JP2020133465A - ターボチャージャ用コンプレッサハウジング及びその製造方法 - Google Patents

ターボチャージャ用コンプレッサハウジング及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デポジットの付着が防止されるとともに、組み付け作業性が良く、ダイカストにより容易に成形が可能であって、低コストで性能を維持・向上させて高過給化が図られるターボチャージャ用コンプレッサハウジングを提供すること。【解決手段】ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は冷媒流路5と還流部6を備え、スクロールピース2とシュラウドピース3に分割されてなる。冷媒流路5は両ピース2、3に形成された第1流路形成部51と第2流路形成部52が嵌合してなる環状の空間50である。冷媒流路5では内周シール部53においてスクロールピース2の第1被圧入部53aにシュラウドピース3の第1圧入部53bが圧入され、外周シール部54においてスクロールピース2の第2被圧入部54aにシュラウドピース3の第2圧入部54bが圧入されている。還流部6はシュラウド部20に到達した吸気の一部をコンプレッサインペラ13の上流に戻す。【選択図】図1

Description

本発明は、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング及びその製造方法に関する。
自動車等の内燃機関に搭載されるターボチャージャは、コンプレッサインペラとタービンインペラとを有し、これらがハウジングに収容されている。コンプレッサインペラはハウジングの内部に形成された空気流路に配されている。空気流路には、コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口と、コンプレッサインペラから吐出された圧縮空気が通過するディフューザ通路と、ディフューザ通路を通過した圧縮空気が流れ込む吐出スクロール室とを有する。吐出スクロール室は圧縮空気を内燃機関側へ吐出する。
そして、自動車等の内燃機関には、クランクケース内に発生したブローバイガスを吸気通路に還流させ、クランクケース内やヘッドカバー内を浄化させるブローバイガス還流装置(以下、PCVという)を備えたものがある。この場合、ブローバイガスに含まれるオイル(オイルミスト)がPCVからターボチャージャにおけるコンプレッサの上流側の吸気通路に流出することがある。
このとき、コンプレッサの出口空気圧力が高いとその空気温度も高くなるため、PCVから流出したオイルが蒸発を起因とする濃縮・高粘度化によってターボチャージャ用コンプレッサハウジングのディフューザ面やそれに対向する軸受ハウジングの表面等にデポジットとなって堆積することがある。そして、堆積したデポジットによってディフューザ通路が狭められ、ターボチャージャの性能低下を招き、さらには内燃機関の出力低下を招くおそれがある。
従来は、上述したようなディフューザ通路におけるデポジットの堆積を防止するため、コンプレッサの出口空気温度をある程度抑制していた。そのため、ターボチャージャの性能を充分に発揮することができず、また内燃機関の出力を充分に高めることができなかった。
特許文献1には、ディフューザ通路におけるデポジットの堆積を防止するために、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング内に冷媒流路を設けて当該冷媒流路に冷媒を流通させることにより、ハウジング内の空気流路を通過する圧縮空気の温度上昇を抑制する構成が開示されている。特許文献1に開示の構成では、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングを第1ピース、第2ピース及び第3ピースによって形成するとともに、当該両者の組付けによって冷媒流路が画定されるように構成されている。
特開2016−176353号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、冷媒流路の液密性を保つために、第1ピースと第2ピースとの間にシール部材としてのOリングを保持するための保持部を形成するとともに保持部にシール部材を嵌め込み、さらにシール部材を第1ピースと第2ピースとで挟持する必要がある。そのため、部品点数の増加によるコストの増加や、組み付け作業性の低下を招く。
また、特許文献1に開示の構成では、各ピースをダイカストで成形可能なように型抜きを考慮してアンダーカットのない形状としている。これに伴って、スクロール室の断面形状が円形と大きく異なる形状となっているため、給気の圧縮効率の低下を招く。
また、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング内に冷媒流路を成形する方法としては、砂中子を用いた重力鋳造が考えられる。この方法によれば、形状自由度が高く、複雑な形状にも対応できる。しかしながら、この方法では、鋳造サイクルが長く、砂中子を除去するための砂落とし作業や砂残りの検査作業が必要となるため、製造工数が増加して生産性が低下する。
さらに、特許文献1の構成によれば、冷媒流路を設けることによりデポジットの堆積が防止されるため、コンプレッサインペラを大流量化して、高過給化によるエンジンの最高出力の向上を図ることができるが、コンプレッサインペラの大流量化と、前述したスクロール室の断面形状の悪さによって、エンジンの低速トルクが大幅に低下する。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、デポジットの付着が防止されるとともに、組み付け作業性が良く、ダイカストにより容易に成形が可能であって、低コストで低空気流量側の性能を維持し、高空気流量側の性能の向上が図られるターボチャージャ用コンプレッサハウジングを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、コンプレッサインペラが収容されるターボチャージャ用コンプレッサハウジングであって、
上記コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口を形成する吸気口形成部と、
上記コンプレッサインペラを周方向に囲むとともに該コンプレッサインペラに対向するシュラウド面を有するシュラウド部と、
上記コンプレッサインペラの外周側において周方向に形成され、上記コンプレッサインペラから吐出される圧縮空気を通過させるディフューザ通路を形成するディフューザ部と、
上記ディフューザ通路を通過した圧縮空気を外部へ導くスクロール室を形成するスクロール室形成部と、
上記ディフューザ部に沿って周方向に形成されるとともに、上記ディフューザ部を冷却する冷媒を流通させる冷媒流路と、
上記吸気口から吸い込まれて上記シュラウド部に到達した吸気の一部を上記コンプレッサインペラの上流に戻すように構成された還流部と、
を有し、
上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングは、少なくとも上記吸気口形成部の一部及び少なくとも上記スクロール室形成部の一部を有するスクロールピースと、少なくとも上記スクロール室形成部の一部、上記ディフューザ部及び上記シュラウド部を有するとともに上記スクロールピースの内側に軸方向に圧入されるシュラウドピースと、に分割されてなり、
上記冷媒流路は、上記スクロールピース及び上記シュラウドピースにおける互いの対向部にそれぞれ形成された第1流路形成部と第2流路形成部とにより区画された環状の空間として形成され、
上記第1流路形成部と上記第2流路形成部とは、上記冷媒流路の内周側をシールする内周シール部と、上記冷媒流路の外周側をシールする外周シール部とにおいて互いに嵌合しており、
上記内周シール部は、上記スクロールピースに形成された第1被圧入部に、上記シュラウドピースに形成された第1圧入部が圧入されてなり、
上記外周シール部は、上記スクロールピースに形成された第2被圧入部に、上記シュラウドピースに形成された第2圧入部が圧入されてなる、
上記還流部は、上記スクロールピース及び上記シュラウドピースにおける互いの対向部にそれぞれ形成された第1還流室形成部と第2還流室形成部とにより区画された空間である還流室と、上記シュラウド面に開口して上記還流室に連通する連通部と、上記シュラウドピース又は上記シュラウドピースにおける上記コンプレッサインペラよりも上流の位置に開口して上記還流室に連通する吹出部とを有する、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングにある。
上記一形態のターボチャージャ用コンプレッサハウジングによれば、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングは分割形成されているとともに、冷媒流路はスクロールピース及びシュラウドピースにおける互いの対向部にそれぞれ形成された第1流路形成部と第2流路形成部とによって形成されている。そして、冷媒流路の内周側及び外周側は内周シール部及び外周シール部によりシールされている。そして、内周シール部はシュラウドピースの第1圧入部がスクロールピースの第1被圧入部に圧入されてなり、外周シール部はシュラウドピースの第2圧入部がスクロールピースの第2被圧入部に圧入されてなる。また、還流部における還流室は、スクロールピース及び上記シュラウドピースにおける互いの対向部にそれぞれ形成された第1還流室形成部と第2還流室形成部とにより区画された空間からなる。これらにより、シュラウドピースをスクロールピースに圧入して組み付けるだけで、還流部を形成しつつ冷媒流路の内周側及び外周側をシールすることができ、第1流路形成部と第2流路形成部との間にOリングを挟み込んだりする必要がなく、組み付け作業性がよい。また、Oリングも不要となるため、部品点数の削減も図れる。そして、上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングは冷媒流路を備えることにより、ディフューザ通路におけるデポジットの堆積が抑制されてコンプレッサの高空気流量側(エンジンの高回転側)で高過給化を図ることができ、エンジンの最高出力の向上を図ることができる。
さらに、還流部は、シュラウド部に到達した吸気の一部をコンプレッサインペラの上流側に戻すことができ、いわゆるケーシングトリートメントを構成している。これにより、高過給化に対応してコンプレッサインペラを大流量化しても、低空気流量側の作動範囲を維持することができ、低速トルクの低下を防ぐことができる。すなわち、上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングによれば、還流部による低空気流量側の作動範囲の維持に基づく低速トルクの維持と、冷媒流路による高過給化に基づく最高出力の向上との両立を図ることができる。
さらに、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングは分割形成されて、スクロールピースとシュラウドピースとを有し、スクロール室は少なくとも両ピースを互いに組み付けて形成されている。これにより、スクロール室の断面形状を円形状にしつつ、スクロール室形成部を型抜き可能なアンダーカットのない形状にすることができる。その結果、給気の圧縮効率を向上できるとともに、ダイカストにより容易に成形することができる。
以上のごとく、本発明によれば、デポジットの付着が防止されるとともに、組み付け作業性が良く、ダイカストにより容易に成形が可能であって、低コストで高過給化が図られるターボチャージャ用コンプレッサハウジングを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施例1における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの断面図。 実施例1における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法を説明するための概念図。 実施例1における、スクロールピースの断面斜視図。 実施例1における、シュラウドピースの斜視図。 実施例1における、シュラウドピースの断面斜視図。 実施例1における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法を説明するための概念図。 実施例1における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの断面一部拡大図。 変形例1における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの断面図。 変形例1における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法を説明するための概念図。 変形例1における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法を説明するための他の概念図。 変形例2における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法を説明するための概念図。 変形例2における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法を説明するための他の概念図。
本明細書において「周方向」とはコンプレッサインペラの回転方向、「軸方向」とはコンプレッサインペラの回転軸の方向、「径方向」とは、コンプレッサインペラの回転軸を中心とする仮想円の半径方向であって、径方向外側とは当該仮想円の中心から円周に向かって延びる直線の方向をいうものとする。
上記スクロールピース及び上記シュラウドピースは、軸方向に対向して互いに接することにより、上記圧入時の位置決めをする当接部を有することが好ましい。この場合には、当接部によってスクロールピース及びシュラウドピースの圧入方向となる軸方向Yの位置決めがなされるため、スクロールピースとシュラウドピースとの組み付け精度を向上することができる。
上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法は、ダイカストにより上記スクロールピース及び上記シュラウドピースを成形し、機械加工により上記スクロールピースに上記第1被圧入部及び上記第2被圧入部を成形するとともに上記シュラウドピースに上記第1圧入部、上記第2圧入部及び上記連通部を成形する成形工程と、上記第1被圧入部に上記第1圧入部を圧入して上記内周シール部を形成するとともに、上記第2被圧入部に上記第2圧入部を圧入して上記外周シール部を形成することにより、上記冷媒流路及び上記還流部を形成して、上記スクロールピースに上記シュラウドピースを組み付ける組み付け工程と、を含むことが好ましい。この場合には、成形工程においてダイカストによりスクロールピース及びシュラウドピースを成形し、機械加工によりスクロールピースに第1被圧入部及び第2被圧入部を成形するとともにシュラウドピースに第1圧入部、第2圧入部及び連通部を成形した後、組み付け工程においてシュラウドピースをスクロールピースに圧入して組み付けるだけで、還流部を形成しつつ冷媒流路の内周側及び外周側をシールすることができるため、第1流路形成部と第2流路形成部の間にOリングを挟み込んだりする必要がなく、組み付け作業性がよい。また、Oリングも不要となるため、部品点数の削減も図れる。
(実施例1)
以下、上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの実施例について、図1〜図7を用いて説明する。
図1に示すように、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1には、コンプレッサインペラ13が収容され、吸気口形成部10、シュラウド部20、ディフューザ部30、スクロール室形成部120、冷媒流路5及び還流部6が備えられる。
吸気口形成部10は、コンプレッサインペラ13に向けて空気を吸い込む吸気口11を形成している。
シュラウド部20は、コンプレッサインペラ13を周方向に囲むとともにコンプレッサインペラ13に対向するシュラウド面21を有する。
ディフューザ部30は、コンプレッサインペラ13の外周側において周方向に形成され、コンプレッサインペラ13から吐出される圧縮空気を通過させるディフューザ通路15を形成している。
スクロール室形成部120は、ディフューザ通路15を通過した圧縮空気を外部へ導くスクロール室12を形成している。
冷媒流路5は、ディフューザ部30に沿って周方向に形成されるとともに、ディフューザ部30を冷却する冷媒を流通させる。
還流部6は、吸気口11から吸い込まれてシュラウド部20に到達した吸気の一部をコンプレッサインペラ13の上流に戻すように構成されている。
そして、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は、少なくとも吸気口形成部10の一部及び少なくともスクロール室形成部120の一部を有するスクロールピース2と、少なくともスクロール室形成部120の一部、ディフューザ部30及びシュラウド部20を有するとともにスクロールピース2の内側に挿入されるシュラウドピース3と、に分割されてなる。
図1、図3に示すように、冷媒流路5は、スクロールピース2及びシュラウドピース3における互いの対向部にそれぞれ形成された第1流路形成部51と第2流路形成部52とにより区画された環状の空間50として形成されている。
第1流路形成部51と第2流路形成部52とは、冷媒流路5の内周側をシールする内周シール部53と、冷媒流路5の外周側をシールする外周シール部54とにおいて互いに嵌合している。
そして、内周シール部53は、スクロールピース2に形成された第1被圧入部53aに、シュラウドピース3に形成された第1圧入部53bが圧入されてなる。
また、外周シール部54は、スクロールピース2に形成された第2被圧入部54aに、シュラウドピース3に形成された第2圧入部54bが圧入されてなる。
さらに、図1に示すように、還流部6は、スクロールピース2及びシュラウドピース3における互いの対向部にそれぞれ形成された第1還流室形成部61と第2還流室形成部62とにより区画された空間である還流室60と、シュラウド面21に開口して還流室60に連通する連通部63と、シュラウドピース2又はシュラウドピース3におけるコンプレッサインペラ13よりも上流の位置に開口して還流室60に連通する吹出部64とを有する。
以下、本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1について、詳述する。
図1に示すように、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は、互いに別部材として形成されたスクロールピース2及びシュラウドピース3により分割形成されている。そして、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は、コンプレッサインペラ13が一端に取り付けられたシャフト14を軸受けする軸受機構が収納された軸受ハウジング(図示せず)のフランジ部又は分割構造を採用した場合のシールプレート40に取り付けられる。
スクロールピース2は、図1、図3に示すように、吸気口形成部10、第1スクロール室形成部121、外周部125、第1流路形成部51、第1還流室形成部61及び吹出部64を有する。吸気口形成部10は筒状をなすとともに軸方向Yに貫通形成されている。第1スクロール室形成部121は、スクロール室12における吸気側Y1の壁面を構成している。図1に示すように、外周部125は、第1スクロール室形成部121の吸気側Y1と反対側Y2に位置しており、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の外周部125を形成している。そして、外周部125の内側には、シールプレート40が取り付けられている。
図1に示すように、スクロールピース2における第1流路形成部51は、後述する第2流路形成部52とともに冷媒流路5を形成するように構成されている。そして、図3に示すように、第1流路形成部51は、冷媒流路5における吸気側Y1の壁面である第1壁面511を有している。本例では、第1壁面511は径方向に平行な面となっている。なお、第1壁面511は必ずしも平面でなくてもよく、吸気側Y1に凹んだ凹状であってもよい。
図1、図2に示すように、第1流路形成部51の内周側には、後述のシュラウドピース3の第1圧入部53bが圧入される第1被圧入部53aが形成されている。第1被圧入部53aに第1圧入部53bが圧入されることにより、内周シール部53が形成されている。図2に示すように、第1被圧入部53aと第1圧入部53bとは互いに周方向の全域において当接している。
図1に示すように、スクロールピース2における第1スクロール室形成部121の内周側には、後述のシュラウドピース3における第2流路形成部52の外周部が圧入されている。これにより、第1スクロール室形成部121の内周部である第2被圧入部54aに、第2流路形成部52の外周部である第2圧入部54bが圧入されて、外周シール部54が形成されている。図3に示すように、第2被圧入部54aと第2圧入部54bとは互いに周方向の全域において当接している。なお、内周シール部53及び外周シール部54の締め代は特に限定されず、内周シール部53及び外周シール部54に発生する応力等を考慮して適宜決定することができ、本例では両者の締め代は同一の大きさとしている。
内周シール部53及び外周シール部54の一方または両方にシール材を介在させてもよい。シール材の種類は特に限定されないが、速乾性を有するものが好ましい。例えば、液体ガスケットとして使用されるシール材を使用することができる。
図1、図2に示すように、スクロールピース2は、第1流路形成部51を貫通して、冷媒流路5に連通する貫通孔からなる冷媒供給部58及び冷媒排出部59を有する。冷媒供給部58は冷媒流路5に冷媒を供給し、冷媒排出部59は排出するように構成されている。本例では、図1に示すように、冷媒供給部58及び冷媒排出部59は、第1壁面511から軸方向Yに平行に吸気側Y1に延びている。
図1、図7に示すように、スクロールピース2は、外周シール部54の径方向外側であって、スクロール室12よりも内側に、径方向に平行な壁面である第1当接面561を有している。
図1に示すように、スクロールピース2における第1還流室形成部61は、シュラウドピース3に軸方向Yに対向する対向部において、吸気側Y1に窪んだ溝からなる。そして、吹出部64はスクロールピース2の内側に開口して第1還流室形成部61に連通している。第1還流室形成部61及び吹出部64はそれぞれ複数設けられ、周方向に配列している。
一方、シュラウドピース3は、図2に示すように、第2スクロール室形成部122、シュラウド部20、第1ディフューザ部35、第2流路形成部52、第2還流室形成部62及び連通部63を有する。シュラウドピース3は筒状に形成されており、シュラウドピース3の第1圧入部53b及び第2圧入部54bが、スクロールピース2の第1被圧入部53a及び第2被圧入部54aに圧入されるように構成されている。
図1に示すように、シュラウドピース3における第2スクロール室形成部122は、スクロール室12における内周側の壁面を形成している。シュラウド部20は、コンプレッサインペラ13に対向するシュラウド面21を形成している。第1ディフューザ部35はシュラウド面21からスクロール室12に向かって延びるディフューザ面34を形成している。
そして、図1に示すように、シュラウドピース3における第2流路形成部52は、上述の第1流路形成部51とともに冷媒流路5を形成するように構成されており、第1ディフューザ部35の吸気側Y1に設けられている。図5に示すように、第2流路形成部52は、吸気側Y1と反対側Y2に凹んだ凹状に形成された第2壁面521を有している。本例では、第2壁面521は、軸方向Yに平行な断面においてU字型を成しているとともに、図4に示すように、シュラウド面21の径方向外側において周方向に延びる環状の凹部を形成している。図1、図9に示すように、第2流路形成部52は、第2壁面521の径方向外側に、径方向に平行な壁面である第2当接面562を有している。図1に示すように、第2当接面562は、上述の如く、スクロールピース2における第1当接面561に当接している。そして、第1流路形成部51と第2流路形成部52との間に環状の空間50である冷媒流路5が形成されている。
図2に示すように、シュラウドピース3における第1還流室形成部61は、シュラウドピース3においてスクロールピース2に軸方向Yに対向する対向部において吸気側Y1と反対側Y2に窪んだ溝からなる。そして、連通部63はシュラウド面21にスリット状に開口して、第1還流室形成部61に連通している。第1還流室形成部61及び連通部63は複数備えられ、周方向に配列している。
図2に示すように、スクロールピース2にシュラウドピース3が嵌合されることにより、図1に示すように、第1還流室形成部61と第2還流室形成部62とが互いに対向して、第1還流室形成部61と第2還流室形成部62とにより区画された空間である還流室60が形成される。そして、連通部63はシュラウド面21に開口して還流室60に連通しており、吹出部64はコンプレッサインペラ13よりも上流に位置して還流室60に連通している。これにより、還流部6は、シュラウド部20に到達した吸気の一部を連通部63を介して還流室60内に取り込んで、吹出部64からコンプレッサインペラ13の上流に戻すように構成されて、ケーシングトリートメントとして機能する。なお、還流部6の構成は特に限定されず、ケーシングトリートメントの機能を有する公知の構成を採用することができる。
シールプレート40は、図1に示すように、第3スクロール室形成部123と、シールプレート挿入部41と、第2ディフューザ部36とを有する。第3スクロール室形成部123は、スクロール室12における外周側の壁面を構成している。シールプレート挿入部41は、外周部125の内側に挿入されている。第2ディフューザ部36は、第1ディフューザ部35とともに、ディフューザ部30を形成している。第2ディフューザ部36は、第1ディフューザ部35のディフューザ面34と所定距離をおいて対向する対向面37を有する。そして、ディフューザ面34と対向面37との間の空間がディフューザ通路15となっている。
次に、本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の製造方法について説明する。
ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の製造方法は、成形工程S1と、組付工程S2とを含む。まず、成形工程S1では、図2に示すように、スクロールピース2及びシュラウドピース3を個別にダイカストにより作製する。そして、機械加工によりスクロールピース2に第1被圧入部53a及び第2被圧入部54aを成形し、シュラウドピース3に第1圧入部53b、第2圧入部54b及び連通部63を成形する。
次に、組付工程S2では、図2において矢印Pで示すように、シュラウドピース3におけるシュラウド圧入部31を、スクロールピース2の吸気口形成部10の内側に圧入して、スクロールピース2の第1当接面561にシュラウドピース3の第2当接面562を突き当てる。これにより、図6に示すように、第1流路形成部51と第2流路形成部52との間に環状の空間50として冷媒流路5が形成される。これとともに、スクロールピース2の第1還流室形成部61とシュラウドピース3の第2還流室形成部62との間に還流室60が形成され、還流室60と連通部63及び吹出部64とが連通して還流部6が形成される。なお、図1に示すように、スクロールピース2における第1流路形成部51とシュラウドピース3における第2還流室形成部62との間には若干の隙間Cが存在して互いに当接しないように構成されている。これにより、第1当接面561と第2当接面562とが確実に当接するように構成されている。
そして、スクロールピース2にシュラウドピース3が圧入されることにより、スクロールピース2の第1被圧入部53aにシュラウドピース3の第1圧入部53bが圧入されて内周シール部53が形成されるとともに、スクロールピース2の第2被圧入部54aにシュラウドピース3の第2圧入部54bが圧入されて外周シール部54が形成される。これにより、冷媒流路5において、第1流路形成部51と第2流路形成部52との間がシールされる。そして、本例ではシュラウド面21を機械加工して成形精度を確保する。これらにより、図1に示すターボチャージャ用コンプレッサハウジング1が製造される。
そして、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1では、図1、図2に示す冷媒流路5に連通する冷媒供給部58及び冷媒排出部59に図示しない冷媒導入管及び冷媒排出管を接続して、これらを介して冷媒を冷媒流路5に流通させることにより、ディフューザ面34を冷却することができる。
なお、成形工程S1の後、第1被圧入部53a又は第1圧入部53bにシール材を塗布した後、組付工程S2を行うことにより、内周シール部53にシール材が介在するようにしてもよい。同様に、成形工程S1の後、第2被圧入部54a又は第2圧入部54bにシール材を塗布した後、組付工程S2を行うことにより、外周シール部54にシール材が介在するようにしてもよい。
次に、本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の作用効果について詳述する。
本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1によれば、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は分割形成されているとともに、冷媒流路5はスクロールピース2及びシュラウドピース3における互いの対向部にそれぞれ形成された第1流路形成部51と第2流路形成部52とによって形成されている。そして、冷媒流路5の内周側及び外周側は内周シール部53及び外周シール部54によりシールされている。そして、内周シール部53はシュラウドピース3の第1圧入部53bがスクロールピース2の第1被圧入部53aに圧入されてなり、外周シール部54はシュラウドピース3の第2圧入部54bがスクロールピース2の第2被圧入部54aに圧入されてなる。また、還流部6における還流室60は、スクロールピース2及びシュラウドピース3における互いの対向部にそれぞれ形成された第1還流室形成部61と第2還流室形成部62とにより区画された空間からなる。これらにより、シュラウドピース3をスクロールピース2に圧入して組み付けるだけで、還流部6を形成しつつ冷媒流路5の内周側及び外周側をシールすることができ、第1流路形成部51と第2流路形成部52との間にOリングを挟み込んだりする必要がなく、組み付け作業性がよい。また、Oリングも不要となるため、部品点数の削減も図れる。そして、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は冷媒流路5を備えることにより、ディフューザ通路15におけるデポジットの堆積が抑制されてエンジンの高回転側で高過給化を図ることができ、エンジンの最高出力の向上を図ることができる。
さらに、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は、シュラウド部20に到達した吸気の一部をコンプレッサインペラ13の上流側に戻すことができる還流部6を備える。還流部6は、いわゆるケーシングトリートメントを構成しており、より高過給化に対応してコンプレッサインペラ13を大流量化しても、低空気流量側の作動範囲を維持することができ、低速トルクの低下を防ぐことができる。すなわち、本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1によれば、還流部6による低空気流量側の作動範囲の維持に基づく低速トルクの維持と、冷媒流路5による高過給化に基づく最高出力の向上との両立を図ることができる。
さらに、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は分割形成されて、スクロールピース2とシュラウドピース3とを有し、スクロール室12は少なくとも両ピースを互いに組み付けて形成されている。これにより、スクロール室12の断面形状を円形状にしつつ、スクロール室形成部120を型抜き可能なアンダーカットのない形状にすることができる。その結果、給気の圧縮効率を向上できるとともに、ダイカストにより容易に成形することができる。
また、本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1における冷媒流路5は、従来のターボチャージャ用コンプレッサハウジングにおけるスクロールピースやシュラウドピースの基本構成を大幅には変える必要がないため、従来のターボチャージャ用コンプレッサハウジングに適用しやすくなっている。
また、本例では、スクロールピース2は、冷媒流路5に連通して冷媒流路5に冷媒を供給する貫通孔からなる冷媒供給部58と、冷媒流路5に連通して冷媒流路5から冷媒を排出する貫通孔からなる冷媒排出部59とを有する。これにより、冷媒供給部58及び冷媒排出部59を容易に形成することができるとともに、冷媒を冷媒流路5に確実に流通させることができる。
また、本例では、内周シール部53及び外周シール部54の少なくとも一方において、スクロールピース2とシュラウドピース3との間には両者の間をシールするシール材が介在するようにできる。これより、内周シール部53及び外周シール部54の少なくとも一方において、シール性を高めて、冷媒流路5からの冷媒漏れを防止して信頼性を向上させることができる。
また、本例では、スクロールピース2及びシュラウドピース3は、軸方向Yに対向して互いに接して圧入時の位置決めをする当接部56を有する。これにより、当接部56によってスクロールピース2及びシュラウドピース3の圧入方向となる軸方向Yの位置決めがなされるため、スクロールピース2とシュラウドピース3との組み付け精度を向上することができる。
本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の製造方法においては、ダイカストによりスクロールピース2及びシュラウドピース3を成形し、機械加工によりスクロールピース2に第1被圧入部53a及び第2被圧入部54aを成形するとともにシュラウドピース3に第1圧入部53b、第2圧入部54b及び連通部63を成形する成形工程S1と、第1被圧入部53aに第1圧入部53bを圧入して内周シール部53を形成するとともに、第2被圧入部54aに第2圧入部54bを圧入して外周シール部54を形成することにより、環状の空間50からなる冷媒流路5及び還流部6を形成して、スクロールピース2にシュラウドピース3を組み付ける組み付け工程S2とを含む。これにより、上述のように、成形工程S1においてダイカストによりスクロールピース2及びシュラウドピース3を成形し、機械加工によりスクロールピース2に第1被圧入部53a及び第2被圧入部54aを成形するとともにシュラウドピース3に第1圧入部53b、第2圧入部54b及び連通部63を成形した後、組み付け工程S2において、シュラウドピース3をスクロールピース2に圧入して組み付けるだけで、還流部6を形成しつつ冷媒流路5の内周側及び外周側をシールすることができるため、第1流路形成部51と第2流路形成部52との間にOリングを挟み込んだりする必要がなく、組み付け作業性がよい。また、Oリングも不要となるため、部品点数の削減も図れる。
なお、本例では、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は、スクロールピース2及びシュラウドピース3からなる2ピース構造としたが、図8に示す変形例1のように、スクロールピース2、シュラウドピース3及び外周環状ピース4からなる3ピース構造としてもよい。外周環状ピース4は環状を成しており、第3スクロール室形成部123と、外周環状ピース挿入部410とを有する。外周環状ピース挿入部410は外周部125に圧入されて、圧入部42が形成されている。なお、当該変形例1において、実施例1と同等の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
変形例1のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の製造方法を以下に説明する。まず、図9に示すように、成形工程S1において、実施例1と同様にスクロールピース2をダイカスト成形する。さらに、実施例1におけるシュラウドピース3の外周部と、外周環状ピース4の外形を有する外周環状ピース4の内周部とが連結部4aを介して連結され一体となった一体ピース3aをダイカスト成形する。そして、機械加工によりスクロールピース2に第1被圧入部53a及び第2被圧入部54aを成形し、シュラウドピース3に第1圧入部53b、第2圧入部54b及び連通部63を成形する。その後、組み付け工程S2において、矢印Pの方向に一体ピース3aをスクロールピース2の内側に圧入する。そして、図10に示す連結部4aを切削して、シュラウドピース3と外周環状ピース4とがスクロールピース2に圧入された状態で両者を分離する。これにより、当該変形例1のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1が作製される。
当該変形例1のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1においても実施例1と同等の作用効果を奏する。そして、外周環状ピース4が圧入されてなる圧入部42の締め代は、内周シール部53及び外周シール部54の締め代よりも小さいことが好ましい。この場合には、一体ピース3aをスクロールピース2へ圧入する作業を容易に行うことができる。また、シュラウドピース3の圧入部(内周シール部53及び外周シール部54)と外周環状ピース4の圧入部42との同軸ずれを吸収することができる。
また、変形例1のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1では、図8、図10に示すように、組み付け工程S2において、一体ピース3aにおける外周環状ピース4となる部分をスクロールピース2に対して軸方向に当接させることなく隙間Bを形成している。そのため、一体ピース3aの圧入時に、第1当接面561を第2当接面562に当接させることができる。これにより、一体ピース3aの軸方向圧入位置をより一層精度良く決めることができる。すなわち、最終的なシュラウドピース3の軸方向の位置決めをより一層精度良く行うことができる。なお、組み付け工程S2の後、一体ピース3aから分離した外周環状ピース4をスクロールピース2に対して軸方向に当接するまで再圧入することにより、外周環状ピース4の軸方向の位置決めを精度良く行うこともできる。
なお、実施例1では、冷媒流路5をダイカストで形成したが、これに替えて、図11に示す変形例2のように、成形工程S1において、ダイカスト成形で第2流路形成部52を所定深さで形成した後、Y2側に凹んだ凹状に形成された第2壁面521の底部、すなわち、第2壁面521における最もY2側に位置する部分である切削部位52aを切削して、図12に示すように、第2流路形成部52をより深い凹状に成形するようにしてもよい。当該変形例2では、図11に示すようにダイカスト成形の際にディフューザ部30の肉厚をある程度確保することができるため、成形性の向上を図ることができる。さらに、図12に示すように、冷媒流路5をディフューザ面34に近い位置に形成することができるため、ディフューザ面34の冷却効果を向上して、デポジットの付着を一層防止することができる。なお、本例でも、実施例1の場合と同等の作用効果を奏する。また、当該変形例2においても、上述の変形例1のように3ピース構造とすることができる。
本発明は上記実施例及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施例及び変形例に適用することが可能である。
1 ターボチャージャ用コンプレッサハウジング
2 スクロールピース
20 シュラウド部
21 シュラウド面
3 シュラウドピース
30 ディフューザ部
5 冷媒流路
51 第1流路形成部
sh 第2流路形成部
53 内周シール部
53a 第1被圧入部
53b 第1圧入部
54 外周シール部
54a 第2被圧入部
54b 第2圧入部
56 当接部
6 還流部
60 還流室
61 第1還流室形成部
62 第2還流室形成部
63 連通部
64 吹出部

Claims (3)

  1. コンプレッサインペラが収容されるターボチャージャ用コンプレッサハウジングであって、
    上記コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口を形成する吸気口形成部と、
    上記コンプレッサインペラを周方向に囲むとともに該コンプレッサインペラに対向するシュラウド面を有するシュラウド部と、
    上記コンプレッサインペラの外周側において周方向に形成され、上記コンプレッサインペラから吐出される圧縮空気を通過させるディフューザ通路を形成するディフューザ部と、
    上記ディフューザ通路を通過した圧縮空気を外部へ導くスクロール室を形成するスクロール室形成部と、
    上記ディフューザ部に沿って周方向に形成されるとともに、上記ディフューザ部を冷却する冷媒を流通させる冷媒流路と、
    上記吸気口から吸い込まれて上記シュラウド部に到達した吸気の一部を上記コンプレッサインペラの上流に戻すように構成された還流部と、
    を有し、
    上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングは、少なくとも上記吸気口形成部の一部及び少なくとも上記スクロール室形成部の一部を有するスクロールピースと、少なくとも上記スクロール室形成部の一部、上記ディフューザ部及び上記シュラウド部を有するとともに上記スクロールピースの内側に軸方向に圧入されるシュラウドピースと、に分割されてなり、
    上記冷媒流路は、上記スクロールピース及び上記シュラウドピースにおける互いの対向部にそれぞれ形成された第1流路形成部と第2流路形成部とにより区画された環状の空間として形成され、
    上記第1流路形成部と上記第2流路形成部とは、上記冷媒流路の内周側をシールする内周シール部と、上記冷媒流路の外周側をシールする外周シール部とにおいて互いに嵌合しており、
    上記内周シール部は、上記スクロールピースに形成された第1被圧入部に、上記シュラウドピースに形成された第1圧入部が圧入されてなり、
    上記外周シール部は、上記スクロールピースに形成された第2被圧入部に、上記シュラウドピースに形成された第2圧入部が圧入されてなり、
    上記還流部は、上記スクロールピース及び上記シュラウドピースにおける互いの対向部にそれぞれ形成された第1還流室形成部と第2還流室形成部とにより区画された空間である還流室と、上記シュラウド面に開口して上記還流室に連通する連通部と、上記シュラウドピース又は上記シュラウドピースにおける上記コンプレッサインペラよりも上流の位置に開口して上記還流室に連通する吹出部とを有する、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング。
  2. 上記スクロールピース及び上記シュラウドピースは、軸方向に対向して互いに接することにより上記圧入時の位置決めをする当接部を有する、請求項1に記載のターボチャージャ用コンプレッサハウジング。
  3. 上記請求項1又は2に記載のターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法であって、
    ダイカストにより上記スクロールピース及び上記シュラウドピースを成形し、機械加工により上記スクロールピースに上記第1被圧入部及び上記第2被圧入部を成形するとともに上記シュラウドピースに上記第1圧入部、上記第2圧入部及び上記連通部を成形する成形工程と、
    上記第1被圧入部に上記第1圧入部を圧入して上記内周シール部を形成するとともに、上記第2被圧入部に上記第2圧入部を圧入して上記外周シール部を形成することにより、上記冷媒流路及び上記還流部を形成して、上記スクロールピースに上記シュラウドピースを組み付ける組み付け工程と、
    を含む、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの製造方法。
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