JP2020142695A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の違和感を抑制しつつフィルタを効率的に再生する。【解決手段】内燃機関と車両走行用の電動機とを搭載し、前記内燃機関の排気通路を流通する粒子状物質を捕集するフィルタを備える車両の制御装置であって、第1制御モードと、前記第1制御モードと比べて前記内燃機関の運転機会が制限される第2制御モードとを含む複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードで前記車両を制御する車両制御部と、前記フィルタの温度が目標温度に達するまで、前記内燃機関の運転により前記フィルタを昇温させる昇温制御を実行する昇温制御部と、前記第2制御モードにおいて、前記車両の車速が第1閾値以上となった場合、前記車両の車速が前記第1閾値よりも小さい第2閾値未満となるまで、前記目標温度を、前記第2制御モード以外の制御モードにおいて設定される前記目標温度又は前記第2制御モードにおいて前記車両の車速が第1閾値未満の場合に設定される前記目標温度よりも高い値に設定する設定部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、車両の制御装置に関する。
内燃機関と車両走行用の電動機とを搭載するハイブリッド車両が知られている。内燃機関は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。これらのエンジンの排気を浄化するために、排気通路に触媒と、DPF(Diesel Particulate Filer)やGPF(Gasoline Particulate Filter)などのフィルタと、が搭載される場合がある。
触媒に浄化機能を十分に発揮させるためには、触媒の温度を活性温度以上とすることが望ましい。特許文献1では、ハイブリッド車両において、エンジンの制御モードを、CS(Charge Sustaining)モードから、CSモードに比べてエンジンの運転機会が制限されるCD(Charge Depleting)モードに変更する場合、触媒の温度を所定の活性温度よりも高くしてから、CDモードに移行させている。これにより、エンジンの運転機会が制限されることで触媒の温度が低下しやすいCDモードにおいても、触媒が暖機された状態を維持している。
国際公開第2012/104984号
フィルタは、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集する。フィルタにPMが堆積すると、排気抵抗が大きくなることから適切なタイミングでエンジンの排熱等を利用してフィルタに堆積したPMを燃焼させるフィルタの再生処理が実行される。
CDモードでは、CSモードと比較してエンジンの運転機会が少ないため、フィルタの再生機会が少ない。しかしながら、フィルタの再生のためにエンジンの運転機会を増やすと、例えば、電動機からの出力のみで走行可能な場合であってもエンジンが運転されることで、運転者に違和感を与えるおそれがある。
そこで、本明細書開示の車両の制御装置は、内燃機関の運転状態に対する運転者の違和感を抑制しつつフィルタを効率的に再生することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本明細書に開示された車両の制御装置は、内燃機関と車両走行用の電動機とを搭載し、前記内燃機関の排気通路を流通する粒子状物質を捕集するフィルタを備える車両の制御装置であって、第1制御モードと、前記第1制御モードと比べて前記内燃機関の運転機会が制限される第2制御モードとを含む複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードで前記車両を制御する車両制御部と、前記フィルタの温度が目標温度に達するまで、前記内燃機関の運転により前記フィルタを昇温させる昇温制御を実行する昇温制御部と、前記第2制御モードにおいて、前記車両の車速が第1閾値以上となった場合、前記車両の車速が前記第1閾値よりも小さい第2閾値未満となるまで、前記目標温度を、前記第2制御モード以外の制御モードにおいて設定される前記目標温度又は前記第2制御モードにおいて前記車両の車速が第1閾値未満の場合に設定される前記目標温度よりも高い値に設定する設定部と、を備える。
本明細書開示の車両の制御装置によれば、内燃機関の運転状態に対する運転者の違和感を抑制しつつフィルタを効率的に再生することができる。
図1は、一実施形態に係るハイブリッド車両の全体ブロック図である。 図2は、CSモード及びCDモードにおけるエンジンの運転機会について説明するための図である。 図3は、エンジン始動時におけるフィルタの目標温度の設定処理を示すフローチャートである。 図4は、ECUがエンジン始動後に実行するフィルタの目標温度の設定処理を示すフローチャートである。 図5は、CDモードにおけるエンジン運転状態、昇温制御の実行状態、車速、フィルタの目標温度、フィルタの推定温度、及びアクセル開度の時間に対する変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
図1を参照して、本実施の形態に係るハイブリッド車両1(以下、単に車両1と記載する)の全体ブロック図を説明する。車両1は、トランスミッション8と、エンジン10と、駆動軸17と、PCU(Power Control Unit)60と、バッテリ70と、駆動輪72と、ECU(Electronic Control Unit)200とを含む。
トランスミッション8は、出力軸16と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)20と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)30と、動力分割装置40と、減速機58とを含む。
この車両1は、エンジン10および第2MG30のうちの少なくとも一方から出力される駆動力によって走行する。エンジン10が発生する動力は、動力分割装置40によって2経路に分割される。2経路のうちの一方の経路は減速機58を介して駆動輪72へエンジン10の動力が伝達される経路であり、他方の経路は第1MG20へエンジン10の動力が伝達される経路である。
第1MG20および第2MG30は、例えば、三相交流回転電機である。第1MG20および第2MG30は、PCU60によって駆動される。
第1MG20は、動力分割装置40によって分割されたエンジン10の動力を用いて発電してPCU60を経由してバッテリ70を充電するジェネレータ(発電装置)としての機能を有する。また、第1MG20は、バッテリ70からの電力を受けてエンジン10の出力軸であるクランク軸を回転させる。これによって、第1MG20は、エンジン10を始動するスタータとしての機能を有する。
第2MG30は、バッテリ70に蓄えられた電力および第1MG20により発電された電力の少なくともいずれか一方を用いて駆動輪72に駆動力を与える駆動用モータとしての機能を有する。また、第2MG30は、回生制動によって発電された電力を用いてPCU60を経由してバッテリ70を充電するためのジェネレータとしての機能を有する。
エンジン10は、ガソリンエンジンであって、ECU200からの制御信号に基づいて制御される。なお、エンジン10は、ディーゼルエンジンであってもよい。
本実施の形態においては、エンジン10は、1番気筒から4番気筒までの4つの気筒112を含む。複数の気筒112内の頂部の各々には、点火プラグ(図示せず)が設けられる。なお、エンジン10としては、図1に示すような直列の4気筒のエンジンに限定されるものではなく、例えば、直列の3気筒、V型の6気筒、V型の8気筒、直列の6気筒あるいは水平対向型の4気筒や6気筒などの複数の気筒や複数のバンクから構成される各種形式のエンジンであってもよい。
エンジン10には、エンジン10のクランク軸(出力軸)の回転速度(以下、エンジン回転速度と記載する)Neを検出するクランクポジションセンサ11が設けられている。クランクポジションセンサ11は、検出されたエンジン回転速度Neを示す信号をECU200に送信する。
エンジン10には、インテークマニホールド110を介在して吸気流路108の一方端が連結される。吸気流路108の他方端には、エアクリーナ102が設けられる。吸気流路108の途中にはスロットルバルブ106が設けられる。吸気流路108におけるエアクリーナ102とスロットルバルブ106の間には、吸入空気量Qを検出するエアフローメータ104と、吸気温度Tiを検出する吸気温度センサ105とが設けられる。エアフローメータ104は、検出された吸入空気量Qを示す信号をECU200に送信する。吸気温度センサ105は、検出された吸気温度Tiを示す信号をECU200に送信する。なお、エアフローメータ104と吸気温度センサ105とは一体的に設けられてもよい。
エンジン10には、複数の気筒112の各々に対応した燃料噴射装置(図示せず)が設けられる。なお、燃料噴射装置は、複数の気筒112の各々の気筒内に設けられてもよいし、各気筒の吸気ポート内に設けられてもよい。
エンジン10には、エキゾーストマニホールドを介在して排気通路80が連結されている。排気通路80には、排気温度を検出する排気温度センサ86が設けられている。排気温度センサ86は、検出した排気温度Texを示す信号をECU200に送信する。
また、排気通路80には、触媒82が配置されている。触媒82は、エンジン10から排出される排気ガスに含まれる未燃成分を酸化したり、酸化成分を還元したりする。具体的には、触媒82は、酸素を吸蔵しており、排気ガス中にHCやCOなどの未燃成分が含まれている場合は、吸蔵している酸素を用いてそれらを酸化する。また、触媒82は、排気ガス中にNOxなどの酸化成分が含まれている場合は、それらを還元し、放出された酸素を吸蔵することができる。
排気通路80の触媒82よりも下流側の位置には、GPFであるフィルタ84が配置されている。なお、フィルタ84は、触媒82と同様の機能を併せ持っていてもよい。その場合、触媒82を省略してもよい。また、フィルタ84は、排気通路80の触媒82よりも上流側の位置に配置されてもよい。フィルタ84は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕捉する。捕捉されたPMは、フィルタ84に堆積する。
動力分割装置40は、エンジン10の発生する動力を、出力軸16を経由した駆動軸17への経路と、第1MG20への経路とに分割可能に構成される。動力分割装置40としては、サンギヤ、プラネタリギヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。例えば、第1MG20のロータをサンギヤに接続し、エンジン10の出力軸をプラネタリギヤに接続し、かつ、出力軸16をリングギヤに接続することによって、動力分割装置40に、エンジン10と第1MG20と第2MG30とを機械的に接続することができる。
第2MG30のロータとも接続された出力軸16は、減速機58を経由して、駆動輪72を回転駆動するための駆動軸17と機械的に連結される。なお、第2MG30の回転軸と出力軸16との間に変速機をさらに組み込んでもよい。
PCU60は、バッテリ70から供給される直流電力を交流電力に変換し、第1MG20および第2MG30を駆動する。また、PCU60は、第1MG20および第2MG30が発電した交流電力を直流電力に変換し、バッテリ70を充電する。例えば、PCU60は、直流/交流電力変換のためのインバータ(図示せず)と、インバータの直流リンク側とバッテリ70との間で直流電圧変換を実行するためのコンバータ(図示せず)とを含むように構成される。
バッテリ70は、蓄電装置であり、再充電可能な直流電源である。バッテリ70としては、例えば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池が用いられる。バッテリ70の電圧は、例えば200V程度である。バッテリ70は、上述したように第1MG20および/または第2MG30により発電された電力を用いて充電される他、外部電源(図示せず)から供給される電力を用いて充電されてもよい。なお、バッテリ70は、二次電池に限らず、直流電圧を生成できるもの、例えば、キャパシタ、太陽電池、燃料電池等であってもよい。なお、車両1には、外部電源を用いてバッテリ70の充電を可能とする充電装置が搭載されていてもよい。
ECU200は、エンジン10およびPCU60等を制御することによって車両1が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体、すなわち、バッテリ70の充放電状態、エンジン10、第1MG20および第2MG30の動作状態を制御する制御装置である。ECU200は、中央処理制御装置(Central Processing Unit:CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。ECU200は、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、後述する様々な処理及び制御を実行する。ECU200は、車両制御部、昇温制御部、および設定部の一例である。
例えば、ECU200は、アクセル開度が小さい場合及び車速が低い場合などには、第2MG30のみを駆動源として車両1を走行させる。このとき、エンジン10は停止される。ただし、発電などのためにエンジン10を運転させる場合がある。車速は、駆動輪72の回転速度や第2MG30の回転速度に基づいてECU200により算出される。
また、例えば、アクセル開度が大きい場合、車速が高い場合、又はバッテリ70の残存容量(SCO:State of Charge)が小さい場合、ECU200は、エンジン10を運転させる。この場合、エンジン10のみ、又はエンジン10及び第2MG30の両方を駆動源として車両1が走行する。ここで、SOCは、例えば、バッテリ70の電流と、電圧と、電池温度とに基づいてECU200により推定される。
また、ECU200は、運転席に設けられたアクセルペダル(図示せず)のストローク量および車速に対応する車両要求パワーを算出する。さらに、ECU200は、補機を作動させる場合には補機の作動に要するパワーを算出された車両要求パワーに加算する。ここで、補機とは、例えば、空調装置である。さらに、ECU200は、バッテリ70を充電する場合にはバッテリの充電に要するパワーを算出された車両要求パワーに加算する。ECU200は、算出された車両要求パワーに応じて、第1MG20のトルク、第2MG30のトルク、または、エンジン10の出力を制御する。
本実施の形態において、ECU200は、バッテリ70のSOCを維持しないでバッテリ70の電力を消費して走行するモード(以下、CD(Charge Depleting)モードと記載する)と、エンジン10が動作または停止される制御モードであって、バッテリ70のSOCを維持して走行するモード(以下、CS(Charge Sustaining)モードと記載する)とを含む制御モードのうちのいずれかの制御モードに従って、PCU60およびエンジン10を制御する。なお、CDモードとしては、SOCを維持しないものに特に限定されるものではなく、例えば、バッテリ70のSOCを維持して走行することよりEV走行によってバッテリ70の電力を消費して走行することを優先するモードであってもよい。また、制御モードとしては、CDモードおよびCSモード以外の制御モードが含まれてもよい。また、制御モードは、走行時における車両1の制御に限定して用いられるものではなく、走行時および停止時における車両1の制御に用いられる。なお、CSモードは第1制御モードの一例であり、CDモードは第2制御モードの一例である。
ECU200は、例えば、CDモードとCSモードとを自動で切り換える。ECU200は、例えば、バッテリ70のSOCがしきい値SOC1よりも大きい場合には、CDモードに従ってPCU60およびエンジン10を制御し、バッテリ70のSOCがしきい値SOC1よりも小さい場合には、CSモードに従ってPCU60およびエンジン10を制御する。なお、ユーザーによりスイッチあるいはレバー等の操作部材が制御モードを切り換えるために操作されることを受けて、ECU200がCDモードとCSモードとを切り換えてもよい。
ECU200は、第2MG30の出力のみで車両1が走行している場合に、車両要求パワーがエンジン10の始動しきい値を超えた場合に(すなわち、車両要求パワーを第2MG30の出力のみで満足させることができない判定された場合に)、エンジン10を始動させて、第2MG30の出力とエンジン10の出力とで車両要求パワーを満足させるようにPCU60とエンジン10とを制御する。
CDモードにおける始動しきい値は、CSモードにおける始動しきい値よりも大きい値に設定される。したがって、図2に示すように、CSモードでは、車両要求パワーが始動しきい値Pr2を超えている、時間t1〜t2,t3〜t4,t5〜t6,t7〜t8の間、エンジン10が運転されるが、CDモードでは、車両要求パワーが始動しきい値Pr1を超えた時間t9〜t10の間、エンジン10が運転される。このように、CDモードでは、CSモードよりも、エンジン10が運転する機会が少なくなる。
また、ECU200は、フィルタ84を目標温度まで昇温させる昇温制御を実行し、フィルタ84に堆積したPMを燃焼させ、フィルタ84を再生する。ECU200は、例えば、エンジン10における燃料の点火時期を遅角することによって、フィルタ84の温度を昇温する。なお、フィルタ84の温度は、吸気温度や、エンジン10の発熱量および放熱量や、排気通路80の放熱量や排気温度等に基づいてECU200により推定される。フィルタ84に、フィルタ84の温度を検出するフィルタ温度センサを設け、ECU200が、フィルタ温度センサによって検出されたフィルタ温度を取得する構成としてもよい。
ここで、ECU200は、フィルタ84の温度が目標温度を超えるまで、フィルタ84の昇温制御を実行するが、フィルタ84の温度が目標温度を超えると昇温制御を中止する。目標温度を高くした場合、フィルタ84の温度がなかなか目標温度を超えずに、エンジン10の運転期間が長くなり、運転者が違和感を感じるおそれがある。一方、目標温度を低くした場合、フィルタ84の温度がフィルタ84を再生可能な温度(以後、再生可能温度と記載する)に到達せずに、フィルタ84を再生できないおそれがある。そこで、目標温度は、フィルタ84が再生可能な最低温度付近に設定される場合が多い。ところが、CDモード時は、エンジン10の運転機会が少ないため、目標温度を最低温度付近とすると、エンジン10が運転を停止すると、フィルタ84の温度が最低温度未満まで低下してしまい、フィルタ84の再生量が不足するおそれがある。
CDモードでエンジン10を始動するのは、車両要求パワーが第2MG30の上限出力以上となったときであるため、走行負荷が高く、エンジン負荷を大きくすることができる。しかしながら、エンジン10の運転機会が比較的多いCSモードを基準として設定した目標温度を用いて昇温制御を行うと、目標温度が比較的低く設定されているため、フィルタ84の温度が比較的低い温度で昇温制御が停止されてしまい、エンジン負荷を生かしきることができない。
そこで、本実施形態に係るECU200は、制御モード及び車速に応じて、フィルタ84の目標温度を変化させる。
図3は、エンジン始動時におけるフィルタ84の目標温度の設定処理を示すフローチャートである。図3の処理は、エンジン始動時に実行される。
図3の処理において、ECU200は、車両1の制御モードがCDモードか否かを判断する(ステップS31)。ECU200は、車両1の制御モードがCDモードではない場合(ステップS31/NO)、フィルタ84の目標温度をβ(例えば、フィルタ84を再生可能な最低限の温度(例えば、500℃))とする(ステップS37)。
一方、車両1の制御モードがCDモードの場合(ステップS31/YES)、ECU200は、車速がA(例えば、60km/h)以上か否かを判断する(ステップS33)。車速がA未満の場合(ステップS33/NO)、ECU200は、フィルタ84の目標温度をβに設定し(ステップS37)、図3の処理を終了する。
一方、車速がA以上の場合(ステップS33/YES)、ECU200は、フィルタ84の目標温度を、βよりも高いα(例えば、750℃)に設定し(ステップS35)、図3の処理を終了する。これにより、例えばエンジン10が高負荷運転していても運転者が違和感を感じない高車速時に、大きなエンジン負荷を生かしてフィルタ84の温度をより高い温度まで昇温させ、フィルタ84の再生を効率よく行うことができる。
次に、ECU200が、エンジン10の始動後に実行するフィルタ84の目標温度の設定処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。図4の処理は、エンジン始動後、所定時間間隔で実行される。
図4において、ECU200は、エンジン10が運転中か否かを判断する(ステップS11)。エンジン10が運転中でない場合(ステップS11/NO)、ECU200は、図4の処理を終了する。
一方、エンジン10が運転中の場合(ステップS11/YES)、ECU200は、制御モードがCDモードか否かを判断する(ステップS13)。
制御モードがCDモードではない場合(ステップS13/NO)、ECU200は、フィルタ84の目標温度をβ(例えば、500℃)に設定する(ステップS27)。一方、制御モードがCDモードの場合(ステップS13/YES)、ECU200は、フィルタ84の目標温度にα(例えば、750℃)が設定されているか否かを判断する(ステップS15)。
フィルタ84の目標温度にαが設定されていない場合(ステップS15/NO)、ECU200は、車速がA+B(例えば、A:60km/h、B:30km/h)以上か否かを判断する(ステップS23)。車速がA+B未満の場合(ステップS23/NO)、ECU200は、フィルタ84の目標温度にβを設定する(ステップS27)。なお、A+Bは、第1閾値の一例である。なお、AにBを加算した値を閾値とする理由は、比較的短時間の間に車速がAをまたいで変動することで、目標温度が変動することを避けるためである。
一方、車速がA+B以上の場合(ステップS23/YES)、ECU200は、フィルタ84の目標温度としてαを設定する(ステップS25)。これにより、例えばエンジン10が高負荷運転していても運転者が違和感を感じない高車速時に、大きなエンジン負荷を生かしてフィルタ84の温度をより高い温度まで昇温させ、フィルタ84の再生を効率よく行うことができる。
ところで、フィルタ84の目標温度としてαが設定されている場合(ステップS15/YES)、ECU200は、車速がA−B以上か否かを判断する(ステップS17)。ステップS17では、エンジン負荷を高くできるか否かを判定している。車速が低い場合、エンジン負荷が低く、昇温制御を実行してもフィルタ84の温度を高くすることができないからである。車速がA−B未満の場合(ステップS17/NO)、ECU200は、フィルタ84の目標温度にβを設定する(ステップS21)。低車速時に、エンジン10が高負荷運転したり、エンジン10の運転期間を長くすると、運転者が違和感を感じることがある。そこで、目標温度をαよりも低いβとすることで、昇温制御の実行期間を短くして、エンジン10が高負荷運転したり、エンジン10の運転期間が長くなることを抑制できるため、運転者の違和感を抑制することができる。なお、A−Bは、第2閾値の一例である。
一方、車速がA−B以上の場合(ステップS17/YES)、ECU200は、フィルタ84の目標温度をαで維持する(ステップS19)。
図5は、CDモードにおけるエンジン運転状態、昇温制御の実行状態、車速、フィルタ84の目標温度、フィルタ84の推定温度、及びアクセル開度の時間に対する変化を示すタイムチャートである。
図5において、時間t1に、第2MG30の出力だけでは車両要求パワーを満たせないため、エンジン10が始動されると、フィルタ84の昇温制御が開始される(昇温制御:ON)。このとき、車速がA以上となっているため、フィルタ84の目標温度としてαが設定される。
時間t2において、車速がA−Bよりも小さくなると、フィルタ84の目標温度は、βに設定される。このとき、フィルタ84の推定温度がβ以上となっているため、昇温制御はオフとなり、かつ、エンジン10の運転も停止される。これにより、低車速時にエンジン10が高負荷運転又はフィルタ84の温度が目標温度を超えるまで運転されることで、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。
時間t3において、第2MG30の出力だけでは車両要求パワーを満たせないため、エンジン10が始動されると、フィルタ84の昇温制御が開始される。このとき、車速はA以下であるため、目標温度としてβが設定される。
時間t4に、車速がA+B以上となると、ECU200は、目標温度をαに設定する。これにより、例えばエンジン10が高負荷運転されていても運転者が違和感を感じない高車速時に、大きなエンジン負荷を生かしてフィルタ84の温度を高い温度まで昇温させておくことができる。
時間t5に、フィルタ推定温度が目標温度のαを超えると、昇温制御がオフされ、エンジン10の運転も停止される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、エンジン10と車両走行用の第2MG30とを搭載し、エンジン10の排気通路80を流通する粒子状物質を捕集するフィルタ84を備える車両1のECU200は、CSモードと、CSモードと比べてエンジン10の運転機会が制限されるCDモードとを含む複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードで車両1を制御し、フィルタ84の温度が目標温度に達するまで、エンジン10の運転によりフィルタ84を昇温させる昇温制御を実行し、CDモードにおいて、車両1の車速がA+B(第1閾値)以上となった場合、車両1の車速がA−B(第2閾値)未満となるまで、目標温度を、CDモード以外の制御モードにおいて設定される目標温度(β)又はCDモードにおいて車両1の車速がA+B未満の場合に設定される目標温度(β)よりも高い値(α)に設定する。これにより、例えばエンジン10が高負荷運転していても運転者が違和感を感じない高車速時に、大きなエンジン負荷を生かしてフィルタ84の温度をより高い温度まで昇温させ、フィルタ84の再生を効率よく行うことができる。また、エンジン10が高負荷運転したり、エンジン10の運転期間を長くすると運転者が違和感を感じる低車速時に、目標温度をαよりも低いβとすることで、昇温制御の実行期間を短くして、エンジン10が高負荷運転したり、エンジン10の運転期間が長くなることを抑制できるため、運転者の違和感を抑制することができる。
なお、上記実施形態において、第1閾値をA+B、第2閾値をA−Bとする場合について説明したが、第1閾値をA+C、第2閾値をA−D(C≠D)としてもよい。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 車両
10 エンジン
30 第2MG
80 排気通路
84 フィルタ
200 ECU

Claims (1)

  1. 内燃機関と車両走行用の電動機とを搭載し、前記内燃機関の排気通路を流通する粒子状物質を捕集するフィルタを備える車両の制御装置であって、
    第1制御モードと、前記第1制御モードと比べて前記内燃機関の運転機会が制限される第2制御モードとを含む複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードで前記車両を制御する車両制御部と、
    前記フィルタの温度が目標温度に達するまで、前記内燃機関の運転により前記フィルタを昇温させる昇温制御を実行する昇温制御部と、
    前記第2制御モードにおいて、前記車両の車速が第1閾値以上となった場合、前記車両の車速が前記第1閾値よりも小さい第2閾値未満となるまで、前記目標温度を、前記第2制御モード以外の制御モードにおいて設定される前記目標温度又は前記第2制御モードにおいて前記車両の車速が第1閾値未満の場合に設定される前記目標温度よりも高い値に設定する設定部と、
    を備える車両の制御装置。
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