JP2021161936A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンブレーキが小さくなることを抑制する。【解決手段】車両は、駆動源としてのエンジンと、駆動源としてのモータジェネレータと、車両の減速時における運動エネルギを用いてモータジェネレータが発電した電力を蓄えるバッテリと、エンジンの排気通路に配置された粒子状物質捕集用のフィルタとを備える。車両の制御装置は、エンジンの回転速度が、フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて設定される上限値を超えないように制限し、エンジンブレーキの要求があるときには、上限値によるエンジンの回転速度についての制限を緩和する。【選択図】図4

Description

本発明は、車両の制御装置に関する。
特許文献1に記載されている車両は、駆動源として、エンジン及びモータジェネレータを備えている。車両は、当該車両の減速時における運動エネルギを用いてモータジェネレータが発電した電力を蓄えるバッテリを備えている。車両は、エンジンの排気通路に配置されたフィルタを備えている。フィルタは、排気通路を流通する排気に含まれる粒子状物質を捕集する。
特開2015−202832号公報
車両では、エンジンの回転速度が高いほど、フィルタに流入する排気の量が多い。エンジンの回転速度が高い状態が継続されると、フィルタに流入する排気の熱によってフィルタに捕集されている粒子状物質が燃焼することにより、フィルタの温度が過度に上昇することがある。
そこで、本発明者は、フィルタの温度の過度な上昇を抑制するために、エンジンの回転速度について上昇値を設定し、上限値を超えないようにエンジンの回転速度を制限することを考案した。さらに、本発明者は、エンジンの回転速度が上限値を超えないように制限する場合には、以下の課題があることを見いだした。
車両を減速させようとする場合には、エンジンでの燃料の燃焼を停止し、スロットルバルブを閉じた状態でエンジンのピストンを運動させ、ポンピングロスを増大させることによって車両の走行エネルギを消費する、いわゆるエンジンブレーキを用いることが有効である。このエンジンブレーキは、エンジンの回転速度が高いほど大きい。
ここで、エンジンブレーキが要求される場合において、エンジンの回転速度について上限値が設定されていると、エンジンブレーキは、上限値が設定されていない場合に比べて小さくなる。その結果、運転者が要求するエンジンブレーキに比べて、実際のエンジンブレーキが小さくなるおそれがある。
上記課題を解決するための車両の制御装置は、駆動源としてのエンジンと、駆動源としてのモータジェネレータと、車両の減速時における運動エネルギを用いて前記モータジェネレータが発電した電力を蓄えるバッテリと、前記エンジンの排気通路に配置された粒子状物質捕集用のフィルタとを備える車両に適用される制御装置であって、前記エンジンの回転速度が、前記フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて設定される上限値を超えないように制限し、エンジンブレーキの要求があるときには、前記上限値による前記エンジンの回転速度についての制限を緩和する。
上記構成によれば、エンジンブレーキの要求がない場合には、エンジンブレーキの要求がある場合に比べてエンジンの回転速度が上昇しにくい。そのため、エンジンの回転速度の上昇に伴ってフィルタの温度が過度に上昇することを抑制できる。
一方、エンジンブレーキの要求がある場合には、エンジンブレーキの要求がない場合に比べてエンジンの回転速度が上昇しやすい。これにより、エンジンの回転速度の上昇が制限されることに伴ってエンジンブレーキが小さくなることを抑制できる。その結果、運転者が要求するエンジンブレーキに比べて、実際のエンジンブレーキが小さくなることを抑制できる。
なお、エンジンブレーキを使用する場合には、エンジンにおける燃料の燃焼が停止されることにより排気の温度が低くなるため、フィルタに流入する排気の量がエンジンの回転速度の上昇に伴って増加してもフィルタの温度は上昇しにくい。
車両の概略構成図。 車速、アクセル操作量、及び車両要求出力の関係を示す説明図。 車速及びエンジン回転速度の関係を示す説明図。 上限回転速度の設定制御を示す説明図。 (a)は、エンジン回転速度の変化を示すタイムチャート。(b)は、車速の変化を示すタイムチャート。(c)は、変速機構の変速段の変化を示すタイムチャート。(d)は、変速機構への制御信号の出力を示すタイムチャート。
以下、車両の制御装置の一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。先ず、車両100の概略構成について説明する。
図1に示すように、車両100は、火花点火式のエンジン10を備えている。車両100は、電動機及び発電機の双方の機能を兼ね備える2つのモータジェネレータである、第1モータジェネレータ71及び第2モータジェネレータ72を備えている。したがって、車両100は、いわゆるハイブリッド車両である。
エンジン10は、複数の気筒11、クランクシャフト12、吸気通路21、スロットルバルブ22、複数の燃料噴射弁23、複数の点火装置24、排気通路26、三元触媒27、及びフィルタ28を備えている。
気筒11では、燃料と吸気との混合気が燃焼する。エンジン10は、4つの気筒11を備えている。吸気通路21は、気筒11に接続されている。吸気通路21における下流側の部分は、4つに分岐しており、各気筒11に接続されている。吸気通路21は、エンジン10の外部から各気筒11に吸気を導入する。
スロットルバルブ22は、吸気通路21のうち、分岐している部分よりも上流側の部分に配置されている。スロットルバルブ22は、吸気通路21を流通する吸気の量を調整する。
エンジン10は、4つの気筒に対応して4つの燃料噴射弁23を備えている。燃料噴射弁23は、吸気通路21のうち、分岐している部分に配置されている。燃料噴射弁23は、図示しない燃料タンクから供給される燃料を吸気通路21に噴射する。点火装置24は、気筒11毎に配置されている。すなわち、エンジン10は、4つの点火装置24を備えている。点火装置24は、混合気を火花放電により点火する。
排気通路26は、気筒11に接続されている。排気通路26における上流側の部分は、4つに分岐しており、各気筒11に接続されている。排気通路26は、各気筒11からエンジン10の外部に排気を排出する。
三元触媒27は、排気通路26のうち、分岐している部分よりも下流側の部分に配置されている。三元触媒27は、排気通路26を流通する排気を浄化する。フィルタ28は、排気通路26における三元触媒27よりも下流側の部分に配置されている。フィルタ28は、排気通路26を流通する排気に含まれる粒子状物質を捕集する。
クランクシャフト12は、各気筒11に配置された図示しないピストンに連結されている。クランクシャフト12は、気筒11において混合気が燃焼してピストンが往復動することにより回転する。
車両100は、バッテリ75、第1インバータ76、及び第2インバータ77を備えている。バッテリ75は、第1モータジェネレータ71や第2モータジェネレータ72が発電機として機能する場合、第1モータジェネレータ71や第2モータジェネレータ72が発電した電力を蓄える。バッテリ75は、第1モータジェネレータ71や第2モータジェネレータ72が電動機として機能する場合、第1モータジェネレータ71や第2モータジェネレータ72に対して電力を供給する。
第1インバータ76は、第1モータジェネレータ71とバッテリ75との間の電力の授受量を調整する。第2インバータ77は、第2モータジェネレータ72とバッテリ75との間の電力の授受量を調整する。
車両100は、第1遊星ギア機構40、リングギア軸45、第2遊星ギア機構50、自動変速機61、減速機構62、差動機構63、及び複数の駆動輪64を備えている。
第1遊星ギア機構40は、サンギア41、リングギア42、複数のピニオンギア43、及びキャリア44を備えている。サンギア41は、外歯歯車である。サンギア41は、第1モータジェネレータ71に接続されている。リングギア42は、内歯歯車であり、サンギア41と同軸上に配置されている。ピニオンギア43は、サンギア41とリングギア42との間に複数配置されている。各ピニオンギア43は、サンギア41及びリングギア42の双方に噛み合っている。キャリア44は、自転及び公転が自在な状態でピニオンギア43を支持している。キャリア44は、クランクシャフト12に接続されている。
リングギア軸45は、リングギア42に接続されている。自動変速機61は、リングギア軸45に接続されている。自動変速機61は、減速機構62及び差動機構63を介して駆動輪64に接続されている。自動変速機61は、複数の遊星歯車機構を備え、変速比を段階的に変更する有段式の自動変速機である。自動変速機61は、変速段を変更することによって変速比を切り替える。
第2遊星ギア機構50は、サンギア51、リングギア52、複数のピニオンギア53、キャリア54、及びケース55を備えている。サンギア51は、外歯歯車である。サンギア51は、第2モータジェネレータ72に接続されている。リングギア52は、内歯歯車であり、サンギア51と同軸上に配置されている。リングギア52は、リングギア軸45に接続されている。ピニオンギア53は、サンギア51とリングギア52との間に複数配置されている。各ピニオンギア53は、サンギア51及びリングギア52の双方に噛み合っている。キャリア54は、自転自在な状態でピニオンギア53を支持している。キャリア54は、ケース55に固定されている。したがって、ピニオンギア53は、公転不可能な状態になっている。
車両100は、シフトレバー96を備えている。シフトレバー96は、運転者により非走行位置や走行位置に切り替え操作される。ここで、非走行位置とは、車両100が走行しない位置であり、例えばパーキング位置やニュートラル位置である。シフトレバー96が非走行位置になっている場合には、後述する変速機構Zにおいて非走行用の変速段形成が行われる。また、走行位置とは、車両100が走行する位置であり、例えば前進走行位置や後進走行位置である。さらに、前進走行位置としては、ドライブ操作位置及びマニュアル操作位置が設けられている。シフトレバー96がドライブ操作位置にある場合には、変速機構Zの変速段が自動で切り替えられる。シフトレバー96がマニュアル操作位置にある場合には、運転者の操作により変速機構Zの変速段を手動で切り替え可能である。具体的には、運転者により変速機構Zの変速段の低速段側への変更の操作が行われると、変速機構Zの変速段が一段だけ低速段側に変更される。また、運転者により変速機構Zの変速段の高速段側への変更の操作が行われると、変速機構Zの変速段が一段だけ高速段側に変更される。
シフトレバー96が走行位置になっている場合には、自動変速機61、第1モータジェネレータ71、第2モータジェネレータ72、第1遊星ギア機構40、及び第2遊星ギア機構50により、走行用の変速段形成が行われる。
したがって、本実施形態において、自動変速機61、第1モータジェネレータ71、第2モータジェネレータ72、第1遊星ギア機構40、及び第2遊星ギア機構50は、エンジン10のクランクシャフト12の回転速度に対する駆動輪64の回転速度の比である変速比を変更する変速機構Zとして機能する。変速機構Zは、エンジン10のクランクシャフト12から駆動輪64までの動力伝達経路上に配置されている。ここで、変速機構Zの変速比とは、駆動輪64が1回転する際にエンジン10のクランクシャフト12が回転する回数である。すなわち、変速機構Zの変速比は、「クランクシャフト12の回転回数/駆動輪64の回転回数」で表される。
本実施形態では、シフトレバー96が前進走行位置になっている場合には、変速機構Zにおいて、「1速」〜「10速」の10個の変速段が形成可能である。変速機構Zの変速段が変更されると、当該変速機構Zの変速比は、それぞれの変速段に応じて予め定められた変速比に設定される。変速機構Zの変速比は、当該変速機構Zの変速段が高速段側であるほど小さい。なお、第1モータジェネレータ71、第2モータジェネレータ72、第1遊星ギア機構40、及び第2遊星ギア機構50は、連続的に変速比を変更可能であり、変速段を形成する際には予め定められた複数の変速比から特定の変速比を選択することで擬似的な変速段を形成する。したがって、変速機構Zでは、第1モータジェネレータ71、第2モータジェネレータ72、第1遊星ギア機構40、及び第2遊星ギア機構50における擬似的な複数の変速段と、自動変速機61の機械的な構成で定まる複数の変速段とを組み合わせることにより、合計10個の変速段を形成する。
車両100は、エアフローメータ81、水温センサ82、吸気温センサ83、クランク角センサ84、アクセルポジションセンサ85、車速センサ86、電流センサ87、電圧センサ88、及び温度センサ89を備えている。
エアフローメータ81は、吸気通路21を単位時間当たりに流通する吸気の量である吸入空気量GAを検出する。水温センサ82は、エンジン10の各部を流通する冷却水の温度である冷却水温THWを検出する。吸気温センサ83は、吸気通路21を流通する吸気の温度である吸気温THAを検出する。クランク角センサ84は、クランクシャフト12の回転角であるクランク角SCを検出する。アクセルポジションセンサ85は、運転者が操作するアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACPを検出する。車速センサ86は、車両100の速度である車速SPを検出する。電流センサ87は、バッテリ75に入出力される電流である電流IBを検出する。電圧センサ88は、バッテリ75の端子間電圧である電圧VBを検出する。温度センサ89は、バッテリ75の温度であるバッテリ温TBを検出する。
車両100は、第1回転速度センサ91、第2回転速度センサ92、スタートスイッチ93、及びレバーポジションセンサ94を備えている。
第1回転速度センサ91は、第1モータジェネレータ71のロータの単位時間当たりの回転数である第1回転速度NM1を検出する。第2回転速度センサ92は、第2モータジェネレータ72のロータの単位時間当たりの回転数である第2回転速度NM2を検出する。スタートスイッチ93は、車両100のシステムの動作を開始又は動作を終了するためのスイッチである。スタートスイッチ93は、運転者が操作するスタートスイッチ93の操作を示すスイッチ操作SWを検出する。レバーポジションセンサ94は、運転者が操作するシフトレバー96の操作位置であるレバー位置LPを検出する。
車両100は、ハイブリッドECU210、エンジンECU220、モータECU230、及びバッテリECU240を備えている。ハイブリッドECU210は、エンジンECU220、モータECU230、及びバッテリECU240のそれぞれと通信可能になっている。
エンジンECU220には、吸入空気量GAを示す信号がエアフローメータ81から入力される。エンジンECU220には、冷却水温THWを示す信号が水温センサ82から入力される。エンジンECU220には、吸気温THAを示す信号が吸気温センサ83から入力される。エンジンECU220には、クランク角SCを示す信号がクランク角センサ84から入力される。
エンジンECU220は、クランク角SCに基づいて、クランクシャフト12の単位時間当たりの回転数であるエンジン回転速度NEを算出する。エンジンECU220は、エンジン回転速度NE及び吸入空気量GAに基づいて、機関負荷率KLを算出する。ここで、機関負荷率KLとは、現在のエンジン回転速度NEにおいてスロットルバルブ22を全開とした状態でエンジン10を定常運転したときの気筒流入空気量に対する、現在の気筒流入空気量の比率を表している。なお、気筒流入空気量とは、吸気行程において各気筒11に流入する吸気の量である。
エンジンECU220は、吸気の充填効率やエンジン回転速度NEなどのエンジン10の運転状態に基づいて、三元触媒27の温度である触媒温度TSCを算出する。エンジンECU220は、吸気の充填効率やエンジン回転速度NEなどのエンジン10の運転状態に基づいて、フィルタ28の温度であるフィルタ温TFを算出する。エンジンECU220は、エンジン回転速度NE、機関負荷率KL、及びフィルタ温TFに基づいて、フィルタ28における粒子状物質の堆積量であるPM堆積量PSを算出する。具体的には、エンジンECU220は、エンジン回転速度NE、機関負荷率KL、及びフィルタ温TFに基づいて、単位時間当たりの粒子状物質の堆積量を算出する。そして、エンジンECU220は、単位時間当たりの粒子状物質の堆積量を積算することにより、PM堆積量PSを算出する。
エンジンECU220は、PM堆積量PSが予め定められた再生規定値に達してフィルタ28の再生要求が生じると、エンジン10の出力を増大させてフィルタ28に流入する排気の温度を上昇させる昇温制御を実行する。そして、昇温制御によりフィルタ温TFが所定の温度に達すると、フィルタ28において粒子状物質が燃焼することで当該フィルタ28の粒子状物質が減少してフィルタ28が再生する。なお、フィルタ28の昇温制御の実行に伴って増大されたエンジン10の出力のうち、車両100を走行させるために用いられなかった出力は、第1モータジェネレータ71によって電力に変換されてバッテリ75に蓄えられる。
エンジンECU220は、エンジン10と通信可能になっている。エンジンECU220は、エンジン10を制御する。具体的には、エンジンECU220は、スロットルバルブ22を通じて気筒11内に導入される吸気の量の制御、燃料噴射弁23を通じて気筒11内に導入される燃料の量の制御などを実行する。
モータECU230には、第1回転速度NM1を示す信号が第1回転速度センサ91から入力される。モータECU230には、第2回転速度NM2を示す信号が第2回転速度センサ92から入力される。モータECU230は、第1インバータ76及び第2インバータ77と通信可能になっている。モータECU230は、第1インバータ76を通じて第1モータジェネレータ71を制御する。モータECU230は、第2インバータ77を通じて第2モータジェネレータ72を制御する。
バッテリECU240には、電流IBを示す信号が電流センサ87から入力される。バッテリECU240には、電圧VBを示す信号が電圧センサ88から入力される。バッテリECU240には、バッテリ温TBを示す信号が温度センサ89から入力される。
バッテリECU240は、電流IB、電圧VB、及びバッテリ温TBに基づいて、バッテリ75の充電率SOCを算出する。充電率SOCは、バッテリ75から出力される電流IBに対してバッテリ75に入力される電流IBが大きいほど高い。充電率SOCは、電圧VBが高いほど高い。充電率SOCは、バッテリ温TBが低いほど低い。
充電率SOCは、以下の式で表される。
式(1):充電率SOC[%]=バッテリの残容量[Ah]/バッテリの満充電容量[Ah]×100[%]
バッテリ75の充電率SOCが充電率上限値SOCHと充電率下限値SOCLとの間の範囲の値になるように、バッテリ75の充電制御が実行される。充電率上限値SOCHとしては、例えば60%である。また、充電率下限値SOCLとしては、例えば30%である。
ハイブリッドECU210には、アクセル操作量ACPを示す信号がアクセルポジションセンサ85から入力される。ハイブリッドECU210には、車速SPを示す信号が車速センサ86から入力される。ハイブリッドECU210には、スイッチ操作SWを示す信号がスタートスイッチ93から入力される。ハイブリッドECU210には、レバー位置LPを示す信号がレバーポジションセンサ94から入力される。
ハイブリッドECU210は、アクセル操作量ACP及び車速SPに基づいて、車両100が走行するために必要な要求値である車両要求出力を算出する。ここで、車両100が走行するために必要な要求値とは、車両100が走行するために必要な、エンジン10、第1モータジェネレータ71、及び第2モータジェネレータ72によって構成されるハイブリッドシステムの出力の要求値である。
図2に示すように、車両要求出力は、アクセル操作量ACPが大きいほど大きい。車両要求出力は、アクセル操作量ACPが所定操作量以上である場合には正の値として算出される。また、車両要求出力は、アクセル操作量ACPが所定操作量以上である場合であって車速SPが所定速度未満である場合にはアクセル操作量ACPに応じた一定の値として算出される。さらに、車両要求出力は、アクセル操作量ACPが所定操作量以上である場合であって車速SPが所定速度以上である場合には、車速SPが高いほど小さい。
一方、車両要求出力は、アクセル操作量ACPが所定操作量未満である場合には負の値として算出される。車両要求出力は、アクセル操作量ACPが所定操作量未満である場合、車速SPが高いほど小さい。
また、ハイブリッドECU210は、アクセル操作量ACP及び車速SPに基づいて、変速機構Zの変速段を選択する。ハイブリッドECU210は、車両要求出力、変速機構Zの変速段、及び充電率SOCに基づいて、エンジン10、第1モータジェネレータ71、及び第2モータジェネレータ72の出力配分を決定する。
ハイブリッドECU210は、エンジン10、第1モータジェネレータ71、及び第2モータジェネレータ72の出力配分に応じて、エンジン10の出力の目標値、第1モータジェネレータ71の出力の目標値、及び第2モータジェネレータ72の出力の目標値を算出する。
ハイブリッドECU210は、エンジン10の出力の目標値に基づいて、エンジンECUを通じてエンジン10を制御する。ハイブリッドECU210は、第1モータジェネレータ71の出力の目標値に基づいて、モータECU230を通じて第1モータジェネレータ71の力行/回生を制御する。ハイブリッドECU210は、第2モータジェネレータ72の出力の目標値に基づいて、モータECU230を通じて第2モータジェネレータ72の力行/回生を制御する。ハイブリッドECU210は、自動変速機61を変速するための信号である変速信号X1を自動変速機61に出力することにより自動変速機61を制御する。なお、ハイブリッドECU210は、第1モータジェネレータ71、第2モータジェネレータ72、及び自動変速機61の制御を通じて、変速機構Zの変速段を変更する。本実施形態において、ハイブリッドECU210は、車両の制御装置の一例である。
エンジン10の出力の目標値は、正の値又は負の値になる。ハイブリッドECU210は、エンジン10の出力の目標値が正の値である場合、スロットルバルブ22を開いた状態で吸気通路21において吸気を流通させるとともに燃料噴射弁23から吸気通路21に燃料を噴射する。そして、ハイブリッドECU210は、気筒11において混合気を燃焼させることにより、気筒11においてピストンを往復動させてクランクシャフト12を回転させる。その結果、車両100では、エンジン10の出力が車両100を走行させるための力として用いられる。
ハイブリッドECU210は、エンジン10の出力の目標値が負の値である場合、スロットルバルブ22を閉じた状態にし、燃料噴射弁23から吸気通路21への燃料の噴射を停止する。そして、ハイブリッドECU210は、気筒11においてピストンを往復動させ、ポンピングロスを増大させる。したがって、ハイブリッドECU210は、エンジン10の出力の目標値が負の値である場合、いわゆるエンジンブレーキを車両100の制動力として用いる。
次に、ハイブリッドECU210が行う車両100の制御について説明する。
ハイブリッドECU210は、車両100が走行する場合、車両100の走行モードとして、EVモード及びHVモードの何れか一方を選択する。ここで、EVモードとは、エンジン10を駆動させずに、第1モータジェネレータ71の駆動力や、第2モータジェネレータ72の駆動力によって車両100を走行させるモードである。また、HVモードとは、第1モータジェネレータ71及び第2モータジェネレータ72の駆動力に加えて、エンジン10の駆動力によって車両100を走行させるモードである。
ハイブリッドECU210は、充電率SOCが充電率下限値SOCLよりも高い場合、すなわちバッテリ75の残容量に十分な余裕がある場合には、車両100の発進時及び軽負荷走行時においてEVモードを選択する。
一方、ハイブリッドECU210は、充電率SOCが充電率下限値SOCL以下である場合には、HVモードを選択する。この場合、ハイブリッドECU210は、エンジン10を駆動させ、エンジン10の駆動力によって第1モータジェネレータ71を駆動することによって発電を行う。そして、ハイブリッドECU210は、第1モータジェネレータ71により発電された電力をバッテリ75に充電する充電制御を実行する。また、ハイブリッドECU210は、エンジン10の駆動力の一部と第2モータジェネレータ72の駆動力とによって車両100を走行させる。
また、ハイブリッドECU210は、充電率SOCが充電率下限値SOCLよりも高い場合であっても、次の場合にはHVモードを選択する。例えば、車速SPがEVモードの上限速度を超えているとき、車両100の高負荷走行が要求されているとき、車両100の急加速が要求されているとき、エンジン10の始動が必要なときなどには、HVモードを選択する。なお、エンジン10を始動する際には、第1モータジェネレータ71の駆動力によってクランクシャフト12を回転させることでエンジン10を始動する。
ハイブリッドECU210は、車両100の減速が要求されている場合には、エンジン10を停止させる。そして、ハイブリッドECU210は、第2モータジェネレータ72を発電機として機能させ、第2モータジェネレータ72により発電した電力をバッテリ75に充電する。
ハイブリッドECU210は、車両100が停止している場合、充電率SOCの大きさに応じて、車両100の停車時の制御を切り替える。具体的には、ハイブリッドECU210は、充電率SOCが充電率下限値SOCLよりも高い場合、エンジン10、第1モータジェネレータ71、及び第2モータジェネレータ72を駆動させない。一方、ハイブリッドECU210は、充電率SOCが充電率下限値SOCL以下である場合、エンジン10を駆動させ、エンジン10の駆動力によって第1モータジェネレータ71を駆動することによって発電を行う。そして、ハイブリッドECU210は、第1モータジェネレータ71により発電された電力をバッテリ75に充電する充電制御を実行する。
ハイブリッドECU210は、エンジン10の暖機が要求されている場合には、HVモードを選択する。そして、ハイブリッドECU210は、エンジン10の暖機が完了するまでHVモードを選択し続け、エンジン10を駆動し続けることでエンジン10の暖機を完了させる。
なお、ハイブリッドECU210、エンジンECU220、モータECU230、及びバッテリECU240は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサを含む回路(circuitry)として構成し得る。なお、ハイブリッドECU210、エンジンECU220、モータECU230、及びバッテリECU240は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、又はそれらの組み合わせを含む回路として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる媒体を含む。
ところで、気筒11において混合気が燃焼している場合には、エンジン回転速度NEが高いほど、フィルタ28に流入する排気の量が多い。エンジン回転速度NEが高い状態が継続されると、フィルタ28に流入する排気の熱によってフィルタ28に堆積した粒子状物質が燃焼することにより、フィルタ28の温度が過度に上昇することがある。
このため、車両100では、エンジン回転速度NEについて上限回転速度Bを設定し、上限回転速度Bを超えないようにエンジン回転速度NEを制限ことにより、フィルタ28の温度の過度な上昇を抑制するようにしている。ここで、図3に示すように、上限回転速度Bは、エンジン10を保護するためのオーバレブ回転速度Aよりも小さい値に設定されている。なお、上限回転速度Bは、フィルタ28の粒子状物質の堆積量に基づいて設定される上限値に相当する。
次に、図4を参照して、ハイブリッドECU210が実行する上限回転速度Bの設定制御について説明する。ハイブリッドECU210は、スタートスイッチ93が操作されてハイブリッドECU210が動作を開始したときから、スタートスイッチ93が操作されてハイブリッドECU210が動作を終了するときまで、所定周期毎に設定制御を繰り返し実行する。
図4に示すように、ハイブリッドECU210は、設定制御を開始すると、ステップS11の処理を進める。ステップS11において、ハイブリッドECU210は、エンジンブレーキの要求があるか否かを判定する。ここで、エンジンブレーキの要求がある場合とは、エンジン10の出力の目標値が負の値である場合である。
具体的には、以下の条件を全て満たす場合に、エンジン10の出力の目標値が負の値になる。
条件(1):アクセル操作量ACPが「0」である。
条件(2):シフトレバー96がマニュアル操作位置にある。
ステップS11において、ハイブリッドECU210は、エンジンブレーキの要求がないと判定した場合(S11:NO)、処理をステップS21に進める。
ステップS21において、ハイブリッドECU210は、ステップS21の処理時点における、車速SP、変速機構Zの変速段、及びエンジン10の出力の目標値に基づいて、エンジン10の回転速度の目標値における仮の値である仮目標回転速度NEAを算出する。仮目標回転速度NEAは、車速SP及びエンジン10の出力の目標値が大きいほど高い。仮目標回転速度NEAは、変速機構Zの変速段が高速段側であるほど小さい。その後、ハイブリッドECU210は、処理をステップS22に進める。
ステップS22において、ハイブリッドECU210は、ステップS22の処理時点の最新のPM堆積量PSをエンジンECU220から取得する。その後、ハイブリッドECU210は、処理をステップS23に進める。
ステップS23において、ハイブリッドECU210は、PM堆積量PSに基づいて、上限回転速度Bを算出する。ここで、フィルタ28に流入する排気の量が同じであっても、PM堆積量PSが多いほど、フィルタ28において燃焼する粒子状物質が多くなるため、フィルタ28の温度が上昇しやすい。したがって、PM堆積量PSが多いほど、エンジン回転速度NEを低く制限することが好ましい。そこで、上限回転速度Bは、PM堆積量PSが多いほど低い。そして、ハイブリッドECU210は、算出した上限回転速度Bを設定する。その後、ハイブリッドECU210は、処理をステップS24に進める。
ステップS24において、ハイブリッドECU210は、上限回転速度Bに基づいて、規定回転速度Cを算出する。なお、規定回転速度Cとは、変速機構Zの変速段を高速段側に変更するためのエンジン10の回転速度の閾値である。ハイブリッドECU210は、上限回転速度Bから予め定められた所定値を減算した値を、規定回転速度Cとする。ここで、所定値は、変速機構Zの変速段が低速段側であるほど大きい。したがって、規定回転速度Cは、変速機構Zの変速段が低速段側であるほど低い。その後、ハイブリッドECU210は、処理をステップS25に進める。
ステップS25において、ハイブリッドECU210は、仮目標回転速度NEAが規定回転速度C以上であるか否かを判定する。ステップS25において、ハイブリッドECU210は、仮目標回転速度NEAが規定回転速度C以上であると判定した場合(S25:YES)、処理をステップS31に進める。一方、ステップS25において、ハイブリッドECU210は、仮目標回転速度NEAが規定回転速度C未満であると判定した場合(S25:NO)、処理をステップS41に進める。
ステップS41において、ハイブリッドECU210は、エンジン10の回転速度の目標値における最終値である目標回転速度NEBとして、仮目標回転速度NEAを設定する。その後、ハイブリッドECU210は、今回の設定制御を終了する。
上述したとおり、ステップS25において、ハイブリッドECU210は、仮目標回転速度NEAが規定回転速度C以上であると判定した場合(S25:YES)、処理をステップS31に進める。
ステップS31において、ハイブリッドECU210は、変速機構Zの変速段を高速段側に変更する。例えば、ハイブリッドECU210は、ステップS31の処理の直前の変速機構Zの変速段が3速である場合には、変速機構Zの変速段を、ステップS31の処理の直前の変速機構Zの変速段よりも1速分だけ高速段側の4速に変更する。その後、ハイブリッドECU210は、処理をステップS32に進める。
ステップS32において、ハイブリッドECU210は、ステップS32の処理時点における、車速SP、変速機構Zの変速段、及びエンジン10の出力の目標値に基づいて、仮目標回転速度NEAを算出する。ステップS32の処理時点における変速機構Zの変速段とは、ステップS31の処理で変更された後の変速機構Zの変速段である。なお、仮目標回転速度NEAは、ステップS21の処理と同様に算出される。
ここで、ステップS32の処理時点における変速機構Zの変速段の変速比は、ステップS21の処理時点における変速機構Zの変速段の変速比に比べて小さい。したがって、ステップS32の処理時点における仮目標回転速度NEAは、ステップS21の処理時点における仮目標回転速度NEAよりも低い値になる。そして、ハイブリッドECU210は、エンジン10の回転速度の目標値における最終値である目標回転速度NEBとして、仮目標回転速度NEAを設定する。その後、ハイブリッドECU210は、今回の設定制御を終了する。
一方、ステップS11において、ハイブリッドECU210は、エンジンブレーキの要求があると判定した場合(S11:YES)、今回の設定制御を終了する。この場合、ハイブリッドECU210は、上限回転速度Bを設定しない。
本実施形態の作用について説明する。
先ず、エンジンブレーキの要求がない場合の作用について説明する。
図3に示すように、エンジンブレーキの要求がない場合には設定制御により上限回転速度Bが設定される。ここで、現在の車速SPが車速Y1であって変速機構Zの変速段が3速になっているものとする。そして、アクセル操作量ACPが大きくなって車両100が加速すると、車速SPが車速Y2になったときにエンジン回転速度NEが上限回転速度Bと一致する。仮に、変速機構Zの変速段が変更されない場合には、エンジン回転速度NEが上限回転速度Bを超えて高くならないため、車速SPが車速Y2よりも高くならない。
この点、本実施形態では、図5(b)に示すように、車両100が加速して車速SPが車速Y1から車速Y2になる途中で、図5(a)に示すように、時刻t11において、仮目標回転速度NEAが規定回転速度Cと一致する。すると、図5(d)に示すように、変速機構Zの変速段を高速段側に変更するための制御信号がハイブリッドECU210から出力される。そして、図5(c)に示すように、時刻t12において、変速機構Zの変速段が3速から4速に変更される。その結果、変速機構Zの変速比が小さくなることで、図5(a)に示すように、実際のエンジン回転速度NEが低くなる。これにより、実際のエンジン回転速度NEが上限回転速度B以下に維持されることで、フィルタ28の温度が過度に上昇することを抑制できる。また、変速機構Zの変速段が高速段側に変更されるため、上限回転速度Bの設定に伴って車速SPが制限されることを抑制できる。その結果、フィルタ28の温度が過度に上昇することを抑制しつつ、上限回転速度Bの設定に伴って車速SPが制限されることを抑制できる。
ところで、変速機構Zの変速段の変更には、変速機構Zの変速段を変更するための制御信号が出力されてからある程度の期間を要する。そのため、仮に、仮目標回転速度NEAが上限回転速度Bに一致したときに変速機構Zの変速段を変更するための制御信号が出力されると、変速機構Zの変速段が実際に変更されるまでに車速SPが一時的に制限される。
この点、本実施形態では、仮目標回転速度NEAが、上限回転速度Bよりも小さい規定回転速度Cになった場合に変速機構Zの変速段を変更するための制御信号が出力される。そのため、仮目標回転速度NEAが上限回転速度Bに一致したときに変速機構Zの変速段を変更するための制御信号が出力される構成に比べて、車速SPが一時的に制限されることを抑制できる。
図5(b)に示すように、車速SPが一定の値で上昇したとしても、図5(a)に示すように、変速機構Zの変速段によってエンジン回転速度NEの上昇量が異なる。具体的には、変速機構Zの変速段が低速段側であるほど、車速SPの上昇量に対するエンジン回転速度NEの上昇量は大きい。したがって、車速SPが一時的に制限されることを抑制する上では、規定回転速度Cは、変速機構Zの変速段が低速段側であるほど低いことが好ましい。この点、本実施形態では、規定回転速度Cは、変速機構Zの変速段が低速段側であるほど低いため、変速機構Zの変速段が低速段側であっても、車速SPが一時的に制限されることを抑制できる。
次に、エンジンブレーキの要求がある場合の作用について説明する。
エンジンブレーキの要求がある場合、変速機構Zの変速段が低速段側に変更されると、変速機構Zの変速比が大きくなる。すると、車速SPが同じであっても、実際のエンジン回転速度NEが上昇する。すなわち、単位時間当たりに気筒11においてピストンが往復動する回数が上昇することで、ポンピングロスが増大する。その結果、エンジンブレーキが大きくなる。
仮に、エンジンブレーキの要求がある場合に上限回転速度Bが設定されているとする。この場合、エンジン回転速度NEの上昇が上限回転速度Bの設定によって制限されることで、エンジン10においてポンピングロスの増大量が制限される。すると、エンジンブレーキは、上限回転速度Bが設定されていない場合に比べて小さくなる。その結果、運転者が要求するエンジンブレーキに比べて、実際のエンジンブレーキが小さくなるおそれがある。
この点、本実施形態では、エンジンブレーキの要求がある場合には、上限回転速度Bが設定されない。そのため、エンジン回転速度NEの上昇が上限回転速度Bの設定によって制限されることがないため、エンジン回転速度NEが上昇しやすい。これにより、エンジン回転速度NEの上昇に伴ってエンジン10においてポンピングロスを増大させることで、エンジンブレーキが大きくなりやすい。
なお、エンジンブレーキを使用する場合には、エンジン10の気筒11における燃料の燃焼が停止されることにより、フィルタ28に流入する排気の温度が低くなる。そのため、エンジン回転速度NEの上昇に伴ってフィルタ28に流入する排気の量が増加したとしても、フィルタ28の温度は上昇しにくい。また、エンジンブレーキを用いる場合には、スロットルバルブ22が閉じた状態になることで、吸気通路21を介してフィルタ28に供給される吸気の量が抑制される。そのため、フィルタ28に吸気が供給されて当該フィルタ28に堆積した粒子状物質が燃焼することが抑制されるため、フィルタ28の温度が過度に上昇することはない。
本実施形態の効果について説明する。
エンジンブレーキの要求がある場合には、エンジンブレーキの要求がない場合に比べて、エンジンブレーキが小さくなることが抑制される。その結果、運転者が要求するエンジンブレーキに比べて、実際のエンジンブレーキが小さくなることを抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、上限回転速度Bは、PM堆積量PSに応じて変更しなくてもよい。例えば、PM堆積量PSが予め定められた所定堆積量以上である場合には、上限回転速度Bとして、予め定められた一定の値を設定してもよい。この構成においても、PM堆積量PSが予め定められた所定堆積量以上である場合にはフィルタ28の温度の上昇を抑制できるため、上限回転速度Bは、フィルタ28の粒子状物質の堆積量に基づいて設定されるエンジン回転速度NEについての上限値といえる。
・上記実施形態において、エンジンブレーキの要求がある場合にも、上限回転速度Bを設定することとし、エンジンブレーキの要求がある場合には、エンジンブレーキの要求がない場合に比べて上限回転速度Bが高くする。この場合であっても、エンジンの回転速度についての制限が緩和されているといえる。すなわち、エンジンブレーキの要求があるときに、エンジンブレーキの要求がないときと比較して上限回転速度Bを高くすること、エンジンブレーキの要求があるときに、上限回転速度Bによるエンジン回転速度NEの制限を実施しないことは、いずれも上限値によるエンジンの回転速度についての制限を緩和することの例である。
・上記実施形態において、ステップS11におけるエンジンブレーキの要求があるか否かの判定処理は変更できる。例えば、ハイブリッドECU210は、アクセル操作量ACPが「0」であるという条件のみが成立した場合に、エンジンブレーキの要求があると判定してもよい。
・上記実施形態において、ステップS21からステップS41までの処理は変更できる。例えば、エンジンブレーキの要求がある場合に、エンジンの回転速度についての制限を緩和する上では、ステップS31において、変速機構Zの変速段を高速段側に変更する必要はない。
・上記実施形態において、自動変速機61は省略できる。この場合にも、第1モータジェネレータ71、第2モータジェネレータ72、第1遊星ギア機構40、及び第2遊星ギア機構50を、変速機構として機能させることはできる。
・上記実施形態において、シフトレバーがブレーキ位置に切り替え操作可能である場合、シフトレバーがブレーキ位置に切り替え操作されており、且つ、アクセル操作量ACPが「0」であるときが、エンジンブレーキの要求時である。なお、シフトレバーの操作位置がブレーキ位置である場合、当該ブレーキ位置ではない場合と比較して、上限値によるエンジンの回転速度についての制限が緩和されることにより、エンジン回転速度NEが高くなる。
・上記実施形態において、車両は、2つのモータジェネレータを備えている必要はなく、少なくとも1つのモータジェネレータを備えていればよい。
A…オーバレブ回転速度
ACP…アクセル操作量
B…上限回転速度
C…規定回転速度
NE…エンジン回転速度
NEA…仮目標回転速度
NEB…目標回転速度
PS…PM堆積量
SP…車速
Z…変速機構
10…エンジン
22…スロットルバルブ
26…排気通路
28…フィルタ
40…第1遊星ギア機構
50…第2遊星ギア機構
61…自動変速機
64…駆動輪
71…第1モータジェネレータ
72…第2モータジェネレータ
75…バッテリ
96…シフトレバー
100…車両
210…ハイブリッドECU
220…エンジンECU
230…モータECU
240…バッテリECU

Claims (1)

  1. 駆動源としてのエンジンと、駆動源としてのモータジェネレータと、車両の減速時における運動エネルギを用いて前記モータジェネレータが発電した電力を蓄えるバッテリと、前記エンジンの排気通路に配置された粒子状物質捕集用のフィルタとを備える車両に適用される制御装置であって、
    前記エンジンの回転速度が、前記フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて設定される上限値を超えないように制限し、エンジンブレーキの要求があるときには、前記上限値による前記エンジンの回転速度についての制限を緩和する
    車両の制御装置。
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