JP6194579B2 - 空気清浄用濾材 - Google Patents
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かかる吸着濾材は低コストで通気性に優れる吸着性シートが得られるが、吸着剤層と基材シートとの接着が弱いため剥離が生じやすく、プリーツ加工等で外力がかかる場合、あるいはフィルタを高風量下に曝した場合では吸着剤の脱落が大きい等、実用上の問題を有していた。
(1)上流側と下流側のカバー層間に活性炭と熱可塑性樹脂を含む空気清浄用濾材であって、上流側と下流側のカバー層を構成する繊維の素材が異なり、熱可塑性樹脂が2種類以上の素材からなり、カバー層を構成する繊維の素材および熱可塑性樹脂の少なくとも1種がポリエステル系樹脂である空気清浄用濾材。
(2)カバー層を構成する繊維の1種が芯鞘型複合繊維である(1)記載の空気清浄用濾材。
(3)(1)または(2)記載の濾材をプリーツ状に成型したフィルタユニット。
本発明の空気清浄用濾材は、カバー層間に、活性炭及び熱可塑性樹脂を含む空気清浄用濾材である。本発明に使用されるカバー層は、織布状、不織布状いずれでも構わない。
ガス薬品処理に用いられる薬品としては、アルデヒド系ガスやNOx等の窒素化合物、SOx等の硫黄化合物、酢酸等の酸性の極性物質に対しては、例えばエタノールアミン、ポリエチレンイミン、アニリン、P−アニシジン、スルファニル酸等のアミン系薬剤や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸グアニジン、リン酸グアニジン、アミノグアニジン硫酸塩、5.5−ジメチルヒダントイン、ベンゾグアナミン、2.2−イミノジエタノール、2.2.2−ニトロトリエタノール、エタノールアミン塩酸塩、2−アミノエタノール、2.2−イミノジエタノール塩酸塩、P−アミノ安息香酸、スルファニル酸ナトリウム、L−アルギニン、メチルアミン塩酸塩、セミカルバジド塩酸塩、ヒドラジン、ヒドロキノン、硫酸ヒドロキシルアミン、過マンガン酸塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が好適に用いられ、アンモニア、メチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン等の塩基性の極性物質に対しては、例えば、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酒石酸等が好適に用いられる。なお、薬品処理は、例えば、活性炭に薬品を担持させたり、添着することにより行う。また、活性炭に直接薬品を処理する以外に、シート面表面付近に通常のコーティング法等で添着加工する方法やシート全体に含浸添着することも可能である。この際、アルギン酸ソーダやポリエチレンオキサイド等の増粘剤を混入した薬品水溶液をつくり、これを担持、添着を実施する方法もできる。この方法では水への溶解度が低い薬品を担持、添着し、更に薬品の脱落を抑制するのにも有効である。
なお、実施例中の数値は以下のような方法で測定した値である。
不織布の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率100倍)を撮影し、その写真からn=30にて繊維径を測定した平均値を算出した。
200mm×200mmの試料を使用し、80℃の恒温槽中に30分放置後、デシケータ(乾燥剤:シリカゲル)中で30分放置する。その後取り出し、感量10mgの化学天秤で測定して、m2当りの重量に換算した。
図2に示す測定冶具により、試料大きさφ75mm、有効濾過面積φ50.5mm、濾材通過風速50cm/secの条件下で測定した。
荷重686Paの圧力を加えた時の値を測定した。
図4に示す様に測定する。試験片の大きさは幅50mm、長さ200mmとして、引張速度100mm/minとする。図4のL寸法は、スタート時200mmで終了時280mm(剥離量40mm)とし、その間の平均値を剥離強度とする。なお強度の計測は株式会社島津製作所製オートグラフを用いた。
FMVSS302に従ってMD方向、TD方向について試験を行い、合否を判定した。
25℃、相対湿度50%雰囲気中で、80ppmのトルエンガスを風速20cm/secにて試験濾材に通風した。通風1分後に濾材の上下流の濃度をそれぞれガステック製検知管で測定し、上流側のガス濃度から下流側のガス濃度を減じた値を上流側のガス濃度で除した値の百分率で示した。測定は6cm×6cmに切り取った濾材単板サンプルで行った。
レシプロ式のプリーツ加工機を用いて濾材幅200mm、プリーツ山高20mmにて300山連続してプリーツ加工を実施した。加工後の濾材の層間剥離および濾材破れが無いものをプリーツ加工性良好とした。
平均繊維径27μm、目付30g/m2、厚み0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布を上流カバー層として用いた。
活性炭として、平均粒径500μm、JIS K 1474(2007)活性炭試験法6.1.2の1/10トルエン蒸気平衡吸着量が30%であるヤシガラ系粒状活性炭と、熱可塑性粉末樹脂としてポリエチレン樹脂(平均粒径20μm、MI 24g/10min、融点106℃)とポリエステル系樹脂(平均粒径50μm、MI 13g/10min、融点115℃)を、10:0.5:0.5の重量比にて秤量し、均一になるまで撹拌混合した。この混合粉粒体を前記上流カバー層に総量100g/m2になるように均一に散布した。
その上に鞘がポリエチレン樹脂、芯がポリエチレンテレフタレート樹脂からなる芯鞘型複合繊維スパンボンド不織布(平均20μm、目付20g/m2、厚み0.2mm)を下流カバー層として重ね合わせ、テフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.5mm、圧力100kPaに設定し140℃、30秒間熱プレス加工実施した。その後冷却し所望の空気清浄用濾材を得た。
ヤシ殻活性炭とポリエチレン樹脂とポリエステル系樹脂の混合比率を10:1:1に変更した以外は実施例1と同様に実施し、空気清浄用濾材を得た。
ヤシ殻活性炭とポリエチレン樹脂とポリエステル系樹脂の混合比率を10:1.5:1.5に変更した以外は実施例1と同様に実施し、空気清浄用濾材を得た。
実施例3において、ポリエチレン樹脂をエチレン−アクリル酸共重合体(平均粒径10μm、MI 9g/10min、融点105℃)に変更した以外は実施例3と同様に実施し、空気清浄用濾材を得た。
実施例3において、ポリエチレン樹脂をエチレン−酢酸ビニル共重合体(平均粒径200μm、MI 12g/10min、融点97℃)に変更した以外は実施例3と同様に実施し、空気清浄用濾材を得た。
平均繊維径27μm、目付30g/m2、厚み0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布をビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛が0.1g/m2、アクリルバインダー(ガラス転移点60℃)が10g/m2となるよう配合比率を調整した水溶液に浸漬、乾燥して上流側カバー層を作成した。活性炭として、平均粒径500μm、JIS K 1474(2007)活性炭試験法6.1.2の1/10トルエン蒸気平衡吸着量が30%であるヤシガラ系粒状活性炭と、熱可塑性粉末樹脂としてポリエチレン樹脂(平均粒径20μm、MI 24g/10min、融点106℃)とポリエステル系樹脂(平均粒径50μm、MI 13g/10min、融点115℃)を、10:1.5:1.5の重量比にて秤量し、均一になるまで撹拌混合した。この混合粉粒体を前記上流カバー層に総量100g/m2になるように均一に散布した。
その上に鞘がポリエチレン樹脂、芯がポリエチレンテレフタレート樹脂からなる芯鞘型複合繊維スパンボンド不織布(平均20μm、目付20g/m2、厚み0.2mm)を下流カバー層として重ね合わせ、テフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.5mm、圧力100kPaに設定し140℃、30秒間熱プレス加工実施した。その後冷却し所望の空気清浄用濾材を得た。
鞘がポリエチレン樹脂、芯がポリエチレンテレフタレート樹脂からなる芯鞘型複合繊維スパンボンド不織布(平均20μm、目付20g/m2、厚み0.2mm)を上流カバー層として用いた。
活性炭として、平均粒径500μm、JIS K 1474(2007)活性炭試験法6.1.2の1/10トルエン蒸気平衡吸着量が30%であるヤシガラ系粒状活性炭と、熱可塑性粉末樹脂としてポリエチレン樹脂(平均粒径20μm、MI 24g/10min、融点106℃)とポリエステル系樹脂(平均粒径50μm、MI 13g/10min、融点115℃)を、10:1.5:1.5の重量比にて秤量し、均一になるまで撹拌混合した。この混合粉粒体を前記上流カバー層に総量100g/m2になるように均一に散布した。
その上に上流カバー層と同じ不織布を下流カバー層として重ね合わせ、テフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.5mm、圧力100kPaに設定し140℃、30秒間熱プレス加工実施した。その後冷却し所望の空気清浄用濾材を得た。
上流カバー層および下流カバー層ともに平均繊維径27μm、目付30g/m2、厚み0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布を用いた以外は、比較例1と同様にして作成し空気清浄用濾材を得た。
平均繊維径27μm、目付30g/m2、厚み0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布を上流カバー層として用いた。
活性炭として、平均粒径500μm、JIS K 1474(2007)活性炭試験法6.1.2の1/10トルエン蒸気平衡吸着量が30%であるヤシガラ系粒状活性炭と、熱可塑性粉末樹脂としてポリエステル系樹脂(平均粒径50μm、MI 13g/10min、融点115℃)を、10:3の重量比にて秤量し、均一になるまで撹拌混合した。この混合粉粒体を前記上流カバー層に総量100g/m2になるように均一に散布した。
その上に鞘がポリエチレン樹脂、芯がポリエチレンテレフタレート樹脂からなる芯鞘型複合繊維スパンボンド不織布(平均20μm、目付20g/m2、厚み0.2mm)を下流カバー層として重ね合わせ、テフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.5mm、圧力100kPaに設定し140℃、30秒間熱プレス加工実施した。その後冷却し所望の空気清浄用濾材を得た。
熱可塑性粉末樹脂としてポリエチレン樹脂(平均粒径20μm、MI 24g/10min、融点106℃)を使用した以外は比較例3と同様の方法にて空気清浄用濾材を得た。
鞘がポリエチレン樹脂、芯がポリエチレンテレフタレート樹脂からなる芯鞘型複合繊維スパンボンド不織布(平均20μm、目付20g/m2、厚み0.2mm)を上流カバー層として用いた。
活性炭として、平均粒径500μm、JIS K 1474(2007)活性炭試験法6.1.2の1/10トルエン蒸気平衡吸着量が30%であるヤシガラ系粒状活性炭と、熱可塑性粉末樹脂としてポリエチレン樹脂(平均粒径20μm、MI 24g/10min、融点106℃)を、10:3の重量比にて秤量し、均一になるまで撹拌混合した。この混合粉粒体を前記上流カバー層に総量100g/m2になるように均一に散布した。
その上に上流カバー層と同じ不織布を下流カバー層として重ね合わせ、テフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.5mm、圧力100kPaに設定し140℃、30秒間熱プレス加工実施した。その後冷却し所望の空気清浄用濾材を得た。
平均繊維径27μm、目付30g/m2、厚み0.2mmのポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布を上流カバー層として用いた。
活性炭として、平均粒径500μm、JIS K 1474(2007)活性炭試験法6.1.2の1/10トルエン蒸気平衡吸着量が30%であるヤシガラ系粒状活性炭と、熱可塑性粉末樹脂としてポリエステル系樹脂(平均粒径50μm、MI 13g/10min、融点115℃)を、10:5の重量比にて秤量し、均一になるまで撹拌混合した。この混合粉粒体を前記上流カバー層に総量100g/m2になるように均一に散布した。
その上に鞘がポリエチレン樹脂、芯がポリエチレンテレフタレート樹脂からなる芯鞘型複合繊維スパンボンド不織布(平均20μm、目付20g/m2、厚み0.2mm)を下流カバー層として重ね合わせ、テフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.5mm、圧力100kPaに設定し140℃、30秒間熱プレス加工実施した。その後冷却し所望の空気清浄用濾材を得た。
一方、比較例1、2ではカバー層の材質が1種に対して、熱可塑性樹脂の材質が2種であるため、接着性に劣り剥離強度が低くプリーツ加工性に劣る。比較例3、4ではカバー層の材質が2種であるが、熱可塑性樹脂の材質が1種であり剥離強度が低く、加工性に劣っている。比較例5では剥離強度は高いが燃焼性に劣っている。さらに比較例6では熱可塑性樹脂の増量により剥離強度は高いが通気抵抗も高くなっており濾材として使用できない。
2 上流側カバー層
3 活性炭/熱可塑性樹脂層
4 下流側カバー層
5 プリーツユニット
6 枠体
7 活性炭部
8 カバー層
9 チャック
Claims (3)
- 上流側と下流側のカバー層間に活性炭と熱可塑性樹脂を含み難燃剤を含まない空気清浄用濾材であって、
上流側のカバー層と下流側のカバー層とを構成する繊維の素材が異なり、上流側と下流側のカバー層の少なくとも一方がポリエステル系樹脂から成り、
熱可塑性樹脂が2種類以上の樹脂を含み、そのうちの少なくとも1種はポリエステル系樹脂であり、別の1種はポリエステル系樹脂以外の樹脂であり、かつ、当該ポリエステル系樹脂及び当該ポリエステル系樹脂以外の樹脂をそれぞれ前記活性炭に対して5〜15重量%含んでいることを特徴とする空気清浄用濾材。 - 上流側のカバー層を構成する繊維および下流側のカバー層を構成する繊維の一方が芯鞘型複合繊維である請求項1記載の空気清浄用濾材。
- 請求項1または2記載の空気清浄用濾材をプリーツ状に成型したフィルタユニット。
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