JP2020133881A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャッチタンクによるオイルの回収効率を向上させ、回転軸によるオイルの撹拌損失を低下させることができる車両用駆動装置を提供すること。【解決手段】キャッチタンク48は、上部オイル導入口48Aと下部オイル排出口48Bとが形成された本体部48Cと、変速機ケース5の上面を形成する上壁6Eの内面に沿い、上部オイル導入口48Aから前進用出力軸12の上方を通ってディファレンシャル装置15の上方に延びる延出部48Dと、を有している。本体部48Cおよび延出部48Dは、隔壁6Aに対向し上壁6E付近まで延びる縦壁部48S、48Gを有し、前進用出力軸12の軸方向において、延出部48Dの幅はディファレンシャル装置15のファイナルドリブンギヤ15Aの幅よりも広く、かつ、延出部48Dの一部はファイナルドリブンギヤ15Aと重なっている。【選択図】図6
Description
本発明は、車両用駆動装置に関する。
自動車等の車両に搭載される変速機は、変速機ケースの内部にギヤの噛み合い部等を潤滑するオイルが貯留されている。この変速機は、オイルの量が多いと、ギヤの撹拌抵抗が増大するために、ギヤの回転時にオイルを一時的に貯留してオイルの液面を低下させることにより、ギヤの回転による撹拌抵抗を低減するキャッチタンクが設けられている。
従来のこの種の技術として、特許文献1に記載されるものが知られている。特許文献1に記載の車両用変速機は、オイルが貯留される変速機ケースと、変速機ケースの内部に回転自在に設けられて下部がオイルに浸かる第1のギヤを有する第1の回転軸と、変速機ケースの内部に回転自在に設けられて下部がオイルに浸かる第2のギヤを有し、第1の回転軸と平行に延びる第2の回転軸と、を備えている。また、特許文献1に記載の車両用変速機は、変速機ケースの内部において第2の回転軸を挟んで第1の回転軸と反対側に設置され、第1のギヤによって掻き上げられたオイルを貯留するキャッチタンクとを備えている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、ディファレンシャル装置により掻き上げられたオイルが、キャッチタンクに到達する前に変速機ケースの天井壁等に衝突して落下し、変速機ケース内の回転軸に接触して撹拌損失を生じさせることが考えられる。
そこで、より多くのオイルをキャッチタンクで捕集し、キャッチタンクによるオイルの回収効率を向上させ、回転軸によるオイルの撹拌損失を低下させることが求められていた。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、キャッチタンクによるオイルの回収効率を向上させ、回転軸によるオイルの撹拌損失を低下させることができる車両用駆動装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、動力源から動力が伝達される回転軸と、前記回転軸から動力が伝達されるディファレンシャル装置とが収容され、底部にオイルが貯留される変速機ケースと、前記回転軸に直交する方向に延び、前記変速機ケースの内部を仕切る隔壁と、前記変速機ケース内の前記回転軸を挟んで前記ディファレンシャル装置と反対側に収容され、前記隔壁に取付けられたキャッチタンクと、を備えた車両用駆動装置であって、前記キャッチタンクは、前記ディファレンシャル装置によって掻き上げられたオイルが導入される上部オイル導入口と、前記上部オイル導入口から導入されてその内部に貯留されたオイルが排出される下部オイル排出口と、が形成された本体部と、前記変速機ケースの上面を形成する上壁の内面に沿い、前記上部オイル導入口から前記回転軸の上方を通って前記ディファレンシャル装置の上方に延びる延出部と、を有し、前記本体部および前記延出部は、前記隔壁に対向し前記上壁付近まで延びる縦壁部をそれぞれ有し、前記回転軸の軸方向において、前記延出部の幅は前記ディファレンシャル装置のファイナルドリブンギヤの幅よりも広く、かつ、前記延出部の一部は前記ファイナルドリブンギヤと重なっていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、キャッチタンクによるオイルの回収効率を向上させ、回転軸によるオイルの撹拌損失を低下させることができる。
本発明の一実施の形態に係る車両用駆動装置は、動力源から動力が伝達される回転軸と、回転軸から動力が伝達されるディファレンシャル装置とが収容され、底部にオイルが貯留される変速機ケースと、回転軸に直交する方向に延び、変速機ケースの内部を仕切る隔壁と、変速機ケース内の回転軸を挟んでディファレンシャル装置と反対側に収容され、隔壁に取付けられたキャッチタンクと、を備えた車両用駆動装置であって、キャッチタンクは、ディファレンシャル装置によって掻き上げられたオイルが導入される上部オイル導入口と、上部オイル導入口から導入されてその内部に貯留されたオイルが排出される下部オイル排出口と、が形成された本体部と、変速機ケースの上面を形成する上壁の内面に沿い、上部オイル導入口から回転軸の上方を通ってディファレンシャル装置の上方に延びる延出部と、を有し、本体部および延出部は、隔壁に対向し上壁付近まで延びる縦壁部をそれぞれ有し、回転軸の軸方向において、延出部の幅はディファレンシャル装置のファイナルドリブンギヤの幅よりも広く、かつ、延出部の一部はファイナルドリブンギヤと重なっていることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用駆動装置は、キャッチタンクによるオイルの回収効率を向上させ、回転軸によるオイルの撹拌損失を低下させることができる。
以下、本発明の一実施例に係る車両用駆動装置について、図面を用いて説明する。図1から図14は、本発明の一実施例に係る車両用駆動装置を示す図である。
図1から図14において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の車両用駆動装置の上下前後左右方向とし、車両の前後方向に対して直交する方向が左右方向、車両用駆動装置の高さ方向が上下方向である。
まず、構成を説明する。図1において、ハイブリッド車両(以下、単に車両という)1は、車体2を備えており、車体2は、ダッシュパネル3によって前側のエンジンルーム2Aと後側の車室2Bとに仕切られている。エンジンルーム2Aには車両用駆動装置(以下、単に駆動装置という)4が設置されており、駆動装置4は、前進6速、後進1速の変速段を有する。
図2において、駆動装置4は、変速機ケース5を備えており、変速機ケース5は、ライトケース6(図3参照)およびレフトケース7(図4参照)を有する。
図2に示すように、ライトケース6にはエンジン8が連結されている。エンジン8は、クランク軸9を有し(図5参照)、クランク軸9は、車両1の幅方向に延びるように設置されている。
すなわち、本実施例のエンジン8は、横置きエンジンから構成されており、本実施例の車両1は、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)車両である。本実施例のエンジン8は、内燃機関から構成されており、本発明の動力源を構成する。
レフトケース7は、エンジン8と反対側、すなわち、左側からライトケース6に連結されている。図3に示すように、ライトケース6の外周縁にはフランジ部6Fが形成されている。図4に示すように、レフトケース7の外周縁にはフランジ部7Fが形成されている。
図3に示すように、フランジ部6Fにはボス部7fに合致する複数のボス部6fが形成されており、ボス部6fは、フランジ部6Fに沿って設けられている。
図4において、フランジ部7Fにはボス部6fに合致する複数のボス部7fが形成されており、ボルト23A(図1参照)をフランジ部6Fのボス部6fとフランジ部7Fのボス部7fに締結することにより、ライトケース6とレフトケース7が締結されて一体化される。
ライトケース6にはクラッチ10(図5参照)が収容されている。レフトケース7には、図5に示す入力軸11、前進用出力軸12、後進用出力軸13およびディファレンシャル装置15が収容されている。入力軸11、前進用出力軸12および後進用出力軸13は、平行に設置されている。
図5において、入力軸11は、クラッチ10を介してエンジン8に連結されており、クラッチ10を介してエンジン8の動力が伝達される。入力軸11は、1速段用の入力ギヤ16A、2速段用の入力ギヤ16B、3速段用の入力ギヤ16C、4速段用の入力ギヤ16D、5速段用の入力ギヤ16Eおよび6速段用の入力ギヤ16Fを有する。
入力ギヤ16A、16Bは、入力軸11に固定されており、入力軸11と一体で回転する。入力ギヤ16Cから入力ギヤ16Fは、入力軸11に図示しないニードルベアリングを介して相対回転自在に設けられている。
前進用出力軸12は、1速段用の出力ギヤ17A、2速段用の出力ギヤ17B、3速段用の出力ギヤ17C、4速段用の出力ギヤ17D、5速段用の出力ギヤ17E、6速段用の出力ギヤ17Fおよび前進用のファイナルドライブギヤ17Gを有し、出力ギヤ17Aから出力ギヤ17Fは、同一の変速段を構成する入力ギヤ16Aから入力ギヤ16Fに噛み合っている。前進用出力軸12は本発明における回転軸を構成する。
出力ギヤ17A、17Bは、前進用出力軸12に図示しないニードルベアリングを介して相対回転自在に設けられている。出力ギヤ17Cから出力ギヤ17Fおよびファイナルドライブギヤ17Gは、前進用出力軸12に固定されており、前進用出力軸12と一体で回転する。
1速段においては、エンジン8の動力が入力軸11から入力ギヤ16Aおよび出力ギヤ17Aを介して前進用出力軸12に伝達される。2速段においては、エンジン8の動力が入力軸11から入力ギヤ16Bおよび出力ギヤ17Bを介して前進用出力軸12に伝達される。
出力ギヤ17Aと出力ギヤ17Bの間において前進用出力軸12上には第1の同期装置18が設けられている。
第1の同期装置18は、シフト操作によって1速段にシフトされると、1速段の出力ギヤ17Aを前進用出力軸12に連結し、シフト操作によって2速段にシフトされると、2速段用の出力ギヤ17Bを前進用出力軸12に連結する。この操作により、出力ギヤ17Aまたは出力ギヤ17Bは、前進用出力軸12に連結され、前進用出力軸12と一体で回転する。
入力ギヤ16Cと入力ギヤ16Dの間において入力軸11上には第2の同期装置19が設けられている。
第2の同期装置19は、シフト操作によって3速段にシフトされると、入力ギヤ16Cを入力軸11に連結し、シフト操作によって4速段にシフトされると、入力ギヤ16Dを入力軸11に連結する。この操作により、入力ギヤ16Cまたは入力ギヤ16Dが入力軸11に連結され、入力軸11と一体で回転する。
3速段においては、エンジン8の動力が入力軸11から入力ギヤ16Cおよび出力ギヤ17Cを介して前進用出力軸12に伝達される。4速段においては、エンジン8の動力が入力軸11から入力ギヤ16Dおよび出力ギヤ17Dを介して前進用出力軸12に伝達される。
入力ギヤ16Eと入力ギヤ16Fの間において入力軸11上には第3の同期装置20が設けられている。
第3の同期装置20は、シフト操作によって5速段にシフトされると、入力ギヤ16Eを入力軸11に連結し、シフト操作によって6速段にシフトされると、入力ギヤ16Fを入力軸11に連結する。この操作により、入力ギヤ16Eまたは入力ギヤ16Fが入力軸11に連結され、入力軸11と一体で回転する。
5速段においては、エンジン8の動力が入力軸11から入力ギヤ16Eおよび出力ギヤ17Eを介して前進用出力軸12に伝達される。6速段においては、エンジン8の動力が入力軸11から入力ギヤ16Fおよび出力ギヤ17Fを介して前進用出力軸12に伝達される。
後進用出力軸13にはリバースギヤ22Aおよび後進用のファイナルドライブギヤ22Bが設けられている。リバースギヤ22Aは、後進用出力軸13に図示しないニードルベアリングを介して相対回転自在に設けられており、出力ギヤ17Aに噛み合っている。ファイナルドライブギヤ22Bは、後進用出力軸13に固定されており、後進用出力軸13と一体で回転する。
後進用出力軸13には第4の同期装置21が設けられている。第4の同期装置21は、シフト操作によって後進段にシフトされると、リバースギヤ22Aを後進用出力軸13に連結する。この操作により、リバースギヤ22Aは、後進用出力軸13に連結され、後進用出力軸13と一体で回転する。
後進段においては、エンジン8の動力が入力軸11から入力ギヤ16A、前進用出力軸12に相対回転する出力ギヤ17Aおよびリバースギヤ22Aを介して後進用出力軸13に伝達される。
前進用のファイナルドライブギヤ17Gおよび後進用のファイナルドライブギヤ22Bは、ディファレンシャル装置15のファイナルドリブンギヤ15Aに噛み合っている。これにより、前進用出力軸12の動力および後進用出力軸13の動力は、前進用のファイナルドライブギヤ17Gまたは後進用のファイナルドライブギヤ22Bを経てディファレンシャル装置15に伝達される。
ディファレンシャル装置15は、ファイナルドリブンギヤ15Aと、ファイナルドリブンギヤ15Aが外周部に取付けられたデフケース15Bと、デフケース15Bに内蔵された差動機構15Cとを有する。
デフケース15Bには左右のドライブシャフト24L、24Rのそれぞれの一端部が挿通されており、左右のドライブシャフト24L、24Rの一端部は、差動機構15Cに連結されている。
左右のドライブシャフト24L、24Rの他端部は、それぞれ図示しない左右の駆動輪に連結されている。ディファレンシャル装置15は、エンジン8の動力を差動機構15Cによって左右のドライブシャフト24L、24Rに分配して駆動輪に伝達する。
図2において、モータ32は、モータケース32Aと、モータケース32Aに回転自在に支持されたモータ軸32B(図5参照)とを有する。モータケース32Aの内部にはいずれも図示しないロータと、コイルが巻き付けられたステータが収容されており、モータ軸32Bは、ロータと一体に設けられている。
モータ32において、コイルに三相交流が供給されることにより、周方向に回転する回転磁界を発生する。ステータは、発生した磁束をロータに鎖交させることにより、モータ軸32Bと一体のロータを回転駆動させる。
図1において、モータ32の後方にはモータコネクタ32Cが設けられており、モータコネクタ32Cにはモータ32を駆動するための図示しないパワーケーブルが接続されている。
モータ32の上部には冷却水導入管部32aと冷却水排出管部32bが設けられている。冷却水導入管部32aは、モータ32に冷却水を導入し、冷却水排出管部32bは、モータ32を冷却した冷却水をモータ32から排出する。
変速機ケース5にはフロントブラケット51Aおよびリヤブラケット51Bが設けられている。フロントブラケット51Aは、モータケース32Aの右端部とライトケース6とを連結しており、モータケース32Aをライトケース6に支持している。
リヤブラケット51Bは、モータコネクタ32Cの後端部とライトケース6とを連結しており、モータコネクタ32Cをライトケース6に支持している。このように、モータ32は、モータ取付部28Cと反対側がライトケース6に連結されている。
レフトケース7には減速機ケース25が設けられており、減速機ケース25は、ケース部26およびカバー部27を有する。減速機ケース25には減速機構33(図5参照)が収容されている。
図5において、減速機構33は、モータ32のモータ軸32Bに設けられた第1のドライブギヤ34と、第1の中間軸35と、第2の中間軸36と、前進用出力軸12に設けられた4速段用の出力ギヤ17Dとを備えている。
第1の中間軸35には第1のドリブンギヤ35Aおよび第2のドライブギヤ35Bが設けられている。第2の中間軸36には第2のドリブンギヤ36Aおよび第3のドライブギヤ36Bが設けられている。
第1のドリブンギヤ35Aは、第1のドライブギヤ34の直径よりも大径に形成されており、第1のドライブギヤ34に噛み合っている。
第2のドライブギヤ35Bは、第1のドリブンギヤ35Aおよび第2のドリブンギヤ36Aの直径よりも小径に形成されており、第2のドリブンギヤ36Aに噛み合っている。第3のドライブギヤ36Bは、第2のドリブンギヤ36Aの直径と同一径で、かつ、4速段用の出力ギヤ17Dの直径よりも大径に形成されており、4速段用の出力ギヤ17Dに噛み合っている。
このように本実施例の減速機構33のドリブンギヤは、4速段用の出力ギヤ17Dを含んで構成されている。換言すれば、出力ギヤ17Dは、変速用のギヤと減速用のギヤを兼用している。
減速機構33は、ドライブギヤ34、35B、36Bおよびドリブンギヤ35A、36Aの直径が任意の減速比となるように設定されることにより、モータ32の動力を減速して前進用出力軸12に伝達する。
図2において、ケース部26は、それぞれレフトケース7と一体に形成された側壁28および周壁部29を有する。
側壁28は、隔壁部28Aを有する。側壁28は、レフトケース7の上壁7Eから下方に延びており、レフトケース7の内部は、隔壁部28Aによってギヤ収容室41と減速機構収容室42とに仕切られている。
図4において、レフトケース7は、上壁7Eの下方に位置する底壁7Bと、上壁7Eと底壁7Bを連絡する前壁7Cと、前壁7Cの後方に位置して上壁7Eと底壁7Bを連絡する後壁7Dとを有する。
隔壁部28Aには図示しない開口部が形成されており、入力軸11および前進用出力軸12は、開口部を通してギヤ収容室41と減速機構収容室42とに設置されている。
入力ギヤ16A、16B、16Cおよび出力ギヤ17A、17B、17Cは、ギヤ収容室41に設置されており(図6参照)、入力ギヤ16D、16E、16Fおよび出力ギヤ17D、17E、17Fは、減速機構収容室42に設置されている。
減速機構33は、前進用出力軸12に対してディファレンシャル装置15側に位置するようにして減速機構収容室42に設置されている。
図2、図4において、側壁28は、縦壁部28Bを有する。縦壁部28Bは、隔壁部28Aからレフトケース7の上壁7Eよりも上方に延びており、延びる方向の上部にモータ取付部28Cが設けられている。
モータ取付部28Cは、モータ32の外径、すなわち、モータケース32Aの外径と同等の外径を有する円盤状に形成されている。モータ取付部28Cの外周部には複数のボス部28mが設けられており、ボス部28mは、モータ取付部28Cの外周部に沿って設けられている。
モータ取付部28Cにはボルト23B(図1参照)が挿通され、ボルト23Bがモータケース32Aに形成された図示しないねじ溝に締結されることにより、モータ32がモータ取付部28Cに締結される。
図2において、周壁部29は、隔壁部28Aから入力軸11の軸方向の外方(左方)に突出しており、上端がレフトケース7の上壁7Eよりも上方に延びている。入力軸11の軸方向から見て周壁部29は、L字形状に形成されており、減速機構33の周囲を取り囲んでいる。
図2において、カバー部27は、ボルト23Cによって周壁部29の入力軸11の軸方向への突出方向の先端部29aに接合(締結)されている。図1に示すように、入力軸11の軸方向から見てカバー部27は、L字形状に形成されている。
図7において、ライトケース6には隔壁6Aが設けられている。隔壁6Aは、ライトケース6の底壁6Bから上方に延びており、ライトケース6の前壁6C、後壁6Dおよび上壁6Eに連絡されている(図3参照)。
隔壁6Aは、変速機ケース5の内部を、クラッチ10(図5参照)を収容する空間と、入力軸11、前進用出力軸12、後進用出力軸13を収容する空間とに仕切っている。
隔壁6Aには筒状の軸受保持部6aが設けられており、前進用出力軸12(図6参照)の軸方向の一端部(右端部)は、図示しない軸受を介して軸受保持部6aに回転自在に支持されている。
カバー部27(図1参照)には図示しない筒状の軸受保持部が設けられており、前進用出力軸12の軸方向の他端部(左端部)は図示しない軸受を介して軸受保持部に回転自在に支持されている。
入力軸11の軸方向の一端部(右端部)は、軸受43Eを介して隔壁6Aに形成された筒状の軸受保持部6cに回転自在に支持されている。入力軸11の軸方向の他端部(左端部)は、いずれも図示しない軸受を介してカバー部27に形成された筒状の軸受保持部に回転自在に支持されている。
隔壁6Aには筒状の軸受保持部6bが設けられており、後進用出力軸13(図5参照)の軸方向の一端部(右端部)は、図示しない軸受を介して軸受保持部6bに回転自在に支持されている。
図3、図4、図6、図7に示すように、変速機ケース5にはキャッチタンク48が設けられている。キャッチタンク48は、オイルを捕集して一時的に貯留するものである。
図8、図9、図10、図11に示すように、キャッチタンク48は、右端が開口している。キャッチタンク48の上部には上部オイル導入口48Aが設けられている。キャッチタンク48には下部オイル排出口48Bが設けられている。
キャッチタンク48は、右端がライトケース6の隔壁6Aに当接し、ボルト23Dによって隔壁6Aに固定されている。
図3において、レフトケース7の底部にはオイルOが貯留されている。ファイナルドリブンギヤ15Aおよびリバースギヤ22Aは、オイルOに浸かっている。ディファレンシャル装置15のファイナルドリブンギヤ15Aが回転すると、ファイナルドリブンギヤ15AによってオイルOが掻き上げられる。したがって、オイルOは、ディファレンシャル装置15によって掻き上げられる。
ファイナルドリブンギヤ15Aによって掻き上げられたオイルO1は、ライトケース6において、後壁6Dおよび上壁6Eを伝わって移動する。
図4において、ファイナルドリブンギヤ15Aによって掻き上げられたオイルO1は、レフトケース7において、後壁7Dおよび上壁7Eを伝わって移動する。このようにしてライトケース6およびレフトケース7の内部で移動したオイルは、上部オイル導入口48Aからキャッチタンク48に導入される。キャッチタンク48は、キャッチタンク48が当接する隔壁6Aを含んで構成されており、キャッチタンク48と隔壁6Aによってオイルを貯留する空間が形成されている。
下部オイル排出口48Bは、後進用出力軸13の軸心C1よりも上方で、ファイナルドリブンギヤ15Aの軸心C2よりも下方に位置している。
下部オイル排出口48Bの開口面積は、上部オイル導入口48Aの開口面積よりも小さく形成されている。キャッチタンク48に貯留されるオイルは、下部オイル排出口48Bから排出される。
キャッチタンク48は、上部オイル導入口48Aから導入されるオイルを貯留することにより、オイルOの油面を低下させ、ファイナルドリブンギヤ15Aとリバースギヤ22Aの撹拌抵抗を低減させる。
キャッチタンク48は、下部オイル排出口48Bの開口面積が上部オイル導入口48Aの開口面積よりも小さく形成されているので、下部オイル排出口48Bから排出されるオイル量よりも上部オイル導入口48Aから導入されるオイル量を多くできる。
これにより、多くのオイルを一時的に貯留でき、オイルOの油面を低下できる。図3に示すように、下部オイル排出口48Bの下方には磁石52が設けられており、磁石52は、下部オイル排出口48Bから排出されるオイルに含まれる鉄粉を吸着する。
図4に示すように、レフトケース7の底壁7Bには膨出壁部7Gが設けられている。膨出壁部7Gは、隔壁6A(図3参照)の下部に対してファイナルドリブンギヤ15Aの軸心C2の方向に対向するように底壁7Bから上方に膨出している。すなわち、膨出壁部7Gは、隔壁6Aに対向するように底壁7Bから上方に延びている。
レフトケース7の底部において、隔壁6Aと膨出壁部7Gと底壁7Bとによって溝部49が形成されている。キャッチタンク48において、下部オイル排出口48Bは、鉛直方向で溝部49の上方に位置するように変速機ケース5に設置されている。
レフトケース7の底壁7Bのうち、後進用出力軸13の軸方向で隔壁6Aと膨出壁部7Gとに挟まれる部位は、溝部49の底壁49Aを構成する。溝部49の底壁49Aは、キャッチタンク48側からオイルストレーナ46に向かって下り傾斜に形成されている。下部オイル排出口48Bは、鉛直方向で膨出壁部7Gと底壁49Aとに対向している。
図4において、キャッチタンク48は、ディファレンシャル装置15のファイナルドリブンギヤ15Aによって掻き上げられたオイルが導入される上部オイル導入口48Aと、上部オイル導入口48Aから導入されてその内部に貯留されたオイルが排出される下部オイル排出口48Bと、が形成された本体部48Cを有する。
図8、図9、図10、図11に示すように、キャッチタンク48は延出部48Dを有している。図3、図4に示すように、キャッチタンク48は、変速機ケース5の上面を形成する上壁7Eの内面に沿い、上部オイル導入口48Aから前進用出力軸12の上方を通ってディファレンシャル装置15の上方に延びる延出部48Dと、を有する。
図4において、前進用出力軸12に動力を伝達する入力軸11は、延出部48Dの下方であって前進用出力軸12とキャッチタンク48との間に設けられている。
図4において、変速機ケース5内の、上壁7Eと延出部48Dとの間には、動力伝達経路を切り替えて変速段を変更するシフタシャフト61、62が前進用出力軸12と平行に配置されている。そして、延出部48Dは、下方に窪む凹部48Eをシフタシャフト61の下方の位置に有する。
図4において、変速機ケース5は、上壁7Eから下方に突出する突出部63を有する。突出部63は、前進用出力軸12とは反対側の、上部オイル導入口48Aの端部の上方に形成される。
図7において、変速機ケース5は、シフタシャフト61、62を保持するシフタシャフト保持部64、65を有している。そして、上下方向で、シフタシャフト保持部64の上端よりも下方に突出部63(図4参照)を突出させている。つまり、図7のシフタシャフト保持部64の上端の位置P1よりも下方に、図4の突出部63の下端P2が位置している。
シフタシャフト61は本発明におけるシフタシャフトおよび第1のシフタシャフトを構成し、シフタシャフト62は本発明における第2のシフタシャフトを構成する。シフタシャフト保持部64は本発明におけるシフタシャフト保持部および第1のシフタシャフト保持部を構成し、シフタシャフト保持部65は本発明における第2のシフタシャフト保持部を構成する。
凹部48Eの底部には、オイルを下方に排出する切欠き48Fが形成されている。変速機ケース5は、延出部48Dの凹部48Eの下方に、入力軸11の軸受43Eを保持する軸受保持部6cを有している。軸受保持部6cは、切欠き48Fから落下したオイルを軸受43Eに導くオイル導入溝6gを有する。
図6において、隔壁6Aは、前進用出力軸12に直交する方向に延び、変速機ケース5の内部を仕切っている。キャッチタンク48は、変速機ケース5内の前進用出力軸12を挟んでディファレンシャル装置15と反対側に収容され、隔壁6Aに取付けられている。
図12、図13、図14において、本体部48Cは縦壁部48Sを有している。また、延出部48Dは縦壁部48Gを有している。縦壁部48Sおよび縦壁部48Gは、それぞれ隔壁6Aに対向し上壁6E(図6参照)の付近まで延びている。前進用出力軸12の軸方向において、延出部48Dの幅はディファレンシャル装置15のファイナルドリブンギヤ15Aの幅よりも広く、かつ、延出部48Dの一部はファイナルドリブンギヤ15A(図6参照)と重なっている。ここで、延出部48Dの幅とは、前進用出力軸12の軸方向における延出部48Dの長さをいう。また、ファイナルドリブンギヤ15Aの幅とは、前進用出力軸12の軸方向におけるファイナルドリブンギヤ15Aの長さをいう。
図6において、延出部48Dは、前進用出力軸12の軸方向において、隔壁6Aからディファレンシャル装置15の軸受15D(図12参照)の端部まで少なくとも延び、かつ、前進用出力軸12における最も隔壁6Aに近いギヤである、ファイナルドライブギヤ17Gの上部を覆っている。
変速機ケース5には、前進用出力軸12の回転速度を検出する速度センサ67が取付けられている。速度センサ67は、前進用出力軸12の軸方向において延出部48Dの一部と重なっている。
図13、図14の上面視において、延出部48Dの縦壁部48Gは、オイルの流路を狭めるように速度センサ67を迂回する絞り部48Pを有している。
速度センサ67は、1速段用の出力ギヤ17Aの回転速度を測定するものである。速度センサ67は、1速段の出力ギヤ17Aの回転速度を測定することにより、クラッチ10の回転速度を検出する。速度センサ67は、ファイナルドリブンギヤ15Aからキャッチタンク48に向かうオイルの流路の途中にあり、オイルの回収の妨げるおそれを生じ得るため、本実施例では、延出部48Dに絞り部48Pを設けることにより、速度センサ67とオイルとの衝突によってオイルの回収が妨げられることを防止し、速度センサ67をオイルとの衝突から保護している。ここで、車両前進時のオイル流れ方向は前方である。
図13、図14において、絞り部48Pは、速度センサ67のオイル流れ方向上流側を覆い、オイル流れ方向下流側に行くに連れて隔壁6A(図6参照)に近づくように傾斜する第1縦壁部48Hと、速度センサ67のオイル流れ方向下流側を覆う第2縦壁部48K、48Lとを有している。そして、速度センサ67は、前進用出力軸12に直交する方向において延出部48Dおよび本体部48Cの両方に重なり、かつ、前進用出力軸12の軸方向において本体部48Cの縦壁部48Sおよび延出部48Dの縦壁部48Gよりも隔壁6A側に配置されている。
図10において、第2縦壁部48K、48Lは、前進用出力軸12に直交する方向から前進用出力軸12の軸方向に直角に向きを変える2つの屈曲部48U、48Tを有する。屈曲部48Uは、縦壁部48Sと縦壁部48Lとの間に設けられており、屈曲部48Tは、縦壁部48Gと縦壁部48Kとの間に設けられている。また、第2縦壁部48K、48Lは、前進用出力軸12の軸方向から前進用出力軸12に直交する方向に直角に向きを変える2つの屈曲部48R、48Qを有する。屈曲部48Rは、縦壁部48Lと縦壁部48Gとの間に設けられており、屈曲部48Qは、縦壁部48Kと縦壁部48Jとの間に設けられている。言い換えれば、縦壁部48Sと縦壁部48Jとの間には、これらの屈曲部48Q、48R、48T、48Uと縦壁部K、48G、48Lとにより形成される段差が設けられている。第2縦壁部48Kは、縦壁部48Jによって第1縦壁部48Hと接続されており、縦壁部48Jは、速度センサ67の側方に配置されている。
図7において、延出部48Dは、絞り部48Pのオイル流れ方向下流側に、下方に窪む凹部48Eを有している。
図6、図7において、延出部48Dが隙間を介して隔壁6Aに取付けられている。変速機ケース5内の、上壁6Eと延出部48Dとの間には、動力伝達経路を切り替えて変速段を変更するシフタシャフト61が前進用出力軸12と平行に配置されている。また、隔壁6Aは、シフタシャフト61を保持するシフタシャフト保持部64を有し、突出部63は、シフタシャフト保持部64の上端よりも下方まで突出している。
変速機ケース5には、シフタシャフト62と、このシフタシャフト62を保持するシフタシャフト保持部65とが、上壁6Eと延出部48Dとの間を通るように配置されている。また、シフタシャフト保持部64の上部とシフタシャフト保持部65の上部とが、隔壁6Aから延びるリブ66により接続されている。
図7において、本体部48Cは、縦壁部48Sの周縁から前進用出力軸12の軸方向に延びる側面部48Mを有している。そして、ディファレンシャル装置15から遠い側の側面部48Mの上端部48Nは、変速機ケース5の内面に沿って湾曲している。この上端部48Nは、突出部63の下端よりも上方の位置まで延びている。
シフタシャフト保持部64とシフタシャフト保持部65との上端同士を結ぶ平面を第1仮想平面L1としたとき、突出部63の基端部は、第1仮想平面L1と上壁6Eとが交差する位置に配置されている。
シフタシャフト保持部64とシフタシャフト保持部65との軸心同士を結ぶ平面を第2仮想平面L2としたとき、突出部63の下端部は、上壁6Eから第2仮想平面L2の下方に配置されている。
シフタシャフト保持部64とシフタシャフト保持部65との下端同士を結ぶ平面を第3仮想平面L3としたとき、側面部48Mの上端部48Nは、第3仮想平面L3よりも上方に配置されている。
上端部48Nは、上方かつディファレンシャル装置15側に延びるように湾曲し、突出部63に当接している。
次に、作用を説明する。車両1の前進時におけるエンジン走行時においては、エンジン8の動力が入力軸11から所定の変速段を成立する入力ギヤ16Aから入力ギヤ16Fのいずれかを介して出力ギヤ17Aから出力ギヤ17Fのいずれかに伝達される。
これにより、前進用出力軸12のファイナルドライブギヤ17Gからファイナルドリブンギヤ15Aに動力が伝達され、エンジン8の動力がディファレンシャル装置15の差動機構15Cによって左右のドライブシャフト24L、24Rに分配されて駆動輪に伝達され、車両1が前進走行する。
一方、車両1の前進時におけるモータ走行時においては、第1の同期装置18から第4の同期装置21が中立位置に位置した状態で、モータ32の動力がモータ軸32Bから第1のドライブギヤ34を介して第1のドリブンギヤ35Aに伝達される。
次いで、モータ32の動力は、第2のドライブギヤ35B、第2のドリブンギヤ36Aおよび第3のドライブギヤ36Bを介して4速段用の出力ギヤ17Dに伝達される。
減速機構33は、ドライブギヤ34、35B、36Bおよびドリブンギヤ35A、36Aの直径が任意の減速比となるように設定されているので、モータ32の動力が減速されて前進用出力軸12に伝達される。
これにより、前進用出力軸12のファイナルドライブギヤ17Gからファイナルドリブンギヤ15Aに動力が伝達され、車両1が前進走行する。
図3に示すように、車両前進時は、ファイナルドリブンギヤ15A、入力ギヤ16F、リバースギヤ22Aおよび出力ギヤ17Aは、矢印で示す方向にそれぞれ回転する。詳しくは、図3において、ファイナルドリブンギヤ15A、入力ギヤ16F、リバースギヤ22Aは反時計回りに回転し、出力ギヤ17Aは時計回りに回転する。これにより、図3、図4に示すように、レフトケース7の底部に貯留されるオイルOは、ファイナルドリブンギヤ15Aによって掻き上げられ、オイルO1で示すように、変速機ケース5の後壁6D、7Dおよび上壁6E、7Eを伝わって移動し、上部オイル導入口48Aからキャッチタンク48に導入される。
これにより、オイルがキャッチタンク48に一時的に貯留されてオイルOの油面が低下し、ファイナルドリブンギヤ15Aとリバースギヤ22Aの撹拌抵抗が低減され、撹拌損失が低下する。キャッチタンク48に貯留されるオイルは、オイルO4で示すように下部オイル排出口48Bからレフトケース7の底部に排出される。
このように、本実施例の駆動装置4において、キャッチタンク48は、ディファレンシャル装置15によって掻き上げられたオイルが導入される上部オイル導入口48Aと、上部オイル導入口48Aから導入されてその内部に貯留されたオイルが排出される下部オイル排出口48Bと、が形成された本体部48Cと、変速機ケース5の上面を形成する上壁6Eの内面に沿い、上部オイル導入口48Aから前進用出力軸12の上方を通ってディファレンシャル装置15の上方に延びる延出部48Dと、を有している。
そして、本体部48Cおよび延出部48Dは、隔壁6Aに対向し上壁6E付近まで延びる縦壁部48S、48Gをそれぞれ有し、前進用出力軸12の軸方向において、延出部48Dの幅はディファレンシャル装置15のファイナルドリブンギヤ15Aの幅よりも広く、かつ、延出部48Dの一部はファイナルドリブンギヤ15Aと重なっている。
これにより、ディファレンシャル装置15で掻き上げたオイルがキャッチタンク48に回収される前に、変速機ケース5の上壁6Eに衝突して下方に落下することを、延出部48Dにより防止できる。このため、前進用出力軸12のオイルの掻き上げによる撹拌抵抗を低減できる。さらに、キャッチタンク48によるオイルの回収効率を向上させ、変速機ケース5内のオイルの油面位置を低下させ、変速機全体の撹拌抵抗を低減できる。
また、ディファレンシャル装置15により掻き上げられたオイルを、ファイナルドリブンギヤ15Aの幅よりも幅を広く形成した延出部48Dによって、より多くキャッチタンク48に回収することができる。
キャッチタンク48において、前進用出力軸12の軸線方向からオイルが溢れ出ることを防止できるので、溢れ出たオイルにより前進用出力軸12の撹拌抵抗が増加することを防止できる。また、本体部48Cの縦壁部48Sが変速機ケース5の上壁6E付近まで延びているので、キャッチタンク48のオイル貯留量を増やすことができるため、変速機ケース5内のオイルの油面位置を低下させ、変速機全体の撹拌抵抗を低減できる。
この結果、キャッチタンク48によるオイルの回収効率を向上させ、前進用出力軸12によるオイルの撹拌損失を低下させることができる。
また、本実施例の駆動装置4は、前進用出力軸12の軸方向において、延出部48Dは、隔壁6Aからディファレンシャル装置15の軸受15Dの端部まで少なくとも延び、かつ、前進用出力軸12における最も隔壁6Aに近いギヤの上部を覆っている。
これにより、ディファレンシャル装置15により掻き上げられたオイルを、より確実に延出部48Dによって受け止めてキャッチタンク48に回収でき、前進用出力軸12によるオイルの撹拌損失を低減できる。
また、本実施例の駆動装置4は、前進用出力軸12の回転速度を検出する速度センサ67が変速機ケース5に取付けられ、速度センサ67は、前進用出力軸12の軸方向において延出部48Dの一部と重なっており、上面視において、延出部48Dの縦壁部48Gは、オイルの流路を狭めるように速度センサ67を迂回する絞り部48Pを有している。
これにより、図14に示すように、延出部48Dの絞り部48Pにおいて、オイルの流路の断面積が狭くなり、延出部48Dの縦壁部48G側を流れるオイルO7と隔壁6A側を流れるオイルO8とが、オイルO9として合流するので、オイルの流速を速くすることができるので、オイルに絞り部48Pから本体部48Cに向かう指向性を持たせることができる。
このため、延出部48Dからオイルが漏れ出ることを防止でき、延出部48Dによってオイルを確実にキャッチタンク48の本体部48Cに導くことができるので、キャッチタンク48によるオイルの回収効率を向上させることができる。
また、絞り部48Pが速度センサ67を迂回しているので、速度センサ67にオイルが衝突したり付着したりすることを防止できる。また、速度センサ67に付着したオイルの上に異物が堆積することを抑制できる。このため、速度センサ67をオイルとの衝突および異物の堆積から保護することができる。
また、本実施例の駆動装置4は、上面視において、絞り部48Pは、速度センサ67のオイル流れ方向上流側を覆い、オイル流れ方向下流側に行くに連れて隔壁6Aに近づくように傾斜する第1縦壁部48Hと、速度センサ67のオイル流れ方向下流側を覆う第2縦壁部48K、48Lとを有している。そして、速度センサ67は、前進用出力軸12に直交する方向において延出部48Dおよび本体部48Cの両方に重なり、かつ、前進用出力軸12の軸方向において本体部48Cの縦壁部48Sおよび延出部48Dの縦壁部48Gよりも隔壁6A側に配置されている。
これにより、第1縦壁部48Hが傾斜しているので、延出部48Dに導入されたオイルをよりスムーズに本体部48Cに導くことができる。
また、速度センサ67は、本体部48Cの縦壁部48Sおよび延出部48Dの縦壁部48Gよりも隔壁6A側に配置されているので、オイル流れ方向が車両前進時と後進時の何れの方向であっても、キャッチタンク48に導入されなかったオイルがあった場合に、このオイルが速度センサ67に衝突することを防止できる。このため、車両の前進時および後進時の両方で、速度センサ67をオイルとの衝突および異物の堆積から保護できる。
また、本実施例の駆動装置4において、第2縦壁部48K、48Lは、前進用出力軸12に直交する方向から前進用出力軸12の軸方向に直角に向きを変える2つの屈曲部48U、48Tを有する。
これにより、図10に示すように、車両の後進時においてキャッチタンク48の縦壁部48Sの外面に沿って延出部48Dのファイナルドリブンギヤ15A(図6参照)側の先端に向かうオイルO5は、屈曲部48Uにおいて大半が縦壁部48Sから剥離する。また、屈曲部48Uにおいて剥離しなかった僅かなオイルは、縦壁部48Gに付着した後、オイルO6として縦壁部48Gの外面に沿って延出部48Dのファイナルドリブンギヤ15A(図6参照)側の先端に向かい、屈曲部48Tにおいてその大半が剥離する。このため、オイルが速度センサ67に衝突することをより抑制できる。
また、本実施例の駆動装置4において、延出部48Dは、絞り部48Pのオイル流れ方向下流側に、下方に窪む凹部48Eを有し、変速機ケース5は、前進用出力軸12の軸受を保持する軸受保持部6cを凹部48Eの下方に有している。また、凹部48Eには、オイルを下方に排出する切欠き48Fが形成され、軸受保持部6cには、切欠き48Fから排出されたオイルを軸受に導くオイル導入溝6gが形成されている。
これにより、凹部48Eを通過するオイルの一部は、切欠き48Fから下方に排出された後、オイル導入溝6gを介して軸受に導かれるので、キャッチタンク48の延出部48Dで受け止めたオイルを、軸受の潤滑性能の向上のために有効に利用することができる。
また、本実施例の駆動装置4は、延出部48Dが隙間を介して隔壁6Aに取付けられている。
これにより、延出部48Dを流れるオイルの量が多い場合であっても、延出部48Dと隔壁6Aとの間の隙間からオイルの一部を排出させ、排出したオイルを隔壁6Aの表面を伝って流下させることができる。
このため、延出部48Dの縦壁部48Gを乗り越えて溢れ出るオイルの量を抑制できる。したがって、縦壁部48Gを乗り越えて溢れ出たオイルが前進用出力軸12に落下して前進用出力軸12の撹拌損失を増大させてしまうことを防止できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、4...駆動装置(車両用駆動装置)、5...変速機ケース、6A...隔壁、6c...軸受保持部、6g...オイル導入溝、7E...上壁、8...エンジン(動力源)、12...前進用出力軸(回転軸)、15...ディファレンシャル装置、48...キャッチタンク、48A...上部オイル導入口、48B...下部オイル排出口、48C...本体部、48D...延出部、48E...凹部、48F...切欠き、48G...縦壁部、48H...第1縦壁部、48K,48L...第2縦壁部、48P...絞り部、48S...縦壁部、61,62...シフタシャフト、63...突出部、64,65...シフタシャフト保持部、66...リブ、67...速度センサ
Claims (7)
- 動力源から動力が伝達される回転軸と、前記回転軸から動力が伝達されるディファレンシャル装置とが収容され、底部にオイルが貯留される変速機ケースと、
前記回転軸に直交する方向に延び、前記変速機ケースの内部を仕切る隔壁と、
前記変速機ケース内の前記回転軸を挟んで前記ディファレンシャル装置と反対側に収容され、前記隔壁に取付けられたキャッチタンクと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記キャッチタンクは、
前記ディファレンシャル装置によって掻き上げられたオイルが導入される上部オイル導入口と、前記上部オイル導入口から導入されてその内部に貯留されたオイルが排出される下部オイル排出口と、が形成された本体部と、
前記変速機ケースの上面を形成する上壁の内面に沿い、前記上部オイル導入口から前記回転軸の上方を通って前記ディファレンシャル装置の上方に延びる延出部と、を有し、
前記本体部および前記延出部は、前記隔壁に対向し前記上壁付近まで延びる縦壁部をそれぞれ有し、
前記回転軸の軸方向において、前記延出部の幅は前記ディファレンシャル装置のファイナルドリブンギヤの幅よりも広く、かつ、前記延出部の一部は前記ファイナルドリブンギヤと重なっていることを特徴とする車両用駆動装置。 - 前記回転軸の軸方向において、前記延出部は、前記隔壁から前記ディファレンシャル装置の軸受の端部まで少なくとも延び、かつ、前記回転軸における最も前記隔壁に近いギヤの上部を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
- 前記回転軸の回転速度を検出する速度センサが前記変速機ケースに取付けられ、
前記速度センサは、前記回転軸の軸方向において前記延出部の一部と重なっており、
上面視において、前記延出部の前記縦壁部は、オイルの流路を狭めるように前記速度センサを迂回する絞り部を有していることを特徴とする請求項2に記載の車両用駆動装置。 - 上面視において、前記絞り部は、
前記速度センサのオイル流れ方向上流側を覆い、オイル流れ方向下流側に行くに連れて前記隔壁に近づくように傾斜する第1縦壁部と、前記速度センサのオイル流れ方向下流側を覆う第2縦壁部とを有し、
前記速度センサは、前記回転軸に直交する方向において前記延出部および前記本体部の両方に重なり、かつ、前記回転軸の軸方向において前記本体部の前記縦壁部および前記延出部の前記縦壁部よりも前記隔壁側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用駆動装置。 - 前記第2縦壁部は、前記回転軸に直交する方向から前記回転軸の軸方向に直角に向きを変える2つの屈曲部を有することを特徴とする請求項4に記載の車両用駆動装置。
- 前記延出部は、前記絞り部のオイル流れ方向下流側に、下方に窪む凹部を有し、
前記変速機ケースは、前記回転軸の軸受を保持する軸受保持部を前記凹部の下方に有し、
前記凹部には、オイルを下方に排出する切欠きが形成され、
前記軸受保持部には、前記切欠きから排出されたオイルを前記軸受に導くオイル導入溝が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用駆動装置。 - 前記延出部が隙間を介して前記隔壁に取付けられていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
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