JP2020146649A - フライアッシュ混合材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い生産性を確保し、かつ、重金属が溶出しやすいフライアッシュを選別することなく、長期にわたって重金属の溶出を抑制できるフライアッシュ混合材料の製造方法を提供すること。【解決手段】以下の工程を含むフライアッシュ混合材料の製造方法。(1)フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を含む原料を、セメントの含有量が6質量%以上となるよう調合する第一工程、(2)調合後の前記原料に水を加えて混練し、混練物を型枠に流し込み成形する第二工程、(3)成形した混練物に対して所定時間の1次養生を行い、硬化体を得る第三工程、(4)脱型後の硬化体を破砕した後、細粒分を除去する第四工程、(5)細粒分が除去された破砕物に対して所定期間の2次養生を行う第五工程、(6)第四工程で設定した分級点以下の粒子径である無機質細粒分を添加する第六工程。【選択図】図1

Description

本発明は、フライアッシュ混合材料の製造方法に関する。
フライアッシュは、石炭火力発電所等で石炭を燃焼したときに発生する廃棄物である。フライアッシュは大量に排出されるので、廃棄物の低減及び有効利用の観点から、セメント原料及びコンクリート混和材等の土木資材や、底質改善材及び水質浄化材等の環境資材としての利用が望まれている。しかし、フライアッシュは石炭由来の重金属等の土壌汚染物質を含んでいるので、それら重金属類の土壌への溶出を抑制する必要がある。
フライアッシュ中の重金属類の溶出を抑制する方法として、特許文献1にはフライアッシュにセメントと還元剤と消石灰を添加して硬化させる方法が記載されている。特許文献2には、フライアッシュに還元剤とセメント、石灰、石膏等を添加して造粒する方法が記載されている。
特開2016−47519号公報 特開2007−119341号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、短期的な重金属類の溶出抑制効果は期待されるが、実環境で長期にわたって重金属類の溶出を抑制するのは困難である。また、フライアッシュの中には、稀に重金属類の溶出量が多いものがあり、それを選別して使用を避ける必要もあった。さらに、溶出抑制効果を高めるためにフライアッシュ混合材料を造粒して長時間養生することや、細粒分を除去することが試行されているが、これらの作業は生産性を悪化させるという課題を抱えていた。
そこで、本発明の課題は、高い生産性を確保し、かつ、重金属類が溶出しやすいフライアッシュを選別して使用を避けることなく、長期にわたって重金属類の溶出を抑制できるフライアッシュ混合材料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、フライアッシュ混合材料の配合や成形・養生・粒度調整の諸条件と、長期間の重金属類の溶出特性との関係、及び生産性を研究し、これらを両立できる製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、以下の工程を含むフライアッシュ混合材料の製造方法である。
(1)フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を含む原料を、セメントの含有量が6質量%以上となるよう調合する第一工程。
(2)調合後の前記原料に水を加えて混練し、混練物を型枠に流し込み成形する第二工程。
(3)成形した混練物に対して1時間以上24時間以内の1次養生を行い、硬化体を得る第三工程。
(4)脱型後の硬化体を破砕した後、1mm以上10mm以下の範囲で設定した分級点で破砕物を分級し、細粒分を除去する第四工程。
(5)細粒分が除去された破砕物に対して1日以上28日以内の2次養生を行う第五工程。
(6)第四工程で設定した分級点以下の粒子径である無機質細粒分を添加する第六工程。
また、本発明においては、前記第二工程において、フライアッシュの嵩密度と所要水量との関係式を予め求めておき、この関係式と使用するフライアッシュの嵩密度から決定された量の水を加えることが好ましく、また、前記第四工程において除去した細粒分を、第二工程において前記原料とともに混練する工程を更に含むことも好ましい。
本発明によれば、高い生産性を確保しながら、重金属が溶出しやすいフライアッシュを選別することなく、長期にわたって重金属の溶出を抑制できるフライアッシュ混合材料を製造することができる。これにより、資源循環社会の構築に貢献することができる。
図1は、フライアッシュ1を用いたフライアッシュ混合材料について、散水型カラム試験の結果(ホウ素溶出量)を示した図である。 図2は、フライアッシュ1を用いたフライアッシュ混合材料について、散水型カラム試験の結果(六価クロム溶出量)を示した図である。 図3は、フライアッシュ2を用いたフライアッシュ混合材料について、散水型カラム試験の結果(ホウ素溶出量)を示した図である。 図4は、フライアッシュのゆるめ嵩密度又はかため嵩密度と混練水量との関係を示した図である。
本発明の好適な実施形態を以下に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明のフライアッシュ混合材料の製造方法においては、まず、フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を含む原料を調合する。次いで、これらの混合物と水とを混練してスラリー状のフライアッシュ混練物とする。その後、フライアッシュ混練物を流し込み成形して成形物とし、その成形物を所定期間1次養生して硬化体を得る。そして、その硬化体を破砕した後、破砕物を分級し、細粒分を除去するとともに、残りは所定期間の2次養生を行う。然る後に、除去した細粒分を補う形で細粒分が除去された破砕物に無機質細粒分を添加して粒度を調整し、フライアッシュ混合材料とするものである。
(第一工程)
本発明のフライアッシュ混合材料の製造方法は、フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を含む原料を、セメントの含有量が6質量%以上となるよう調合する第一工程を含む。
本発明で用いるフライアッシュは、石炭の燃焼によって生成した微粉状の石炭灰であれば特に限定されない。例えば、石炭火力発電所で微粉炭を燃焼した際に生成する石炭灰のうち、電気集塵機で回収されたものが挙げられる。
本発明で用いるセメントは、特に限定されるものではなく、例えば普通ポルトランドセメント、高炉セメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等、JIS R 5210に規定されるポルトランドセメントが挙げられる。これらのうち、六価クロムを還元してその溶出を抑制する観点から、高炉セメントを用いることが好ましい。
セメントは、主として硬化材の役割を果たすが、材料コスト上昇の主因になるため、通常は3〜5質量%程度の必要最低限の含有量で使用されることが多い。しかし、含有量が6質量%未満の場合、長期材齢においてホウ素や六価クロムが溶出しやすくなるほか、1次養生で脱型可能な強度に達するまでの期間が長くなる、あるいは、加温養生が必要になるなどの生産性低下をもたらすため好ましくない。実用上好ましい範囲は、原料に対して6質量%以上14質量%以下、更に好ましい範囲は、7質量%以上12質量%以下である。
本発明で用いる石灰としては、消石灰及び生石灰が挙げられる。原料中の石灰の含有量は、消石灰を例にすると、原料に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上7質量%以下であることが更に好ましい。また、生石灰を例にすると、原料に対して1質量%以上8質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上6質量%以下であることが更に好ましい。いずれの石灰を用いた場合でも、石灰の含有量がこのような範囲であれば、材料コストを低減できる。また、ホウ素や六価クロム等の重金属類の溶出を長期間にわたり抑制できるフライアッシュ混合材料が得られる。
本発明で用いる石膏としては、無水石膏や半水石膏、二水石膏等が挙げられる。二水石膏としては、例えば排脱二水石膏、リン酸二水石膏、フッ酸二水石膏、天然二水石膏等が挙げられる。また、JIS R 9151に規定する石膏を用いることもでき、廃石膏ボード等の石膏含有廃棄物から回収した石膏も使用できる。原料中の石膏の含有量は、二水石膏換算で、原料に対して1質量%以上11質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。石膏の含有量がこのような範囲であれば、材料コストを低減できる。また、ホウ素や六価クロム等の重金属類の溶出を長期間にわたり抑制できるフライアッシュ混合材料が得られる。
本発明で用いる還元剤としては、六価クロムを三価クロムに還元できるものであればよく、無機系還元剤及び有機系還元剤が挙げられる。無機系還元剤としては、例えば塩化第一鉄、硫酸第一鉄等の第一鉄塩、多硫化カルシウム、硫化カルシウム等の硫化物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩が挙げられる。また、有機系還元剤としては、ヒドラジン、アスコルビン酸、ヒドロキシルアミン等が挙げられる。これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。原料中の還元剤の含有量は、原料に対して0.1〜7質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、0.8〜4質量%が更に好ましい。還元剤の含有量がこのような範囲であれば、材料コストを低減できる。また、ホウ素や六価クロム等の重金属類の溶出を長期間にわたり抑制できるフライアッシュ混合材料が得られる。
(第二工程)
本発明のフライアッシュ混合材料の製造方法は、調合後の前記原料に所定量の水を加えて混練し、得られた混練物を型枠に流し込み成形する第二工程を含む。混練に用いる装置は、特に限定されるものではなく、可傾式ミキサー、水平二軸型強制練りミキサー、パン型強制練りミキサー、オムニミキサーなどの市販の混練装置を用いることができる。型枠や排出設備は、流し込み成形に適したものであれば、一般的なコンクリート二次製品用の設備等を利用することができる。流し込み成形以外の成形法として、例えば、原料が流動しない状態で型枠に投入して、加圧成形する方法や遠心力成形する方法、さらに、転動造粒、攪拌造粒、圧縮造粒などの造粒による成形法があるが、これらは、生産速度が劣るために好ましくない。本発明では、後述の第四工程で、硬化体の細粒分を除去する作業があるため、生産性を確保するうえで生産速度の大きい流し込み成形が必須の要件となる。また、流し込み成形は、転動造粒や攪拌造粒と比較して硬化物の空隙が少なく、高強度を得やすいという利点もある。
第二工程においては、フライアッシュの嵩密度と所要水量との関係式を予め求めておき、この関係式と使用するフライアッシュの嵩密度から決定された量の水を加えることが好ましい。嵩密度は、一定容積の容器に粉体を充てんし、その内容積を体積としたときの密度である。また、所要水量は、原料と水を混合した際に流動性が得られる最小の水量を指す。この水量が少なすぎると混練に時間がかかり、また、水量が多すぎると硬化不良の原因となるため、使用するフライアッシュに応じた水量管理が必要となる。本発明者らは、フライアッシュの嵩密度と所要水量とに良好な相関があることを知見し、嵩密度を測定することで、所要水量を精度良く予測できることを見出している。これにより、更なる生産性の向上に寄与できる。
嵩密度には、ゆるめ嵩密度(「初期かさ密度」、「軽装かさ密度」とも呼称される。)と、かため嵩密度(「タップかさ密度」、「重装かさ密度」とも呼称される。)とがあり、そのいずれも使用できるが、ゆるめ嵩密度の方が関係式の相関が高く好ましい。嵩密度は、例えば以下の方法で測定することができる。
<ゆるめ嵩密度>
容重升と漏斗を準備し、容重升からフライアッシュがあふれるまで、漏斗を用いてフライアッシュを落下させる。振動を与えないように容重升の天端をヘラですりきり、重量を測定する。あらかじめ測定しておいた容量升の重量を引いてフライアッシュの重量を算出し、容量升の容量で除して嵩密度を求める。
<かため嵩密度>
容量升へのフライアッシュの充填を複数回に分けて行い、各回フライアッシュの上面が沈まなくなるまでタッピングする。容量升の上端まで充填した後、容重升の天端をヘラですりきり、ゆるめ嵩密度の測定と同様にして嵩密度を求める。
これ以外にも、JIS K 2151「コークス類−試験方法」、JIS R 1628「ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」、JIS R 9301−2−3「アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−3:軽装かさ密度及び重装かさ密度」を参考に、試験器具や試験手順を定めて測定することができる。
調合後の原料と水を混練する際、スラリー化に必要な混練水量を予め把握できれば、生産性向上が期待できる。そこで、計12種類のフライアッシュを対象に、フライアッシュの嵩密度と所要水量との関係を評価した。嵩密度の測定は、上述の方法で実施した。なお、スラリー化に必要な混練水量とは、混練物を型枠に流し込み成形できるようになる最小の水の量である。
ゆるめ嵩密度又はかため嵩密度と混練水量との関係を図4に示す。図より、フライアッシュの嵩密度と混練水量との間には良好な相関関係が認められ、ゆるめ嵩密度の相関係数は、かため嵩密度のそれよりも大きいことがわかる。したがって、使用するフライアッシュの嵩密度を測定するという簡便な方法で、混練水量を設定することができ、生産性を向上できる。
(第三工程)
本発明のフライアッシュ混合材料の製造方法は、第二工程で得られた混練物を流し込み成形した後、1時間以上24時間以内の1次養生を行う第三工程を含む。この工程で原料と水の混合物である混練物は硬化体となり、脱型や破砕ができる強度を発現する。養生期間が長いほど硬化体の強度は大きくなるが、24時間を超えると、第二工程の生産速度を維持するために大量の型枠が必要となり、経済的に好ましくない。また、型枠数が限られている場合には、この養生期間によって生産性が支配されるため、24時間を超えると生産性が悪化して好ましくない。1次養生の時間は3時間以上であることが好ましく、6時間以上20時間以下がより好ましい。
養生温度は、特に限定されるものではないが、10℃以上40℃以下が好ましい。養生温度が10℃未満であると24時間以内に脱型や破砕ができる強度を有する硬化体が得るのが難しくなる場合があり、40℃を超えると加温設備が必要となり、経済的に好ましくない。
また、この工程では、養生温度と養生時間を調節し、得られる硬化体の強度のバラつきを少なくすることが好ましい。
(第四工程)
本発明のフライアッシュ混合材料の製造方法は、脱型後の硬化体を破砕した後、1mm以上10mm以下の範囲で設定した分級点で破砕物を分級し、細粒分を除去する第四工程を含む。破砕機は、ジョークラッシャーやハンマーミルなどの市販の設備を使用できる。また、分級装置は、網篩や振動篩機などの市販の設備を使用できる。本発明では、硬化体の破砕物から上記分級点で分級した細粒分を取り除くことで、長期材齢における重金属、特に六価クロムの溶出を顕著に抑制できる。硬化体の破砕条件は、除去する細粒分の割合が過大とならないように設定することが好ましく、具体的には、設定した分級点より破砕物の平均粒径が大きくなる条件とすることが好ましい。また、破砕物の最大粒径が100mm以下となるように破砕することが好ましい。ここで、分級点が大きいほど六価クロムの溶出抑制効果は大きくなるが、10mmを超える場合は材料のロス量が過大となり、生産性が悪化するため好ましくない。分級点は、1mm以上8mm以下の範囲で設定することが好ましく、2mm以上7mm以下の範囲がより好ましく、2mm以上5mm以下の範囲が更に好ましい。
本発明においては、第四工程で除去した細粒分を第二工程の混練に戻し、原料とともに混練することができる。これにより、細粒分を廃棄処分するコストが削減でき、かつ、細粒分が骨材のような働きをして混練効率を高め、生産性の向上に寄与する。混練に戻す細粒分の量は、分級点や破砕条件にも依存するが、多すぎると混練量が過大となり、生産性も悪化するため好ましくない。好ましくは、原料100質量%に対して5〜80質量%であり、10〜70質量%がより好ましく、20〜50質量%が更に好ましい。
(第五工程)
本発明のフライアッシュ混合材料の製造方法は、硬化物を破砕して分級し、細粒分を除去した後、細粒分が除去された破砕物に対して1日以上28日以内の2次養生を行う第五工程を含む。この工程で、土木資材や環境資材に用いるうえで実用的な強度を得ることができる。養生期間が長いほど強度が向上するほか、長期的な重金属の溶出が抑制される傾向にある。しかし、28日を超えると、生産性を維持するには広大な養生スペースが必要となるため経済的に好ましくない。
養生温度は、特に限定されるものではないが、10℃以上40℃以下が好ましい。養生温度が10℃未満であると28日以内に実用的な強度を得るのが難しくなる場合があり、40℃を超えると加温設備が必要となり、経済的に好ましくない。
(第六工程)
本発明のフライアッシュ混合材料の製造方法は、2次養生を行った破砕物に、第四工程で設定した分級点以下の粒子径である無機質細粒分を添加して粒度を調整する第六工程を含む。本発明で使用する無機質細粒分には、本発明の目的に鑑みて、(a)土木資材や環境資材として実績があること、(b)重金属の溶出の問題が無いこと、(c)安価に入手できること、が求められる。これらを満たすものであれば特に制限は無いが、具体的な材料としては、珪石、石灰石、スラグ、ボトムアッシュなどの鉱物資源や副産物資源が挙げられる。また、重金属溶出量の少ないフライアッシュを厳選してフライアッシュ混合材料を製造し、これを粉砕したものを、無機質細粒分として利用することも可能である。重金属溶出の問題が無いことの目安として、無機質細粒分のホウ素含有量が200mg/kg以下、六価クロム含有量が2.5mg/kg以下であることが望ましい。無機質細粒分の添加量は、第四工程で除去された細粒分と同程度の量とすることが好ましい。
前述のように、第四工程で細粒分を取り除くことは、長期材齢における重金属、特に六価クロムの溶出を抑制するために必要である。しかし、細粒分を取り除いたままで土木資材や環境資材として実現場に適用すると、充填性が悪いために通気性や通水性が過大となり、炭酸化等による劣化を招き、長期的には固定化されたホウ素が再溶出する懸念がある。したがって、無害な無機質細粒分で分級点以下の粒群を補填し、充填性を確保することは、細粒分を取り除くことと同じく重要であり、これらを併せて実施することで長期材齢における重金属、特にホウ素と六価クロムの溶出抑制を実現できる。なお、フライアッシュ混合材料の粒度は、用途に応じて適切な粒度に調整しておくことが望ましく、例えば、土木資材として利用する場合は、2mmを超えて5mm以下の粒群が5質量%以上、2mm以下の粒群が10質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、2mmを超えて5mm以下の粒群が5質量%以上20質量%以下であり、2mm以下の粒群が10質量%以上30質量%以下であり、更に好ましくは、2mmを超えて5mm以下の粒群が7質量%以上15質量%以下、2mm以下の粒群が15質量%以上25質量%以下である。なお、5mmを超える粒群は50質量%以上85質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以上78質量%以下である。
(その他)
本発明の製造方法で製造されるフライアッシュ混合材料は、本発明の効果を阻害しない範囲で高炉スラグ、炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ドロマイトなどのマグネシウム化合物等が更に含まれていてもよい。
(重金属類溶出量の評価)
フライアッシュ混合材料の重金属類溶出量の評価は、実環境に即した条件下での長期にわたる重金属類溶出量測定によることが好ましい。具体的には、後述する散水型カラム試験によって評価することが好ましい。重金属類溶出量の一般的な評価方法としては、公定法である「平成3年環境庁告示第46号の溶出試験」やJIS K 0058−1「スラグ類の化学物質試験方法」」が知られているが、これらは短時間のバッチ試験であり、雨水の浸透や乾燥が繰り返される実環境での長期溶出特性を把握することが困難である。これに対し、散水型カラム試験は、カラム内が水に対して不飽和雰囲気となり、散水時と非散水時の乾湿繰返し条件で長期間の試験が可能であることが大きな特徴である。このような実環境条件では、前述のように長期的な炭酸化等による硬化物の劣化も考慮する必要があり、フライアッシュ混合材料の製造における各工程を緻密に設計することが求められる。
以下に、本発明について実施例及び比較例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔1.使用したフライアッシュの品質〕
フライアッシュとして、石炭火力発電所の電気集塵機で回収された試料を2種使用した。使用したフライアッシュの化学成分と、ホウ素及び六価クロムの溶出量を表1に示す。ここで、化学成分はJIS R 5202「セメントの化学分析方法」に準拠した方法で測定した。また、ホウ素及び六価クロムの溶出量は、平成3年環境庁告示第46号付表に準拠して溶出試験を行って得た検液を対象に、JIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して測定した値である。なお、表中の土壌環境基準は、平成3年環境庁告示第46号別表に記載の値である。
表1に示したとおり、使用したフライアッシュは、いずれもホウ素及び六価クロムの溶出量が土壌環境基準を超過しており、フライアッシュ単体で資材等に用いることが非常に困難であることが分かる。特にフライアッシュ2は、ホウ素及び六価クロムの溶出量が非常に多い試料である。
〔2.フライアッシュ混合材料の調製〕
(実施例1)
フライアッシュ1と、セメントとして高炉セメントB種(宇部三菱セメント社製)を原料中に8質量%、石灰として消石灰(宇部マテリアルズ社製、JIS特号)を5質量%、石膏として二水石膏(排煙脱硫石膏)を5質量%、及び還元剤として塩化第一鉄(タイキ薬品工業社製)を0.8質量%となるよう混合して原料とした。該原料と、該原料100質量部に対して27.2質量部の水とを、SKミキサー(エスケーミキサー社製、型番:SK20C)に投入して、280rpmで10分間混練した。
なお、フライアッシュ1のゆるめ嵩密度は0.872g/cmであり、この値を図4に示した式y=−54.524x+72.246のxに代入し、混錬水量y=24.7を得たことから、これを目安に水量不足とならないように水量を決定した。
次いで、スラリー化した混練物を、型枠となる長方形容器(幅25cm×長さ37cm×深さ10cm)に流し込み、容器に振動を加えて混練物を容器内に均一に充填して成形し、20℃で18時間1次養生して硬化させた。その後、容器から脱型し、ジョークラッシャー(吉田製作所社製、型番:1021−BN)で破砕した。破砕物を粒子径2mmの分級点で分級し、細粒分を除去した後、20℃で27日間の2次養生を行った。最後に、無機質微粉末としてクリンカアッシュ(宇部興産(株)自家発電所製)を添加して表2に示すように粒度を調整し、フライアッシュ混合材料を得た。
(比較例1)
分級及び無機質微粉末の添加を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてフライアッシュ混合材料を得た。
(比較例2)
無機質微粉末の添加を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてフライアッシュ混合材料を得た。
(実施例2)
フライアッシュ1の代わりにフライアッシュ2を用い、水量を24.5質量部とした以外は、実施例1と同様にしてフライアッシュ混合材料を得た。
なお、フライアッシュ2のゆるめ嵩密度は0.956g/cmであり、この値を図4に示した式y=−54.524x+72.246のxに代入し、混錬水量y=20.1を得たことから、これを目安に水量不足とならないように水量を24.5質量部に決定した。
(実施例3)
フライアッシュ1の代わりにフライアッシュ2を用い、分級点を5mmとした以外は、実施例1と同様にしてフライアッシュ混合材料を得た。
実施例1〜3および比較例1、2のフライアッシュ混合材料の粒度を表2に示す。
〔3.ホウ素及び六価クロムの溶出量の測定〕
調製したフライアッシュ混合材料について、以下に示した散水型カラム試験を行い、長期的なホウ素及び六価クロムの溶出量を測定した。浸出水のホウ素及び六価クロムの濃度は、JIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して測定した。
<散水型カラム試験>
円筒形のカラム(φ250mm、高さ300mm)にフライアッシュ混合材料を約11kg充填し充填高さ約200mm)、週に2回、散水速度0.15L/h、散水量3.84Lの条件で上部から散水し、カラムの底面から流出した浸出水の重金属濃度を測定し、フライアッシュ混合材料の質量に対する累積散水量の比(累積液固比)と重金属濃度との関係を作図した。結果を図1〜3に示した。
上記の散水型カラム試験は、実環境に即した長期の重金属溶出量の測定を目的としたものである。そのため、散水速度は、実環境における平均降水量が3mm/hであると仮定して算出したものである。また、散水量は、平均年間降水量が2000mmであると仮定し、1回あたりの散水が2週間分の降水量(概ね26回で1年分の降水量)に相当するように算出したものである。
フライアッシュ1を用いたフライアッシュ混合材料について、散水型カラム試験の結果を図1及び図2に示す。ここで、図中の横軸は累積液固比(L/S)を表し、縦軸は浸出水中の重金属濃度を表している。図より、浸出水中の重金属濃度はL/Sの増加とともに変化し、ある範囲で極大値を示すものや低い値で推移するものがあると分かる。すなわち、本試験のような評価を行うことで、長期的な重金属の溶出挙動や試料間の差が明確となり、最適なフライアッシュ混合材料の製造方法を判断できる。
具体的に各試料の溶出挙動を比較すると、比較例1は、初期には重金属の溶出があまりみられないものの、L/Sが2を超えると浸出水中の六価クロムの濃度が増加し、L/Sが5〜9の範囲で極大を示し、土壌環境基準を超過する。また、細粒分を除去した比較例2は、比較例1より六価クロムの溶出を抑えることができるものの、L/Sが10を超えると急激なホウ素の溶出が認められ、土壌環境基準を超過する。このことは、単に細粒分を除去する処理だけでは不十分であることを示している。一方、細粒分をクリンカアッシュで補填した実施例1は、L/Sの増加に伴うホウ素や六価クロムの溶出量の増加はほとんど認められない。
図1及び図2においてL/Sが20に達するまで(2年超分の降雨に相当)に、土壌環境基準を超えない場合を合格、超えた場合を不合格として、フライアッシュ混合材料の製造条件とともに表3に示す。これより、本発明の製造方法で得られるフライアッシュ混合材料は、長期にわたって重金属の溶出が抑えられていることが分かる。
次に、フライアッシュ2を用いたフライアッシュ混合材料について、炭酸化等による急激な溶出増加が懸念されるホウ素を対象に、散水型カラム試験でL/Sが18に達するまで(約2年分の降雨に相当)溶出量を測定した結果を図3に示す。また、前述と同様に、合否判定をフライアッシュ混合材料の調製条件とともに表4に示す。
フライアッシュ2は重金属溶出量が多い試料であるが、図3および表4からわかるように、分級点を2mmまたは5mmとして細粒分をクリンカアッシュで補填した実施例2および実施例3は、L/Sが増加してもホウ素の溶出量は土壌環境基準以下を維持し、長期にわたってホウ素の溶出を抑制できている。
以上のとおり、本発明によれば、高い生産性を確保しながら、重金属が溶出しやすいフライアッシュを選別することなく、長期にわたって重金属の溶出を抑制できるフライアッシュ混合材料を製造することができる。また、使用するフライアッシュの嵩密度を測定することによって、スラリー化に要する混練水量を簡便に見積もることができ、さらに生産性を向上できる。これにより、資源循環社会の構築へ貢献することができる。

Claims (3)

  1. 以下の工程を含むフライアッシュ混合材料の製造方法。
    (1)フライアッシュ、セメント、石灰、石膏及び還元剤を含む原料を、セメントの含有量が6質量%以上となるよう調合する第一工程。
    (2)調合後の前記原料に水を加えて混練し、混練物を型枠に流し込み成形する第二工程。
    (3)成形した混練物に対して1時間以上24時間以内の1次養生を行い、硬化体を得る第三工程。
    (4)脱型後の硬化体を破砕した後、1mm以上10mm以下の範囲で設定した分級点で破砕物を分級し、細粒分を除去する第四工程。
    (5)細粒分が除去された破砕物に対して1日以上28日以内の2次養生を行う第五工程。
    (6)第四工程で設定した分級点以下の粒子径である無機質細粒分を添加する第六工程。
  2. 前記第二工程において、フライアッシュの嵩密度と所要水量との関係式を予め求めておき、この関係式と使用するフライアッシュの嵩密度から決定された量の水を加える、請求項1に記載のフライアッシュ混合材料の製造方法。
  3. 前記第四工程において除去した細粒分を、第二工程において前記原料とともに混練する工程を更に含む、請求項1又は2に記載のフライアッシュ混合材料の製造方法。

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