JP2020147777A - 海綿鉄及び還元鉄粉の製造方法 - Google Patents

海綿鉄及び還元鉄粉の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 初期反応性が高く、酸素と接触した際に速やかに発熱または酸素を吸収させることができ、且つ、保湿性の高い発熱性組成物及び酸素吸収組成物に適した還元鉄粉の製造方法及びその素材となる海綿鉄の製造方法を提供する。【解決手段】 本発明に係る海綿鉄の製造方法は、酸化鉄を、固体還元剤とともに加熱して、前記酸化鉄を還元して海綿鉄とする海綿鉄の製造方法において、前記酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石を使用する。また、本発明に係る還元鉄粉の製造方法は、上記のようにして製造された海綿鉄を還元して還元鉄粉を製造する。【選択図】 図3

Description

本発明は、海綿鉄及び還元鉄粉の製造方法に関し、詳しくは、カイロ、脱酸素材などの化学反応用鉄粉として良好な、見掛け密度が低い海綿鉄の製造方法及び還元鉄粉の製造方法に関する。
従来、化学反応用または粉末冶金用鉄粉として用いられる海綿鉄は、例えば図1に示すように、サガーと呼ばれる耐熱容器1に、酸化鉄2を固体還元剤3に挟まれるように円筒状に充填し、その耐熱容器1をトンネル炉内で加熱することにより、酸化鉄2を還元して製造されていた。この海綿鉄はFe分(鉄分)が概ね85〜97質量%であり、粉砕されて90メッシュ未満の粗い還元鉄粉とされ、その状態の鉄粉として化学反応用鉄粉とされる。粉末冶金用鉄粉は、更に、水素で代表される非酸化性雰囲気中で還元されて、最終的にFe分が99.5質量%以上の高純度の還元鉄粉とされる。上記に説明した海綿鉄及び還元鉄粉の製造工程を図2に示す。
一般に、酸化鉄としては、ヘマタイト鉄鉱石、マグネタイト鉄鉱石、ミルスケールが使用され、また、固体還元剤としては、コークスなどの炭素質物質と石灰石との混合物が使用されている。海綿鉄を粉砕し更に還元して得られる還元鉄粉は、粒子形状が不規則形状で多孔質であり、成形性や焼結性に優れており、粉末冶金用原料として、アトマイズ鉄粉とともに使用されている。
また、還元鉄粉は、空孔が多く、アトマイズ鉄粉に比べると比表面積が大きく、酸素との反応性が高いことから、カイロや脱酸素材などのような化学反応用鉄粉としても広く使用されている。
例えば、還元鉄粉、反応促進剤、水などを成分とし、空気中の酸素と接触して発熱する発熱性組成物を、通気性を有する袋(内袋)に収納し、更にこの内袋を非通気性の包材からなる袋(外袋)に収容した発熱体が、使い捨てカイロなどとして広く利用されている。使用時に外袋が開封されると、内袋内に空気が通気し、発熱性組成物が酸素と接触して発熱する。このような発熱性組成物に対しては、使用の態様を考慮すると、酸素と接触したときの速やかな昇温性能が求められる。
また、還元鉄粉の酸化反応を利用した他の製品として、脱酸素剤が知られている。脱酸素剤は、発熱性組成物と同様の組成を有する酸素吸収組成物を、通気性を有する包材内に充填したものである。脱酸素剤は、食品などを無酸素雰囲気下で保存する際に用いられるもので、非通気性の包装容器(包装袋含む)内に食品などとともに封入されて使用される。そして、還元鉄粉が包装容器内の酸素と反応することにより、包装容器内を無酸素雰囲気にすることができる。
反応性の高い活性鉄粉を製造する方法として、例えば特許文献1には、鉄粉と活性炭とを混合した活性鉄基混合物であって、活性炭として3〜80質量%の水分を含む活性炭を、鉄粉100重量部に対し2〜20重量部混合することにより、発熱の立ち上がり特性、発熱の持続性に優れたカイロ発熱材用活性鉄基混合物鉄粉が得られると記載されている。
特許文献2には、脱酸素剤用還元鉄粉を、比表面積が1.0m/g以上、見掛け密度が1.0g/cm以下、平均粒径が9.0μm以下とすることにより、酸化速度が非常に高く、しかも還元装置の壁面などへの付着がなく、優れた生産性で、廉価に得られると記載されている。
特許文献3には、鉄粉表面を、導電性グラファイト、カーボンブラック、黒鉛及び活性炭からなる群から選択される0.3〜3.0重量%の導電性炭素質物質で部分的に被覆することにより、脱酸素剤の原料として好適であり、且つ経済性に優れた活性鉄粉が得られると記載されている。
特許文献4には、表面に塩化鉄からなる被覆層が生成している鉄粉において、被覆層が0.1〜2重量%の塩素(Cl)を含有することにより、顕著に改善された脱酸素性能が得られると記載されている。
また、特許文献5には、25℃における発熱性組成物及び酸素吸収組成物の水分活性(Aw)を0.79以上0.99以下とすることにより、発熱性組成物及び酸素吸収組成物の初期反応性を高め、酸素と接触した際に速やかに発熱させ、または酸素を吸収させることができると記載されている。
特開2001−254101号公報 特開2002−292276号公報 特開2003−117385号公報 特開2005−270974号公報 特開2013−147556号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。
即ち、上記特許文献に記載されるような、反応性の高い活性鉄粉を用いた発熱性組成物であっても、その組成によっては、開封直後に迅速に発熱させることができない場合があった。同様に、このような活性鉄粉を用いた酸素吸収組成物であっても、その組成によっては、迅速に酸素を吸収させることができない場合があった。また、脱酸素剤にあっては、保湿性に乏しく、食品などの水分が奪われる場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、初期反応性が高く、酸素と接触した際に速やかに発熱または酸素を吸収させることができ、且つ、保湿性の高い発熱性組成物及び酸素吸収組成物に適した海綿鉄の製造方法、及び、この海綿鉄を素材とする還元鉄粉の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するためには、見掛け密度の低い海綿鉄を生成することが肝要であると考え、海綿鉄内部に空孔を多く生成させるのが良いことに想到した。そして、係る考えのもとに、更に鋭意研究した結果、本発明者らは、生成した海綿鉄の内部に空孔を多く生成させるためには、原料である鉄鉱石に着目し、結晶水(化合水)の含有量が多く、加熱後に多くの空孔が生成する鉄鉱石を使用し、還元して海綿鉄とすることが有効であることを見出した。
本発明は、上記知見に基づき、更に検討を加えてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]酸化鉄を、固体還元剤とともに加熱して、前記酸化鉄を還元して海綿鉄とする海綿鉄の製造方法において、前記酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石を使用することを特徴とする、海綿鉄の製造方法。
[2]前記酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石とミルスケールとの混合物を使用することを特徴とする、上記[1]に記載の海綿鉄の製造方法。
[3]前記酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石とヘマタイト鉄鉱石との混合物を使用することを特徴とする、上記[1]に記載の海綿鉄の製造方法。
[4]前記高結晶水含有鉄鉱石は、その強熱減量が3質量%以上15質量%以下であることを特徴とする、上記[1]から上記[3]のいずれかに記載の海綿鉄の製造方法。
[5]上記[1]から上記[4]のいずれかに記載の海綿鉄の製造方法で製造された海綿鉄を還元して還元鉄粉を製造することを特徴とする、還元鉄粉の製造方法。
[6]前記還元鉄粉の見掛け密度が1.80Mg/m以下であることを特徴とする、上記[5]に記載の還元鉄粉の製造方法。
[7]上記[5]に記載の還元鉄粉の製造方法で製造された還元鉄粉を、更に還元して還元鉄粉を製造することを特徴とする、還元鉄粉の製造方法。
[8]前記更に還元して製造される還元鉄粉の見掛け密度が1.80Mg/m以下であることを特徴とする、上記[7]に記載の還元鉄粉の製造方法。
本発明によれば、高結晶水含有鉄鉱石を固体還元剤とともに加熱して還元し、還元によって得られた海綿鉄塊を粉砕して海綿鉄を製造し、また、この海綿鉄を還元して還元鉄粉を製造するので、見掛け密度が低い海綿鉄及び還元鉄粉を容易に製造することができる。製造される海綿鉄及び還元鉄粉は、見掛け密度が低く、比表面積が大きいことから、反応速度が増大し、これにより、初期反応性が高く、酸素と接触した際に速やかに発熱または酸素を吸収させることができ、且つ、保湿性の高い発熱性組成物及び酸素吸収組成物に適した海綿鉄及び還元鉄粉を得ることができる。
円筒状の耐熱容器へ酸化鉄と固体還元剤とを層状に充填する充填方法の一例を示す概略図である。 海綿鉄及び還元鉄粉の製造工程の一例を示すフロー図である。 本発明に係る海綿鉄及び還元鉄粉の製造方法で採用した海綿鉄及び還元鉄粉の製造工程の一例を示すフロー図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明では、保湿性の高い発熱性組成物及び酸素吸収組成物に適した海綿鉄を、高結晶水含有鉄鉱石を含有する酸化鉄の固体還元剤による還元によって製造し、また、この海綿鉄を更に還元することで、保湿性の高い発熱性組成物及び酸素吸収組成物に適した還元鉄粉を製造する。図3に、本発明に係る海綿鉄及び還元鉄粉の製造方法で採用した海綿鉄及び還元鉄粉の製造工程の一例のフロー図を示す。
本発明では、耐熱容器に、酸化鉄と固体還元剤とを充填する(S−1)。例えば、図1に示すように、円筒状のサガーと呼ばれるSiC製の耐熱容器1に、固体還元剤3の層に挟まれるように酸化鉄2を充填することが好ましい。
本発明では、酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石を用いる。高結晶水含有鉄鉱石は、豪州のマラマンバ鉄鉱床などから産出する鉄鉱石であり、ゲーサイト(α?FeOOH)とマータイト(マグネタイト形状を有するα?Fe)とを主要鉄鉱物としており、ウェストアンジェラス鉱が、その代表的な鉄鉱石である。
本発明で使用する高結晶水含有鉄鉱石は、その強熱減量が3質量%以上15質量%以下であることが好ましい。高結晶水含有鉄鉱石の強熱減量が3質量%未満では、結晶水(化合水)の含有量が少なく、加熱後に生成する海綿鉄内部の空孔が少なく、目的とする、初期反応性が高く、酸素と接触した際に速やかに発熱または酸素を吸収させることができ、且つ、保湿性の高い海綿鉄及び還元鉄粉を得ることが困難である。一方、高結晶水含有鉄鉱石の強熱減量が15質量%を超えると、海綿鉄の気孔率が大きくなりすぎ、還元後に海綿鉄塊を安定して得ることが困難であるうえに、1回の還元処理で製造される海綿鉄の量が少なく、生産性が低下する。
尚、本発明でいう粉末の「強熱減量」とは、JIS A 1226に基づく方法で測定される数値(質量%)である。鉄鉱石中の結晶水(化合水)はカールフィッシャー滴定法(JIS M 8211)で測定されるが、鉄鉱石中の結晶水(化合水)が10質量%以内では、強熱減量は結晶水(化合水)と1質量%以内の範囲で一致した。
また、使用する高結晶水含有鉄鉱石は、平均粒径を30μm〜1mmとすることが好ましい。高結晶水含有鉄鉱石の平均粒径が1mmを超えると、海綿鉄を粉砕する過程で著しく生産性が低下する。一方、高結晶水含有鉄鉱石の平均粒径が細かいほど海綿鉄の生産性は向上するが、平均粒径が30μm未満では、鉄鉱石の粉砕コストが嵩み実際的ではない。更に、平均粒径を45〜500μmとすれば更に好ましい。本発明でいう「平均粒径」とは、JIS Z 2510に基づく方法で測定される、質量での累積頻度50%の粒径を意味するものとする。
鉄鉱石として高結晶水含有鉄鉱石を使用することにより、当該鉄鉱石の還元によって生成する海綿鉄のみならず、最終製品である還元鉄粉の見掛け密度が低くなる。この機構は以下のように考えられる。
高結晶水含有鉄鉱石に含まれるゲーサイトは、400℃程度以上の温度で水(HO)と酸化鉄(Fe)とに分解する。結晶水の抜けた部分は空孔となり、この空孔は鉄鉱石の内部に残留する。これに対して、ヘマタイト鉄鉱石を加熱した際に生成する空孔は極めて少ない。その結果、加熱後の高結晶水含有鉄鉱石の見掛け密度は、ヘマタイト鉄鉱石に比べて各段に低くなる。
つまり、鉄鉱石起因の還元鉄同士の焼結の結果生じる海綿鉄中の空孔に加えて、高結晶水含有鉄鉱石自体が有した空孔が、その後の粉砕工程、還元工程、粉砕工程を経て還元鉄粉となった後も、空孔として残存するために、見掛け密度が低下するものと推察される。
本発明では、酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石を単独で使用できるが、それ以外に、高結晶水含有鉄鉱石とミルスケールとの混合物を用いてもよく、また、マラマンバ鉄鉱石(高結晶水含有鉄鉱石)とヘマタイト鉄鉱石との混合物を用いてもよい。
固体還元剤は、石灰石(CaCO)と炭素質物質(C)との混合物を使用することが好ましい。石灰石は平均粒径が小さいほど短時間で分解し、COガスの発生量を高めることになり、ブードア反応(C+CO→2CO)を促進させることで、還元反応の促進に有利となる。尚、石灰石の混合量は、固体還元剤の合計量(石灰石と炭素質物質との合計量)に対して、5〜30質量%とすることが好ましい。
炭素質物質は、コークス、石炭または無煙炭を用いるのが好ましい。これらの混合物を使用しても何ら問題はない。尚、炭素質物質の平均粒径が小さいほど還元反応が促進される。このため、使用する炭素質物質の平均粒径は、10mm以下とすることが好ましい。また、炭素質物質の混合量は、固体還元剤の合計量に対し、70〜95質量%とすることが好ましい。
高結晶水含有鉄鉱石を含む酸化鉄2と固体還元剤3とを充填した耐熱容器1を、トンネル炉などの加熱炉に装入し、加熱する(S−2)。その際、加熱温度は、1000〜1300℃とすることが好ましい。加熱により還元反応が進行し、酸化鉄2が固体還元剤3によって還元されて海綿鉄が生成する。
加熱温度が1000℃未満では、酸化鉄の還元が十分に進まず、生成する海綿鉄の純度が低下する。一方、加熱温度が1300℃を超えると、還元と同時に進行する海綿鉄の焼結が過度に進む。その結果、海綿鉄の粉砕が困難になり、粉砕での電力消費の増加や粉砕工具の過剰な損耗によって製造コストが増加する。また、加熱温度は、1050〜1200℃がより好ましい。
加熱後、常温まで冷却し、海綿鉄塊と残留した固体還元剤とを取り出し、海綿鉄塊と固体還元剤とを分離して海綿鉄塊を回収する(S−3)。回収された海綿鉄塊は、粉砕され、90メッシュ未満に篩分けされ、粉状の海綿鉄が製造とされる(S−5)。得られた海綿鉄は、主に化学反応用として使用することができる。
得られた海綿鉄を、還元性雰囲気の仕上げ還元炉などで更に還元し(S−6)、還元後、粉砕して篩分けし(S−7)、還元鉄粉を製造する(S−8)。この還元鉄粉は、純度が高く、化学反応用鉄粉のみならず、粉末冶金用鉄粉にも用いることができる。
また更に、S−8で得られた還元鉄粉を、還元性雰囲気の仕上げ還元炉などで更に還元し(S−9)、還元後、粉砕して篩分けし(S−10)、高純度の還元鉄粉を製造する(S−11)。この還元鉄粉は、更に純度が高く、化学反応用鉄粉のみならず、粉末冶金用鉄粉にも用いることができる。
本発明に係る海綿鉄及び還元鉄粉の製造方法によれば、見掛け密度が低い海綿鉄及び還元鉄粉を容易に得ることができる。見掛け密度が低い海綿鉄及び還元鉄粉は、焼結したときに空孔の多い焼結状態となり、化学反応用鉄粉として用いた場合、比表面積が大きくなるので反応速度が大きくなり、化学反応工程の効率が向上する。
また、本発明によって製造される還元鉄粉は、高結晶水含有鉄鉱石を、固体還元剤とともに加熱して還元し、還元によって得られた海綿鉄塊を粉砕して製造するので、見掛け密度が低く、化学反応用鉄粉として好適な、1.80Mg/m以下の見掛け密度を達成することができる。
更に、鉄粉原料の酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石だけでなく、安価な、ヘマタイト鉄鉱石などの鉄鉱石やミルスケールを、高結晶水含有鉄鉱石に混合するという前提で、使用することができるので、鉄粉原料である酸化鉄のコストが軽減され、保湿性の高い発熱性組成物及び酸素吸収組成物に適した海綿鉄及び還元鉄粉を安価に製造することができる。尚、鉄鉱石を使用する場合には、鉄鉱石の脈石成分であるSiO含有量及びAl含有量を勘案して鉄鉱石を酸化鉄原料に配合することにより、本発明の海綿鉄及び還元鉄粉を製造することができる。
海綿鉄を製造する主原料である酸化鉄として使用した、高結晶水含有鉄鉱石、ヘマタイト鉄鉱石及びミルスケールの組成及び平均粒径を表1に示す。
Figure 2020147777
また、表2に、海綿鉄製造用の酸化鉄(主原料)の混合割合及び強熱減量、並びに、固体還元剤(副原料)の石灰石と炭素質物質との混合割合をそれぞれ示す。
Figure 2020147777
上記した組成の鉄鉱石及びミルスケールを、表2に示す混合割合で混合し、海綿鉄製造用の酸化鉄(主原料)とした。高結晶水含有鉄鉱石としては、製鉄原料として入手が容易なウェストアンジェラス鉱を乾燥し、その後、粉砕した粉末(結晶水;6.0質量%)を使用した。また、使用したヘマタイト鉄鉱石は、乾燥後に粉砕した粉末(結晶水;1.4質量%)であり、試料番号2、8、9では、酸化鉄(主原料)として、鋼片の熱間圧延工程で発生したスケールを乾燥した後に粉砕したミルスケール(粉末、結晶水;0.2質量%)を使用した。
石灰石は平均粒径80μmとした。炭素質物質は平均粒径が85μmのコークスを使用した。固体還元剤は表2に示す混合割合となるように秤量し、予め均一に混合した。
主原料の酸化鉄250kgと、副原料の固体還元剤190kgとを、直径400mm、高さ1800mmの円筒状サガー(SiC製耐熱容器)に、図1に示すように、副原料の固体還元層が主原料の酸化鉄層を挟むように充填した。
次いで、耐熱容器(サガー)の上面に蓋(SiC製)を置き、加熱炉において、表2に示す加熱温度(1050〜1150℃)まで昇温した。尚、昇温時間は20時間とし、保持時間は44時間とし、44時間保持した後に冷却した。冷却後、得られた海綿鉄塊を90メッシュ未満まで粉砕して海綿鉄を製造した。更に、得られた海綿鉄を、露点40℃の水素雰囲気中、900℃で1時間の還元を施し、更に粉砕して還元鉄粉を製造した。
得られた還元鉄粉について、化学分析により、SiO含有量(JIS G 1212:付属書1)、Al含有量(JIS G 1224に基づく測定結果より算出)及び酸素含有量(JIS Z 2613)を測定した。また、日本粉末冶金工業会規格のJPMA P06-1992に準拠して、還元鉄粉の見掛け密度を測定した。これらの結果を表2に併せて示す。
還元鉄粉の見掛け密度は、高結晶水含有鉄鉱石を使用しない試料番号1及び試料番号2(比較例)では、2.0Mg/m以上であるのに対し、高結晶水含有鉄鉱石を使用した試料番号3〜9(本発明例)では、最も見掛け密度の大きい試料番号6で、1.75Mg/mであり、その他の試料番号では1.58Mg/m以下であった。
また、還元鉄粉の重要な指標である酸素量は比較例と本発明例とで同レベルであった。一方、還元鉄粉のSiO含有量及びAl含有量は、比較例に比べて本発明例が著しく高い値であるが、用途によっては許容されるレベルであり、これらは微細で真密度が低いことから、ハンドリング過程または適宜操作を加えることにより低減できると考えられる。
1 耐熱容器
2 酸化鉄
3 固体還元剤

Claims (8)

  1. 酸化鉄を、固体還元剤とともに加熱して、前記酸化鉄を還元して海綿鉄とする海綿鉄の製造方法において、前記酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石を使用することを特徴とする、海綿鉄の製造方法。
  2. 前記酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石とミルスケールとの混合物を使用することを特徴とする、請求項1に記載の海綿鉄の製造方法。
  3. 前記酸化鉄として、高結晶水含有鉄鉱石とヘマタイト鉄鉱石との混合物を使用することを特徴とする、請求項1に記載の海綿鉄の製造方法。
  4. 前記高結晶水含有鉄鉱石は、その強熱減量が3質量%以上15質量%以下であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の海綿鉄の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の海綿鉄の製造方法で製造された海綿鉄を還元して還元鉄粉を製造することを特徴とする、還元鉄粉の製造方法。
  6. 前記還元鉄粉の見掛け密度が1.80Mg/m以下であることを特徴とする、請求項5に記載の還元鉄粉の製造方法。
  7. 請求項5に記載の還元鉄粉の製造方法で製造された還元鉄粉を、更に還元して還元鉄粉を製造することを特徴とする、還元鉄粉の製造方法。
  8. 前記更に還元して製造される還元鉄粉の見掛け密度が1.80Mg/m以下であることを特徴とする、請求項7に記載の還元鉄粉の製造方法。
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