JP2003089812A - 海綿鉄の製造方法、および還元鉄粉とその製造方法 - Google Patents

海綿鉄の製造方法、および還元鉄粉とその製造方法

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秋夫 園部
Satoshi Uenosono
聡 上ノ薗
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裕 杉原
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 鉄鉱石から製造する還元鉄粉より見掛け密
度の低い還元鉄粉が得られる海綿鉄の製造方法および還
元鉄粉の製造方法を提案する。 【解決手段】 酸化鉄を固体還元剤とともに加熱して、
酸化鉄を還元して海綿鉄とする海綿鉄の製造方法におい
て、酸化鉄をヘマタイト粉末と鉄鉱石粉末との混合粉と
し、ヘマタイト粉末を 2.0m2 /g以上の比表面積を有
する粉末とし、かつヘマタイト粉末の混合量を、酸化鉄
の全量に対し5〜45質量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海綿鉄,および還
元鉄粉とその製造に係り、特に粉末冶金やカイロ等の化
学反応用鉄粉として好適な低見掛け密度を有する還元鉄
粉とその製造方法、および還元鉄粉の素材となる海綿鉄
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化学反応用ないし粉末冶金用鉄粉
として用いられる海綿鉄は、例えば図1に示すように、
サガーと呼ばれる耐熱容器内に円筒状を呈するように、
酸化鉄を固体還元剤に挟まれるように充填し、 その耐熱
容器をトンネル炉を使って加熱することにより、酸化鉄
を還元して製造されていた。この海綿鉄はFe分が90〜97
質量%であり、粉砕されて90メッシュ以下の粗い還元鉄
粉とされ、その状態の鉄粉として化学反応用鉄粉とされ
る。粉末冶金用鉄粉は、さらに水素で代表される非酸化
性雰囲気中で還元されて、最終的にFe分が99.5質量%以
上の高純度の還元鉄粉とされる。一般に、酸化鉄として
は鉄鉱石,ミルスケールが使用され、また固体還元剤と
してはコークス等の炭素質粉と石灰粉との混合物が使用
されている。海綿鉄および還元鉄粉の製造工程を図2に
示す。
【0003】一般に、海綿鉄を粉砕あるいはさらに還元
して得られる還元鉄粉は、粒子形状が不規則形状で多孔
質であり、成形性や焼結性に優れ、 粉末冶金用原料とし
てアトマイズ鉄粉とともに使用されている。また、還元
鉄粉は空孔が多く、 またアトマイズ鉄粉に比べると比表
面積が大きく、酸素との反応性が高く、 カイロや脱酸素
材などのような化学反応用鉄粉としても広く使用でき
る。
【0004】一方、 ミルスケールを還元して得られる海
面鉄を、粉砕し、さらに還元して得られる還元鉄粉は、
一般に純度が高いが、見掛け密度が2.40〜2.80Mg/m3
と比較的高く、 成形性が低いという問題があった。ま
た、鉄鉱石を還元して得られる海綿鉄を、粉砕し、さら
に還元して得られる還元鉄粉は、見掛け密度が1.70〜2.
50Mg/m3 と低く、 含油軸受用鉄粉として使用されてい
るが、圧縮性が低いという問題がある。また、鉄鉱石
は、酸化鉄の純度が低く、 SiO2 , Al23 等の脈石成
分がおのおの1〜2質量%, 0.2〜1質量%程度含有す
ることが多く、 このSiO2 , Al23 等が介在物として
還元鉄粉中に残存し、軸受の性能低下を招くという懸念
もあった。
【0005】このような問題に対し、 例えば特開昭53-2
6710号公報には、ミルスケール粉に5〜40質量%の鉄鉱
石を混合した原料を粗還元して海綿鉄となし、さらにそ
の海綿鉄を粉砕し、不純物を除去した後、 仕上げ還元
し、粉砕して見掛け密度 2.0〜2.6 Mg/m3 とする成形
性および圧縮性に優れた粉末冶金用還元鉄粉の製造方法
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
53-26710号公報に記載された技術で製造された還元鉄粉
は、見掛け密度は確かに低くなるが、 鉄鉱石を使用して
おり、依然として純度が低く、 還元鉄粉中に介在物が残
存するという懸念が残されていた。本発明は、上記した
従来技術の問題を有利に解決し、鉄鉱石から製造する鉄
粉より純度が高く見掛け密度の低い還元鉄粉が得られる
海綿鉄の製造方法,および還元鉄粉とその製造方法を提
案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】海綿鉄の生成反応は、次
の (1)〜(3) 式に示される反応からなる。 CaCO3 →CaO+CO2 ・・・ (1) CO2 +C→2CO ・・・ (2) FeO+CO→Fe+CO2 ・・・ (3) まず、加熱により (1)式にしたがい、固体還元剤層内の
石灰粉(CaCO3 )が分解し、CO2 ガスを発生する。
このCO2 ガスは (2)式のブドアール反応により固体還
元剤層内の炭素質粉(C)と反応してCOガスを発生す
る。このCOガスは酸化鉄層内に拡散し、 (3)式の反応
にしたがい酸化鉄(FeO)を還元して海綿鉄(Fe)を生
成する。 このとき同時に発生したCO2 ガスは、酸化鉄
層内から固体還元剤層まで拡散し、再度 (2)式のブドア
ール反応を起こし、 COガスを発生させる。そして、こ
のCOガスは、また酸化鉄層内に拡散し、酸化鉄(Fe
O)を還元して海綿鉄(Fe)を生成する。 この酸化鉄の
還元反応と同時に、生成した海綿鉄の焼結反応が進行す
る。
【0008】本発明者らは、上記した課題を達成するた
めには、まず見掛け密度の低い海綿鉄を生成することが
肝要であると考え、 海綿鉄の生成反応から考えて、生成
した鉄の焼結反応を抑制し、海綿鉄内部に空孔を多く生
成させるのが良いことに想到した。そして、かかる考え
のもとに、さらに鋭意研究した結果、本発明者らは、生
成した海綿鉄の焼結反応を抑制するためには、鉄鉱石粉
末に微細なヘマタイト粉末を混合し、還元して海綿鉄と
することが良いことを見出した。
【0009】本発明は、上記した知見に基づいて、さら
に検討し完成されたものである。すなわち本発明は、酸
化鉄を固体還元剤とともに加熱して、酸化鉄を還元して
海綿鉄とする海綿鉄の製造方法において、酸化鉄をヘマ
タイト粉末と鉄鉱石粉末との混合粉とし、ヘマタイト粉
末を 2.0m2 /g以上の比表面積を有する粉末とし、か
つヘマタイト粉末の混合量を、酸化鉄の全量に対し5〜
45質量%とすることを特徴とする海綿鉄の製造方法であ
る。また本発明では、鉄鉱石粉末が、平均粒径30μm〜
1mmの鉄鉱石粉末であることが好ましい。 また本発明で
は、ヘマタイト粉末が、塩化鉄水溶液を酸化焙焼してな
るヘマタイト粉末であることが好ましい。
【0010】また本発明は、上記したいずれかの製造方
法で製造された海綿鉄を、粉砕して還元鉄粉とすること
を特徴とする還元鉄粉の製造方法である。また本発明
は、 前記還元鉄粉を還元性雰囲気でさらに還元する還元
鉄粉の製造方法である。また本発明は、酸化鉄を、固体
還元剤とともに加熱して、酸化鉄を還元して海綿鉄を粉
砕して製造する還元鉄粉であって、見掛け密度が2.00Mg
/m3 以下であり、SiおよびAlのうちの1種または2種
の元素を含有する酸化物または複合酸化物の含有量が
0.2質量%以上であることを特徴とする還元鉄粉であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の海綿鉄の製造方法および
還元鉄粉の製造方法について説明する。本発明では、耐
熱容器に酸化鉄と固体還元剤とを充填する。 例えば、図
1に示すような円筒状のサガーと呼ばれるSiC製の耐熱
容器に、固体還元剤層に挟まれるように酸化鉄層を充填
するのが好ましい。
【0012】本発明では、酸化鉄として、鉄鉱石粉末と
ヘマタイト粉末とを混合した混合粉を用いる。鉄鉱石粉
末としては、マグネタイト質またはヘマタイト質を用い
るのが好ましい。 また、鉄鉱石粉末は、平均粒径30μm
〜1mmの粉末とするのが好ましい。 鉄鉱石粉末の平均粒
径が1mmを超えると、海綿鉄を粉砕する過程で著しく生
産性が低下する。 一方、 鉄鉱石粉末の平均粒径が細かい
ほど海綿鉄の生産性は向上するが、 平均粒径が30μm未
満では、鉄鉱石粉末の粉砕コストがかさみ実際的ではな
い。
【0013】なお、本発明でいう粉末の「平均粒径」
は、ふるい法(日本粉末冶金工業会規格 JPMA P02-199
2)で測定した質量での累積頻度50%の粒径を意味する
ものとする。酸化鉄粉末として、本発明では、上記した
鉄鉱石粉末に加えて、ヘマタイト粉末を用いる。 ヘマタ
イト粉末は、比表面積が2m2 /g以上の微細な微粉末
とする。鉄鉱石粉末に加えて、微細なヘマタイト粉末を
混合することにより、最終製品である還元鉄粉の見掛け
密度が低くなる。 この機構はつぎのように考えられる。
【0014】微細なヘマタイト粉末は、鉄鉱石粉末と鉄
鉱石粉末との間に存在し、鉄鉱石粉末が還元されて生成
される還元鉄(鉄鉱石粉末起因の鉄)同士の焼結の進行
を抑制する。 鉄鉱石粉末とヘマタイト粉末とは、粒子同
士が接触しているため、鉄鉱石粉末起因の還元鉄とヘマ
タイト粉末起因の還元鉄とは容易に焼結する。鉄鉱石粉
末起因の還元鉄同士の焼結が抑制された結果生じる海綿
鉄中の空孔が、その後の粉砕,還元,粉砕工程を経て還
元鉄粉となった後も、空孔として残存するため、見掛け
密度が低下するものと推察される。
【0015】ヘマタイト粉末の比表面積が 2.0m2 /g
未満では、ヘマタイト粉末が粗大となり、鉄鉱石粉末起
因の鉄同士の焼結が有効に抑制されなくなり、還元鉄粉
の見掛け密度の顕著な低下が得られない。また、ヘマタ
イト粉末の比表面積が10m2/gを超えるとハンドリン
グが難しくなるため、好ましくは比表面積が10m2 /g
以下の粉末とするのが好ましい。なお、本発明でいう粉
末の「比表面積」は、吸着ガスとして窒素を用いたBE
T法で測定した値を使用するものとする。
【0016】酸化鉄の一部として混合されるヘマタイト
粉末の量は、酸化鉄の全量に対し、5〜45質量%とす
る。ヘマタイト粉末の混合量が5質量%未満では、最終
的に得られる還元鉄粉の見掛け密度が高くなる。 一方、
ヘマタイト粉末の混合量が45質量%を超えると、還元速
度が遅くなり海綿鉄の生産性が低下する。 このためヘマ
タイト粉末の混合量は、酸化鉄の全量に対し、5〜45質
量%とした。
【0017】本発明で酸化鉄の一部として使用するヘマ
タイト粉末は、前記したヘマタイト質の鉄鉱石とは異な
る。 ヘマタイト粉末は、塩化鉄水溶液を酸化焙焼してな
るヘマタイト粉末とするのが好ましい。 塩化鉄水溶液を
酸化焙焼してなるヘマタイト粉末は市販されており、市
販品をそのまま使用しても何ら問題がない。市販品、例
えば川崎製鉄製酸化鉄KH-DS ,KH-DC 等は、粉末の比表
面積が2〜5m2 /gであり、また介在物として問題と
なるSiO2 の含有量が 300質量ppm 以下, Al23 の含
有量が30質量ppm 以下と非常に低く、 本発明の実施に好
適である。
【0018】なお本発明では、酸化鉄として鉄鉱石粉末
とヘマタイト粉末とに加えて、さらにマグネタイト粉末
を混合した混合粉を用いても良い。一方、 固体還元剤
は、石灰粉(CaCO3 )と炭素質粉(C)との混合物を
使用するのが好ましい。石灰粉は平均粒径が小さいほど
短時間で分解し、 CO2 ガスの発生量を高めることにな
り、 (2)式のブドアール反応を促進させることにもな
り、還元反応の促進に有利となる。 なお石灰粉の混合量
は、 固体還元剤の合計量(石灰粉と炭素質粉との合計
量)に対し、 5〜30質量%とするのが好ましい。
【0019】炭素質粉は、コークス,石炭あるいは無煙
炭を用いるのが好ましい。 これらの混合したものを使用
しても何ら問題はない。なお、炭素質粉の平均粒径が小
さいほど還元反応が促進される。このため炭素質粉の平
均粒径は、10mm以下とするのが好ましい。 また炭素質粉
の混合量は、固体還元剤の合計量(石灰粉と炭素質粉と
の合計量)に対し、 70〜95質量%とするのが好ましい。
【0020】上記したように酸化鉄(鉄鉱石粉末とヘマ
タイト粉末とを混合した混合粉)と固体還元剤を充填さ
れた耐熱容器は、次いでトンネル炉等の加熱炉に装入さ
れ、加熱される。なお加熱温度は、1000℃以上,1300℃
以下とするのが好ましい。 加熱により還元反応が進行
し、 酸化鉄が固体還元剤により還元されて海綿鉄が生成
する。
【0021】加熱温度が1000℃未満では、酸化鉄の還元
が十分進まず、生成する海綿鉄の純度が低下する。 一
方、 1300℃を超えると、還元と同時に進行する海綿鉄の
焼結が過度に進み、 硬くなり、その後の粉砕での電力消
費が増加したり、 粉砕工具の損耗が著しく、製造コスト
が増加する。このため加熱温度は、1000〜1300℃の範囲
とするのが好ましい。 なお、より好ましくは1050〜1200
℃である。
【0022】加熱後、海綿鉄と固体還元剤とを分離して
取り出す。 取り出された海綿鉄は、90メッシュ以下程度
までに粉砕され、還元鉄粉とされる。前記の還元鉄粉
は、 主に化学反応用として使用することができる。さら
に前記の還元鉄粉は、還元性雰囲気の仕上げ還元炉中で
さらに還元され、さらに粉砕されて、還元鉄粉製品とさ
れる。前記の還元鉄粉は粉末冶金に主に用いることがで
きる。
【0023】本発明の製造方法によると、見掛け密度が
低い還元鉄粉を容易に得られる。後述するように、見掛
け密度が低い還元鉄粉は、焼結したときに空孔の多い焼
結状態となり、含油性能の高い焼結部品を得ることがで
きる。また化学反応用の鉄粉として用いた場合、比表面
積が大きくなるので反応速度が大きくなり、 化学反応工
程の効率が上がる。
【0024】本発明の還元鉄粉は、酸化鉄を、固体還元
剤とともに加熱して、 酸化鉄を還元して海綿鉄を粉砕し
て製造する還元鉄粉であって、見掛け密度が2.00Mg/m
3 以下であり、SiおよびAlのうちの1種または2種の元
素を含有する酸化物または複合酸化物の含有量が 0.2質
量%以上であることを特徴とする還元鉄粉である。本発
明の還元鉄粉が、酸化鉄を、固体還元剤とともに加熱し
て製造する還元鉄粉である理由は、 見掛け密度を低くし
て、成形性を高めるためである。
【0025】本発明の還元鉄粉は、SiおよびAlのうちの
1種または2種の元素を含有する酸化物または複合酸化
物の含有量が 0.2質量%以上である必要がある。 酸化物
または複合酸化物の含有量が 0.2質量%以上であると、
見掛け密度を低くすることができる。見掛け密度が2.00
Mg/m3 以下であると、焼結したききに空孔の多い焼結
状態となり、 含油性能の高い焼結部品を得ることができ
る。 また化学反応用の鉄粉として用いた場合、比表面積
が大きくなるので反応速度が大きくなり、 化学反応工程
の効率が上がる。 前記した酸化物または複合酸化物の種
類および含有量を達成するには、SiO2 含有量が 0.1質
量%以上の鉄粉原料を用いると良い。 鉄粉原料として
は、安価な原料である鉄鉱石を用いることができる。鉄
鉱石の脈石成分であるSiO2 含有量を勘案して鉄鉱石を
鉄粉原料に配合することにより、本発明の還元鉄粉を製
造できる。
【0026】なお、圧縮性および焼結部品の強度確保の
観点からは、見掛け密度は 1.0Mg/m3 以上が好まし
い。 また、前記の酸化物または複合酸化物は、Mn,Na,
Ca,K,Ba,CrおよびFeのうちの1種または2種以上を
含有しても良い。
【0027】
【実施例】主原料の酸化鉄(鉄鉱石粉末とヘマタイト粉
末との混合粉)250kg と、副原料の固体還元剤190kg
を、図1に示すように、直径400mm ,高さ1800mmの円筒
状サガー(SiC製耐熱容器)に副原料の固体還元層が主
原料の酸化鉄層を挟むように充填した。
【0028】主原料として使用した粉末の組成を表1に
示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記した組成の鉄鉱石粉末,ヘマタイト粉
末を、表2に示す混合比率で混合した混合粉を主原料と
した。鉄鉱石粉末は、製鉄原料として入手が容易なMBR-P
Fを乾燥した粉末を使用した。またヘマタイト粉末は、
市販されている塩化鉄水溶液を酸化焙焼してなるヘマタ
イト粉末(川崎製鉄製酸化鉄:商品名「KH-DS 」,「KH
-DC 」)を使用した。ヘマタイト粉末の比表面積は、吸
着ガスを窒素とするBET法に依った。また一部の試料
では、これらヘマタイト粉末を 800℃で仮焼し、粉砕し
たヘマタイト粗粉(比表面積: 0.5m2 /g)をヘマタ
イト粉末として使用した。 また一部の試料では、主原料
として熱間圧延工程で発生したスケールを乾燥し粉砕し
た粉末を使用した。
【0031】また副原料である固体還元剤は、表2に示
す混合量の石灰粉,炭素質粉の混合物とした。石灰粉は
平均粒径80μmの石灰粉を、炭素質粉はコークス,無煙
炭を用いた。 コークスは平均粒径85μmのもの,無煙炭
は平均粒径 2.4mmのものを使用した。副原料は表2に示
すそれぞれの混合量となるように秤量し、予め均一に混
合しておいたものを使用した。
【0032】
【表2】
【0033】次いで図1に示すように、主原料および副
原料を充填した耐熱容器(サガー)を加熱炉(図示せ
ず)に装入し、SiC製のサガー蓋をした後、表2に示す
海綿鉄製造のための加熱温度まで昇温した。なお昇温時
間は20hrとし、保持時間は44hrとし、保持後冷却した。
さらに、得られた海綿鉄を90メッシュ以下まで粉砕して
還元鉄粉とし、さらに露点40℃の水素雰囲気中で 900℃
×1hrの還元を施し、さらに粉砕して還元鉄粉とした。
【0034】得られた還元鉄粉について、化学分析によ
り、SiO2 含有量, Al23 含有量,酸素含有量を測定
した。 また、得られた還元鉄粉について、日本粉末冶金
工業会規格 JPMA P06-1992に準拠して見掛け密度を測定
した。これらの結果を表2に示す。本発明は、1.55〜1.8
5Mg/m3 と、従来例に比べて低い見掛け密度を有して
いる。 一方、 ヘマタイト粉末を使用しない従来例(試料
番号10および11)、ヘマタイト粉末の比表面積が本発明
の範囲を低く外れる比較例(試料番号12)は、還元鉄粉
の見掛け密度が高くなっている。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来に比
べて低い見掛け密度を有する海綿鉄の製造方法,還元鉄
粉およびその製造方法が提供でき、産業上格段の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒状の耐熱容器への炭素質粉末および石灰粉
と酸化鉄との充填方法の一例を示す説明図である。
【図2】海綿鉄、還元鉄粉の製造工程の一例を示す説明
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 裕 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4K012 DB00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化鉄を、固体還元剤とともに加熱し
    て、前記酸化鉄を還元して海綿鉄とする海綿鉄の製造方
    法において、前記酸化鉄をヘマタイト粉末と鉄鉱石粉末
    との混合粉とし、前記ヘマタイト粉末を 2.0m2 /g以
    上の比表面積を有する粉末とし、かつ前記ヘマタイト粉
    末の混合量を、前記酸化鉄の全量に対し、 5〜45質量%
    とすることを特徴とする海綿鉄の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記鉄鉱石粉末が、平均粒径30μm〜1
    mmの鉄鉱石粉末であることを特徴とする請求項1に記載
    の海綿鉄の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ヘマタイト粉末が、塩化鉄水溶液を
    酸化焙焼してなるヘマタイト粉末であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の海綿鉄の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の製
    造方法で製造された海綿鉄を、粉砕して還元鉄粉とする
    ことを特徴とする還元鉄粉の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記還元鉄粉を、還元性雰囲気でさらに
    還元することを特徴とする請求項4に記載の還元鉄粉の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化鉄を、固体還元剤とともに加熱し
    て、前記酸化鉄を還元して海綿鉄を粉砕して製造する還
    元鉄粉であって、見掛け密度が2.00Mg/m3 以下であ
    り、SiおよびAlのうちの1種または2種の元素を含有す
    る酸化物または複合酸化物の含有量が 0.2質量%以上で
    あることを特徴とする還元鉄粉。
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