JP2020146226A - エアフィルター濾材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、酸性ガスを効果的に吸着可能であり、かつ酸性ガスの脱離臭の抑制が可能なエアフィルター濾材を提供することにある。【解決手段】塩基性物質を担持させた多孔質担体を含むエアフィルター濾材であって、塩基性物質の含有割合が、多孔質担体に対して0.5〜20質量%の範囲内であり、且つ、多孔質担体の含有量が、エアフィルター濾材に対して5〜50質量%の範囲内であることを特徴とするエアフィルター濾材。【選択図】なし
Description
本発明は、室内の臭気成分を脱臭するエアフィルター濾材に関するものである。
近年、建材や内装材から放散されたVOC(Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物))、タバコ煙、PM2.5、大気汚染などによる人の健康への影響は深刻であることなどから、室内空気の質への注目が集まっている。家庭や職場などでは空気清浄化機を用いて塵埃や臭い、有害物質を除去する方法が普及している。
一般に空気清浄化機に用いられる脱臭フィルターは、臭気成分を除去するために、活性炭に代表される多孔質担体である吸着剤を含有していることが多い。吸着剤を含有している脱臭濾材を用いたエアフィルターは、使用初期の段階では室内の臭い成分が良好に脱臭され、快適な空間を作り出せるが、使用時間が経過するにつれて、空気清浄化機稼動時に嫌な臭いが生じるケースが起きることがある。これは、脱離臭(漏れ出し臭)と呼ばれる。活性炭などの吸着剤は臭気成分を吸着するが、吸着剤の吸着容量があるレベルに達すると、その臭気成分を脱離しようとするために発生する現象である。人が不快に感じる臭気は、微生物の発酵等による酸性ガスが主成分である酸性臭気であることが多い。これらの酸性臭気の脱離を抑制した吸着剤として特定の薬剤を担持させた吸着剤が提案されているが、未だ酸性臭気の脱離臭は発生しており、十分ではない。例えば特許文献1〜3では、脱離臭は軽減しているものの、発生していることが確認できる。酸性臭気は閾値が低いため、微量でも臭気を感じやすく、更なる改善が求められる。
本発明の課題は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、酸性ガスを効果的に吸着可能であり、かつ酸性ガスの脱離臭の抑制が可能なエアフィルター濾材を提供することにある。
上記の課題は、下記発明によって解決された。
(1)塩基性物質を担持させた多孔質担体を含むエアフィルター濾材であって、塩基性物質の含有割合が、多孔質担体に対して0.5〜20質量%の範囲内であり、且つ、多孔質担体の含有量が、エアフィルター濾材に対して5〜50質量%の範囲内であることを特徴とするエアフィルター濾材。
(2)塩基性物質が、ナトリウム、カリウム又はカルシウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、リン酸水素塩、リン酸塩及びケイ酸塩、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンからなる群から選ばれる1種以上である上記(1)に記載のエアフィルター濾材。
脱臭性能を有するエアフィルター濾材として有効であり、さらには、多孔質担体が吸着した酸性臭気の脱離臭を抑制できる。
以下に、本発明のエアフィルター濾材に係わる構成要素を詳細に説明する。
本発明における多孔質担体は主に悪臭を除去する目的で用いられる薬剤の総称であり、具体的には、活性炭、添着活性炭、天然合成ゼオライト、セピオライト、活性アルミナ、活性白土、イオン交換樹脂、鉄アスコルビン酸、鉄フタロシアニン誘導体などを挙げることができる。なかでも、好ましくは活性炭、添着活性炭、天然合成ゼオライト、セピオライト、活性アルミナ、活性白土であり、より好ましくは活性炭、添着活性炭、天然合成ゼオライトである。これらの多孔質担体の形状は特に限定されるものではないが、粉体状又は粒子状が好ましい。また、多孔質担体の比表面積は50〜2000m2/gであることが好ましい。例えば活性炭の場合、JEM 1467−2013などで定める脱臭性能の算出、耐久日数の算出で決定する。
本発明における多孔質担体の粒径は、通気性基材に均一塗布が可能であれば、特に限定されるものではないが、3〜180μmであることが好ましく、3〜150μmであることがより好ましく、3〜100μmであることがさらに好ましい。粒径が180μmを超える場合、塗液中で沈殿しエアフィルター濾材に塗工できないなどの問題が生じ、一方、粒径が3μm未満では、通気性基材の目から離脱するなどの問題が生じる場合がある。本発明において、多孔質担体の粒径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる平均粒子径である。レーザー回折式粒度分布測定装置は、特に限定されるものではないが、レーザー回折法ISO 13320及びJIS Z 8825:2013に準拠にしているものであれば良い。例えば、株式会社島津製作所のSALD(登録商標)シリーズなどを用いることができる。
本発明における塩基性物質について説明する。ナトリウム、カリウム又はカルシウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、リン酸水素塩、リン酸塩及びケイ酸塩、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンなどが挙げられる。これらの塩基性物質から1種以上を選び多孔質担体に担持させることができる。ナトリウム、カリウム又はカルシウムの水酸化物、炭酸塩又はリン酸水素塩がより好ましい。
多孔質担体は、物理吸着サイトに、塩基性ガス、中性ガス、酸性ガスを同時に吸着する。吸着容量があるレベルに達すると、物理吸着サイトからガスが脱離し、臭気の漏れ出しが発生する。脱離臭のうち、特に人間が不快と感じるのは低級脂肪酸に代表される酸性ガス(酸性臭気)である。そのため、酸性ガスを多孔質担体に効率良く捕捉させ、且つ漏れ出しを防ぐことが、不快臭気の抑制に対して非常に重要である。
多孔質担体に担持された塩基性物質は、臭気成分のうち低級脂肪酸、硫化水素、メルカプタン類、硫黄酸化物、窒素酸化物等の酸性ガスと反応する。反応したガスは塩基性物質と中和することで、不揮発性物質に変化し、多孔質担体上に捕捉される。これにより、酸性臭気成分が多孔質担体から漏れ出すのを防ぐことができる。
塩基性物質の多孔質担体への担持量が少なすぎると、塩基性物質と反応しなかった酸性臭気が漏れ出してしまう。塩基性物質の担持量が多すぎると、多孔質担体の物理吸着サイトの隙間がなくなり、ガスを吸着できない。また、多孔質担体の含有量がエアフィルター濾材に対して少なすぎると、ガスと多孔質担体の接触面積が小さくなり、効率良く反応することができない。多孔質担体の含有量が多すぎると、エアフィルター濾材が目詰まりし、風の流れが悪くなる。効率良く酸性臭気の脱離を防ぐために、多孔質担体への塩基性物質の含有割合、及び多孔質担体のエアフィルター濾材に対しての含有量は非常に重要である。
従来の塩基性物質を担持させた多孔質担体を含むエアフィルター濾材は、酸性ガスの吸着のみに特化されており、脱離臭を効率良く抑制することができない。本発明におけるエアフィルター濾材では、塩基性物質の含有割合が、多孔質担体に対して0.5〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%であり、さらに好ましくは2〜10質量%であり、且つ、多孔質担体の含有量が、エアフィルター濾材に対して5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%である。本発明における含有割合及び含有量が、最も効率良くガスを多孔質担体に吸着させることができ、且つ、塩基性物質と酸性ガスが効率良く反応するため、酸性臭気の漏れ出しを抑制することができる。
次いで、本発明のエアフィルター濾材を作製する方法を説明する。
本発明におけるエアフィルター濾材の製造工程は、通気性基材表面にできるだけ均一に塩基性物質を担持させた多孔質担体を分散できる方法であれば特に制限はない。塩基性物質及び多孔質担体を含む溶液又は分散液を、通気性基材に塗工、含浸又はスプレーなどの方法によって付与し、溶媒や分散媒を乾燥等の方法で除去し、塩基性物質を担持させた多孔質担体を含有したエアフィルター濾材を得る方法が例示される。
多孔質担体の通気性基材への固着を強固にする場合、他の成分との併用や着色等により製品の外観を向上させる場合等には、多孔質担体による効果を阻害しない範囲において、少量のバインダー(接着剤)を用いることは好ましい方法の一つである。水性バインダーについて具体例を挙げる。水溶性のバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールやデンプン等が挙げられる。また、水分散性のバインダーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類(アクリル系)、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエンラテックス等が挙げられる。
次に、本発明における通気性基材について説明する。本発明における通気性基材の材質に特に制限はなく、使用する装置、機器の形状に対応するものであれば良い。その一例として、シート状のものが挙げられる。織物、編み物、不織布、紙、ネット、通気性フォーム、金属多孔質体、開孔を施したフィルム等のシート状物から適宜選択することができるが、安価で、繊維配合、目付、厚みなどを制御しやすい点、穴開け加工等の後加工を行いやすい点から、不織布が好ましい通気性基材の一つとして挙げられる。
通気性基材として使用される不織布としては、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フェノール系繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、活性炭素繊維等の無機繊維、木材パルプ、竹パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、藁パルプ、バガスパルプ、コットンリンターパルプ、木綿、羊毛、絹等の天然繊維、古紙再生パルプ、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラーゲン等のタンパク質、アルギン酸、キチン、キトサン、澱粉等の多糖類等を原料とした再生繊維等、あるいはこれらの繊維に親水性や難燃性等の機能を付与した繊維等を単独又は組み合わせて使用し、各種方法によって製造したものである。
不織布の製造方法については特に制限はなく、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルトブローン法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、エアレイド法、静電紡糸法等で得られたウェブを水流交絡法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法等の物理的方法、サーマルボンド法等の熱による接着方法、レジンボンド等の接着剤による接着方法で強度を発現させる方法を適宜組み合わせて製造することができる。
また、用途に応じて不織布には、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、粗塵除去、抗アレルゲン、抗菌、抗ウィルス、防黴、防虫、殺虫、害虫忌避、芳香、感温、保温、蓄熱、蓄光、発熱、吸熱、耐熱、防炎、不燃、難燃、防水、耐水、撥水、疎水、親水、除湿、吸湿(乾燥)、調湿、水分(湿度)透過、撥油、親油、耐油、油等の吸着及び水や揮発性薬剤等の蒸散又は徐放などの各種機能を有しても良い。
本発明におけるエアフィルター濾材は、単板で使用しても良いが、一般にプリーツ加工と呼ばれる山谷状の折り加工や段ボール加工における中しんなどの波状加工などを施した形状で使用しても良く、また、巻き取り状に加工したロールフィルターとして使用しても良い。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、本実施例に限定されるものではない。
〔調製例1〕
水酸化カルシウム0.2質量%と、市販のゼオライト(粒径3〜5μm)8質量%とを水中で混合撹拌して混合液を調製する。バインダーとして市販のアクリル系ポリマーエマルジョンを混合液の固形分に対して固形分で30質量%、増粘剤として市販のウレタン系ポリマー液を混合液の固形分に対して固形分で1質量%を、混合液に添加して撹拌し、調製例1の塗液とした。
水酸化カルシウム0.2質量%と、市販のゼオライト(粒径3〜5μm)8質量%とを水中で混合撹拌して混合液を調製する。バインダーとして市販のアクリル系ポリマーエマルジョンを混合液の固形分に対して固形分で30質量%、増粘剤として市販のウレタン系ポリマー液を混合液の固形分に対して固形分で1質量%を、混合液に添加して撹拌し、調製例1の塗液とした。
〔調製例2〕
水酸化カルシウムを0.04質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例2の塗液を得た。
水酸化カルシウムを0.04質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例2の塗液を得た。
〔調製例3〕
水酸化カルシウムを1.6質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例3の塗液を得た。
水酸化カルシウムを1.6質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例3の塗液を得た。
〔調製例4〕
水酸化カルシウムを0.02質量%、市販のゼオライト(粒径3〜5μm)を1質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例4の塗液を得た。
水酸化カルシウムを0.02質量%、市販のゼオライト(粒径3〜5μm)を1質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例4の塗液を得た。
〔調製例5〕
水酸化カルシウムを水酸化ナトリウムに代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例5の塗液を得た。
水酸化カルシウムを水酸化ナトリウムに代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例5の塗液を得た。
〔調製例6〕
水酸化カルシウムを炭酸ナトリウムに代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例6の塗液を得た。
水酸化カルシウムを炭酸ナトリウムに代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例6の塗液を得た。
〔調製例7〕
水酸化カルシウムをリン酸水素二カリウムに代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例7の塗液を得た。
水酸化カルシウムをリン酸水素二カリウムに代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例7の塗液を得た。
〔調製例8〕
水酸化カルシウム1.6質量%を水中で撹拌し、バインダーとして市販のアクリル系ポリマーエマルジョンを、水酸化カルシウムに対して固形分で30質量%、増粘剤として市販のウレタン系ポリマー液を、水酸化カルシウムに対して固形分で1質量%を添加して撹拌し、調製例8の塗液とした。
水酸化カルシウム1.6質量%を水中で撹拌し、バインダーとして市販のアクリル系ポリマーエマルジョンを、水酸化カルシウムに対して固形分で30質量%、増粘剤として市販のウレタン系ポリマー液を、水酸化カルシウムに対して固形分で1質量%を添加して撹拌し、調製例8の塗液とした。
〔調製例9〕
市販のゼオライト(粒径3〜5μm)8質量%を水中で撹拌し、バインダーとして市販のアクリル系ポリマーエマルジョンを、ゼオライトに対して固形分で30質量%、増粘剤として市販のウレタン系ポリマー液を、ゼオライトに対して固形分で1質量%を添加して撹拌し、調製例9の塗液とした。
市販のゼオライト(粒径3〜5μm)8質量%を水中で撹拌し、バインダーとして市販のアクリル系ポリマーエマルジョンを、ゼオライトに対して固形分で30質量%、増粘剤として市販のウレタン系ポリマー液を、ゼオライトに対して固形分で1質量%を添加して撹拌し、調製例9の塗液とした。
〔調製例10〕
水酸化カルシウムを0.02質量%、市販のゼオライト(粒径3〜5μm)を0.8質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例10の塗液を得た。
水酸化カルシウムを0.02質量%、市販のゼオライト(粒径3〜5μm)を0.8質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例10の塗液を得た。
〔調製例11〕
水酸化カルシウムを2.0質量%、市販のゼオライト(粒径3〜5μm)を8質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例11の塗液を得た。
水酸化カルシウムを2.0質量%、市販のゼオライト(粒径3〜5μm)を8質量%に代える以外は、調製例1と同様の方法により、調製例11の塗液を得た。
<実施例1>
ポリエステル繊維60質量%及びアクリル樹脂40質量%からなる坪量45g/m2の乾式不織布に、調製例1の塗液を含浸塗工にて均一塗布し、130℃で乾燥することにより、実施例1のエアフィルター濾材を作製した。実施例1のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は0.5g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2であった。
ポリエステル繊維60質量%及びアクリル樹脂40質量%からなる坪量45g/m2の乾式不織布に、調製例1の塗液を含浸塗工にて均一塗布し、130℃で乾燥することにより、実施例1のエアフィルター濾材を作製した。実施例1のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は0.5g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2であった。
<実施例2及び3>
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例2(実施例2)、あるいは調製例3(実施例3)の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2及び3のエアフィルター濾材を得た。実施例2のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は0.1g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2、実施例3のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は4.0g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2であった。
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例2(実施例2)、あるいは調製例3(実施例3)の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2及び3のエアフィルター濾材を得た。実施例2のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は0.1g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2、実施例3のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は4.0g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2であった。
<実施例4>
実施例1で得られたエアフィルター濾材に対して、調製例1の塗液を含浸塗工後、130℃で乾燥する工程を、塩基性物質含有量が1.7g/m2、多孔質担体含有量が68.5g/m2になるまで繰り返し、実施例4のエアフィルター濾材を作製した。
実施例1で得られたエアフィルター濾材に対して、調製例1の塗液を含浸塗工後、130℃で乾燥する工程を、塩基性物質含有量が1.7g/m2、多孔質担体含有量が68.5g/m2になるまで繰り返し、実施例4のエアフィルター濾材を作製した。
<実施例5>
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例4の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5のエアフィルター濾材を得た。実施例5の濾材の塩基性物質含有量は0.06g/m2、多孔質担体含有量は2.4g/m2であった。
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例4の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5のエアフィルター濾材を得た。実施例5の濾材の塩基性物質含有量は0.06g/m2、多孔質担体含有量は2.4g/m2であった。
<実施例6、7及び8>
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例5(実施例6)、調製例6(実施例7)、あるいは調製例7(実施例8)の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、実施例6、7及び8のエアフィルター濾材を得た。実施例6、7及び8のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は0.5g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2であった。
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例5(実施例6)、調製例6(実施例7)、あるいは調製例7(実施例8)の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、実施例6、7及び8のエアフィルター濾材を得た。実施例6、7及び8のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は0.5g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2であった。
<比較例1>
ポリエステル繊維60質量%及びアクリル樹脂40質量%からなる坪量45g/m2の乾式不織布を比較例1とする。
ポリエステル繊維60質量%及びアクリル樹脂40質量%からなる坪量45g/m2の乾式不織布を比較例1とする。
<比較例2>
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例8の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2のエアフィルター濾材を得た。比較例2の濾材の塩基性物質含有量は4.0g/m2であった。
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例8の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2のエアフィルター濾材を得た。比較例2の濾材の塩基性物質含有量は4.0g/m2であった。
<比較例3>
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例9の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3のエアフィルター濾材を得た。比較例3のエアフィルター濾材の多孔質担体含有量は20g/m2であった。
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例9の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3のエアフィルター濾材を得た。比較例3のエアフィルター濾材の多孔質担体含有量は20g/m2であった。
<比較例4>
実施例1で得られたエアフィルター濾材に対して、調製例1の塗液を含浸塗工後、130℃で乾燥する工程を、塩基性物質含有量が2.0g/m2、多孔質担体含有量が80g/m2になるまで繰り返し、比較例4のエアフィルター濾材を作製した。
実施例1で得られたエアフィルター濾材に対して、調製例1の塗液を含浸塗工後、130℃で乾燥する工程を、塩基性物質含有量が2.0g/m2、多孔質担体含有量が80g/m2になるまで繰り返し、比較例4のエアフィルター濾材を作製した。
<比較例5及び6>
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例10(比較例5)、あるいは調製例11(比較例6)の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、比較例5及び6のエアフィルター濾材を得た。比較例5のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は0.05g/m2、多孔質担体含有量は2g/m2、比較例6のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は5.0g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2であった。
実施例1で用いた調製例1の塗液を、調製例10(比較例5)、あるいは調製例11(比較例6)の塗液に代える以外は、実施例1と同様の方法により、比較例5及び6のエアフィルター濾材を得た。比較例5のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は0.05g/m2、多孔質担体含有量は2g/m2、比較例6のエアフィルター濾材の塩基性物質含有量は5.0g/m2、多孔質担体含有量は20g/m2であった。
以上、実施例と比較例のエアフィルター濾材を下記の性能試験に従って評価し、その結果を表1に示した。なお、下記各試験は、25℃、50%RH(相対湿度)の条件で行った。
[脱臭試験]
風速0.5m/秒における実施例及び比較例の15cm×15cmに裁断したエアフィルター濾材の脱臭効率(%)を測定した。測定ボックスは100リットルの密閉容器とする。濾材通気用ファン、撹拌ファンの各装置を測定ボックスに設置し、濾材通気用ファンにエアフィルター濾材をセットして、各装置を運転する。測定対象ガスは酢酸であり、ボックス内の濃度(ppm)はガス検知管で測定した。ボックス内の濃度が25ppmになるよう酢酸ガスを注入し、各装置を運転後30分の時点で濃度を測定した。ガスの除去率から、次のように判定した。除去率100〜80%の場合「◎」、79〜50%の場合「○」、49〜20%の場合「△」、20%未満の場合「×」。
風速0.5m/秒における実施例及び比較例の15cm×15cmに裁断したエアフィルター濾材の脱臭効率(%)を測定した。測定ボックスは100リットルの密閉容器とする。濾材通気用ファン、撹拌ファンの各装置を測定ボックスに設置し、濾材通気用ファンにエアフィルター濾材をセットして、各装置を運転する。測定対象ガスは酢酸であり、ボックス内の濃度(ppm)はガス検知管で測定した。ボックス内の濃度が25ppmになるよう酢酸ガスを注入し、各装置を運転後30分の時点で濃度を測定した。ガスの除去率から、次のように判定した。除去率100〜80%の場合「◎」、79〜50%の場合「○」、49〜20%の場合「△」、20%未満の場合「×」。
[脱離臭官能評価試験]
脱臭試験直後の実施例及び比較例のエアフィルター濾材の脱離臭気を官能評価で判定した。エアフィルター濾材をサンプル管瓶50mlに密封し、密封後5分の時点で官能評価を行った。臭気は次のように判定した。臭気強度を6段階臭気強度表示法で判定する。無臭「0」、やっと感知できる臭い「1」、何の臭いかわかる「2」、楽に感知できる「3」、強い臭い「4」、強烈な臭い「5」。
脱臭試験直後の実施例及び比較例のエアフィルター濾材の脱離臭気を官能評価で判定した。エアフィルター濾材をサンプル管瓶50mlに密封し、密封後5分の時点で官能評価を行った。臭気は次のように判定した。臭気強度を6段階臭気強度表示法で判定する。無臭「0」、やっと感知できる臭い「1」、何の臭いかわかる「2」、楽に感知できる「3」、強い臭い「4」、強烈な臭い「5」。
[圧力損失測定]
JIS−B−9908:2011に準拠して、風速5.3cm/秒における実施例及び比較例のエアフィルター濾材の圧力損失(Pa)を測定した。
JIS−B−9908:2011に準拠して、風速5.3cm/秒における実施例及び比較例のエアフィルター濾材の圧力損失(Pa)を測定した。
表1より、実施例のエアフィルター濾材は、効率良く酸性ガスを脱臭するのみならず、比較例と比較して明らかに脱離臭を抑制できることが確認できた。
特に、実施例1と比較例3、4、及び6とを比較すると、実施例1が最も効率良く酸性ガスを脱臭でき、且つ脱離臭の強度が低い。このことから、本発明の塩基性物質及び多孔質担体の含有割合が、エアフィルター濾材の不快臭気の脱離抑制に有効であることが確認できた。
本発明のエアフィルター濾材は、集塵性能、脱臭性能を有する。一定の範囲内の室内環境を改善することができるため、空調機、空気清浄化機、掃除機、除湿機、乾燥機、加湿機、換気扇、熱交換装置等の各種空気処理装置のエアフィルターに利用できる。また、マスク、ウェットワイパー、フロアワイパーにも利用できる可能性がある。
Claims (2)
- 塩基性物質を担持させた多孔質担体を含むエアフィルター濾材であって、塩基性物質の含有割合が、多孔質担体に対して0.5〜20質量%の範囲内であり、且つ、多孔質担体の含有量が、エアフィルター濾材に対して5〜50質量%の範囲内であることを特徴とするエアフィルター濾材。
- 塩基性物質が、ナトリウム、カリウム又はカルシウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、リン酸水素塩、リン酸塩及びケイ酸塩、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載のエアフィルター濾材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019045983A JP2020146226A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | エアフィルター濾材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019045983A JP2020146226A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | エアフィルター濾材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020146226A true JP2020146226A (ja) | 2020-09-17 |
Family
ID=72431393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019045983A Pending JP2020146226A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | エアフィルター濾材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020146226A (ja) |
-
2019
- 2019-03-13 JP JP2019045983A patent/JP2020146226A/ja active Pending
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