JP2016047519A - 石炭灰中の重金属不溶化方法、及び重金属が不溶化された土工資材の製造方法 - Google Patents

石炭灰中の重金属不溶化方法、及び重金属が不溶化された土工資材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】石炭灰中の重金属の溶出を十分に抑制して、幅広い環境基準をも満たすことのできる重金属不溶化方法、及びかかる石炭灰を用いた土木資材の製造方法を提供する。
【解決手段】石炭灰に対し、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練することを特徴とする、石炭灰中の重金属不溶化方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、効果的に重金属を不溶化することのできる石炭灰中の重金属不溶化方法、及び重金属が不溶化された土工資材の製造方法に関する。
近年、日本国内におけるエネルギー政策等の影響もあり、火力発電所で発生する石炭灰は、今後益々増大することが予想される。かかる石炭灰は、セメント・クリンカの原料として処理することが可能ではあるものの、その処理量はセメント・クリンカ自体の需要に大きく左右されるため、安定して処理できる新たな用途が望まれる。
こうしたなか、石炭灰を盛土材や埋戻し材等の土木資材として活用することも考えられるが、石炭灰からは重金属が溶出する可能性があるため、これを抑制する必要がある。例えば、特許文献1では、石炭灰に造粒助剤や石灰等を添加して混合し、造粒した後、養生することにより、重金属の溶出が抑制された石炭灰造粒砂を得る技術が開示されている。
特許第4835359号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、造粒工程を介する方法であると、種々の環境基準を十分に満たす程度にまで、重金属の溶出を抑制できないおそれがあり、依然として更なる改善を要する状況下である。また、得られる造粒物の性状は、粉化や付着等、対象物や製造条件に左右されやすく、所望の造粒物を得るにあたり、製造管理に手間や人手を要する。さらに、造粒に用いる装置によっては、その保守管理にも労力を要する。
したがって、本発明の課題は、造粒することなく石炭灰中の重金属の溶出を十分に抑制して、幅広い環境基準をも満たすことのできる重金属不溶化方法、及びかかる石炭灰を用いた土木資材の製造方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、石炭灰に硫酸第一鉄と高炉セメントB種を添加し、さらに水を加えてスラリーにすることにより、効果的に重金属の溶出を抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、石炭灰に対し、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練することを特徴とする、石炭灰中の重金属不溶化方法を提供するものである。
また、本発明は、石炭灰に対し、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練した後、得られたスラリーを養生して粉砕することを特徴とする、土木資材の製造方法を提供するものである。
本発明の方法によれば、石炭灰中の重金属が溶出するのを効果的に抑制することができるので、種々の環境基準に合致させることも可能である。また、土木資材として十分に有効活用することもできるため、石炭灰の消費量増大に大いに寄与し得る。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の石炭灰中の重金属不溶化方法は、石炭灰に対し、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練することを特徴とする。
石炭灰は、火力発電所において、燃料である石炭が燃焼することにより生じる灰の一種である。かかる石炭灰は、燃焼方式等の相違により鉱物組成や化学組成等その性状も相違し、含まれる得る重金属の種類や量も多種多様である。
燃焼方式は、世界の石炭火力発電所で商業用に採用されているボイラの型式、すなわち微粉炭ボイラと流動床ボイラに応じて大別され、これによって生じる灰も微粉炭ボイラ灰と流動床ボイラ灰に大別される。
上記微粉炭ボイラは、バーナによって中位径数十μmの微粉炭を空気とともに噴出して燃焼させる微粉炭燃焼方式を採用するものであり、ボイラ設備の大型化も可能である。かかる方式は、燃焼性に優れ、かつ過剰空気の低減が容易であることから、微粉炭ボイラ灰中の未燃カーボン(ig.loss)は少ないという特徴を有している。
各種微粉炭ボイラ灰(No.1〜19)の性状を表1に示す。
Figure 2016047519
上記流動層ボイラは、気流により浮遊・流動化している石灰石や珪砂等の層に粒状の石炭を投入して燃焼させる方式を採用するものであり、炉内の伝熱性が良好でボイラ設備の小型化が可能である。また燃料及び水と混ぜてスラリー状にした脱流用石灰石を炉内に投入すれば、脱硫効率の高い炉内脱硫も可能である。かかる流動層ボイラは、さらに常圧流動層ボイラ(CFBC)と加圧流動層ボイラ(PFBC)に大別され、これによって生じる灰も常圧流動層ボイラ灰(CFBC灰)と加圧流動層ボイラ灰(PFBC灰)に大別される。
PFBCは、加圧器内に流動層ボイラを収納しており、高温・高圧の蒸気により蒸気タービン、そしてボイラ排ガスによりガスタービンを回すコンバインド方式を採用しているため、高い発電効率が得られる。また、燃料を加圧下で燃焼させることで、燃焼速度を上げて燃焼効率を高めることができる。そのため、PFBC灰中の未燃カーボン(ig.loss)は少ないという特徴を有している。
CFBCは、一般的にボイラ本体とサイクロンによって構成されており、炉内ガス流速が4〜8m/秒と速い上、排ガス中にある石灰石粉を含む流動媒体やチャーは、サイクロンにより捕捉されて、ボイラ本体に戻されるという循環方式を採用しているため、ボイラ内の流動層厚さの維持や脱硫効率の向上を図ることができる。また、燃料をボイラ内で循環させることで効果的に燃焼時間の延長化を図ることもできるので、低品位炭やバイオマス、灰タイヤ等も燃焼させることが可能である。ただし、燃焼性の低いものを用いると、CFBC灰中の未燃カーボン(ig.loss)が多くなる傾向にある。
各種PFBC灰(PFBC灰A、PFBC灰B)とCFBC灰(CFBC灰A)の性状を表2に示す。
Figure 2016047519
表1〜2の例示からも明らかなように、燃焼効率の良い微粉炭ボイラ灰と、流動床ボイラ灰のうちのPFBC灰は、未燃カーボンが少ないのに対し、流動床ボイラ灰のうちのCFBC灰は、未燃カーボンが多いという傾向を有している。
石炭灰に含まれる得る重金属重金属としては、第2種特定有害物質とされるホウ素(B)、六価クロム(Cr+6)、ヒ素(As)、フッ素(F)、セレン(Se)等が挙げられる。これら重金属は、種々の環境基準、例えば財団法人石炭エネルギーセンターから提案されている港湾用途の材料の溶出基準(以降、港湾基準とする)や土壌環境基準により、その量が制限されている。
例えば、表2に示したPFBC灰(PFBC灰A、PFBC灰B)とCFBC灰(CFBC灰A)における各種重金属の溶出量を表3に示す。
Figure 2016047519
港湾基準では、港湾で使用する設備或いはその周辺において、地下水の飲用は想定外であること、また港湾に隣接する海域には水質環境基準が適用されないことが考慮されており、ホウ素及びフッ素については土壌環境基準値の20倍、その他の重金属については土壌環境基準値の3倍の値が規定されている。一方、土壌環境基準では、地下水等の飲用としての利用への影響を考慮し、港湾基準値よりもより厳しい値が規定されている。本発明の方法によれば、かかる港湾基準、或いは港湾基準及び土壌環境基準の双方を満たすことができる。
本発明において、石炭灰に添加する硫酸第一鉄(FeSO4)としては、無水和物、一水和物、七水和物が挙げられ、市販のものを用いることもできる。そのなかでも重金属の溶出を効果的に抑制する観点から、硫酸第一鉄一水和物が好ましく、さらに顆粒状であることが好ましい。かかる硫酸第一鉄の添加量は、石炭灰100質量部に対し、硫酸鉄(FeSO4)換算値で、好ましくは1〜5質量部であり、より好ましくは1〜1.5質量部である。
本発明において、石炭灰に添加する高炉セメントB種とは、普通ポルトランドセメントと高炉スラグの混合物であり、市販のものを用いることもできる。かかる高炉セメントB種の添加量は、石炭灰100質量部に対し、好ましくは3〜15質量部であり、より好ましくは4〜13質量部である。また、石炭灰として微粉炭ボイラ灰を用いる際における高炉セメントB種の添加量は、かかる石炭灰100質量部に対し、好ましくは7〜15質量部であり、より好ましくは10〜13質量部である。さらに、石炭灰としてCFCB灰を用いる際における高炉セメントB種の添加量は、かかる石炭灰100質量部に対し、好ましくは3〜8質量部であり、より好ましくは4〜6質量部である。このように、未燃カーボンの少ない微粉炭ボイラ灰やPFBC灰より、高炉セメントの量を低減しても重金属の溶出を抑えることができるので、石炭灰としてCFCB灰を用いるのが好ましい。
石炭灰に対して上記硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加する際、さらに消石灰(Ca(OH)2)を添加することもできる。これにより、Ca源として生石灰(CaO)を用いたときに比べ、石炭灰中の重金属の溶出をより効果的に抑制することができるとともに、より厳しい環境基準を満たすことも可能となる。かかる消石灰を用いる場合、その添加量は、石炭灰100質量部に対し、好ましくは1〜8質量部であり、より好ましくは2〜7質量部である。また、石炭灰として微粉炭ボイラ灰を用いる際における消石灰の添加量は、かかる石炭灰100質量部に対し、好ましくは3〜8質量部であり、より好ましくは4〜7質量部である。さらに、石炭灰としてCFCB灰を用いる際における消石灰の添加量は、かかる石炭灰100質量部に対し、好ましくは1〜5質量部であり、より好ましくは2〜4質量部である。このように、未燃カーボンの少ない微粉炭ボイラ灰やPFBC灰より、消石灰の量を低減しても重金属の溶出を抑えることができるので、石炭灰としてCFCB灰を用いるのが好ましい。なお、本発明では、体積膨張作用が生じることにより土工資材としての使用に悪影響を及ぼさないようにする観点からも、生石灰(CaO)は添加しない。
本発明では、石炭灰に硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、さらに必要に応じて消石灰を添加した後、さらにスラリー化する量の水を添加して混練する。これにより、石炭灰、硫酸第一鉄及び高炉セメントを含有し、或いはさらに消石灰を含有するスラリーを得ることができ、これらを造粒化(砂礫化)する場合よりも、厳しい環境基準に耐えうる重金属の溶出抑制効果を発揮することができる。また、各成分の分散性を高め、重金属の溶出抑制効果のさらなる向上を図る観点から、水を添加する前に、上記石炭灰、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種等を予め混合しておくのが望ましい。
スラリー化とは、JIS R 5201セメントの物理試験方法に定める凝結試験方法に準じてパドルミキサー、練り鉢、ビカー針装置を用いて試験を行い、標準軟度棒の先端がセメントペースト中に30mm以上降下する状態を意味する。
なお、スラリー化するために添加する水の量は、硫酸第一鉄等その他の成分に含有され得る水は含まず、石炭灰や硫酸第一鉄等の混合物へ新たに添加する水(H2O)単体としての量を意味する。
スラリー化する量の水の具体的な添加量は、用いる石炭灰の性状等により大きく変動し得るが、例えば石炭灰、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種の総量100質量部、或いは消石灰を用いる場合にはさらに消石灰を加えた総量100質量部に対し、例えば石炭灰、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種の総量100質量部、或いは消石灰を用いる場合にはさらに消石灰を加えた総量100質量部に対し、好ましくは20〜50質量部であり、より好ましくは25〜45質量部である。さらに、石炭灰としてCFCB灰を用いる際における水の添加量は、例えば石炭灰、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種の総量100質量部、或いは消石灰を用いる場合にはさらに消石灰を加えた総量100質量部に対し、好ましくは60〜100質量部であり、より好ましくは70〜85質量部である。スラリー化する水の添加量が20質量部以下ではスラリー化することができず、50質量部以上では得られる土工資材の強度が十分でない場合がある。
BETの値からも明らかなように、粒子表面積が微粉炭ボイラ灰やPFBC灰より大きく、水和反応に関わる領域をより広く確保することができることから、石炭灰としてCFCB灰を用いるのが好ましい。
スラリーのpHは、重金属の溶出を効果的に抑制する観点から、好ましくは10.5〜13.0であり、より好ましくは11.1〜12.8である。
石炭灰には、上記成分のほか、本発明の効果を阻害しない範囲内で、石膏、多硫化カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、粉末硫黄、硫黄含有化合物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等を適宜添加してもよい。
スラリー化する量の水を添加した後、混練する。混練には、例えばホバートミキサー、モルタルミキサー、ハイロータリーミキサー等種々の装置を用いることができ、バッチ式であってもよく、連続式であってもよい。混練時間としては、好ましくは1〜10分であり、より好ましくは2〜5分である。
こうして得られたスラリーは、石炭灰中の重金属が溶出するのを効果的に抑制されてなり、例えば、後述する土木資材の原料としても有効活用することができる。
すなわち、本発明の土木資材の製造方法は、石炭灰に対し、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、或いは必要に応じてさらに消石灰を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練した後、得られたスラリーを養生して粉砕する。スラリー化する量の水を添加して混練する工程までは、上述の方法と同様であり、混練した後、得られたスラリーを養生して粉砕することにより、重金属の溶出が効果的に抑制された土木資材を製造することができる。養生期間としては、好ましくは2日以上であり、より好ましくは3日以上であり、さらに好ましくは5日以上である。また、養生する際の温度は、大気温度であればよく、具体的には、例えば0〜40℃であればよい。
粉砕には、インパクトクラッシャーやハンマークラッシャー等の粉砕機を用いることができる。粉砕後の粒度は、篩分け等により調整するのが望ましく、盛土や埋め戻し材等として好適に用いる観点から、好ましくは0.1〜100mmである。
本発明の製造方法により得られる土木資材は、例えば、盛土や埋め戻し材等として用いることができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜16]
表1及び表4に示す性状を有する各石炭灰を用いた。なお、石炭灰の各重金属の含有量は、環境省告示19号法により測定した。
これら各石炭灰100質量部に、FeSO4・H2O(Dタイプ)(顆粒状、富士チタン工業社製)1.19質量部、高炉セメントB種(BB) 11.9質量部を添加して袋混合し、ホバートミキサーに投入した。次いで、これら混合物全量100質量部に対し、表5に示す量の水を添加して3分間混練した後、得られたスラリーをポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。このとき、凝結試験方法(JIS R 5201)による標準軟度が30〜32mmであることを確認した。養生終了後、風乾させて各試料を得て、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表5に示すとともに、土壌環境基準、及び港湾基準の各重金属の溶出量基準値を表6に示す。
[比較例1〜16]
FeSO4・H2O、及び高炉セメントB種の混合物全量100質量部に対し、表5に示す量の水を添加して3分間混練することによって砂礫状とした以外、実施例1と同様にして各試料を得て、各重金属の溶出試験を行った。
結果を表5に示す。
Figure 2016047519
Figure 2016047519
Figure 2016047519
表5の結果から明らかなように、実施例1〜16は、同じ石炭灰を用いた各々の比較例1〜16に比して、全ての重金属の溶出量が港湾基準を満たすことができ、なかでも実施例1〜2、4〜6、9、12〜14は、さらに土壌環境基準をも満たすことができた。また、重金属のなかでも特に六価クロムについては、各々の比較例に比して実施例における溶出抑制効果が顕著であった。
[実施例17〜35]
石炭灰100質量部に、FeSO4・H2O(Dタイプ)(顆粒状、富士チタン工業社製)1.19質量部、高炉セメントB種(BB) 11.9質量部、Ca(OH)2 5.95質量部を添加して袋混合し、ホバートミキサーに投入した。次いで、これら混合物全量100質量部に対し、表7に示す量の水を添加して3分間混練した後、得られたスラリーをポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。養生終了後、風乾させて各試料を得て、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。このとき、凝結試験方法(JIS R 5201)による標準軟度が30〜32mmであることを確認した。
結果を表7に示す。
[比較例17]
Ca(OH)2 5.95質量部を添加する代わりに、CaO 3.49質量部を添加した以外、実施例18(石炭灰試料No.2使用)と同様にして各試料を得て、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
実施例18を含め、結果を表8に示す。
Figure 2016047519
Figure 2016047519
表7〜8の結果より、消石灰を用いる本発明の方法によれば、重金属の溶出を効果的に抑制して土壌基準をも満たすことがわかる。特に表8に示すように、最も重金属の総溶出量の多い石炭灰を用いた場合であっても、実施例18は、生石灰を用いた比較例17よりも、良好に重金属の溶出を抑制できる。
[実施例36〜37]
実施例36ではスラリーの養生期間を3日間、実施例37では6ヶ月とした以外、実施例18と同様にして試料を得て、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
実施例18を含め、結果を表9に示す。
Figure 2016047519
表9の結果より、長時間経過しても重金属の溶出抑制効果を良好に保持できることがわかる。
[実施例38〜40]
石炭灰として、上記表2及び表3に示す性状を有する各PFBC灰(PFBC灰A、PFBC灰B)及びCFBC灰(CFBC灰A)を用いた。PFBC灰については、石炭灰100質量部に、FeSO4・H2O(Dタイプ)1.19質量部、高炉セメントB種(BB)11.9質量部、Ca(OH)2 5.95質量部を添加して袋混合し、またCFBC灰については、石炭灰100質量部に、FeSO4・H2O(Dタイプ)1質量部、高炉セメントB種(BB)5質量部、Ca(OH)2 3質量部を添加して袋混合し、各々ホバートミキサーに投入した以外、実施例1と同様にして各重金属の溶出試験を行った。
結果を表10に示す。
Figure 2016047519

Claims (8)

  1. 石炭灰に対し、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練することを特徴とする、石炭灰中の重金属不溶化方法。
  2. 石炭灰に対し、硫酸第一鉄、高炉セメントB種及び消石灰を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練することを特徴とする、石炭灰中の重金属不溶化方法。
  3. 石炭灰が、微粉炭ボイラ灰、常圧流動層ボイラ灰、及び加圧流動層ボイラ灰から選ばれる請求項1又は2に記載の石炭灰中の重金属不溶化方法。
  4. 石炭灰が、常圧流動層ボイラ灰である請求項1又は2に記載の石炭灰中の重金属不溶化方法。
  5. 石炭灰に対し、硫酸第一鉄及び高炉セメントB種を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練した後、得られたスラリーを養生して粉砕することを特徴とする、土木資材の製造方法。
  6. 石炭灰に対し、硫酸第一鉄、高炉セメントB種及び消石灰を添加し、さらにスラリー化する量の水を添加して混練した後、得られたスラリーを養生して粉砕することを特徴とする、土木資材の製造方法。
  7. 石炭灰が、微粉炭ボイラ灰、常圧流動層ボイラ灰、及び加圧流動層ボイラ灰から選ばれる請求項5又は6に記載の土木資材の製造方法。
  8. 石炭灰が、常圧流動層ボイラ灰である請求項5又は6に記載の土木資材の製造方法。
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