JP2017136557A - 土木資材の製造方法 - Google Patents

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片岡 誠
Makoto Kataoka
誠 片岡
本間 健一
Kenichi Honma
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Abstract

【課題】汎用性の高い微粉炭ボイラの飛灰を用いつつ、効果的に重金属の溶出が抑制されてなる、土木資材の製造方法を提供する。【解決手段】賦形剤以外の添加剤を用いることなく微粉炭ボイラの飛灰を10mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成し、得られた焼成物に水とともにセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種以上を添加し、次いで養生することを特徴とする、土木資材の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、重金属が効果的に不溶化されてなる土木資材の製造方法に関する。
近年、日本国内におけるエネルギー政策等の影響もあり、火力発電所で発生する石炭灰は、今後益々増大することが予想される。かかる石炭灰は、セメント・クリンカの原料として処理することが可能ではあるものの、その処理量はセメント・クリンカ自体の需要に大きく左右されるため、安定して処理できる新たな用途が望まれる。こうした石炭灰や焼却灰等の廃棄物には重金属が含まれている可能性が高いため、これら廃棄物を有効活用すべく、従来より廃棄物からの重金属の溶出を抑制して無害化を図る種々の技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、廃棄物と、酸化鉄等の鉄系材料との混合物を、還元剤の存在下で加熱する技術が開示されている。また、特許文献2には、焼却灰を特定のアルカリ性物質の存在下、酸素含有率の異なるガス媒体と接触させながら異なる温度域で処理する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、粉砕装置を用いて廃棄物を粉砕し、これを低酸素状態で焼成する技術が開示されている。
一方、石炭灰は、石炭の燃焼過程や燃焼方式等によっても、また回収される位置によっても、外観や粒子形状のみならず鉱物組成や化学組成等その性状は多種多様であるため、土木資材の材料として用いる石炭灰の性状に適した、重金属を有効に不溶化する技術も検討する必要がある。
国際公開第1996/005002号 特許第3676768号公報 特開2006−207909号公報
しかしながら、特許文献1〜2のように、還元剤やアルカリ性物質等の特定の剤を添加する方法では、重金属を揮発除去させるので、排ガス処理装置が必要となるなど処理工程の簡略化や低廉化を十分に図ることができず、また特許文献3のように粉砕処理や特定の雰囲気下での焼成処理を施しても、効果的に重金属の溶出を抑制できないおそれがある。そのため、土木資材を得るにあたり、石炭灰のなかでも汎用性の高い微粉炭ボイラの飛灰を用いた場合、上記文献に記載の技術を採用したところで、多種類に亘り存在し得る重金属が溶出するのを十分に抑制できないおそれがあるとともに、不溶化剤等の添加剤を多量に用いることを余儀なくされるおそれもある。
したがって、本発明の課題は、汎用性の高い微粉炭ボイラの飛灰を用いつつ、効果的に重金属の溶出が抑制されてなる、土木資材の製造方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、賦形剤以外の添加剤を要することなく微粉炭ボイラの飛灰を用い、ある一定以上の厚さの層を形成した後、これを特定の温度で焼成し、得られた焼成物に特定の処理を施すことにより、重金属が効果的に不溶化されてなる土木資材が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、賦形剤以外の添加剤を用いることなく微粉炭ボイラの飛灰を10mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成し、得られた焼成物に水とともにセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種以上を添加し、次いで養生することを特徴とする、土木資材の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、微粉炭ボイラの飛灰にセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種以上を添加して10mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成し、得られた焼成物に水を添加し、次いで養生することを特徴とする、土木資材の製造方法を提供するものである。
本発明の土木資材の製造方法によれば、微粉炭ボイラの飛灰を用いつつ、重金属が溶出するのを効果的に低減されてなる土木資材を製造することができる。また、不溶化剤の使用量を削減することも可能であるだけでなく、造粒工程や粉砕工程を介する必要もなく、簡易かつ有用性の高い製造方法を実現することできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の土木資材の製造方法は、賦形剤以外の添加剤を用いることなく微粉炭ボイラの飛灰を10mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成し、得られた焼成物に水とともにセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種以上を添加し、次いで養生することを特徴とする。
石炭灰は、火力発電所において、燃料である石炭が燃焼することにより生じる灰の一種であり、一般に石炭灰における外観や物理的・化学的性質等の性状、及び含まれる得る重金属の種類や量は、燃焼方式等の相違により相違する。燃焼方式は、世界の石炭火力発電所で商業用に採用されているボイラの型式、すなわち微粉炭ボイラと流動床ボイラに応じて大別されるが、本発明では、微粉炭ボイラによって生じる灰である微粉炭ボイラの飛灰(フライアッシュ)を用いる。すなわち、本発明では、かかる微粉炭ボイラの飛灰を土木資材の材料として用いるものである。
上記微粉炭ボイラは、バーナによって中位径数十μmの微粉炭を空気とともに噴出して燃焼させる微粉炭燃焼方式を採用するものであり、ボイラ設備の大型化も可能である。かかる方式は、燃焼性に優れ、かつ過剰空気の低減が容易であることから、微粉炭ボイラの飛灰中の未燃カーボン(ig.loss)は少ないという特徴を有しており、土木資材の材料として汎用性の高い材料である。
微粉炭ボイラの飛灰に含まれ得る重金属としては、第2種特定有害物質とされるホウ素(B)、六価クロム(Cr+6)、ヒ素(As)、フッ素(F)、セレン(Se)等が挙げられる。これら重金属は、種々の環境基準、例えば土壌の汚染に係る環境基準(以降、「土壌環境基準」とする)や、2011年に策定された、コンクリート用及び道路用のスラグ類のJISへ環境安全品質及びその検査方法を導入するための指針の付録である、『コンクリート用スラグ骨材に環境安全品質及びその検査方法を導入するための指針』に示す環境安全品質基準(港湾用途に限る)(以降、「港湾基準」とする)により、その量が制限されており、土壌環境基準では、地下水等の飲用としての利用への影響を考慮し、港湾基準値よりもより厳しい値が規定されている。微粉炭ボイラの飛灰は、ホウ素(B)、六価クロム(Cr+6)、ヒ素(As)、フッ素(F)、セレン(Se)の含有量がこれらの溶出基準を超過する場合が多く、本発明の製造方法により得られる土木資材において、いずれの含有量も低減することが可能ではあるが、なかでもより効果的に含有量を低減することができる重金属として、ホウ素(B)、セレン(Se)、フッ素(F)が挙げられる。
微粉炭ボイラの飛灰を層状にする際は、かかる微粉炭ボイラの飛灰を適宜、例えばトンネル炉で使用する搬送コンベア等の容器に充填した後、ブラシ或いは均し道具等を用いて手動で所望の厚さにすることができる。また、微粉炭ボイラの飛灰を容器に充填する前又は充填する際に、かかる微粉炭ボイラの飛灰を混練してもよい。
ただし、微粉炭ボイラの飛灰を容器に充填して層を形成する際、賦形剤以外の添加剤は使用しない。これにより、不要な生成物が生じるのを抑制しつつ、得られる土木資材において重金属の不溶化を効果的に促進させることができる。かかる賦形剤以外の添加剤としては、具体的には、例えば、鉄粉、硫酸塩、酸化カルシウム(水酸化カルシウム)、酸化マグネシウム等の不溶化剤;木くず燃料や炭化物等の可燃物、キレート、粘土等の吸着剤等が挙げられる。
このように、本発明では、微粉炭ボイラの飛灰の層を形成する際、造粒や成型を行うことなく、粉体のまま後述する所定の厚さを有する充填物にすることができる。この段階で、すなわち焼成に付する前に造粒や成型を行うと、通常硬化が進行して焼成後に粉砕を要することとなる。しかしながら、本発明では、焼成前にこうした造粒や成形を行うことなく、過度に硬化が進行することもないので、焼成後に得られる結果物を粉砕することなく、そのまま水で混練することができる。
なお、後述するように、微粉炭ボイラの飛灰を用いて効率的に重金属が不溶化されてなる土木資材を製造する観点から、予め微粉炭ボイラの飛灰に固化材としてセメントを配合して層を形成してもよい。ただし、セメントを配合する場合には、水を添加せず、水和してセメントが消失したり、加熱時に爆裂又は粉状化したりすることを防止する。すなわち、本発明において添加剤とは、賦形剤を包含しない意味であるほか、かかるセメントのような固化材を包含しない意味でもある。
得られる充填物の層の厚さは、用いる微粉炭ボイラの飛灰の性状によっても変動し得るが、得られる土木資材において効果的に重金属を不溶化させる観点から、10mm以上であり、好ましくは15〜300mmであり、より好ましくは25〜100mmである。
なお、これらの層の厚さは、ノギスやメジャーにより測定される値を意味する。
次いで、得られた層状の充填物を700〜1100℃の温度で焼成する。これにより、微粉炭ボイラの飛灰に含まれ得る炭素源が、層状の充填物内で封じ込められたまま焼成されるので、得られる土木資材における重金属の不溶化を効果的に促進させることができるものと考えられる。また、焼成温度が800〜1100℃、より好ましくは800〜1000℃であり、さらに好ましくは850〜950℃であれば、土木資材における重金属の溶出量を効果的に低減することができる。加えて、焼成温度が1100℃を超えると、焼成物が硬くなり、後述のセメントや不溶化剤の混練が困難となったり、予め微粉炭ボイラの飛灰にセメントを混合した場合はセメントが焼結反応して消失したりするおそれがある。
より好ましい焼成温度としては、微粉炭ボイラの飛灰の性状や不溶化の対象である重金属の種類によっても変動し得るが、例えば、かかる重金属がセレン(Se)である場合、焼成温度は、好ましくは800〜1000℃であり、より好ましくは850〜1000℃である。重金属が六価クロム(Cr+6)である場合、焼成温度は、好ましくは700〜1000℃であり、より好ましくは700〜900℃である。重金属がフッ素(F)である場合、焼成温度は、好ましくは900〜1100℃であり、より好ましくは1000〜1100℃である。重金属がヒ素(As)である場合、焼成温度は、好ましくは700〜1000℃であり、より好ましくは800〜950℃である。重金属がホウ素(B)である場合、焼成温度は、好ましくは700〜1000℃であり、より好ましくは750〜950℃である。
焼成時間は、上記焼成温度によっても変動し得るが、好ましくは0.25〜4時間であり、より好ましくは0.5〜2時間である。また、得られる焼成物は、焼成によって過度に硬化が進行することがないため、後述する水やセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種を添加するにあたり、予め粉砕又は解砕することなくそのまま用いることができ、製造工程の簡略化を図ることが可能である。
焼成雰囲気は、大気雰囲気であればよく、真空、Arガス等の不活性ガス等を用いることもできる。焼成装置としては、加圧する必要がないため、種々の大気雰囲気炉を用いることができ、例えばマッフル炉、トンネル炉を用いることもできる。
本発明の土木資材の製造方法では、上記得られた焼成物に、水とともに、セメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種を添加、混練してスラリー化し、次いで養生する。または、得られた焼成物を、水とともに、セメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種を添加、混練して塊状化し、次いで養生する。上述したように、予め微粉炭ボイラの飛灰にセメントを配合して、セメントや非水溶性の不溶化剤を焼成後に添加する必要がない場合は、得られた焼成物に不溶化剤の水溶液を添加すればよく、セメントの混合を省略して、さらなる簡略化を図ることもできる。焼成物への水の添加量は、用いた微粉炭ボイラの飛灰の性状や焼成条件、混練条件によっても変動し得るが、焼成物100質量部に対し、好ましくは20〜140質量部であり、より好ましくは50〜120質量部である。養生期間としては、好ましくは1日以上であり、より好ましくは3日以上であり、さらに好ましくは7日以上である。また、養生する際の温度は、大気温度であればよく、具体的には、例えば0〜40℃であればよい。
なお、上記得られた養生物は、所望の土木資材の用途に応じ、予め粉砕又は解砕するのが好ましい。粉砕又は解砕されてなる土工資材の粒度は、好ましくは0.1〜100mmであり、より好ましくは1〜50mmである。
用い得る水としては、特に限定されず、水道水、下水処理水、及び生コンクリートの上澄水等が挙げられる。
養生物の環境省告示18号法によるpHは、得られる土木資材における重金属の溶出を効果的に抑制する観点から、好ましくは10.5〜13.0であり、より好ましくは11.6〜12.8である。
用い得るセメントとしては、特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、白色セメント、及びエコセメント等が挙げられる。なかでも、得られる土木資材において、効果的に重金属の不溶化を図る観点から、高炉セメントが好ましい。
用い得る不溶化剤としては、還元剤や吸着剤等が挙げられる。上記得られた焼成物は、適度に重金属溶出量が低減されたものではあるが、さらに得られる土木資材において、特定の重金属につき、有効かつ効果的に不溶化させたい場合に不溶化剤を用いてもよい。かかる還元剤としては、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)等の鉄(II)塩;チオ硫酸ナトリウム、鉄粉等が挙げられる。吸着剤としては、Ca(OH)2やCaCO3や石膏等のカルシウム系物質;ゼオライト、シュベルマナイトや粘土鉱物;Mg−Al系やMg−Fe系等のハイドロタルサイト化合物のような層状複水酸化物;Ca−Al系水酸化物やエトリンガイトやモノサルフェート等のCa−Al系化合物;酸化鉄(ヘマタイト)や酸化ビスマス等の含水酸化物;水酸化マグネシウムや軽焼マグネシウム、焼成ドロマイト、酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物;硫化鉄や鉄粉やシュベルマナイトやFe(OH)2等の鉄化合物;酸化ケイ素や酸化アルミニウムや酸化鉄等の混合物又は焼成物;セリウムや希土類元素を含む化合物が挙げられる。また、化学変化による不溶化を起こす物質として、リン酸水素カルシウム二水和物が挙げられる。
また、得られる土木資材において、より不溶化を図ろうとする重金属の種類に応じ、上記不溶化剤やセメントの種類を適宜選択して用いるのも効果的である。例えば、不溶化を図ろうとする重金属がフッ素(F)である場合、不溶化剤としてCa(OH)2やリン酸水素カルシウム二水和物、酸化マグネシウム、各種セメント、各種鉄鋼スラグを添加すればよい。不溶化を図ろうとする重金属がセレン(Se)である場合、不溶化剤としてCa(OH)2を用い、かつセメントとして高炉セメントB種を用いて、これらを併せて添加するのが好ましい。不溶化を図ろうとする重金属が六価クロム(Cr+6)である場合、不溶化剤としてFeSO4・H2Oや各種鉄鋼スラグ、或いはセメントとして高炉セメントB種を添加するのが好ましく、少なくとも高炉セメントB種を添加するのがより好ましい。不溶化を図ろうとする重金属がヒ素(As)である場合、不溶化剤としてFeSO4・H2OやCa(OH)2、酸化マグネシウムを用い、かつセメントとして高炉セメントB種を用いて、これらを併せて添加するのが好ましい。不溶化を図ろうとする重金属がホウ素(B)である場合、セメントとして高炉セメントB種を用いるのが好ましい。
これらセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種の焼成物への合計添加量は、用いた微粉炭ボイラの飛灰の性状や焼成条件、混練条件によっても変動し得るが、焼成物100質量部に対し、好ましくは1〜10質量部であり、より好ましくは2〜9質量部であり、さらに好ましくは3〜8質量部である。このように、本発明の土木資材の製造方法では、添加するセメントや不溶化剤の種類や量を大幅に低減することができる。セメントは1100℃までの焼成温度であれば、ほとんど反応せず形態を変えないので、セメントを焼成前に混合しても、焼成後に混合するときと同様に不溶化剤の種類や量を大幅に低減することができる。また、セメントは不溶化剤であると同時に固化材としても寄与するので、より強固な土工資材を得ることが可能となる。
上記水、セメント、及び不溶化剤のほか、さらにその他の成分として、ポリカルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸、及びこれらの塩等の減水剤;収縮低減剤、白華防止剤、アルカリ反応促進剤(例えば水ガラス、苛性ソーダ)、および硬化促進剤等のコンクリート用混和剤;シリカフューム、石灰石粉末、およびシリカ質粉末等のコンクリート用混和材を添加することもできる。
上記成分を添加、混練するにあたり、混練装置や混練方法は特に限定されず、慣用の装置や方法を用いることができる。また、塊状化する装置は、回転皿型造粒機やロールプレス機、押出成型機、アイリッヒミキサーやプローシェアーミキサー等が使用でき、粉砕装置や解砕装置は特に限定されず、慣用の装置や方法を用いることができる。さらに、養生方法も特に限定されず、湿空養生、水中養生、及び蒸気養生等を適宜用いることができる。次いで、必要に応じて風乾させ、所望の土木資材を得ることができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1:焼成物Aの製造]
表1〜2に示す性状の微粉炭ボイラの飛灰(試料1)を用いた。強熱原料は26%、CaO含有量は9.5%、SO3含有量は3.5%であった。なお、フライアッシュにおける各重金属の含有量は、環境省告示19号法により測定した。
かかる微粉炭ボイラの飛灰をステンレス製バットに充填し、手作業により、厚さ30mmの層を形成し、これをマッフル炉により950℃の温度で1時間焼成し、焼成物Aを得た。得られた焼成物Aについて、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
土壌環境基準の各重金属の溶出量基準値とともに、結果を表3に示す。
[製造例2:焼成物Bの製造]
微粉炭ボイラの飛灰として試料2を用いた以外、製造例1と同様にして、焼成物Bを得た。得られた焼成物Bについて、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験の結果を表3に示す。
[製造例3:焼成物Cの製造]
微粉炭ボイラの飛灰として試料3を用いた以外、製造例1と同様にして、焼成物Cを得た。得られた焼成物Cについて、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験の結果を表3に示す。
[製造例4:焼成物Dの製造]
焼成温度を900℃とした以外、製造例3と同様にして、焼成物Dを得た。得られた焼成物Cについて、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験の結果を表3に示す。
[製造例5:焼成物Eの製造]
焼成温度を1000℃とした以外、製造例3と同様にして、焼成物Eを得た。得られた焼成物Cについて、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験の結果を表3に示す。
[参考製造例1:焼成物xの製造]
微粉炭ボイラの飛灰(試料1)を用いて形成した層の厚さを5mmとした以外、製造例1と同様にして、焼成物xを得た。得られた焼成物xについて、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験(但し、Cr6+及びAsのみ)の結果を表3に示す。
[参考製造例2:焼成物yの製造]
微粉炭ボイラの飛灰(試料2)を用いて形成した層の厚さを5mmとした以外、製造例1と同様にして、焼成物yを得た。得られた焼成物yについて、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験(但し、Cr6+及びAsのみ)の結果を表3に示す。
[参考製造例3:焼成物zの製造]
微粉炭ボイラの飛灰(試料3)を用いて形成した層の厚さを5mmとした以外、製造例1と同様にして、焼成物zを得た。得られた焼成物yについて、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験(但し、Cr6+及びAsのみ)の結果を表3に示す。
Figure 2017136557
Figure 2017136557
Figure 2017136557
上記表1〜3の結果より、微粉炭ボイラの飛灰を用いて形成した層の厚さを10mm以上とした焼成物A〜Eは、かかる層を10mmに満たない厚さとした焼成物x〜zに比して、すでに数種の重金属の溶出が抑制されていることがわかる。
[実施例1]
製造例1で得られた焼成物A100質量部に対し、水52質量部、及び普通ポルトランドセメント5.26質量部を添加して3分間混練した後、得られた塊状物をポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。養生終了後、風乾させて試料を得て、そのまま環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
[実施例2]
焼成物A100質量部に対し、水52質量部、及び高炉セメントB種5.26質量部を添加した以外、実施例1と同様にして試料を得た後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
[実施例3]
焼成物A100質量部に対し、水54質量部、及び高炉セメント5.32質量部、及びFeSO4・H2O1.06質量部を添加した以外、実施例1と同様にして試料を得た後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
[実施例4]
製造例2で得られた焼成物Bを用いた以外、実施例1と同様にして試料を得た後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
[実施例5]
製造例2で得られた焼成物Bを用いた以外、実施例2と同様にして試料を得た後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
[実施例6]
製造例3で得られた焼成物Cを用いた以外、実施例1と同様にして試料を得た後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
[実施例7]
製造例3で得られた焼成物Cを用いた以外、実施例2と同様にして試料を得た後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
[比較例1]
試料2の微粉炭ボイラの飛灰を焼成することなくそのまま用い、かかる微粉炭ボイラの飛灰100質量部に対し、水39.3質量部、FeSO4・2H2O1.12質量部、及び高炉セメントB種11.24質量部を添加して3分間混練した後、得られた塊状物をポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。その後、実施例1と同様にして試料を得た後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
[比較例2]
試料2の微粉炭ボイラの飛灰を焼成することなくそのまま用い、かかる微粉炭ボイラの飛灰100質量部に対し、水41.7質量部、FeSO4・2H2O1.19質量部、高炉セメントB種11.9質量部、及びCa(OH)25.95質量部を添加して3分間混練した後、得られた塊状物をポリ容器に入れて密封し、20℃で7日間養生した。その後、実施例1と同様にして試料を得た後、環境省告示18号法により各重金属の溶出試験を行った。
結果を表4に示す。
Figure 2017136557
上記表4の結果より、焼成物A〜Cを用いて得られた実施例1〜7の試料は、焼成物A〜Cにおいて不十分であった重金属の溶出が、さらに効果的に抑制されていることがわかる。なかでも、高炉セメントを添加した実施例1〜2、5、7は、より有効に重金属の溶出量が低減されている。
一方、試料2の微粉炭ボイラの飛灰を焼成することなく用いて得られた比較例1の試料は、同じく試料2の微粉炭ボイラの飛灰から得られた焼成物Bを用いた実施例4〜5に比べ、用いたセメント及び不溶化剤の種類も合計添加量もより多く必要であることもわかる。

Claims (6)

  1. 賦形剤以外の添加剤を用いることなく微粉炭ボイラの飛灰を10mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成し、得られた焼成物に水とともにセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種以上を添加し、次いで養生することを特徴とする、土木資材の製造方法。
  2. セメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種以上が、少なくとも高炉セメントを含む、請求項1に記載の土木資材の製造方法。
  3. 土木資材が、六価クロム、セレン、ホウ素、ヒ素、及びフッ素から選ばれる1種又は2種以上の重金属が不溶化されてなる、請求項1又は2に記載の土木資材の製造方法。
  4. 微粉炭ボイラの飛灰にセメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種以上を添加して10mm以上の厚さになるよう層を形成した後、700〜1100℃の温度で焼成し、得られた焼成物に水を添加し、次いで養生することを特徴とする、土木資材の製造方法。
  5. セメント及び不溶化剤から選ばれる1種又は2種以上が、少なくとも高炉セメントを含む、請求項4に記載の土木資材の製造方法。
  6. 土木資材が、六価クロム、セレン、ホウ素、ヒ素、及びフッ素から選ばれる1種又は2種以上の重金属が不溶化されてなる、請求項4又は5に記載の土木資材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021030140A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社神戸製鋼所 石炭灰の有害元素の溶出抑制方法
WO2021044723A1 (ja) * 2019-09-06 2021-03-11 日本国土開発株式会社 不溶化処理方法

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