくは1重量%、さらに好ましくは0.8%重量%以下である。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、A層中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層の主たる成分である熱可塑性エラストマーは、とは、融点以上に加熱すると熱可塑性の性質を示す一方、常温ではゴム弾性の性質を示すポリマーである。具体的には、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムのB層に用いる熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。
ポリエステル系エラストマーとしては、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体、および、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体が挙げられるが、その中でも芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体であることが好ましい。
ポリエステルエラストマー中の芳香族ポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート系樹脂であることが好ましい。ここで、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、またはテレフタル酸とイソフタル酸を組合せたものを用い、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを用いたポリエステルをいうものとするが、このジカルボン酸成分の一部(50モル%未満)を他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置き換えたり、ジオール成分の一部(50モル%未満)をブタンジオール成分以外の低分子ジオール成分で置き換えたりしたポリエステルであってもよい。また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、またはテレフタル酸とイソフタル酸を組合せたジカルボン酸成分を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエステルをいうものとするが、このジカルボン酸成分の一部(50モル%未満)を他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置き換えたり、ジオール成分の一部(50モル%未満)をエチレングリコール成分以外の低分子ジオール成分で置き換えたりしたポリエステルであってもよい。
また、ポリエステル系エラストマー中の脂肪族ポリエーテルとしては、ポリアルキレングリコール系樹脂であることが好ましく、その種類として、ポリエチレングリコール系樹脂、ポリプロピレングリコール系樹脂、ポリブチレングリコール系樹脂、ポリテトラメチレングリコール系樹脂、ポリへキシレングリコール、ポリへプチレングリコール系樹脂、ポリオクチレングリコール系樹脂、ポリドデシレングリコール系樹脂、また、これらの共重合物などが挙げられるがその限りではない。そのなかでも、ポリテトラメチレングリコール系樹脂および/またはポリエチレングリコール系樹脂であることがさらに好ましい。ここで、ポリアルキレングリコール系樹脂とは、ポリアルキレングリコールを主たる成分とする脂肪族ポリエーテルをいうものとするが、ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、アルキレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。また、ポリテトラメチレングリコール系樹脂とは、ポリテトラメチレングリコールを主たる成分とするポリアルキレングリコールをいうものとするが、脂肪族ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、テトラメチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。さらに、ポリエチレングリコール系樹脂とは、ポリエチレングリコールを主たる成分とするポリアルキレングリコールをいうものとするが、脂肪族ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、エチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。その他、ポリエチレングリコール系樹脂、ポリプロピレングリコール系樹脂、ポリブチレングリコール系樹脂、ポリテトラメチレングリコール系樹脂、ポリへキシレングリコール、ポリへプチレングリコール系樹脂、ポリオクチレングリコール系樹脂、ポリドデシレングリコール系樹脂等の脂肪族ポリエーテル系樹脂についても同様に、脂肪族ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、脂肪族ポリエーテル成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。ここで、「主たる」とは、脂肪族ポリエーテル部分全体を100質量%とした際、50質量%以上を占める場合をいうものとする。
ポリエステル系エラストマーとして市販されているものとしては、東レ・デュポン製の“ハイトレル(登録商標)”、東洋紡製の“ペルプレン(登録商標)”、三菱化学製の“プリマロイ(登録商標)”などが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムのB層の熱可塑性エラストマーにおいて、ポリスチレン系エラストマーは、ポリスチレンとポリブタジエンとのブロック共重合体、ポリスチレンと水素添加ポリブタジエンとのブロック共重合体、ポリスチレンとポリイソプレンとのブロック共重合体、ポリスチレンと水素添加ポリイソプレンとのブロック共重合体、ポリスチレンとポリイソブチレンとのブロック共重合体を挙げることができる。また、本発明のポリスチレン系エラストマーは、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルエーテル基、ヒドロキシル基、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基で変性されていてもよい。
ポリスチレン系エラストマーとして、具体的には、SBS(スチレン‐ブタジエン‐スチレンコポリマー)、SEBS(スチレン−エチレン/ブチレン‐スチレンコポリマー)、SIS(スチレン‐イソプレン‐スチレンコポリマー)、SEPS(スチレン‐エチレン/プロピレン‐スチレンコポリマー)などが挙げられる。
ポリスチレン系エラストマーとして市販されているものとしては、クレイトンポリマージャパン製の“クレイトン(登録商標)”、JSR製の“ダイナロン(登録商標)”、旭化成製の“タフテック(登録商標)”、“S.O.E.”、“タフプレン(登録商標)”、“アサプレン(登録商標)”、クラレ製の“セプトン(登録商標)”、アロン化成製のAR−FLシリーズなどが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムのB層の熱可塑性エラストマーにおいて、ポリオレフィン系エラストマーの第1の態様は、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、ポリイソブチレン、及びα−オレフィンからなる群より選ばれる1つとの共重合体である。共重合の形態は、ブロック共重合、グラフト共重合のいずれでもよいが、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、α−オレフィンからなる共重合体の場合のみ、共重合の形態はランダム共重合であってもよい。前記α−オレフィンとは、分子鎖の片末端に二重結合を有するオレフィンのことであり、1−オクテンなどが好ましく用いられる。
本発明のポリエステルフィルムのB層の熱可塑性エラストマーにおいて、ポリオレフィン系エラストマーの第2の態様は、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体からなる群より選ばれる1つとのブレンド物である。このとき、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体は、部分的もしくは完全に架橋されていてもよい。
また、本発明のポリエステルフィルムのB層の熱可塑性エラストマーにおいて、ポリオレフィン系エラストマーは、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルエーテル基、ヒドロキシル基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基で変性されていてもよい。
ポリオレフィン系エラストマーとして市販されているものとしては、三井化学製の“ミラストマー(登録商標)”、住友化学製“エスポレックス(登録商標)”、三菱化学製の“サーモラン(登録商標)”、“ゼラス(登録商標)” 、ダウ・ケミカル製“エンゲージ(登録商標)”などが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムのB層の熱可塑性エラストマーにおいて、ポリアミド系エラストマーは、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体、ポリアミドと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体を挙げることができる。
ポリアミド系エラストマーとして市販されているものとしては、宇部興産製の“UBESTA(登録商標)”、ダイセル・エボニック製の“ダイアミド(登録商標)”、“ベスタミドE(登録商標)”、アルケマ製の“PEBAX(登録商標)などが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムのB層において、熱可塑性エラストマーは、1種単独であっても、2種以上を組み合わせてもよい。上記熱可塑性エラストマーのうち、ポリエステル系エラストマーを主たる成分とすることが、A層との積層性およびA層とB層との接着性をより高められるという点でより好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層を構成する熱可塑性エラストマーの融点TmBは140℃以上240℃以下であることが好ましい。ここでいう融点TmBとはDSCにより得られる、昇温過程(昇温速度:20℃/min)における融点TmBであり、JIS K−7121(1987)に基づいた方法により、25℃から熱可塑性エラストマーの融点+50℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで−100℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で270℃まで昇温を行って得られた2ndRunの結晶融解ピークにおけるピークトップの温度でもって熱可塑性エラストマーの融点TmBとする。より好ましくは融点TmBが145℃以上235℃以下、更に好ましくは150℃以上230℃以下である。融点TmBが145℃に満たないと、結晶性ポリエステルとの積層が困難となったり、得られたフィルムの耐熱性に劣ったりすることがあり好ましくなく、また、融点TmBが240℃を越えると、制振性が低下したりする場合があるため好ましくない。本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層を構成する熱可塑性エラストマーの融点TmBを140℃以上240℃以下とすることにより、良好な積層性、耐熱性、制振性を有するポリエステルフィルムとすることができる。なお、複数の結晶融解ピークトップがあらわれる場合は、最も高いピークトップ温度が上記範囲内であることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層が充填材を含み、その充填材の含有率がB層を構成する樹脂組成物全体に対して1重量%以上50重量%以下であるのが好ましい。より好ましくは10重量%以上45重量%以下、更に好ましくは20重量%以上40重量%以下である。ここでいう充填材とは、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、レニウム、バナジウム、オスミウム、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、プラセオジウム、クロム、ニッケル、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、タンタル、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、イットリウム、ランタニウム等の金属、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セシウム、酸化アンチモン、酸化スズ 、インジウム・スズ酸化物、酸化イットリウム、酸化ランタニウム 、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム 、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム 、フッ化アルミニウム 、氷晶石等の金属フッ化物、リン酸カルシウム等の金属リン酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム等の硫酸塩、窒化ホウ素、窒化炭素などの窒化物、タルク、マイカ、カオリンなどのケイ酸塩、その他カーボン、フラーレン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素系化合物等挙げられる。またこれらの充填材は2種類以上用いてもよい。本発明のポリエステルフィルムにおいて、充填剤を1重量%以上とすることでより、制振性を高める事が可能となり、さらには熱伝導率を高めることが可能となる。また50重量%以下とすることで後述する製造方法にてポリエステルフィルムを製造する際に、良好な製膜性を得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムのB層に用いられる充填剤は、アスペクト比2以上の針状粒子、または板状粒子であるのが好ましい。ここでいう針状粒子とは、一次粒子を図1に示すような外接直方体で囲み、その外接直方体の最も長い一辺を長さ(l)、最も短い一辺を厚さ(t)、残りの一辺を幅(b)と定義した場合に、長さ(l)と厚さ(t)の比l/tが2以上であり、同時に、長さ(l)と幅(b)の比l/bが2よりも大きい粒子である。ここでいう板状粒子とは、一次粒子を図1に示すような外接直方体で囲み、その外接直方体の最も長い一辺を長さ(l)、最も短い一辺を厚さ(t)、残りの一辺を幅(b)と定義した場合に、長さ(l)と厚さ(t)の比l/tが2以上であり、同時に、長さ(l)と幅(b)の比l/bが1以上2以下の粒子である。また、ここでいうアスペクト比とは、針状粒子あるいは板状粒子の長さ(l)と厚さ(t)の比l/tである。アスペクト比はより好ましくは3以上、更に好ましくは5以上である。本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層に、針状粒子、あるいは板状粒子を含有することでフィルムにより寸法安定性を高めた上で制振性を付与することができ、さらに熱伝導率をより高めることが可能となる。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、充填剤が針状粒子または板状粒子である場合、その長径(一次粒子を外接直方体で囲んだときの外接直方体の最も長い一辺を長さ)は好ましくは0.1μm以上20μm以下、更に好ましくは1μm以上10μm以下、更に好ましくは2μm以上8μm以下である。0.1μm以下になると、界面積が多くなりすぎて熱伝導性が低下するため好ましくなく、20μm以上となるとフィルムの製膜性が低下し、特に後述する延伸工程での延伸性が低下し生産性が悪くなる。本発明のポリエステルフィルムにおいて、針状粒子あるいは板状粒子の長径を0.1μm以上20μm以下とすることによって、制振性、熱伝導性と製膜性を両立することができる。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機微粒子、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
本発明のポリエステルフィルムは前記結晶性ポリエステルを主たる成分とするA層と前記熱可塑性エラストマーを主たる成分とするB層が積層された構造をとるのが好ましい。本積層構造とすることで、結晶性ポリエステルからなるA層が耐熱性、寸法安定性を付与しつつ、熱可塑性エラストマーからなる層が制振性を付与することが可能となり、フィルムのヤング率を高めつつ、損失正接を高める事が可能となる。本発明のポリエステルフィルムの積層構成は(i)A層/B層からなる二層構成、(ii)A層/B層/A層、またはB層/A層/B層からなる3層構成、(iii)A層/B層/・・・・/B層、B層/A層/・・・・/A層、A層/B層/・・・・/A層、B層/A層/・・・・/B層などの、A層とB層が交互に積層された多層積層構成、(iii)A層/B層/その他の層、(iv)その他の層/A層/B層、A層/その他の層/B層などの構成、およびこれらの組み合わせの構成が挙げられる。その中でも、本発明のポリエステルフィルムは、特に結晶性ポリエステルを主たる成分とするA層と熱可塑性エラストマーを主たる成分とするB層が交互に合計9層以上積層されてなることが好ましい。本発明のポリエステルフィルムにおいて、上記構成として層数を9層以上の層が交互に積層されたフィルムとすることによって、層数が9層未満のフィルムと対比して、均質に各々の熱可塑性エラストマーが配されるため、製膜性や機械物性を安定化させることが可能である。また、層数が増加するに従い、フィルムの厚み方向に結晶性ポリエステルを主たる成分とするA層が複数配置されることによって、フィルムの寸法安定性や耐熱性をより向上させることが可能となる。また、干渉反射機能、偏光反射を発現させるといった特異な光学特性の付与も可能となる。
本発明のポリエステルフィルムを構成するA層とB層のうち、B層が少なくとも片側表層にあるのが好ましい態様として挙げられる。その場合、熱可塑性エラストマーを主たる成分とするB層がクッション性を有するため、ガラス、金属、繊維強化プラスチックからなる群からなるシート材料と一体化させた場合に、密着性が良好となり、より制振性を高める事が可能となる。
着性を有するフィルムとすることができるためである。
本発明のポリエステルフィルムを構成するA層とB層のうち、A層が少なくとも片側表層にあるのが好ましい態様として挙げられる。その場合、表面の結晶性ポリエステルを主たる成分とするA層が表面硬度、耐薬品性、フィルムの滑り性を付与することが可能となり、通常のポリエステルフィルムと同じ取扱性とすることができ、本フィルムに後述する各種機能層(帯電防止層、他素材との密着層、耐紫外線性を有するための耐紫外線層、難燃性付与のための難燃層、耐衝撃性や耐擦過性を高めるためのハードコート層など)を形成する際の加工性や加工した層の安定した機能を発現させることが可能となる。
本発明のポリエステルフィルムの総厚みは10μm以上300μm以下であるのが好ましく、さらに好ましくは20μm以上200μm以下、最も好ましくは30μm以上150μm以下である。積層体の厚みが10μm未満の場合、フィルムの制振性が悪くなったりする。また、300μmより厚い場合、例えば、本発明のフィルムをガラス、金属、繊維強化プラスチックからなる群からなるシート材料と一体化させた場合に、その一体化させたシートの全体厚みが厚くなり過ぎる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、結晶性ポリエステルを主たる成分とするA層の層厚みをTA(μm)、熱可塑性エラストマーを主たる成分とするB層の層厚みをTB(μm)としたとき、両者の比TB/TAが1/4〜15/1以下であることが好ましい。なお、A層、B層がフィルム中に複数ある場合は、それぞれの厚みの和で以て、厚みTA,TBとする。より好ましくは1/1〜以上10/1以下である。更に好ましくは3/1以上8/1以下である。TB/TAが1/4に満たないと、制振性が低下することがある。また、TB/TAが15/1を越えると、フィルムの耐熱性や寸法安定性が低下する傾向にある。本発明のポリエステルフィルムにおいて、TB/TAを1/4以上15/1以下とすることで、制振性、耐熱性、寸法安定性を両立したフィルムとする事が可能となる。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層中の充填剤の含有量をWb(質量%)および、空隙率をV(体積%)とした場合にV/Wbが1以下であることがこのましい。ここでいう空隙率とは、B層の断面SEM画像内において、フィルムの断面積の中に占める空隙の面積の割合でもって空隙率V(体積%)とした。より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.5以下である。V/Wbが1を超えると、フィルム中に熱伝導率が低い空気が多く占めることとなる結果、フィルムの透明性や、熱伝導性が低下する。V/Wbの下限は0である。本発明のポリエステルフィルムにおいて、V/Wbを1以下とすることで、高い透明性、熱伝導性を得ることができる。なお、V/Wbを1以下にする方法としては後述する製造方法において、B層に粒子を含有させた状態で、後述する方法にて少なくとも1軸方向に延伸した後にB層の熱可塑性エラストマーの融点TmB以上、A層の結晶性ポリエステルの融点TmA以下の温度で熱処理することなどが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムは熱伝導率が0.15W/mK以上であるのが好ましい。より好ましくは0.2W/mK以上、さらに好ましくは0.25W/mK以上である。本値を満たすことによって、特にモーター絶縁材料(例えば風力発電用絶縁シート、ハイブリッドモーター用シート、エアコンモーター用シート)、太陽電池バックシート、電子部品用に用いられる電気絶縁材料(例えば、電子部品用粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチなど)等に好適に用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムは表面比抵抗が1013Ω/□以上であるのが好ましい。本値を満たすことによって、特にモーター絶縁材料(例えば風力発電用絶縁シート、ハイブリッドモーター用シート、エアコンモーター用シート)、太陽電池バックシート、電子部品用に用いられる電気絶縁材料(例えば、電子部品用粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチなど)等に好適に用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムには、ポリエステル層、帯電防止層、他素材との密着層、耐紫外線性を有するための耐紫外線層、難燃性付与のための難燃層、耐衝撃性や耐擦過性を高めるためのハードコート層など、用いる用途に応じて、任意の層を形成することができる。
次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法において、その原料となる結晶性ポリエステルは、上述のジカルボン酸構成成分、ジオール構成成分とからエステル化反応またはエステル交換反応を経て重縮合反応を行うことによって固有粘度が0.4以上とすることによって得られる。
また、エステル交換反応を行う際には、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウムなど公知のエステル交換反応触媒を用いることができるほか、重合触媒である三酸化アンチモンなどを添加してもよい。エステル化反応時には水酸化カリウムなどのアルカリ金属を数ppm添加しておくとジエチレングリコールの副生が抑制され、耐熱性や耐加水分解性も改善される。
また重縮合反応触媒としては、二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液、三酸化アンチモン、チタンアルコキシド、チタンキレート化合物などを用いることができる。
その他の添加物としては、例えば、静電印加特性を付与する目的で酢酸マグネシウム、助触媒として酢酸カルシウムなどを挙げることができ、本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。また、フィルムの滑り性を付与するために各種粒子を添加、あるいは触媒を利用した内部析出粒子を含有させてもよい。
また、本発明のポリエステルフィルムのB層に用いられる熱可塑性エラストマーは、市販のものを用いることも可能であるが、ポリエステル系エラストマーの場合は上記結晶性ポリエステルと同様の方法で得ることも可能である。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法において、熱可塑性エラストマーに充填剤を含有させる場合、その方法は、予め熱可塑性エラストマーと充填剤をベント式二軸混練押出機やタンデム型押出機を用いて溶融混練する方法が好ましい。ここで、充填剤を含有させる際に熱履歴を受けるため、少なからず熱可塑性エラストマーが劣化する。そのため、B層の充填材の含有量に比べて添加量の多い高濃度マスターペレットを作製し、それを熱可塑性エラストマーと混合して希釈し、所定のB層の充填材の含有率とするのが、延伸性、機械特性、耐熱性などの観点から好ましい。
このとき、高濃度マスターペレット中の充填材の濃度は好ましくは20質量%以上80質量%以下が好ましく、更に好ましくは25質量%以上70質量%以下、更に好ましくは30質量%以上60質量%以下、特に好ましくは40質量%以上60質量%以下である。20質量%に満たない場合、B層へ添加するマスターペレットの量が多くなり、その結果B層に劣化した熱可塑性エラストマーの量が多くなって延伸性、機械特性、耐熱性などが低下する場合がある。また80質量%を越える場合は、マスターペレット化が困難となったり、マスターペレットを熱可塑性エラストマーに混合した場合に均一に混合するのが難しくなったりする場合がある。
次に、このようにして得られた結晶性ポリエステルと熱可塑性エラストマー、および充填材を含有した熱可塑性エラストマーを用いて、積層フィルムを作製する方法を説明する。
二つの異なる材料をそれぞれ二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製したシートに被覆層原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、A層と積層するB層をそれぞれ別々に作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、接着剤を介して貼り合わせる方法(接着法)、その他、B層用の材料を溶媒に溶解させ、その溶液をあらかじめ作製していたA層上に塗布する方法(コーティング法)、およびこれらを組み合わせた方法等が使用することができる。この中でも、生産性が高く、かつ得られる積層フィルムの層間の密着性がより高いという点で、共押出法が好ましい。特に、本発明の積層フィルムが多層積層フィルムである場合、その積層構造は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段に記載の内容と同様の方法により実現することができる。
共押出法にて積層フィルムを得る場合、結晶性ポリエステルおよび熱可塑性エラストマーは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、加熱溶融された樹脂は、ギアポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。これらの樹脂は積層装置に送り込まれ、積層された後、ダイから冷却したキャストドラム上に共押出してキャスティングシートを得る。積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、本発明のポリエステルフィルムが多層積層構成である場合、その構成を効率よく得るためには、9個以上の微細スリットを有するフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度な積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、この装置では、各層の厚みをスリットの形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能である。
積層させた後、Tダイ口金に導入して拡幅後、シート状に押出した溶融積層体を、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて、キャスティングシートを得る。その際には、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力により、吐出されたシートを冷却体に密着させ、急冷固化させることが好ましい。また、吐出されたシートを冷却体に密着させる方法としては、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出す方法、ニップロールを用いる方法も好ましく行われる。
このようにして得られたキャスティングシートを、二軸延伸する事により、本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。その延伸する温度は、結晶性ポリエステルのガラス転移温度TgA以上の温度にて二軸延伸する。二軸延伸する方法としては、長手方向と幅方向の延伸とを分離して行う逐次二軸延伸方法の他に、長手方向と幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸方法のどちらであっても構わない。延伸条件の一例は、1)同時二軸延伸の場合はA層の結晶性ポリエステルのガラス転移温度TgA以上TgA+15℃以下の範囲の温度、2)逐次二軸延伸の場合は、第1軸目の延伸をA層の結晶性ポリエステルのガラス転移温度TgA以上TgA+15℃以下(より好ましくはTgA+10℃以下)の温度とし、第二軸目の延伸をTgA+5℃以上TgA+25℃以下の範囲の温度で延伸することが挙げられる。
延伸倍率は、同時二軸延伸、逐次二軸延伸共に、長手方向と幅方向それぞれ1.5倍以上4倍以下とする。より好ましくは2.0倍以上、3.5倍以下、更に好ましくは2.5倍以上3.5倍以下である。また縦の延伸倍率と横の延伸倍率を合わせた面積延伸倍率は4倍以上20倍以下、より好ましくは6倍以上18倍以下、更に好ましくは8倍以上16倍以下である。面積倍率が4倍未満であると、得られるフィルムの結晶性ポリエステル(A)の配向性が低く、得られるフィルムの機械強度や耐熱性が低下することがある。また面積延伸倍率が20倍を越えると延伸時に破れを生じ易くなったりする傾向がある。
得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、A層の結晶性ポリエステルのTgA以上融点TmA未満の温度Thで1秒間以上30秒間以下の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却する。本発明のポリエステルフィルムの製造方法において熱処理温度Thは、より好ましくは、B層の熱可塑性エラストマーの融点TmB以上、A層の結晶性ポリエステルの融点TmA以下,更に好ましくは、B層の熱可塑性エラストマーの融点TmB+10℃以上、A層の結晶性ポリエステルの融点TmA―10℃以下,の温度で熱処理するのが好ましい。本条件で熱処理することにより、耐熱性や寸法安定性を付与できるだけでなく、延伸工程によって配向したB層の熱可塑性エラストマーの配向をキャンセルして、ランダム化させることが可能となり、それにより制振性をより高める事ができる。
また、上記熱処理工程中では、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。続いて必要に応じて、他素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、ポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明によれば、耐熱性や寸法安定性に優れ、シリコンの汚染の懸念がなく、かつ制振性に優れるポリエステルフィルムを提供する事ができる。かかるポリエステルフィルムは、銅貼り積層板、太陽電池用バックシート、粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチ、面状発熱体、もしくはフラットケーブルなどの電気絶縁材料、コンデンサ用材料、筐体材料、自動車用材料、建築材料をはじめとした電気絶縁性と耐熱性が重視されるような用途に好適に使用することができる。特には本発明のポリエステルフィルムは、ガラス、金属、繊維強化プラスチックからなる群からなるシート材料と一体化されて用いられる事も好ましく行われる。
かかるポリエステルフィルムを用いることで、より静粛な電子機器、自動車を提供することができる。
[特性の評価方法]
A.積層構成(積層数、層厚みなど)
フィルムの積層数は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルを、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面写真を撮影し、層構成および各層厚みを測定した。なお、場合によっては、コントラストを高くするために、RuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。また、1枚の画像に取り込められるすべての層の中で最も厚みの薄い層(薄膜層)の厚みにあわせて、薄膜層厚みが50nm未満の場合は10万倍、薄膜層厚みが50nm以上500nm未満である場合は4万倍、500nm以上である場合は1万倍の拡大倍率にて観察を実施した。
得られたTEM写真画像を、スキャナ(キャノン(株)製CanoScan D1230U)を用いて画像サイズ720dpiで取り込んだ。画像をビットマップファイル(BMP)もしくは、圧縮画像ファイル(JPEG)でパーソナルコンピューターに保存し、次に、画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel 2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ2(間引き2)でデータ採用した後に、5点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(Visual Basic for Applications)プログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合う明るさが極大の領域と極小の領域の間隔を1層の層厚みとして層厚みを算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の積層数を算出し、A層の層厚みTA,B層の層厚みTBを得た。
B.結晶性ポリエステルのガラス転移温度TgA、融点TmA,結晶融解熱量ΔHmA,熱可塑性エラストマーの融点TmB
原料となる結晶性ポリエステルの熱特性は、結晶性ポリエステルを、JIS K7122(1987)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施した。
(1)1stRUN測定
サンプルパンに結晶性ポリエステルのサンプルを5mgずつ秤量し、昇温速度は20℃/minで樹脂を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷した。
(2)2ndRUN
1stRUN測定が完了した後、直ちに引き続いて、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って測定を行った。
得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、ガラス転移温度はガラス転移の階段状の変化部分において、JISK7121(1987)の「9.3ガラス転移温度の求め方(1)中間点ガラス転移温度Tmg」記載の方法で結晶ポリエステルのガラス転移温度TgAを求めた(各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から求めた)。
また、原料となる熱可塑性エラストマーの熱特性(ガラス転移温度TgB,融点TmB)は、熱可塑性エラストマーを用いて、上記の方法と同様の方法で25℃から熱可塑性エラストマーの融点+50℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで−100℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で270℃まで昇温を行って得られた2ndRunの結晶融解ピークにおけるピークトップの温度でもって熱可塑性エラストマーの融点TmBとした。また、結晶融解熱量ΔHmA,ΔHmBは、結晶融解ピークの熱量をJISK7122(1987)の「9.転移熱の求め方」に基づいて求めた。
C.ヤング率Ea,Eb
ポリエステルフィルムの破断伸度はASTM−D882(1997年版)に基づいて、サンプルを1cm×20cmの大きさに切り出し、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。また、得られた荷重−歪曲線からヤング率を求めた。なお、測定は各サンプルについて5回ずつ行い、それらの平均値で評価を行った。
ヤング率が最大となる方向(方向a)を決定する際には、いずれかの方向を0°とし、フィルム面内に−90°から90°まで10°毎に方向を変えて同様に測定することで、ヤング率が最小となる方向(方向b)を決定し、ヤング率Eb,破断伸度を求めた。そして続いて、方向bと同一の面内で直交する方向(方向a)のヤング率Ea、破断伸度を求めた。
D.損失正接tanδa,tanδb(制振性)
ポリエステルフィルムの損失正接tanδa,tanδbは、方向a,方向bそれぞれの方向について、幅10mmの短冊状にフィルムを切り出し、JIS−K7244(1999年版)に従って、セイコーインスツルメンツ社製の動的粘弾性測定装置”DMS6100”を用いて求めた。引張モード、駆動周波数は10Hz、チャック間距離は10mm、昇温速度は2℃/minの測定条件にて、ポリエステルフィルムの温度依存性を測定した。この測定結果から、損失正接の温度分散から25℃での損失正接の値tanδa,tanδbを求めた。
E.B層中の充填材の含有量Wb
B層を削りだし、以下の方法で充填材の含有量Wbを求めた。
B層の質量w1(g)を測定した。次いで、ヘキサフルオロ−2−イソプロパノール中に溶解させ、遠心分離により不溶成分のうち、充填材を分取した。得られた充填材をヘキサフルオロ−2−イソプロパノールにて洗浄、遠心分離した。なお、洗浄作業は、遠心分離後の洗浄液にエタノールを添加しても白濁しなくなるまで繰り返した。充填材の質量w2(g)を求め、下記式(1)から充填材の含有量Wb1を測定した。
充填材の含有量Wb(質量%)=(w2/w1)×100 (1)
F.空隙率V
空隙率は以下の(A1)〜(A5)の手順で求めた。なお、測定はフィルム切断場所を無作為に変更して計10回行い、その相加平均値でもってB層における空隙率V(体積%)とした。
(A1)ミクロトームを用いて、フィルム断面を厚み方向に潰すことなく、フィルム面方向に対して垂直に切断する。
(A2)次いで切断した断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、3000倍に拡大観察した画像を得る。なお、観察場所はB層内において無作為に定めるものとするが、画像の上下方向がフィルムの厚み方向と、画像の左右方向がフィルム面方向とそれぞれ平行になるようにするものとする。
(A3)前記(A2)で得られる画像中におけるB層の面積を計測し、これをAとする。
(A4)画像中のB層内に存在する全ての空隙の面積を計測し、総面積をBとする。ここで、計測対象とするのは、空隙の全体が画像内に収まっているものに限られず、画像内に一部のみが現われている気泡も含むものとする。
(A5)BをAで除し(B/A)、それに100を乗じることにより、B層内における空隙の面積割合を求め、この値でもって空隙率V(体積%)とした。
G.熱伝導率
ポリエステルフィルムにレーザー光吸収用スプレー(ファインケミカルジャパン(株)製ブラックガードスプレーFC−153)を塗布し乾燥させた後、10mm角の正方形サンプルを切り出し、XeフラッシュアナライザーであるNETZSCH製LFA447Nanoflashを用い、測定温度25℃でフィルム厚み方向の熱拡散率α(m/s)を測定した。なお、測定は4回実施し、その平均値で以て熱拡散率とした、下記式(2)にて熱伝導率を求めた。
熱伝導率(W/mK)=α(m/s)×比熱(J/kg・K)×密度(Kg/m) (2)
なお、比熱は、ポリエステルフィルムを用いて、JIS K 7123(1987年版)に基づいて求められた値を用いた。また、密度は、フィルムを30mm×40mmの大きさに切取った試料を用いて、電子比重計(ミラージュ貿易(株)製SD−120L)を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて密度の測定を3回行い、得られた平均値を用いた。
H.耐熱性
方向a、方向bそれぞれについて平行方向にサンプルを1cm×20cmの大きさに切り出し、その短冊状サンプルを150℃の熱風オーブン中にて30分間熱処理し、冷却後、上記C項の手順に従って、破断伸度を求めた。得られた破断伸度の値とC項で得られた破断伸度(熱処理前の破断伸度)を用いて以下の式(3)により伸度保持率を計算した。
伸度保持率(%)=熱処理前の破断伸度/熱処理後の破断伸度×100 (3)
得られた伸度保持率を用いて以下の通り判定した。Aが実用範囲である。
A:伸度保持率が80%以上
B:伸度保持率50%以上80%未満
C:伸度保持率が50%未満。
AまたはBの場合、耐熱性が良好であり、Aの場合が最も優れている。
I.寸法安定性
ポリエステルフィルムを幅1cm、長さ15cmの短冊状に切りだし、長さ方向の両端からそれぞれ2.5cm内側に幅方向と平行な線を引き、2本の平行線間の距離L0を正確に測定した。次いでその短冊状サンプルを150℃の熱風オーブン中にて30分間熱処理し、冷却後、2本の平行線間の距離L1を正確に測定した。処理前の寸法と処理後の寸法から下記式(4)にて熱収縮率(%)を求めた。
熱収縮率(%)=(L0−L1)/L0×100 (4)
なお、測定は短冊の長さ方向が方向aに平行な場合、方向b方向に平行な場合、それぞれについて各10サンプル測定を実施し、それぞれの平均値でもって方向aの熱収縮率、方向bの熱収縮率とした。
得られた方向a、方向bの熱収縮率の平均でもって、本フィルムの熱収縮率とし、以下のように判定した。熱収縮率が
1%以下の場合:S
1%を越えて2%以下の場合:A
3%を越えて3%以下の場合:B
3%を越える場合:C
とした。SまたはAまたはBの場合、寸法安定性が良好であり、Sが最も優れている。
J.積層性
ポリエステルフィルムの外観を目視で観察し、以下の通り判定した。
A:フローマークが確認されない
B:ごく僅かにフローマークが確認される
C:明確なフローマークが確認される。
AまたはBの場合、積層性が良好であり、Aの場合が最も優れている。
K.層間密着性
ポリエステルフィルムの表面をJIS−K5600−5−6(1999年版)に従い、クロスカット試験を実施し、試験後にフィルムに残る以下の通り判定した。試験は10回実施し、その平均値を用いて判定した。
A:残存数が70個/100個以上である
B:残存数が30個/100個以上、70個/100個未満残る
C:残存数が30個/100個未満
AまたはBの場合、層間密着性が良好であり、Aの場合が最も優れている。
L.表面比抵抗
フィルムの表面比抵抗はデジタル超高抵抗微小電流計R8340(株)アドバンテスト製((株)アドバンテスト製)で測定を実施した。測定はフィルムの両面各面において、面内において任意の10カ所で測定を実施し、その平均値をそれぞれ求めた。得られた平均値が低い方の値でもって表面比抵抗とした。また、測定試料は23℃、65%Rhの室内で一晩放置したものを用いて測定を実施した。得られた値を用いて以下の通り判定した。Aが実用範囲である。
A:表面比抵抗が1013Ω/□以上
C:表面比抵抗が1013Ω/□未満。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(原料)
・結晶性ポリエステル:
PET−1:酸成分としてテレフタル酸ジメチルを、ジオール成分としてエチレングリコールを用い、酸化ゲルマニウム(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してゲルマニウム原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、固有粘度0.54ポリエチレンテレフタレートペレットを得た。得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させたのち、220℃、真空度0.3Torr、8時間の固相重合を行い、固有粘度0.80のポリエチレンテレフタレートを得た。なおこの樹脂のガラス転移温度TgAは83℃、融点TmA255℃、結晶融解熱量はΔHmA35J/gであった。
熱可塑性エラストマー:
(A1)
ポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン製、商品名“ハイトレル”G3548LN;ポリブチレンテレフタレート系樹脂とポリテトラメチレングリコール系樹脂のブロック共重合体、融点TmBが154℃)。
(A2)
ポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン製、商品名“ハイトレル”4767N;ポリブチレンテレフタレート系樹脂とポリテトラメチレングリコール系樹脂のブロック共重合体、融点TmBが208℃)。
(A3)
ポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン製、商品名“ハイトレル”6347;ポリブチレンテレフタレート系樹脂とポリテトラメチレングリコール系樹脂のブロック共重合体、融点TmBが215℃)。
(A4)
ポリオレフィン系エラストマー(ダウ・ケミカル製、商品名“エンゲージ”8411;ポリエチレンと1−オクテンのランダム共重合体、融点TmBが76℃)
(A5)
ポリアミド系エラストマー(Arkema製、商品名“PEBAX”5533SP01;ポリアミド12とポリテトラメチレングリコール系樹脂のブロック共重合体、融点TmBが159℃)
・粒子
タルク:GH−7(林化成(株)製)を使用した。長径5.8μm、アスペクト比10の板状粒子である。
(参考例1−1)
熱可塑性エラストマーとしてA1を50質量部、およびタルク50質量部を温度265℃に加熱されたニーディングパドル混練部を1箇所設けた同方向回転タイプのベント式二軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に、供給し、溶融混練後、ストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてタルクを50重量%含有するマスターペレット(MB−1)を作製した。
(実施例1−1)
2台の単軸押出機を備えた製膜装置を用い、180℃の温度で3時間真空乾燥した結晶性ポリエステルPET−1を第一の押出機に投入して280℃で溶融させた。また120℃で6時間真空乾燥したポリエステル系エラストマーA1を第二の押出機に投入して、240℃で溶融させた。次いで、結晶性ポリエステルAと熱可塑性樹脂Bを、それぞれギアポンプにて計量しながら、スリット数51個の積層装置にて合流させて、Tダイ口金に導入した。次いで、Tダイ口金内より、シート状に押出した積層体を、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて、厚み方向に交互に51層積層された積層構造を有するキャスティングシートを得た。なお、積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。ここでは、スリットの長さおよび間隔は全て一定とした。得られた積層体は、A層が25層、B層が26層であり、厚み方向に交互に積層された積層構造を有しており、両表層はB層からなる。
続いて、該キャスティングシートを85℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、87℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に2.5倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に2.5倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーン1で220℃の温度で20秒間の熱処理を施し、さらに熱処理ゾーン2で150℃の熱処理を行い、熱処理ゾーン3で100℃の温度で熱処理を行った。なお、熱処理に際し、熱処理ゾーン1−熱処理ゾーン2間で4%の弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ50μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られたフィルムの特性を評価した結果を表1−1に示す。積層性、平面性、制振性、耐熱性、寸法安定性に優れたフィルムであることが分かった。
(実施例1−2〜1−23)
A層、B層の押出機に投入する原料、および積層数、層厚み比、延伸条件を表1−1、表1−2の通りとした以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表1に示す。積層性、平面性、制振性、耐熱性、寸法安定性優れたフィルムであることが分かった。
特に、実施例1−10〜1−13,1−17〜1−23では実施例2−1に比べてより高い制振性を有するフィルムであった。
(実施例2−1〜23)
両表層はA層からなる構成とし、積層数、層厚み比、延伸条件を表1−1、表1−2の通りとした以外は実施例1−1と同様に実施例1と同様に厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムの特性を評価した結果を表2に示す。積層性、平面性、制振性、耐熱性、寸法安定性優れたフィルムであることが分かった。
特に、実施例2−10〜2−13,2−17〜2−20では実施例2−1に比べてより高い制振性を有するフィルムであった。
(比較例1)
B層を形成しない(A層のみ)とした以外は表1−3の通りとして実施例1−1と同様に厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表1に示す。実施例と比べて制振性が劣るものであった。
(比較例2〜6)
A層を形成しない(B層のみ)とした以外は表1−3の通りとして実施例1−1と同様に厚さ50μmのキャストティングシートを得た。得られたシートの特性を評価した結果を表1に示す。実施例と比べて寸法安定性に劣るものであった。
Figure 2017043768
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Figure 2017043768
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本発明のポリエステルフィルムは、耐熱性や寸法安定性に優れ、シリコンの汚染の懸念のない、かつ制振性に優れるポリエステルフィルムを提供する事ができる。かかるポリエステルフィルムは、銅貼り積層板、太陽電池用バックシート、粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチ、面状発熱体、もしくはフラットケーブルなどの電気絶縁材料、コンデンサ用材料、筐体材料、自動車用材料、建築材料をはじめとした制振性と耐熱性が重視されるような用途に好適に使用することができる。特には本発明のポリエステルフィルムは、ガラス、金属、繊維強化プラスチックからなる群からなるシート材料と一体化されて用いられる事も好ましく行われる。かかるポリエステルフィルムを用いることで、より静粛な電子機器、自動車を提供することができる。

Claims (12)

  1. フィルム面内でヤング率が最も小さい方向(方向b)のフィルムのヤング率をEb(GPa)としたとき、Ebが0.5GPa以上であり、25℃10Hzでの方向bの損失正接をtanδbとしたとき、tanδbが0.03以上であるポリエステルフィルム。
  2. 方向bとはフィルム面内で垂直方向(方向a)のフィルムのヤング率をEa(GPa)としたときに、EaとEbの比Ea/Ebが1/1〜3/1である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 25℃10Hzでの、方向bとはフィルム面内で垂直方向(方向a)の損失正接をtanδaとしたとき、tanδaとtanδbの比tanδa/tanδbが1/3〜3/1である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 少なくとも2層を有するポリエステルフィルムであって、結晶性ポリエステルを主たる成分とする層(A層)と、熱可塑性エラストマーを主たる成分とする層(B層)を含む請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. 前記A層の厚みの和TA(μm)と前記B層の厚みの和TB(μm)したときの比TB/T2が1/4〜15/1である請求項4に記載のポリエステルフィルム。
  6. A層を構成する樹脂組成物の融点TmAが230℃以上280℃以下であり、B層を構成する樹脂組成物の融点TmBが140℃以上240℃以下である請求項4または5に記載のポリエステルフィルム。
  7. A層とB層が交互に合計9層以上積層されてなる請求項4〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  8. B層が少なくとも片側表層にある請求項4〜7のいずれかに記載ポリエステルフィルム。
  9. A層が少なくとも片側表層にある請求項4〜7のいずれかに記載ポリエステルフィルム。
  10. B層中の該熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーである請求項4〜9のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  11. B層が充填材を含み、その充填材の含有率がB層を構成する樹脂組成物全体に対して1〜50重量%である請求項4〜10のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のポリエステルフィルムと、ガラス、金属、繊維強化プラスチックからなる群からなるシート材料と一体化されてなる積層シート。
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