JP3656130B2 - 暖房床の構造 - Google Patents

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伸樹 近藤
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、暖房床の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の暖房床構造としては、コンクリート床スラブや合板等の床下地と木質床材との間に、温水パイプを備えた合成樹脂発泡体等の緩衝材からなる暖房マットを介在させたものが一般的であり、具体的には以下に示すような種々のものがある。
【0003】
まず、図12に示す暖房床は、コンクリートやモルタルの床下地(81)上に、複数の温水パイプ(82)が間隔をあけて設けられた暖房マット(83)が載置され、暖房マット(83)上に複数の木質床材(84a)(84b)が取付けられているものである。この場合、隣り合う木質床材(84a)(84b)のうち、一方の床材(84a) の水平釘打部(85)の上方から釘(86)を暖房マット(83)を貫通してコンクリート等の床下地(81)へ打ち込んで一方の床材(84a) を固定した後、水平釘打部(85)の上面に接着剤(88)を塗布し、他方の床材(84b) の入込み部(87)を一方の床材(84a) の水平釘打部(85)に当接させるものである。
【0004】
また、図13に示す暖房床は、上記暖房床について、暖房マット(83)と床下地(81)間に合板(89)を介在させたものである。この場合、合板(89)はその上方からコンクリート等の床下地(81)へ釘(86a) を打込んで合板(89)を固定した後、隣り合う木質床材(84a)(84b)のうち、一方の床材(84a) の水平釘打部(85)の上方から釘(86b) を暖房マット(53)を貫通して合板(89)へ打ち込んで一方の床材(84a) を固定し、他方の床材(84b) を上記と同様の要領で当接させるものである。
【0005】
更に、図14に示す暖房床は、上記各暖房床のような水平釘打部(85)やこれに対応する入込み部(87)を設けない木質床材(84c)(84d)を用いたものであり、全体の床構成は上記図12に示すものと同様である。この暖房床の場合、床下地(81)に載置された暖房マット(83)に対して、一方の木質床材(84c) の接続端部における雄実(91)の基部から斜め内側下方へ釘(86)を打ち込んで当該床材(84c) を床下地(81)に固定した後、他方の木質床材 (84d)の接続端部における小穴(92)を一方の木質床材(84c) の接続端部における雄実(91)に嵌め合わせるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のいずれの暖房床においても、釘(86)(86b) が暖房マット(83)の温水パイプ(82)間における緩衝材部分(A) を貫通する構造であるため、該貫通部分において釘(86)(86b) の保持力が弱いという問題がある。
【0007】
更に、木質床材(84a)(84b)(84c)(84d)同士を接続する場合、暖房マット(83)の温水パイプ(82)間における緩衝材部分(A) に釘(86)(86b) を打ち込む関係で、該緩衝材部分(A) 上で木質床材(84a)(84b)(84c)(84d)の端部同士を接続することとなるが、上記緩衝材部分(A) は温水パイプ(82)が通っていないため、該緩衝材部分(A) 上における木質床材(84a)(84b)(84c)(84d)の接続箇所が人の歩行時に大きく浮沈する傾向がある。
【0008】
そして、上述のように温水パイプ(82)間の緩衝材部分(A) における釘(86)(86b) の保持力が弱いことから、打ち込まれた釘(86)(86b) が上下に動き易く、図12および図14の暖房床の場合では、コンクリート等の床下地(81)における釘(86)の保持力も弱いため、該釘(86)とコンクリート等の床下地(81)との擦れ音が発生し、これが所謂、木質床における踏み鳴りの原因となる。
【0009】
また、図13の暖房床では、釘(86b) が合板(89)に打ち込まれ、該合板(89)における釘(86b) の保持力は強いことから、床の施工後の初期段階では、歩行時における釘(86b) の上下動がないものの、温水パイプ(82)の緩衝材部分(A) における浮沈が繰り返し行われることにより、釘(86b) が次第に上下動するようになり、該釘(86b) と合板(89)との擦れ音が発生し、これが踏み鳴りの原因となる。
【0010】
また、一般に、上記各暖房床は、いずれも緩衝材からなる暖房マット(83)の存在により、木質床材のみからなる床の場合に比べて階下との遮音性に優れ、また厚さが通常10〜15mmである木質床材(84a)(84b)(84c)(84d)のうち、薄いものほど遮音性が高く、約15mmの木質床材では軽量遮音等級がL−60程度あるのに対し、約10mmの木質床材では等級がL−55程度まで向上する。しかし、約10mmの木質床材では、剛性が小さくなるので、上述した床の浮沈が大きくなり、そのため、上述した踏み鳴りが顕著になる。
【0011】
更に、従来のいずれの暖房床においても、上述したように、暖房マット(83)の温水パイプ(82)間における緩衝材部分(A) に釘(86)(86b) を打ち込む関係で、該緩衝材部分(A) 上で木質床材(84a)(84b)(84c)(84d)の端部同士を接続することとなるが、緩衝材部分(A) が木質材と比べて柔らかいため、施工時に釘を打込み過ぎる傾向がある。そして、図14の暖房床では、釘(86) を強く打ち過ぎた場合、図15に示すように、一方の木質床材(84c) の接続端部が下方に沈み込んで、他方の木質床材 (84d)との接続が行い難くなる。また、このことは、図12および図13の暖房床でも同様であり、この場合、図16に示すように、一方の木質床材(84a) の水平釘打部(85)が下方に沈み込み、該水平釘打部(85)の上面に接着剤を塗布して他方の木質床材 (84b)の入込み部(87)と接着させても、一方の木質床材(84a) の水平釘打部(85)と他方の木質床材 (84b)との間に隙間(B) が生じるので、その接着面積が少ないことから、施工後の暖房運転により、一方の木質床材(84a) と他方の木質床材 (84b)との間に隙間(C) が生ずるという問題がある。また、いずれの暖房床においても、暖房マット(83)はコンクリート等の床下地(81)または合板(89)上に単に載置するだけであるため、この暖房マット(83)上に木質床材(84a)(84b)(84c)(84d)を位置決めする際に、暖房マット(83)が動いて作業が行い難いという不都合もある。この場合、暖房マット(83)だけを別途釘で固定することも考えられるが、釘打ち箇所において暖房マット(83)の上面が凹んだ状態となり、また後で釘を抜くことも考えられるが、この場合には釘抜き作業の際に暖房マット(83)を破損するおそれがある。
【0012】
この他、上記いずれの暖房床の場合でも、釘(86)(86a) をコンクリート等の床下地(81)に直接打ち込む構造であるため、当該釘(86)(86a) の打ち込み作業に手間を要するという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、上述した従来の暖房床における踏み鳴りや遮音性の音的な問題と施工上の問題を一挙に解決することができる暖房床の構造を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、床下地上に位置する暖房マットと、隣り合うものの端部間に1〜10mm程度の隙間が設けられるように暖房マット上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板と、剛性板上に位置する一または複数のシート状緩衝部材と、シート状緩衝部材上に位置し且つ下部に多数の平行な裏溝を有する複数の表面板とを備えており、シート状緩衝部材は、表面板とは別体の一枚ものとなされているか又は各表面板の下面に一体に設けられる複数のものとなされており、暖房マットの緩衝材からなるマット主体には複数の小根太が並列に組入れられ、各小根太間を温水が循環するように複数の温水パイプが配されており、各剛性板は暖房マットの小根太に打ち込まれた釘により暖房マット上に固定されており、各表面板は同種または異種の板状部材からなる上層および下層を有する基板と基板の表面に形成される化粧層とを備えていて、基板の下層に前記裏溝が設けられており、隣り合う表面板のうち、一方の表面板の接続端部に設けられた雄実の基部から剛性板に打込まれた釘により一方の表面板がシート状緩衝部材を介して剛性板に固定され、他方の表面板の接続端部に設けられた小穴が一方の表面板の雄実に嵌め合わされているものである。
【0015】
請求項2に記載の本発明は、床下地上に位置する暖房マットと、隣り合うものの端部間に1〜10mm程度の隙間が設けられるように暖房マット上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板上にそれぞれシート状緩衝部材を介して表面板がその両端面を一致させた状態で一体に設けられてなる複数の複合板とを備えており、各複合板の表面板は同種または異種の板状部材からなる上層および下層を有する基板と基板の表面に形成される化粧層とを備えていて、基板の下層に多数の平行な裏溝が設けられており、暖房マットの緩衝材からなるマット主体に複数の小根太が並列に組入れられ、各小根太間を温水が循環するように複数の温水パイプが配されており、隣り合う複合板のうち、一方の複合板における表面板の接続端部に設けられた雄実の基部から暖房マットの小根太に打込まれた釘により一方の複合板が暖房マット上に固定され、他方の複合板の接続端部に設けられた小穴が一方の複合板の雄実に嵌め合わされているものである。
【0016】
請求項3に記載の本発明は、床下地上に位置する暖房マットと、隣り合うものの端部間に1〜10mm程度の隙間が設けられるように暖房マット上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板上にそれぞれシート状緩衝部材を介して表面板を剛性板に対して左右にずらして一体に設けることにより、一端に剛性板の水平突出部が形成され、他端に剛性板の入込み部が形成されてなる複数の複合板とを備えており、各複合板の表面板は同種または異種の板状部材からなる上層および下層を有する基板と基板の表面に形成される化粧層とを備えていて、基板の下層に多数の平行な裏溝が設けられており、暖房マットの緩衝材からなるマット主体に複数の小根太が並列に組入れられ、各小根太間を温水が循環するように複数の温水パイプが配されており、隣り合う複合板のうち、一方の複合板の一端における水平突出部から暖房マットの小根太に打込まれた釘により一方の複合板が暖房マット上に固定され、他方の複合板における入込み部が一方の複合板の水平突出部に当接されているものである。
【0017】
暖房マットにおける小根太としては、合板、LVL、集成板等の釘打ち可能な木質材が用いられる。小根太の厚さは、緩衝材と略同一とするのが好ましい。また、小根太の幅は当該小根太上で少なくとも剛性板や複合板が釘打ちできる幅であれば良いが、これら各板材同士を接合できる幅とするのが好ましく、通常、35mm以上、好適には40〜50mmである。
【0018】
また、緩衝材からなるマット主体への小根太の組入れ間隔は、住宅、部屋のモジュールに合わせて適宜選択すれば良いが、通常、303mm程度とするのが好ましい。マット主体における小根太の面積率は、小根太部分では遮音性が得られないため、15%以下にするのが好ましい。
【0019】
マット主体を構成する緩衝材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの合成樹脂発泡体や不織布等が挙げられる。これらはそれぞれ単層で用いても良いし、適宜組合わせた複層で使用することもある。これら各部材は、断熱性、保温性および遮音性を有する。上層を発泡体とし、下層を上記発泡体よりも柔軟な不織布とした二層構造のものが特に遮音性に優れている。具体的には、上層をポリスチレン発泡体とし、下層をポリプロピレン繊維やポリエステル繊維の不織布としたものが挙げられる。
【0020】
温水パイプとしては、架橋構造のポリエチレン等、弾性のあるパイプが挙げられる。また、温水パイプ内を循環する熱媒体液としては、通常、水が挙げられるが、この他にエチレングリコールやプロピレングリコール、或いはこれらに水を適宜混合したものが挙げられる。
【0021】
マット主体の上面には、温水パイプの熱を上方へ均等に伝えるために、アルミニウム箔等の熱伝導性に優れた金属薄シートが貼着される。この金属薄シートは、小根太が組入れられ且つ温水パイプが通設されたマット主体の上面全面に貼着しても良いが、該シートを小根太部分を除いて貼着すると共に露出している小根太の上面に接着剤を塗布して上方から剛性板を接着するようにすれば、暖房マットと剛性板との接合強度が高められる。金属薄シートを小根太部分を除いて貼着した場合、小根太の面積率が低いため、上方への均等な熱伝導への影響はほとんどない。また、マット主体の上面全面に金属薄シートを貼着する場合には、上方からの小根太への釘の打込みを確実にするために小根太上方位置の金属薄シートに着色等の目印をするのが好ましい。
【0022】
コンクリートスラブや合板等の床下地への暖房マットの固定方法としては、小根太の下面に接着剤を塗布するか或いは両面テープを貼って上記床下地に接着する他、暖房マットの小根太から床下地へコンクリート釘、スクリュー釘或いはリング釘等を打込んで固定する。
【0023】
剛性板としては、合板、中質繊維板、パーティクルボードが挙げられる。剛性板は、該剛性板の上方から暖房マットの小根太へ釘を打込んで固定するか、或いはこの釘による固定と共に小根太上面に接着剤を塗布して固定するものである。また、上記剛性板の固定にあたっては、隣り合う剛性板の端部間に1〜10mm程度の隙間を設けるのが好ましい。この隙間の存在により、床の衝撃による振動が各剛性板の端部間で寸断され、床全体に伝わらわないので、遮音性が向上する。なお、上記各剛性板の端部間における隙間は当該剛性板上にシート状緩衝部材さらには表面板を一体に接合して複合板とした本発明に係る床構造においても、同様に設けるのが好ましい。
【0024】
シート状緩衝部材としては、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂繊維からなる不織布、ゴムや合成樹脂の発泡体が挙げられる。また、これらは単層或いは適宜組合わせた複層のものとして使用する。ポリエステル繊維からなる不織布は、耐熱性に優れているため、好適である。また、ゴムや合成樹脂の発泡体については、その耐熱性を向上させるために、炭酸カルシウム、粘土、シリカ等の無機粉末を混入せしめることもあり、更にまた熱伝導性を高めるために鉛、鉄、アルミニウム等の金属粉末或いは金属繊維、炭素粉末、炭素繊維等を混入せしめることもある。シート状緩衝部材の厚さは、0.5mm未満では遮音性が低く、4mmを超えると人の歩行時における床の浮沈が大きくなることから、0.5〜4mmの範囲とし、好適には1〜4mmである。遮音性および床の浮沈の両面を考慮すれば、不織布の場合、目付量を150〜360g/m2 、厚さ0.8〜3.5mmとするのが好ましい。また、発泡体の場合、その発泡率を10〜40倍とするのが好ましい。
【0025】
表面板は、通常、基板と基板表面に形成される薄膜状の化粧層とにより構成される。化粧層としては、通常、厚さ0.2〜0.6mm程度の木質単板が使用されるが、他に柄模様印刷紙、合成樹脂含浸シート、塩化ビニル樹脂シート、塗装等を用いることもある。
【0026】
基板としては、合板、中質繊維板が挙げられる。この基板は、下述するように同種または異種の板状部材からなる積層構造とするものである。基板の厚さは5〜15mm程度である。
【0027】
単層構造の基板は、該基板における含水率、材料の密度、内部応力等にバラツキがあると基板下面に裏溝を加工する際に反り等の変形が生じ易くなる。また、この傾向は、基板表面に化粧層となる上記木質単板等を貼着した場合により顕著となる。
【0028】
基板を積層構造とした場合には、上記不都合が軽減されることから、基板は積層体とするのが好ましい。この場合、上下に隣り合う板状部材の繊維方向は平行であっても良いし、直交していても良い。また、積層体の下層を上層よりも厚くするのが好ましく、下層における溝は、該下層の全厚にわたって形成しても良い。
【0029】
また、積層体を構成する部材間には紙、不織布、木質単板、防湿シート等の中間シートを適宜介在させるのがより好ましい。上記防湿シートとしては、熱可塑性樹脂フィルムの両面に紙や不織布をラミネートしたものが例示される。
【0030】
また、基板が合板の単層または少なくとも上層が合板の積層構造であり、その表面に木質単板を貼着する場合には、木質単板の割れ(ヒワレ)を防止するために、基板と木質単板間に上記中間シートを介在させるのが好ましい。また、木質単板と基板の合板における繊維方向を互いに略直交するようにすれば、木質単板の亀裂発生が更に防止できる。
【0031】
基板の下部に形成する裏溝について述べると、溝の深さは、基板の全体厚さの半分以上とし且つ溝のない残存部分の肉厚が2mm以上となるようにするのが好ましい。溝の深さが基板の全体厚さの半分未満の場合には該溝による遮音効果や該溝の緩衝作用が十分に得られず、また溝のない残存部分の肉厚が2mm未満の場合には基板の強度が不十分となるからである。
【0032】
裏溝の幅は、0.5mm未満では加工が困難であり、また5.0mmを超えると基板の強度が不十分となるため、約0.5〜5.0mmの範囲が好ましく、好適には約1.0〜3.0mmの範囲である。
【0033】
裏溝の間隔(ピッチ)は、8.0mm未満では基板の強度が不十分となり、また150mmを超えると該溝による遮音効果が十分に期待できないため、8.0〜150mmの範囲が好ましく、好適には10.0〜80.0mmの範囲である。また、基板の上部側に化粧溝を設ける場合には、該溝と上記基板の裏溝とは互いに一致しない形態とするのが強度上好ましい。また、裏溝の間隔は等間隔または不規則であっても良いし、或いは両者が混在するようにしても良い。
【0034】
裏溝の方向は、基板の長さ方向または幅方向に平行に設ける。また、両方向に平行な溝を互いに交差状に設けることもある。
【0035】
基板下面の全面積に対する裏溝全体の占有面積率は、5%未満では該裏溝による種々の効果が十分に得られず、また30%と超えると基板の強度が低下するため、5〜30%の範囲が好ましく、好適には9〜22%の範囲である。
【0036】
【作用】
請求項1記載の本発明によれば、剛性板を固定する釘は、該剛性板を貫通して暖房マットの小根太に打込まれているため、当該釘の保持力が十分に得られる。また、表面板を固定する釘は、該表面板から剛性板に打込まれているため、当該釘の保持力も十分に得られる。すなわち、本発明の場合、釘は暖房マットの緩衝材を貫通する構造ではないため、十分な釘の保持力が確保される。本発明の暖房床は、まず床下地上に暖房マットを設置し、その上から複数の剛性板をその各端部が暖房マットの小根太上に位置するように載置し、小根太へ釘を打込んで各剛性板を固定した上、更に上方からシート状緩衝部材及びこれと一体または別体の表面板を配し、一方の表面板の接続端部における雄実の基部から剛性板に釘を打込むことにより一方の表面板をシート状緩衝部材を介して剛性板上に固定し、他方の表面板の接続端部に設けられた小穴を上記一方の表面板の雄実に嵌め合わせるだけで施工が完了する。
【0037】
請求項2記載の本発明によれば、釘は、各複合板の接続端部における雄実の基部から剛性板を貫通して暖房マットの小根太へ打込まれているため、釘の十分な保持力が得られる。本発明の暖房床は、まず床下地上に暖房マットを設置し、その上から複数の複合板をその端部が暖房マットの小根太上に位置するように載置し、一方の複合板の接続端部における雄実の基部からマットの小根太へ釘を打込んで一方の複合板を暖房マット上に固定した後、他方の複合板の接続端部に設けられた小穴を上記一方の表面板の雄実に嵌め合わせるだけで施工が完了する。
【0038】
請求項3記載の本発明によれば、釘は、各複合板の接続端部における水平突出部から暖房マットの小根太へ打込まれているため、釘の十分な保持力が得られる。本発明の暖房床は、まず床下地上に暖房マットを設置し、その上から複数の複合板をその端部が暖房マットの小根太上に位置するように載置し、一方の複合板の接続端部における水平突出部から暖房マットの小根太へ釘を打込んで一方の複合板を暖房マット上に固定した後、他方の複合板の接続端部に設けられた入込み部を上記一方の複合板の水平突出部に当接させるだけで施工が完了する。
【0039】
上述したいずれの本発明においても、表面板および剛性板は、暖房マットにおける小根太に支持されているため、人の歩行時に暖房マットを構成する緩衝材が伸縮して上方の表面板および剛性板が浮沈するということがない。また、表面板および剛性板は、暖房マットの小根太へ釘を打込んで固定でき、必ずしもコンクリート床下地まで釘を打込む必要がない。
【0040】
上記各本発明における剛性板は、人の歩行時における表面板の浮沈を軽減すると共に裏溝が形成された表面板を補強するという機能がある。また、剛性板が他のシート状緩衝部材および表面板と一体化されて複合板となされている場合には、剛性板は表面板の反りを防止して床面の平坦性を保つという働きがある。
【0041】
上記各本発明におけるシート状緩衝部材は、表面板から伝わる振動を吸収して階下への遮音性を向上させる。
【0042】
上記各本発明における表面板の裏溝は、床衝撃による振動の横方向への伝達を寸断すると共に音を吸収する。また、表面板の基板を裏溝のある下層と裏溝のない上層の二層構造としたので、剛性板が床暖房に伴って伸縮する際に、この伸縮力が裏溝のある下層によって吸収緩和され、上層まで影響されないため、表面板の上層における寸法安定性が向上する。更に、表面板の基板を上記二層構造としたことにより、裏溝によって上層と下層間に空間が形成され、該空間に対して上下層から水分が適当に吸収・放出されるため、上層と下層の伸縮差が小さくなり、表面板として、或いは複合板全体としての変形が抑制される。また、上記空間における水分の吸収・放出は、床暖房をしていない時でも行われているため、表面板全体について均一な含水率が得られ、そのため床暖房の開始時における当該表面板の急激な変形を生じない。
【0043】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面に従って説明する。
【0044】
実施例1
図1・図2において、本実施例の暖房床は、コンクリートの床下地(1) 上に位置する暖房マット(2) と、暖房マット(2) 上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板(3A)(3B)上にそれぞれシート状緩衝部材(4A)(4B)を介して表面板(5A)(5B)がその両端面を一致させた状態で一体に設けられてなる複数の複合板(6A)(6B)とを備えており、各複合板(6A)(6B)における表面板(5A)(5B)の下部には多数の平行な裏溝(7) が設けられており、暖房マット(2) の緩衝材からなるマット主体(2a)に複数の小根太(8) が並列に組入れられ、各小根太間(8) を温水が循環するように複数の温水パイプ(9) が配されており、隣り合う複合板(6A)(6B)のうち、一方の複合板(6A)における表面板(5A)の接続端部に設けられた雄実(11)の基部から暖房マット(2) の小根太(8) に打込まれた釘(12)により一方の複合板(6A)が暖房マット(2) 上に固定され、他方の複合板(6B)の接続端部に設けられた小穴(13)が一方の複合板(6A)の雄実(11)に嵌め合わされている。
【0045】
複合板(6A)(6B)は、14×141×909mmである。
【0046】
表面板(5A)(5B)は、厚さ9mmの化粧合板からなる基板(5a)の表面に厚さ0.25mmの木質単板からなる化粧層(5b)が形成されている。基板(5a)の裏溝は、幅3mm、深さ5.0mmである。表面板(5A)(5B)の幅方向の裏溝は、13.5mm間隔で60本程度設けられており、基板(5a)の両端附近には設けられていない。また、表面板(5A)(5B)の長さ方向の溝は28.2mm間隔で4本程度設けられている。
【0047】
シート状緩衝部材(4A)(4B)は、ポリエステル繊維の不織布であり、厚さ1mm,目付量190g/m2 である。
【0048】
剛性板(3A)(3B)は、厚さ4mmの合板からなる。また、各剛性板(3A)(3B)の端部間には若干の隙間(S) が設けられている。
【0049】
また、複合板(6A)(6B)の長さ方向に対して、化粧層(5b)の繊維方向は略平行であり、基板(5A)(5B)の表裏単板の繊維方向は略直交している。更に、剛性板(3A)(3B)の表裏単板の繊維方向は、複合板(6A)(6B)の長さ方向に対して、略平行である。
【0050】
暖房マット(2) は、厚さ12mmである。マット主体(2a)はポリスチレン発泡体からなり、各小根太(8) 間におけるマット主体(2a)上部には、多数の凹溝(2b)が設けられ、各凹溝(2b)内に温水パイプ(9) が収容されている。マット主体(2a)の上面全面には、アルミニウム箔(2c)が貼着されている。温水パイプ(9) は、外径7.2mm、内径5.0mmである。小根太(8) は、幅45mmの合板製であり、303mm間隔で組入れられている。
【0051】
本実施例の暖房床を施工する場合、暖房マット(2) の小根太(8) の下面にエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、この小根太(8) 下面をコンクリート床下地(1) に固定する。その後、アルミニウム箔 (2c) の上面における小根太 (8) の上方部分にエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、該部分に複合板(6A)(6B)の剛性板(3A)(3B)を接着させる。そして、一方の複合板(6A)における表面板(5A)の雄実(11)基部から暖房マット(2) の小根太(8) に釘(12)を打込んで一方の複合板(6A)を暖房マット(2) 上に固定し、次に他方の複合板(6B)の小穴(13)を一方の複合板(6A)の雄実(11)に嵌め合わせるものである。また、小根太(8) の上方からコンクリート床下地(1) へ釘を打込むこともある。
【0052】
なお、本実施例の暖房床は、軽量遮音等級がL−50であった。
【0053】
実施例2
図3・図4において、本実施例の暖房床は、床下地(21)上に位置する暖房マット(22)と、暖房マット(22)上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板(23A)(23B)上にそれぞれシート状緩衝部材(24A)(24B)を介して表面板(25A)(25B)を剛性板(23A)(23B)に対して左右にずらして一体に設けることにより、一端に剛性板(23A)(23B)の水平突出部(34)が形成され、他端に剛性板(23A)(23B)の入込み部(35)が形成されてなる複数の複合板(26A)(26B)とを備えており、複合板(26A)(26B)における表面板(25A)(25B)の下部には多数の平行な裏溝(27)が設けられており、暖房マット(22)の緩衝材からなるマット主体(22a) に複数の小根太(28)が並列に組入れられ、各小根太(28)間を温水が循環するように複数の温水パイプ(29)が配されており、隣り合う複合板(26A)(26B)のうち、一方の複合板(26A) の一端における水平突出部(34)から暖房マット(22)の小根太(28)に打込まれた釘(32)により一方の複合板(26A) が暖房マット(22)上に固定され、他方の複合板 (26B)における入込み部(35)が一方の複合板(26A) の水平突出部(34)に当接されているものである。
【0054】
複合板(26A)(26B)の寸法は、上記実施例1と同様である。
【0055】
表面板(25A)(25B)は積層体となされており、上面に0.25mmの化粧単板(25a) が貼着された2.5mmの合板(25b) の下面に、0.25mmの単板(25c) が接合され、更に、単板(25c) の下面に5.5mmの合板(25d) が接合されている。
【0056】
裏溝(27)は、合板(25d) に設けられ、幅3mm、深さ5.2mmである。表面板(25A)(25B)の幅方向の裏溝は、13.5mm間隔で60本程度設けられており、合板(25d) の両端附近には設けられていない。また、表面板(25A)(25B)の長さ方向の裏溝は28.2mm間隔で4本程度設けられている。
【0057】
シート状緩衝部材(24A)(24B)は、ポリエステル繊維の不織布であり、厚さ1.4mm,目付量190g/m2 である。本実施例におけるシート状緩衝部材(24A)(24B)は、表面板(25A)(25B)と同じ長さか或いはほぼ同じ長さとなされている。また、このシート状緩衝部材は剛性板(23A)(23B)と同じ長さか或いはほぼ同じ長さとすることもある。
【0058】
剛性板(23A)(23B)は、厚さ5.5mmの合板からなる。
【0059】
また、上記各部材のうち、表面板(25A)(25B)における合板(25b) の繊維方向は当該複合板(26A)(26B)の長さ方向と直交しており、他のすべての部材における繊維方向は当該複合板(26A)(26B)の長さ方向と平行である。
【0060】
暖房マット(22)のマット主体(22a) は、厚さ9mmのポリスチレン発泡体(22b) の下面に厚さ3mmのポリプロピレン不織布 (22c)(目付量300〜400g/m2 )が一体に接合されている。この点を除いて、暖房マット(22)は、上記実施例1と同様である。
【0061】
本実施例の暖房床を施工する場合、暖房マット(22)の小根太(28)下面に一液型のウレタン系接着剤を塗布した後、この小根太(28)下面をコンクリート床下地(21)に固定する。その後、アルミニウム箔 (22d) の上面における小根太 (28) の上方部分に一液型のウレタン系接着剤を塗布した後、該部分に複合板(26A)(26B)の剛性板(23A)(23B)を接着させる。そして、一方の複合板(26A) の水平突出部(34)から暖房マット(22)の小根太(28)に釘(32)を打込んで一方の複合板(26A) を暖房マット(22)上に固定した後、水平突出部(34)の上面に上記と同様の接着剤を塗布して他方の複合板 (26B)における入込み部(35)を上記一方の複合板(26A) の水平突出部(34)に当接させるものである。また、上記実施例1と同様、各剛性板(23A)(23B)の端部間に隙間(S) を設ける。なお、本実施例の暖房床は、軽量遮音等級がL−45であった。
【0062】
実施例3
図5・図6に示すように、本実施例の暖房床は、床下地(41)上に位置する暖房マット(42)と、暖房マット(42)上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板(43A)(43B)と、剛性板(43A)(43B)上に位置する一枚もののシート状緩衝部材(44)と、シート状緩衝部材(44)上に位置し且つ下部に多数の平行な裏溝(47)を有する複数の表面板(45A)(45B)とを備えており、暖房マット(42)の緩衝材からなるマット主体(42a) には複数の小根太(48)が並列に組入れられ、各小根太(48)間を温水が循環するように複数の温水パイプ(49)が配されており、各剛性板(43A)(43B)は暖房マット(42)の小根太(48)に打ち込まれた釘(52a) により暖房マット(42)上に固定されており、隣り合う表面板(45A)(45B)のうち、一方の表面板(45A) の接続端部に設けられた雄実(51)の基部から剛性板(43A)(43B)に打込まれた釘(52b) により一方の表面板(45A) がシート状緩衝部材(44)を介して剛性板(43A)(43B)に固定され、他方の表面板 (45B)の接続端部に設けられた小穴(53)が一方の表面板(45A) の雄実(51)に嵌め合わされているものである。
【0063】
なお、上記実施例において、シート状緩衝部材(44)は、図7に示すように、複数のものとして、表面板(45A)(45B)の下面にそれぞれ一体に形成することもある。
【0064】
本実施例の暖房床は、まず床下地(41)上に暖房マット(42)を設置し、その上から複数の剛性板(43A)(43B)をその各端部が暖房マット(42)の小根太(48)上に位置するように載置し、小根太(48)へ釘(52a) を打込んで各剛性板(43A)(43B)を固定した上、更に上方からシート状緩衝部材(44)及び表面板(45A)(45B)を配し、一方の表面板(45A) の接続端部における雄実(51)の基部から剛性板(43A) に釘(52b) を打込むことにより一方の表面板(45A) をシート状緩衝部材(44)を介して剛性板(43A) 上に固定し、他方の表面板 (45B)の接続端部に設けられた小穴(53)を上記一方の表面板(45A) の雄実(51)に嵌め合わせるだけで施工が完了する。なお、この実施例においても、上記実施例1、2と同様、各剛性板 (43A)(43B) の端部間に隙間 (S) を設ける。
【0065】
比較例1
図8に示すように、コンクリート床下地(61)上に、ポリエチレン発泡体からなるマット主体(62a) に多数の温水パイプ(69)が通設された厚さ12mmの暖房マット(62)が設けられ、暖房マット(62)上に、厚さ10mmの複合板(66A)(66B)が設けられている。複合板(66A)(66B)は、合板製の表面板(65)および剛性板(63)とからなり、剛性板(63)は水平突出部(64a) と入込み部(64b) を有する。
【0066】
この場合、釘(60)は複合板(66A) の水平突出部(64a) からマット主体(62a) を貫通してコンクリート床下地(61)へ打込まれている。
【0067】
なお、表面板(65)上には厚さ0.25mmの木質単板(65a) が貼着され、またマット主体(62a) 上にはアルミニウム箔(67)が貼着されている。この暖房床の軽量遮音等級がL−55であった。
【0068】
比較例2
図9に示すように、コンクリート床下地(70)上の厚さ12mmの下地合板(71)に、ポリスチレン発泡体からなるマット主体(72a) に多数の温水パイプ(79)が通設された厚さ12mmの暖房マット(72)が厚さ3mmの不織布(74)を介して設けられ、暖房マット(72)上に、厚さ15mmの合板製の表面板(76A)(76B)が配されている。なお、表面板(76A)(76B)の上面に木質単板(77)を、また暖房マット(72)にアルミニウム箔(73)を貼着することは上記比較例と同様である。
【0069】
この暖房床の軽量遮音等級がL−55であった。
【0070】
比較例3
図10に示すように、実施例1における表面板(5A)(5B)に裏溝(7) を設けないこと以外は、実施例1と全く同様の構成とした。この暖房床の軽量遮音等級がL−55であった。
【0071】
床暖房試験
上記実施例1および2、比較例1〜3の暖房床について、各温水パイプに80℃の温水を8時間通した後、4時間自然放冷することを1サイクルとして、それぞれ50サイクルを実施した。そして、各床の状態を観察した結果、以下のことが見られた。
【0072】
実施例1: 各表面板の端部間に0.3〜0.5mmの隙間が生じたが、肉眼では気にならない程度のものであった。
【0073】
実施例2: 肉眼では、各表面板の端部間に隙間の発生は認められなかった。
比較例1: 各表面板の端部間に0.1〜0.2mmの隙間が生じたが、肉眼では気にならない程度のものであった。しかし、水平突出部の釘打ち箇所が凹んで、隣り合う表面板の入込み部との間に部分的な空間が見られた。
【0074】
比較例2: 各表面板の端部間に1〜2mmの隙間が生じた。該隙間は肉眼で目立つものであった。
【0075】
比較例3: 各表面板の端部間に0.4〜1.2mmの隙間が生じた。該隙間も肉眼で気になるものであった。
【0076】
床衝撃音レベル
上記実施例1および2、比較例1〜3の暖房床について、JIS−A−1418に準じて床衝撃音レベルの測定を行った。その結果は下記の表1および図11のグラフに示す通りであるが、実施例1および2のものが各比較例のものよりも床衝撃音レベルが低く、軽量床衝撃音に対して遮音性能が優れていることが認められる。
【0077】
【表1】
Figure 0003656130
【0078】
【発明の効果】
本発明に係るいずれの暖房床構造においても、基本的に表面板および剛性板が、暖房マットにおける小根太に支持されているため、人の歩行時に暖房マットのマット主体を構成する緩衝材が伸縮して上方の表面板および剛性板が浮沈するということがない。また、表面板および剛性板は、暖房マットの小根太へ釘を打込んで固定でき、必ずしもコンクリート床下地まで釘を打込む必要がない。
【0079】
具体的には、本発明に係るいずれの暖房床構造においても、釘は、従来のようにマット主体を構成する緩衝材ではなく、小根太に打込まれるため、充分な釘の保持力が確保される。そして、暖房マット上の表面板および剛性板が、上述したように、暖房マットに組入れられた小根太によって支持されることから、人の歩行時に釘が上下動して踏み鳴りを生ずることがない。
【0080】
また、床の施工時においては、釘は小根太に打込み、従来のように緩衝材に打込むものではないため、釘を打込み過ぎる傾向がなくなる。そのため、剛性板の水平釘打部や表面板における雄実を下方へ沈み込ませてしまうことがなく、施工が簡単且つ確実に行える。また、本発明における暖房マットは、その小根太の下面に接着剤を塗布すること、小根太の上面から釘を打つこと、それらを併用することにより、コンクリート等の床下地に固定することができるため、床施工時における暖房マットの位置決めが確実となる。
【0081】
更に、本発明によれば、裏溝を有する表面板は、適度の柔軟性を有し、裏溝が床衝撃を分断することになるので、遮音性が向上する。上記表面板下方のシート状緩衝部材は、表面板からの振動を吸収して更に遮音性を高める。更にまた、暖房マットにおける緩衝材からなるマット主体等によっても振動が吸収される。
【0082】
以上要するに、本発明によれば、従来の暖房床における踏み鳴りや遮音性の音的な問題および施工上の不都合が解消されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る床材の垂直断面図である。
【図2】図1の床材の施工状態を示す垂直断面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る床材の垂直断面図である。
【図4】図3の床材の施工状態を示す垂直断面図である。
【図5】本発明の実施例3に係る床材の垂直断面図である。
【図6】図5の床材の施工状態を示す垂直断面図である。
【図7】本発明の実施例3に係る床材の変形例を示す垂直断面図である。
【図8】比較例1の床構造を示す垂直断面図である。
【図9】比較例2の床構造を示す垂直断面図である。
【図10】比較例3の床構造を示す垂直断面図である。
【図11】床衝撃音レベルのグラフである。
【図12】従来例を示す床構造の垂直断面図である。
【図13】他の従来例を示す床構造の垂直断面図である。
【図14】更に他の従来例を示す床構造の垂直断面図である。
【図15】図14の床構造における施工途中の状態を示す垂直断面図である。
【図16】図12の床構造における施工途中の状態を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
(1) : 床下地
(2) : 暖房マット
(2a): マット主体
(3A)(3B): 剛性板
(4A)(4B): シート状緩衝部材
(5A)(5B): 表面板
(6A)(6B): 複合板
(7) : 裏溝
(8) : 小根太
(9) : 温水パイプ
(11): 雄実
(12): 釘
(13): 小穴

Claims (3)

  1. 床下地(41)上に位置する暖房マット(42)と、隣り合うものの端部間に1〜10mm程度の隙間 (S) が設けられるように暖房マット(42)上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板(43A)(43B)と、剛性板(43A)(43B)上に位置する一または複数のシート状緩衝部材(44)と、シート状緩衝部材(44)上に位置し且つ下部に多数の平行な裏溝(47)を有する複数の表面板(45A)(45B)とを備えており、シート状緩衝部材(44)は、表面板(45A)(45B)とは別体の一枚ものとなされているか又は各表面板(45A)(45B)の下面に一体に設けられる複数のものとなされており、暖房マット(42)の緩衝材からなるマット主体(42a) には複数の小根太(48)が並列に組入れられ、各小根太(48)間を温水が循環するように複数の温水パイプ(49)が配されており、各剛性板(43A)(43B)は暖房マット(42)の小根太(48)に打ち込まれた釘(52a) により暖房マット(42)上に固定されており、各表面板(45A)(45B)は同種または異種の板状部材からなる上層および下層を有する基板と基板の表面に形成される化粧層とを備えていて、基板の下層に前記裏溝(47)が設けられており、隣り合う表面板(45A)(45B)のうち、一方の表面板(45A) の接続端部に設けられた雄実(51)の基部から剛性板(43A)(43B)に打込まれた釘(52b) により一方の表面板(45A) がシート状緩衝部材(44)を介して剛性板(43A)(43B)に固定され、他方の表面板(45B) の接続端部に設けられた小穴(53)が一方の表面板(45A) の雄実(51)に嵌め合わされている、暖房床の構造。
  2. 床下地(1) 上に位置する暖房マット(2) と、隣り合うものの端部間に1〜10mm程度の隙間 (S) が設けられるように暖房マット(2) 上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板(3A)(3B)上にそれぞれシート状緩衝部材(4A)(4B)を介して表面板(5A)(5B)がその両端面を一致させた状態で一体に設けられてなる複数の複合板(6A)(6B)とを備えており、各複合板(6A)(6B)の表面板(5A)(5B)は同種または異種の板状部材からなる上層および下層を有する基板と基板の表面に形成される化粧層とを備えていて、基板の下層に多数の平行な裏溝(7) が設けられており、暖房マット(2) の緩衝材からなるマット主体(2a)に複数の小根太(8) が並列に組入れられ、各小根太(8) を温水が循環するように複数の温水パイプ(9) が配されており、隣り合う複合板(6A)(6B)のうち、一方の複合板(6a)における表面板(5a)の接続端部に設けられた雄実(11)の基部から暖房マット(2) の小根太(8) に打込まれた釘(12)により一方の複合板(6A)が暖房マット(2) 上に固定され、他方の複合板(6B)の接続端部に設けられた小穴(13)が一方の複合板(6A)の雄実(11)に嵌め合わされている暖房床の構造。
  3. 床下地(21)上に位置する暖房マット(22)と、隣り合うものの端部間に1〜10mm程度の隙間 (S) が設けられるように暖房マット(22)上に位置する釘打ち可能な複数の剛性板(23A)(23B)上にそれぞれシート状緩衝部材(24A)(24B)を介して表面板(25A)(25B)を剛性板(23A)(23B)に対して左右にずらして一体に設けることにより、一端に剛性板(23A)(23B)の水平突出部(34)が形成され、他端に剛性板(23A)(23B)の入込み部(35)が形成されてなる複数の複合板(26A)(26B)とを備えており、各複合板(26A)(26B)の表面板(25A)(25B)は同種または異種の板状部材からなる上層および下層を有する基板と基板の表面に形成される化粧層とを備えていて、基板の下層に多数の平行な裏溝(27)が設けられており、暖房マット(22)の緩衝材からなるマット主体(22a) に複数の小根太(28)が並列に組入れられ、各小根太(28)間を温水が循環するように複数の温水パイプ(29)が配されており、隣り合う複合板(26A)(26B)のうち、一方の複合板(26A) の一端における水平突出部(34)から暖房マット(22)の小根太(28)に打込まれた釘(32)により一方の複合板(26A) が暖房マット(22)上に固定され、他方の複合板 (26B)における入込み部(35)が一方の複合板(26A) の水平突出部(34)に当接されている、暖房床の構造。
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