JP2020143443A - 被覆材の張替方法及び床構造 - Google Patents

被覆材の張替方法及び床構造 Download PDF

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Abstract

【課題】緩衝層を備える被覆材の張替方法を提供することを目的とする。【解決手段】床暖房ユニット30に接着された被覆材の張替方法であって、被覆材は、少なくとも、床暖房ユニット30に面して接着される基材側層23と、基材側層23よりも床暖房ユニット30から離隔した表面材21と、基材側層23と表面材21との間に配置されている緩衝層22とが積層されて接着されることで形成されており、床暖房ユニット30及び被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、基材側層23と緩衝層22との接着強度が最も小さく、基材側層23と緩衝層22との間において、基材側層23を床暖房ユニット30上に残した状態で、被覆材のうち表面材21及び緩衝層22を基材に対して剥離する。【選択図】図5

Description

本発明は、被覆材の張替方法及び床構造に関する。
特許文献1には、下地材、塗料被覆層、接着剤層及び床表面材をこの順で積層して一体化してなる床材が開示されている。この床材は、下地材に樹脂塗料を塗布して硬化させて塗料被覆層を形成し、その後、塗料被覆層の表面に接着剤を均一に塗布して接着剤層を形成し、その上に床表面材を載せて接着することで形成される。
特許文献2には、特許文献1と同様の構成の壁材が開示されている。特許文献2の壁材は、特許文献1と同様に下地材、塗料被覆層、接着剤層がこの順で積層され、さらに特許文献1の床表面材の代わりに壁表面材が積層されて形成されている。
このような構成の床材及び壁材は、接着力がJIS規格を満たしており、住居等として使用している間は容易に剥がれることがないため問題がなく使用できる。また、特許文献1の床材及び特許文献2の壁材においては、下地材と表面材との間には、リフォーム等の際に下地材よりも上部の部分の剥がし易さを考慮し、塗料被覆層及び接着剤層が介在している。よって、リフォーム等で床表面材及び壁表面材を剥がす場合は、コンクリート等の下地材から接着剤硬化物を容易に剥離することができる。そして、下地材に新たな処理を施すことなく、新しい床表面材及び壁表面材を貼り替えることができる。
しかし、近年、防音効果及び弾力性等の多様な機能が床材及び壁材等に求められている。そこで、床材及び壁材等の被覆材には、下地材と表面材との間に防音、弾力性及び蓄熱等を確保するための緩衝層が配置されている。このような緩衝層を有する床構造が特許文献3に開示されている。特許文献3では、床下地の上に床暖房パネル及び床仕上げ材が順に配置されて床構造が構成されている。
床暖房パネルは、発泡体からなる基材の内部に高温源が設けられ、基材の上面全面がアルミ箔で覆われることで構成されている。また、床仕上げ材は、床暖房パネルのアルミ箔を覆う裏面材と、裏面材の上面に貼付される緩衝層と、緩衝層の上面を覆い、室内に面する板面に表面化粧処理が施された基板とから構成されている。特許文献3の床構造では、前述の通り、床仕上げ材に緩衝層が介在しているため、防音等の効果を得ることができる。また、緩衝層の下面が裏面材で覆われることで、床仕上げ材が床暖房パネル上に配置されるまで、緩衝層を保護することができる。
特開2013−032639号公報 特開2012−197595号公報 特開2016−183480号公報
しかし、特許文献3の床構造では、アルミ箔の上面に貼付される裏面材が、いわゆるスパンボンド法で製造されたスパンボンド不織布で形成されている。このスパンボンド不織布は、接着剤に含まれる可塑剤の揮発成分が透過可能な細孔を有している。よって、スパンボンド不織布からなる裏面材に接着剤を塗布してアルミ箔に接着した場合、接着剤がアルミ箔とスパンボンド不織布からなる裏面材との界面に付着するだけでなく、揮発した接着剤がスパンボンド不織布の細孔に入り込む。また、緩衝層とスパンボンド不織布からなる裏面材とを接着剤により接着した場合にも、揮発した接着剤がスパンボンド不織布の細孔に入り込む。
床仕上げ材を床暖房パネルから剥がし、新たな床仕上げ材に張り替える場合には、床暖房パネルのアルミ箔から、床仕上げ材のスパンボンド不織布からなる裏面材を剥離する必要がある。しかし、上記の裏面材の細孔に接着剤が入り込んでおり、裏面材をアルミ箔から剥がそうとすると、裏面材がアルミ箔上に残ってしまう場合がある。例えば、裏面材は、部分的にはアルミ箔から剥がれるものの、一部がアルミ箔上に残存する。よって、張り替え面の凹凸をなくすために、残存した裏面材を剥がす作業が必要である。この場合に、アルミ箔を残したまま裏面材を剥がすことができない場合には、張り替え面の凹凸を除去できない。また、裏面材を剥がす際にアルミ箔も剥がれてしまう場合がある。このような場合には、新たな床仕上げ材に張り替えることが困難である。
よって、特許文献3の床構造では、緩衝層を備えており防音等の効果を得ることができるものの、新たな床仕上げ材への張り替えが困難である。そこで、緩衝層を備える床仕上げ材(被覆材)を容易に張り替え可能な方法が求められている。
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、緩衝層を備える被覆材の張替方法を提供することを目的とする。
本発明に係る被覆材の張替方法の特徴構成は、
基材の表面を被覆するように接着されている第1被覆材の張替方法であって、
前記第1被覆材は、少なくとも、前記基材に面して接着される第1基材側層と、前記第1基材側層よりも前記基材から離隔した第1表面材と、前記第1基材側層と前記第1表面材との間に配置されている第1緩衝層とが積層されて接着されることで形成されており、
前記基材及び前記第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度が最も小さく、
前記第1基材側層と前記第1緩衝層との間において、前記第1基材側層を前記基材上に残した状態で、前記第1被覆材のうち前記第1表面材及び前記第1緩衝層を前記基材に対して剥離する点にある。
上記特徴構成によれば、基材及び第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、第1基材側層と第1緩衝層との接着強度が最も小さいため、第1基材側層と第1緩衝層との間において剥離が生じる。よって、第1基材側層を基材上に残した状態で、第1被覆材のうち第1表面材及び第1緩衝層を基材に対して容易に剥離できる。
第1基材側層と第1緩衝層との接着強度が大きく、例えば第1表面材と第1緩衝層との接着強度よりも大きい場合には、第1緩衝層を第1基材側層から剥離するのが容易ではなく、基材上に第1基材側層及び第1緩衝層が残留する。このように基材上に第1緩衝層が残留した状態では、新しい第2被覆材を基材上に貼り付けるのが困難である。
上記特徴構成によれば、第1表面材及び第1緩衝層を基材から容易に剥がせる。これにより、被覆材の張替に当たって基材への損傷を減らすことができる。また、基材に残存する第1基材側層は、基材上に損傷の少ない状態で概ね均一な面を有するように残っている。これらのこと等から、第1基材側層を基材上に残した状態でそのまま新しい第2被覆材を基材上に貼り付けることができる。よって、容易に被覆材の張り替えを行うことができる。
このように第1被覆材のうち第1表面材及び第1緩衝層を基材に対して容易に剥離できるため、被覆材の張替に要する作業量及び時間を減らすことができる。さらに、第1表面材及び第1緩衝層を基材から剥離する際の騒音を抑制できる。
また、分割された複数の第1被覆材が組み合わされて基材に貼り付けられている場合、一部の第1被覆材のみ、つまり一部の第1表面材及び第1緩衝層のみを基材から容易に剥がせる。第1被覆材と基材との接着強度が大きく第1被覆材を基材から剥がすのが困難な場合、一部の第1被覆材を剥がす際に周囲の第1被覆材にも損傷を与える可能性がある。しかし、上記特徴構成によれば一部の第1被覆材のみを基材から容易に剥がすことができるため、部分的な被覆材の張り替えを行うことができる。
また、第1表面材の張替にあたって、第1被覆材のうち第1表面材及び第1緩衝層のみ剥離すればよく、基材と第1被覆材とを含む床ユニット全体を交換する必要がない。これにより、基材を再利用できるため、廃棄物の量を削減できる。
本発明に係る被覆材の張替方法の更なる特徴構成は、
前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度は、JISA5536に準拠した引張接着強さであり、前記接着強度は、0.01N/mm以下である点にある。
上記特徴構成の数値範囲の場合には、第1基材側層と第1緩衝層との接着強度を小さく抑えつつ第1被覆材の張替を容易に行える。
本発明に係る被覆材の張替方法の更なる特徴構成は、
基材の表面を被覆するように接着されている第1被覆材の張替方法であって、
前記第1被覆材は、少なくとも、前記基材に面して接着される第1基材側層と、前記第1基材側層よりも前記基材から離隔した第1表面材と、前記第1基材側層と前記第1表面材との間に配置されている第1緩衝層とが積層されて接着されることで形成されており、
前記基材及び前記第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、前記第1緩衝層と前記第1表面材との接着強度が最も小さく、次に前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度が小さく、
前記第1緩衝層と前記第1表面材との間において、前記第1緩衝層及び前記第1基材側層を前記基材上に残した状態で、前記第1表面材を前記基材に対して剥離し、
その後、前記第1基材側層と前記第1緩衝層との間において、前記第1基材側層を前記基材上に残した状態で、前記第1緩衝層を前記基材に対して剥離する点にある。
上記特徴構成によれば、基材及び第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、第1緩衝層と第1表面材との接着強度が最も小さく、次に第1基材側層と第1緩衝層との接着強度が小さい。よって、まず第1緩衝層及び第1基材側層を基材上に残した状態で第1表面材を基材に対して剥離し、次に第1基材側層を基材上に残した状態で第1緩衝層を基材に対して剥離する。これにより、第1基材側層を基材上に残した状態で、第1被覆材のうち第1表面材及び第1緩衝層を基材に対して容易に剥離できる。
第1基材側層と第1緩衝層との接着強度が大きく、例えば第1表面材と第1緩衝層との接着強度よりも大きい場合には、第1緩衝層を第1基材側層から剥離するのが容易ではなく、基材上に第1基材側層及び第1緩衝層が残留する。このように基材上に第1緩衝層が残留した状態では、新しい第2被覆材を基材上に貼り付けるのが困難である。
上記特徴構成によれば、第1表面材及び第1緩衝層を順に基材から容易に剥がせる。これにより、被覆材の張替に当たって基材への損傷を減らすことができる。また、基材に残存する第1基材側層は、基材上に損傷の少ない状態で概ね均一な面を有するように残っている。これらのこと等から、第1基材側層を基材上に残した状態でそのまま新しい第2被覆材を基材上に貼り付けることができる。よって、容易に被覆材の張り替えを行うことができる。
このように第1被覆材のうち第1表面材及び第1緩衝層を基材に対して容易に剥離できるため、被覆材の張替に要する作業量及び時間を減らすことができる。さらに、第1表面材及び第1緩衝層を基材から剥離する際の騒音を抑制できる。
また、分割された複数の第1被覆材が組み合わされて基材に貼り付けられている場合、一部の第1被覆材のみ、つまり一部の第1表面材及び第1緩衝層のみを基材から容易に剥がせる。第1被覆材と基材との接着強度が大きく第1被覆材を基材から剥がすのが困難な場合、一部の第1被覆材を剥がす際に周囲の第1被覆材にも損傷を与える可能性がある。しかし、上記特徴構成によれば一部の第1被覆材のみを基材から容易に剥がすことができるため、部分的な被覆材の張り替えを行うことができる。
また、第1表面材の張替にあたって、第1被覆材のうち第1表面材及び第1緩衝層のみ剥離すればよく、基材と第1被覆材とを含む床ユニット全体を交換する必要がない。これにより、基材を再利用できるため、廃棄物の量を削減できる。
本発明に係る被覆材の張替方法の更なる特徴構成は、
前記第1緩衝層と前記第1表面材との接着強度は、JISA5536に準拠した引張接着強さであり、前記接着強度は、0.01N/mm以下である点にある。
上記特徴構成の数値範囲の場合には、第1緩衝層と第1表面材との接着強度を小さく抑えつつ第1被覆材の張替を容易に行える。
本発明に係る被覆材の張替方法の更なる特徴構成は、
前記第1被覆材のうち前記第1表面材及び前記第1緩衝層を前記基材に対して剥離した後、少なくとも、第2基材側層と、第2表面材と、前記第2基材側層及び前記第2表面材の間の第2緩衝層とが積層されて接着されて形成されている第2被覆材の第2基材側層を、前記基材上に残った前記第1被覆材の第1基材側層に接着させる点にある。
上記特徴構成によれば、基材上に残った第1基材側層と、第2被覆材の第2基材側層とを接着させることで、基材を新たな第2被覆材で覆うことができる。これにより、被覆材の張替が容易である。
本発明に係る被覆材の張替方法の更なる特徴構成は、前記第1緩衝層は不織布及び発泡体の少なくともいずれかである点にある。
上記特徴構成によれば、第1緩衝層は不織布及び発泡体で形成されているため、第1緩衝層を含む第1被覆材に防音、弾力性及び蓄熱等の機能を与えることができる。
本発明に係る被覆材の張替方法の更なる特徴構成は、前記第1基材側層はシート状である点にある。
第1被覆材のうち第1表面材及び第1緩衝層を基材に対して剥離すると、第1基材側層が基材上に残った状態となる。上記特徴構成のように第1基材側層がシート状であり凹凸が少ないので、第1基材側層が基材上に概ね平らな面を有するように残る。よって、第2被覆材を第1基材側層が残った基材の上に概ね平らに貼り付けることができる。そのため接着強度のムラをなくすことができ好ましい。
本発明に係る被覆材の張替方法の更なる特徴構成は、前記基材は、熱媒体が通流する通流路を有するパネル基材と、前記パネル基材の上面に接着された金属箔とを含む点にある。
上記特徴構成によれば、温水及び電気等の熱媒体が通流するパネル基材と、パネル基材の上面に接着された金属箔とから基材が構成されている。基材が前述の第1被覆材で被覆されているため、金属箔及びパネル基材等への損傷を抑制しつつ被覆材の張替を容易に行うことができる。また、金属箔及びパネル基材等への損傷が抑制されるため、金属箔及びパネル基材を含む基材を再利用できる。
本発明に係る床構造の特徴構成は、
下地層上に配置されるパネル基材と、
前記パネル基材上に配置される金属箔と、
前記金属箔上に配置される第1基材側層と、
前記第1基板側層上に配置される第1緩衝層と、
前記第1緩衝層上に配置される第1表面材とを備え、
前記基材及び前記第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度が最も小さい点にある。
上記特徴構成の床構造を採用することで、上記被覆材の張替方法と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る床構造の特徴構成は、
下地層上に配置されるパネル基材と、
前記パネル基材上に配置される金属箔と、
前記金属箔上に配置される第1基材側層と、
前記第1基板側層上に配置される第1緩衝層と、
前記第1緩衝層上に配置される第1表面材とを備え、
前記基材及び前記第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、前記第1緩衝層と前記第1表面材との接着強度が最も小さく、次に前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度が小さい点にある。
上記特徴構成の床構造を採用することで、上記被覆材の張替方法と同様の効果を得ることができる。
下地層に設置された床ユニットの断面構成図である。 被覆材の各層の接着の様子を示す断面図である。 床暖房ユニットの各層の接着の様子を示す断面図である。 被覆材及び床暖房ユニットの接着の様子を示す断面図である。 第1の張替方法における被覆材の剥離の様子を示す断面図である。 第1及び第2の張替方法における新被覆材への張替の様子を示す断面図である。 第2の張替方法における被覆材の剥離の様子を示す断面図である。
〔実施形態〕
以下に、本実施形態に係る被覆材の張替方法について説明する。
(1)床ユニットの構成
図1に示すように、床ユニット10は、暖房対象空間の床側の平面状の下地層40を覆うように配置されており、下地層40側から順に床暖房ユニット(基材の一例)30と被覆材(第1被覆材の一例)20とを備える。床暖房ユニット30は、被覆材20により被覆されており、被覆材20を介して熱を暖房対象空間に伝達及び放射等する。
(1−1)被覆材の構成
被覆材20は、図1及び図2に示すように、表面材(第1表面材の一例)21、緩衝層(第1緩衝層の一例)22及び基材側層(第1基材側層の一例)23を備える。
表面材21は、基材側層23よりも床暖房ユニット30から離隔して配置されている。表面材21は、暖房対象空間に対して露出している層であり、床化粧材及び床仕上げ材とも呼ばれる。
緩衝層22は、基材側層23と表面材21との間に配置されている。緩衝層22は、被覆材20に防音効果及び弾力性等の多様な機能を与えるものである。
基材側層23は床暖房ユニット30に面して、被覆材20の緩衝層22及び表面材21の床暖房ユニット30への接着を補助するとともに、張替の際に剥離を補助する介在層である。また、基材側層23は、被覆材20と床暖房ユニット30との間において水分の透過を遮断する防湿層であってもよい。
また、基材側層23はシート状であってもよい。後述するが、被覆材20のうち表面材21及び緩衝層22を床暖房ユニット30に対して剥離すると、基材側層23が床暖房ユニット30上に残った状態となる。基材側層23がシート状であり凹凸が少ないと、基材側層23が床暖房ユニット30上に概ね平らな面を有するように残る。よって、後述のように、新しい新被覆材(第2被覆材)50(図6)を基材側層23が残った床暖房ユニット30の上に概ね平らに貼り付けることができる。そのため接着強度のムラをなくすことができ好ましい。
基材側層23の厚みは、緩衝層22の厚みよりも小さくてもよい。
また、基材側層23がシート状である場合、例えば緩衝層22に貼り付ける際に取り扱いが容易である。
被覆材20は、図2に示すように、表面材21と緩衝層22とが接着剤Aにより接着され、緩衝層22と基材側層23とが接着剤Bにより接着されることで、一体に構成されている。
(1−2)床暖房ユニット
床暖房ユニット30は、図1及び図3に示すように、パネル基材32と、パネル基材32の上面に貼着された金属箔31とを備える。パネル基材32の内部には熱を放熱する高温源33が設けられている。高温源33は、例えば平面視において複数回に亘って蛇行してパネル基材32の概ね全面を通過している。高温源33からの熱は、パネル基材32の表面(上面)から熱伝達及び放射等により放熱される。高温源33としては、熱を放熱するものであれば特に限定されないが、例えば熱媒体が通流する通流路から構成される。具体的には、高温源33は、例えば電気ヒーター及び湯水等の熱媒を通流させた配管等である。
床暖房ユニット30は、図3に示すように、金属箔31とパネル基材32とが接着剤Cにより接着されることで一体に構成されている。
(1−3)床ユニットの下地層への固定
図1、図2に示す被覆材20と、図1及び図3に示す床暖房ユニット30とは、図4に示すように接着剤Dにより接着されて床ユニット10が形成される。具体的には、被覆材20の基材側層23の下面と床暖房ユニット30の金属箔31の上面とが接着剤Dにより接着される。床ユニット10は、接着剤Eにより下地層40に接着される。具体的には、床暖房ユニット30のパネル基材32の下面と下地層40の上面とが接着剤Eにより接着される。
接着順としては特に限定されず、被覆材20と床暖房ユニット30とを接着剤Dにより接着して床ユニット10を形成した後、床ユニット10を接着剤Eにより下地層40に接着してもよい。また、床暖房ユニット30を接着剤Eにより下地層40に接着し、その後、被覆材20を接着剤Dにより床暖房ユニット30に接着してもよい。
なお、上記では床暖房ユニット30を下地層40に接着剤Eにより接着したが、床暖房ユニット30は下地層40に載置されるだけであってもよく、また、床暖房ユニット30は釘等の他の手段により下地層40に固定されてもよい。
また、上記では、被覆材20を一体に形成し、床暖房ユニット30を一体に形成してから被覆材20と床暖房ユニット30とを接着している。しかし、床暖房ユニット30を構成するパネル基材32、金属箔31、さらに被覆材20を構成する表面材21、緩衝層22、基材側層23をばらばらに接着して床ユニット10を構成することもできる。
(1−4)床ユニットにおける接着強度の関係
床ユニットの各層における接着強度の関係については、次の関係を挙げることができる。
(i)接着強度の関係I
床暖房ユニット30及び被覆材20を構成する各部材の接着強度のうち、基材側層23と緩衝層22との接着強度が最も小さい。なお、基材側層23と緩衝層22との接着強度は、床ユニット10と下地層40との接着強度よりも小さい。この場合、基材側層23と緩衝層22との接着強度(JISA5536に準拠した引張接着強さ、以下同様)は、0.01N/mm以下であるのが好ましい。
これにより、被覆材20を床暖房ユニット30から剥離する際に、基材側層23と緩衝層22との間において剥離が生じ、基材側層23を床暖房ユニット30上に残した状態で、被覆材20のうち表面材21及び緩衝層22を床暖房ユニット30に対して容易に剥離できる。
(ii)接着強度の関係II
上記の(i)と同様に、床暖房ユニット30及び被覆材20を構成する各部材の接着強度のうち、緩衝層22と表面材21との接着強度が最も小さい。さらに、基材側層23と緩衝層22との間の接着強度が、基材側層23と緩衝層22との接着強度の次に小さい。つまり、緩衝層22と表面材21との接着強度、基材側層23と緩衝層22との接着強度、床暖房ユニット30と基材側層23との間の接着強度については、この順に大きくなり、緩衝層22と表面材21との接着強度<基材側層23と緩衝層22との接着強度<床暖房ユニット30と基材側層23との間の接着強度の関係となる。この場合、基材側層23と緩衝層22とのJISA5536に準拠した接着強度は、0.01N/mm以下であり、緩衝層22と表面材21とのJISA5536に準拠した接着強度は、0.01N/mm以下であるのが好ましい。
これにより、被覆材20を床暖房ユニット30から剥離する際に、緩衝層22及び基材側層23を床暖房ユニット30上に残した状態で、表面材21を床暖房ユニット30に対して剥離でき、その後、基材側層23を基材上に残した状態で、緩衝層22を床暖房ユニット30に対して容易に剥離できる。
(1−5)床ユニットの材料及び接着剤の材料
以下に、床ユニット10の材料及び接着剤の材料について説明する。
(a)下地層
下地層40としては、例えば、セメント系下地(モルタル、コンクリート、スラブ、レベラー、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)板)、石材、木材、木質材からなる下地を用いることができる。
(b)床暖房ユニット
(b1)パネル基材
パネル基材32としては、例えばポリスチレン等の発泡樹脂を好適に用いることができる。ただし樹脂に限定されず、パネル基材32として木材や木質材等を用いることができる。
(b2)高温源
高温源33の熱媒体としては、電気ヒーターによる熱、温水等を用いることができる。また、高温源33は、熱媒体を通流可能に内部が空洞に形成された管を用いることができる。このような管としては、架橋ポリエチレン管等が好適に用いることができるが、他の樹脂管及び金属管を用いることができる。
(b3)金属箔
金属箔31としては、例えば熱伝導率の高いアルミ箔を好適に用いることができる。
(c)被覆材
(c1)表面材
表面材21としては、天然銘木の突板、ムク板の単板、化粧合板、化粧集成材、裏面に各種緩衝材を貼った複合フローリング材などの木質床表面材の他、塩化ビニル製のシートやタイル、陶磁器製タイルなどを用いることができる。
(c2)緩衝層
緩衝層22は、衝撃及び振動等の伝達、音の発生を抑制するものであり、例えば発泡体及び不織布等が用いられる。発泡体としては、例えばウレタン発泡体を用いることができるが、発泡体であればこれに限定されない。不織布としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等を好適に用いることができるが、これに限定されない。また、不織布は、複数の不織布が積層されて構成されていてもよい。
(c3)基材側層
基材側層23は、緩衝層22を含む被覆材20を床暖房ユニット30に接着するのを補助する層であり、また緩衝層22を下側から覆って緩衝層22が露出しないようにするものである。緩衝層22の外側に基材側層23が設けられることにより、被覆材20が床に設置されるまでに、緩衝層22の一部の剥がれ、汚れ及び変形等するのを抑制できる。
(d)接着剤
接着剤A〜Eとしては、ウレタン樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、変性シリコーン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、尿素樹脂系接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂系接着剤、ゴム系接着剤、尿素・メラミン共縮合樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等を適宜選択又は組み合わせて用いることができる。
(d1)接着剤A
緩衝層22と表面材21との間の接着剤Aとしては、例えばウレタン樹脂系接着剤等を用いることができる。中でも、接着剤Aとしては水性接着剤を用いることができ、水性ビニルウレタン樹脂系接着剤を好適に用いることができる。その他、接着剤Aとしては、水性ビニル樹脂系接着剤、水性酢酸ビニル樹脂系接着剤、水性イソシアネート樹脂系接着剤等の水性接着剤を用いることができる。
(d2)接着剤B
基材側層23と緩衝層22との間の接着剤Bとしては、例えば酢酸ビニル共重合樹脂系接着剤等の酢酸ビニル樹脂系接着剤を用いることができる。
(d3)接着剤D
金属箔31と基材側層23との間の接着剤Dとしては、例えばウレタン樹脂系接着剤及び変性シリコーン樹脂系接着剤等を用いることができる。ウレタン樹脂系接着剤としては、例えば一液ウレタン樹脂系接着剤等を好適に用いることができ、変性シリコーン樹脂系接着剤としては、例えば一液変性シリコーン樹脂系接着剤等を好適に用いることができる。
(d4)接着剤C
パネル基材32と金属箔31との間の接着剤Cとしては、アクリル樹脂系接着剤等を用いることができる。アクリル樹脂系接着剤としては、例えばアクリル酸エステル重合樹脂系接着剤等を用いることができる。
(d5)接着剤E
下地層40とパネル基材32との間の接着剤Eとしては、例えばウレタン樹脂系接着剤等を用いることができ、一液ウレタン樹脂系接着剤等を好適に用いることができる。
(e)本実施形態での床ユニットの材料及び接着剤の材料の組み合わせ
本実施形態では、床ユニット10を構成する各層の材料及び接着剤の組み合わせとして、例えば以下の態様を採用している。以下の態様の場合、上述した接着強度の関係I、IIの少なくともいずれかを満たす。
下地層40にはスラブが用いられている。
床暖房ユニット30において、パネル基材32にはポリスチレン発泡体が用いられており、金属箔31にはアルミ箔が用いられている。
被覆材20において、表面材21には化粧合板が用いられており、緩衝層22には、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の不織布、あるいはウレタン発泡体からなる発泡体が用いられている。基材側層23にはポリプロピレンが用いられている。
上記の材料から構成される下地層40、床暖房ユニット30及び被覆材20は次の接着剤を用いて接着されている。
下地層40とパネル基材32との間の接着剤Eには、一液ウレタン樹脂系接着剤が用いられている。
パネル基材32と金属箔31との間の接着剤Cには、アクリル酸エステル重合樹脂系接着剤が用いられている。
金属箔31と基材側層23との間の接着剤Dには、一液ウレタン樹脂系接着剤、あるいは一液変性シリコーン樹脂系接着剤が用いられている。
基材側層23と緩衝層22との間の接着剤Bには、酢酸ビニル共重合樹脂系接着剤が用いられている。
緩衝層22と表面材21との間の接着剤Aには、水性ビニルウレタン樹脂系接着剤が用いられている。
(2)張替方法
以下に、上述した接着強度の関係I、IIに基づいて、被覆材20の張替方法について説明する。
(2−1)第1の張替方法
まずは、接着強度の関係Iに基づいて被覆材20の第1の張替方法について図5、図6を用いて説明する。
接着強度の関係Iでは、床暖房ユニット30及び被覆材20を構成する各部材の接着強度のうち、基材側層23と緩衝層22との接着強度が最も小さい。各部材の接着強度としては、下地層40とパネル基材32との間の接着強度、パネル基材32と金属箔31との間の接着強度、金属箔31と基材側層23との間の接着強度、基材側層23と緩衝層22との間の接着強度、緩衝層22と表面材21との間の接着強度が挙げられる。基材側層23と緩衝層22との間の接着強度は、前記の接着強度の中で最も小さい。
よって、図1に示すように床暖房ユニット30に接着された被覆材20を、床暖房ユニット30から剥がす場合、図5に示すように接着強度が最も小さい基材側層23と緩衝層22との間で剥離が生じる。よって、基材側層23と緩衝層22との間において、基材側層23を床暖房ユニット30上に残した状態で、被覆材20のうち表面材21及び緩衝層22を床暖房ユニット30に対して容易に剥離できる。
基材側層23と緩衝層22との間の接着強度が前記の接着強度の中で最も小さいので、基材側層23と緩衝層22との間での剥離の確実性が高まり好ましい。
基材側層23と緩衝層22とのJISA5536に準拠した接着強度が、0.01N/mm以下であると、基材側層23と緩衝層22との接着強度を小さく抑えつつ被覆材20の張替を容易に行える。また、接着強度の下限値を調整することで、居住空間及び職場空間等の床に被覆材20を適用している際において被覆材20が床暖房ユニット30から剥離する等の不具合を抑えることができる。
次に、図6に示すように、既存の基材側層23及び床暖房ユニット30上に、新しい新被覆材(第2被覆材)50を接着させる。新被覆材50は、表面材(第2表面材の一例)51、緩衝層(第2緩衝層の一例)52及び基材側層(第2基材側層の一例)53を備える。よって、新被覆材50の基材側層53を、床暖房ユニット30上に残った基材側層23に接着させる。これにより、既存の床暖房ユニット30に対して、被覆材20から新被覆材50への張替を容易に行うことができる。
床暖房ユニット30及び被覆材20を構成する各部材の接着強度のうち、基材側層23と緩衝層22との接着強度が大きく、例えば表面材21と緩衝層22との接着強度よりも大きい場合には、緩衝層22を基材側層23から剥離するのが容易ではなく、床暖房ユニット30上に基材側層23及び緩衝層22が残留する。このように床暖房ユニット30上に緩衝層22が残留した状態では、新しい新被覆材50を床暖房ユニット30上に貼り付けるのが困難である。つまり、緩衝層22は、防音、弾力性及び蓄熱等の機能を有するように発泡体及び不織布から構成されているため、床暖房ユニット30から均一な状態で剥離することが困難であり、部分的に床暖房ユニット30上に残留するからである。このように不均一な凹凸を有する緩衝層22が残留した状態の床暖房ユニット30上に、新被覆材50を張り付けても新被覆材50と床暖房ユニット30との接着強度を適度に確保することができない。
上記構成によれば、表面材21及び緩衝層22を床暖房ユニット30から容易に剥がせる。これにより、被覆材の張替に当たって床暖房ユニット30への損傷、特に金属箔31への損傷を減らすことができる。また、床暖房ユニット30に残存する基材側層23は、床暖房ユニット30上に損傷の少ない状態で概ね均一な面を有するように残っている。これらのこと等から、基材側層23を床暖房ユニット30上に残した状態でそのまま新しい新被覆材50を床暖房ユニット30上に貼り付けることができる。よって、容易に被覆材の張り替えを行うことができる。
このように被覆材20のうち表面材21及び緩衝層22を床暖房ユニット30に対して容易に剥離できるため、被覆材の張替に要する作業量及び時間を減らすことができる。さらに、表面材21及び緩衝層22を床暖房ユニット30から剥離する際の騒音を抑制できる。
また、分割された複数の被覆材20が組み合わされて床暖房ユニット30に貼り付けられている場合、一部の被覆材20のみ、つまり一部の表面材21及び緩衝層22のみを床暖房ユニット30から容易に剥がせる。被覆材20と床暖房ユニット30との接着強度が大きく被覆材20を床暖房ユニット30から剥がすのが困難な場合、一部の被覆材20を剥がす際に周囲の被覆材20にも損傷を与える可能性がある。しかし、上記構成によれば一部の被覆材20のみを床暖房ユニット30から容易に剥がすことができるため、部分的な被覆材20の張り替えを行うことができる。
また、表面材21の張替にあたって、被覆材20のうち表面材21及び緩衝層22のみ剥離すればよく、床暖房ユニット30と被覆材20とを含む床ユニット10全体を交換する必要がない。これにより、床暖房ユニット30を再利用できるため、廃棄物の量を削減できる。
また、被覆材20を床暖房ユニット30に対して容易に剥離できない場合に、工具等を用いて被覆材20を床暖房ユニット30から剥がすと、床暖房ユニット30に損傷を与えてしまう。この場合、床暖房ユニット30を再利用できないが、上記方法によれば床暖房ユニット30への損傷を抑制して被覆材20を張り替えることができるため、再利用を促進できる。
また、基材側層23がシート状で構成されている場合、基材側層23は凹凸が少ない状態である。よって、基材側層23を床暖房ユニット30上に残した状態で新被覆材50に張り替える場合に、新被覆材50を基材側層23の残った床暖房ユニット30の上に容易に貼り付けることができる。
(2−2)第2の張替方法
次に、接着強度の関係IIに基づいて被覆材20の第2の張替方法について図6、図7を用いて説明する。
接着強度の関係IIでは、床暖房ユニット30及び被覆材20を構成する各部材の接着強度のうち、緩衝層22と表面材21との接着強度が最も小さい。さらに、基材側層23と緩衝層22との間の接着強度が、緩衝層22と表面材21との接着強度の次に小さい。つまり、〔緩衝層22と表面材21との接着強度〕<〔基材側層23と緩衝層22との接着強度〕<〔床暖房ユニット30と基材側層23との間の接着強度〕の関係となる。
よって、図1に示すように床暖房ユニット30に接着された被覆材20を、床暖房ユニット30から剥がす場合、図7に示すようにまず最も接着強度の小さい緩衝層22と表面材21との間で剥離が生じる。これにより、緩衝層22及び基材側層23を床暖房ユニット30上に残した状態で、表面材21を床暖房ユニット30に対して剥離できる。次に、緩衝層22を剥がす方向に力を加えると、接着強度が次に小さい基材側層23と緩衝層22の間の間で剥離が生じる。これにより、基材側層23を床暖房ユニット30上に残した状態で、緩衝層22を床暖房ユニット30に対して容易に剥離できる。
次に、前述の図6と同様に、既存の基材側層23及び床暖房ユニット30上に新被覆材50を接着させる。これにより、接着強度の関係Iと同様の効果を得ることができる。
なお、緩衝層22と表面材21のJISA5536に準拠した接着強度が、0.01N/mm以下であると、緩衝層22と表面材21との接着強度を小さく抑えつつ被覆材20の張替を容易に行える。また、接着強度の下限値を調整することで、居住空間及び職場空間等の床に被覆材20を適用している際において被覆材20が基材から剥離する等の不具合を抑えることができる。
(3)実施例及び比較例
(3−1)実施例
上記の実施形態では、「(1−5)床ユニットの材料及び接着剤の材料」において、「(e)本実施形態での床ユニットの材料及び接着剤の材料の組み合わせ」について説明した。
この実施形態での構成において、緩衝層22として不織布を用いた床ユニット10を実施例1とし、緩衝層22として発泡体を用いた床ユニット10を実施例2として、接着強度及び破壊状態を試験した。
(接着強度試験)
試験片である床ユニット10は、JISA5536に準拠し、下地層40に対して、パネル基材32、金属箔31、基材側層23、緩衝層22及び表面材21を対応する接着剤A〜Eを用いて接着して作成された。試験片は40mm×40mmであり、試験片の上面である表面材21に引張用冶具を取り付け、引っ張り速度3mm/分にて90℃剥離方向に引張試験を行った。実施例1、2それぞれについて3個の試験片を用意し、平均値を接着強度として求めた。
(破壊状態)
破壊状態は、剥離面を目視で評価した。接着剤で接着されている2層の境界面で剥離し、概ね全体が各層に分離する場合を界面剥離と評価した。接着剤そのもので破断される場合を凝集破壊と評価した。
実施例1、2の試験結果を以下の表1に示す。
Figure 2020143443
上記表1の試験結果によれば、実施例1(緩衝層22が不織布)の場合も実施例2(緩衝層22が発泡体)の場合も、いずれも緩衝層22と基材側層23との界面で界面剥離している。つまり、剥離の際に、例えば緩衝層22の一部が基材側層23に残留するのが抑制され、緩衝層22が凝集破壊するのが抑制されている。逆に、例えば基材側層23の一部が緩衝層22に残留するのが抑制され、基材側層23が凝集破壊するのが抑制されている。
また、被覆材20を張り替える前、つまり被覆材20により床暖房ユニット30が被覆されている場合において、実施例1(緩衝層22が不織布)では、緩衝層22と基材側層23との接着強度は0.002N/mm2であり、実施例2(緩衝層22が発泡体)では、緩衝層22と基材側層23との接着強度は0.007N/mm2であり、0.01N/mm2以下である。
一方、被覆材20を新被覆材50で張り替えた後、つまり新被覆材50により床暖房ユニット30が被覆されている場合において、実施例1(緩衝層22が不織布)では、緩衝層22と基材側層23との接着強度は張替前と同じ0.002N/mm2であり、実施例2(緩衝層22が発泡体)では、緩衝層22と基材側層23との接着強度は張替前と同じ0.007N/mm2であり、0.01N/mm2以下である。
よって、被覆材の張替前後において接着強度は変化していない。よって、上述した第1及び第2の張替方法を採用して張り替えを行い、被覆材20の基材側層23が残留した床暖房ユニット30の上に新被覆材50を接着しても、張替前と同様の接着強度を得ることができていることが分かった。
次に、実施例1(緩衝層22が不織布)及び実施例2(緩衝層22が発泡体)において、張替前後における熱特性試験を行った。
(熱特性試験)
高温源33を配管内に75℃の温水を通流させることで構成した。高温源33に温水を通流して定常状態となった時の床材表面温度と、放熱量とを測定した。床材表面温度及び放熱量は、張替前については被覆材20の表面材21の上面の温度及び上面からの放熱量であり、張替後については新被覆材50の表面材51の上面の温度及び上面からの放熱量である。
実施例1、2の試験結果を以下の表2に示す。以下では、実施例1(緩衝層22が不織布)及び実施例2(緩衝層22が発泡体)の平均値を記載した。
Figure 2020143443
表2の結果から、被覆材の張替前後において床材表面温度及び放熱量はほぼ変化していないことが分かった。よって、被覆材の張替後も既存の床暖房ユニット30を十分に活用できることが分かった。
(3−2)比較例
上記実施形態では、被覆材20に基材側層23が含まれており、基材側層23が床暖房ユニット30の上面に接着される。比較例では、基材側層23の代わりにスパンボンドが用いられている。つまり、被覆材は、表面材、緩衝層及びスパンボンドから構成されている。そして、被覆材のスパンボンドと床暖房ユニット30とが接着されている。なお、スパンボンドとは、スパンボンド法により製造されたシート状の不織布のことをいう。
比較例1では緩衝層に不織布を用い、比較例2,3では緩衝層にウレタン発泡体を用いている。また、比較例1〜3では接着層にスパンボンドを用いている。比較例1〜3の接着強度の試験結果を以下の表3に示す。
Figure 2020143443
比較例1〜3において、緩衝層22及び接着層(スパンボンド)と床暖房ユニット30との接着強度は、表3に示す通り0.01N/mm2を超えている。よって、実施例1、2の場合に比べて接着強度が5倍以上大きい。そのため、比較例1〜3の被覆材を床暖房ユニット30から剥離する場合、実施例1,2では生じなかった凝集破壊が生じる可能性があり、床暖房ユニット30から被覆材20を剥がすのが容易ではないことが分かった。
〔他の実施形態〕
(1)上記実施形態では、下地層40の上に配置された床ユニット10は、床暖房ユニット(基材)30を備えている。しかし、床ユニット10に含まれる基材は、床暖房ユニット30に限定されず、床暖房機能を備えないべニア板などの板材であってもよい。よって、暖房対象空間に床ユニット10を設ける必要はなく、例えば空間に床暖房機能を備えない板材と被覆材20とにより構成される床ユニット10を設けてもよい。
(2)上記実施形態では、暖房対象空間の床側に床ユニット10を設けている構成について説明した。しかし、床ユニット10と同様の構成のユニットは、空間の壁面側の下地層に対応して設けられてもよいし、天井面に設けられてもよい。
(3)上記実施形態では、被覆材20及び床暖房ユニット30により構成される床ユニット10の下地層40への接着順は、図2〜図4に示されているとおりである。しかし、各層の接着順はこれに限定されない。例えば、下地層40に対して、パネル基材32、金属箔31、基材側層23、緩衝層22及び表面材21の順に積層するように接着剤A〜Eを適用してもよい。
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
20 :被覆材(第1被覆材)
21 :表面材(第1表面材)
22 :緩衝層(第1緩衝層)
23 :基材側層(第1基材側層)
30 :床暖房ユニット(基材)
31 :金属箔
32 :パネル基材
33 :高温源(通流路)
50 :新被覆材(第2被覆材)
51 :表面材(第2表面材)
52 :緩衝層(第2緩衝層)
53 :基材側層(第2基材側層)

Claims (10)

  1. 基材の表面を被覆するように接着されている第1被覆材の張替方法であって、
    前記第1被覆材は、少なくとも、前記基材に面して接着される第1基材側層と、前記第1基材側層よりも前記基材から離隔した第1表面材と、前記第1基材側層と前記第1表面材との間に配置されている第1緩衝層とが積層されて接着されることで形成されており、
    前記基材及び前記第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度が最も小さく、
    前記第1基材側層と前記第1緩衝層との間において、前記第1基材側層を前記基材上に残した状態で、前記第1被覆材のうち前記第1表面材及び前記第1緩衝層を前記基材に対して剥離する、被覆材の張替方法。
  2. 前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度は、JISA5536に準拠した引張接着強さであり、前記接着強度は、0.01N/mm以下である、請求項1に記載の被覆材の張替方法。
  3. 基材の表面を被覆するように接着されている第1被覆材の張替方法であって、
    前記第1被覆材は、少なくとも、前記基材に面して接着される第1基材側層と、前記第1基材側層よりも前記基材から離隔した第1表面材と、前記第1基材側層と前記第1表面材との間に配置されている第1緩衝層とが積層されて接着されることで形成されており、
    前記基材及び前記第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、前記第1緩衝層と前記第1表面材との接着強度が最も小さく、次に前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度が小さく、
    前記第1緩衝層と前記第1表面材との間において、前記第1緩衝層及び前記第1基材側層を前記基材上に残した状態で、前記第1表面材を前記基材に対して剥離し、
    その後、前記第1基材側層と前記第1緩衝層との間において、前記第1基材側層を前記基材上に残した状態で、前記第1緩衝層を前記基材に対して剥離する、被覆材の張替方法。
  4. 前記第1緩衝層と前記第1表面材との接着強度は、JISA5536に準拠した引張接着強さであり、前記接着強度は、0.01N/mm以下である、請求項3に記載の被覆材の張替方法。
  5. 前記第1被覆材のうち前記第1表面材及び前記第1緩衝層を前記基材に対して剥離した後、少なくとも、第2基材側層と、第2表面材と、前記第2基材側層及び前記第2表面材の間の第2緩衝層とが積層されて接着されて形成されている第2被覆材の第2基材側層を、前記基材上に残った前記第1被覆材の第1基材側層に接着させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆材の張替方法。
  6. 前記第1緩衝層は不織布及び発泡体の少なくともいずれかである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆材の張替方法。
  7. 前記第1基材側層はシート状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の被覆材の張替方法。
  8. 前記基材は、熱媒体が通流する通流路を有するパネル基材と、前記パネル基材の上面に接着された金属箔とを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の被覆材の張替方法。
  9. 下地層上に配置されるパネル基材と、
    前記パネル基材上に配置される金属箔と、
    前記金属箔上に配置される第1基材側層と、
    前記第1基板側層上に配置される第1緩衝層と、
    前記第1緩衝層上に配置される第1表面材とを備え、
    前記基材及び前記第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度が最も小さい、床構造。
  10. 下地層上に配置されるパネル基材と、
    前記パネル基材上に配置される金属箔と、
    前記金属箔上に配置される第1基材側層と、
    前記第1基板側層上に配置される第1緩衝層と、
    前記第1緩衝層上に配置される第1表面材とを備え、
    前記基材及び前記第1被覆材を構成する各部材の接着強度のうち、前記第1緩衝層と前記第1表面材との接着強度が最も小さく、次に前記第1基材側層と前記第1緩衝層との接着強度が小さい、床構造。
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