JP2015164710A - 空気清浄用濾材 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温においてもプリーツ加工性に優れ集塵性能とアルデヒド類の脱臭性能に優れた空気清浄用濾材を提供する。【解決手段】アミノ基を含有する薬剤が添着された活性炭とその上流側と下流側に配置されたカバー層が熱可塑性樹脂によって固着されてなる空気清浄用濾材であって、上流側カバー層がレジンボンド不織布からなり、下流側カバー層が上流側カバー層より繊維径の小さいエレクトレット不織布からなることを特徴とする空気清浄用濾材。【選択図】なし

Description

本発明は、集塵脱臭機能を有した空気清浄用濾材に関するものである。
近年、自動車用、家庭用フィルタ等の分野において、濾材の高機能化・多様化の要請が急激に高まっており、集塵および脱臭機能を有する空気清浄用濾材の検討が多くなされている。そして、これら空気清浄用濾材として、粒子状または繊維状の吸着剤と接着剤を用いてシート化する方法が多く採用されており、例えば、基材層間に粒状吸着剤と粒状接着剤の混合物を散布し、これを加熱接着してなる吸着濾材が開示されている(例えば、特許文献1)。かかる吸着濾材は低コストで通気性に優れる吸着性シートが得られるが、濾過面積を増すためにプリーツ加工を施してユニット形状で用いる場合、プリーツ形状の保持性や剛性については何ら検討されておらず、またプリーツした場合に折り曲げた頂点から吸着剤が脱落するなど、プリーツ加工を施して用いるには実用上の問題を有していた。
前記問題を解決するため、例えば接着シートを用いて吸着剤層と基材を接着した吸着性シートが開示されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、かかる吸着性シートは、接着シートが通気性を阻害して通気抵抗が高くなり、さらには接着面で粉塵が目詰まりしやすい、あるいは吸着性能を阻害するという問題を有していた。また微細塵に対する集塵機能は有しておらず、プリーツ加工時の形状保持性、性能維持性については何ら検討されていない。
また、通常、濾材にプリーツ加工を行う際には形状保持のために加熱処理が施される(例えば、特許文献3)。しかしながら、微粒子捕集性能を高めたエレクトレット濾材やアセトアルデヒド等の化学吸着能を高めたアミン系添着活性炭を含む濾材に対して加熱処理を行うと、エレクトレット濾材の静電気が消失したり、添着されたアミン系薬剤が失活し濾材性能が大きく低下するという問題があった。
特開平11−5058号公報 特開2002−273123号公報 特開2011−000536号公報
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたものであり、低温においてもプリーツ加工性に優れ集塵性能とアルデヒド類の脱臭性能に優れた空気清浄用濾材を提供するものである。
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、ついに本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)アミノ基を含有する薬剤が添着された活性炭を含む吸着層とその上流側と下流側に配置されたカバー層が熱可塑性樹脂によって固着されてなる空気清浄用濾材であって、上流側カバー層がレジンボンド不織布からなり、下流側カバー層が上流側カバー層に使用する不織布を構成する繊維の繊維径より繊維径の小さい繊維から構成されるエレクトレット不織布からなる空気清浄用濾材。
(2)上流側カバー層がレーヨン繊維を含むレジンボンド不織布からなる(1)記載の空気清浄用濾材。
(3)下流側カバー層に使用するエレクトレット不織布がメルトブローン不織布からなる(1)または(2)記載の空気清浄用濾材。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の濾材をプリーツ状に成型したフィルタユニット。
本発明による空気清浄用濾材は、低温においてもプリーツ加工性に優れ集塵性能とアルデヒド類の脱臭性能に優れた空気清浄用濾材を提供できる。
本発明の空気清浄用濾材の模式図である。 本発明中の通気抵抗測定冶具である。 本発明中のフィルタユニットの斜視図である。 レシプロ式プリーツ加工機の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の空気清浄用濾材は、アミノ基を含有する薬剤が添着された活性炭を含む吸着層とその上流側と下流側に配置されたカバー層が熱可塑性樹脂によって固着されてなる空気清浄用濾材である。
上流側カバー層はレジンボンド不織布である必要がある。ここで言うレジンボンド法による不織布とは繊維同士をバインダー樹脂で固着させた不織布のことであり、スパンボンド法やメルトブローン法、あるいはサーマルボンド法による不織布と比較すると剛性に富み、折癖せがつきやすくプリーツ加工時の補強材として好適である。特に薬剤添着活性炭シートやエレクトレット不織布をプリーツ加工したい場合は、プリーツ形状セット時に高温をかけると性能が低下するので、レジンボンド不織布と貼り合わせることで低温でのプリーツ加工およびプリーツ形状保持が可能となる。
上流側のレジンボンド不織布を構成する繊維の材質は特に限定されずレーヨン、ポリエステル、ビニロン、アクリルなどが使用できるが、なかでもレーヨンが好ましい。レーヨンは吸水性があるため、水溶性バインダー樹脂との相性が良く、またドレープ性に富むため、プリーツ加工時の反発が低くプリーツ時の形状維持が低温で容易となる。
レジンボンド不織布において繊維を固着するバインダー樹脂は、アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、などのアクリル系樹脂や、ウレタン樹脂などが使用できるが、固さ、耐熱性からアクリル系樹脂が好ましい。バインダー樹脂の使用量は、不織布全体の10〜30wt%が好ましい。使用量が少ないと十分な剛性が得られず、多いと通気性を阻害するので好ましくない。また、バインダー樹脂成分に難燃剤、抗菌防カビ剤、顔料など付加機能剤を適宜混合することができる。
上流側カバー層に使用する不織布を構成する繊維の平均繊維径は10〜100μmが好ましく、20〜60μmがより好ましく、20〜45μmがさらに好ましい。上流側カバー層は、被処理空気の流入面であるため、構成繊維の平均繊維径が10μmより小さいと、繊維間の空隙も狭くなり、空気中の塵埃がカバー層上に堆積し、通気抵抗が急上昇する。構成繊維の平均繊維径が100μmより大きいと、特にプリーツ時に活性炭粒子が飛び出すあるいは脱落する。
下流側カバー層はエレクトレット不織布からなり、上流側カバー層に使用するレジンボンド不織布を構成する繊維径より繊維径の小さい繊維から構成されるエレクトレット不織布であることが必要である。エレクトレット不織布の種類は特に限定されず、スパンボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、スパンレース法などの長繊維不織布、あるいは短繊維不織布をコロナ荷電法、水流荷電法、電子線荷電法、摩擦荷電法といった従来の荷電法を適用することによって得られる不織布でも良い。
下流側のエレクトレット不織布を構成する繊維の材質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系合成高分子材料等の、高い電気抵抗率を有する材料が好ましく用いられる。
下流側カバー層に使用する不織布を構成する繊維の平均繊維径は、ダスト負荷時の目詰まりを抑制するために、上流カバー層より小さく設定される必要があり、2〜50μmが好ましい。繊維径が2μmより小さいと通気抵抗が高くなり、50μmより大きいと活性炭の脱落が生じる。
本発明のカバー層は、厚みが0.1〜3.0mmであることが好ましい。厚みが0.1mmより小さいと目付斑も考慮すると活性炭の抜け、脱落の懸念が生じる。厚みが3.0mmより大きいと濾材全体の厚みが大き過ぎ、プリーツ状ユニットとした場合に構造抵抗が大きくなり、結果としてユニット全体での通気抵抗が高くなり過ぎ、実用上問題がある。
本発明のカバー層は、目付量が15〜100g/mであることが好ましく、20〜80g/mがより好ましい。目付が15g/m未満であれば活性炭および活性炭とカバー層の固着に使用される熱可塑性樹脂の抜けが多くなる。目付が100g/mを越えると、シート厚みが大きくなり、プリーツ状ユニットとした場合の構造抵抗が大きくなる。
本発明においてカバー層と活性炭を含有する吸着層との接着には、熱可塑性樹脂が用いられる。その素材としては特に限定されずポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、エチレンーアクリル共重合体、ポリアクリレート、ポリアーレン、ポリアクリル、ポリジエン、エチレンー酢酸ビニル、PVC、PS等の樹脂があげられる。
熱可塑性樹脂の大きさは、粉末状の樹脂は平均で10〜300μm(以下、「粉末状熱可塑性樹脂」と呼ぶ場合がある)の粒径が好ましい。かかる範囲の粒子径であれば、熱可塑性樹脂が、活性炭の表面細孔を塞ぐことを低減できる一方、活性炭との混合時にファンデルワールス力や静電気力による活性炭への予備接着が有効になされ、均一に分散することができ、活性炭層内、及びカバー層との接着性を良好にできるからである。
粉末状熱可塑性樹脂の形状は特に規定はないが、球状、破砕状、繊維状等があげられる。粉末状熱可塑性樹脂の融点は、移動車両等の室内の環境温度等考慮すると80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。
粉末状熱可塑性樹脂の溶融時の流動性は、JIS K−7210記載のMI値で、1〜80g/10minが好ましく、3〜30g/10minがより好ましい。かかる範囲であれば、吸着剤の表面の閉塞を防止しつつ、活性炭層とカバー層を強固に接着することができるからである。
粉末状、粒状とも熱可塑性樹脂の使用量は、活性炭に対して5〜600重量%使用するのが好ましく、10〜50重量%がより好ましい。かかる範囲内であれば、カバー層との接着力、通気抵抗、脱臭性能に優れる脱臭濾材が得られるからである。
粉末状、粒状とも熱可塑性粉末樹脂の粒径調整法は、機械粉砕、冷凍粉砕、化学調整法等があげられる。また最終的に篩にかけ一定粒径を得ることができるが、一定の粒径を確保できる方法であれば特に限定されない。
吸着層に用いられる活性炭の平均粒子径は、通気性、ダスト保持性、吸着材の脱落、シート加工性等を考慮して、JIS K 1474活性炭試験方法に基づいた質量平均径にて200〜800μmであることが好ましく、300〜500μmがより好ましい。活性炭の平均粒子径が200μm未満の場合には、一定の脱臭性能を得るのに通気抵抗が大きくなりすぎ、また、同時にシート充填密度が高くなりやすく、ダスト供給時に早期の通気抵抗上昇を引き起こす原因になる。活性炭の平均粒子径が800μmを越える場合には、脱臭性能が極端に低くなり、さらには厚みが大きくなるため、プリーツユニットとしての構造抵抗が高くなる。なお、上記の粒状活性炭は、通常の分級機を使用して所定の粒度調整をすることにより、得ることが可能である。
吸着層に用いられる活性炭は、JIS K 1474活性炭試験方法にて硬さ90%以上を有するヤシ殻活性炭を用いることが好ましい。硬さ95%以上のヤシ殻活性炭を用いることがより好ましい。活性炭の硬さが90%未満であるとシート加工時やプリーツ加工時に活性炭が破砕され、濾材表面やプリーツ頂点から活性炭の脱落が発生する。
活性炭原料としては、ヤシ殻の他に木質系、石炭系、ピッチ系などが知られているが、ヤシ殻活性炭の細孔は他の原料と比較して小さい細孔の比率が多く、不純物である灰分も少ない。つまり、ヤシ殻活性炭は細孔が小さいために吸着した臭気分子に対して効果的に細孔壁との分子間力が働き、吸着した臭気分子を脱離させにくい特徴がある。また灰分が少ないことから重量当たりの臭気吸着性能も高い。
吸着層に用いられる活性炭のJIS K 1474に準拠して測定したときのトルエン吸着量は、20重量%以上が好ましい。悪臭ガス等の無極性のガス状及び液状物質に対して高い吸着性能を必要とするためである。
吸着層に用いられる活性炭は、アルデヒド類の吸着性能を向上することを目的として、アミノ基を含有する薬剤であるアミン系の薬品処理が施してある。活性炭単体では臭気閾値が低く、極性の強いアセトアルデヒドのようなアルデヒド類はほとんど吸着できないためである。
アミン系の薬品処理に用いられる薬品としては、例えばエタノールアミン、ポリエチレンイミン、アニリン、P−アニシジン、スルファニル酸、ヒドラジド類、アミノシラン類、エタノールアミン塩酸塩、2−アミノエタノール、2.2−イミノジエタノール塩酸塩、P−アミノ安息香酸、スルファニル酸ナトリウム、L−アルギニン、メチルアミン塩酸塩、セミカルバジド塩酸塩、ヒドラジン、ヒドロキノン、硫酸ヒドロキシルアミン等が好適に用いられる。なお、薬品処理は、例えば、活性炭に薬品を担持させたり、添着することにより行う。また、活性炭に直接薬品を処理する以外に、シート面表面付近に通常のコーティング法等で添着加工する方法やシート全体に含浸添着することも可能である。この際、アルギン酸ソーダやポリエチレンオキサイド等の増粘剤を混入した薬品水溶液をつくり、これを担持、添着を実施する方法もできる。この方法では水への溶解度が低い薬品を担持、添着し、さらに薬品の脱落を抑制するのにも有効である。
本発明の空気清浄用濾材は、抗菌剤、抗かび剤、抗ウイルス剤、難燃剤等の付随的機能を有する成分等を含めて構成してもよい。これらの成分は繊維類や不織布、織物中に練り込んでも、後加工で添着、および担持して付与してもよい。例えば、難燃剤を含めて構成することにより、FMVSS.302で規定されている遅燃性の基準やUL難燃規格に合致した空気清浄用濾材を製造することが可能である。
本発明の空気清浄用濾材の構成単位としては、上流側カバー層/活性炭および熱可塑性樹脂の混合粉粒体/下流側カバー層である。
本発明の空気清浄用濾材の基本的な製法について説明する。まず、アミノ基を含有する活性炭および粉末状熱可塑性樹脂を所定の重量秤量し、シェーカー(撹拌器)に入れ、約10分間回転速度30rpmで撹拌する。この際の水分率は混合物重量の15%以内が好ましい。この時点で粉末状熱可塑性樹脂が活性炭表面に仮接着された混合物となっている。次に、この混合粉粒体をカバー層の上に散布後、別のカバー層を積層し、熱プレス処理を実施する。熱プレスの際のシート表面温度は熱可塑性粉末樹脂融点の3〜30℃、好ましくは5〜20℃高い程度が好ましい。
別法として、アミノ基を含有する薬剤が添着された活性炭と粉末状熱可塑性樹脂を予め混合した混合粉体をカバー層の上に散布後、さらに粒状熱可塑性樹脂を一定量散布し、さらに別のカバー層を積層後、熱プレス処理を実施する方法、あるいはカバー層に予め粒状熱可塑性樹脂を固着させておき、このシートを上述したカバー層として、この上に活性炭と粉末状熱可塑性樹脂を予め混合した混合粉体を散布、あるいはカバー層に使用し、熱プレス処理を実施して空気清浄用濾材を得ることもできる。
また、熱処理する前に赤外線等で予め予備加熱し、仮接着しておけば、プレス時におこりがちな混合粉粒体の不規則な流動も生じず、より分散性が良好な空気清浄用濾材が製造できる。赤外線による熱処理は、気流などを起こさず、混合粉粒体を静置した状態で加熱することができ、混合粉粒体の飛散などを防止することができる。
最終的に熱プレスしシート製造するにはよく使用されるロール間熱プレス法、あるいは上下ともフラットな熱ベルトコンベヤー間にはさみこむフラットベッドラミネート法等があげられる。より均一な厚み、接着状態をつくりだすには後者の方がより好ましい。また、本特許で記載するカバー層と上記製法の特徴の組み合わせにより、活性炭同志の過度の結着を抑制することができると同時に、基材不織布との実用上充分な接着強力を得ることができる。
本発明で得られた空気清浄用濾材は、プリーツ形状に加工するのに好適である。プリーツ形状への加工方法は特に限定されずレシプロ方式、ロータリー方式、ストライピング方式等、広く利用できる。プリーツ形状に加工することによって単位面積あたりの濾材折り込み量を増やせるため、脱臭性能やダスト保持性能を飛躍的に向上させることができる。
本発明の空気清浄用濾材を使用したプリーツ状フィルタユニットの厚みは、10〜400mmが好ましい。カーエアコンに内蔵装着をはじめとする車載用途や家庭用空気清浄機であれば、通常の内部スペースの関係から、10〜60mm程度、ビル空調用途へよく設置される大型のフィルタユニットであれば40〜400mm程度が収納スペースから考えると好ましい。
本発明のフィルタユニットのひだ山頂点間隔は、2〜30mmが好ましい。2mm未満ではひだ山間が密着しすぎでデッドスペースが多く、効率的にシートを活用できなくなるため好ましくない。一方、30mmを越えると濾材折り込み面積が小さくなるためフィルタ厚みに応じた除去効果を得ることができなくなるため好ましくない。
以下本発明を実施例によって、さらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
なお、実施例中の数値は以下のような方法で測定した値である。
(繊維径)
不織布の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率100倍)を撮影し、その写真からn=30にてランダムに繊維径を測定した平均値を算出した。なお、繊維が2種以上混合されている不織布についても同様に、n=30にてランダムに繊維径を測定し、その平均値を繊維径とした。
(目付)
200mm×200mmの試料を使用し、80℃の恒温槽中に30分放置後、デシケータ(乾燥剤:シリカゲル)中で30分放置する。その後取り出し、感量10mgの化学天秤で測定して、m当りの重量に換算した。
(通気抵抗)
図2に示す測定冶具により、試料大きさφ75mm、有効濾過面積φ50.5mm、濾材通過風速10cm/secの条件下で測定した。
(厚み)
50mm×50mm試料を使用し、50mmφの測定子に15.3g/cm2となるよう荷重を加えた時の値を測定した。
(アルデヒド脱臭性能)
25℃、相対湿度50%雰囲気中で、3ppmのアセトアルデヒドを風速20cm/secにて試験濾材に通風した。通風1分後に濾材の上下流の濃度をそれぞれガステック製検知管で測定し、上流側のガス濃度から下流側のガス濃度を減じた値を上流側のガス濃度で除した値の百分率で示した。測定はプリーツ加工後の6cm×6cmに切り取った濾材単板サンプルで行った。
(0.3μm集塵性能)
72mmφにカットした濾材をダクト内に設置し、空気濾過速度が20cm/secになるよう大気を通気させ、濾材上流、下流の0.3〜0.5μm粒子の個数濃度をパーティクルカウンターにて計測し、次式にて粒子捕集効率を算出した。
粒子捕集効率(%)=[1−(下流側濃度/上流側濃度)]×100
(ダスト保持量)
150mm×150mm試料をダクト内に設置し、空気濾過速度が50cm/秒になるよう大気を通気させ、濾材上流側から、JIS15種粉塵を70mg/m3の濃度にて負荷し、通気抵抗が初期から150Pa上昇するまで粉塵を負荷した。この時の濾材単位面積あたりのダスト捕集量をダスト保持量とした。
(形状保持率)
レシプロ式のプリーツ加工機を用いて濾材幅200mm、プリーツ山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山連続してプリーツ加工を実施した。図4に示すようにレシプロ刃の出口にプリーツ山高と同じ間隔にて濾材流れ方向に15cm長さの熱板を設け、熱板表面温度をプリーツセット温度とした。プリーツ品を常温まで冷却後、30山にてカットし、プリーツ品を束ねた状態の大きさを(A)mm、自然に開放した状態の大きさを(B)mmとし、(B)÷(A)×100を形状保持率とした。
[実施例1]
上流カバー層として繊維径30μm、目付30g/m、厚み0.3mmのレーヨン繊維とアクリル樹脂からなるレジンボンド不織布を、下流カバー層として繊維径7μm、目付20g/m、厚み0.2mmのポリプロピレン繊維からなるメルトブローン不織布をコロナ荷電処理しエレクトレット化した不織布を用いた。
活性炭には、JIS K 1474(2007)活性炭試験法6.4による平均粒径400μm、同試験法6.1.2による1/10トルエン蒸気平衡吸着量が30%であるヤシガラ粒状活性炭にアミン系添着剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を活性炭重量に対して5wt%となるよう添着したものを用いた。添着は活性炭重量の半分の水に活性炭重量に対して5wt%のAPTESを添加撹拌した水溶液を準備し、この水溶液を活性炭に均一に散布撹拌後、105℃の温度で水分とAPTESより生じるエタノールが完全に除去されるまで乾燥した。
次に、熱可塑性粉末樹脂としてエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)(平均粒径220μm、MFR 14g/10min、融点101℃)とアミン添着活性炭を10:5の重量比にて秤量し、均一になるまで撹拌混合した。
この混合粉粒体を前記上流カバー層に総量120g/mになるように均一に散布した。
その上に下流側カバー層を重ね合わせ、テフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.5mm、圧力100kPaに設定し110℃、20秒間熱プレス加工実施した。その後冷却し所望の空気清浄用濾材を得た。
得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[実施例2]
上流カバー層として繊維径30μm、目付40g/m、厚み0.4mmのレーヨン繊維とアクリル樹脂からなるレジンボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にして、空気清浄用濾材を得た。得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[実施例3]
上流カバー層として繊維径28μm、目付40g/m、厚み0.3mmのポリエステル繊維とアクリル樹脂からなるレジンボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にして、空気清浄用濾材を得た。得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[実施例4]
下流カバー層として繊維径25μm、目付20g/m、厚み0.2mmのポリプロピレンからなるスパンボンド不織布のコロナ荷電品を用いた以外は実施例1と同様にして、空気清浄用濾材を得た。得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[実施例5]
下流カバー層として、リンを含有する難燃性のポリエステル繊維(東洋紡株式会社製、繊維径13μm、繊維長44mm)とポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、繊維径18μm、繊維長51mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付15g/mの混繊ウェブを作製し、これに15g/mのポリプロピレンスパンボンド不織布(シンワ株式会社製、繊維径28μm)を積層後3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥、さらに針密度50本/cmにてニードルパンチ処理を行い、全目付30g/mの摩擦帯電濾材を用いた。下流層として前記摩擦帯電濾材を用いた以外は実施例1と同様にして空気清浄用濾材を得た。得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[比較例1]
上流カバー層として繊維径25μm、目付20g/m、厚み0.2mmのポリプロピレンからなるスパンボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にして、空気清浄用濾材を得た。得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[比較例2]
上流カバー層として繊維径35μm、目付40g/m、厚み0.2mmの低融点ポリエステルからなるサーマルボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にして、空気清浄用濾材を得た。得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[比較例3]
比較例2の濾材を用い、加工温度を120℃として山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[比較例4]
上流カバー層として繊維径7μm、目付20g/m、厚み0.2mmのポリプロピレン繊維からなるメルトブローン不織布をコロナ荷電処理しエレクトレット化して用い、下流カバー層として繊維径30μm、目付30g/m、厚み0.3mmのレーヨン繊維とアクリル樹脂からなるレジンボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にして空気清浄用濾材を得た。得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
[比較例5]
下流カバー層としてエレクトレット化処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして空気清浄用濾材を得た。得られた濾材を80℃の加工温度にて山高20mm、プリーツ速度35山/分にて300山のプリーツ加工を実施した。
以上、実施例および比較例にて得られた空気清浄用濾材について厚み、通気抵抗、アルデヒド脱臭性能、0.3μm集塵効率、ダスト保持量、形状維持率の評価を実施した。実施した結果を表1および表2に示す。
実施例1〜5は上流側に下流側より繊維径の太いレジンボンド不織布を用いており、低温でプリーツ加工ができるのでアルデヒドの脱臭性能や0.3μm集塵性能が高く、さらにダストの保持量も高い。プリーツ加工後の形状維持率も100%に近くセット性が良好である。
一方、比較例1、2ではカバー層にレジンボンドが含まれないために形状維持性が十分ではなく、プリーツ品に枠付けを行いフィルタユニットとする際に加工の妨げになる。比較例3ではプリーツ加工温度を120℃まで上げることにより形状維持率を改善しているが、高温によるアミン系添着剤の劣化によりアルデヒド性能の低下が起こり、さらにはエレクトレット濾材の除電が起こり0.3μm集塵性能も低い。比較例4では上流側カバー層が下流側カバー層より繊維径が細いため、目詰まりが早くなりダスト供給量が不足している。比較例5ではエレクトレット不織布を含まないため、0.3μm集塵性能が不足している。
本発明の空気清浄用濾材は、低通気抵抗で集塵性能とアルデヒド類の脱臭性能が高く、低温でのプリーツ加工性が優れた空気清浄用濾材を提供するものであり産業界に貢献することが大である。
1:空気清浄用濾材
2:上流側カバー層
3:吸着層(活性炭、熱可塑性樹脂)
4:下流側カバー層
5:プリーツユニット
6:枠体
7:レシプロ刃
8:熱板

Claims (4)

  1. アミノ基を含有する薬剤が添着された活性炭を含む吸着層とその上流側と下流側に配置されたカバー層が熱可塑性樹脂によって固着されてなる空気清浄用濾材であって、上流側カバー層がレジンボンド不織布からなり、下流側カバー層が上流側カバー層に使用する不織布を構成する繊維の繊維径より繊維径の小さい繊維から構成されるエレクトレット不織布からなる空気清浄用濾材。
  2. 上流側カバー層がレーヨン繊維を含むレジンボンド不織布からなる請求項1記載の空気清浄用濾材。
  3. 下流側カバー層に使用するエレクトレット不織布がメルトブローン不織布からなる請求項1または2記載の空気清浄用濾材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の濾材をプリーツ状に成型したフィルタユニット。
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