JP2020130505A - 温熱具 - Google Patents

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滋美 土屋
Shigemi Tsuchiya
滋美 土屋
洸了 三好
Koryo Miyoshi
洸了 三好
岡本 拓也
Takuya Okamoto
拓也 岡本
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Abstract

【課題】簡便な方法で、異物排除、なかでも黄色ブドウ球菌を排除できる温熱具を提供する。【解決手段】温熱具100は、使用者の口と鼻とを覆う本体部101と、本体部101に備えられた水蒸気発生体120と、を有し、香料組成物により賦香され、水蒸気発生体120の水蒸気発生開始から10分間に放出される累積水蒸気発生量が、500mg以上、1500mg以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、温熱具に関する。
口及び鼻に温熱蒸気を供給することで、鼻腔内の粘膜繊毛輸送が活発になり、異物を体外に排除する作用が得られることが知られている。例えば、特許文献1には、蒸気感、リラックス感及び鼻等の乾燥感を改善する観点から、水蒸気発生量とマスクと使用者との間に形成される空間の容積の関係に着目し、両者が特定の数値範囲を満たすことを条件とした温熱蒸気マスクが開示されている。
一方、粘膜繊毛輸送を活性化させる香気成分として、例えば、特許文献2に開示されるものが知られている。特許文献2には、2−トリデセン−1−オール、テトラハイドロゲラニオール、デュピカル、イソシクレモン、シトラールジメチルアセタール、アセトフェノン、カルボン、ヘキシルシクロペンタノン、メントフラン、ブルボーネン、β−メチル−デカラクトン、ムスコン、イソオイゲノール、γ−ドデカラクトン又はγ−ヘキサデカラクトンからなる気道異物除去剤が開示されている。
特開2017−225813号公報 特開2010−260855号公報
近年、簡便な方法で、より効果的に粘膜繊毛輸送を活性化させることが求められている。特許文献1に開示された技術は、異物排除作用、なかでも黄色ブドウ球菌等の雑菌を排除する点において改善の余地があった。また、特許文献2に開示された技術は、特定の香気成分に着目したものであり、蒸気と香気成分との組み合わせに関し、全く検討されていない。
本発明者は、簡便な方法で、異物排除、なかでも黄色ブドウ球菌を排除するという課題を解決すべく鋭意検討を行うなかで、温熱蒸気と香気成分との組み合わせに初めて着目し、かつ温熱蒸気の発生開始から10分間の累積水蒸気量という指標を特定の範囲に制御することが課題解決に有効であることを見出した。
本発明は、
使用者の口と鼻とを覆う本体部と、
前記本体部に備えられた水蒸気発生体と、
を有し、香料組成物により賦香されている温熱具であって、
前記水蒸気発生体の水蒸気発生開始から10分間に放出される累積水蒸気発生量が、500mg以上、1500mg以下である、温熱具
を提供する。
本発明によれば、簡便な方法で、異物排除、なかでも黄色ブドウ球菌を排除できる温熱具を提供できる。
温熱具の第1の使用例を示す斜視図である。 温熱具の第2の使用例を示す斜視図である。 水蒸気発生体の一例を示す断面図である。 本実施形態の温熱具を模式的に示す斜視図である。 一対の水蒸気発生体の一例を示す断面図である。 水蒸気発生量を測定する装置を示す模式図である。 温熱具の変形例を説明するための本体部の展開図である。 実施例2と比較例2における黄色ブドウ球菌の定量結果を示すグラフ図である。 実施例2における菌叢変化結果を示すグラフ図である。 比較例2における菌叢変化結果を示すグラフ図である。
本実施形態において、シート等の通気度は、以下のようにして計測することができる。
通気度はJIS P8117(2009年改正版)によって測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が6.42cmの面積を通過する時間として定義される。したがって、通気度の数値が大きいことは空気の通過に時間がかかること、即ち通気性が低いことを意味している。逆に、通気度の数値が小さいことは通気性が高いことを意味している。このように、通気度の数値の大小と通気性の高低とは逆の関係を示す。通気度は、王研式通気度計で計測することができる。
なお、本明細書中において、この通気度が30000秒/100ml以上となるものを「難通気」、80000秒/100ml以上となるものを「非通気」であるものとして扱う。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、本明細書中において「〜」は特に断りがなければ以上から以下を表す。また、各実施形態に記載される構成・要素は発明の効果を損なわない限りにおいて適宜組み合わせることもできる。
図1は、温熱具の第1の使用例を示す斜視図である。図2は、温熱具の第2の使用例を示す斜視図である。
温熱具の使用例としては、例えば、図1に示されるように、温熱具100が有する耳掛け部102を、使用者の耳に掛けて使用される場合や、図2に示されるように、鼻と口が覆われるような位置で使用者が温熱具200の本体部102を手で保持して使用される場合等が挙げられる。
温熱具100,温熱具200はそれぞれ本体部101,本体部201の使用者側となる面に、一対の水蒸気発生体120を備える。
まず、水蒸気発生体120について、以下、詳述する。
[水蒸気発生体]
水蒸気発生体120は、空気中の酸素と反応することにより、発熱すると共に水蒸気を発生するものである。これにより、温められた水蒸気を使用者に供給することができる。
図3に示すように、水蒸気発生体120は、第1シート122A、水蒸気発生部121、及び第2シート122Bがこの順に積層した積層構造を有している。また、第1シート122Aは使用者側となるように配置され、第2シート122Bは使用者側とは反対側となるように配置される。
また、第1シート122Aと第2シート122Bの周縁部が接合されることで袋体122が形成され、水蒸気発生部121を内部に収容した水蒸気発生体120が得られる。
[水蒸気発生部]
水蒸気発生部121は種々の形態をとり得る。水蒸気発生部121は、例えば、粉体の混合物、抄造シート等のシート状、又は基材に分散液等を塗布した塗工シートのいずれであってもよい。
水蒸気発生部121は、被酸化性金属、吸水剤、水、電解質、その他必要に応じて反応促進剤等を含む態様が挙げられる。
水蒸気発生部121が空気と接触すると、それに含まれている被酸化性金属の酸化反応が起こり、熱が発生する。この熱によって水蒸気発生部121に含まれている水が加熱されて所定温度の水蒸気となり、袋体122を通じて外部へ放出される。水蒸気は、袋体122のうち通気性部位から外部へ放出される。これにより、簡便な方法で蒸気を得ることができる。
被酸化性金属は、酸化反応熱を発する金属であり、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛等が挙げられる。中でも、取り扱い性、安全性、製造コスト、保存性及び安定性の点から鉄粉が好ましい。鉄粉としては、例えば、還元鉄粉、及びアトマイズ鉄粉から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
被酸化性金属が粉末である場合、酸化反応が効率的に行われるという観点及び塗工性を良好にする観点から、平均粒径が0.1μm以上300μm以下であることが好ましく、10μm以上200μm以下であることがより好ましく、平均粒径が20μm以上150μm以下であることがさらに好ましい。
また、繊維状物等の保水材への定着性、反応のコントロールを良好にする観点から、粒径が0.1〜150μmのものを50質量%以上含有するものを用いることも好ましい。
なお、被酸化性金属の粒径は、粉体の形態における最大長さをいい、篩による分級、動的光散乱法、レーザー回折・散乱法等により測定される。
水蒸気発生部121における被酸化性金属の含有量は、坪量で表して、好ましくは、100g/m以上3000g/m以下であり、より好ましくは、200g/m以上1600g/m以下である。これにより、水蒸気発生体120の発熱温度を所望の温度に上昇させることができる。
ここで、被酸化性金属の含有量は、JIS P8128に準じる灰分試験や、熱重量測定器で求めることができる。他に外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により定量することができる。
吸水剤としては、水の保持が可能なものであればその種類に特に制限はないが、例えば、炭素成分、繊維状物、吸水性ポリマー、及び吸水性の粉体から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。吸水剤は、水蒸気発生部121の形態に応じて適切なものが用いられる。
炭素成分としては、保水能、酸素供給能、及び触媒能を有するものを用いることができ、例えば、活性炭、アセチレンブラック等が挙げられ、このなかでも、活性炭が好ましく、椰子殻炭、木粉炭、及びピート炭から選ばれる1種又は2種以上の微細な粉末状物又は小粒状物がより好ましい。中でも、良好な加温加湿効果を得る観点から、木粉炭がさらに好ましい。
吸水剤は平均粒径が10μm以上200μm以下であることが好ましく、平均粒径が12μm以上100μm以下であることがより好ましい。
なお、吸水剤の平均粒径は、粉体の形態における最大長さをいい、動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。炭素成分は粉体状の形態のものを用いることが好ましいが、粉体状以外の形態のものを用いることもでき、例えば、繊維状の形態のものを用いることもできる。
繊維状物としては、天然又は合成の繊維状物を特に制限無く用いることができる。
天然の繊維状物としては、例えばコットン、カボック、木材パルプ等の植物繊維が挙げられる。また羊毛、やぎ毛等の動物繊維が挙げられる。さらに、石綿等の鉱物繊維が挙げられる。
一方、合成の繊維状物としては、例えばレーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、及びポリウレタン等の合成高分子繊維が挙げられる。さらに金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等を用いることもできる。これらの繊維は単独で又は混合して用いることもできる。これらの中でも、被酸化性金属や反応促進剤との定着性、水蒸気発生部121の柔軟性、酸素透過性、シート形態の維持機能、製造コスト等の点から、木材パルプ、コットン、ポリエチレン繊維、及びポリエステル繊維が好ましく用いられる。また、木材パルプ、コットンは、鉄粉等の固体物を担持、固定化する機能を有している。
吸水性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収・保持できる架橋構造を持つ親水性のポリマー等が挙げられる。
吸水性の粉体としては、バーミキュライト、ケイ酸カルシウム、おがくず、アルミナ、シリカゲル、及びパルプ粉末から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
水蒸気発生部121がシート状である場合には、吸水剤として繊維状物を用いることが好ましい。この理由は、繊維状物が保水材としての機能と、水蒸気発生部121がシート形態を維持する機能とを兼ね備えるからである。その結果、被酸化性金属の偏りが起こりにくくなり、水蒸気発生部121はその発熱温度分布が均一になる。
水蒸気発生部121が粉体からなる混合物である場合には、吸水剤として高吸収性ポリマー、バーミキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質等を用いることが好ましい。
吸水剤の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上であり、より好ましくは1質量部以上であり、さらに好ましくは3質量部以上である。また、吸水剤の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは80質量部以下であり、さらに好ましくは60質量部以下である。
また、吸水剤の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して、0.3質量部以上100質量部以下が好ましく、1質量部以上80質量部以下がより好ましく、3質量部以上60質量部以下がさらに好ましい。こうすることで、得られる水蒸気発生体120中に、酸化反応を持続させるために必要な水分を蓄積できる。また、水蒸気発生部121への酸素供給が十分に得られて発熱効率が高い水蒸気発生体120が得られる。また、得られる発熱量に対する水蒸気発生体120の熱容量を小さく抑えることができるため、発熱温度上昇が大きくなり、所望の温度上昇が得られ、発熱反応を促進させることができる。
なお、吸水剤の含有量は、坪量で表して、4g/m以上290g/m以下であることが好ましく、さらに7g/m以上160g/m以下であることが好ましい。このようにすることで、水蒸気発生部121の厚みを薄くすることができ、製品として嵩張らず、柔軟性がでる。たとえば、水蒸気発生部121の厚みを0.1mm以上2mm以下とすることができる。
電解質としては、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点からアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の塩化物が好ましく用いられ、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄がより好ましく用いられる。
水蒸気発生部121は、水を含む。水は、電解質水溶液(たとえば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水溶液)由来のものであってもよく、また、水単独で、水蒸気発生部121に添加されたものでもよく、特に限定されない。
水蒸気発生部121における水分量は、被酸化性金属100質量部に対し、35質量部以上200質量部以下であることが好ましい。水蒸気発生部121の水分量を被酸化性金属100質量部に対し、200質量部以下とすることで、水蒸気発生部121が良好に発熱し、発熱温度の立ち上がりが速くなる(昇温時間が速くなる)。また、水蒸気発生部121の水分量を被酸化性金属100質量部に対し、35質量部以上とすることで、水蒸気発生部121の発熱反応に必要な水分量を確保でき、水蒸気発生部121の発熱反応を良好に持続させることができる。
このように、水蒸気発生部121の水分量を被酸化性金属100質量部に対し、35質量部以上、200質量部以下とすることで、良好な発熱状態の水蒸気発生部121とすることができる。すなわち、水蒸気発生部121の水分量は発熱速度を左右する。被酸化性金属100質量部に対し、水分量を35質量部以上、200質量部以下とすることで良好に発熱し、発熱温度の立ち上がりが速く、発熱温度が持続する。
同様の観点から、水蒸気発生部121の水分量は被酸化性金属100質量部に対し、40質量部以上150質量部以下であることがより好ましく、50質量部以上100質量部以下であることがさらに好ましく、50質量部以上80質量部以下であることがことさらに好ましい。
水蒸気発生部121は、上述した各成分に加えて、増粘剤、界面活性剤、薬剤、凝集剤、pH調整剤(例えば、リン酸三カリウム等)、及び嵩高剤等を含むこともできる。
増粘剤として、水分を吸収して稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する物質を用いることができ、アルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩、カラギーナン、寒天、キサンタンガム等の多糖類系増粘剤;デキストリン、α化澱粉等の澱粉系増粘剤;カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体系増粘剤;ポリビニルアルコール(PVA)等の増粘剤;ステアリン酸塩等の金属石鹸系増粘剤;ベントナイト等の鉱物系増粘剤等から選ばれた1種又は2種以上の混合物を用いることができる。なかでも、水蒸気発生部121中の水分量を一定に維持する観点から、多糖類系増粘剤が好ましく、キサンタンガムが好ましい。
水蒸気発生部121が塗工シートの場合、増粘剤の含有量は、塗工し易さの点から、被酸化性金属100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましい。また、増粘剤の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、4質量部以下であることがより好ましい。そして、増粘剤の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、0.2質量部以上4質量部以下であることがより好ましい。
また、水蒸気発生部121が、シート状である場合、多数の孔及び/又は切り込みが形成されていることが好ましい。これによってシート状の水蒸気発生部121が薄くても十分に高い発熱特性が得られ、所望の水蒸気放出特性が得られる。当該孔の面積は、好ましくは0.01〜10mmであり、0.1〜8mmであることが、十分な発熱特性が得られることからより好ましい。同様の理由により、孔は、シート状の水蒸気発生部121に好ましくは0.1〜20個/cmであり、1〜15個/cm形成されていることがより好ましい。孔の形状は、例えば円形、矩形、多角形、楕円形、長円形又はこれらの2種以上の組み合わせ等が挙げられる。一方、切込みを形成する場合、その長さは1〜50mm、特に5〜30mmとすることが好ましい。
水蒸気発生部121は、水蒸気発生体120の第1シート122Aと第2シート122Bを備える袋体122に収容されている。すなわち、水蒸気発生体120は、第1シート122Aと第2シート122Bとを含んで構成されており、これらの第1シート122Aと第2シート122Bの周縁部を好ましくは密閉接合することで袋体122が構成されている。第1シート122Aと第2シート122Bの周縁部以外の領域は非接合領域であり、非接合領域内に水蒸気発生部121が配置される。
本実施形態において、水蒸気発生部121の使用者側の面に第1シート122Aが配置され、水蒸気発生部121の使用者側の面と反対側の面上に第2シート122Bが配置される。
それぞれの通気度について、以下詳述する。
第1シート122Aの通気度は、好ましくは5000秒/100ml以下である。第1シート122Aの通気度は、水蒸気発生体120と鼻部及び頬部の間の顔の窪みで囲まれた空間を保持し、通気性を確保すると共に、水蒸気発生体120からの水蒸気を袋体122外部に多量に放出しやすくする観点から、より好ましくは4000秒/100ml以下であり、さらに好ましくは2500秒/100ml以下であり、ことさら好ましくは1000秒/100ml以下であり、さらには、600秒/100ml以下、200秒/100ml以下、の順でより好ましい。また、例えば、第1シート122Aの通気度は、10秒/100ml以下、5秒/100ml以下、又は0秒/100mlであってもよい。
このような通気度を有する第1シート122Aとしては、例えば透湿性は有するが透水性を有さない合成樹脂製の多孔性シートを用いることが好適である。具体的には、ポリエチレン又はポリプロピレンに炭酸カルシウム等を含有させ延伸したフィルムを用いることができる。かかる多孔性シートを用いる場合には、多孔性シートの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及びスパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、第1シート122Aの風合いを高めてもよい。
また、第1シート122Aは、上記の通気度を満足すれば、その一部が通気性を有しない非通気性シートであってもよい。
第2シート122Bは、その一部が通気性を有する通気性シートであってもよいし、通気性を有しない非通気性シートであってもよいが、全体としては通気性の低いシートが採用される。具体的にはこの第2シート122Bの通気度として8000秒/100ml超であることが好ましく、安定的に加温加湿できる観点から、非通気性シートであることがより好ましい。
第2シート122Bは、上記の通気度を満足すれば、用途に応じ、一層又は多層の合成樹脂製のフィルムや、該一層又は多層の合成樹脂製のフィルムの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及びスパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、第2シート122Bの風合いを高めることもできるが、ポリエチレンフィルムとパルプシートからなるラミネートフィルムが好ましい。
第2シート122Bは、上述の通気度の値を満足すれば、第1シート122Aと同様の素材を用いてもよいし、異なる素材を用いてもよい。
水蒸気発生部121の製造方法の例について、以下、説明する。
水蒸気発生部121が例えばシート状である場合には、例えば本出願人の先の出願にかかる特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いることができる。この場合には、まず、被酸化性金属、吸水剤及び反応促進剤を含む成形シートを湿紙抄造法によって形成し、この成形シートに電解質水溶液を添加することでシート状の水蒸気発生部121が得られる。得られたシート状の水蒸気発生部121は1枚で用いてもよく、或いは複数枚を重ねて用いてもよい。或いは1枚の水蒸気発生部121を折り畳み、折り畳まれた複数枚の水蒸気発生部121を重ねて使用してもよい。
水蒸気発生部121が粉体により構成される場合には、構成材料を均一混合することで、粉体の水蒸気発生部121が得られる。より具体的には、はじめに高吸収性ポリマー等の吸水剤と被酸化性金属とを均一混合し、そこに電解質水溶液を添加して、吸水剤の表面に被酸化性金属を付着させる。その後、残りの材料である反応促進剤等を添加することで水蒸気発生部121を調製することができる。このようにして水蒸気発生部121を調製することで、酸化反応の立ち上がり時間が早くなり、単位時間当たりの水蒸気の蒸散量が容易に最大となる。
また、水蒸気発生部121が、塗工シートからなる場合は、例えば本出願人の先の出願に係る特開2013−146554号公報に記載の方法で、保水シートに発熱粉体水分散液を塗工して、発熱層と保水シートとを備える発熱物の連続長尺物を任意の大きさに裁断して得られるものであってもよい。水蒸気発生部121は、1枚でもよく、複数枚を積層させた多層状態で収容してもよい。
ここで、水蒸気発生部121が、塗工シートからなる場合の水蒸気発生体120の構成について、以下、説明する。
図3に示すように、水蒸気発生部121は、基材層121Bと保水シート121Cとの間に、水蒸気発生層121Aを有している。水蒸気発生層121Aと保水シート121Cは直接接触している。水蒸気発生体120は、第1シート122A及び第2シート122Bを有する袋体122内に、保水シート121C側、すなわち第1シート122A側が使用者の肌側に位置し、基材層121Bが第2シート122B側に配置されるよう、水蒸気発生部121を備えている。これにより水蒸気発生部121からの蒸気を第1シート122Aから効率よく排出することができる。
なお、水蒸気発生層121Aは、保水シート121Cの一方の面に設けられてもよいし、保水シート121C及び基材層121Bに挟まれた形で設けられていてもよい。図3には、水蒸気発生層121Aが保水シート121Cと基材層121Bに挟まれた形で設けられている例を示す。
保水シート121Cは、水を含有している。水の含有量は、たとえば、当該保水シート121Cの最大吸水量の10質量%以上45質量%以下とすることができる。
保水シート121Cの最大吸水量は、以下のようにして算出できる。
保水シート121Cを25cmのサイズにカットした質量(W)を測定した後、5質量%塩化ナトリウム水溶液に5分間浸漬する。ピンセットで取り出して、1分間空気中に吊り下げ放置して抱えきれない水分をしたたり落とした後、質量(W)を測定し、下記の式より最大吸水量(Wmax)を算出する。
max=W−W
また、保水シート121Cに含まれる水分量は、坪量で表して、50〜350g/mが好ましく、さらに180〜260g/mであることがより好ましい。保水シート121Cに含まれる水分量は水蒸気発生源となるため、保水シート121Cに含まれる水分量を、坪量で表して、好ましくは50g/m以上とすることで、良好な蒸気発生量を確保できる。また、保水シート121Cは、吸水により通気抵抗(吸水膨潤により、乾燥時に比べて通気性が下がる)が発生する。そのため、坪量で表して、好ましくは350g/m以下とすることで、保水シート121Cから蒸気を放出しやすくすることができ、加えて、水蒸気発生層121Aへの通気性が十分に確保されるため、酸素供給が十分に得られて発熱効率が高い水蒸気発生体120が得られる。
また、保水シート121Cの通気度は、水分を含んだ状態の通気度で500秒/100ml以下であることが好ましく、通気性、蒸気の通しやすさを考慮すると、300秒/100ml以下であることがより好ましく、50秒/100ml以下であることがさらに好ましい。
なお、水分を含んだ状態(すなわち、水分量が当該保水シート121Cの最大吸水量の15質量%以上30質量%以下)の通気度下限値は、たとえば、1秒/100mlである。
ここで、保水シート121Cとしては、水分の吸収保持が可能であり、柔軟性を有するシート材料が用いられる。そのような材料としては、例えば繊維を原料とする紙、不織布、織物、編み物等の繊維シートが挙げられる。またスポンジ等の多孔体等が挙げられる。前記の繊維としては、例えば植物繊維や動物繊維等の天然繊維を主成分とするものや化学繊維を主成分とするもの挙げられる。植物繊維としては、例えばコットン、カボック等が挙げられ、動物繊維としては、例えば羊毛、やぎ毛、モヘア等が挙げられる。化学繊維としては、例えばレーヨン、アセテート、セルロース等が挙げられる。
なかでも保水シート121Cとしては、前述した繊維で構成される繊維材料と、吸水性のポリマーとを含むものが好ましい。
吸水性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル化し得るヒドロゲル材料を用いることが保水シート121Cに含まれる水の含有量を、保水シート121Cの最大吸水量の15〜30質量%に維持でき好ましい。
吸水性ポリマーの粒子の形状としては、球状、塊状、ブドウ房状、繊維状等が挙げられる。
また、吸水性ポリマーの粒子の粒径は、製造時の取り扱い易さの観点から、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また、吸水性ポリマーの粒子の粒径は、吸水速度の観点から、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。
また、吸水性ポリマーの粒子の粒径は、1μm以上1000μm以下であることが好ましく、10μm以上500μm以下であることがより好ましい。
なお、吸水性ポリマー粒子の粒径は動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。
吸水性ポリマーの具体例としては、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体等が挙げられる。
基材層121Bは、水蒸気発生層121Aの保水シート121Cとは反対側の表面に設けられている。基材層121Bは、水蒸気発生層121Aに直接接触し、水蒸気発生層121Aを被覆している。この基材層121Bは、非通気性又は難通気性のシートのものが好ましく、例えば樹脂シートを用いると好ましい。非通気性又は難通気性のシート(50000秒/100ml以上であり、80000秒/100ml以上が好ましい)とすることで保水シート121C側から蒸気をより確実に放出させることができるのみならず、基材層121B側から気化熱が奪われることを防止できる。
基材層121Bとしては、たとえば合成樹脂フィルムがあげられ、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。
なお、保水シート121Cを水蒸気発生層121A上に形成し、基材層121Bを設けない場合、水蒸気発生部121が第2シート122Bに直接接触してしまう可能性があるため、第2シート122Bは耐水性を有するシートとすることが好ましい。
また、本実施形態の水蒸気発生体120の平面視における単位面積あたりの水蒸気発生量は、効果的に黄色ブドウ球菌を低減させる観点から、水蒸気発生体120全体として、好ましくは2.5mg/cm・10min以上であり、より好ましくは5mg/cm・10min以上であり、さらに好ましくは7.5mg/cm・10min以上であり、10mg/cm・10min以上、12.5mg/cm・10min以上の順にことさらに好ましい。
また、本実施形態の水蒸気発生体120の平面視における単位面積あたりの水蒸気発生量は、マスク中の結露を抑止し、快適な温熱蒸気を付与する観点から、水蒸気発生体120全体として、好ましくは20mg/cm・10min以下であり、より好ましくは18mg/cm・10min以下であり、さらに好ましくは15g/cm・10min以下である。
また、本実施形態の水蒸気発生体120の平面視における単位面積あたりの水蒸気発生量は、水蒸気発生体120全体として、好ましくは2.5mg/cm・10min以上20mg/cm・10min以下であり、より好ましくは5mg/cm・10min以上18mg/cm・10min以下であり、さらに好ましくは8mg/cm・10min以上15mg/cm・10min以下であり、ことさらに好ましくは10mg/cm・10min以上15mg/cm・10min以下である。
また、水蒸気発生体120の平面形状は、特に限定されず、円形、多角形等であってもよい。製造効率、取り扱い易さ、加温加湿効果の観点から、長方形、略正方形等の四角形が好ましく、取り扱いやすさの観点から略正方形がより好ましい。
水蒸気発生体120を温熱具100又は温熱具200に対して着脱できる態様とする場合、水蒸気発生体120は、酸素遮断袋に入っている。
酸素遮断袋は、酸素バリア性を有し、水蒸気発生体120が空気中の酸素と接触しないようになっている。酸素遮断袋の酸素バリア性の材料としては、例えばその酸素透過係数(ASTM D3985)が10cm・mm/(m・day・MPa)以下であり、2cm・mm/(m・day・MPa)以下であることが好ましい。具体的には、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニトリル等のフィルム、又はそのようなフィルムにセラミック若しくはアルミニウム等を蒸着したフィルム等が挙げられる。
なお、水蒸気発生体120が温熱具100又は温熱具200に一体となっている場合は、温熱具100又は温熱具200全体を酸素遮断袋に封入して、水蒸気発生体120と空気中の酸素との接触を避ければよい。
以下、水蒸気発生体120が備えられた温熱具について、説明する。
[温熱具]
図1に示されるように温熱具100は、使用者の口と鼻とを覆う本体部101と、本体部101に備えられた水蒸気発生体120と、を有している。また、温熱具100は、香料組成物により賦香されており、水蒸気発生体120の水蒸気発生開始から10分間に放出される累積水蒸気発生量が、500mg以上、1500mg以下である。
また、本実施形態において、温熱具100は、本体部101と水蒸気発生体120とが分離可能となっている。詳細には、水蒸気発生体120が、後述する収容体104に出し入れ可能であり、使用時に収容体104に収納して使用できる温熱具セットである。ただし、温熱具100は、水蒸気発生体120が予め収容されたものであってもよい。
[本体部]
本実施形態において、本体部101は、不織布で形成される一般の衛生用マスクのような柔軟性を有するものである。また、本体部101が左右両端に設けられた一対の耳掛け部102を有するため、図1に示されるように、耳掛け部102を使用者の耳に装着して使用することができる。なお、後述するように、温熱具は、耳掛け部102を有さないものであってもよい。
本体部101を縦方向に二等分する縦中央領域に、縦中心線103を有する。
縦中心線103は、使用時に本体部101が鼻部に沿って突出するための凸部を有し、本体部101の上端から下端に達する線である。また、縦中心線103は、温熱具100を適切に着用した際に使用者の顔の鼻部を通る領域に位置する。
本体部101は、折り畳み可能に構成され、縦中心線103により二つ折りにされる。本体部101は、使用前は、縦中心線103に沿って山折りにされ、平面状に折り畳まれた状態であるが、使用時には、縦中心線103とは反対側の辺から開かれ、本体部101が折りたたまれていた内側の面が使用者側の面となるようにして、着用される。縦中心線103は、温熱具100を着用した際に、本体部101の前方へ突出する。
本実施形態において、縦中心線103により二つ折りにされた状態から展開されることで、使用者の鼻及び口を覆う空間が形成される。縦中心線103により、本体部101の上部が鼻の形状に沿って密接するため、使用者の顔と本体部101との間の隙間が生じにくくなり、加温加湿効果を高めることができる点から好ましい。
なお、本実施形態では、本体部101が縦中心線103を有したものについて説明するが、用途等にあわせて、この縦中心線103を有さないものとしてもよい。
本体部101は、シート状であり、さらに具体的には、一枚のシートから形成されている。
本体部101を形成する一枚のシートとは、単一の構造(即ち1プライ)でもよく、或いは複数枚のシートが積層されて一体的な構造(即ちマルチプライ)でもよい。複数枚のシートを用いることにより、各シートに別個の機能を付与することで、本体部101に種々の機能を付与することができる点から好ましい。複数枚のシートを用いる場合には、各シート同士は、全面接合されたラミネート状態でもよく、シート間が離間した状態でもよい。また、各シート間が離間した状態の場合の各シート同士の接合は、本体部101の形状に沿って各シートの縁をシールしてもよく、縁の一部をポイントシールにより接合するのみでもよい。
本実施形態では、図5に示すように、本体部101が単一の構造である例について説明する。
本体部101の材料は、衛生用マスクの技術分野において従来から用いられているものを用いることができ、一定の通気性を有するものであれば特にその種類に制限はない。例えば、不織布やガーゼ等の繊維シートを用いることができ、加工のしやすさや経済性の観点から不織布を用いることが好ましい。不織布の繊維素材としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル;PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、エチレンプロピレン共重合体等のポリオレフィン;レーヨン;コットン等から選択される1種又は2種以上の繊維で構成されるものが好ましい。また、不織布としては、前記の1種又は2種以上の素材の繊維を用いて、エアスルー法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、メルトブローン法、カード法、熱融着法、水流交絡法、溶剤接着法等により製造されたものを用いることができる。
本体部101の坪量は、内部が透けて見えてしまうことを防止する観点や保温性、柔軟性、厚み、シート強度をバランスよく高める観点から、坪量が5g/m以上であることが好ましく、10g/m以上であることがより好ましく、30g/m以上であることがさらに好ましく、また、200g/m以下であることが好ましく、150g/m以下であることがより好ましく、120g/m以下であることがさらに好ましい。また、坪量が5g/m以上200g/m以下であることが好ましく、10g/m以上150g/m以下であることがより好ましく、30g/m以上120g/m以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、本体部101は水蒸気発生体120を固定する固定手段を有し、使用時に固定して使用するものとなっている。固定手段としては、例えば、図4に示すように、本体部101の使用者側の面に設けられた収容体104であってもよい。収容体104は、水蒸気発生体120を出し入れ自在に収容するものである。これにより、温熱具100を使用した後、水蒸気発生体120を使用前のものと取り替えることで、何回も温熱具100を使用することができる。収容体104の材料は特に限定されないが、水蒸気発生体120から発生された熱及び蒸気を使用者側に供給できるものであればよく、通気性を有するものであって、本体部101と同様の材料としてもよい。
本実施形態において、収容体104は、本体部101の縦中心線103近傍及び本体部101の上端部近傍に固定されていることが、水蒸気発生体120を所定の位置で本体部101に固定でき、使用者の鼻から頬にかけての温熱具100内の空間を加温加湿しやすくなる点から好ましい。
本実施形態において、収容体104は、上端部又は耳掛け部102側に水蒸気発生体120を出し入れできるよう開口部を有し、その他の端部は本体部101に固定されている。開口部の位置は、特に限定されないが、温熱具100着用時において水蒸気発生体120が収容体104外に出ないものであればよい。また、収容体104の大きさは、水蒸気発生体120を収容しつつ水蒸気発生体120の位置を固定できるものであればよい。
本実施形態の温熱具100においては、水蒸気発生体120は、使用者の鼻を覆う領域に保持されることが好ましい。
より詳細には、着用した際に本体部101の使用者側に、鼻部と頬部の間の顔の窪みと水蒸気発生体120で囲まれた空間を生じさせ、水蒸気発生を抑制せずに温熱具100内の温度と絶対湿度を高める観点から、図4に示すように、本体部101の縦中央線近傍及び本体部101の上端近傍に、左右対称に取り付けられることが好ましい。
縦中央線近傍及び本体部101の上端部近傍とは、縦中央線及び本体部101の上端部に接する場合に限られず、縦中心線103及び本体部101の上端部の周囲の領域を示しており、本体部101に取り付けられた水蒸気発生体120が使用者の鼻部を覆う領域である。
また、水蒸気発生体120の位置は、温熱具100を装着した際に水蒸気発生を抑制せずに本体部101内の温度と絶対湿度を高める観点から、水蒸気発生体120の鼻側端部が直線状である場合は、当該直線の両端の縦中央線からの各最短距離の平均が、また、水蒸気発生体120の鼻側端部が曲線状である場合は、当該曲線の縦中央線からの最短距離が、5mm以上15mm以下が好ましい。また、水蒸気発生体120の位置は、同様の観点から、水蒸気発生体120の上側端部の本体部101の上端部からの最短距離が、5mm以上20mm以下が好ましい。
なお、本実施形態の温熱具100においては、水蒸気発生体120は、使用者の鼻部の少なくとも一部を覆うように配置されることが好ましく、鼻部から頬部に跨って配置されることが、着用した際に本体部101の肌側に、鼻部と頬部の間の顔の窪みと水蒸気発生体120で囲まれた空間が生じ、水蒸気発生を抑制せずに本体部101内の温度と絶対湿度を高める観点から好ましい。
[耳掛け部]
耳掛け部102は、温熱具100を使用者の顔に固定するものである。耳掛け部102は、本体部101の長手方向(X方向)の左右端部に一対で設けられている。本実施形態において、耳掛け部102は、図4に示すように、ゴム紐のような伸縮性をもった紐状の材料を本体部101の端部に形成されている。耳掛け部102は、本体部101と同様な材料であってもよく、異なる材料であってもよい。なお、耳掛け部102は、本体部101と一体となった伸縮性を有する部材を用いても形成してもよい。
[水蒸気発生量]
温熱具100は、水蒸気発生体120の水蒸気発生開始から10分間に放出される累積水蒸気発生量が、500mg以上、1500mg以下である。
すなわち、温熱具100が装着された後、最初の10分間に適切な量の水蒸気を供給することにより、より効果的に蒸気による効果を与えることができる。
当該累積水蒸気発生量は、黄色ブドウ球菌の低減効果を一層得る観点から、好ましくは550mg以上であり、より好ましくは600mg以上であり、さらに好ましくは800mg以上であり、ことさらに好ましくは1100mg以上である。
また、当該累積水蒸気発生量は、使用者の心地よさを保持しつつ、黄色ブドウ球菌の低減効果を得る観点好ましくは1500mg以下であり、より好ましくは1450mg以下であり、さらに好ましくは1400mg以下であり、ことさらに好ましくは1350mg以下である。
水蒸気発生量は、以下のようにして測定することができる。
水蒸気発生体120の水蒸気発生量は図6に示す装置30を用いて、次のように測定される数値である。図6に示す装置30は、アルミニウム製の測定室(容積4.2L)31、測定室31の下部に除湿空気(湿度2%未満、流量2.1L/分)を流入させる流入路32、測定室31の上部から空気を流出させる流出路33、流入路32に設けられた入口温湿度計34と入口流量計35、流出路33に設けられた出口温湿度計36と出口流量計37、測定室31内に設けられた温度計(サーミスタ)38からなっている。温度計38としては、温度分解能が0.01℃程度のものを使用する。
水蒸気発生体120の肌側に位置する面の表面温度の測定は、測定環境温度30℃(30±1℃)において水蒸気発生体120を酸素遮断袋から取り出し、水蒸気発生体120又は温熱具100の肌側に位置する面、すなわち水蒸気放出面を上にして測定室31に載置し、金属球(4.5g)をつけた温度計38をその上に載せて計測する。また、この状態で下部より除湿空気を流し、入口温湿度計34と出口温湿度計36で計測される温度及び湿度から測定室31に空気が流入する前後の絶対湿度の差を求め、さらに入口流量計35と出口流量計37で計測される流量から水蒸気発生体120又は温熱具100が放出した水蒸気量を算出する。
なお、本明細書における水蒸気発生量とは、水蒸気発生体120を酸素遮断袋から取り出した時点を起点とし、10分後までに測定された水蒸気量の総量をいう。
また、温熱具100の使用時に本体部101と使用者の顔とで挟まれた空間Vが形成され、空間Vの容積が、40ml以上、150ml以下であることが好ましく、50ml以上、140ml以下であることがより好ましい。空間Vの容積を、上記上限値以下とすることにより、取扱い性、外観を良好に保持しつつ、十分な蒸気感を付与しつつ、黄色ブドウ球菌の低減効果を得ることができる。一方、空間Vの容積を、上記下限値以上とすることにより、呼吸をしやすくするとともに、蒸気及び香気成分が付与しやすくなり、黄色ブドウ球菌の低減効果が得やすくなる。
Vは空間の容積〔mL〕を示し、例えば、図1に示すように、温熱具100を適切に装着すると、本体部101と使用者の顔とで挟まれた空間が形成される。ここで、本体部101と使用者の顔とで挟まれた空間とは、本体部101が使用者の顔に接することにより形成される閉じられた空間に限られず、本体部101
と使用者の顔との間にわずかな隙間を有するものであってもよい。隙間は、通常の方法で温熱具100を装着した際に生じる得るものであって、水蒸気発生体120が発生する蒸気による効果が損なわれない程度の大きさである。また、隙間がある場合の空間の容積は、隙間部分も本体部101の縁部に沿って閉じられてものとして測定することができる。
具体的には空間Vの容積は、次のようにして測定することができる。
有限会社デジタルヒューマンテクノロジー製の平均人頭データ(出願時における最新データ)を用いて造形された人頭モデルを使用し、温熱具100の使用状態を再現し、三次元データ化して、測定することができる。また特開2012−205926号公報に示されているように、温熱具100の内側に液不透過性のフィルムを配置し、この部分に水を注ぎ、温熱具100を装着したのと同じ状態になるようにし、下向きに顔をつけて、残った水の量を測定する方法でも、ほぼ同様な空間Vが得られるので、温熱具100の形状等によって三次元データ化が困難な場合は、特開2012−205926号公報に開示されている方法で空間Vの容積を測定してもよい。
空間Vの容積[ml]に対する、上記の累積水蒸気発生量[g]の比は、5以上25以下であることが好ましく、蒸気感と、黄色ブドウ球菌の低減効果とのバランスの観点から、7以上15以下であることがより好ましい。
[香料組成物]
香料組成物は、天然香料又は合成香料のいずれであってもよく、これらが混合されたものでもよい。
香料組成物としては、例えば、テルペン系炭化水素、モノテルペンアルコール類、セスキテルペンアルコール類、芳香族アルコール、酢酸エステル類、カルボニル基を有する化合物、ジヒドロジャスモン酸メチル、及びヨノン等の香気成分、ならびに精油等を含むものが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いられてもよい。
なかでも、効果的に黄色ブドウ球菌を低減させる観点から、香料組成物は抗菌性を有するものが好ましく、例えば、後述するシトラール、メントール、シネオール、及びl−カルボン等が挙げられる。また、温熱蒸気との相性が良好で、効果的に黄色ブドウ球菌を排除する観点から、シトラール、メントール、及びシネオールが好ましい。
なお、メントールは、l−メントール及びdl−メントールを合わせたものを意図する。
上記のテルペン系炭化水素としては、例えば、ミルセン、ファルネセン、及びシトラール等の鎖状テルペン系炭化水素;メントール、シネオール、ピネン、リモネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、カンフェン、フェランドレン、ターピネン、ターピノレン、p−サイメン、セドレン、及びカリオフィレン等の環状テルペン系炭化水素が挙げられる。
上記のモノテルペンアルコール類としては、例えば、ゲラニオール、シトロネロール、ジヒドロリナロール、エチルリナロール、リナロールオキシド、ネロール及びミルセノールから選択される1種又は2種以上が挙げられる。
上記のセスキテルペンアルコール類としては、例えば、ファルネソールやネロリドール等の鎖状のセスキテルペンアルコール類、及び、サンタロール、セドロール、ベチベロール(混合体)、パチュリアルコール等の環状のセスキテルペンアルコール類から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
上記の芳香族アルコールとしては、例えば、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、パンプルフルール(2−メチル−4−フェニルペンタノール)、ジメチルベンジルカルビノール及びフェニルヘキサノール(3−メチル−5−フェニルペンタノール)から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
上記の酢酸エステル類としては、例えば、酢酸リナリル、酢酸テルピニル、酢酸ゲラニル、酢酸シトロネリル、酢酸エチルリナリル、酢酸ラヴァンジュリル、酢酸メンタニル等のモノテルペンアルコールの酢酸エステル類、及び、酢酸o−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸p−tert−ブチルシクロヘキシル等の脂環式アルコールの酢酸エステル類の1種又は2種以上が挙げられる。
上記のカルボニル基を有する化合物は、例えば、l−カルボン、1−(5,5−ジメチルシクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン(ダイナスコン)、1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン(ダマスコン)等を構造中に有するものが挙げられる。
上記の精油としては、例えば、レモングラス油、バジル油、及びタイム油等の柑橘系精油、スペアミント油、タラゴン油等のハーブ系精油、ユーカリ油等の樹木系精油、シナモンバーク油、クローブ油、カッシャ油、及びクミン油等のスパイス系の精油等が挙げられる。また、精油は、上記の香気成分を含むものであってもよい。
なかでも、使用者に心地の良い香りを付与しつつ、効果的に黄色ブドウ球菌を排除する観点から、レモングラス油、バジル油、及びタイム油等の柑橘系精油、スペアミント油、タラゴン油等のハーブ系精油、ユーカリ油等の樹木系精油が好ましい。
香料組成物には、上記香料成分及び精油に加え、例えば「合成香料 化学と商品知識」(印藤元一著 化学工業日報社)に記載の香料成分を、本発明の効果を妨げない範囲で含むこともできる。
また、香料組成物は、本発明の効果を妨げない範囲であれば、溶剤を含むことができる。溶剤としては、ジプロピレングリコール、エチルジグリコール、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート及びジエチルフタレートの1種又は2種以上を含有することができる。
香料組成物の含有量は、その種類や温熱具100の具体的な用途等に応じ適切に選定することができる。香料組成物の種類にもよるが、一般的な範囲として、香料組成物の含有量は、水蒸気発生部121の被酸化性金属100質量部に対して、水蒸気発生部121の被酸化性金属100質量部に対して、0.5〜6質量部であることが好ましく、0.7〜4.5質量部であることがより好ましい。
温熱具100を賦香する方法は、香料組成物が液体である場合は、温熱具100の本体部101及び水蒸気発生体120の少なくともいずれか一方に対して香料組成物をスプレー等で直接添加する方法がある。また、水蒸気発生体120の構成材料、たとえば、第1シート122A、第2シート122B、又は水蒸気発生部121の原料等に賦香して賦香シートや粉末香料やペースト状の賦香物とし、水蒸気発生体120に賦香する方法もある。香料組成物が固体である場合は、温熱具100に対して香料組成物を吸着させたり、水蒸気発生体120内に収容する等して添加する方法がある。
香料組成物は、水蒸気発生部121と本体部101との間に施されていることが製品管理上、及び効率よく香りを発現する観点から、好ましい。
香料組成物を水蒸気発生部121と本体部101との間に施す具体的な方法としては、例えば、本体部101の内側面に香料組成物を直接含浸させてもよいし、水蒸気発生体120の第2シート122Bに香料組成物を賦香してもよいし、別途シート材を用意し、当該シート材に香料組成物を賦香した後、賦香されたシート材を水蒸気発生部121と本体部101との間に配置してもよい。
なかでも、安定的に温熱蒸気と香りを発現し、黄色ブドウ球菌を効果的に低減する観点から、第2シート122Bに香料組成物が賦香されていることが好ましい。
香料組成物を第2シート122Bに施す具体的な方法としては、例えば第2シート122Bに香料組成物を直接含浸させてもよいし、スプレー等で噴霧して含浸させてもよい。
なお、上記の香料組成物が賦香されるシート材としては、紙、不織布、織布等の繊維材料を含むシート材料、又は多孔質性フィルム等の吸湿・吸油性を有するシート材料を含むことが好ましい。
シート材料の材質は、例えば、シルク、コットン、ウール等の合成繊維とすることができる。
続いて、温熱具100による効果について説明する。
温熱具100は、温熱蒸気と香気成分との組み合わせに初めて着目して完成されたものであり、温熱蒸気の発生開始から10分間の累積水蒸気量という指標を500mg以上、1500mg以下に制御することによって、鼻腔内の粘膜繊毛輸送を活発にして異物を体外に排除でき、なかでも、黄色ブドウ球菌を顕著に低減させるものである。かかる理由の詳細は明らかではないが、温熱具100が装着された後、最初の10分間に適切な量の水蒸気を供給することにより、高濃度の香気成分が温熱蒸気によって短時間で集中的に鼻腔内に運ばれ、温熱蒸気と抗菌性を有する香気成分による刺激が効果的かつ同時に付与できるようになるため、繊毛運動が活発化、鼻腔が清浄化しやすくなり、黄色ブドウ球菌低減効果が得られるものと考えられる。
温熱具100は、たとえば、以下のようにして使用される。
本体部101と水蒸気発生体120が分離されている場合、温熱具100は、酸素遮断袋を開封して水蒸気発生体120を取り出し、本体部101の所定の位置に固定する。温熱具100は、各耳掛け部102を使用者の耳に掛けて、本体部101を使用者の口と鼻を覆うように装着される。
また、水蒸気発生体120が本体部101における収容体104に予め封入されている場合は、通常、温熱具100全体として、酸素遮断袋に封入される。この場合の使用方法としては、この酸素遮断袋を開封の上、温熱具100を取り出し、各耳掛け部102を使用者の耳に掛けて、本体部101を使用者の口と鼻を覆うように装着する。これにより、本体部101により使用者の口と鼻が覆われ、発生した温熱蒸気と香気成分が使用者の口と鼻から吸引されやすくなる。
また、温熱具100が耳掛け部102を有さない場合、例えば、図2に示すように、温熱具200の本体部201を手でもって、本体部201により使用者の口と鼻を覆うように使用してもよい。以下、温熱具200について、詳述する。
温熱具200の本体部201は、使用者が手にもった時に保型できる程度の剛性を有するものであり、使用者が本体部201を手に持つことにより、温熱蒸気及び香気成分を使用者に付与するものである。本体部201は袋状に折り畳み可能であり、袋の開口部を展開することで、略カップ状の形状をなすように構成されている。ただし、本体部201は、折り畳み可能なものに限られず、予め保形されたものであってもよい。
図7には、本体部201を展開した模式図が示されている。本体部201は、略扇状の第1パネル211及び第2パネル212からなり、第1パネル211及び第2パネル212の境界を折り畳み線Dとするものである。折り畳み線Dにおいて、第1パネル211及び第2パネル212を折り重ね、第1パネル211の側縁211Aと第2パネル212の側縁221A、及び、第1パネル211の側縁211Cと第2パネル212の側縁212Cをそれぞれ結合することにより、折り畳み線Dを底辺とし、側縁211Bと側縁212Bとを開口部とする、底辺に向かってテーパーを有する袋状の本体部201が得られる。
また、本体部201の開口部は、使用者の鼻及び口を覆う程度に開口していることが好ましい。
本体部201の材料は、本体部101と同様のものを用いることができるが、良好な保形性を得る観点から、不織布を用いることが好ましい。
温熱具200において、水蒸気発生体120は、本体部201の内側であって、第1パネル211及び第2パネル212それぞれに、折り畳み線Dに対し左右対称となるように取り付けられることが好ましい。より詳細には、図7に示すように、水蒸気発生体120の外縁と折り畳み線Dとの最短距離xが15mm以下であることが好ましく、5mm以上であることがさらに好ましい。
また、温熱具200の使用方法としては、本体部201の開口部を使用者の顔に密着させてもよく、本発明の効果が損なわれない限りにおいて、本体部201の開口部を使用者の顔から離れた位置で使用してもよい。
なお、本実施形態は、本発明の例示であり、上記以外の構成を採用することもできる。
例えば、上記実施形態では、温熱具100を使用者の顔に固定する固定部として、耳掛け部102を有する例について説明したが、温熱具100を使用者の顔に固定する固定部としては、頭部に装着することで使用者の顔に固定してもよい。例えば、伸縮性を有する帯、又は一対の帯等を頭部に巻き付けてもよい。
また、上記実施形態では、縦中心線103を有する本体部101について説明したが、本体部101の横方向(長手方向)に複数のプリーツ部を有するものとしてもよい。使用時に、プリーツ部を本体部101の縦方向(短手方向)に拡幅され、使用者の鼻と口を覆う空間を形成して使用することができる。これにより、本体部101と使用者の顔とで挟まれた空間Vを形成することができる。
また、プリーツ部を有する場合、本体部101の上辺に可撓性部材を備えることが好ましい。これにより、本体部101の形状を使用者の顔の凹凸に合わせて変形できると共に、変形した形状が保持できるようになる。そのため、本体部101と使用者の顔とをより密接させることができる。可撓性部材としては、例えば、樹脂製又は金属製のワイヤー等が挙げられる。
また、上記実施形態では、固定手段として収容体104が用いられた温熱具100について説明したが、固定手段としては、粘着剤等を用いて固定する方法が用いられてもよい。
粘着剤としては、好ましくはホットメルト粘着剤が用いられる。ホットメルト粘着剤の種類としては、保存性、粘着力、安全性等の面から、合成ゴム系、ポリオレフィン系、アクリル系、ポリアミド系が好ましく、とりわけ合成ゴム系が好ましい。
粘着剤は、温熱具100の使用前の状態においては剥離紙によって保護されるとともに外部に付着しないようになっている。剥離紙は、特に限定されず用いることができる。
また、上記実施形態では、水蒸気発生体120は、別々に2個配置される例について説明したが、2個の水蒸気発生体120が一つの袋体により連なった構造であってもよい。
また、上記実施形態では、本体部101が、一枚のシートから形成され、縦中心線103で左右対称に折られている例について説明したが、本体部101は、同形の二枚のシートを重ね合わせ、一辺を貼り合わせることで縦中心線103を形成したものであってもよい。この場合に用いられるシートは、上記実施形態で説明したものと同様のものを用いることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
次に、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<水蒸気発生部の作製>
表1に示す組成の発熱組成物を、次の手順で調製した。
増粘剤を水に溶解し、次いでリン酸三カリウムを溶解して水溶液を用意した。一方で鉄粉、活性炭、苛性カリ、水をプレ混合したスラリーを用意し、前記水溶液にプレ混合スラリーを入れ、ディスクタービン型攪拌羽根で150rpm、10分間攪拌してスラリー状の発熱組成物を得た。
次に、表2に示す条件で、水蒸気発生層を形成し、水蒸気発生部A〜Eを作製した。表2中、塗工量、食塩量、吸水ポリマー散布量は、水蒸気発生部の1個(4.9cm×4.9cm;面積24.0cm)あたりの量(g/24cm)として示した。
具体的には、ダイコーティング法を用い、得られた発熱組成物を基材層の片面に塗工した。基材層としては、ポリエチレンラミネート紙(ニットク株式会社製)を使用した。次に、塗工面上に食塩(局方塩化ナトリウム(大塚製薬株式会社製))を散布して水蒸気発生層を形成した。
つづけて、得られた水蒸気発生層の発熱組成物が塗工された面側にさらに吸水性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、球状、平均粒子径300μm、アクアリックCA、株式会社日本触媒製)を直接散布し、つづいて、吸水性シートとしてクレープ紙(大昭和紙工産業株式会社製)を上記吸水性ポリマー散布上に積層して一体化し、水蒸気発生部A〜Bをそれぞれ作製した。
また、得られた水蒸気発生層上に、吸水ポリマー散布は行わず、クレープ紙の代わりに保水シートを積層し、それを2枚重ねて水蒸気発生部Cを作成した。保水シートとしては、木材パルプ製の紙(秤量20g/m、伊野紙株式会社製)と吸水性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、球状、平均粒子径300μm、秤量70g/m、アクアリックCA、株式会社日本触媒製)と木材パルプ製の紙(坪量30g/m、伊野紙株式会社製)を積層して一体化したポリマーシートを使用した。
また、同様に、吸水ポリマー散布は行わず、直接保水シートを重ねて水蒸気発生部Dを作製した。
また、塗工面上に食塩を散布しない水蒸気発生部Eも作成した。なお、水蒸気発生Eは、食塩を散布していないため発熱せず、蒸気を発生するものではなかった。
Figure 2020130505
Figure 2020130505
<水蒸気発生体の作製>
まず、第2シート(「LF-KIPE71」株式会社カクケイ製、非通気性、坪量71g/m2)に、表3に示す含有量となるように、香料組成物を滴下し含浸させた。
つぎに、第1シート(「BRN-502F」株式会社ニトムズ製、通気度100秒/100mL以下)と上記の第2シートとの間に水蒸気発生部A〜Eそれぞれを配置して、周縁部を密閉シールし、各水蒸気発生体を得た。このとき、水蒸気発生部A〜Eの基材層は、第2シート側に配置された。また、通気面とシール部を含めた第1シートの面積は39.7cm(6.3cm×6.3cm)であった。これを1枚とする。
各水蒸気発生体は、後述する評価を実施するまで、酸素遮断袋に入れて保存した。
<温熱具の作製>
[マスク状の本体部]
口と鼻を覆う部分となるマスク本体部のシートとして、SMS不織布(スパンボンド(ポリプロピレン)−メルトブローン(ポリプロピレン)−スパンボンド(ポリプロピレン)積層一体型、坪量50g/m)が外側、坪量25gのスパンボンド不織布(ポリプロピレン)が内側(着用者側)となるように2層を重ねた。この際の、マスク本体部の0.3μm以上粒子の遮断率は25%であった。マスク本体部の縦中心の折り畳み線を挟んで両側の上方に1つずつ(計2つ)、収容体のマスク上部以外を熱融着し、水蒸気発生体を収容する収容体を作製した。マスク本体部の端部に伸縮性のあるゴム紐状の耳掛け部を取り付け、立体形状となるマスクを作製した。
つぎに、収容体に水蒸気発生部A〜Eをそれぞれ備える水蒸気発生体を各1つずつ(計2つ)、マスク本体部の2枚の不織布が熱融着されていないマスクの上側から入れ、マスク本体部の縦中央線近傍及びマスク本体部の上端部近傍(鼻脇)に、左右対称に一対の水蒸気発生体をとりつけ、マスク状の温熱具を得た。
[カップ状の本体部]
第1の不織布(ニードルパンチ(エチレンプロピレンコポリマー 坪量80g/m))と第2の不織布(スパンボンド(ポリプロピレン) 坪量90g/m)とが積層したシートを用いて、図7に示すような形状となるようにシートをカットした。続けて、水蒸気発生部A〜Eをそれぞれ備える水蒸気発生体を、折り畳み線Dからの最短距離が10mmの位置にとなるように、左右対称に配置した。次に、第1の不織布が内側となるようにシートを2つ折りにし、開口部を残すようにしてシートの周縁を熱融着して袋状の本体部を得た。また、シートの折り部が袋状の本体部の底辺となるようにした。
・実施例及び比較例
得られた各温熱具を用いて、以下の測定及び評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2020130505
ただし表3の1)〜3)はそれぞれ、以下の香料組成物を示す。
1)ユーカリ系調合香料
ユーカリ油30質量%,L−メントール45質量%,DPG25質量%
2)柑橘系調合香料
レモングラス油35質量%,メントール30質量%,DPG35質量%
3)ミント系調合香料
スペアミント油30質量%,メントール25質量%,DPG45質量%
<水蒸気発生量の測定>
水蒸気発生量は図6に示す装置30を用いて、次のように測定される数値とした。
図6に示す装置30は、アルミニウム製の測定室(容積4.2L)31、測定室31の下部に除湿空気(湿度2%未満、流量2.1L/分)を流入させる流入路32、測定室31の上部から空気を流出させる流出路33、流入路32に設けられた入口温湿度計34と入口流量計35、流出路33に設けられた出口温湿度計36と出口流量計37、測定室31内に設けられた温度計(サーミスタ)38からなっている。温度計38としては、温度分解能が0.01℃程度のものを使用した。
水蒸気発生体120の肌側に位置する面の表面温度の測定は、測定環境温度30℃(30±1℃)において水蒸気発生体120を酸素遮断袋から取り出し、水蒸気発生体120又は温熱具100の肌側に位置する面、すなわち水蒸気放出面を上にして測定室31に載置し、金属球(4.5g)をつけた温度計38をその上に載せて計測した。また、この状態で下部より除湿空気を流し、入口温湿度計34と出口温湿度計36で計測される温度及び湿度から測定室31に空気が流入する前後の絶対湿度の差を求め、さらに入口流量計35と出口流量計37で計測される流量から水蒸気発生体120又は温熱具100が放出した水蒸気量を算出した。
なお、水蒸気発生量とは、水蒸気発生体120を酸素遮断袋から取り出した時点を起点とし、10分後までに測定された水蒸気量の総量をいう。
<空間容積(ml)の測定>
マスク本体部と被験者の顔とで挟まれた空間の容積は、以下のようにして測定した。被験者の素顔とマスクを装着した顔とのそれぞれの3次元形状データを3次元測定器DANAE100(NEC株式会社製)により取得した。得られた2つの3次元形状データを、3次元画像解析ソフト3D−RUGLE(株式会社メディックエンジニアリング製)により重ねて、マスク装着による凸部の体積計算を行い、この値からマスク本体が占める体積を減じ、空間容積(mL)とした。
なお、得られた空間容積の値は、特開2012−205926号公報に示されているように、マスクの内側に液不透過性のフィルムを配置し、この部分に水を注ぎ、被験者がマスクを装着したのと同じ状態になるようにして、下向きに顔をつけて、残った水の量を測定する方法と、ほぼ同様であった。また、得られた空間容積の値は、上述の有限会社デジタルヒューマンテクノロジー製の平均人頭データを用いて造形された人頭モデルを使用して測定した空間容積の値ともほぼ同様であった。
<官能評価>
専門パネラー5名が、温熱具を適切に装着した際の「香りの強さ」、「使用後の鼻・喉の感覚」について以下の基準で評価し、最も人数の多い点数を選びスコア化した。なお、カップ状本体部の温熱具は、開口周縁部が使用者の顔に接するようにして、10分間保持された状態で使用した。
・「香りの強さ」
5:強い
4:やや強い
3:ちょうどよい
2:やや弱い
1:弱い
・「使用後の鼻・喉の感覚」
5:鼻・喉の乾燥感が著しく改善した
4:鼻・喉の乾燥感が改善した
3:鼻・喉の乾燥感が少し改善した
2:鼻・喉の乾燥感がわずかに改善した
1:鼻・喉の乾燥感が全く改善しなかった
<黄色ブドウ球菌量の測定>
専門パネラーが午前中に10分間、就寝前に10分間、1日2回温熱具を使用し、これを2週間連続して行った。なお、カップ状本体部の温熱具は、開口周縁部が使用者の顔に接するようにして、10分間保持された状態で使用した。
その後、以下の手順で、黄色ブドウ球菌量を測定し、評価した。
○:鼻腔の黄色ブドウ球菌量が低減した。
×:鼻腔の黄色ブドウ球菌量が増加、又は変わらなかった。
さらに、図8に、実施例2と比較例2の鼻腔(中鼻道、上咽頭)の黄色ブドウ球菌定量結果を示した。その結果、実施例2は有意に黄色ブドウ球菌が低減し、比較例2は有意な差が得られなかった。統計的有意差の検定にはウィルコクソン符号付順位検定を用いた。
[鼻粘液サンプルからのDNA抽出]
スワブで採取した鼻粘液に水を加え、
ボルテックスミキサーにより撹拌した。撹拌後、鼻粘液重量が左右等量となるように調製した。
調製したサンプルを、遠心した後、上清を除きDNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN)に付属しているATL Bufferを添加しボルテックスミキサーにより撹拌した後、ジルコプレップミニ(日本ジェネティクス)に移し、TissueLyser LT(QIAGEN)を用いて破砕処理した。破砕後、protease Kを添加し、30分間浸透させた。その後、AL Buffer、99.5%エタノールを加えた後にボルテックスミキサーにより撹拌し、スピンカラムに移した。1分間遠心後、AW1 Bufferを加えた後に同条件で再度遠心し、AW2 Bufferを加え3分間遠心した。スピンカラムを空の状態で、遠心した後に、AE Bufferを添加し、静置した。その後、カラムをエッペンチューブに移し、遠心しDNA抽出液を得た。
[Real-time PCR]
抽出したDNAを用いた黄色ブドウ球菌量の測定はReal-time PCRを用いて行った。Real-time PCRはMx3005Pシステム(Stratagene)を使用し、Real-time PCRに使用したプライマーとプローブを以下に示す。なお、検量線作製用のDNAとして、Stapylococcus aureus NBRC 13276から抽出したゲノムDNAを利用した。
プライマー-F AATTAACGAAATGGGCAGAAACA
プライマー-R TGCGCAACACCCTGAACTT
プローブ- FAM-AGAAATTAACTGGATGGTACGCGCGAAGA
測定はTaqMan Universal Master Mix II, no UNG (Applied Biosystems)を用い、25 ?Lの反応溶液(1 x Taqman Universal master mix, 0.5 ?M each forward primer and reverse primer, 0.25 ?M probe, 10 ?L sample solution)にて行い、95℃で10分間反応した後、95℃で15秒、60℃で1分間の反応を40回繰り返すことで行った。
[菌叢解析]
次世代シーケンサー Miseq(イルミナ)を用いて細菌菌叢を解析する際に使用する16S rRNA領域増幅プライマーを表4に示す。16S rRNA遺伝子の増幅(1st PCR)は、KAPA HiFi HotStart Ready Mix(Kapa Biosystems)を使用し、表5に示した組成でPCR反応溶液を調製し、表6に示した条件でPCRを行った。PCR後の増幅産物はAMPure XPを用いて精製した。続いて、サンプル別解析に必要なインデックス配列を付加するPCR(2nd PCR)を行った。PCRに用いたプライマーはNextera XT Index Kit(イルミナ)付属のプライマーを使用し、表7に示した組成でPCR反応溶液を調製しPCRはKAPA HiFi HostStart Ready Mix (Kapa Biosystems)を用いて表8に示した条件で行った。PCR後の精製はAMPure XP(ベックマンコールター)を用いて行い、精製後のサンプルは、Bioanalyzer(アジレント)を用いて確認した。
Figure 2020130505
Figure 2020130505
Figure 2020130505
Figure 2020130505
Figure 2020130505
精製したサンプルに関しては、等量の0.1N NaOH水溶液を用いて室温で5分間静置し変性後、MiSeq Reagent Kits v3 600 cycle(イルミナ)及びMiSeqにて遺伝子配列の取得を行った。
取得した遺伝子情報の解析は、Linux(登録商標)環境下にてQiime(Quantitative Insights Into Microbial Ecology)(http://qiime.org/)を用いて行った。まず、fastq−join(http://code.google.com/p/ea-utils/)によりペアエンドで取得された配列を、ミスマッチ許容率を8%条件で連結した。続いて、split_libraries_fastq.py(http://qiime.org/scripts/split_libraries_fastq.htmL)を用いて連結した配列のクオリティチェックを行った。次にopen reference OTU pick(http://qiime.org/scripts/pick_open_reference_otus.htmL)を実行し、配列のクラスタリング及び菌種同定を行った。この際、取得配列はuclust(http://www.drive5.com/usearch/)にて97%以上の相同性を指標にクラスタリングし、各クラスター内で最も平均的な配列を菌種同定に使用した。菌種同定のデータベースにはGreenGenes 13_8(http://qiime.org/home_static/dataFiles.htmL)を利用した。
図9に実施例2、図10に比較例2の菌叢変化結果をそれぞれ示した。実施例2においては、Moraxella属、黄色ブドウ球菌、Haemophilus属の割合が減少傾向にあった。
30 装置
31 測定室
32 流入路
33 流出路
34 入口温湿度計
35 入口流量計
36 出口温湿度計
37 出口流量計
38 温度計
100 温熱具
101 本体部
102 耳掛け部
103 縦中心線
104 収容体
107 シール部分
120 水蒸気発生体
121 水蒸気発生部
121A 水蒸気発生層
121B 基材層
121C 保水シート
122 袋体
122A 第1シート
122B 第2シート
200 温熱具
201 本体部
211 第1パネル
211A 側縁
211B 側縁
211C 側縁
212 第2パネル
212A 側縁
212B 側縁
212C 側縁
D 折り畳み線
x 最短距離

Claims (11)

  1. 使用者の口と鼻とを覆う本体部と、
    前記本体部に備えられた水蒸気発生体と、
    を有し、香料組成物により賦香されている温熱具であって、
    前記水蒸気発生体の水蒸気発生開始から10分間に放出される累積水蒸気発生量が、500mg以上、1500mg以下である、温熱具。
  2. 前記水蒸気発生体は、第1シート、水蒸気発生部、及び第2シートがこの順に積層した積層構造を有し、
    前記第1シートが前記使用者側となるように配置される、請求項1に記載の温熱具。
  3. 前記第1シートの通気度が5000秒/100ml以下であり、
    前記第2シートの通気度が8000秒/100ml超である、請求項2に記載の温熱具。
  4. 前記第2シートに前記香料組成物が賦香されている、請求項2または3に記載の蒸気温熱具。
  5. 前記香料組成物がシトラール、メントール、シネオール、及びl−カルボンの中から選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載の蒸気温熱具。
  6. 前記温熱具の使用時に前記本体部と前記使用者の顔とで挟まれた空間が形成され、前記空間の容積が、40ml以上、150ml以下である、請求項1乃至5いずれか一項に記載の蒸気温熱具。
  7. 前記空間の前記容積[ml]に対する、前記累積水蒸気発生量[g]の比が、5以上、25以下である、請求項6に記載の蒸気温熱具。
  8. 前記水蒸気発生体が被酸化性金属の酸化反応により温熱蒸気を発生する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蒸気温熱具。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の温熱具を使用することによって前記使用者における鼻腔内の黄色ブドウ球菌を低減する方法。
  10. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の温熱具を使用することによって前記使用者における鼻腔内菌叢を変化させる方法。
  11. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の温熱具を使用することによって前記使用者における鼻腔内のMoraxella属、黄色ブドウ球菌、およびHaemophilus属の割合を減少させる方法。
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