JP2020125216A - 滴下ノズル及び成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融ガラスの濡れ上がりを防ぎつつ、ガラス滴の重量のばらつきを低減する滴下ノズルを提供すること。【解決手段】滴下ノズル420は、溶融ガラスGを通過させる流路421aを有する流路部421と、流路421aに連通する開口422aを有し、溶融ガラスGをガラス滴GDとして滴下させる開口部422とを備え、開口422aは、流路部421の中心軸DXに対して平行に通る断面において、隣接する内側の傾斜角度が異なる複数の傾斜部422bを有し、傾斜部422bのうち流路部421に最も近い第1傾斜部IP1の内側の傾斜角度は、流路部421から最も遠い第2傾斜部IP2の内側の傾斜角度より小さい。【選択図】図3
Description
本発明は、ガラス成形体の成形に用いるガラス滴を形成する滴下ノズル及び当該滴下ノズルを備える成形装置に関するものである。
成形レンズやゴブ(ガラスの塊)を作製する際に滴下ノズルを用いてガラス滴を滴下する方法がある。ガラス滴を形成する滴下ノズルとして、例えば、ノズルの先端部において、一部又は全部に凹凸が形成され、当該凹凸の凸部の一部に内角が30°以上120°以下である屈曲部を有するものがある(特許文献1参照)。また、特許文献1のノズルの厚さは、0.3mm〜1.0mmとなっている。特許文献1のノズルでは、ガラス滴の重量調整の際に濡れ上がりを抑制している。
また、ガラス滴を形成する他の滴下ノズルとして、溶融ガラスを通過させるための流路が内部に設けられた筒状の流路形成部と、流路形成部の下端に位置し、ガラス滴の所望の重量に応じて形成された基準面と、基準面の高さ位置よりも鉛直方向下方に設けられた筒状部とを備えるものがある(特許文献2参照)。特許文献2のノズルでは、ガラス滴の重量調整に濡れ上がりを利用しており、基準面より下の部分に溶融ガラスを溜めて滴下することで所望のガラス滴を得ている。
特許文献1の滴下ノズルでは、ノズルの先端部の形状が複雑であるため加工が困難であり、かつノズルの先端部の複雑な構造に接してガラスが滴下するため重量の安定性が低いという問題がある。
また、特許文献2の滴下ノズルでは、ノズルの先端側の基準面及び筒状部の加工が複雑であり、かつ濡れ上がった部分のガラスとノズル内部のガラスとの温度差により成形体の品質が劣化するという問題がある。
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、溶融ガラスの濡れ上がりを防ぎつつ、ガラス滴の重量のばらつきを低減する滴下ノズルを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記滴下ノズルを備える成形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る滴下ノズルは、溶融ガラスを通過させる流路を有する流路部と、流路に連通する開口を有し、溶融ガラスをガラス滴として滴下させる開口部とを備え、開口は、流路部の中心軸に対して平行に通る断面において、隣接する内側の傾斜角度が異なる複数の傾斜部を有し、傾斜部のうち流路部に最も近い第1傾斜部の内側の傾斜角度は、流路部から最も遠い第2傾斜部の内側の傾斜角度より小さい。ここで、傾斜角度は、流路部の中心軸に対して垂直な面を基準としている。また、傾斜部において、内側の傾斜角度が切り替わる部分が各傾斜部の境界となっている。
上記滴下ノズルによれば、第1傾斜部において外側方向にガラスが広がる方向に流れ、第2傾斜部で第1傾斜部よりも傾斜角度を増やすことで立たせた状態として適正な傾斜角度とすることにより、ガラスの流れがガラスの濡れ上がりを防ぐように切り替わる。これにより、ガラス滴の重量を安定化させることができる。
本発明の具体的な1つの側面では、上記滴下ノズルにおいて、第2傾斜部の厚みは、0.1mm以上1mm以下である。第2傾斜部の厚みを上記範囲内とすることにより、溶融ガラスが滴下ノズルの最下部で留まりやすくなり、ガラスの濡れ上がりをより防止し、ガラス滴の重量のばらつきをより低減することができる。第2傾斜部の厚みを0.1mm以上とすることにより、製造を容易にすることができる。また、第2傾斜部の厚みを1mm以下とすることにより、濡れ上がりをより防止することができる。
本発明の別の側面では、傾斜部の内側の面は、複数の平面を有する。この場合、傾斜部の設計と製造とを簡易にすることができる。
本発明のさらに別の側面では、傾斜部の内側の面は、少なくとも一部に曲面を有する。ここで、傾斜部のうち第1傾斜部が曲面であっても、他の傾斜部が曲面であってもよい。また、第1傾斜部については、曲面が外側に反っていても内側に反っていてもよい。このように曲面を有する場合、溶融ガラスの流れを調整しやすくすることができる。
本発明のさらに別の側面では、第2傾斜部の長さは、2mm以上である。この場合、溶融ガラスが滴下ノズルの最下部で留まりやすくなり、ガラスの濡れ上がりをより防止し、ガラス滴の重量のばらつきをより低減することができる。
本発明のさらに別の側面では、滴下ノズルは、単一の部材で構成される。この場合、滴下ノズルを作製しやすく、ノズルの形状精度を安定化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、滴下ノズルは、複数の部材で構成される。この場合、傾斜部を構成する部材を変更することで、傾斜部の角度及び長さを容易に変更することができる。
上記課題を解決するため、本発明に係る成形装置は、上述の滴下ノズルと、滴下ノズルに溶融ガラスを供給する原材料供給部と、滴下ノズルから滴下されたガラス滴を用いてガラス成形体を成形する成形型とを備える。
上記成形装置によれば、第1傾斜部においてノズルの外側方向にガラスが広がる方向に流れ、第2傾斜部で第1傾斜部よりも傾斜角度を増やすことで立たせた状態として適正な傾斜角度とすることにより、ガラスの流れがガラスの濡れ上がりを防ぐように切り替わる。これにより、ガラス滴の重量を安定化させ、精度のよい成形体を得ることができる。
〔第1実施形態〕
図1等を参照して、本発明の第1実施形態に係る滴下ノズル及び当該滴下ノズルを備える成形装置について説明する。
図1等を参照して、本発明の第1実施形態に係る滴下ノズル及び当該滴下ノズルを備える成形装置について説明する。
図1及び図2に示すように、成形装置100は、成形体の原材料であるガラスを溶融して直接プレスする加圧成形のための装置である。成形装置100は、成形型200と、制御駆動装置300と、ガラス滴形成装置400とを備える。
図1に示すように、成形型200は、第1成形型210と、第2成形型220とを備える。成形の際、第1成形型210は第2成形型220に対向するように移動して、両成形型210,220を互いに突き合わせるような型閉じが行われる。
第1成形型210は、第1型本体211と、第1支持部212と、第1ヒーター部213とを備える。第1成形型210のうち第1型本体211は円筒状であり、第1転写面211aを有する。第1転写面211aは、後述するレンズ500(図6(D)参照)のうち第1光学面511aを形成するための第1光学転写面211bと、第1フランジ面511bを形成するための第1フランジ転写面211cとを含む。詳細は後述するが、ガラス滴形成装置400に設けられた滴下ノズル420で形成されたガラス滴GD(図6(A)参照)は、第1転写面211a上に滴下される。
第1支持部212は、第1型本体211と第1ヒーター部213との間に配置されており、第1型本体211を背後から支持している。
第1ヒーター部213は、第1支持部212の根元に設けられている。第1ヒーター部213には、第1型本体211を適度に加熱するための電気ヒーター213aが内蔵されている。
次に、第2成形型220について説明する。図1に示すように、第2成形型220は、第2型本体221と、第2支持部222と、第2ヒーター部223とを備える。第2成形型220のうち第2型本体221は円筒状であり、第2転写面221aを有する。第2転写面221aは、レンズ500(図6(D)参照)のうち第2光学面521aを形成するための第2光学転写面221bと、第2フランジ面521bを形成するための第2フランジ転写面221cとを含む。第2光学転写面221bは、第1光学転写面211bの位置に対応している。
第2支持部222は、第2型本体221と第2ヒーター部223との間に配置されており、第2型本体221を背後から支持している。
第2ヒーター部223は、第2支持部222の根元に設けられている。第2ヒーター部223には、第2型本体221を適度に加熱するための電気ヒーター223aが内蔵されている。
第1成形型210と第2成形型220とは、加圧成形時において、第1成形型210の第1転写面211aと、第2成形型220の第2転写面221aとが同軸に配置され、プレス時及び冷却時に互いに所定間隔だけ離間する等、適切な位置関係を保つものとなっている。
制御駆動装置300は、成形体であるレンズ500の製造にあたって成形型200に移動、開閉動作等を行わせるためのものである。具体的には、制御駆動装置300は、成形型200によるレンズ500の成形のために、電気ヒーター213a,223aへの給電の制御や、第1成形型210及び第2成形型220の開閉動作等の成形装置100全体の制御を行う。なお、制御駆動装置300に駆動された第1成形型210は、図1に示すように、水平なAB方向に移動可能であるとともに、鉛直のCD方向に移動可能になっている。また、制御駆動装置300に駆動された第2成形型220は、鉛直のCD方向に移動可能になっている。例えば、両成形型210,220を合わせて型閉じを行う際には、まず第2成形型220の下方位置に第1成形型210を移動させて両成形型210,220の軸CX1,CX2を一致させ、延いては上側の第2光学転写面221bと下側の第1光学転写面211bとを対向させ、第2成形型220を降下させて第1成形型210側に所定の力で押しつける。
図2に示すように、ガラス滴形成装置400は、原材料供給部410と、滴下ノズル420とを有する。原材料供給部410及び滴下ノズル420は、不図示のヒーターにより加熱され、原材料供給部410内のガラスを溶融状態にしており、滴下ノズル420を通過するガラスの溶融状態を維持している。原材料供給部410は、制御駆動装置300により移動や溶融ガラスの滴下タイミングが制御される。
原材料供給部410は、不図示の坩堝等で溶融させた溶融ガラスGを溜めており、所定のタイミングで溶融ガラスGを滴下ノズル420から滴下する。滴下前の溶融ガラスGは、均一な温度状態に保たれることが望ましい。
滴下ノズル420は、原材料供給部410から供給された溶融ガラスGから液滴状のガラス滴(又は溶融ガラス滴)GDを形成するためのものであり、溶融ガラスGをガラス自体の表面張力を利用して滴下させる。滴下ノズル420は、単一の部材で構成されている。これにより、滴下ノズル420を作製しやすく、ノズルの形状精度を安定化させることができる。滴下ノズル420は、例えば白金、白金合金等によって形成されている。
図3に拡大して示すように、滴下ノズル420は、流路部421と、開口部422とを備える。滴下ノズル420は、直径が異なる2つの円筒が繋がった外形を有する。滴下ノズル420の内部形状は、流路部421の中心軸DXに対して略回転対称となっている。
滴下ノズル420のうち流路部421は、開口部422より細長い円筒を主に有し、一方の端は原材料供給部410に連通している。また、流路部421は、太く短い円筒の一部にも形成されており、他方の端は開口部422に連通している。流路部421は、その内部に溶融ガラスGを通過させる流路421aを有する。
開口部422は、太く短い円筒を有し、一方の端は流路部421に連通しており、他方の端は外部に開放されている。開口部422は、流路421aに連通する開口422aを有し、溶融ガラスGをガラス滴GDとして滴下させる。開口422aは、流路部421の中心軸DXに対して平行に通る断面において、隣接する内側の傾斜角度が異なる複数の傾斜部422bを有している。開口部422において、傾斜部422bのうち流路部421又は中心軸DXに最も近い第1傾斜部IP1の内側の傾斜角度は、流路部421又は中心軸DXから最も遠い第2傾斜部IP2の内側の傾斜角度より小さくなっている。ここで、傾斜角度は、流路部421の中心軸DXに対して垂直な面を基準としている。また、傾斜部422bにおいて、内側の傾斜角度が切り替わる部分が各傾斜部IP1,IP2の境界BDとなっている。開口422aの内径は、流路421a側から最下部422cに向かって広がっており拡径となっている。第1傾斜部IP1の傾斜角度は、ノズルの半径方向又は外側方向に向けて溶融ガラスGを広げるため、例えば15°〜45°程度が望ましい。また、第2傾斜部IP2の傾斜角度は、ガラスの濡れ上がり(溶融ガラスがノズルの側面を伝い上る現象)を発生させないため、例えば45°〜90°程度であることが望ましい。本実施形態の傾斜部422bは、2つの傾斜部IP1,IP2で構成されており、隣接する第1及び第2傾斜部IP1,IP2は、互いに傾斜角度が異なっている。図3の例では、第1傾斜部IP1の傾斜角度は45°となっており、第2傾斜部IP2の傾斜角度は90°となっている。図4(A)の例では、傾斜部422bのうち第1傾斜部IP1の傾斜角度は15°となっており、第2傾斜部IP2の傾斜角度は90°となっている。また、図4(B)の例では、傾斜部422bのうち第1傾斜部IP1の傾斜角度は15°となっており、第2傾斜部IP2の傾斜角度は45°となっている。
滴下ノズル420において、第2傾斜部IP2の厚みt1は、0.1mm以上1mm以下、好ましくは0.25mm以下となっている。第2傾斜部IP2の厚みt1を上記範囲内のように肉薄とすることにより、溶融ガラスGが滴下ノズル420の最下部422cで留まりやすくなり、ガラスの濡れ上がりをより防止し、ガラス滴GDの重量のばらつきをより低減することができる。第2傾斜部IP2の厚みt1を0.1mm以上とすることにより、製造を容易にすることができる。また、第2傾斜部IP2の厚みt1を1mm以下とすることにより、濡れ上がりをより防止することができる。
傾斜部422bの内側の面S1は、複数の平面を有する。これにより、傾斜部422bの設計と製造とを簡易にすることができる。なお、ここでいう平面とは断面視における直線状の面であり円錐面や円筒面等も含む。本実施形態において、傾斜部422bの内側の面S1は、第1傾斜部IP1に対応する第1内面S1aと、第2傾斜部IP2に対応する第2内面S1bとを有する。
第2傾斜部IP2の長さt2は、2mm以上となっている。これにより、溶融ガラスGが滴下ノズル420の最下部422cで留まりやすくなり、ガラスの濡れ上がりをより防止し、ガラス滴GDの重量のばらつきをより低減することができる。
傾斜部422bは、各傾斜部IP1,IP2毎に内側の面S1の面粗さを変化させてもよい。最下部422cに近い面S1の面粗さを小さくすると、ガラス滴GDの重量のばらつきを小さくすることができる。例えば、第1傾斜部IP1の第1内面S1aの面粗さをガラスが濡れやすいRa(算術平均粗さ)6nm以上とし、第2傾斜部IP2の第2内面S1bの面粗さをガラス滴下時に滴下残りが少なくなるRa6nm以下とすることが望ましい。
以下、滴下ノズル420内における溶融ガラスGの流れについて説明する。図5(A)に示すように、流路部421から流出した溶融ガラスGは、開口部422において、傾斜部422bのうち傾斜角度が第2傾斜部IP2よりも小さい第1傾斜部IP1で広がる方向に流れる。その後、図5(B)に示すように、第1傾斜部IP1と第2傾斜部IP2との境界BDにおいて、傾斜角度が切り替わることにより溶融ガラスGの流れが所望の方向(図示の例では、略鉛直方向)に変化する。最下部422cに近い第2傾斜部IP2の傾斜角度は、溶融ガラスGの流れがガラスの濡れ上がりを防ぐ方向に切り替わるように設定されている。なお、傾斜部422bの傾斜角度は、最下部422cに近づくにつれて垂直に近づく方向に変化することが好ましい。開口部422から外部に流出した溶融ガラスGは、最下部422cを超えてノズルの外側の面に濡れ上がらず、所望の重量を有するガラス滴GDとして滴下される。
以下、図6(A)〜6(D)を参照して、図1等に示す成形装置100を用いた成形体であるレンズ500の製造方法について説明する。
まず、図6(A)に示すように、第1成形型210を、第1成形型210の第1転写面211aの中心部(具体的には、軸CX1)とガラス滴形成装置400の滴下ノズル420の中心軸DXとが一致するように滴下ノズル420の下方に配置する。滴下ノズル420から滴下したガラス滴GDは、滴下ノズル420の開口部422から第1転写面211a上に自然滴下させる。この際、ガラス滴GDの滴下に先立って、電気ヒーター213aによって、第1転写面211aをレンズ500の原材料である光学素子用の溶融ガラスGのガラス転移温度程度の温度に加熱しておく。ガラス滴GDは、全体としてレンズ500の体積に略等しい所望の重量となっている。ここで、溶融ガラスGに用いる原材料のガラスとしては、例えばリン酸塩系ガラス等が用いられる。なお、ガラス滴GDの滴下後、第1成形型210をガラス滴形成装置400から退避させ、第2成形型220の下方位置に移動させる。
図6(B)に示すように、ガラス滴GDは、滴下後において、第1転写面211a上で流動して広がり、第1光学転写面211bや第1フランジ転写面211cを満たす。その後、図6(C)に示すように、ガラス滴GDが完全に固化する前であり加圧変形可能な温度の間に、第1成形型210上のガラス滴GDに第2成形型220を相対的に押圧して成形する。この際、第2成形型220の下方位置に第1成形型210を移動させて両成形型210,220の軸CX1,CX2を一致させ、延いては上側の第2光学転写面221bと下側の第1光学転写面211bとを対向させた状態で押圧する。なお、第2成形型220は、第1成形型210と同程度の温度に加熱されている。
次に、ガラス滴GDの温度が漸次低下してくことにより、第1及び第2光学面511a,521aと、第1及び第2フランジ面511b,521bとを含むレンズ500が成形される(図6(C)及び6(D)参照)。レンズ500を十分に冷却した後、第1成形型210及び第2成形型220の加圧を解除して、第2成形型220を上昇させることにより、レンズ500を離型し、型外へ取り出す。なお、レンズ500を取り出した後、レンズ500の外側のフランジ部510bをダイサー等を利用して切り出して整形してもよい。
図6(D)に示すレンズ500は、円形の外形を有する。レンズ500は、レンズ本体部510aと、その周囲に形成されたフランジ部510bとを有する。レンズ本体部510aは、物体側に凸形状の非球面である第1光学面511aと、像側に凸形状の非球面である第2光学面521aとを有する。フランジ部510bは、第1光学面511aの周囲に広がる平坦な第1フランジ面511bと、第2光学面521aの周囲に広がる平坦な第2フランジ面521bとを有する。第1及び第2フランジ面511b,521bは、光軸OAに垂直なXY平面に対して平行に配置されている。なお、レンズ500の外形は、円形に限らず、四角形等の任意の形状としてもよい。
以上で説明した滴下ノズル420及び当該滴下ノズル420を備える成形装置100によれば、第1傾斜部IP1において滴下ノズル420の外側方向にガラスが広がる方向に流れ、第2傾斜部IP2で第1傾斜部IP1よりも傾斜角度を増やすことで立たせた状態として適正な傾斜角度とすることにより、ガラスの流れがガラスの濡れ上がりを防ぐように切り替わる。これにより、ガラス滴GDの重量を安定化させ、精度のよい成形体であるレンズ500を得ることができる。
(実施例)
以下、実施形態の滴下ノズルの実施例について説明する。ガラス材料としては、リン酸系ガラス(ガラス転移温度Tg:480℃、比重3.2)を用いた。このガラス材料を溶融させ、1000℃に加熱した滴下ノズルを用いてガラス滴を滴下させた。実施例及び比較例で用いた滴下ノズルのサイズ及び形状を以下の表1に示す。表1において、ノズル径は、滴下ノズルの最端部における開口の直径である。ノズル1及びノズル2は、実施例であり、開口部において2つの傾斜部(傾斜角度が2段構成)を有する構成となっている。ノズル3は、比較例であり、開口部において1つの傾斜部(傾斜角度が単一構成)を有する構成となっている。
〔表1〕
以下、実施形態の滴下ノズルの実施例について説明する。ガラス材料としては、リン酸系ガラス(ガラス転移温度Tg:480℃、比重3.2)を用いた。このガラス材料を溶融させ、1000℃に加熱した滴下ノズルを用いてガラス滴を滴下させた。実施例及び比較例で用いた滴下ノズルのサイズ及び形状を以下の表1に示す。表1において、ノズル径は、滴下ノズルの最端部における開口の直径である。ノズル1及びノズル2は、実施例であり、開口部において2つの傾斜部(傾斜角度が2段構成)を有する構成となっている。ノズル3は、比較例であり、開口部において1つの傾斜部(傾斜角度が単一構成)を有する構成となっている。
〔表1〕
表2に、開口部の傾斜角度が複数である実施例1と、傾斜角度が単数である比較例とにおけるガラス滴の滴下重量及びそのばらつきを示す。
〔表2〕
表2に示すように、2つの傾斜角度を有する滴下ノズルでは、ガラス滴の重量ばらつきはσ0.21mgであった。一方、単一の傾斜角度を有する滴下ノズルでは、ガラス滴の重量ばらつきはσ0.46mgであった。以上のことから、開口部に複数の傾斜角度を有する構成の滴下ノズルでは、ガラス滴の重量ばらつきを低減できることがわかる。
〔表2〕
表2に示すように、2つの傾斜角度を有する滴下ノズルでは、ガラス滴の重量ばらつきはσ0.21mgであった。一方、単一の傾斜角度を有する滴下ノズルでは、ガラス滴の重量ばらつきはσ0.46mgであった。以上のことから、開口部に複数の傾斜角度を有する構成の滴下ノズルでは、ガラス滴の重量ばらつきを低減できることがわかる。
表3に、実施例1と実施例2とにおけるガラス滴の滴下重量及びそのばらつきを示す。実施例1と実施例2とでは、2段目の傾斜部(流路部から最も遠い傾斜部)の厚みが異なる。
〔表3〕
表3に示すように、2段目の傾斜部の厚みが薄い実施例2の滴下ノズルの方が実施例1の滴下ノズルよりもガラス滴の重量ばらつきをより低減することがわかる。このように、流路部から最も遠い傾斜部の厚みが薄いほどガラス滴の滴下重量が安定するが、薄すぎるとノズルの強度が弱くなるため、耐久性を保つ程度の厚さは必要である。
〔表3〕
表3に示すように、2段目の傾斜部の厚みが薄い実施例2の滴下ノズルの方が実施例1の滴下ノズルよりもガラス滴の重量ばらつきをより低減することがわかる。このように、流路部から最も遠い傾斜部の厚みが薄いほどガラス滴の滴下重量が安定するが、薄すぎるとノズルの強度が弱くなるため、耐久性を保つ程度の厚さは必要である。
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係る第2実施形態の滴下ノズルについて説明する。第2実施形態の滴下ノズルは、第1実施形態の滴下ノズルを変形したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様である。
以下、本発明に係る第2実施形態の滴下ノズルについて説明する。第2実施形態の滴下ノズルは、第1実施形態の滴下ノズルを変形したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様である。
図7に示すように、傾斜部422bの内側の面S1は、少なくとも一部に曲面S1c(例えば円弧等の連続的に角度が変化する面)を有する。本実施形態において、傾斜部422bの内側の面S1は、第1傾斜部IP1に対応する第1内面S1aと、第2傾斜部IP2に対応する第2内面S1bとを有しており、第1内面S1aが曲面S1cを有している。ここで、第1傾斜部IP1の傾斜角度は、例えば円弧状の曲面S1cを直線として平均化又は近似化したもので設定している。なお、傾斜部422bのうち第1傾斜部IP1が曲面であっても、他の傾斜部が曲面であってもよい。また、第1傾斜部IP1については、曲面が外側に反っていても内側に反っていてもよい。
本実施形態の滴下ノズルでは、傾斜部422bの内側の面S1が少なくとも一部に曲面S1cを有することにより、溶融ガラスの流れを調整しやすくすることができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明に係る第3実施形態の滴下ノズルについて説明する。第3実施形態の滴下ノズルは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様である。
以下、本発明に係る第3実施形態の滴下ノズルについて説明する。第3実施形態の滴下ノズルは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態と同様である。
図8に示すように、滴下ノズル420は、複数の部材で構成される。本実施形態において、滴下ノズル420のうち第1傾斜部IP1は、流路部421と一体の第1部材431で形成されており、第2傾斜部IP2は、第1部材431とは別体の第2部材432で形成されている。第2部材432は筒状又はキャップ状の部材であり、第1部材431の周囲を囲むように第2部材432を嵌め込むことにより滴下ノズル420を組み立てることができる。
本実施形態の滴下ノズルでは、傾斜部422bを構成する部材を変更することで、傾斜部422bの角度及び長さを容易に変更することができる。
以上、本実施形態に係る滴下ノズル等について説明したが、本発明に係る滴下ノズル等は上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、滴下ノズル420の傾斜部422bの傾斜角度は適宜変更することができる。また、傾斜部422bを構成する傾斜角度を3つ以上とすることもできる。また、傾斜部422bは、下方に広がる階段状の構成とすることもできる。
また、上記実施形態において、成形型200の第1及び第2転写面211a,221aの形状は、成形する成形体の形状に応じて適宜変更することができる。例えば単一のレンズを成形する転写面に限らず、複数のレンズを有するレンズアレイを成形する転写面としてもよい。
また、上記実施形態において、滴下ノズル420の外形は適宜変更することができる。また、流路421a及び開口422aの断面形状、長さ、内径等も適宜変更することができる。
100…成形装置、 200…成形型、 300…制御駆動装置、 400…ガラス滴形成装置、 410…原材料供給部、 420…滴下ノズル、 421…流路部、 421a…流路、 422…開口部、 422a…開口、 422b…傾斜部、 422c…最下部、 431…第1部材、 432…第2部材、 500…レンズ、 DX…中心軸、 G…溶融ガラス、 GD…ガラス滴、 IP1…第1傾斜部、 IP2…第2傾斜部、 OA…光軸
Claims (8)
- 溶融ガラスを通過させる流路を有する流路部と、
前記流路に連通する開口を有し、前記溶融ガラスをガラス滴として滴下させる開口部と、
を備え、
前記開口は、前記流路部の中心軸に対して平行に通る断面において、隣接する内側の傾斜角度が異なる複数の傾斜部を有し、
前記傾斜部のうち前記流路部に最も近い第1傾斜部の内側の傾斜角度は、前記流路部から最も遠い第2傾斜部の内側の傾斜角度より小さいことを特徴とする滴下ノズル。 - 前記第2傾斜部の厚みは、0.1mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の滴下ノズル。
- 前記傾斜部の内側の面は、複数の平面を有することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の滴下ノズル。
- 前記傾斜部の内側の面は、少なくとも一部に曲面を有することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の滴下ノズル。
- 前記第2傾斜部の長さは、2mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の滴下ノズル。
- 単一の部材で構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の滴下ノズル。
- 複数の部材で構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の滴下ノズル。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の滴下ノズルと、
前記滴下ノズルに前記溶融ガラスを供給する原材料供給部と、
前記滴下ノズルから滴下された前記ガラス滴を用いてガラス成形体を成形する成形型と、
を備えることを特徴とする成形装置。
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- 2019-02-01 JP JP2019016962A patent/JP2020125216A/ja active Pending
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