JP2020147417A - シート搬送装置、画像形成システム - Google Patents

Abstract

【課題】吸着搬送ベルトユニットと分離部材との間に形成される隙間のばらつきを低減させ、安定的にシートを分離する。【解決手段】シート搬送装置は、シートを収容し、シート搬送装置の本体から引出し可能なトレイと、トレイに収容されたシートを吸着して搬送する吸着搬送ベルトと、吸着搬送ベルトに吸着されたシートをトレイに収容されている他のシートから分離する分離部材と、を有し、分離部材と吸着搬送ベルトとは、シート搬送装置の本体から一体で着脱可能であることを特徴とする。【選択図】図３

Description

本発明は、シート搬送装置、画像形成システムに関する。

近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられる画像形成システムは、欠かせないものとなっている。このような画像形成システムは、給紙トレイから供給されるシートに画像を形成する複写機として機能する。

また、給紙トレイからシートを１枚給紙する技術として、給紙トレイの上に吸着搬送ベルトユニットを設け、エアーを吸引することで搬送ベルトに最上位置のシートを吸着させてトレイ外に搬送する技術がある（例えば特許文献１）。

特許文献１の技術では、吸着搬送ベルトとシートを１枚のみに分離するための部材（分離部材と称する）とが別々に着脱可能な構成となっている。すなわち、着脱のたびに両者の位置関係が変化し、搬送ベルトと分離部材との間に形成される隙間の積み上げ公差が大きくなる。その結果、搬送ベルトにエアー吸着されたシートを１枚のみに分離できずに複数枚のシートがまとめて搬送され、シートジャムが発生する。すなわち従来の技術では、最上位置のシートの分離性能が安定しなくなるという問題がある。

本発明は、吸着搬送ベルトと分離部材との間に形成される隙間のばらつきを低減させ、安定的にシートを分離することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明のシート搬送装置は、シートを収容し、シート搬送装置の本体から引出し可能なトレイと、トレイに収容されたシートを吸着して搬送する吸着搬送ベルトと、吸着搬送ベルトに吸着されたシートをトレイに収容されている他のシートから分離する分離部材と、を有し、分離部材と吸着搬送ベルトとは、シート搬送装置の本体から一体で着脱可能であることを特徴とする。

本発明によれば、吸着搬送ベルトと分離部材との間に形成される隙間のばらつきを低減させ、安定的にシートを分離することが可能となる。

実施形態の画像形成システムの概略構成を示す模式図である。 実施形態の搬入部の内部構成を示す斜視図である。 実施形態の給紙トレイの内部構成を示す斜視図である。 実施形態の分離搬送機構を示す図である。 分離搬送機構が給紙トレイと一体となっていることを説明する図である。 実施形態のエンドフェンスの退避を説明する図である。

以下、図面を参照しつつ、本実施形態のシート搬送装置、画像形成システムを説明する。尚、本実施形態では、用紙（紙媒体）をシートの一例として説明するが、これ以外にも、プラスチックシート、樹脂、布などのシート状の媒体であれば適用可能である。

図１は本実施形態に係る画像形成システムの概略図である。画像形成システム１は、搬入部１０と、印刷部２０と、乾燥部３０と、搬出部４０とを備えている。画像形成システム１は、搬入部１０から搬入されるシートＰに対し、印刷部２０で液体を付与して所要の印刷を行い、乾燥部３０でシートＰに付着した液体を乾燥させた後、シートＰを搬出部４０に排出する。

搬入部１０は、シートを印刷部２０に搬送するシート搬送装置である。搬入部１０は、シート束が積載される複数の給紙トレイ１１と、シートＰを印刷部２０へ送り込む複数のレジストローラ対１３と、積載しているシート束からシートＰを１枚ずつ分離して送り出す給送装置１２と、を備える。

給送装置１２は、後述のようにエアーの吸引を利用してシートを搬送ベルトに吸着させ、搬送する。これ以外にもローラやコロを用いた装置などでもよい。給送装置１２により給紙トレイ１１から送り出されたシートＰは、先端がレジストローラ対１３に到達した後、レジストローラ対１３が所定のタイミングで駆動することにより、印刷部２０へ送り出される。

印刷部２０は画像形成装置であり、シートＰを搬送するためのドラム５１および吸引装置５２を有する。ドラム５１は、シートＰを周面に担持して回転する回転部材である。吸引装置５２は、ドラム５１の周面に吸引力を生じさせる吸引手段である。また印刷部２０は、ドラム５１に担持されたシートＰに向けて液体を吐出する液体吐出部２２を備えている。

印刷部２０は、搬入部１０から搬送されたシートＰを受け取ってドラム５１との間でシートＰを渡す渡し胴２４と、ドラム５１によって搬送されたシートＰを乾燥部３０へ受け渡す受け渡し胴２５とを備えている。

搬入部１０から印刷部２０へ搬送されてきたシートＰは、渡し胴２４に設けられた把持手段であるシートグリッパによって先端が把持され、渡し胴２４の回転に伴って搬送される。渡し胴２４により搬送されたシートＰは、ドラム５１との対向位置でドラム５１へ受け渡される。

ドラム５１の表面にも把持手段であるシートグリッパが設けられており、シートＰの先端がシートグリッパによって把持される。ドラム５１の表面には、複数の吸引孔が分散して形成されている。吸引装置５２は、ドラム５１の所要の吸引孔から内側へ向かう吸い込み気流を発生させる。

そして、渡し胴２４からドラム５１へ受け渡されたシートＰは、シートグリッパによって先端が把持されると共に、吸引装置５２による吸い込み気流によってドラム５１上に吸着担持され、ドラム５１の回転に伴って搬送される。

液体吐出部２２は、吐出ユニット２３（２３Ａ〜２３Ｆ）を備えている。例えば、吐出ユニット２３Ａはシアン（Ｃ）の液体を、吐出ユニット２３Ｂはマゼンタ（Ｍ）の液体を、吐出ユニット２３Ｃはイエロー（Ｙ）の液体を、吐出ユニット２３Ｄはブラック（Ｋ）の液体を、それぞれ吐出する。また、吐出ユニット２３Ｅ、２３Ｆは、ＹＭＣＫのいずれか、或いは、白色、金色（銀色）などの特殊な液体の吐出に使用する。さらに、表面コート液などの処理液を吐出する吐出ユニットを設けることもできる。

液体吐出部２２の各吐出ユニット２３は、印刷情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作を行う。ドラムに担持されたシートＰが液体吐出部２２との対向領域を通過するときに、吐出ユニット２３から各色の液体が吐出され、当該印刷情報に応じた画像がシートＰの面に形成される。

乾燥部３０は、印刷部２０でシートＰ上に付着した液体を乾燥させるための乾燥機構部３１と、印刷部２０から搬送されてくるシートＰを吸引した状態で搬送する吸引搬送機構部３２とを備えている。

印刷部２０から搬送されてきたシートＰは、吸引搬送機構部３２に受け取られた後、乾燥機構部３１を通過するように搬送され、搬出部４０へ受け渡される。

乾燥機構部３１を通過するとき、シートＰ上の液体は乾燥処理が施される。これにより液体中の水分等の液分が蒸発し、シートＰ上に液体中に含まれる着色剤が定着し、またシートＰのカールが抑制される。

搬出部４０は、複数のシートＰが積載される搬出トレイ４１を備えている。乾燥部３０から搬送されてくるシートＰは、搬出トレイ４１上に順次積み重ねられて保持される。

尚、画像形成システム１には、例えば、シートＰに対して前処理を行う前処理部を印刷部２０の上流側に配置したり、液体が付着したシートＰに対して後処理を行う後処理部を乾燥部３０と搬出部４０との間に配置したりすることもできる。

前処理部としては、例えば、液体と反応して滲みを抑制するための処理液をシートＰに塗布する先塗り処理を行うものが挙げられる。また、後処理部としては、例えば、印刷部２０で印刷されたシートを反転させて再び印刷部２０へ送ってシートＰの両面に印刷するためのシート反転搬送処理や、複数枚のシートを綴じる処理などを行うものが挙げられる。

また、印刷部として液体吐出手段を備える例で説明しているが、液体吐出以外の手段で印刷を行うこともできる。

次に、本実施形態における搬入部１０の詳細を説明する。図２は搬入部１０の内部構成を示す斜視図であり、図３は搬入部１０から着脱可能な給紙トレイを示す斜視図である。

搬入部１０は、１または複数の給紙トレイ１１を格納することができる。利用者はシート束を給紙トレイ１１内に積載させるときに、給紙トレイ１１を引き出す。この引出し操作により、給紙トレイ１１は、ガイドレール１５の案内に従い引き出される。給紙トレイ１１の下面にはガイドレール１５と当接する被当接部１６が設けられ、被当接部１６がガイドレール１５上を摺動することにより、給紙トレイ１１は搬入部１０の本体から引き出される。そして利用者はシート束を積載したのち、給紙トレイ１１を押し込んで搬入部１０に格納する。

本実施形態の給送装置１２は、従来の装置構成とは異なり、図２や図３に示すとおり給紙トレイ１１と一体となっており、利用者による給紙トレイ１１の引き出し操作と共に給送装置１２も引き出される。

給送装置１２は、図３に示すように給紙トレイ１１のシート排出口３０１の上部側に位置している。また給送装置１２は、シート排出口３０１の上流側（図３の破線領域内）に分離搬送機構３００を有している。分離搬送機構３００は、給紙トレイ１１に積載されるシートの束からシートＰを分離して搬送する。分離搬送機構３００は、例えば、複数のシートＰが積載されているシート束の最上部のある１枚のシートＰを分離する。

図４（Ａ）は分離搬送機構３００の詳細を示す図である。分離搬送機構３００は、吸着搬送ベルトユニット４００、分離部材４３０、ローラ対４４０を有する。吸着搬送ベルトユニット４００は、２つのローラ４１０を有し、これら複数のローラにより無端ベルトである吸着搬送ベルト４０１が張架されている。また吸着搬送ベルトユニット４００は、吸着搬送ベルト４０１の裏面側、すなわち２つのローラ４１０の間に吸気装置４２０を備えている。吸着搬送ベルト４０１のベルト面の全域には、図４（Ｂ）に示すように複数の通気孔４０２が分散するように形成されている。吸気装置４２０は、内部のファンを駆動することで、吸着搬送ベルト４０１の面に形成されている通気孔４０２を介してベルト越しにエアーの通気を行うことができる。

吸気装置４２０がエアーの吸気を行うことで、１枚もしくは複数枚のシートが吸着搬送ベルト４０１の搬送面上に吸着する。そして吸着搬送ベルト４０１に吸着した１枚もしくは複数枚のシートＰは、ローラ４１０の矢印方向の回転により分離部材４３０の位置まで搬送される。

分離部材４３０は、シートＰが複数枚搬送されている場合に、例えば、１枚のみ搬送するように分離する部材である。尚、本実施形態では分離部材４３０として、１枚のシートＰのみを分離するように爪形状の部材を例示しているが、形状はこれに限定されない。先端に突起や角が形成されている部材であれば適用可能である。分離部材４３０により１枚のみに分離されたシートＰは、ローラ対４４０を経由して搬入部１０の装置の外部に搬送される。

図４（Ａ）に示す吸着搬送ベルト４０１と分離部材４３０との隙間Ｌの寸法は、シートの分離性能にとって重要である。隙間Ｌが広いとシートが重送し、隙間Ｌが狭いとシートが１枚も搬送されずに、シートジャムを引き起こす。尚、「重送」とは、複数枚のシートが分離されないまま纏めて搬送されてしまう不具合を意味する。

従来は、吸着搬送ベルトユニットは搬入部の枠体側に固定されており、分離部材は給紙トレイと一体となっていた。このため、給紙トレイが引き出されると、吸着搬送ベルトユニットと分離部材とが別々に分離されることとなる。よって、給紙トレイの引き出しおよび格納が繰り返されると、隙間Ｌの寸法にズレが生じて規定寸法を満たさなくなる。これを回避するために搬送ベルトの取り付け高さを冶具で調整するという方法をとっている場合もあり、コストアップになっている。

本実施形態において、吸着搬送ベルトユニット４００と分離部材４３０とは共に給紙トレイ１１と一体となっており、給紙トレイ１１が引き出されると、これらも一体となって引き出される。すなわち、吸着搬送ベルトユニット４００と分離部材４３０は、給紙トレイ１１に備えられ、搬入部１０の本体から給紙トレイ１１が引き出されるときに、搬入部１０の本体から給紙トレイ１１と一体で引出し可能なように構成されている。このように本実施形態においては、給紙トレイ１１内に吸着搬送ベルトユニット４００と分離部材４３０とが組み付くので、公差積み上げも小さな値となり、隙間Ｌの精度が維持され調整する機会を低減することができる。また、給紙トレイ１１を引き出すための構成と、吸着搬送ベルトユニット４００と分離部材４３０とを引き出すための構成と、を別々に備える場合に比べて、装置を小型かつ簡易な構成にできる。

図５は、給紙トレイ１１の一部を示す側面図であり、吸着搬送ベルトユニット４００と分離部材４３０とが給紙トレイ１１と一体となっていることを説明するための図である。

給紙トレイ１１のベースフレーム５２０上面には、積載されるシート束の搬送方向先端側を揃えるトレイ面板５１０と、給紙トレイ１１の枠体側面となるサイドフレーム５０１とが取り付けられている。分離部材４３０はトレイ面板５１０の上端部に取り付けられ、吸着搬送ベルトユニット４００はサイドフレーム５０１に固定され、破線で示す位置に設けられる。このように、分離部材４３０と吸着搬送ベルトユニット４００とは、トレイ面板５１０、ベースフレーム５２０、サイドフレーム５０１を通じて一体となる。

給紙トレイ１１が搬入部１０の本体から引き出されると、吸着搬送ベルトユニット４００および分離部材４３０も一体となって引き出される。吸着搬送ベルトユニット４００は搬入部１０から外部に露出するため、保守作業の際にはアクセスが容易となる。すなわち保守作業者は、吸着搬送ベルトユニット４００自体の交換や、吸着搬送ベルト４０１、ローラ４１０などの部品交換、これら各部品の清掃などのメンテナンスを容易に行うことができる。また本実施形態により、吸着搬送ベルトユニット４００や分離部材４３０のメンテナンスと給紙トレイ１１へのシート補給とを一動作で行うことができる。

図６は、給紙トレイ１１の側面を示す図である。本実施形態では、給送装置１２が給紙トレイ１１の上部に位置し、且つ給送装置１２は給紙トレイ１１と共に一体となって引き出される。このことから、図６（Ａ）に示すようにシートの束を給紙トレイ１１に積載するときにシート挿入口の幅Ｌ１が狭くなり、シート束を複数に分けて挿入するなどの措置が必要となる。そこで図６（Ｂ）に示すように、シート束の搬送方向後端側を揃えるエンドフェンス６１０を退避させ、シート束の挿入が容易となるようにする。エンドフェンス６１０の退避方法としては、エンドフェンス６１０を取り外したり、回転させたりすることで達成することができる。

本実施形態では、給紙トレイ１１に吸着搬送ベルトユニット４００と分離部材４３０とが備えられている構成について説明したが、これらが給紙トレイ１１に備えられる構成でなくてもよい。すなわち吸着搬送ベルトユニット４００と分離部材４３０とが一体となって着脱可能な構成であればよい。

以上、本実施形態では、分離部材と吸着搬送ベルトユニットとを一体で装置本体から着脱可能にする構成を説明した。これにより、メンテナンスなどのために着脱動作があっても、両者の位置関係を保つことができ、シートが重送されることを抑制し、シートジャムを引き起こすことを防止することができる。

１：画像形成システム
１０：搬入部
１１：給紙トレイ
１２：給送装置
１３：レジストローラ対
１５：ガイドレール
１６：被当接部
２０：印刷部
３０：乾燥部
４０：搬出部
３００：分離搬送機構
３０１：シート排出口
４００：吸着搬送ベルトユニット
４０１：吸着搬送ベルト
４０２：通気孔
４１０：ローラ
４２０：吸気装置
４３０：分離部材
４４０：ローラ対
５０１：サイドフレーム
５１０：トレイ面板
５２０：ベースフレーム
６１０：エンドフェンス

特開２００９−１０７８４９号公報

Claims (7)

1. シートを収容し、シート搬送装置の本体から引出し可能なトレイと、
   前記トレイに収容された前記シートを吸着して搬送する吸着搬送ベルトと、
   前記吸着搬送ベルトに吸着されたシートを前記トレイに収容されている他のシートから分離する分離部材と、を有し、
   前記分離部材と前記吸着搬送ベルトとは、前記シート搬送装置の本体から一体で着脱可能であることを特徴とするシート搬送装置。
2. 請求項１に記載のシート搬送装置において、
   前記吸着搬送ベルトと前記分離部材とは、前記トレイに備えられ、前記シート搬送装置の本体から前記トレイと一体で引出し可能であることを特徴とするシート搬送装置。
3. 請求項２に記載のシート搬送装置において、
   前記吸着搬送ベルトは、前記トレイの枠体側面となるサイドフレームに設けられ、
   前記分離部材は、前記トレイに収容されたシートの搬送方向先端側を揃える前記トレイの面板の上端部に設けられていることを特徴とするシート搬送装置。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載のシート搬送装置において、
   前記トレイに積載されたシートの搬送方向後端側を揃えるエンドフェンスを有し、
   前記エンドフェンスは、前記トレイから退避可能となっていることを特徴とするシート搬送装置。
5. 請求項１乃至４のいずれか１項に記載のシート搬送装置において、
   複数のローラと、
   前記複数のローラにより張架されており、面上に複数の通気孔が形成された無端ベルトである前記吸着搬送ベルトと、
   前記吸着搬送ベルトの内側に設けられ、前記吸着搬送ベルトにシートを吸着させる方向に、前記通気孔を介してエアーを取り込む吸気装置と、
   を有する吸着搬送ベルトユニットを備えることを特徴とするシート搬送装置。
6. 請求項５に記載のシート搬送装置において、
   前記吸着搬送ベルトユニットと前記分離部材とは、前記トレイに備えられ、前記シート搬送装置の本体から前記トレイと一体で引出し可能であることを特徴とするシート搬送装置。
7. シート搬送装置と、前記シート搬送装置から搬送されるシートに画像を形成する画像形成装置とを備える画像形成システムであって、
   前記シート搬送装置は、
   シートを収容し、前記シート搬送装置の本体から引出し可能なトレイと、
   前記トレイに収容された前記シートを吸着して搬送する吸着搬送ベルトと、
   前記吸着搬送ベルトに吸着されたシートを前記トレイに収容されている他のシートから分離する分離部材と、を有し、
   前記分離部材と前記吸着搬送ベルトとは、前記シート搬送装置の本体から一体で着脱可能である、
   ことを特徴とする画像形成システム。