JP2020136470A - 半導体モジュール用部品およびその製造方法ならびに半導体モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】金属基材と半導体等の対象物とのセラミックス溶射膜による十分かつ安定な絶縁性を実現しうる半導体モジュール用部品およびこれを用いた半導体モジュール等を提供する。【解決手段】半導体モジュール用部品は、一対の主面11、12を有する金属基材10と、金属基材10の一方の主面11を覆う絶縁性薄膜20と、を備えている。絶縁性薄膜20の上方には半導体回路要素30が搭載される。絶縁性薄膜20が50〜250μmの範囲に含まれる厚さのY2O3(イットリア)溶射膜により構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、一対の主面を有する金属基材と金属基材の一方の主面を覆う絶縁性薄膜とを備えている半導体モジュール用部品、および、当該半導体モジュール用部品を用いた半導体モジュール、ならびに、これらの製造方法に関する。
パワー半導体として着目されているSiCは絶縁破壊電界強度がSiと比較して約10倍も高いことから、数百〜数千Vの高耐電圧パワーデバイスとしての用途開発がなされ、特に、小型で大電力に対応可能なパワー半導体のモジュール化が検討されている。パワー半導体は、その発熱を放散させるためのヒートシンクなどの金属基材に搭載される必要があるが、半導体および金属基材の間の電気絶縁性を確保するため、当該半導体および当該金属基材の間にセラミックスの絶縁性基材を設けることが提案されている。
絶縁性基材としてのアルミナ(酸化アルミニウム)焼結体は、電気絶縁性に関しては優れているものの、薄型化が困難であるために熱抵抗が高く放熱性に関しては劣る。また、アルミナ焼結体は、金属基材との熱膨張係数の差が大きいため、熱サイクルを経験することにより当該金属基材から剥離しやすい。
そこで、絶縁性基材の熱特性の改善を図るため、当該絶縁性基材としてアルミナの焼結体ではなく溶射膜を採用することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許第5246143号公報 特許第5316397号公報 特許第5926654号公報
しかし、アルミナ溶射膜の緻密性はアルミナ焼結体と比較して低いため、高電圧が適用されるパワー半導体をモジュール化する際、当該半導体と金属基材との間の電気絶縁性が不十分になる可能性がある。
そこで、本発明は、金属基材と半導体等の対象物とのセラミックス溶射膜による十分かつ安定な絶縁性を実現しうる半導体モジュール用部品等を提供することを目的とする。
本発明は、一対の主面を有する金属基材と、前記金属基材の一方の主面を覆う絶縁性薄膜と、を備え、前記絶縁性薄膜の上方に半導体回路要素が搭載される半導体モジュール用部品に関する。さらに、本発明は、一対の主面を有する金属基材と、前記金属基材の一方の主面を覆う絶縁性薄膜と、を備え、前記絶縁性薄膜の上方に搭載されている半導体回路要素と、を備えている半導体モジュールに関する。
本発明の半導体モジュール用部品および半導体モジュールは、前記絶縁性薄膜が50〜250μmの範囲に含まれる厚さのY溶射膜により構成されていることを特徴とする。
本発明の半導体モジュール用部品の製造方法は、Yを主成分とする原料粉のスラリーを作製する工程と、前記スラリーを前記金属基材の前記一方の主面に溶射することにより前記Y溶射膜を形成する溶射工程と、を含んでいることを特徴とする。
溶射膜の厚さが50μmを下回っている場合、鬆(す)が存在しているためにその絶縁性が低くなる傾向がある。また、Y溶射膜の厚さが250μmを超えている場合、クラックが入りやすくなるためにその絶縁性が低くなる傾向がある。
よって、前記方法にしたがって製造された、前記構成の半導体モジュール用部品および半導体モジュールによれば、金属基材と対象物とのセラミックス溶射膜による十分かつ安定な絶縁性が実現される。
前記金属基材の前記一方の主面の表面粗さRaが1μm〜3μmの範囲に含まれることが好ましい。
本発明者が得た知見によれば、金属基材の一方の主面の表面粗さRaが1μmを下回っている場合、溶射膜の絶縁性が低くなる傾向がある。また、本発明者が得た知見によれば、金属基材の一方の主面の表面粗さRaが3μmを超えている場合、当該金属基材の一方の主面を被覆する溶射膜に鬆が発生しやすく当該溶射膜の絶縁性が低くなる傾向がある。よって、前記構成の半導体モジュールによれば、金属基材および対象物の間のさらに十分かつ安定な絶縁性が実現される。
本発明の一実施形態としての半導体モジュールの構成説明図。 半導体モジュール用部品の製造方法に関するフローチャート。
(構成)
図1に示されている本発明の一実施形態としての半導体モジュールは、一対の主面として第1主面11および第2主面12を有する略平板状の金属基材10と、金属基材10の一方の主面としての第1主面11を覆う絶縁性薄膜20と、絶縁性薄膜20の上方に搭載されている半導体回路要素30と、半導体回路要素30を封止する封止部材40と、を備えている。金属基材10の内部には、水などの冷却媒体を流すための冷却媒体通路14が形成されている。金属基材10および絶縁性薄膜20により、本発明の一実施形態としての半導体モジュール用部品が構成されている。
金属基材10の第1主面11の表面粗さRaが1.0〜3.0μmの範囲に含まれている。金属基材10は、例えば、アルミニウムからなる略円板状の部材である。金属基材10は、銅(Cu)、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン合金、タングステン、シリコンまたは金属複合材料(MMC)などから構成されていてもよい。また、金属基材10の形状は、多角形板状または楕円板状など、円板状とは異なるさまざまな形状であってもよく、円板に複数の異なる形状の切り欠きが設けられているような複雑な形状であってもよい。
絶縁性薄膜20が50〜250μmの範囲に含まれる厚さを有するY(イットリア)溶射膜により構成されている。
半導体回路要素30として、例えば、SiC製またはGaN製のパワー半導体、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)またはMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)が用いられる。半導体回路要素30は、ボンディングワイヤー31を介してリードフレーム32に電気的に接続されている。
封止部材40として、例えば、エポキシ樹脂または無機フィラーが混合されたエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂が用いられる。封止部材40は、半導体回路要素30およびボンディングワイヤー31を全体的に覆う一方、リードフレーム32を部分的に露出させるように覆っている。
(製造方法)
本発明の一実施形態としての半導体モジュールの製造方法は、前処理工程(図2/STEP02)、溶射工程(図2/STEP04)、搭載工程(図2/STEP06)および封止工程(図2/STEP08)を含んでいる。
「前処理工程」において、金属基材10の第1主面11に対してサンドブラスト加工が施される。サンドブラストによる表面研磨加工条件は、金属基材10の第1主面11の表面粗さRaが1.0〜3.0μmの範囲に含まれるように調節される。前処理工程ではサンドブラスト加工の代わりに硝酸または塩化第2鉄溶液などを用いた湿式エッチングまたはClガスなどを利用したプラズマエッチングなどのドライエッチングを用いて金属基材10の第1主面11の表面粗さRaが調整されてもよい。
「溶射工程」において、金属基材10の第1主面11に、Yを主成分とする原料粉のスラリーを溶射することにより50〜250μmの範囲に含まれる厚さのY溶射膜である絶縁性薄膜20が形成される。溶射工程では原料粉のスラリーを溶射することに代えて原料粉の顆粒を乾式で供給し溶射してもよい。
「搭載工程」において、絶縁性薄膜20の上方に半導体回路要素30、ボンディングワイヤー31およびリードフレーム32が搭載される。
「封止工程」において、半導体回路要素30およびボンディングワイヤー31を全体的に覆う一方、リードフレーム32を部分的に露出させるように覆うように、半導体回路要素30が絶縁性樹脂により封止される。
(前処理工程)
前処理工程としてサンドブラスト加工を行う場合は、砥粒の種類としてアルミナまたはSiC等の炭化物を用いる。砥粒の粒度が大きいほど加工後の第1主面11の表面粗さは大きくなり、砥粒の吹き付け圧力が大きいほど第1主面11の表面粗さは大きくなる。また、加工条件をサンドブラスト加工の途中で変更し、最終的に得られる第1主面11の表面粗さを調節してもよい。サンドブラスト加工に代えてエッチング加工を行うことにより金属基材10の第1主面11の表面粗さを調節してもよい。エッチング加工を行う手法としての湿式エッチングまたはドライエッチングは、金属基材10の第1主面11の表面粗さRaを0.1〜1μmの範囲に調節する際に好適である。
(溶射材料作製)
スラリー溶射の製法について
溶射材料は、例えば、Yからなる。溶射材料は、YにYOF、Y、Y等が任意の割合で混合されているものであってもよい。溶射材料は、平均粒子径が3〜8μmの一次粒子からなる。例えば、溶射材料は、単一の一次粒子もしくは多数の一次粒子が凝集した大径の顆粒(溶射顆粒)またはこれらの混合物が採用されてもよい。一方、溶射顆粒を用いて粉末形式で溶射する乾式溶射に用いる溶射材料は、平均顆粒径(D50)が10〜60μmであり、例えば、25μmである。
溶射材料は、平均子径が3〜8μmのイットリウムのフッ化物(YF)からなる一次粒子を含んでいてもよい。イットリウムのフッ化物からなる一次粒子が全体の一次粒子に占める割合は任意に設定される。
なお、平均粒子径は、レーザ回析/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所 型式LA−960S)を用いた粒度分布測定によりD50の値として求められる。顆粒解砕後の平均粒子径の測定も当該機器による測定が採用された。
(溶射工程)
溶射膜を作製するための溶射装置は、アーク溶射法またはプラズマ溶射法などの方法で溶射する市販の溶射装置であればよく、特に限定されない。プラズマガスとしては、Arガス、ArおよびNの混合ガス、ArおよびHの混合ガス、ArおよびCOの混合ガスまたはArおよびOの混合ガスなどが用いられる。
一次粒子が凝集している場合、その凝集を解砕し各一次粒子を個々に溶媒に分散させたスラリーの形態で溶射する湿式溶射を行うことによって、絶縁性薄膜20としてのY溶射膜が金属基材10の第1主面11に形成される。溶媒としては、エタノールなどの可燃性有機溶媒または水などが用いられる。一次粒子が凝集してなる顆粒を用いて粉末形式で溶射する乾式溶射を行うことによって、Y溶射膜を金属基材10の第1主面11に形成する工程を行ってもよい。
溶射材料に含まれる一次粒子の平均粒子径が大きいので、一次粒子自体の強度が高く、溶射装置に溶射材料を供給する際に、一次粒子の破損による微細化が抑制できる。これにより、特に乾式溶射において溶射膜の塗着率の向上を図ることが可能となる。溶射材料に含まれる一次粒子の平均粒子径が8μmを超えると、湿式溶射の原料として使用した場合、溶媒に良好に分散させることができないので好ましくない。なお、乾式溶射の場合、顆粒径(D50)は流動性の観点から50μm以下が好ましく、20〜30μm程度にすることがさらに好ましい。
(実施例)
(実施例1)
金属基材10としてCu製の基材が採用された。金属基材10の第1主面11が、粒度#220(中央粒径53〜45μm)の砥粒が用いられ、圧力0.2MPaでサンドブラスト加工された。これにより、第1主面11の表面粗さRaが2μmに調節された。溶射材料として、前記のように作製された平均粒径3μmのYの原料粉末が用いられ、湿式溶射によって厚さ120μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これにより、実施例1の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例2)
金属基材10の第1主面11が、圧力0.25MPaでサンドブラスト加工された。これにより、第1主面11の表面粗さRaが3μmに調節された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって実施例2の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例3)
金属基材10の第1主面11が、圧力0.1MPaでサンドブラスト加工された。これにより、第1主面11の表面粗さRaが1μmに調節された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって実施例3の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例4)
湿式溶射によって厚さ240μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって実施例4の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例5)
湿式溶射によって厚さ60μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって実施例5の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例6)
金属基材10の第1主面11が塩化第2鉄溶液で湿式エッチングされた。これにより、第1主面11の表面粗さRaが0.1μmに調節された。また湿式溶射によって厚さ50μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって実施例6の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例7)
溶射材料として、顆粒径(D25)が25μmのYの原料粉末を使用し、乾式の溶射によって厚さ50μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって実施例7の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例8)
溶射材料として、X線回折によって確認されるYOF相を含むYからなる顆粒径(D25)が25μmの原料粉末を使用し、乾式の溶射によって厚さ120μmのイットリアを主成分とするイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって実施例7の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例9)
金属基材10の第1主面11が塩化第2鉄溶液で湿式エッチングされた。これにより、第1主面11の表面粗さRaが0.4μmに調節された。また、溶射材料として、顆粒径(D25)が25μmのYの原料粉末を使用し、乾式の溶射によって厚さ120μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これにより実施例9の半導体モジュール用部品が作製された。
(実施例10)
金属基材10の第1主面11が、粒度#100の砥粒が用いられ、圧力0.4MPaでサンドブラスト加工された。これにより、第1主面11の表面粗さRaが5μmに調節された。また、溶射材料として、顆粒径(D25)が25μmのYの原料粉末を使用し、乾式の溶射によって厚さ120μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これにより実施例9の半導体モジュール用部品が作製された。
(比較例)
(比較例1)(溶射膜種が実施例と異なる比較例)
前記のように作製された平均粒径3μmのアルミナの原料粉末が用いられ、湿式溶射によって厚さ120μmのアルミナ溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって比較例1の半導体モジュール用部品が作製された。
(比較例2)(溶射膜の厚さが実施例と異なる比較例)
前記のように作製された平均粒径3μmのYの原料粉末が用いられ、湿式溶射によって厚さ40μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって比較例2の半導体モジュール用部品が作製された。
(比較例3)(溶射膜の厚さが実施例と異なる比較例)
前記のように作製された平均粒径3μmのYの原料粉末が用いられ、湿式溶射によって厚さ300μmのイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20が金属基材10の第1主面11の上に形成された。これ以外は実施例1と同様の条件にしたがって比較例3の半導体モジュール用部品が作製された。
各実施例および各比較例の半導体モジュール用部品における絶縁性薄膜20の耐電圧値の評価のため、ハイビッド絶縁抵抗計DI−11N(ムサシインテック社製)が測定器として用いられた。DC電圧が金属基材10と絶縁性薄膜20に接触させた針状プローブとの間に印加され、ブレークダウン電圧が測定された。絶縁性薄膜20の100箇所が当該測定対象とされ、ワイブル確率紙に耐電圧値xと累積確率Fをプロットし、関係式(1)で表わされるワイブル分布関数FPのワイブルパラメータとして形状母数α、尺度母数βが推定された。なお、累積確率Fは平均ランク法を採用した。
推定されたパラメータより、耐電圧12kV/mmのときのワイブル分布関数値(累積確率)が推定された。耐電圧の評価基準値を12kV/mmとしたのは、高耐電圧使用の半導体モジュールに要求される耐電圧1.2kVに対し、安全率を10倍として信頼性評価の指標とするためである。
F(x;α,β)=1−exp{−(x/β)α} ‥(1)。
金属基材10に対する絶縁性薄膜20の密着力の評価のため、単純引張強度試験を行っている。具体的には、金属基材10上に形成された絶縁性薄膜20上に直径25mmの金属円柱を接着剤で接着し、これを単純引張することにより破断強度を測定し、面積当たりの密着力を測定した。
表1には、各実施例および各比較例の半導体モジュール用部品の当該評価結果が作製条件とともに示されている。
Figure 2020136470
表1から明らかなように、実施例1〜10の半導体モジュール用部品によれば、絶縁性薄膜20の耐電圧値が37〜64kV/mmの範囲に含まれ、絶縁性薄膜20の累積確率が0.1%以下の範囲に含まれ、かつ、金属基材10に対する絶縁性薄膜20の密着力は15〜25MPaの範囲に含まれている。特に、金属基材10の第1主面11の表面粗さRaが1〜3μmの範囲に含まれる実施例1〜5、7、8の半導体モジュール用部品によれば、絶縁性薄膜20の耐電圧値が48〜64kV/mmの範囲に含まれており更に好適である。また、YOF相を含むイットリア溶射膜からなる絶縁性薄膜20を形成した実施例8においても耐電圧値、累積確率、および密着力において良好な結果が得られている。
その一方、比較例1〜3の半導体モジュール用部品によれば、絶縁性薄膜20の耐電圧値が35kV/mm以下である。比較例1〜3の半導体モジュール用部品によれば、絶縁性薄膜20の累積破壊確率が0.1%を超えている。
比較例1の絶縁性薄膜20を構成するアルミナは1300℃以下の温度で結晶相がα→θ→δ→γの順で相転移する。そして、相転移に伴って生じる体積変化に起因してアルミナの粒界にマイクロクラックが生じやすく、また吸水性の高い結晶相が水分を吸着することで実施例と比べて比較例1の耐電圧が低かったものと考えられる、これに対して、実施例の絶縁性薄膜20を構成するイットリアには立方晶と斜方晶が認められるものの、相転移に伴って生じる組織変化が少なく安定しているためマイクロクラックの発生が抑制され、アルミナのような吸水性の高い結晶相を生成しないため高い耐電圧を有しているものと推定される。
比較例2では、絶縁性薄膜20がイットリア溶射膜からなるものの、その厚みが40μmと薄いため耐電圧が低く、半導体モジュール用部品に要求される耐電圧として十分ではないため不適とした。
比較例3では、絶縁性薄膜20がイットリア溶射膜からなるものの、その厚みが300μmと厚く、半導体モジュール用部品に要求される耐電圧として十分ではないため不適とした。また、絶縁性薄膜20の厚みが厚すぎて伝熱が十分に行えない不具合も生じた。
10‥金属基材、11‥第1主面(一方の主面)、12‥第2主面(他方の主面)、14‥冷却媒体通路、20‥絶縁性薄膜、30‥半導体回路要素、31‥ボンディングワイヤー、32‥リードフレーム、40‥封止部材。

Claims (4)

  1. 一対の主面を有する金属基材と、前記金属基材の一方の主面を覆う絶縁性薄膜と、を備え、前記絶縁性薄膜の上方に半導体回路要素が搭載される半導体モジュール用部品であって、
    前記絶縁性薄膜が50〜250μmの範囲に含まれる厚さのY23溶射膜により構成されていることを特徴とする半導体モジュール用部品。
  2. 前記金属基材の前記一方の主面の表面粗さRaが1μm〜3μmの範囲に含まれることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール用部品。
  3. 請求項1または2記載の半導体モジュール用部品の製造方法において、
    23を主成分とする原料粉のスラリーを作製する工程と、
    前記スラリーを前記金属基材の前記一方の主面に溶射することにより前記Y23溶射膜を形成する溶射工程と、を含んでいることを特徴とする半導体モジュール用部品の製造方法。
  4. 一対の主面を有する金属基材と、前記金属基材の一方の主面を覆う絶縁性薄膜と、を備え、前記絶縁性薄膜の上方に搭載されている半導体回路要素と、を備えている半導体モジュールであって、
    前記絶縁性薄膜が50〜250μmの範囲に含まれる厚さのY23溶射膜により構成されていることを特徴とする半導体モジュール。
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