JP2012051744A - スピネル型リチウム・マンガン系複合酸化物およびその製造方法ならびに用途 - Google Patents

スピネル型リチウム・マンガン系複合酸化物およびその製造方法ならびに用途 Download PDF

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Abstract

【課題】比表面積が小さく、粒子密度および粒子の充填密度が高く、格子定数が均一で、粗大粒子が少なく、粒子径分布が均一なスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法および該スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を正極材として用いたリチウムイオン二次電池の提供。
【解決手段】下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴とするスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法;(a)平均一次粒子径(D1)、平均二次粒子径(D2)、二次粒子径分布、(D2)/(D1)が特定の範囲となるように調製した二酸化マンガン粒子(A)、リチウム化合物、およびLi、Mn以外の特定の元素Mから選ばれる1種以上の元素の化合物を、Li:Mn:Mの原子比が特定の比率となるように混合して固形分濃度が5〜50重量%の範囲にある噴霧乾燥用混合物分散液を調製する工程、(b)分散液を噴霧乾燥する工程、(c)焼成する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、比表面積が小さく、粒子密度および粒子の充填密度が高く、格子定数が均一で、粗大粒子が少なく粒子径分布は均一なスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法および該スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を正極材として用いたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン電池用正極材として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム及びマンガン酸リチウムなどが一部実用化され、高性能化を目指して研究・開発が進められている。
これらのうち、コバルト酸リチウムは原料のコバルトが高価であり、また実効蓄電量が理論量の約50%しかないと言う問題がある。またニッケル酸リチウムは安価で実効蓄電量がコバルト酸リチウムの約1.4倍もあり注目されているが、合成が困難であり、安全性にも問題がある。一方、マンガン酸リチウムは、実効蓄電量がコバルト酸リチウムより若干劣るものの、原料のマンガンが安価なことと、保存性や安全性がコバルト酸リチウムと同等であるので、リチウムイオン電池用正極材として期待されている。
これらの正極材は、微粒子状のものをグラファイトなどの炭素系導電剤及びバインダーと共に有機溶剤に混合してペースト状合剤とし、これを15〜20μmのアルミ箔に均一な厚さに塗布する。次いで、乾燥後合剤の密度を高くすると共に電極の厚さを均一にするためにプレス機で圧縮して電池用正極が製造される。この正極が負極、セパレーターなどと共に電池用容器に装填され電池が構成されるが、一定容積の電池中にできるだけ多くの正極材が充填されることが充電容量又は放電容量などの電池性能を向上させる意味で好ましい。このためには、合剤中の正極材の量を多くすれば良いが、合剤中に配合し得る正極材の量にも制限がある。そこで、できるだけ緻密な微粒子の正極材を用いれば、充填密度が大きいことから、単位体積当たりに充填される正極材の重量が多くなり、放電容量の高い電池が得られる。すなわち、正極材としては重量当たりの放電容量と同時に、体積当たりの放電容量(重量当たりの放電容量×正極材微粒子の充填密度)の高いことも正極材の重要な因子である。
しかし、従来正極材として用いられているマンガン酸リチウムの微粒子は、同じ粒径のコバルト酸リチウムの微粒子と比較した時の充填密度が小さい。そのため、同一容積の正極材を比較した場合、重量当たりの放電容量はコバルト酸リチウムの80%程度が期待できるが、体積当たりの放電容量は50〜60%程度と低くなると言う問題点がある。
さらに、従来のマンガン酸リチウムを正極材として用いた電池では、充放電を繰り返すうちに次第に放電容量が低下するという、サイクル特性の低下の問題点がある。
これらの問題点を解決するために、マンガン酸リチウムに、例えばBなどの第三成分を添加したリチウム・マンガン複合酸化物が提案されている(特開平4−237970号公報:特許文献1)、特開平5−290846号公報:特許文献2、特開平8−195200号公報:特許文献3)。しかしながら、これらのリチウム・マンガン複合酸化物を正極材として用いた電池では、常温より高い温度で使用したときのサイクル特性が低いという問題が依然残されている。
また、特開平11−71115号公報(特許文献4)には、LiおよびMn以外の少なくとも1種の他元素を含有し、有機溶媒中でMn溶出が少ないスピネル構造リチウム・マンガン系酸化物からなる正極活物質(以下、正極材ということがある)が開示されている。特許文献4には、正極材の製造方法として、マンガン化合物として平均凝集粒子径が0.5〜50μmの二酸化マンガン粒子を用い、これに他種元素化合物を混合し、造粒した後、500〜1000℃で焼成する方法が開示されている。この時、原料を均一に混合するとともに造粒、焼成を行う方法としてロータリーキルンを使用することが推奨されている。
また本願出願人は特開平11−171551号公報(特許文献5)に、B(ホウ素)またはV(バナジウム)を含む融点が800℃以下の酸化物を含み、結晶粒子の大きさが約0.1〜5.0μmの範囲にあり、焼結して平均粒子径が2〜30μmのリチウム・マンガン複合酸化物粒子およびその製造方法を開示している。製造方法として、具体的には、リチウム化合物、二酸化マンガン粒子、融点が800℃以下の酸化物を所定組成範囲となるように混合した水懸濁液を噴霧乾燥等により乾燥した後、ロータリーキルン等により650〜900℃で焼成している。
特開平4−237970号公報 特開平5−290846号公報 特開平8−195200号公報 特開平11−71115号公報 特開平11−171551号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載のリチウム・マンガン複合酸化物を正極材として用いた電池では、常温より高い温度で使用したときのサイクル特性が低いという問題が依然残されている。また、特許文献1および3には、このようなリチウム・マンガン複合酸化物の製造方法としては、乳鉢などで原料をすりつぶし混合・焼成することが開示されているにすぎなかった。
また、特許文献4に記載のものでは、得られるスピネル構造リチウム・マンガン系酸化物粒子の粒子径分布が広く、このため、粉砕・分級を必要とする問題があった。また粉砕・分級を行っても、充填密度が不十分となり、充放電容量が不十分となる場合があった。また、球状の粒子を得ることが困難で、正極基板を損傷する場合があるという問題点があった。
これらのいわゆる乾式の製造方法に対して、水懸濁液を使用する特許文献5の製造方法では、粗大粒子が多く、得られる粒子の組成、密度、比表面積、格子定数等が経時的に変化したり、生産毎に変動することがあり、正極材として用いた際に放電容量、サイクル特性等が不充分となる場合や、変動する問題があった。また、特許文献5の方法では、粒子の緻密性が変動・低下する傾向があり、正極材として用いた際に電極の強度、密度等に低下を招く場合があり、放電容量、サイクル特性等が不充分となる問題があった。
このような状況のもと、本発明は上記課題について鋭意検討した結果、特許文献5の製造方法では、調製した上記水懸濁液は粒子径分布範囲が広く、粗大粒子が存在する場合があり、時間とともに微細粒子が凝集し、さらに粗大粒子にヘテロ凝集して粗大化するためか、経時変化により容易に沈降する粒子が存在してしまうことを見出した。またこの水懸濁液は、比較的短時間で凝集したり、さらには沈降して固液分離する場合があり、このため、噴霧乾燥して得られる粒子は経時変化により組成が変動したり、さらには凹部を有していたりお碗状の粒子が存在し、これを高温で焼成して得られる粒子の緻密性に影響してしまうことを見出した。
本発明者等は、上記問題点について鋭意検討した結果、リチウム化合物、二酸化マンガン粒子、必要に応じて他の元素化合物を所定組成範囲となるように混合した水懸濁液において、二酸化マンガン粒子の粒子径を小さく、粒子径分布を均一化することによって前記した経時変化による凝集、粒子の粗大化を抑制することができ、経時変化が少なくなるとともに粒子密度が高く、格子定数の変動幅の小さいリチウム・マンガン複合酸化物粒子が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下のとおりである。
[1]下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴とするスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法;
(a)平均一次粒子径(D1)が0.1〜1.2μmの範囲となり、平均二次粒子径(D2)が0.5〜5μmの範囲となり、二次粒子径分布が0.1〜10μmの範囲となり、(D2)/(D1)が1〜10の範囲となるように調製した二酸化マンガン粒子(A)、
リチウム化合物、および
Li、Mn以外の下記元素Mから選ばれる1種以上の元素の化合物を、
Li:Mn:Mの原子比が(x+y):(2−y−z):z(但し、x=1.0〜1.2、0<y≦0.2、1<x+y≦1.2、z=0.0005〜0.2)の比率となるように混合して固形分濃度が5〜50重量%の範囲にある噴霧乾燥用混合物分散液を調製する工程、
(Mは、Na、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Biから選ばれる1種以上)
(b)分散液を噴霧乾燥する工程、
(c)焼成する工程。
[2]前記工程(c)についで、下記の工程(d)を行う[1]のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法;
(d)平均粒子径(D3)が1〜30μmの範囲となるように解砕する工程。
[3] 粒子径分布が0.5〜60μmの範囲にある[1]または[2]のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法。
[4]格子定数が8.15〜8.25Åの範囲にあり、該格子定数の標準偏差が0.00001〜0.001Åの範囲にある[1]〜[3]のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法。
[5]比表面積が0.1〜2.0m2/gの範囲にある[1]〜[4]のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物の製造方法。
[6]下記の一般式で示されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子であって、比表面積が0.1〜2.0m2/gの範囲にあり、平均粒子径(D3)が1〜30μmの範囲にあり、TAP密度が1.8〜2.1g/mlの範囲にあり、格子定数が8.15〜8.25Åの範囲にあり、該格子定数の標準偏差が0.00001〜0.001Åの範囲にあるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子。
Li(x+y)Mn(2-y-z)z4
(但し、x=1.0〜1.2、0<y≦0.2、1<x+y≦1.2、z=0.0005〜0.2。Mは、Na、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Biから選ばれる1種以上)
[7]粒子径分布が0.5〜60μmの範囲にある[6]のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子。
[8]前記[1]〜[5]の製造方法によって得られたことを特徴とする[6]〜[7]のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子。
[9]前記[1]〜[5]の製造方法によって得られたスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を正極材として用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明は、比表面積が小さく、粒子密度および粒子の充填密度が高く、格子定数が均一で標準偏差が特定の範囲にあり、粗大粒子が少なく均一であるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を調製できる。かかるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を正極材として用いると、Mnの溶出が少なく、電池性能を高く、しかも安定に維持できるため、充放電容量が高く、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
まず、本発明に係るスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法について説明する。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法
本発明に係るスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴とする。
工程(a)
まず、二酸化マンガン粒子(A)、リチウム化合物およびLi、Mn以外の元素Mから選ばれる1種以上の元素の化合物を混合して固形分濃度が5〜50重量%の範囲にある噴霧乾燥用混合物分散液を調製する。
二酸化マンガン粒子(A)
本発明に用いる二酸化マンガン粒子(A)は、平均一次粒子径(D1)が0.1〜1.2μmの範囲にあり、平均二次粒子径(D2)が0.5〜5μmの範囲にあり、二次粒子径分布が0.1〜10μmの範囲にあり、(D2)/(D1)が1〜10の範囲にあるものが使用される。
このような二酸化マンガン粒子(A)として、通常、電解二酸化マンガン粉末、化学合成二酸化マンガン粉末が用いられる。また水酸化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガンなどを熱分解して二酸化マンガンとなるマンガン化合物あるいはこれらの混合物を用いることができる。
なかでも、本発明では、電解二酸化マンガン粉末が好適に用いられるが、そのまま用いた場合は粒子径が大きく、高温で加熱処理しても効率的にスピネル結晶化せず、二酸化マンガンとして残存する場合があり、放充電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。従って、電解二酸化マンガン粉末を粉砕して用いる。なお、上記の平均一次粒子径、二次粒子径、粒子径分布は、粉砕した二酸化マンガン粒子の測定値である。このため、粉砕前の二酸化マンガン粉末の粒子径等は特に制限されない。また、平均一次粒子径、二次粒子径、粒子径分布は、単独の二酸化マンガン粒子(A)の分散液を調製して評価してもよいが、二酸化マンガン粒子(A)、リチウム化合物およびLi、Mn以外の元素Mの元素の化合物を混合して調製した分散液を測定することが好ましい。
また、粉砕した二酸化マンガン粒子(A)の一次粒子の粒子径分布は0.05〜5μm、さらには0.1〜4μmの範囲にあることが好ましい。
なお、粒子径分布とは、粒子径分布範囲を意味し、一次粒子または二次粒子の最小粒子径と最大粒子径の範囲を示す。なお、粉砕した場合、粒子径分布はおおむね正規分布となる。
粉砕方法としては、二酸化マンガン粒子(A)の一次粒子の粒子径分布、平均粒子径が後述する範囲となれば特に制限はなく、従来公知の粉砕方法を採用することができる。通常、乾式、湿式のボールミル粉砕器が用いられる。
二酸化マンガン粒子(A)の一次粒子の粒子径分布において、0.05μm未満の粒子が存在すると、噴霧乾燥用混合物分散液中で微細な粒子が凝集しやすいことに加えて、後述する平均一次粒子径(D1)範囲の大きな粒子、平均一次粒子径(D1)よりも大きな粒子径の粒子が存在するために凝集が促進され、粒子が粗大化し、最終的に得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の粒子密度が低くなる場合があり、また、格子定数の変動幅が大きくなる場合があり、このような粒子を用いた二次電池は充放電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
また、二酸化マンガン粒子(A)の一次粒子の粒子径分布において、5μmを越える粗大粒子が存在すると、前記平均一次粒子径(D1)の範囲にある粒子であっても小さい粒子は粗大粒子の周囲に容易に凝集して粗大化し、最終的に得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の粒子密度が低くなる場合があり、また、格子定数の変動幅が大きくなる場合があり、このような粒子を用いた二次電池は充放電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。また、粗大粒子が存在すると、前記したように高温で加熱処理しても効率的にスピネル結晶化せず、二酸化マンガンとして残存する場合があり、放充電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
このような粒子径分布にするためには、湿式粉砕法を採用することが好ましく、特に二酸化マンガン粒子とリチウム化合物と、Li、Mn以外の元素Mの化合物の分散液として粉砕することが好ましい。粒子径(一次も二次も)は充填するビーズ径、粒子との量比、分散液の濃度および処理時間を調整することによって調整することができる。
二酸化マンガン粒子(A)の平均一次粒子径(D1)は0.1〜1.2μm、さらには0.2〜1.0μmの範囲にあることが好ましい。なお、二酸化マンガン粒子(A)の一次粒子径とは、粒子径の測定において、超音波を照射した直後(概ね5分後)の凝集のない状態で測定した粒子径を意味している。なお、本発明では、超音波照射装置(日本精機製作所製:US-300)を用いた。
二酸化マンガン粒子(A)の平均一次粒子径(D1)が小さい場合は、噴霧乾燥用混合物分散液中で微細な粒子が凝集して二次粒子径が大きくなり、最終的に得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の粒子密度が低くなる場合があり、また、格子定数の変動幅が大きくなる場合がある。また、このような粒子を用いた二次電池は充放電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。さらに、噴霧乾燥用混合物分散液の濃度にもよるが、粘度が高くなるために噴霧乾燥して得られる粒子に凹部を有していたり、お碗状の粒子が存在し、これを高温で焼成して得られる粒子の粒子緻密が変動しやすく、低下する傾向があり、正極材として用いた際に電極の強度、密度等が低下する場合があり、放電容量、サイクル特性等が不充分となる場合がある。
二酸化マンガン粒子(A)の平均一次粒子径(D1)が大きすぎると、二酸化マンガンが残存して結晶化度の高いスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子がスピネル結晶化させるためにより高温を必要とするようになり、高温で加熱処理した場合は格子欠陥が増加するためかMnの溶出が増加する場合があり、放充電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
二酸化マンガン粒子(A)の平均二次粒子径(D2)は0.5〜5μm、さらには0.6〜4μmの範囲にあることが好ましい。
ここで、二酸化マンガン粒子(A)の二次粒子径とは、粒子径の測定において、超音波を照射した後、撹拌しながら1時間経過後に超音波を照射することなく測定した粒子径を意味している。
また、平均一次粒子径が前記範囲にある場合、凝集が進行するために、二酸化マンガン粒子(A)の平均二次粒子径(D2)が0.5μm未満となることはなく、二酸化マンガン粒子(A)の平均二次粒子径(D2)が5μmを越えると、容易に沈降するようになり、初期に噴霧乾燥した粒子と、100時間以上経過後に噴霧乾燥した粒子との組成、物性が変動したり異なる場合があり、最終的に得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の粒子密度、格子定数が変動し、このような粒子を用いた二次電池は充放電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
二酸化マンガン粒子(A)の二次粒子の粒子径分布は0.1〜10μm、さらには0.2〜5μmの範囲にあることが好ましい。二次粒子の粒子径分布の測定法は、前記平均粒子径を測定する際の下限値(最小値)と上限値(最大値)とから求める。
なお二次粒子の粒子径分布は、本発明の製造方法によれば、前記範囲の下限未満になることはなく、また前記範囲の上限を超えると凝集を促進するとともに、容易に沈降し、得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の組成、物性が変動し、その結果、充放電容量が不十分となることがある。
前記平均一次粒子径(D1)と平均二次粒子径(D2)との比(D2)/(D1)は1〜10、さらには1〜5の範囲にあることが好ましい。
平均一次粒子径(D1)と平均二次粒子径(D2)との比(D2)/(D1)が1未満となる、即ち、二次粒子が元の一次粒子に再分散することはなく、(D2)/(D1)が10を越えると、容易に沈降する場合があり、初期に噴霧乾燥した粒子と、時間経過後に噴霧乾燥した粒子との組成が異なる場合があり、最終的に得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の粒子密度、格子定数が変動し、このような粒子を用いた二次電池は充放電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
なお特許文献5には、湿式粉砕することは記載されているものの、一次粒子の平均粒子径、粒子径分布、二次粒子の平均粒子径、粒子径分布をどうすればよいのかなんら示唆するものではない。特許文献5の実施例に記載の方法では、平均粒子径こそ本発明の範囲に含まれる可能性があるが、その平均粒子径は一次粒子のものか二次粒子のものであるか不明である。
リチウム化合物
本発明に用いるリチウム化合物としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、酸化リチウム等が挙げられる。中でも、水酸化リチウム、炭酸リチウムは好適に用いることができる。
元素Mの化合物
Li、Mn以外の元素Mとしては、Na、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Biから選ばれる1種以上の元素が挙げられ、元素Mの化合物としては、塩、酸化物、酸素酸塩、酸素酸等が挙げられる。
これらのなかでも、B、P、Sb、V等の酸化物の融点が800℃以下の元素Mの化合物(M2)を用いると、スピネル結晶の生成過程で上記の元素の酸化物が融剤として作用し、結晶の生成および成長が促進され、さらに結晶粒子が集合した微粒子の焼結が促進され、粒子密度の高いスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を得ることができる。
また、Mg、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Ga、Ge等の元素Mの化合物(M2)を用いると、結晶構造の転移、格子欠陥の生成を抑制することができ、Mnの溶出を抑制できるとともに放充電容量、サイクル特性に優れたスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を得ることができる。
本発明では、上記M1およびM2を組みあわせることが望ましい。
工程(a)では、前記した二酸化マンガン粒子(A)、リチウム化合物およびLi、Mn以外の元素Mの化合物を、Li:Mn:Mの原子比が(x+y):(2−y−z):z(但し、x=1.0〜1.2、0<y≦0.2、1<x+y≦1.2、z=0.0005〜0.2)の比率となるように混合して固形分濃度が5〜50重量%の範囲にある噴霧乾燥用混合物分散液を調製する。
上記元素の混合量は一般式Li(x+y)Mn(2-y-z)z4で表したとき、z=0.0005〜0.2、好ましくは0.001〜0.15の範囲から選ばれる。
酸化物の融点が800℃以下のB等の元素Mの化合物を用いた場合、zが0.0005未満では結晶成長及び微粒子の焼結効果が期待できず、比表面積も大きい。
また、Al等の元素の化合物を用いた場合は、zが0.0005未満では結晶構造の転移、格子欠陥の生成を抑制する効果が不充分となり、また、Mnの溶出を抑制する効果が不充分となり、放充電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
zが0.2を越すと、正極材として用いたときの重量当たりの充電容量及び/又は放電容量が低下してくることがある。
本発明にかかわるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子におけるLiの量(x+y)は、上記の一般式において、1.0〜1.2の範囲から選ばれる。リチウムイオン電池の正極材として用いられるスピネル型のリチウム・マンガン複合酸化物におけるLiの理論量は1、すなわち(x+y)=1(y=0)である。このとき、Mnは元素(M)のみと置換していると考えられる。Liが理論量の1を越える場合[(x+y)>1]、その過剰量の一部または全部(y)に見合う分だけMn量を少なくすれば、過剰Liの一部または全部が元素(M)等と同様にMnと置換した構造をとると考えられる。このときの置換量は0<y≦0.2である。
噴霧乾燥用混合物分散液は、あらかじめ前記一次粒子径、二次粒子径、粒子径分布に調整した二酸化マンガン粒子分散液に、リチウム化合物およびLi、Mn以外の元素Mの元素の化合物を混合してもよいが、好ましくは、二酸化マンガン粒子(A)、リチウム化合物およびLi、Mn以外の元素Mの元素の化合物を混合して粉砕して、前記一次粒子径、二次粒子径、粒子径分布に調整した二酸化マンガン粒子を含む分散液を調製することが望ましい。
粉砕はビーズなどの媒体を使用した粉砕機が特に制限されることなく使用でき、ビーズ径は、通常0.05〜5mmφ、さらには、0.1〜4mmφの範囲にあることが望ましい。この範囲のビーズ径であれば、上記範囲平均粒子径(一次、二次)および粒子径分布を調整できる。
処理時間は、5分〜5時間、さらには、10分〜3時間の範囲にあることが好ましい。処理時間が上記範囲にあれば、本発明所定の平均粒子径、粒子径分布を有する二酸化マンガン粒子(A)を得ることができる。
また、例えば、先ず、大きな径のビーズで粉砕した後、順次小さな径のビーズで粉砕するとより均一な粒子径分布とすることができる。
このような噴霧乾燥用混合物分散液は、調製後、噴霧乾燥されるが、本発明では、10時間以内であれば、前記物性は大きく変化しない。より好ましくは、8時間以内に噴霧乾燥することが望ましい。なお、従来の分散液では、短時間で物性が変化してしまうために、調製後短時間で噴霧乾燥する必要があったが、本発明ではこのような経時変化が少ない。
このような組成を有する噴霧乾燥用混合物分散液の濃度は固形分として5〜50重量%、さらには10〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
噴霧乾燥用混合物分散液の固形分濃度が少ないと生産効率が低く、噴霧乾燥用混合物分散液の固形分濃度が高すぎると、噴霧乾燥して得られる粒子の中に凹部を有していたり、お碗状の粒子が存在し、これを高温で焼成して得られる粒子の粒子緻密が変動しやすく、正極材として用いた際に電極の強度、密度等が低下する場合があり、また、放電容量、サイクル特性等が不充分となる場合がある。
分散液に使用される溶媒として、揮発性のものであれば特に制限されないが、通常、水、低級アルコールなどが使用され、好ましくは水である。
工程(b)
ついで、噴霧乾燥用混合物分散液を熱風気流中に噴霧して乾燥する。
噴霧乾燥方法としては、前記噴霧乾燥用混合物の微小球状粒子が得られれば特に制限は無いが、噴霧乾燥法を採用することがこのましく、回転ディスク法、加圧ノズル法、2流体ノズル法、4流体ノズル法等従来公知の方法を採用することができる。ここで、噴霧乾燥とは微小液滴を形成し、乾燥して所望の粒子を形成できればよく、噴射法等も含んで意味している。 熱風気流の入口温度は180〜350℃、さらには190〜320℃の範囲にあることが好ましい。
熱風気流の入口温度が180℃未満の場合は、乾燥が不充分になることがあり、粒子内に水分が多く残存すると、高温焼成時に粒子内に微細な空隙の原因となり、得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の粒子密度が低下し、充放電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
熱風気流の入口温度が350℃を越えると、内部に空洞を有する粒子、あるいは粒子形状を維持してない非球状粒子が存在するようになり、これを焼成して得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の密度が低下し、充放電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
また、熱風気流の出口温度は80〜150℃、さらには90〜130℃の範囲にあることが好ましい。
噴霧乾燥して得られる粒子の平均粒子径は概ね1〜30μmの範囲にある。
工程(c)
ついで、噴霧乾燥して得られた粒子を焼成する。
焼成する方法としては、所定範囲の組成を有し、結晶性に優れたスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子が得られれば特に制限はなく、トンネル炉、マッフル炉、ロータリーキルン等従来公知の方法を採用することができる。本発明では、密度が高く、格子定数、比表面積が所定の範囲にあり、且つ変動幅が小さいスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子が得られ、さらには、融着粒子が生成しないことから流動焼成法が好ましく、加えて粒子密度、格子定数、比表面積の変動幅が小さく、このようなスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を正極材として用いたリチウム電池は充放電容量、サイクル特性に優れている。
焼成温度は650〜900℃、さらには700〜850℃の範囲にあることが好ましい。
焼成温度が低いとスピネル結晶化の固相反応が遅く、二酸化マンガンが残存する場合があり、充放電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
焼成温度が高すぎると、格子欠陥(特に酸素欠陥)が増加する傾向があり、正極材として使用した場合、Mnの溶出が増加し、放充電容量、サイクル特性が不充分になる場合がある。
焼成して得られたスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物は、充分に成長した結晶粒子からなり、その結晶粒子の大きさは、約0.1〜5.0μmの範囲にあり、このような結晶粒子が集合し、焼結して平均粒径が1〜30μmの球状微粒子を形成している。
工程(d)
前記工程(c)についで、下記の工程(d)を行うことが好ましい。
(d)平均粒子径(D3)が1〜30μm、好ましくは2〜25μmの範囲となるように解砕する。
工程(c)で得られる粒子には軽度に融着した粒子が存在する場合があり、そのまま電極の製造に使用した場合、正極集電体を損傷して不具合を生じたり、正極の密度が低下する場合がある。
解砕方法としては、結晶性を損なうことなく平均粒子径(D3)が所定の範囲にあるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子が得られれば特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。
解砕後、必要に応じて、篩などの分級処理をおこなってもよい。
解砕して得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の平均粒子径(D3)が小さすぎると、正極膜を作成するための電極用合剤の粘度が高くなり、電極膜形成性が低下する場合があり、さらにスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の体積当たりの放電容量が不充分となる場合がある。
解砕して得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の平均粒子径(D3)が大きすぎると、導電剤および電解液との接触が不充分となり、充放電容量が不充分となる場合がある。
また、得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の粒子径分布は0.5〜60μm、さらには1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子に、粒子径が0.5μm未満の粒子が存在すると、正極膜を作成するための電極用合剤の粘度が顕著に高くなり、電極膜形成性が低下し、さらにスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の体積当たりの放電容量が不充分となる場合がある。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子に粒子径が60μmを越える粒子が存在すると正極集電体を損傷する場合があり、また、導電剤および電解液との接触が不充分となり、充放電容量が不充分となる場合がある。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の平均粒径および粒子径分布は、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製:LA−950v2)を用いて測定した。
つぎに、本発明で得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子は、TAP密度が1.8〜2.1g/ml、さらには1.85〜2.0g/mlの範囲にあることが好ましい。
TAP密度が少ないと、単位体積あたりの充放電容量が不充分になったり、スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の表面積が増加しサイクル特性に悪影響を及ぼす場合がある。TAP密度が前記範囲を超えて大きいものは、本発明の方法では得ることが困難である。
TAP密度の測定は、50mlのメスシリンダーに試料を25g採取し、木製テーブル上で3分間タッピングしたのちその容積(V)を測り、次式により求めた。
TAP密度(g/ml)=25(g)/V(ml)
TAP密度および格子定数の調整は、前記分散液の一次粒子径を調整することによって、適宜調整できる。
本発明の方法で得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子は球状で、このような球状の微粒子を正極材として用いれば、正極材を含む電極用合剤をアルミ箔などに塗布する際にアルミ箔を傷つけるようなことがない。
得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の格子定数(Lc)は8.15000〜8.25000Å、好ましくは8.16000〜8.24000Åの範囲にあることが好ましい。
格子定数(Lc)が小さいものは充放電容量が不充分となる場合がある。これは、スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子中のLiの比率が高く、Mnの比率が低いことと符合しているものと考えられる。格子定数(Lc)が高いものは、Mnの溶出量が増加し、サイクル特性が低下する傾向にあり、これは、スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子中のLiの比率が低く、Mnの比率が高いことと符合しているものと考えられる。
このような格子定数(Lc)の標準偏差は0.00001〜0.00100Å、さらには0.00001〜0.00095Åの範囲にあることが好ましい。
格子定数(Lc)の標準偏差が0.00001Å未満のものは得ることが困難であり、0.00100Åを越えると、前記放電容量、サイクル特性が変動したり、これら性能が不充分となる場合がある。
格子定数は、粉末X線回折装置(リガク社製:MultiFlex)によって2θ=15〜90°の範囲で回折パターンを測定し、最小二乗法により格子定数を求めた。
また、格子定数の標準偏差は、上記格子定数を用い、以下の式により算出した。
Figure 2012051744
i:個々の生産バッチ毎の格子定数、n=100
つぎに、得られるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の比表面積が0.1〜2.0m2/g、さらには0.1〜1.5m2/gの範囲にあることが好ましい。
比表面積が0.1m2/g未満では、正極材として用いたとき、スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物微粒子と導電剤及び電解液との接触が不十分となり、比表面積が2.0m2/gより大きくなると微粒子の体積当たりの充放電容量の向上が見られなくなる。
比表面積の測定は、自動表面積測定装置(マウンテック社製:Macsorb HM model-1220)により測定した。
つぎに、本発明に係るリチウム・マンガン複合酸化物粒子について説明する。
リチウム・マンガン複合酸化物粒子
本発明に係るリチウム・マンガン複合酸化物粒子は、下記の一般式で示されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子であって、比表面積が0.1〜2.0m2/gの範囲にあり、平均粒子径(D3)が1〜30μmの範囲にあり、TAP密度が1.8〜2.1g/mlの範囲にあり、格子定数が8.15〜8.25Åの範囲にあり、該格子定数の標準偏差が0.00001〜0.001Åの範囲にあることを特徴としている。
Li(x+y)Mn(2-y-z)z4
(但し、x=1.0〜1.2、0<y≦0.2、1<x+y≦1.2、z=0.0005〜0.2、MはNa、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi下記の元素から選ばれる1種以上である)
本発明に係るリチウム・マンガン複合酸化物粒子には、Li、Mn以外の元素Mを含んでいる。B、P、Sb、V等の酸化物の融点が800℃以下の元素Mを含んでいると、スピネル結晶の生成過程で上記の元素の酸化物が融剤として作用し、結晶の生成および成長が促進され、さらに結晶粒子が集合した微粒子の焼結が促進され、粒子密度の高いスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を得ることができる。
また、Mg、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Ga、Ge等の元素Mを含んでいると、結晶構造の転移、格子欠陥の生成を抑制することができ、Mnの溶出を抑制できるとともに放充電容量、サイクル特性に優れたスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を得ることができる。
このような元素Mの含有量は、元素の種類、使用目的によっても異なるが、上記一般式で、z=0.0005〜0.2、さらには0.001〜0.15の範囲にあることが好ましい。
zが前記範囲未満では、B等を含む場合は結晶成長及び微粒子の焼結効果が期待できず、比表面積も大きい。また、Al等を含む場合は結晶構造の転移、格子欠陥の抑制が不充分となり、Mnの溶出が増加し放充電容量、サイクル特性が不充分となる場合がある。
zが前記範囲を越すと、正極材として用いたときの重量当たりの充電容量及び/又は放電容量が低下してくるので好ましくない。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子におけるLiの量(x+y)は、上記の一般式において、1.0〜1.2の範囲から選ばれる。リチウムイオン電池の正極材として用いられるスピネル型のリチウム・マンガン複合酸化物におけるLiの理論量は1、すなわち(x+y)=1(y=0)である。このとき、Mnは元素(M)のみと置換していると考えられる。Liが理論量の1を越える場合[(x+y)>1]、その過剰量の一部または全部(y)に見合う分だけMn量を少なくすれば、過剰Liの一部または全部が元素(M)等と同様にMnと置換した構造をとると考えられる。このときの置換量は0<y≦0.2である。
Liの量(x+y)が前記範囲以下の場合、Mnの溶出量が増加し、サイクル特性が低下する傾向にある。Liの量(x+y)が前記範囲を越えると、充放電容量が不充分となる場合がある。
また、Liが理論量の1を越え、Mnと置換したLiが存在する場合であってもyは0<y≦0.2の範囲にあることが好ましい。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の平均粒子径(D3)は1〜30μm、さらには2〜25μmの範囲にあることが好ましい。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の平均粒子径(D3)が1μm未満の場合は、正極膜を作成するための電極用合剤の粘度が高くなり、電極膜形成性が低下する場合があり、さらにスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の体積当たりの放電容量が不充分となる場合がある。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の平均粒子径(D3)が30μmを越えると、導電剤および電解液との接触が不充分となり、充放電容量が不充分となる場合がある。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の粒子径分布は0.5〜60μm、さらには1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子に粒子径が0.5μm未満の粒子が存在すると、正極膜を作成するための電極用合剤の粘度が顕著に高くなり、電極膜形成性が低下し、さらにスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の体積当たりの放電容量が不充分となる場合がある。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子に粒子径が60μmを越える粒子が存在すると正極集電体を損傷する場合があり、また、導電剤および電解液との接触が不充分となり、充放電容量が不充分となる場合がある。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子はTAP密度が1.8〜2.1g/ml、さらには1.85〜2.0g/mlの範囲にあることが好ましい。
TAP密度が1.8g/ml未満の場合は、単位体積あたりの充放電容量が不充分になったり、スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の表面積が増加しサイクル特性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の格子定数(Lc)は8.15000〜8.25000Å、好ましくは8.16000〜8.24000Åの範囲にあることが好ましい。
格子定数(Lc)が8.15000Å未満の場合は、充放電容量が不充分となる場合がある。
格子定数(Lc)が8.25000Åを越えると、Mnの溶出量が増加し、サイクル特性が低下する傾向にある。
このような格子定数(Lc)の標準偏差は0.00001〜0.00100Å、さらには0.00001〜0.00095Åの範囲にあることが好ましい。
格子定数(Lc)の標準偏差が0.00001Å未満のものは得ることが困難であり、0.00100Åを越えると、前記放電容量、サイクル特性が変動したり、これら性能が不充分となる場合がある。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の比表面積が0.1〜2.0m2/g、さらには0.1〜1.5m2/gの範囲にあることが好ましい。
比表面積が前記範囲未満では、正極材として用いたとき、スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物微粒子と導電剤及び電解液との接触が不十分となり、比表面積が前記範囲より大きくなると微粒子の体積当たりの充放電容量の向上が見られなくなる。
本発明に係るスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子は、前記した本発明に係るスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法によって得られたスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子であることが好ましい。
つぎに、本発明に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
リチウムイオン二次電池
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、電解質層と、正極集電体(1)上に形成された正極活物質層からなる正極と、電解質層中の積層する負極集電体(2)上に形成された負極活物質層からなる負極と、該正極と該負極とを隔絶するセパレーターとからなるリチウムイオン二次電池であって、該正極に本発明に係るスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を正極材(正極活物質)として用いたことを特徴としている。
本発明のリチウム二次電池で用いる負極活物質には、従来公知のものを特に制限なく使用することができる。たとえば、金属リチウム並びにリチウムまたはリチウムイオンを吸蔵放出可能な物質を用いることができる。例えば、金属リチウム、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、リチウム/鉛合金および電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離する炭素系材料が例示され、電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離する炭素系材料が安全性および電池の特性の面から特に好適である。また、本発明のリチウム二次電池で用いる電解質としては、特に制限はないが、例えば、カーボネート類、スルホラン類、ラクトン類、エーテル類等の有機溶媒中にリチウム塩を溶解したものや、リチウムイオン導電性の固体電解質を用いることができる。
本発明では、以上の正極材(正極活物質)、負極活物質およびリチウム塩含有非水電解質を用いて、安定な高性能なリチウム二次電池を得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(1)の調製
電解二酸化マンガン粉末(γ−MnO2 、純度60.64%)、アルミナ粉末(Al23純度99.0重量%)、水酸化リチウム(日本化学工業(株)製:LiOH、純度58.6重量%)、ホウ酸(和光純薬(株)製:H3BO3、純度99.0重量%)を、Li:Mn:Al:B=1.07:1.82:0.1:0.01(原子比)の割合で湿式粉砕器に充填し、純水を加えてスラリー固形分濃度が33重量%となるよう仕込み、1.0mmΦのビーズを用い、回転数2500rpmの条件で1時間処理し、これに純水を加えて固形分濃度20重量%の噴霧乾燥用混合物分散液(1)を調製した。
粒子径分布測定装置(HORIBA(株)製:LA−950v2)により平均一次粒子径(D1)、一次粒子径分布、平均二次粒子径(D2)、二次粒子径分布を測定し、結果を表に示す。
ついで、噴霧乾燥用混合物分散液(1)をスプレードライヤーで噴霧乾燥した。スプレードライヤーの条件は、熱風入口温度200℃、出口温度100℃とした。
得られた乾燥粉末を空気流通下830℃で6時間焼成することにより、Li:Mn:Al:B=1.07:1.82:0.1:0.01(原子比)の組成を有するスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を得た。
ついで、調理用ミキサーに仕込み、30秒間解砕し、ついで、電磁式篩振とう機を用いて篩目開き45μm、振幅3.0mmの条件で1分間分級を行い、篩下を回収し正極用スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(1)を調製した。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(1)の平均粒径(D3)、比表面積、TAP密度および格子定数を測定し、結果を表に示す。
格子定数
上記と同様にしてスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(1)を繰り返し調製し、100件のサンプルについて格子定数を測定するとともに標準偏差を求め、結果を表に示す。
性能評価
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(1)を正極活物質として含む正極を用いてリチウムイオン電池(1)を作成し、電池性能を評価した。
まず、スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(1)と導電材としてのアセチレンブラックおよびバインダーとしてのポリ四フッ化エチレンパウダーを、75:20:5の重量比で混合し、乳鉢で混練して正極用合剤を調製した。この合剤を展伸ローラーで厚さ0.1mmのシートとし、16mmφに型抜きした後、グローブボックス内で乾燥して試験用正極(1)を作成した。
正極(1)と金属リチウム箔(厚さ0.2mm)を、セパレーター(商品名:セルガード)を介してコイン型電池ケースに積層し、体積比1:1のエチレンカーボネートとジメチルカーボネート混合溶媒に1mol/lのLiPF6を溶解した電解液を注入して試験用電池(1)を作成した。
試験用電池(1)について、放電容量、高温サイクル特性および高温劣化試験を行った。
(1)放電容量
定電流で0.5mA/cm2の電流密度、充電電位4.3Vまで、放電電位3.0Vまでの電位規制の条件で、まず重量当たりの放電容量を測定したのち、次式により体積当たりの放電容量を算出した。
体積当たりの放電容量=重量当たりの放電容量×充填密度
(2)高温サイクル特性
試験用電池を60℃の恒温槽に設置し、上記と同一の条件で30回の充放電試験を行い、高温サイクル特性を次式の容量維持率で評価した。
容量維持率(%)=(1回目の重量当たり放電容量/30回目の重量当たり放電容量)×100
[実施例2]
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(2)の調製
実施例1において、湿式粉砕器に純水を加えてスラリー固形分濃度が33重量%となるよう仕込み、(ビーズ径:0.5mm、回転数、2500rpm)の条件で1時間処理した以外は同様にして固形分濃度20重量%の噴霧乾燥用混合物分散液(2)を調製した。
得られた噴霧乾燥用混合物分散液(2)について、平均一次粒子径(D1)、一次粒子径分布、平均二次粒子径(D2)、二次粒子径分布を測定し、結果を表に示す。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥用混合物分散液(2)を噴霧乾燥し、焼成し、振とうし、分級してスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(2)を調製した。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(2)の平均粒径(D3)、比表面積、TAP密度および格子定数を測定し、結果を表に示す。
性能評価
実施例1と同様にしてスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(2)を正極活物質として含む正極を用いてリチウムイオン電池(2)を作成し、電池性能を評価し、結果を表に示す。
[実施例3]
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(3)の調製
実施例1において、湿式粉砕器に純水を加えてスラリー固形分濃度が33重量%となるよう仕込み、(ビーズ径:1.0mm、回転数、2500rpm)の条件で20分間処理した以外は同様にして固形分濃度20重量%の噴霧乾燥用混合物分散液(3)を調製した。
得られた噴霧乾燥用混合物分散液(3)について、平均一次粒子径(D1)、一次粒子径分布、平均二次粒子径(D2)、二次粒子径分布を測定し、結果を表に示す。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥用混合物分散液(3)を噴霧乾燥し、焼成し、振とうし、分級してスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(3)を調製した。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(3)の平均粒径(D3)、比表面積、TAP密度および格子定数を測定し、結果を表に示す。
性能評価
実施例1と同様にしてスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(3)を正極活物質として含む正極を用いてリチウムイオン電池(3)を作成し、電池性能を評価し、結果を表に示す。
[実施例4]
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(4)の調製
実施例1と同様にして固形分濃度20重量%の噴霧乾燥用混合物分散液(1)を調製し、ついで、7時間撹拌して固形分濃度20重量%の噴霧乾燥用混合物分散液(4)を調製した。
得られた噴霧乾燥用混合物分散液(4)について、平均一次粒子径(D1)、一次粒子径分布、平均二次粒子径(D2)、二次粒子径分布を測定し、結果を表に示す。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥用混合物分散液(4)を噴霧乾燥し、焼成し、振とうし、分級してスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(4)を調製した。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(4)の平均粒径(D3)、比表面積、TAP密度および格子定数を測定し、結果を表に示す。
性能評価
実施例1と同様にしてスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(4)を正極活物質として含む正極を用いてリチウムイオン電池(4)を作成し、電池性能を評価し、結果を表に示す。
[比較例1]
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(R1)の調製
実施例1において、湿式粉砕器に純水を加えてスラリー固形分濃度が33重量%となるよう仕込み、(ビーズ径:5.0mm、回転数、2500rpm)の条件で20分処理した以外は同様にして固形分濃度20重量%の噴霧乾燥用混合物分散液(R1)を調製した。
得られた噴霧乾燥用混合物分散液(R1)について、平均一次粒子径(D1)、一次粒子径分布、平均二次粒子径(D2)、二次粒子径分布を測定し、結果を表に示す。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥用混合物分散液(R1)を噴霧乾燥し、焼成し、振とうし、分級してスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(R1)を調製した。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(R1)の平均粒径(D3)、比表面積、TAP密度および格子定数を測定し、結果を表に示す。
性能評価
実施例1と同様にしてスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(R1)を正極活物質として含む正極を用いてリチウムイオン電池(R1)を作成し、電池性能を評価し、結果を表に示す。
[比較例2]
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(R2)の調製
実施例1において、湿式粉砕器に純水を加えてスラリー固形分濃度が33重量%となるよう仕込み、(ビーズ径:5.0mm、回転数、2500rpm)の条件で5分間処理した以外は同様にして固形分濃度20重量%の噴霧乾燥用混合物分散液(R2)を調製した。
得られた噴霧乾燥用混合物分散液(R2)について、平均一次粒子径(D1)、一次粒子径分布、平均二次粒子径(D2)、二次粒子径分布を測定し、結果を表に示す。
ついで、実施例1と同様にして噴霧乾燥用混合物分散液(R2)を噴霧乾燥し、焼成し、振とうし、分級してスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(R2)を調製した。
スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(R2)の平均粒径(D3)、比表面積、TAP密度および格子定数を測定し、結果を表に示す。
性能評価
実施例1と同様にしてスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子(R2)を正極活物質として含む正極を用いてリチウムイオン電池(R2)を作成し、電池性能を評価し、結果を表に示す。
Figure 2012051744

Claims (9)

  1. 下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴とするスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法;
    (a)平均一次粒子径(D1)が0.1〜1.2μmの範囲となり、平均二次粒子径(D2)が0.5〜5μmの範囲となり、二次粒子径分布が0.05〜10μmの範囲にあり、(D2)/(D1)が0.1〜10の範囲となるように調製した二酸化マンガン粒子(A)、
    リチウム化合物、および
    Li、Mn以外の下記元素Mから選ばれる1種以上の元素の化合物を、
    Li:Mn:Mの原子比が(x+y):(2−y−z):z(但し、x=1.0〜1.2、0<y≦0.2、1<x+y≦1.2、z=0.0005〜0.2)の比率となるように混合して固形分濃度が5〜50重量%の範囲にある噴霧乾燥用混合物分散液を調製する工程、
    (Mは、Na、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Biから選ばれる1種以上)
    (b)分散液を噴霧乾燥する工程、
    (c)焼成する工程。
  2. 前記工程(c)についで、下記の工程(d)を行うことを特徴とする請求項1に記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法;
    (d)平均粒子径(D3)が1〜30μmの範囲となるように解砕する工程。
  3. 粒子径分布が0.5〜60μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法。
  4. 格子定数が8.15000〜8.25000Åの範囲にあり、該格子定数の標準偏差が0.00001〜0.00100Åの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子の製造方法。
  5. 比表面積が0.1〜2.0m2/gの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物の製造方法。
  6. 下記の一般式で示されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子であって、比表面積が0.1〜2.0m2/gの範囲にあり、平均粒子径(D3)が1〜30μmの範囲にあり、TAP密度が1.8〜2.1g/mlの範囲にあり、格子定数が8.15〜8.25Åの範囲にあり、該格子定数の標準偏差が0.00001〜0.001Åの範囲にあることを特徴とするスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子。
    Li(x+y)Mn(2-y-z)z4
    (但し、x=1.0〜1.2、0<y≦0.2、1<x+y≦1.2、z=0.0005〜0.2。Mは、Na、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Biから選ばれる1種以上)
  7. 粒子径分布が0.5〜60μmの範囲にあることを特徴とする請求項6に記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって得られたことを特徴とする請求項6または7に記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって得られたスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物粒子を正極材として用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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