JP2020159237A - ターボチャージャ用コンプレッサハウジング - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイカストにより容易に成形可能であって、体格の小型化が可能な、冷媒流路を有するターボチャージャ用コンプレッサハウジングを提供する。【解決手段】ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1はディフューザ部30と冷媒流路5を有し、スクロールピース2とシュラウドピース3とを含む複数のピースに分割されてなる。ディフューザ部30は、コンプレッサインペラ13の外周からスクロール室12に向けて延びるとともにコンプレッサインペラ13から吐出される空気を通過させて圧縮するディフューザ通路15を形成している。冷媒流路5はディフューザ通路15を通過する圧縮空気を冷却する冷媒を流通させる。シュラウドピース3はディフューザ部30に溝部55を有し、冷媒流路5は溝部55に配設された中空部材50からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングに関する。
自動車等の内燃機関に搭載されるターボチャージャは、コンプレッサインペラとタービンインペラとを有し、これらがハウジングに収容されている。コンプレッサインペラはハウジングの内部に形成された空気流路に配されている。空気流路には、コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口と、コンプレッサインペラから吐出された空気が通過し、圧縮されるディフューザ通路と、ディフューザ通路を通過した圧縮空気が流れ込む吐出スクロール室とを有する。吐出スクロール室は圧縮空気を内燃機関側へ吐出する
そして、自動車等の内燃機関には、クランクケース内に発生したブローバイガスを吸気通路に還流させ、クランクケース内やヘッドカバー内を浄化させるブローバイガス還流装置(以下、PCVという)を備えたものがある。この場合、ブローバイガスに含まれるオイル(オイルミスト)がPCVからターボチャージャにおけるコンプレッサの上流側の吸気通路に流出することがある。
このとき、コンプレッサの出口空気圧力が高いとその空気温度も高くなるため、PCVから流出したオイルが蒸発を起因とする濃縮・高粘度化によってコンプレッサハウジングのディフューザ面やそれに対向する軸受ハウジングの表面等にデポジットとなって堆積することがある。そして、堆積したデポジットによってディフューザ通路が狭められ、ターボチャージャの性能低下を招き、さらには内燃機関の出力低下を招くおそれがある。
従来は、上述したようなディフューザ通路におけるデポジットの堆積を防止するため、コンプレッサの出口空気圧力をある程度抑制していた。そのため、ターボチャージャの性能を充分に発揮することができず、また内燃機関の出力を充分に高めることができなかった。
また、特許文献1に開示の構成では、コンプレッサハウジングを鋳造成形する際にディフューザ通路の周辺に中空部材を鋳込んで、ディフューザ通路の周辺に冷媒が流通される冷媒流路を設けている。これにより、冷媒流路を流通する冷媒によってディフューザ通路を通過する圧縮空気を冷却して、オイルの蒸発に起因する濃縮・高粘度化を抑制し、ディフューザ通路におけるデポジットの堆積を防止している。
特開2018−123813号公報
しかしながら、コンプレッサハウジングをダイカスト成形する場合には鋳造圧が高いため、特許文献1に開示の構成では鋳造時に中空部材を保持することが困難となる。また、冷媒流路による圧縮空気の冷却効果を高めるために中空部材として熱伝導率の高い薄肉のパイプを使用することが考えられるが、鋳造時は高温となるため、高温耐性に劣る薄肉のパイプが溶けたりして破損する恐れがある。特に熱伝導率の高い銅製パイプの場合には破損がより懸念されることとなる。
一方、冷媒流路を中空部材で形成することに替えて、コンプレッサハウジングを複数のピースで分割形成し、ピース同士の間に冷媒流路となる空間部が形成されるように、ピース同士を圧入組み付けすることが考えられる。しかしながら、かかる構成では、冷媒流路のシール性を確保するために圧入部を肉厚にすることが必要となることから、コンプレッサハウジングの体格が大型化して搭載性が低下する。
また、砂中子を用いた重力鋳造によりコンプレッサハウジングに冷媒流路を直接形成することも考えられる。この場合には、形状自由度が高く、複雑な形状にも対応できるが、鋳造サイクルが長く、砂中子を除去するための砂落とし作業や砂残りの検査作業が必要となるため、製造工数が増加して生産性が低下する。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、ダイカストにより容易に成形可能であって、体格の小型化が可能な、冷媒流路を有するターボチャージャ用コンプレッサハウジングを提供しようとするものである。
本発明の一の形態は、コンプレッサインペラが収容されるターボチャージャ用コンプレッサハウジングであって、
上記コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口を形成する吸気口形成部と、
上記コンプレッサインペラを周方向に囲むとともに該コンプレッサインペラに対向するシュラウド面を有するシュラウド部と、
上記コンプレッサインペラの外周側において周方向に形成され、上記コンプレッサインペラから吐出される空気を通過させて圧縮するディフューザ通路を形成するディフューザ部と、
上記ディフューザ通路を通過した圧縮空気を外部へ導くスクロール室を形成するスクロール室形成部と、
上記ディフューザ部に沿って周方向に形成されるとともに、上記ディフューザ通路を通過する圧縮空気を冷却する冷媒を流通させる冷媒流路と、
を有し、
上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングは、少なくとも上記スクロール室形成部の一部を有するスクロールピースと、少なくとも上記吸気口形成部の一部、少なくとも上記スクロール室形成部の一部、上記ディフューザ部及び上記シュラウド部を有するとともに上記スクロールピースに組み付けられるシュラウドピースとを含む複数のピースに分割されてなり、
上記シュラウドピースは、上記ディフューザ部に溝部を有し、
上記冷媒流路は、上記溝部に配設された中空部材からなる、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングにある。
上記一形態のターボチャージャ用コンプレッサハウジングによれば、分割形成されたシュラウドピースに設けられた溝部に中空部材を配置して冷媒流路を形成している。これにより、鋳造時に中空部材を必要としないことから、ダイカスト成形する場合に鋳造時における中空部材の保持性を考慮しないで済む。そのため、鋳造時に中空部材を鋳込む場合に比べてダイカスト成形が容易となる。また、鋳造時に中空部材を必要としないことから、中空部材が高温の鋳造熱に曝されないため、中空部材として高温耐性に劣るが熱伝導率の高い薄肉のパイプを使用することができる。かかる中空部材を使用することにより、冷媒流路による圧縮空気の冷却効果を高めて、デポジットの堆積を防止することができる。また、容易にダイカスト成形が可能なため、砂中子を用いた重力鋳造で成形する場合に比べて、砂落とし作業や砂残りの検査作業が不要となり、製造工数を削減して生産性を向上できる。
また、冷媒流路は中空部材によってそのシール性が確保されているため、分割ピース同士を圧入組み付けする場合に冷媒流路のシール性を考慮して圧入部を肉厚にする必要がない。これにより、コンプレッサハウジングの体格が小型化して搭載性を向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、ダイカストにより容易に成形可能であって、体格の小型化が可能な、冷媒流路を有するターボチャージャ用コンプレッサハウジングを提供することができる。
実施例1における、ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの断面図。 実施例1における、スクロールピースの斜視図。 実施例1におけるシュラウドピースの斜視図。 実施例1における中空部材の斜視図。 実施例1におけるシュラウドピースの上面図。 図5における、VI-VI線位置での断面一部拡大図。 実施例1におけるターボチャージャ用コンプレッサハウジングの組立工程を説明する断面概念図。 実施例1におけるターボチャージャ用コンプレッサハウジングの組立工程を説明する他の断面概念図。 実施例1におけるターボチャージャ用コンプレッサハウジングの組立工程を説明する他の断面概念図。
本明細書において「周方向」とはコンプレッサインペラの回転方向をいうものとし、「軸方向」とはコンプレッサインペラの回転軸の方向をいうものとし、「径方向」とはコンプレッサインペラの径方向をいうものとする。
上記溝部は吸気口側に開口するように形成されていることが好ましい。この場合は、溝部を有するシュラウドピースをアンダーカットのない型抜き可能な形状とすることができ、ダイカスト成形が容易になる。また、溝部を有するシュラウドピースをダイカスト成形で成形することにより、溝部を形成するための機械加工が不要となるため、製造作業の効率を向上することができる。
上記中空部材は、上記溝部に圧入された状態で配設されていることが好ましい。この場合、中空部材と溝部の壁面とが密着されるため、両者間の熱伝導性を高めて冷媒流路による冷却効果を高めることができる。
上記中空部材と上記溝部の壁面との間には、両者を接合する接着剤が介在していることが好ましい。この場合は、中空部材と溝部の壁面との間に空気層が介在することを防止して、中空部材と溝部の壁面と間の熱伝導性を高めて冷媒流路による冷却効果を高めることができる。
上記中空部材は、冷媒の導入又は導出のための冷媒導入出部を有し、該冷媒導入出部は、上記吸気口側に向けて突出して上記スクロールピースに設けられた貫通孔を貫通して上記スクロールピースの外側で開口していることとすることができる。この場合は、冷媒導入出部の突出方向をスクロールピースとシュラウドピースとの組付け方向と一致させることできる。これにより、冷媒導入出部をスクロールピースの貫通孔に挿通させつつ両ピースを組付けることができ、組付け作業性の向上を図ることができる。また、径方向に大型化することを抑制でき、搭載性を向上させることができる。
(実施例1)
以下、上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングの実施例について説明する。
図1に示すように、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1には、コンプレッサインペラ13が収容され、吸気口形成部10、スクロール室形成部120、シュラウド部20、ディフューザ部30及び冷媒流路5が備えられる。
吸気口形成部10は、コンプレッサインペラ13に向けて空気を吸い込む吸気口11を形成している。
スクロール室形成部120は、コンプレッサインペラ13の外周側において周方向に形成され、コンプレッサインペラ13から吐出される圧縮空気を外部へ導くスクロール室12を形成している。
シュラウド部20は、コンプレッサインペラ13を周方向に囲むとともにコンプレッサインペラ13に対向するシュラウド面23を有する。
ディフューザ部30は、コンプレッサインペラ13の外周からスクロール室12に向けて延びるとともにコンプレッサインペラ13から吐出される空気を通過させて圧縮するディフューザ通路15を形成している。
冷媒流路5は、ディフューザ部30に沿って周方向に形成されるとともに、ディフューザ通路15を通過する圧縮空気を冷却する冷媒を流通させる。
図4に示すように、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は、スクロールピース2とシュラウドピース3とを含む複数のピースに分割されてなり、スクロールピース2は少なくともスクロール室形成部120の一部を有する。シュラウドピース3は、少なくとも吸気口形成部10の一部、少なくともスクロール室形成部120の一部、ディフューザ部30及びシュラウド部20を有するとともに、スクロールピース2の内側に軸方向Yに組み付けられる。そして、シュラウドピース3はディフューザ部30に溝部55を有し、冷媒流路5は溝部55に配設された中空部材50からなる。
以下、本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1について、詳述する。
図1に示すように、本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は、互いに別部材であるスクロールピース2、シュラウドピース3及び外周環状ピース4とからなる。そして、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1は、コンプレッサインペラ13が一端に取り付けられたシャフト14を軸受けする軸受機構(図示せず)が収納された軸受ハウジングのシールプレートに取り付けられる。
スクロールピース2は、図1に示すように、吸気口形成部10、第1スクロール室形成部121、外周部125を有する。吸気口形成部10は筒状をなすとともに軸方向Yに貫通形成されて吸気口11を形成している。第1スクロール室形成部121は、スクロール室12における吸気口側Y1の壁面を構成している。外周部125は、第1スクロール室形成部121の吸気口側Y1と反対側Y2の部分であって、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の外周部を形成している。スクロールピース2において、第1スクロール室形成部121の径方向Xの内側には、シュラウドピース3に対向した面である第1当接部16が設けられている。第1当接部16はコンプレッサインペラ13の回転軸14aを中心に全体として緩やかな螺旋状に傾斜した面であるとともに図1に示す断面では直線状をなしており、後述のシュラウドピース3の第2当接部26に当接している。なお、図2に示すように、スクロールピース2の吸気口11の径方向Xの外側には、図3に示すシュラウドピース3から突出した冷媒導入出部57、58に対応する位置に、貫通孔21、22が形成されている。
シュラウドピース3は、図1に示すように、シュラウド圧入部31、第2スクロール室形成部122、シュラウド部20及び第1ディフューザ部35を有する。シュラウド圧入部31は筒状に形成され、吸気口11内に圧入される。第2スクロール室形成部122は、スクロール室12における内周側の壁面を形成している。シュラウド圧入部31における径方向Xの外側には、スクロールピース2に対向した面である第2当接部26が設けられている。第2当接部26もスクロールピース2の第1当接部16と同様に、コンプレッサインペラ13の回転軸14aを中心に全体として緩やかな螺旋状に傾斜した面であるとともに図1に示す断面では直線状をなしている。そして、シュラウド部20は、コンプレッサインペラ13に対向するシュラウド面23を形成している。第1ディフューザ部35はシュラウド面23からスクロール室12に向かって延びるディフューザ面34を形成している。本例では、ディフューザ面34は径方向Xに広がる平坦面となっている。第1ディフューザ部35は、軸受ハウジングのシールプレートに形成された第2ディフューザ部36とともにディフューザ部30を形成している。第2ディフューザ部36は、第1ディフューザ部35のディフューザ面34と所定距離をおいて対向する対向面37を有する。そして、ディフューザ面34と対向面37との間の空間がディフューザ通路15となっている。
図1、3に示すように、シュラウドピース3は溝部55を有する。溝部55は、第1ディフューザ部35の内部に位置している。本例では、溝部55はディフューザ面34に沿って周方向に延びているとともに、軸方向Yから見たときにディフューザ面34と重なる範囲内に位置している。そして、本例では、溝部55は吸気口側に開口している。溝部55は、シュラウドピース3のダイカスト成形時に同時に形成してもよいし、シュラウドピース3のダイカスト成形後に機械加工によって形成してもよい。溝部55をダイカスト成形で形成する場合、溝部55の形状はアンダーカットの生じない型抜き可能な形状であることが好ましい。本例では、溝部55は全周に亘って形成され、その径方向断面における溝部55の壁面は吸気口側に開口したU字状となっており、アンダーカットが生じないものとなっている。溝部55の深さは特に限定されないが、溝部55をダイカスト成形で形成する場合はダイカスト成形に適合する範囲内とする。
図1に示すように、溝部55には中空部材50が配置されている。中空部材50は管状をなしており、その内腔が冷媒流路5となっている。中空部材50は、耐腐食性を有する金属製とすることができ、比較的熱伝導率の高い材質であることが好ましい。中でも熱伝導率に優れた銅製であることが好ましい。中空部材50はパイプ状のものとすることができる。パイプの肉厚は限定されないが、銅製のパイプを使用する場合は0.5mm程度の薄肉とすることが好ましい。図3、図4、図5に示すように、中空部材50は溝部55に沿って環状に成形されている。中空部材50の両端部は、吸気口側Y1に屈曲して冷媒導入出部57、58を形成している。なお、本願図面では、中空部材50は、図示しやすいように便宜的に肉厚を厚く示したが、実際には図面で示されるよりも薄い。
図6に示すように、中空部材50と溝部55の壁面との間には、接着材56が介在している。接着材56は放熱作用を有することが好ましく、本例では、接着材56としてシリコン樹脂からなる放熱用接着剤を使用している。
図1に示すように、外周環状ピース4は、第3スクロール室形成部123と、外周環状ピース圧入部41とを有する。第3スクロール室形成部123は、スクロール室12における外周側の壁面を構成している。外周環状ピース圧入部41は、外周部125の内側に挿入されている。
次に、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の製造方法について説明する。
まず、成形工程では、図2に示すスクロールピース2と、図7に示すシュラウドピース前駆体3aをダイカストにより作製する。シュラウドピース前駆体3aは、シュラウドピース3と外周環状ピース4とが連結部4aにより連結された状態のものである。そして、本例では、図2に示すスクロールピース2における貫通孔21、22と、図7に示すシュラウドピース前駆体3aにおける溝部55とは、各ピースのダイカスト成形後に機械加工によって形成する。
次に、中空部材取付工程では、図4に示すように、予め環状に屈曲させて両端部を吸気口側Y1に屈曲させた中空部材50を用意する。また、図7に示すように、シュラウドピース前駆体3aの溝部55の底部の壁面に接着材56を塗布する。その後、矢印Pで示すように、中空部材50を溝部55に軸方向Yに圧入する。
次に、組付工程では、図8に示すように、冷媒導入出部58(57)がスクロール2の貫通孔22(21)に挿通されるように位相を合わせた状態で、矢印Qで示す方向にシュラウドピース前駆体3aのシュラウド圧入部31をスクロールピース2の吸気口形成部10の内側に圧入するとともに外周環状ピース圧入部41を外周部125の内側に圧入する。これにより、図9に示すように、中空部材50が取り付けられたシュラウドピース前駆体3aが、スクロールピース2に組み付けられる。なお、第1スクロール室形成部121と第3スクロール室形成部123との間には、若干の隙間Cが存在して互いに当接しないように構成されている。これにより、第1当接部16と第2当接部26とが確実に当接することとなる。
その後、切り離し工程として、図9に示すシュラウドピース前駆体3aの連結部4aを機械加工により取り除いて、図1に示すようにシュラウドピース3と外周環状ピース4とを互いに切り離す。これにより、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1が完成する。そして、中空部材50は、冷媒導入出部57、58に冷媒を導入出させて内部に冷媒を循環させることが可能な冷媒流路5を構成している。
次に、本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1における作用効果について、詳述する。
本例のターボチャージャ用コンプレッサハウジング1では、分割形成されたシュラウドピース3に設けられた溝部55に中空部材50を配置して冷媒流路5を形成している。これにより、鋳造時に中空部材50を鋳込まないことから、ダイカスト成形する場合に鋳造時における中空部材50の保持性を考慮しないで済む。そのため、鋳造時に中空部材50を鋳込む場合に比べてダイカスト成形が容易となる。また、鋳造時に中空部材50を鋳込まないことから中空部材50が高温の鋳造熱に曝されないため、中空部材として高温耐性に劣るが熱伝導率の高い薄肉のパイプを使用することができる。かかる中空部材50を使用することにより、冷媒流路5による圧縮空気の冷却効果を高めて、デポジットの堆積を防止することができる。また、容易にダイカスト成形が可能なため、砂中子を用いた重力鋳造で成形する場合に比べて、砂落とし作業や砂残りの検査作業が不要となり、製造工数を削減して生産性を向上できる。
また、冷媒流路5は中空部材50によってそのシール性が確保されているため、分割ピース同士を圧入組み付けする場合に冷媒流路5のシール性を考慮して圧入部を肉厚にする必要がない。これにより、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1の体格が小型化して搭載性を向上させることができる。
また、本例では、中空部材50は、溝部55に圧入された状態で配設されている。これにより、中空部材50と溝部55の壁面とが密着されるため、両者間の熱伝導性を高めて冷媒流路5による冷却効果を高めることができる。
また、本例では、中空部材50と溝部55の壁面との間には、両者を接合する接着材56が介在している。これにより、中空部材50と溝部55の壁面との間に空気層が介在することを防止して、中空部材50と溝部55の壁面と間の熱伝導性を高めて冷媒流路5による冷却効果を高めることができる。
また、本例では、中空部材50は、冷媒の導入又は導出のための冷媒導入出部57、58を有し、冷媒導入出部57、58は、吸気口側Y1に向けて突出してスクロールピース2に設けられた貫通孔21、22を貫通してスクロールピース2の外側で開口している。これにより、冷媒導入出部57、58の突出方向をスクロールピース2とシュラウドピース3との組付け方向と一致させることできる。そのため、冷媒導入出部57、58をスクロールピース2の貫通孔21、22に挿通させつつ両ピース2、3を互いに組付けることができ、組付け作業性の向上を図ることができる。また、径方向Xに大型化することを抑制でき、搭載性を向上させることができる。
なお、本例では、吸気口側Y1に開口するように形成された溝部55は、ダイカスト成形後の機械加工により形成することとしたが、これに替えて、ダイカスト成形時に形成することとしてもよい。溝部55は吸気口側Y1に開口するため、溝部55を有するシュラウドピース3をアンダーカットのない型抜き可能な形状とすることができ、溝部55を有するシュラウドピース3のダイカスト成形が容易になる。また、溝部55を有するシュラウドピース3をダイカスト成形で成形することにより、溝部55を形成するための機械加工が不要となるため、製造作業の効率を向上することができる。
本例では、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1を3つのピースに分割形成したが、これに限らず、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング1を、スクロールピース2とシュラウドピース3との2つのピースに分割するとともに、外周環状ピース4に相当する構成を、軸受機構のシールプレートに組み込んでもよい。この場合も本例と同等の作用効果を奏する。
本例では、中空部材50として、断面形状が円環状のパイプを使用したが、これに替えて、断面形状を径方向Xが軸方向Yよりも長い楕円環状のパイプを使用してもよい。この場合は、中空部材50のディフューザ通路15側の面を広く確保してディフューザ通路15側において中空部材50と溝部55の底部との接触面積を広くすることができるため、冷媒流路5による冷却効果を一層高まる。
以上のように、本例によれば、ダイカストにより容易に成形可能であって、体格の小型化が可能な、冷媒流路5を有するターボチャージャ用コンプレッサハウジング1を提供することができる。
本発明は上記実施例及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施例及び変形例に適用することが可能である。
1 ターボチャージャ用コンプレッサハウジング
2 スクロールピース
3 シュラウドピース
5 冷媒流路
50 中空部材
55 溝部
10 吸気口形成部
11 吸気口
13 コンプレッサインペラ
15 ディフューザ通路
20 シュラウド部
23 シュラウド面
30 ディフューザ部

Claims (5)

  1. コンプレッサインペラが収容されるターボチャージャ用コンプレッサハウジングであって、
    上記コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口を形成する吸気口形成部と、
    上記コンプレッサインペラを周方向に囲むとともに該コンプレッサインペラに対向するシュラウド面を有するシュラウド部と、
    上記コンプレッサインペラの外周側において周方向に形成され、上記コンプレッサインペラから吐出される空気を通過させて圧縮するディフューザ通路を形成するディフューザ部と、
    上記ディフューザ通路を通過した圧縮空気を外部へ導くスクロール室を形成するスクロール室形成部と、
    上記ディフューザ部に沿って周方向に形成されるとともに、上記ディフューザ通路を通過する圧縮空気を冷却する冷媒を流通させる冷媒流路と、
    を有し、
    上記ターボチャージャ用コンプレッサハウジングは、少なくとも上記スクロール室形成部の一部を有するスクロールピースと、少なくとも上記吸気口形成部の一部、少なくとも上記スクロール室形成部の一部、上記ディフューザ部及び上記シュラウド部を有するとともに上記スクロールピースに組み付けられるシュラウドピースとを含む複数のピースに分割されてなり、
    上記シュラウドピースは、上記ディフューザ部に溝部を有し、
    上記冷媒流路は、上記溝部に配設された中空部材からなる、ターボチャージャ用コンプレッサハウジング。
  2. 上記溝部は吸気口側に開口するように形成されている、請求項1に記載のターボチャージャ用コンプレッサハウジング。
  3. 上記中空部材は、上記溝部に圧入された状態で配設されている、請求項1又は2に記載のターボチャージャ用コンプレッサハウジング。
  4. 上記中空部材と上記溝部の壁面との間には、両者を接合する接着剤が介在している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボチャージャ用コンプレッサハウジング。
  5. 上記中空部材は、冷媒の導入又は導出のための冷媒導入出部を有し、該冷媒導入出部は、上記吸気口側に向けて突出して上記スクロールピースに設けられた貫通孔を貫通して上記スクロールピースの外側で開口している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のターボチャージャ用コンプレッサハウジング。
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