JP2020140837A - 活物質、それを用いた正極合剤及び固体電池 - Google Patents

活物質、それを用いた正極合剤及び固体電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充電時におけるリチウムイオンの脱離性が改善された活物質を提供すること。【解決手段】固体電池に用いられる活物質である。X線吸収微細構造の測定によって得られる動径分布関数において、0.115nm以上0.144nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察されるとともに、0.280nm以上0.310nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察される。レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積粒度分布測定による前記活物質のモード径及びD10(それぞれ「モード径」、「D10」と称する。)に関し、モード径に対する、モード径とD10との差の絶対値の百分率である(|モード径−D10|/モード径)×100の値が、0%<((|モード径−D10|/モード径)×100)≦58.0%を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電池に用いられる活物質に関する。
固体電池に用いる固体電解質には、できるだけイオン導電率が高く、且つ化学的・電気化学的に安定であることが求められている。例えばハロゲン化リチウム、窒化リチウム、リチウム酸塩又はこれらの誘導体などが固体電解質の材料候補として知られている。
固体電池に用いる固体電解質の一つとして、硫化物固体電解質が検討されている。しかし硫化物固体電解質を含む固体電池は、これに対して充放電を行うと、電極活物質と硫化物固体電解質との界面抵抗が高くなり、リチウムイオンの移動が制限されるという問題がある。この理由は、電極活物質と硫化物固体電解質とが反応することによって、両者の界面に抵抗層が形成されるからであると考えられている。この問題に対して、例えば特許文献1及び2においては、正極活物質の表面を特定の化合物で被覆することによって、界面抵抗の上昇を抑制することが試みられている。
国際公開第2007/4590号パンフレット 特開2018−125214号公報
ところで、固体電池では急速充電が期待されている。急速充電のためにはリチウムイオンを正極活物質から引き抜いて固体電解質へと受け渡す反応を速めることが必要である。しかし、現在の技術では満足すべき反応速度が得られていない。
前記の課題に鑑み、本発明は、正極活物質と固体電解質との間でのリチウムイオンの授受を迅速に行い得る活物質を提供することを主目的とする。
本発明は、固体電池に用いられる活物質であって、
X線吸収微細構造の測定によって得られる動径分布関数において、0.115nm以上0.144nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察されるとともに、0.280nm以上0.310nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察され、
レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積粒度分布測定による前記活物質のモード径及びD10(それぞれ「モード径」、「D10」と称する。)に関し、モード径に対する、モード径とD10との差の絶対値の百分率である(|モード径−D10|/モード径)×100の値が、0%<((|モード径−D10|/モード径)×100)≦58.0%を満たす活物質を提供することによって前記の課題を解決したものである。
本発明によれば、充電時におけるリチウムイオンの脱離性が改善された活物質が提供される。したがって本発明の活物質を用いることで、固体電池の急速充電が可能となる。
図1は、実施例1で得られた正極活物質を対象として測定されたX線吸収微細構造の測定によって得られる動径分布関数である。 図2は、実施例1で得られた正極活物質を対象として測定されたX線吸収微細構造の測定によって得られる動径分布関数にピークが存在するか否かを判定する方法を示すグラフである。 図3は、LiNbOを対象として測定されたX線吸収微細構造の測定によって得られる動径分布関数である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は、固体電池に用いられる活物質に関するものである。
A.活物質
1.XAFS
本発明の活物質は、X線吸収微細構造(以下「XAFS」ともいう。)の測定によって得られる動径分布関数において、0.115nm以上0.144nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察されるとともに、0.280nm以上0.310nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察される。
詳細には、図1に示すとおり、本発明の活物質は、XAFSの測定によって得られる動径分布関数において、0.115nm以上0.144nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察される。ピーク位置は、ピーク頂点の位置により特定される。なお、ピークの定義については後述する。
本発明において観察されるピーク位置は、例えば、0.120nm以上であってもよく、0.125nm以上であってもよく、0.130nm以上であってもよい。一方、前記ピーク位置は、例えば、0.142nm以下であってもよい。前記範囲に観察されるピークは、少なくとも1つであればよく、例えば1つのみであってもよく、2つ以上であってもよい。これとともに本発明の活物質は、0.280nm以上0.310nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察される。本発明において観察されるピーク位置は、例えば、0.285nm以上であってもよい。一方、前記ピーク位置は、例えば、0.308nm以下であってもよい。
本発明の活物質は、好適には、芯材粒子と、該芯材粒子の表面に配置された被覆層とを有する。本発明においては、リチウム(Li)元素、金属元素A(ただしリチウム(Li)元素を除く)及び酸素元素からなり、特定の化学構造を有する酸化物を含む被覆層を用いることが好適である。以下、この酸化物のことを便宜的に「LiAO化合物」と表記する。本発明で用いられるLiAO化合物は、活物質に対するXAFSの測定によって得られる動径分布関数において、特定の原子間距離にピークが観察されることによって特徴付けられる。例えば金属元素Aがニオブ(Nb)元素である場合、図1に示す動径分布関数の横軸は、ニオブ原子の位置を基準とした原子間距離を示している。縦軸は、ニオブの周囲に位置する原子の存在確率を示している。0.115nm以上0.144nm以下の範囲に観察されるピークは、ニオブ原子と酸素原子との距離に相当するものであり、0.280nm以上0.310nm以下の範囲に観察されるピークはニオブ原子どうしの距離に相当するものである。XAFSの測定から得られる動径分布関数において、上述した所定の範囲にピークが観察されるLiAO化合物を被覆層に含有させることで、本発明の活物質は、固体電解質との界面抵抗の増加を抑制し、結果として電池性能の向上を図ることが可能である。
動径分布関数にピークが観察されるとは、動径分布関数が上に凸のような部分やショルダー部分を含んでいてもよいことを意味する。動径分布関数の横軸をx、縦軸をyとする関数y=f(x)を2回微分することにより得られた二次導関数が極小値を持つ場合のことを、ピークを有すると定義する。本発明においてはOrigin9.1(Light Stone社製)を用いて動径分布関数を2回微分することによりピークの有無の判定を行った。なお、例えば、後述する実施例1においては、図2に示すように、0.115nm以上0.144nm以下の範囲に観察されるピークについて動径分布関数を2回微分することにより極小値を持つ。このことから、実施例1は、0.115nm以上0.144nm以下の範囲にピークが観察されるといえる。
上述のとおり、本発明で好適に用いられるLiAO化合物は、XAFSの測定から得られる動径分布関数における特定の原子間距離の所定の位置にピークを有するものである。このこととは対照的に、これまで知られているLi−A−O系の化合物は、XAFSから得られる動径分布関数において、本発明で規定する所定の位置にピークを有するものではない。例えば図3に示すとおり、従来知られているLi−A−O系の化合物の1種であるLiNbOは、0.115nm以上0.144nm以下の範囲にピークは観察されるものの、0.280nm以上0.310nm以下の範囲にピークは観察されない。
XAFSは、物質にX線を照射することで得られる吸収スペクトルを解析する手法である。物質にX線を照射することで得られる吸収スペクトルには、物質中に含まれる元素特有の急峻な立ち上がり、すなわち吸収端が観察される。この吸収端近傍±50eV程度に現れる微細構造はXANES(X-ray Absorption Near Edge Structure)と呼ばれる。また、吸収端から高エネルギー側1000eV程度に現れる振動構造はEXAFS(Extended X-ray Absorption Fine Structure)と呼ばれる。XANESとEXAFSを合わせた領域がXAFSと呼ばれる。XAFSによれば、試料中の着目元素周囲の局所構造(原子間距離、配位数)や、化学状態(価数、配位構造)の評価が可能である。またXAFSは非破壊測定法であり、且つ物質の最表面の情報が得られる測定方法であることから、本発明の活物質そのものを測定対象として用いることができ、且つ活物質における被覆層の情報を得ることができる。
本発明において、活物質のXAFSを測定するには、例えば以下に述べる手順で操作を行う。
試料調製
試料をメノウ乳鉢で粉砕した後、窒化ホウ素粉末と混合し、直径10mm、厚さ約1mmの錠剤にする。測定する試料に含まれるA元素の濃度や、LiAO化合物及び芯材粒子を構成する化合物のX線吸収係数に応じて、試料と窒化ホウ素の分量を適宜最適にする。
Nb−K端のXAFSを測定するときの条件は以下のとおりである。
・実験施設:SPring−8
・実験ステーション:BL14b2
・分光器 :モノクロメータSi(311)
・高次光除去:Rhコートミラー2.4mrad×2枚
・入射X線サイズ:縦1mm×横5mm(試料前スリットサイズ)
・測定法:透過法
・検出器:イオンチャンバー
・測定吸収端 :Nb−K吸収端(18986eV)
各入射X線エネルギー(E、x軸)において、I0、Itを測定し、次式により、X線吸光度(y軸)を求め、x軸−y軸でプロットすることにより、XAFSスペクトルを得た。
X線吸光度μt=−ln(It/I0)
以上のようにして得られたデータに基づき動径分布関数を取得して原子間距離を決定するには、以下に述べる手順で操作を行う。
EXAFSスペクトルをフーリエ変換して得られる動径分布関数について説明する。
解析ソフトウェアとして「Athena」(Demeter ver.0.9.25)を用いる。
初めに、同ソフトウェアにてXAFSスペクトルを読み込んだ後に、バックグラウンド吸収であるPre−edge領域(吸収端から−150eV以上−45eV以下程度の領域)と、Post−edge領域(吸収端から150eV以上1300eV以下程度の領域)とをフィッティングして、XAFSスペクトルを規格化する。次にEXAFSスペクトル(χ(k))を抽出するために、スプライン曲線でフィッティングを行う。同ソフトウェアでの解析においてスプライン曲線のフィッティングに用いたパラメータは以下の値である。
・Rbkg=1
・Spline range in k:1以上15以下
・Spline clamps low:None、high:None
・k-weight=3
・Plotting k-weights : 3
最後にEXAFSスペクトル(χ(k))をフーリエ変換して、動径分布関数を示すスペクトルを得る。同ソフトウェアでのフーリエ変換のパラメータは、以下の値を用いた。
・k-range:3.5以上11.5以下
・dk:1
・window:Hanning
・arbitrary k-weight:1
・phase correction:未使用
2.LiAO化合物
上述のとおり本発明の活物質は、芯材粒子と、該芯材粒子の表面に配置された被覆層とを有することが好ましい。本発明の活物質がこのような形態である場合、被覆層は、Li、A元素(AはTi、Zr、Ta、Nb、Zn、W及びAlからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素)及びOを含む化合物からなること、すなわち上述したLiAO化合物からなることが好ましい。芯材粒子の表面がLiAO化合物で被覆されていることにより、リチウムイオン伝導性が向上し、正極活物質と固体電解質間の界面抵抗を低減することができ、レート特性を高めることができる。なお上記の好ましい態様におけるA元素はバルブメタルと呼ばれる、同様の性質を有する一群の金属元素である。
「芯材粒子の表面がLiAO化合物で被覆されている」状態とは、LiAO化合物が、芯材粒子の表面において、粒子として存在している態様、粒子が凝集してなる凝集粒子として存在している態様、及び層を形成して存在している態様を包含する。「層を形成して存在する」とは、LiAO化合物が厚みをもって存在している状態を意味する。
LiAO化合物が層を形成する場合、その厚みは0.5nm以上200nm以下であることが好ましく、中でも0.7nm以上或いは100nm以下、その中でも1nm以上或いは90nm以下であることが好ましく、更にその中でも80nm以下であることが好ましく、更にその中でも70nm以下であることが好ましく、更にその中でも60nm以下であることが好ましく、更にその中でも50nm以下であることが好ましく、更にその中でも40nm以下であることが好ましい。このような範囲にすることで、界面抵抗が小さく良好なリチウムイオン伝導層として機能させることができる。層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)により測定することができる。また、必要に応じてエネルギー分散型X線分析(EDS)を組み合わせて観察し、測定することもできる。
芯材粒子の表面の一部又は部分的にLiAO化合物が存在しない箇所があってもよい。中でも、LiAO化合物が芯材粒子の表面全体の面積の30%以上を被覆していることが好ましく、中でも40%以上、その中でも50%以上が好ましい。芯材粒子の表面をLiAO化合物が被覆していることは、例えば、前記と同様に、走査型透過電子顕微鏡(STEM)と、必要に応じてエネルギー分散型X線分析(EDS)を組み合わせて芯材粒子の表面を観察することや、オージェ電子分光分析法により確認することができる。
また、芯材粒子の表面を被覆するLiAO化合物の厚みは均一でなくても構わない。
LiAO化合物は非晶質であることが好ましい。LiAO化合物が非晶質であることにより、LiAO化合物が活物質と固体電解質の間の緩衝層として存在することになり、界面抵抗をより低減することができる。芯材粒子の表面を被覆する化合物が、結晶質であるか非晶質であるかは、制限視野電子回折によりハローパターンが得られるかを確認することで判断できる。ハローパターンとは、明瞭な回折ピークのない、低角度でブロードな回折図形のことである。
LiAO化合物における各元素の組成は、A元素がTa及びNbのうち、少なくとも1種の元素である場合、例えばLiAOで示すことができる。式中のx、yは元素の価数に即した範囲内で任意の値を取り得る。中でも、A元素1モルに対して、Liが1モルより過剰に含まれている組成(x>1)であることが特に好ましい。そうすることで、AとOとの化合物が生成することを抑制し、界面抵抗を効果的に低減することができる。
LiAO化合物がLiAOで表される場合において、x>1を満足させる方法としては、A元素原料に対するリチウム原料の配合量を、生成が想定される組成、例えばLiAOの化学量論組成比よりも過剰にする方法を挙げることができる。この際、単にLiを過剰に添加しただけでは、活物質の表面に、過剰分のLiに起因して炭酸リチウムが生成し、これが抵抗となって、かえってレート特性及びサイクル特性を悪化させる傾向がある。そのため、望ましくない化合物である炭酸リチウムが生成することを考慮して、LiAOが所定の組成になるように、A元素原料配合量及びリチウム原料配合量を調整することが好ましい。
3.芯材粒子
芯材粒子は、活物質として機能するものであればよく、特に限定されない。芯材粒子は、例えば、リチウム金属複合酸化物を含んでいてもよい。リチウム金属複合酸化物としては、公知のリチウム金属複合酸化物を用いることができる。例えば一般式LiMO2(Mは金属元素)で示される層状岩塩型構造のリチウム含有複合酸化物、一般式LiM2で示されるスピネル型構造のリチウム含有複合酸化物、一般式LiMPO(Mは金属元素)又はLiMSiO(Mは金属元素)で示されるオリビン構造のリチウム含有複合酸化物のうちのいずれか1種或いは二種類以上の組み合わせであってもよい。ただし、これらに限定するものではない。
3−1.芯材粒子A
芯材粒子は、Li、Mn及びOと、これら以外の1種類以上好ましくは2種類以上の元素とを含むスピネル型複合酸化物からなる粒子であることが好ましい(以下、この芯材粒子のことを「芯材粒子A」ともいう。)。芯材粒子Aを含む本発明の活物質を正極活物質として用いた場合、金属Li基準電位で4.5V以上の作動電位を有する。「金属Li基準電位で4.5V以上の作動電位を有する」とは、プラトー領域として4.5V以上の作動電位のみを有している必要はなく、4.5V以上の作動電位を一部有している場合も包含する意である。したがって本発明は、プラトー領域として4.5V以上の作動電位を有する5V級正極活物質のみからなる正極活物質に限定されるものではない。例えば本発明の活物質は、プラトー領域として4.5V未満の作動電位を有する正極活物質を含んでいてもよい。具体的には、当該5V級正極活物質が30質量%以上を占めていることが好ましく、好ましくは50質量%以上、その中でも特に好ましくは80質量%以上(100質量%含む)を占める正極活物質を許容するものである。
上述のとおり、芯材粒子Aは、Li、Mn及びOと、これら以外の2種類以上の元素とを含むスピネル型複合酸化物からなる粒子であることが好ましい。「これら以外の2種以上の元素」のうちの少なくとも1元素は、Ni、Co及びFeからなる群から選択される金属元素M1であることが好ましく、他の1元素は、Na、Mg、Al、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCeからなる群から選択される1種又は2種以上の組み合わせからなる金属元素M2であることが好ましい。
芯材粒子Aの好ましい組成例として、LiMn4−δにおけるMnサイトの一部を、Liと、金属元素M1と、他の金属元素M2とで置換してなる結晶構造を有するスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物を含むものを挙げることができる。
金属元素M1は、主に金属Li基準電位で4.5V以上の作動電位を発現させるのに寄与する置換元素であり、Ni、Co及びFeなどを挙げることができ、これらのうち少なくとも1種を含んでいればよく、中でもNi及びCoのうちの少なくとも1種類の元素を含んでいることが特に好ましい。
金属元素M2は、主に結晶構造を安定化させて特性を高めるのに寄与する置換元素である。例えば容量維持率向上に寄与する置換元素として、例えばNa、Mg、Al、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re、Ceなどを挙げることができ、中でもNa、Mg、Al、P、K、Ca、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ta及びWであることが好ましい。金属元素M2は、上述した元素のうちの1種又は2種以上の組み合わせであってもよい。金属元素M2は、上述した元素のうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましく、上述した元素以外の金属元素を含んでいてもよい。構造中に含まれる金属元素M2は金属元素M1と異なる元素種である。
芯材粒子Aの組成の一例として、式(1):Li(M1M2Mn2−x−y−z)O4−δで示されるスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物を含むものを挙げることができる。式(1)における金属元素M1及び金属元素M2は上述のとおりである。
前記の式(1)において、「x」は、1.00以上1.20以下であることが好ましく、中でも1.01以上或いは1.10以下、その中でも1.02以上或いは1.08以下であることがより一層好ましい。金属元素M1の含有量を示す「y」は、0.20以上1.20以下であることが好ましく、中でも0.30以上或いは1.10以下、その中でも0.35以上或いは1.05以下であることがより一層好ましい。金属元素M2の含有量を示す「z」は、0.001以上0.400以下であることが好ましく、中でも0.002以上或いは0.400以下、その中でも0.005以上或いは0.30以下、更にその中でも0.10以上であることがより一層好ましい。特に0.10以上とすることでより効果的にサイクル特性を向上させることができる。
芯材粒子Aの組成の他の例として、式(2):一般式[Li(NiM3Mn3−x−y−z)O4−δ]で示されるスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物を挙げることができる。式(2)において、「x」は、1.00以上1.20以下であることが好ましく、中でも1.01以上或いは1.10以下、その中でも1.02以上或いは1.08以下であることがより一層好ましい。式(2)において、「y」は、0.20以上0.70以下であることが好ましく、中でも0.30以上或いは0.60以下、その中でも0.35以上或いは0.55以下であることがより一層好ましい。
前記の式(2)において、金属元素M3としては、例えば、Na、Mg、Al、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCe等が挙げられ、中でもNa、Mg、Al、P、K、Ca、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ta及びWであることが好ましい。金属元素M3は、上述した元素のうちの1種又は2種以上の組み合わせであってもよい。金属元素M3のモル比を示す「z」は、0より大きく且つ0.5以下であることが好ましく、中でも0.01より大きく或いは0.45以下、その中でも0.05以上或いは0.40以下、更にその中でも0.10以上或いは0.35以下であることがより一層好ましい。特に0.10以上とすることでより効果的にサイクル特性を向上させることができる。
なお、前記の式(1)及び(2)における「4−δ」は、酸素欠損を含んでいてもよいことを示している。また、酸素の一部がフッ素又はその他の元素で置換されていてもよい。この際、δは0以上或いは0.2以下であることが好ましく、その中でも0.1以下、その中でも0.05以下であることが更に好ましい。
芯材粒子Aは、前記のLi、Mn、金属元素M1、金属元素M2、金属元素M3及びO以外の他の成分を含有してもよい。特にその他の元素をそれぞれ0.5重量%以下であれば含んでいてもよい。この程度の量であれば、芯材粒子の性能にほとんど影響しないと考えられるからである。
芯材粒子AはB(ホウ素)を含有してもよい。Bの存在状態としては、スピネルの結晶相の他に、Ni、Mn及びBを含む複合酸化物相を含有していてもよい。Ni、Mn及びBを含む前記複合酸化物相としては、例えばNiMnO(BOの結晶相を挙げることができる。NiMnO(BOの結晶相を含有することは、X線回折(XRD)により得られた回折パターンを、PDF(Powder Diffraction File)番号「01−079−1029」と照合することにより確認することができる。Ni、Mn及びBを含む前記複合酸化物は、芯材粒子Aの表面や粒界に存在しているものと推察される。
Ni、Mn及びBを含む前記複合酸化物相の含有量に関しては、芯材粒子A中のB元素の含有量が0.02質量%以上0.80質量%以下となるように前記複合酸化物相を含有することが好ましく、中でも0.05質量%以上或いは0.60質量%以下、その中でも0.30質量%以下、特に0.25質量%以下となるように前記複合酸化物相を含有することが更に好ましい。B元素の含有量が0.02質量%以上であれば、高温(例えば45℃)での放電容量を維持することができ、B元素の含有量が0.80質量%以下であればレート特性を維持することができるから、好ましい。
なお、芯材粒子Aは、例えば、空間群Fd−3m(Origin Choice2)の立方晶の結晶構造モデルとフィッティングした際、観測強度と計算強度の一致の程度を表すRwp、Sの範囲がRwp<10又はS<2.5であることにより、スピネル型構造であると確認することができる。
芯材粒子Aの一次粒子は、単結晶体ではなく、多結晶体であることが好ましい。単結晶体とは、一次粒子が一つの結晶子で構成されている粒子を意味し、多結晶体とは一次粒子内に複数の結晶子が存在している粒子であることを意味する。芯材粒子が多結晶体であるか否かは、電子線後方散乱回折法(EBSD)により、一次粒子断面を観察することで確認することができる。多結晶体である場合は、一次粒子内に複数の方位を持つ結晶体が存在することを確認できる。
3−2.芯材粒子B
芯材粒子は、Li、M元素(Mは、少なくともNi、Co、Mn及びAlからなる群から選択される1種又は2種以上の元素の組み合わせを含む。)及びOを含む層状構造を持つリチウムニッケル金属複合酸化物からなる粒子であることも好ましい(以下、この芯材粒子のことを「芯材粒子B」ともいう。)。本発明の活物質は、芯材粒子Bの他に、他の成分を含んでいてもよい。尤も、芯材粒子Bの特性を効果的に得ることができる観点から、芯材粒子Bが80質量%以上、中でも90質量%以上、その中でも95質量%以上(100質量%を含む)を占めることが好ましい。
芯材粒子Bは、一般式(3):Li1+x1−x(式中、Mは、Ni、Co、Mn及びAlからなる群から選択される1種又は2種以上の元素の組み合わせであるか、若しくは、Ni、Co、Mn及びAlからなる群から選択される1種又は2種以上の元素の組み合わせと、周期律表の第3族元素から第11族元素の間に存在する遷移金属元素、及び、周期律表の第1周期から第3周期までの典型金属元素からなる群のうちのいずれか1種或いは2種以上の組み合わせとを含む(これらを「構成元素M」と称する)。)で表される層状構造を持つリチウム金属複合酸化物からなる粒子であることが好ましい。
一般式(3):Li1+x1−xにおいて、「1+x」は、0.95以上1.09以下、中でも0.97以上或いは1.07以下、その中でも0.98以上1.05以下であることが好ましい。
前記の式(3)中の「M」は、Mn、Co及びNiの3元素を含んでいてもよい。例えばMn、Co及びNiの3元素のみから構成されていてもよいし、当該3元素に前記その他の元素の1種以上を含んでいてもよいし、その他の構成でもよい。
周期律表の第3族元素から第11族元素の間に存在する遷移金属元素、及び、周期律表の第1周期から第3周期までの典型金属元素としては、例えばAl、P、V、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、In、Cu、Zn、Nb、Zr、Mo、W、Ta、Reなどを挙げることができ、中でもP、V、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn、Nb、Zr、Mo、W及びTaであることが好ましい。
前記の式(3)中の「M」が、Mn、Co及びNiの3元素を含有する場合、Mn、Co及びNiの含有モル比率は、Mn:Co:Ni=0.00以上0.45以下:0.00以上0.40以下:0.30以上1.00以下であることが好ましく、Mn:Co:Ni=0.01以上0.45以下:0.01以上0.40以下:0.30以上0.95以下であることが好ましく、中でもMn:Co:Ni=0.05以上0.40以下:0.03以上0.40以下:0.30以上0.85以下、その中でもMn:Co:Ni=0.05以上0.40以下:0.03以上0.40以下:0.30以上0.75以下であることが更に好ましい。
前記の式(3)において、酸素量の原子比は、便宜上「2」と記載しているが、多少の不定比性を有してもよい。すなわち、酸素量の原子比は「2−δ」であってよく、この際「−δ」は酸素欠損を示しており、δは0以上或いは0.2以下であることが好ましく、その中でも0.1以下、その中でも0.05以下であることが更に好ましい。
芯材粒子Bは、不可避不純物を含んでいてもよい。例えば不可避不純物の元素をそれぞれ0.17質量%以下であれば含んでいてもよい。この程度の量であれば、芯材粒子Bの特性にほとんど影響しないと考えられるからである。
なお、芯材粒子Bは、例えば、空間群R−3mの六方晶の結晶構造モデルとフィッティングした際、観測強度と計算強度の一致の程度を表すRwp、Sの範囲が、Rwp<10又はS<2.5であることにより、それが層状構造であると確認することができる。
芯材粒子Bの一次粒子は、芯材粒子Aと同様に、単結晶体ではなく、多結晶体であることが好ましい。単結晶体及び多結晶体の定義は、芯材粒子Aの場合と同じである。
4.活物質
本発明の活物質は、次のような特徴を有することが好ましい。
(結晶性)
本発明の活物質の一次粒子は、単結晶体ではなく、多結晶体であることが好ましい。詳細にいえば、多結晶体である芯材粒子の表面に非晶質である非晶質化合物が存在していることが好ましい。単結晶体とは、一次粒子が一つの結晶子で構成されている粒子を意味し、多結晶体とは一次粒子内に複数の結晶子が存在している粒子であることを意味する。
活物質の一次粒子が単結晶体ではない、つまり多結晶体であるか否かは、平均一次粒子径に対する結晶子サイズの比率(結晶子サイズ/平均一次粒子径)が0に近い、具体的には0より大きく、1より小さい範囲内であることを確認することでも判断できる。0に近いことは、一次粒子内に結晶子が多く含まれることを意味する。尤も、この判断方法に限定するものではない。
本発明において「一次粒子」とは、SEM(走査型電子顕微鏡、例えば500倍以上5000倍以下)で観察したときに、粒界によって囲まれた最も小さな単位の粒子を意味する。平均一次粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡、例えば500倍以上5000倍以下)で観察して、任意に30個の一次粒子を選択し、画像解析ソフトウェアを用い、選ばれた一次粒子の粒子径を算出し、30個の一次粒子径を平均して求めることができる。他方、本発明において「二次粒子」とは、複数の一次粒子がそれぞれの外周(粒界)の一部を共有するようにして凝集し、他の粒子と孤立した粒子を意味するものである。そして、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布によるD50は、これら一次粒子及び二次粒子を含めた粒子の平均径の代替値としての意味を有する。また、「結晶子」とは、単結晶とみなせる一次粒子を意味し、XRD測定し、リートベルト解析を行うことにより求めることができる。
(モード径)
本発明の活物質のモード径、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積粒度分布測定によるモード径は0.40μm以上11.0μm以下であることが好ましく、中でも1.00μmより大きい或いは11.0μm未満、その中でも1.00μmより大きい或いは10.0μm未満、その中でも特に1.50μmより大きい或いは10.0μm未満、更にその中でも2.00μmより大きい或いは9.0μm未満であることが特に好ましい。モード径を前記の範囲内とすることで、二次粒子内にLiが拡散するときの抵抗を小さくすることができ、その結果、放電末期特性を向上させられる。
(D50
本発明の活物質のD50、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積粒度分布測定によるD50は、例えば0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることが好ましく、2.0μm以上であることが好ましく、2.5μm以上であることが好ましい。一方、前記D50は、例えば15.0μm以下であることが好ましく、中でも10.0μm以下であることが好ましく、特に8.0μm以下であることが好ましい。D50を前記の範囲とすることで、二次粒子内にLiが拡散するときの抵抗を小さくすることができ、その結果、放電末期特性を向上させることができる。
(|モード径−D50|/モード径)
本発明の活物質は、モード径に対する、モード径とD50との差の絶対値の百分率((|モード径−D50|/モード径)×100)の値が0%≦((|モード径−D50|/モード径)×100)≦25%を満たすことが好ましい。中でも((|モード径−D50|/モード径)×100)は、((|モード径−D50|/モード径)×100)≦20%を満たすことが好ましく、特に((|モード径−D50|/モード径)×100)≦17%を満たすことが好ましく、更に((|モード径−D50|/モード径)×100)≦16%を満たすことが好ましく、中でもまた((|モード径−D50|/モード径)×100)≦15%以下を満たすことが好ましい。一方、((|モード径−D50|/モード径)×100)は、0%<((|モード径−D50|/モード径)×100)を満たすことが好ましく、中でも1%≦((|モード径−D50|/モード径)×100)を満たすことが好ましく、特に2%≦((|モード径−D50|/モード径)×100)を満たすことが好ましく、更にまた2.5%≦((|モード径−D50|/モード径)×100)を満たすことが好ましい。(|モード径−D50|/モード径)×100の値が前記の範囲であるということは、粒度分布が単峰型、すなわち複数のピークを持たない分布であり、しかも、正規分布であるかそれに近い分布であることを意味する。
(D10
本発明の活物質のD10、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積粒度分布測定によるD10は、例えば0.2μm以上8.0μm以下であることが好ましい。活物質のD10は、中でも1.0μm以上であることが好ましく、特に2.0μm以上であることが好ましい。一方、活物質のD10は、中でも6.0μm以下であることが好ましく、特に、5.0μm以下であることが好ましい。D10を前記の範囲に調整することにより、副反応を抑制することができる。
(|モード径−D10|/モード径)
本発明の活物質は、モード径に対する、モード径とD10との差の絶対値の百分率((|モード径−D10|/モード径)×100)の値が0%<((|モード径−D10|/モード径)×100)≦58.0%であることが好ましい。中でも((|モード径−D10|/モード径)×100)は、((|モード径−D10|/モード径)×100)≦55.0%を満たすことが好ましく、特に((|モード径−D10|/モード径)×100)≦45.0%を満たすことが好ましく、更に((|モード径−D10|/モード径)×100)≦40.0%を満たすことが好ましい。一方、((|モード径−D10|/モード径)×100)は、1%≦((|モード径−D10|/モード径)×100)を満たすことが好ましく、特に2%≦((|モード径−D10|/モード径)×100)を満たすことが好ましく、更にまた2.5%≦((|モード径−D50|/モード径)×100)を満たすことが好ましい。((|モード径−D10|/モード径)×100)の値が前記の範囲であるということは、活物質のモード径からD10までの分布の幅が狭いことを意味する。
また、モード径に対する、モード径とD50との差の絶対値の百分率((|モード径−D50|/モード径)×100)を前記の範囲に調整すること、又は、モード径に対する、モード径とD10との差の絶対値の百分率((|モード径−D10|/モード径)×100)の値を前記の範囲にすることにより、粒度分布が正規分布に近く、シャープな分布となる。つまり、一次粒子及び二次粒子の大きさを均一化することができる。このことは、粒度分布全体における微粉領域の割合を小さくすることができることを意味している。微粉はサイクル特性に悪影響を及ぼすため、微粉の占める割合を小さくすることで、サイクル特性を改善できる。
しかも本発明においては、シャープな粒度分布を有する活物質の粒子が、上述したLiAO化合物を含む被覆層を有していることで、充電特性が改善されるという有利な効果が奏される。特に、後述する活物質の製造方法を採用する場合、上述したLiAO化合物を含む被覆層の構造を導入する際に芯材粒子への吸着現象を利用するので、粒子径が揃ったシャープな粒度分布を有する芯材粒子を用いると、各粒子での被覆率や被覆厚みの平準化が首尾よく行われ、粒子の被覆状態が粒子毎で揃った、シャープな粒度分布を有する活物質の粒子が得られる。そのことに起因して、充電時にリチウムイオンの移動が粒子毎に平準化され、充電特性が向上する。
(Dmin
本発明の活物質のDmin、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積粒度分布測定によるDminは、例えば0.1μm以上であることが好ましく、中でも0.15μmより大きいことが好ましく、特に2.0μmより大きいことが好ましく、更にその中でも0.6μmより大きいことが好ましい。一方、Dminは、例えば6.0μm以下であることが好ましく、中でも5.0μm未満であることが好ましく、特に4.0μm未満であることが好ましく、更にその中でも3.0μm未満であることが好ましく、更にその中でも2.0μm以下であることが好ましく、更には1.8μm未満であることが好ましい。Dminが前記の範囲であることにより、副反応を抑制でき、またサイクル特性を向上させることができる。
本発明の活物質の二次粒子の粒度分布を前記のように調整するには、例えば焼成して粉砕するとともに該粉砕後に熱処理をすればよい。ただし、かかる方法に限定するものではない。
(平均一次粒子径)
本発明の活物質の平均一次粒子径、すなわちSEM画像より算出した平均一次粒子径は、例えば0.10μm以上であることが好ましく、中でも0.25μmより大きいことが好ましく、特に0.40μmより大きいことが好ましく、更に0.50μmより大きいことが好ましい。一方、前記平均一次粒子径は、例えば、5.00μm以下であることが好ましく、中でも4.00μm以下であることが好ましく、特に3.00μm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が前記の範囲内であることにより、レート特性の向上を達成できる。
(平均一次粒子径/D50
本発明の活物質は、D50に対する平均一次粒子径の比率(平均一次粒子径/D50)が0.01以上0.99以下であることが好ましい。中でも、上記比率は、0.1以上であることが好ましく、特に、0.2以上であることが好ましく、その中でも0.3以上であることが好ましく、更に0.4以上であることが好ましい。一方、上記比率は、0.9以下であることが好ましく、中でも0.85以下であることが好ましく、特に0.7以下であることが好ましい。平均一次粒子径/D50を前記の範囲にすることにより、一次粒子の分散性を高めることができる。そのため、二次粒子が粒度分布の半分以上を占める場合に比べて、一次粒子1つ1つが充分に固体電解質と接触することができる。これにより、Liと粒子との反応面積が増加するとともに、二次粒子内の一次粒子どうしの界面における抵抗を減少させることができ、放電末期特性改善に繋がる。
本発明の活物質の平均一次粒子径を前記のように調整するには、焼成温度を調整したり、ホウ素化合物やフッ素化合物のように、焼成時の反応性を高める物質を添加して焼成したりして活物質を製造することが好ましい。尤も、この方法に限定するものではない。
(結晶子サイズ)
本発明の活物質は、結晶子サイズが例えば80nm以上490nm以下であることが好ましい。中でも、結晶子サイズは、100nm以上であることが好ましく、特に110nm以上であることが好ましく、更に120nm以上であることが好ましく、その中でも130nm以上であることが好ましい。一方、結晶子サイズは、350nm以下であることが好ましく、240nm以下であることが好ましい。結晶子サイズを前記の範囲に規定することにより、結晶子内のイオン導電性を高めることができ、抵抗を低減することができる。また、抵抗低減により、サイクル時の分極を抑えることができ、高温時における充放電の繰り返しに伴って徐々に放電容量が低下するのを抑制することができる。
(結晶子サイズ/平均一次粒子径)
本発明の活物質は、結晶子サイズに対する平均一次粒子径の比率(結晶子サイズ/平均一次粒子径)が例えば0.01以上0.50以下であることが好ましい。中でも、上記比率は、0.02以上であることが好ましく、特に0.03以上であることが好ましく、更に0.04以上であることが好ましく、その中でも0.05以上であることが好ましい。一方、上記比率は、0.41以下であることが好ましく、中でも0.32以下であることが好ましく、特に0.26以下であることが好ましい。上述のように、本発明の活物質は好適には多結晶体であるから、結晶子サイズ/平均一次粒子径は1未満の値となり、更に前記の範囲であれば粉体中の一次粒子の分散性が良好となり、一次粒子と固体電解質との接触面積が増加するとともに、二次粒子内の一次粒子どうしの界面における抵抗を減少させることができ、放電末期特性改善に繋げることができる。結晶子サイズを前記の範囲に調整するには、焼成温度、焼成時間、反応性を高める助剤、焼成雰囲気、原料種などを調節することが好ましい。尤も、これらの方法に限定するものではない。
(歪み)
本発明の活物質は、X線回折装置(XRD)により測定されるX線回折パターンにおいて、リートベルト解析から得られる歪みの数値が、例えば0.00以上0.35以下であることが好ましい。この程度に歪みが少なければ、リチウムニッケル金属複合酸化物の骨格が充分に強固であるから、リチウム二次電池の活物質として使用した場合に、放電末期特性及びサイクル特性を更に高めることができる。かかる観点から、本発明の活物質の歪みは、中でも0.35未満、その中でも0.32未満、その中でも0.30未満、その中でも更に0.28未満、その中でも0.25未満、その中でも更に0.20未満、更にその中でも0.15未満であることがより一層好ましい。本発明の活物質の歪みを前記の範囲にするには、好ましい条件で熱処理すればよい。尤も、これらの方法に限定するものではない。
(比表面積)
本発明の活物質はその比表面積が、副反応を抑える観点から、例えば0.1m/g以上12.0m/g以下であることが好ましく、中でも0.2m/gより大きい或いは10.0m/g未満であることが更に好ましく、その中でも8.0m/g未満、その中でも更に7.0m/g未満、その中でも特に5.0m/g未満であることがより一層好ましい。場合によっては、本発明の活物質の比表面積は、例えば0.4m/g以上或いは12.0m/g以下であることが好ましく、中でも0.5m/g以上或いは10.0m/g以下であることが更に好ましく、その中でも8.0m/g以下、その中でも更に5.0m/g以下であることがより一層好ましい。
比表面積は次のように測定する。先ず、サンプル2.0gを全自動比表面積測定装置Macsorb(株式会社マウンテック製)用のガラスセル(標準セル)に秤量し、オートサンプラーにセットする。窒素ガスでガラスセル内を置換した後、前記窒素ガス雰囲気中で200℃15分間、熱処理する。その後、窒素・ヘリウム混合ガスを流しながら、4分間冷却する。冷却後、サンプル(粉体)をBET一点法にて測定する。冷却時及び測定時の吸着ガスは、窒素30vol%:ヘリウム70vol%の混合ガスを用いる。
(表面組成)
本発明の活物質が、芯材粒子の表面が非晶質化合物で被覆されてなる構成を備えている場合には、活物質の表面におけるLiとA元素との比率を所定範囲に制御することにより、リチウムイオン伝導性向上と抵抗抑制を両立させることができ、放電末期特性を改善するとともに、レート特性、サイクル特性を有効に改善することができる。詳細には、X線光電子分光分析(XPS)によって得られる、活物質(粒子)の表面におけるA元素含有量に対するLi含有量のmol比率(Li/A)は1.0以上33.3以下であることが好ましい。中でも1.1以上33.3以下、更に1.1以上25以下、更に1.1以上20以下、更に1.1以上15以下、更に1.1以上12以下が好ましい。前記mol比率(Li/A)は炭酸リチウム起因のLiも含めた値である。
本発明の活物質の表面におけるLiとA元素との比率を前記の範囲に制御するためには、前述したように、活物質の表面に生成する炭酸リチウム起因のLi分を考慮した上で、前記mol比率(Li/A)が前記範囲になるように、A元素原料配合量及びリチウム原料配合量を調整することが好ましい。
(炭酸イオン量:CO 2−量)
本発明の活物質の表面に存在する炭酸塩(炭酸リチウムや炭酸ナトリウムなど)の量が多いと抵抗となってリチウムイオン伝導性を低下させる可能性がある。そのため、炭酸塩由来と考えられる炭酸イオン量すなわちCO 2−量は、本発明の活物質に対して4.0質量%未満であることが好ましく、中でも3.0質量%未満、その中でも2.5質量%未満、更にその中でも2.0質量%未満、とりわけその中でも1.0質量%未満であることが更に好ましい。活物質の表面に存在する炭酸リチウム量を低下させるためには、例えば、酸素雰囲気下などの二酸化炭素を含まない雰囲気で焼成し、更に好ましくは、超音波を照射しながら加水分解することが好ましい。
<活物質の製造方法>
本発明の活物質は、例えば、Li、M元素(MはNi、Co、Mn及びAlからなる群から選択される1種又は2種以上の元素の組み合わせである。)及びOを含む層状構造を持つリチウム金属複合酸化物からなる芯材粒子粉末を調整する一方、リチウム原料、A元素原料を溶媒に溶解させた混合溶液に芯材粒子を加えた後、所定条件の下で乾燥、焼成することにより製造できる。或いは、リチウム原料、A元素原料を溶媒に溶解させた混合溶液に芯材粒子を加えた後、所定条件の下で乾燥、焼成することにより、芯材粒子に表面被覆処理を施して製造することができる。尤も、これらの製造方法は好ましい一例であって、このような製造方法に限定するものではない。例えば、転動流動コーティング法(ゾルゲル法)、メカノフュージョン法、CVD法及びPVD法等でも、条件を調整することにより製造することは可能である。
<芯材粒子の製造方法>
芯材粒子の製造方法の一例として、原料混合工程、湿式粉砕工程、造粒工程、焼成工程、熱処理工程、洗浄・乾燥工程及び粉砕工程を備えた製造方法を挙げることができる。尤も、かかる製造方法は好ましい一例であって、このような製造方法に限定するものではない。
<表面被覆処理>
前記のように作製した芯材粒子の表面を、LiAO化合物で被覆させるためには、例えば、リチウム原料、A元素原料を溶媒に溶解させた混合溶液に芯材粒子粉末を加えて、所定条件下で乾燥、焼成すればよい。例えば、水溶性A元素塩及びリチウム原料を水に溶解して表面処理液を調製し、この表面処理液中に芯材粒子を投入し、混練してスラリー状とし、これを乾燥することによって好適に製造できる。ただし、活物質の製造方法をこのような方法に限定するものではない。例えば、転動流動コーティング法(ゾルゲル法)、メカノフュージョン法、CVD法及びPVD法等でも、条件を調整することにより製造することは可能である。
より具体的には、Li量とA元素量との比率を所定範囲に調整したリチウム原料及びA元素原料を溶媒に撹拌溶解した後、これに芯材粒子粉末を投入することが好ましい。なお、本発明の活物質製造方法では、溶媒中に芯材粒子粉末を投入することにより、芯材粒子の表面に存在する残存不純物を溶媒中に溶解させてから表面処理することができるため好ましい。この方法により、本発明の活物質のpHを低減させることができ、放電末期特性及びサイクル特性の向上させることができる。例えば、特開2016−170973号公報に記載されているように、単にコアとなる活物質粒子に錯体溶液を噴霧する方法では、前記のような効果が得られない可能性がある。ただし、pHを低減する方法をこの方法に限定するものではない。
<活物質の用途>
本発明の活物質は、通常、正極活物質として用いることができる。また、本発明の活物質は、固体電池に用いられるものである。特に本発明の活物質は、固体電解質として固体電解質を含む固体電池に用いられることが有利である。固体電池において、本発明の活物質と、固体電解質との接触部分が存在することにより、本発明の効果を享受することができる。ここで「活物質と、固体電解質との接触部分が存在する」とは、(ア)正極合剤等の電極合剤中に固体電解質を含有させること(この場合、固体電解質層は硫化物でも非硫化物でも可。)、(イ)正極合剤等の電極合剤中に固体電解質を含有させず、固体電解質層に固体電解質を含有させること、及び(ウ)正極合剤等の電極合剤中に固体電解質を含有させ、且つ固体電解質層に固体電解質を含有させることのいずれかを意味する。
B.電極合剤
正極合剤等の本発明の電極合剤は、活物質と、固体電解質とを含む。なお、電極合剤に含まれる活物質については、前記「A.活物質」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明で用いる固体電解質は、一般的な固体電池に用いられる固体電解質と同様とすることができる。例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質等が挙げられるが、中でも硫黄(S)元素を含有する硫化物固体電解質であることが好ましい。本発明における硫化物固体電解質は、例えば、リチウム(Li)元素及び硫黄(S)元素を含みリチウムイオン伝導性を有するものであってもよく、或いは、リチウム(Li)元素、リン(P)元素及び硫黄(S)元素を含みリチウムイオン伝導性を有するものであってもよい。硫化物固体電解質は、結晶性材料、ガラスセラミックス、ガラスのいずれであってもよい。硫化物固体電解質は、アルジロダイト型構造の結晶相を有していてもよい。このような硫化物固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiX(「X」は1種以上のハロゲン元素を示す。)、LiS−P−P、LiS−LiPO−P、LiPS、Li、Li10GeP12、Li3.25Ge0.250.75、Li11、Li3.250.95、Li7−xPS6−x(アルジロダイト型構造の結晶相を有する固体電解質、「X」は1種以上のハロゲン元素を示し、0.2<x<2.0又は0.2<x<1.8である。)などが挙げられる。
本発明の電極合剤に含まれる活物質は、本発明の活物質のみであってもよく、その他の活物質と組み合わせて使用することもできる。その他の活物質としては、前記の公知のリチウム遷移金属複合酸化物からなる粒子が挙げられ、当該粒子は被覆層を有していてもよく、或いは有していなくてもよい。組み合わせて使用する場合は、活物質全体に対して本発明の活物質を50モル%以上、更に好ましくは70%以上含有していることが好ましい。
本発明の電極合剤における硫化物固体電解質の割合は、典型的には5質量%以上50質量%以下である。また、電極合剤は、必要に応じて導電助剤やバインダー等の他の材料を含んでもよい。また、電極合剤と溶剤とを混合してペーストを作製し、アルミニウム箔等の集電体上に塗布、乾燥させることによって正極層等の電極層を作製できる。
C.固体電池
本発明の固体電池は、正極層、負極層、及び固体電解質層を備え、前記正極層が、上述した正極合剤を含む。
本発明の固体電池は、例えば、前記のようにして作製した正極層、固体電解質層、及び負極層を3層重ねて加圧成型することによって作製できる。「固体電池」とは、液状物質又はゲル状物質を電解質として一切含まない固体電池の他、例えば50質量%以下、30質量%以下、10質量%以下の液状物質又はゲル状物質を電解質として含む態様も包含する。
前記負極層に用いる負極活物質は、一般的な固体電池に用いられる負極活物質と同様とすることができる。具体的な負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出する材料、例えば炭素材料、シリコン及びSi−Oなどの酸化ケイ素系化合物、スズ系化合物、チタン酸リチウム等の公知の材料を用いることができる。前記炭素材料としては、例えばポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、セルロースなどの有機高分子化合物を焼結したもの、人造黒鉛や天然黒鉛を挙げることができる。前記負極層は、このような負極活物質を用いる以外は正極層の作製と同様にして作製できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
平均粒径(D50)7μmの炭酸リチウムと、平均粒径(D50)23μmで比表面積が40m/gの電解二酸化マンガンと、平均粒径(D50)22μmの水酸化ニッケルと、平均粒径(D50)2μmの酸化チタンをそれぞれ秤量した。
イオン交換水中へ、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩水溶液(サンノプコ(株)製 SNディスパーサント5468)を添加した。この際、分散剤の添加量は、前述のLi原料、Ni原料、Mn原料及びTi原料の合計に対して、6質量%になるようにし、イオン交換水中へ充分に溶解混合させた。そして、秤量しておいたNi、Mn原料を、あらかじめ分散剤を溶解させた前記イオン交換水中へ加えて、混合撹拌して、続いて、湿式粉砕機で1300rpm、120分間粉砕して平均粒径(D50)を0.60μm以下の粉砕スラリーを得た。次いで、残りの原料を前記スラリー中に加えて、撹拌し、続いて1300rpm、120分間粉砕して平均粒径(D50)を0.60μm以下の粉砕スラリーを得た。この際の固形分濃度は40質量%とした。
得られた粉砕スラリーを熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー、大川原化工機(株)製「RL−10」)を用いて造粒乾燥させた。この際、噴霧にはツインジェットノズルを用い、噴霧圧を0.46MPa、スラリー供給量340mL/min、乾燥塔の出口温度100℃以上110℃以下となるように温度を調節して造粒乾燥を行った。
得られた造粒粉を、静置式電気炉を用いて、大気雰囲気において、900℃を37時間保持するように焼成した後、解砕機(オリエント堅型粉砕機、オリエント粉砕機株式会社製)で解砕した。
前記解砕後、静置式電気炉を用いて、大気雰囲気において、750℃を37時間保持するように熱処理(第1熱処理)し、解砕機(オリエント堅型粉砕機、オリエント粉砕機株式会社製)で解砕した。
前記解砕後、pH6以上7以下、温度25℃のイオン交換水2000mLを入れたプラスチックビーカー(容量5000mL)の中に投入し、攪拌機(プロペラ面積33cm)を用いて400rpm以上550rpm以下の回転で20分間撹拌した。撹拌後、撹拌を停止して攪拌機を水中から取り出し、10分間静置した。そして、デカンテーションにより上澄み液を除去し、残りについて吸引ろ過器(ろ紙No.131)を使用して沈降物を回収し、回収した沈降物を120℃環境下で12時間乾燥させた。その後、品温が500℃となるように加熱した状態で7時間乾燥させた。
そして、乾燥後、カウンタージェットミル(粉砕分級装置、ホソカワミクロン株式会社製)で解砕した(解砕条件:分級機回転数11000rpm)。その後、目開き53μmの篩で分級した。
その後、管状型静置炉にて酸素供給量0.5L/minにて流入させながら、炉設定温度を725℃として、5時間保持するように熱処理(第2熱処理)を実施した。
第2熱処理後の粉体を目開き53μmの篩で分級し、篩下を回収してリチウムマンガン含有複合酸化物を得た。このリチウムマンガン含有複合酸化物は、後述するように、XRD測定で、スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物であることを同定した。以後の実施例及び比較例についても同様である。
このスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物、すなわち芯材粒子の化学分析を実施したところ、化学分析の結果、Li:4.2質量%、Mn:41.6質量%、Ni:13.5質量%、Ti:5.1質量%であった。一次粒子の断面SEM写真から芯材粒子が多結晶体であることを確認した。
なお、前記焼成時及び熱処理時の温度は、炉内の処理物に熱電対を接触させて測定した処理物の品温である。後述する実施例・比較例でも同じである。
正極活物質の製造
前記A元素としてNbを用いた。Nb量に対するLi量のmol比率(Li/Nb)が3.0となるように、リチウムエトキシド及びペンタエトキシニオブの量を調整し、これらをエタノールに加えて溶解させて被覆用ゾルゲル溶液(リチウム量18mmol、ニオブ量6mmol)を調製した。この被覆用ゾルゲル溶液に前記リチウム金属複合酸化物粉体10gを投入した。更に、フッ素入りの水を滴下した後、ロータリーエバポレーターを用いて、60℃×30分間加熱して超音波を照射しながら加水分解させた。その後、60℃を維持しながら30分かけて減圧して溶媒を除去した後、そのまま常温で24時間放置して乾燥させた。次に、日陶科学社製の卓上小型電気炉であるNHK−170を用いて大気雰囲気で350℃を2時間維持するように焼成し、正極活物質を得た。このサンプルはXAFSの測定によって得られる動径分布関数において図1に示すとおり0.115nm以上0.144nm以下の範囲に1本ピークを有し、0.280nm超0.310nm以下の範囲にも1本ピークを有した。
〔実施例2〕
実施例1において、静置式電気炉を用いて、大気雰囲気において、750℃を38時間保持するように熱処理(第1熱処理)し、被覆用ゾルゲル溶液を(リチウム量24mmol、ニオブ量6mmol)とした以外は実施例1と同様にして正極活物質を得た。このサンプルはXAFSの測定によって得られる動径分布関数において0.115nm以上0.144nm以下の範囲に1本ピークを有し、0.280nm以上0.310nm以下の範囲にも1本ピークを有した。
〔比較例1〕
平均粒径(D50)7μmの炭酸リチウムと、平均粒径(D50)23μmで比表面積が40m2/gの電解二酸化マンガンと、平均粒径(D50)22μmの水酸化ニッケルとそれぞれ秤量した。
イオン交換水中へ、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩水溶液(サンノプコ(株)製 SNディスパーサント5468)を添加した。この際、分散剤の添加量は、前述のLi原料、Ni原料及びMn原料の合計に対して、6質量%になるようにし、イオン交換水中へ充分に溶解混合させた。秤量しておいた原料を、あらかじめ分散剤を溶解させた前記イオン交換水中へ加えて、混合撹拌して、固形分濃度40質量%のスラリーを調整した。
湿式粉砕機で1300rpm、120分間粉砕して平均粒径(D50)を0.60μm以下とした。
得られた粉砕スラリーを熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー、大川原化工機(株)製「RL−10」)を用いて造粒乾燥させた。この際、噴霧にはツインジェットノズルを用い、噴霧圧を0.19MPa、スラリー供給量350mL/min、乾燥塔の出口温度100℃以上110℃以下となるように温度を調節して造粒乾燥を行った。
得られた造粒粉を、静置式電気炉を用いて、酸素分圧0.021MPaの雰囲気において、950℃を37時間保持するように焼成した後、酸素分圧0.021MPaの雰囲気において750℃を37時間保持するように熱処理した。
熱処理して得られた焼成粉を目開き53μmの篩で分級し、篩下粉を回収してスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末すなわち正極活物質(サンプル)を得た。
スピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末を準備した。得られたスピネル型リチウムマンガン含有複合酸化物粉末の化学分析を実施したところ、Li:3.9質量%、Ni:16.0質量%、Mn:43.0質量%であった。このサンプルはXAFSの測定によって得られる動径分布関数において0.145nm以上0.185nm以下の範囲、及び0.280nm以上0.310nm以下の範囲にピークを有さなかった。
<各種物性値の測定方法>
実施例及び比較例で得られた正極活物質の各種物性値を次のように測定した。
(化学分析)
実施例及び比較例で得られた正極活物質について、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析により、各元素の含有量を測定した。
(モード径、D50、D10
実施例及び比較例で得られた正極活物質について、レーザー回折粒子径分布測定装置用自動試料供給機(マイクロトラック・ベル株式会社製「Microtrac SDC」)を用い、サンプル(粉体)を水溶性溶媒に投入し、40%の流速中、40Wの超音波を360秒間複数回照射した後、マイクロトラック・ベル株式会社製レーザー回折粒度分布測定機「MT3000II」を用いて粒度分布を測定し、得られた体積基準粒度分布のチャートからモード径、D50及びD10を測定した。
超音波の照射回数は、超音波照射前後におけるD50の変化率が8%以下となるまでの回数とした。
なお、測定の際の水溶性溶媒は60μmのフィルターを通し、「溶媒屈折率」を1.33、粒子透過性条件を「透過」、粒子屈折率2.46、「形状」を「非球形」とし、測定レンジを0.133μm以上704.0μm以下、測定時間を30秒とした。
(平均一次粒子径)
実施例及び比較例で得られた正極活物質の平均一次粒子径を、次のように測定した。
SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて、サンプル(粉体)を1000倍で観察し、D50に相当する大きさの粒子を選択した。次に、D50に応じて、2000倍以上10000倍以下に倍率を変更して撮影した。撮影倍率を例示すると、D50が7μm程度の場合は10000倍、15μm程度の場合は5000倍、22μm程度の場合は2000倍にすると、後述する画像解析ソフトウェアでの平均一次粒子径を求めるのに適した画像を撮影できる。
撮影した画像を画像解析ソフトウェア(株式会社マウンテック社製MAC−VIEW ver.4)を用いて、選択した粒子の平均一次粒子径を求めた。なお、この平均一次粒子径は、体積分布での累積50%粒径(Heywood径:円相当径)のことである。
また、平均一次粒子径を算出するためには、一次粒子を30個以上測定し、その平均値を算出するのが好ましい。測定個数が足りない場合は、D50に相当する大きさの粒子を追加選択して撮影し、合計して一次粒子が30個以上になるように測定を行った。
(結晶構造の同定)
実施例及び比較例で得られた芯材粒子について、XRD装置を使用して結晶構造を、次のように同定した。
XRD測定は、装置名「UltimaIV、(株)リガク製」を用い、下記測定条件1で測定を行って、XRDパターンを得た。統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL((株)リガク製)を用いて、得られたXRDパターンについて結晶相情報を決定した。
結晶相情報としては、空間群Fd−3m(Origin Choice2)の立方晶に帰属され、8aサイトにLi、16dサイトにMn、金属元素M1、金属元素M2、そして過剰なLi分a、32eサイトにOが占有されていると仮定し、各サイトの席占有率及び原子変位パラメータBを1とし、観測強度と計算強度の一致の程度を表すRwp、Sが収束するまで繰り返し計算を行った。
観測強度と計算強度が充分に一致しているということは、得られたサンプルが空間群に限定されず、スピネル型の結晶構造である信頼性が高いことを意味している。
=XRD測定条件1=
線源:CuKα(線焦点)、波長:1.541836Å
操作軸:2θ/θ、測定方法:連続、計数単位:cps
開始角度:15.0°、終了角度:120.0°、積算回数:1回
サンプリング幅:0.01°、スキャンスピード:1.0°/min
電圧:40kV、電流:40mA
発散スリット:0.2mm、発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:開放、受光スリット:開放
オフセット角度:0°
ゴニオメーター半径:285mm、光学系:集中法
アタッチメント:ASC−48
スリット:D/teX Ultra用スリット
検出器:D/teX Ultra
インシデントモノクロ:CBO
Ni−Kβフィルター:無
回転速度:50rpm
(結晶子サイズ)
結晶子サイズを求めるためのX線回折パターンの測定は、Cu−Kα線を用いたX線回折装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製D8 ADVANCE)を使用し、下記測定条件2で測定を行った。
回折角2θ=10°以上120°以下の範囲より得られたX線回折パターンのピークについて解析ソフトウェア(製品名「Topas Version3」)を用いて解析することにより、サンプルの結晶子サイズ及び歪みを求めた。
結晶構造は、空間群Fd−3m(Origin Choice2)の立方晶に帰属され、その8aサイトにLiが存在し、16dサイトにMn、金属元素M1、金属元素M2、過剰なLi分aが存在し、32eサイトをOが占有していると仮定し、パラメータBeq.を1と固定し、32eサイトのOの分率座標と席占有率を変数として、観測強度と計算強度の一致の程度を表す指標Rwp<10.0、GOF<2.8を目安に収束するまで繰り返し計算を行った。
なお、結晶子サイズはガウス関数を用いて解析を行い算出した。
=XRD測定条件2=
線源:CuKα、操作軸:2θ/θ、測定方法:連続、計数単位:cps
開始角度:10°、終了角度:120°
Detector:PSD
Detector Type:VANTEC−1
High Voltage:5585V
Discr. Lower Level:0.25V
Discr. Window Width:0.15V
Grid Lower Level:0.075V
Grid Window Width:0.524V
Flood Field Correction:Disabled
Primary radius:250mm
Secondary radius:250mm
Receiving Slit Width:0.1436626mm
Divergence Slit:0.3°
Filament Length:12mm
Sample Length:25mm
Recieving Slit Length:12mm
Primary Sollers:2.623°
Secondary Sollers:2.623°
Lorentzian,1/Cos:0.004933548Th
電圧:40kV、電流:35mA
<固体型リチウム二次電池の作製と評価>
実施例及び比較例で作製した正極活物質と固体電解質とを用いて正極合剤を作製し、固体型リチウム二次電池(固体Gr/正極活物質セル)を作製して、電池特性評価を行った。
(材料)
正極活物質として実施例及び比較例で作製したものを用い、負極活物質としてグラファイト(Gr)粉末を用い、固体電解質粉末としてアルジロダイト型構造を持つ硫化物固体電解質を用いた。
正極合剤粉末は、実施例及び比較例で作製した正極活物質、固体電解質粉末及び導電材(カーボン系材料)粉末を60:30:10の割合で乳鉢混合することで調整した。
負極合剤粉末は、グラファイト(Gr)粉末と固体電解質粉末を50:50の割合で乳鉢混合することで調整した。
(固体型リチウム二次電池の作製)
正極合剤粉末(サンプル)13mgを密閉型セルの絶縁筒内(φ9mm)に充填して、368MPaで一軸成型することで正極合剤粉末ペレットを作製した。得られた正極合剤粉末ペレットを密閉型セルの絶縁筒内(φ10.5mm)に移し、正極合剤粉末ペレット上に固体電解質粉末50mgを充填した。
次に、正極合剤粉末ペレットとともに、固体電解質粉末を184MPaで一軸成型した。更に、前記固体電解質の上に10mgの負極合剤粉末を充填し、551MPaで一軸成型し、加圧ネジで締め込み、正極層、負極層、及び固体電解質層を備えた固体電池(固体型リチウム二次電池)を作製した。
(電池特性評価)
実施例及び比較例の固体型リチウム二次電池について、1サイクル目に充電終止電圧5.0Vまで0.1Cで定電流充電を行った。その後、5.0Vで電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行った。5.0Vに到達するまで定電流充電で得られた容量をCC容量とする。CC容量を1サイクル目の全充電容量で除した値に100を乗じた値を充電特性とした。比較例1の充電特性を各実施例の充電特性から引いた値を、比較例1の充電特性で除した値に100を乗じ、それによって得られた値を充電特性改善指数とし、表1に記載した。前記充電特性改善指数は、充電時におけるリチウムイオンの移動性(脱離性)の改善率を示しており、当該充電特性改善指数により、急速充電について評価することができる。
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた正極活物質を用いた固体電池は、比較例よりも充電特性が良好であり、急速充電に適したものであることが判る。

Claims (8)

  1. 固体電池に用いられる活物質であって、
    X線吸収微細構造の測定によって得られる動径分布関数において、0.115nm以上0.144nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察されるとともに、0.280nm以上0.310nm以下の範囲にピークが少なくとも1つ観察され、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積粒度分布測定による前記活物質のモード径及びD10(それぞれ「モード径」、「D10」と称する。)に関し、モード径に対する、モード径とD10との差の絶対値の百分率である(|モード径−D10|/モード径)×100の値が、0%<((|モード径−D10|/モード径)×100)≦58.0%を満たす活物質。
  2. 結晶子サイズが80nm以上490nm以下であり、
    走査型電子顕微鏡により得られる画像から算出した平均一次粒子径に対する前記結晶子サイズの比率である結晶子サイズ/平均一次粒子径の値が0.01以上0.50以下である請求項1に記載の活物質。
  3. レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積粒度分布測定による前記活物質のD50(「D50」と称する。)が0.5μm以上15.0μm以下であり、
    モード径に対する、モード径とD50との差の絶対値の百分率である(|モード径−D50|/モード径)×100の値が、0%≦((|モード径−D50|/モード径)×100)≦25.0%を満たし、
    50に対する、走査型電子顕微鏡により得られる画像から算出した平均一次粒子径の比率である平均一次粒子径/D50の値が0.01以上0.99以下である請求項1又は2に記載の活物質。
  4. 芯材粒子と、前記芯材粒子の表面に配置された被覆層とを有し、前記芯材粒子がリチウム金属複合酸化物を含み、前記リチウム金属複合酸化物が、層状岩塩型構造の化合物であるか又はスピネル型構造の化合物である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の活物質。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の活物質と、固体電解質とを含む正極合剤。
  6. 前記固体電解質が、リチウム(Li)元素、リン(P)元素及び硫黄(S)元素を含み、且つリチウムイオン伝導性を有する請求項5に記載の正極合剤。
  7. 前記固体電解質が、アルジロダイト型構造の結晶相を有する請求項6に記載の正極合剤。
  8. 正極層、負極層、及び固体電解質層を備えた固体電池において、
    前記正極層が、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の活物質を含む固体電池。
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