JP2009119233A - 脱臭性繊維構造物およびその製造方法、ならびにエアフィルター - Google Patents
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Abstract
本発明は、除去対象とする有害ガス成分のみを選択的、かつ効率よく除去するエアフィルター濾材に適した、特に低級脂肪酸等の酸性ガス除去性能に極めて優れた脱臭性繊維構造物およびその製造方法、ならびにエアフィルターを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の脱臭性繊維構造物は、難水溶性の両性金属化合物を繊維構造物に付与した後、水溶性のアルカリ化合物を前記繊維構造物に付与することで、該繊維構造物の繊維表面に難水溶性の両性金属化合物および水溶性のアルカリ化合物を担持させたものとする。
【選択図】 図1
Description
(1)両性金属化合物粒子径
脱臭性繊維構造体の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、両性金属化合物の一次粒子を任意に50個選択して、定方向径を測定し、算術平均した値を平均粒子径とした。
ユアサアイオニクス社製オートソーブ(登録商標)6を用い、JIS R 1626−1996に規定のBET多点法に従って測定した。試料は約5g採取し、加熱前処理を施し、N2を吸着質とし、定容法にて測定した。測定は3回行い平均値を採用した。
アルカリ化合物20gを正確に測り、20℃の純水を加え2重量%の濃度になるよう完全に溶解させた後、液のpHをラコム社テスターpH計にて測定した。測定は3回行い平均値を採用した。
繊維シートを1gカットし、これにサンユー電子社製の真空蒸着装置SVC-700-TMを用いて白金‐パラジウムを蒸着し、評価試料とした。作製した試料をキーエンス社製走査型電子顕微鏡(VE−8800)を用いて結晶形態が観察できる倍率(100〜1000倍)で観察した。
平板状の繊維シートを実験用のダクトに取り付け、ダクトに温度23℃、湿度50%RHの空気を0.2m/secの速度で送風した。さらに上流側から、標準ガス発生装置により酢酸を上流濃度70ppmとなるように添加し、繊維シートの上流側と下流側とにおいてエアをサンプリングし、赤外吸光式連続モニターを使用してそれぞれの酢酸濃度を経時的に測定し、通気開始1分後の除去効率(初期除去効率)と除去効率が40%に到達するまでの時間を評価した。なお、測定は3回行い平均値を採用した。
平板状の繊維シートを実験用のダクトに取り付け、ダクトに温度23℃、湿度50%RHの空気を0.2m/secの速度で送風した。その際の繊維シートの上流側と下流側との差圧をMODUS社製デジタルマノメータMA2−04Pにて測定した。比較例4に示す市販脱臭フィルターの0.2m/sec通風時の圧力損失が20Paであったことから、10Pa以下を○、10Pa超20Pa未満を△、20Pa以上を×とした。
濾材としての取り扱い性としては、プリーツ加工性に影響する剛軟度と粉末飛散性について評価した。剛軟度の判断基準としては、加工時のプリーツ成形性、および通風時の形態保持性を確認し、加工性、通風時の形態保持性に問題ないものを○、プリーツ加工自体は可能であるが通風時の形態を維持するために、補助部材をプリーツ間に挟む、あるいは溶融樹脂等で頂点部を接着補強する等の補助加工が必要なものを△、プリーツ加工自体が困難なものを×とした。
総合評価は、酢酸除去性能、圧力損失、濾材取り扱い性の各評価項目で全て○であるものを○とし、×が一つでもあるものを×とし、それ以外のものを△と評価した。
両性金属化合物として、平均粒径600nm、比表面積5m2/gの酸化亜鉛(ハクスイテック社微細亜鉛華)を用いた。アルカリ化合物として炭酸水素ナトリウム(ナカライテスク社製・pH8.5)を用いた。また、基材繊維シート(繊維構造物)として、単繊維繊度1.5dtexのビニロン16.5質量%と単繊維繊度7.1dtexのビニロン22質量%と単繊維繊度2.0dtexのポリエチレンテレフタレート16.5質量%とリン系難燃剤含有アクリル樹脂バインダー45質量%とからなる目付け50g/m2の不織布を用いた。
両性金属化合物として、平均粒径50nm、比表面積60m2/gの酸化亜鉛(住友大阪セメント社超微粒子酸化亜鉛ZnO−100)を用いた。アルカリ化合物として実施例1と同様の炭酸水素ナトリウムを用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
両性金属化合物として、平均粒径4μm、比表面積60m2/gの酸化亜鉛(本荘ケミカル社活性亜鉛華)を用いた。アルカリ化合物として実施例1と同様の炭酸水素ナトリウムを用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
両性金属化合物として、実施例1と同様の酸化亜鉛を用いた。アルカリ化合物として炭酸カリウム(ナカライテスク社・pH11.5)を用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
SEM像を観察したところ、両性金属化合物上で炭酸カリウムの塊状の結晶束の形成を確認した。なお、図7、図8に得られたSEM像を示し、評価結果を表1、表2に示す。
両性金属化合物として、実施例1と同様の酸化亜鉛を用いた。アルカリ化合物としてリン酸水素二アンモニウム(キリンフードテック社・pH7.4)を用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
両性金属化合物として、実施例1と同様の酸化亜鉛を用いた。アルカリ化合物としてピロリン酸カリウム(キリンフードテック社・pH10.7)を用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
リーツ加工に十分な剛性を有し、プリーツ時の粉末の飛散が無く取り扱い性に優れていた。SEM像を観察したところピロリン酸カリウムの針状結晶の形成を確認した。評価結果を表1、表2に示す。
両性金属化合物として、実施例1と同様の酸化亜鉛を用いた。アルカリ化合物としてリン酸三ナトリウム(キリンフードテック社・pH12.5)を用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
得られた繊維シートの面風速0.2m/secでの圧力損失は9Paであり、プリーツ加工に十分な剛性を有していたが、プリーツ時にわずかに粉末の脱落がみられた。SEM像を観察したところ、リン酸三ナトリウムの針状結晶の形成を確認した。評価結果を表1、表2に示す。
両性金属化合物として、水酸化アルミニウム(ナカライテスク社))を用いた。アルカリ化合物として炭酸水素ナトリウム(ナカライテスク社製・pH8.5)を用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
両性金属化合物として、酸化アルミニウム(住友化学社、普通粒A−26)を用いた。アルカリ化合物として炭酸水素ナトリウム(ナカライテスク社製・pH8.5)を用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
両性金属化合物として、実施例1と同様の酸化亜鉛を用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。しかし、アルカリ化合物は使用しなかった。
両性金属化合物として、実施例8と同様の水酸化アルミ二ウムを用いた。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。しかし、アルカリ化合物は使用しなかった。
両性金属化合物は使用せず、アルカリ化合物として実施例1と同様の炭酸水素ナトリウムのみを使用した。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
両性金属化合物は使用せず、アルカリ化合物として実施例4と同様の炭酸カリウムのみを使用した。また、基材繊維シートとして、実施例1と同様の不織布を用いた。
両性金属化合物粒子の替わりとして、多孔質シリカ サイリシア550(富士シリシア)を使用した。
本繊維シートをさらに前記アルカリ化合物の5重量%水溶液に含浸させ、完全に液を含ませた後、乾燥させて、目付100g/m2の繊維シートを得た。
ポリエステル製スパンボンド不織布に平均粒径400μmのヤシガラ活性炭約150g/m2をエチレン酢酸ビニル共重合樹脂パウダーとともに挟み込み熱圧着して一体成型されている市販脱臭フィルターを評価した。面風速0.2m/secでの圧力損失は20Paであった。
評価結果を表1、表2に示す。
Claims (10)
- 繊維構造物に両性金属化合物および水溶性のアルカリ化合物が付与されてなる脱臭性繊維構造物であって、該両性金属化合物およびアルカリ化合物が少なくとも繊維の表面上に担持されていることを特徴とする脱臭性繊維構造物。
- 前記アルカリ化合物の少なくとも一部が前記両性金属化合物上で針状結晶を形成していることを特徴とする請求項1に記載の脱臭繊維構造物。
- 前記アルカリ金属塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸カリウムから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の脱臭性繊維構造物。
- 前記アルカリ化合物は、2重量%水溶液のpHが7〜13であるアルカリ化合物であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の脱臭性繊維構造物。
- 前記アルカリ化合物が、アルカリ金属塩またはリン酸塩から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の脱臭性繊維構造物。
- 前記両性金属化合物が、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の脱臭性繊維構造物。
- 前記繊維構造物が、綿状物、編織物、不織布、紙およびその他の三次元網状体から選ばれた少なくとも1種で構成されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の脱臭性繊維構造物。
- 両性金属化合物を繊維構造物に付与した後、水溶性のアルカリ化合物を前記繊維構造物に付与することを特徴とする脱臭性繊維構造物の製造方法。
- 両性金属化合物とバインダー樹脂との分散液を、繊維構造物に含浸後乾燥させる工程を経た後、次いで、水溶性のアルカリ化合物の水溶液を前記繊維構造物に含浸させ、乾燥させる工程を経ることを特徴とする請求項8に記載の脱臭性繊維構造物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の脱臭性繊維構造物を用いて構成されていることを特徴とするエアフィルター。
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