JP4313753B2 - ガラス成形体、光学素子それぞれの製造方法、熔融ガラス流出装置およびガラス成形体の製造装置 - Google Patents

ガラス成形体、光学素子それぞれの製造方法、熔融ガラス流出装置およびガラス成形体の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、プレス成形用ガラス素材などのガラス成形体の製造方法、前記製造方法により得られたガラス成形体から光学素子を製造する方法、ならびに、それら方法に使用され得る熔融ガラス流出装置およびガラス成形体の製造装置に関する。
清澄、均質化された熔融ガラスを蓄積した容器から、容器に接続したパイプを通してガラスを流出し、ガラス成形体を成形する方法が広く知られている。このときガラス流出口があるパイプ下端の温度低下を防ぎ、流出するガラスの失透を防止するために、1つの加熱手段でパイプ全体を加熱する方法が知られている(特許文献1)。
特開2004−203723号公報
ガラスの流出開始から終了までガラスの流出速度を一定にするには、パイプ流出口の高さを基準にしたときの溶融ガラス蓄積容器内のガラス液位変化を小さくすることが望まれる。そのためには、容器底部をパイプ流出口よりも十分高く配置するともにパイプの長さを十分長くすることが好ましい。しかし、このような装置では、パイプ全体を一つの加熱手段で加熱すると、パイプ内を流れるガラスの温度または粘度を所望の条件に調整することは困難である。また、パイプに加熱されない部位が存在すると、安定したガラス流出が妨げられ、ガラスの品質が低下する原因となる。
一般に、加熱方法としては、誘導加熱、通電加熱、間接加熱などの方法が知られている。例えば、パイプ全体を通電加熱する場合には、パイプ流出口近傍から電極を引き出さなければならず、電極を伝って熱が外部に逃げるため、パイプ流出口近傍の温度を適正に保つことが難しい。それに対し、誘導加熱によれば、上記問題を生じることはない。
一方、パイプの温度を適正に維持するためには、熔融ガラス流出時のパイプ温度を熱電対などの温度センサーでモニターし、必要によりパイプ加熱温度等にフィードバックさせることが好ましい。しかし、パイプ全体を誘導加熱する場合には、誘導加熱によって温度センサーも加熱されてしまうため、パイプ温度の正確な計測が困難となる。
そこで、本発明は、パイプの温度を適正に保ち、高品質のガラス成形体を高い生産性のもとに製造する方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、上記方法により得られたガラス成形体から光学素子を製造する方法、ならびに上記ガラス成形体を製造するための熔融ガラス流出装置およびガラス成形体の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[請求項]熔融ガラスをパイプ先端に設けられた流出口から流出して、光学ガラスからなる成形体を成形するガラス成形体の製造方法において、
前記パイプの先端から上方(以下、「下端部」という)の周囲にコイルを配置し、該コイルに高周波電流を流すことにより、パイプ下端部を誘導加熱し、
前記パイプ下端部に少なくとも1つの電極を接続し、
前記パイプ下端部上端よりも上部に少なくとも1つの電極を接続して、
前記電極間に電流を流すことにより通電加熱を行うことを特徴とするガラス成形体の製造方法。
[請求項]前記パイプ下端部の電極が接続する部分が、前記パイプ下端部中央部より上に位置することを特徴とする請求項に記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項]前記下端部は、少なくとも一部がパイプ本体から着脱自在な着脱自在部であり、かつ前記パイプは、該着脱自在部を着脱自在に装着可能な着脱機構を有し、
該着脱機構に上記着脱自在部が装着された状態で、前記誘導加熱および通電加熱を行う請求項またはに記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項]前記上部の温度をモニターし、前記モニター結果に基づきパイプの温度を制御することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項]外径および/または内孔径が異なる複数種の着脱自在部の中から前記熔融ガラスの流出に使用する着脱自在部を選択し、選択した着脱自在部を前記着脱機構に装着した状態で、前記熔融ガラスの流出を行う請求項またはに記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項]前記着脱自在部は、前記流出口を有するノズルである請求項またはに記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項]流出する熔融ガラスから一定重量の熔融ガラス塊を分離し、前記ガラス塊が冷却する過程で前記重量の成形体を成形することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項]前記成形体がプレス成形用ガラス素材であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項]前記プレス成形用ガラス素材が精密プレス成形用プリフォームであることを特徴とする請求項に記載のガラス成形体の製造方法。
[請求項10]ガラス製プリフォームを加熱してプレス成形する光学素子の製造方法において、
請求項に記載の方法によりプレス成形用ガラス素材を作製し、前記プレス成形用ガラス素材の表面を機械加工により除去してプリフォームとし、前記プリフォームを加熱してプレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
[請求項11]ガラス製プリフォームを加熱して精密プレス成形する光学素子の製造方法において、
前記プリフォームを請求項に記載の方法により作製することを特徴とする光学素子の製造方法。
[請求項12]熔融ガラスを蓄積する熔融ガラス容器と、前記容器に連接し、先端に熔融ガラスを流出する流出口を有するパイプと、前記パイプを加熱する加熱装置とを備える請求項のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法に使用される熔融ガラス流出装置において、
前記加熱装置がパイプ先端から上方(以下、「下端部」という)を誘導加熱する誘導加熱器と、前記下端部上端よりも上部のパイプを通電加熱するための通電加熱機構を備えるとともに、
前記下端部は、少なくとも一部がパイプ本体から着脱自在な着脱自在部であり、かつ前記パイプは、該着脱自在部を着脱自在に装着可能な着脱機構を有することを特徴とする熔融ガラス流出装置。
[請求項13]熔融ガラスを蓄積する熔融ガラス容器と、前記容器に連接し、先端に熔融ガラスを流出する流出口を有するパイプと、前記パイプを加熱する加熱装置とを備える請求項のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法に使用される熔融ガラス流出装置において、
前記加熱装置がパイプ先端から上方(以下、「下端部」という)を誘導加熱する誘導加熱器と、パイプを通電加熱するための通電加熱機構と、パイプに接続し、かつ、前記通電加熱機構に接続された複数の電極を備え、
前記複数の電極のうち、少なくとも1つの電極が前記パイプ下端部に接続していることを特徴とする熔融ガラス流出装置。
[請求項14]前記複数の電極のうち、最も下にある電極がパイプ下端部中央部よりも上に接続していることを特徴とする請求項13に記載の熔融ガラス流出装置。
[請求項15]前記パイプの下端部上端よりも上部の温度をモニターする温度センサーからの出力信号に基づき、前記パイプの温度を制御することを特徴とする請求項1214のいずれか1項に記載の熔融ガラス流出装置。
[請求項16]前記温度センサーがパイプに接触して配置された熱電対であることを特徴とする請求項15に記載の熔融ガラス流出装置。
[請求項17]熔融ガラス流出装置より流出する熔融ガラスからガラス成形体を成形するガラス成形体の製造装置において、
前記熔融ガラス流出装置が請求項1216のいずれか1項に記載の装置であることを特徴とするガラス成形体の製造装置。
本発明によれば、パイプの下端部を誘導加熱するとともに、前記下端部より上部を通電加熱もしくは発熱体による加熱、または通電加熱と発熱体による加熱の併用により加熱しながら熔融ガラスの流出を行うことにより、パイプ先端の温度低下を防ぐとともに、パイプ全体の温度を適正に制御しながら溶融ガラスを流出させることができる。その結果、流出ガラスから失透させることなく高品質なガラス成形体を成形することができる。
また、本発明によれば、パイプの通電加熱される部分と誘導加熱される部分との間に加熱されない部位ができず、好ましくは、通電加熱のための電極がパイプ流出口から離れた位置から引き出されるため、電極からの熱伝導により流出口の温度が低下することを防止することができる。それにより、パイプ全体の温度を適正に制御しながら溶融ガラスの流出を行うことができる。その結果、流出ガラスから失透させることなく高品質なガラス成形体を成形することができる。
[ガラス成形体の製造方法]
本発明のガラス成形体の製造方法は、2つの態様からなり、いずれの態様も、熔融ガラスをパイプ先端に設けられた流出口から流出して、光学ガラスからなる成形体を成形するガラス成形体の製造方法であって、前記パイプの先端から上方(下端部)の周囲にコイルを配置し、該コイルに高周波電流を流すことにより、パイプ下端部を誘導加熱することを特徴とする。
誘導加熱は、伝導体の周囲にコイルを配置し、そのコイルに高周波電流を流して誘導電流を発生させることにより、伝導体を加熱する加熱方法である。誘導加熱の高周波は、周囲にコイルを配置した伝導体の先端部に集中しやすい。パイプの先端に設けた流出口から熔融ガラスを流出させてガラス成形体を成形する場合には、流出口周辺部の温度の低下はガラスの失透の原因となる。そのため、パイプ下端部先端の加熱に適した誘導加熱は、ガラスの失透を防ぐために特に有用である。そこで、本発明では、パイプ下端部周囲にコイルを配置して誘導加熱を行う。これにより、失透を防ぎ高品質なガラス成形体を製造することができる。
他方、前述のように、誘導加熱によると、温度センサーも加熱されて温度のモニターが困難となる。そこで、本発明では、誘導加熱と他の加熱手段を組み合わせ、誘導加熱している部分以外でのパイプ温度のモニターを可能にしている。
本発明の第一のガラス成形体の製造方法(以下、「ガラス成形体の製法1」ともいう)では、誘導加熱により加熱されるパイプ下端部上端よりも上部に少なくとも一対の電極を接続して該電極間に電流を流すことにより、前記上部を通電加熱するか、および/または、前記パイプ下端部上端よりも上部の周囲に発熱体を配置することにより、前記上部を加熱し、かつ、前記上部の温度をモニターし、前記モニター結果に基づきパイプの温度を制御する。これにより、失透の原因となるパイプの熔融ガラス流出口付近を誘導加熱により加熱しつつ、パイプの温度をモニターすることができる。
通電加熱とは、少なくとも一対の電極を電気伝導体に接続して該電極間に電流を流すことにより、ジュール熱によって上記伝導体を発熱させる加熱方法である。また、発熱体による加熱とは、例えば電流を流すことにより発熱する発熱体により加熱対象物の側面を包み込むことによって加熱を行う方法である。
パイプから熔融ガラスを流出させてガラス成形体を成形する場合には、前述のように流出口付近の温度の低下が失透の原因となる。更に、パイプに加熱されていない部分が存在すると、この部分の温度のみが低下してガラスの失透を招くとともに、ガラスの安定した流出の妨げともなる。
そこで、本発明の第二のガラス成形体の製造方法(以下、「ガラス成形体の製法2」ともいう)では、周囲に誘導加熱用コイルを配置したパイプ下端部に少なくとも1つの電極を接続し、前記パイプ下端部上端よりも上部に少なくとも1つの電極を接続して、前記電極間に電流を流すことにより通電加熱を行う。これにより、誘導加熱が行われる部分(以下、「誘導加熱部」ともいう)と通電加熱が行われる部分(以下、「通電加熱部」ともいう)が一部重複するため、熔融ガラスを安定して流出させ、失透のないガラス成形体を製造することができる。
図5に誘導加熱されるパイプ下端部の概略図を示す。本発明において、パイプ下端部とは、パイプ先端から上方の部分であり、例えば、パイプの長さの100分の1〜10分の1の長さであることができ、好ましくは80分の1〜20分の1の長さであることができる。また、パイプ下端部上端よりも上部とは、パイプ下端部の誘導加熱用コイル上端に囲まれる部分より上の部分を指すものとする。
ガラス成形体の製法2では、パイプ下端部の通電加熱用電極が接続する部分が、パイプ下端部中央部より上(図5参照)に位置することが好ましい。このような構成とすることにより、誘導加熱されている部分から引き出される電極と熔融ガラス流出口とは、パイプ下端部の半分に相当する長さ以上離れることになり、電極を伝って熱が外部へ逃げることにより、パイプ流出口近傍の温度が低下することを回避することができる。また、この構成によれば、誘導加熱部に接続される電極は、高周波コイルによって囲まれた領域から引き出されるため電極自体も誘導加熱されることになり、これによってもパイプ流出口近傍の温度が適正範囲よりも低くなることを防止することができる。また、誘導加熱部と通電加熱部が一部重複するので、パイプ全域を漏れなく加熱し、パイプ全体を適正温度に保つことができる。なお、誘導加熱部に接続させる電極は、パイプ下端部を加熱する高周波コイルの上部開口部から前記コイルの外部に引き出すことが望ましい。
ガラス成形体の製法2でも、製法1と同様、パイプ下端部先端よりも上部、即ち誘導加熱部よりも上部の温度をモニターし、前記モニター結果に基づきパイプの温度を制御することが好ましい。
ガラス成形体の製法1、2において、誘導加熱部よりも上部の温度をモニターする方法としては、温度センサーをパイプに接触させる方法を挙げることができる。本発明では、例えば、温度センサーの出力信号に基づき高周波誘導加熱器などの誘導加熱器の入力を制御してパイプ下端の温度が適正範囲になるようにすることができる。例えば、温度センサーの出力信号が予め設定した基準値よりも高温を示す場合には誘導加熱器への入力を減少させてパイプの温度が適正温度になるようにパイプ下端の温度を低下させ、基準値よりも低温を示す場合には誘導加熱器への入力を増加させてパイプの温度が適正温度になるようにパイプ下端の温度を上昇させることができる。なお、誘導加熱器の入力制御に使用する温度センサーは、誘導加熱部に設けると高周波コイルにより温度センサー自体も加熱されてしまうため、正確な温度制御が困難となる。そこで、本発明では、温度センサーは誘導加熱部よりも上部の部位に配置する。誘導加熱器の入力制御に使用する温度センサーは誘導加熱部よりも上部にあって誘導加熱部に近い部分に設けることが好ましい。その理由は、誘導加熱部の温度に近い部分の温度をモニターして誘導加熱器にフィードバックをかけることにより、特に失透等に影響する熔融ガラス流出口付近の温度を制御することができるからである。
温度センサーはパイプの長さに応じて複数箇所に設けることができる。本発明では、例えば、パイプ上部の側面から高さを変えて複数の電極を引き出し、その電極間に電流を流して通電加熱したり、所定の長さの発熱体でパイプ上部の周りを囲むとともに、このような発熱体をパイプの長さ方向に沿って並べることによってパイプ上部の全域を加熱してもよいし、上記通電加熱と発熱体の加熱を併用してもよい。これらの場合、パイプ上部の加熱を複数のゾーンに分けたときには、少なくとも各ゾーン毎に1つ以上の温度センサーを設けることが好ましい。
パイプ上部の加熱機構の制御は、加熱されるパイプの部位に設けられた温度センサーまたは前記部位に近い部位に設けられた温度センサーの出力信号に基づき行うことが望ましい。パイプ上部の加熱も温度センサーの出力信号が予め設定された基準値よりも高温を示す場合には通電加熱機構あるいは発熱体への入力信号を減少させて温度センサーによりモニターされている部位または前記部位に近いパイプの温度を低下させ、前記出力信号が予め設定された基準値よりも低温を示す場合には通電加熱機構あるいは発熱体への入力信号を増加させて温度センサーによりモニターされている部位または前記部位に近いパイプの温度を上昇させる。
なお、通電加熱によればパイプの温度を速やかに変化させることができるため、パイプから単位時間あたりに流出する熔融ガラスの量を短時間で制御することができる。なお、パイプ各部の温度は流出するガラスの種類、パイプの内径、熔融ガラスの流出量などを考慮して設定することができる。好ましくはガラス成形体の生産に先立ち、予備実験を行って条件出しをすることを推奨する。
本発明で使用される温度センサーとしては、応答速度が速く、正確な温度測定ができる熱電対が好ましい。熱電対をパイプに接触させて配置して、温度のモニターを行うことができる。
また、本発明では、誘導加熱器、通電加熱機構、発熱体としては、ガラス製造の技術分野で周知のものを使用すればよい。本発明では、少なくともパイプ下端部が電気伝導体であるパイプを使用する。そのようなパイプとしては、金属(合金を含む)製のパイプを用いることができ、白金合金製または白金製のパイプを使用することが好ましい。
通電加熱用電極は、パイプ側面の全周にわたって引き出すことが望ましい。前述のように、電極はパイプの熱を外部に奪うため、パイプの一定の高さに位置する側面の全周から電極が引き出される構造にすることにより、パイプの特定の側面のみの温度が低下することを防止できる。ガラス成形体の製法2における誘導加熱部からの電極の引き出しも上記のようにすることが好ましい。その際、電極の形状は円錐の側面に相当する形状とし、円錐の頂点に位置する部分をパイプに取り付けるようにし、取り付け位置から電極が上方に広がるようにすることが好ましい。そして、電極上部(円錐の底面外周に相当する位置)から交流電源に接続する配線を引き出すことが好ましい。このようにすることにより、高周波コイルに妨げられずにパイプ下端部から最下部電極を容易に引き出すことができる。なお、上記電極も白金合金製または白金製とすることが好ましい。
なお、パイプ側面全体を保温材で包むようにすることが、パイプの温度を適正な範囲に保つ上で好ましい。パイプ上部を発熱体により加熱する場合は、パイプと一緒に発熱体も外側から保温材で包むようにすればよい。
上記ガラス成形体の製法1および製法2の一態様としては、パイプ下方に鋳型を配置し、上記パイプから連続して流出する熔融ガラス流を鋳型に流し込むとともに鋳型内で流し込まれたガラスを成形し、前記鋳型から成形されたガラス成形体を連続して引き出す製造方法(成形例1という。)、複数の成形型を次々とパイプ下方に搬送し、パイプ流出口から流出して分離する熔融ガラス塊を前記パイプ下方にある成形型で受けて、前記成形型上で熔融ガラス塊をガラス成形体に成形する工程を繰り返す製造方法(成形例2という。)などを示すことができる。
成形例1では、パイプから熔融ガラス流が連続流として流出するようにして鋳型に流し込む。鋳型内に広がった熔融ガラスは鋳型によって熱が奪われ冷却されて例えば平板形状に成形される。鋳型側面の一方は開口しており、その開口部から成形したガラスを一定のスピードで水平方向に連続して引き出しながら一定の厚みと幅を有する光学ガラスからなる平板を成形する。本発明によれば、ガラスが失透することなく安定した流量で鋳型に流し込まれるので、均一な厚みで高品質な平板状ガラス成形に好適なガラス成形体を製造することができる。
成形例2では、パイプからの熔融ガラス流出を連続流とする場合と熔融ガラス滴とする場合がある。連続流として流出する場合は、パイプ下方に搬送、停留する成形型をパイプ下端に近づけて流出するガラス流の先端を成形型に設けられた凹部で支持し、熔融ガラス流の先端とパイプに近い部分との間にくびれを生じさせた後、成形型を急降下して前記くびれから熔融ガラス流先端を分離(切断刃を使用しない。)して同凹部上に受け、成形型凹部から噴出するガスにより分離したガラス塊に風圧を加えて浮上させながらガラス成形体を成形することができる。本製法では複数の成形型を順次、上記のように動かすことにより次々とガラス成形体を成形することができる。
成形例2において、パイプから熔融ガラス滴を滴下する場合も複数の成形型を順次パイプ下方に移送、停留させて、停留位置において熔融ガラス滴を受け取る操作は上記方法と同様である。滴下の場合は成形型凹部の周辺に設けられた熔融ガラス滴受け面で熔融ガラス滴を受け、前記受け面を滑らすか、または転がして熔融ガラス滴を凹部へと導き、上記と同様、ガスにより風圧を加えて浮上させながらガラス成形体に成形する。成形例2では、成形型上のガラスは、成形型上で固化した後に成形型から取り出すことができる。
成形例1、成形例2とも成形されたガラス成形体をアニールして歪を低減してもよい。
ガラス成形体の製法1および製法2は、流出パイプの下端部の加熱が十分行われるとともに、パイプ各部の温度を精密に制御することが可能であるため、流出する熔融ガラスから一定重量の熔融ガラス塊を分離し、前記ガラス塊が冷却する過程で前記重量のガラス成形体を成形する方法として望ましいものである。
ガラス成形体の製法1および製法2は、プレス成形用ガラス素材、好ましくはプレス成形用プリフォーム、特に、精密プレス成形用プリフォームの製造方法として好適である。上記成形例1によりプレス成形用ガラス素材を製造する場合は、鋳型から引き出したガラス成形体をアニールして歪を低減した後、所定形状および所定寸法に分割して複数個のガラス片を作り、これらガラス片の表面に研削、研磨を施して所定重量のプレス成形用ガラス素材とすることができる。
上記成形例2によりプレス成形用ガラス素材を製造する場合は、成形型から取り出したガラス成形体をそのまま所定重量のプレス成形用ガラス素材として使用してもよいし、取り出した成形体をアニールして歪を低減してから研削、研磨を施して所定重量のプレス成形用ガラス素材として使用してもよい。特に、成形例2では、流出する熔融ガラスから一定重量の熔融ガラス塊を分離し、前記ガラス塊が冷却する過程で前記重量の成形体を成形することが好ましい。
なお、「プレス成形用プリフォーム」とは、加熱、軟化してプレス成形に供するためのガラス成形体であり、プレス成形品の重量に応じた所要重量のガラスからなる。
また、「精密プレス成形用プリフォーム」とは、精密プレス成形に供するためのプレス成形用プリフォームである。精密プレス成形は、モールドオプティクス成形法とも呼ばれ、既に当該発明の属する技術分野においてはよく知られたものである。光学素子の光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面と呼ぶ。例えばレンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する。精密プレス成形法はプレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形で光学機能面を形成する方法である。つまり光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
本発明のガラス成形体の製造方法によれば、パイプ全体が温度制御されるため、熔融ガラスの流出量を精密に制御することができる。単位時間あたりの流出量を正確に一定に保ち、パイプから流出する熔融ガラスの分離を一定周期で行うことにより、重量精度の高い熔融ガラス塊を分離することができる。このような特長は次のような場合に特に絶大な効果を発揮する。
プレス成形型の成形面を加熱、軟化したガラスに精密に転写してガラスのプレス成形を行う精密プレス成形では、プレス成形品への研削、研磨加工は最小限にとどめられるか、行われない。上記研削、研磨加工を行わない場合、プレス成形に供されるガラス素材の重量とプレス成形によって得られるレンズなどの光学素子の重量は一致している。また上記研削、研磨加工を行う場合でもガラス素材の重量超過は精密プレス成形時にガラスがプレス成形型を構成する部材間に進入して成形バリの原因になったり、良好なプレス成形の妨げになる。ガラス素材の重量不足はプレス成形型内のガラスの充填不足の原因となり、プレス成形品の成形精度を悪化させてしまう。このような理由により、精密プレス成形に供されるガラス素材(精密プレス成形用プリフォームという。)の重量精度は目的とする重量を基準にして公差±2%以内、好ましくは±1%以内に収めることが求められる。本発明のガラス成形体の製造方法は、上記高い重量精度が求められる精密プレス成形用プリフォームの製造に好適である。その上、精密プレス成形用プリフォームの表面は精密プレス成形によってレンズのレンズ面などに仕上げられるため、失透などの欠陥が存在することは許されない。本発明によれば、パイプ下端部を誘導加熱することにより、ガラスの失透を防止できるため、失透のない精密プレス成形用プリフォームを容易に製造することができる。
[熔融ガラス流出装置、ガラス成形体の製造装置]
本発明のガラス成形体の製造方法においては、熔融ガラス流出装置より流出する熔融ガラスからガラス成形体を成形するガラス成形体の製造装置を用いることができる。前述のガラス成形体の製法1に用いられる熔融ガラス流出装置としては、以下の2つの態様の熔融ガラス流出装置を挙げることができる。
(1)熔融ガラスを蓄積する熔融ガラス容器と、前記容器に連接し、先端に熔融ガラスを流出する流出口を有するパイプと、前記パイプを加熱する加熱装置とを備える熔融ガラス流出装置において、
前記加熱装置がパイプ先端よりも上方(下端部)を誘導加熱する誘導加熱器と、前記下端部上端よりも上部のパイプを通電加熱するための通電加熱機構を備えるとともに、
前記上部の温度をモニターする温度センサーからの出力信号に基づき、前記パイプの温度を制御することを特徴とする熔融ガラス流出装置(以下、「流出装置(1)」ともいう)。
(2)熔融ガラスを蓄積する熔融ガラス容器と、前記容器に連接し、先端に熔融ガラスを流出する流出口を有するパイプと、前記パイプを加熱する加熱装置とを備える熔融ガラス流出装置において、
前記加熱装置がパイプ先端から上方(下端部)を誘導加熱する誘導加熱器と、前記パイプの下端部上端よりも上部の周りに配置された発熱体を備えるとともに、
前記上部の温度をモニターする温度センサーからの出力信号に基づき、前記パイプの温度を制御することを特徴とする熔融ガラス流出装置(以下、「流出装置(2)」ともいう)。
ガラス成形体の製法2に用いる熔融ガラス流出装置としては、
(3)熔融ガラスを蓄積する熔融ガラス容器と、前記容器に連接し、先端に熔融ガラスを流出する流出口を有するパイプと、前記パイプを加熱する加熱装置とを備える熔融ガラス流出装置において、
前記加熱装置がパイプ先端から上方(下端部)を誘導加熱する誘導加熱器と、パイプを通電加熱するための通電加熱機構と、パイプに接続し、かつ、前記通電加熱機構に接続された複数の電極を備え、
前記複数の電極のうち、少なくとも1つの電極が前記パイプ下端部に接続していることを特徴とする熔融ガラス流出装置(以下、「流出装置(3)」ともいう)、
を挙げることができる。
流出装置(3)においては、先にガラス成形体の製法2について述べたように、前記複数の電極のうち、最も下にある電極がパイプ下端部中央部よりも上に接続していることが好ましく、前記パイプの下端部上端よりも上部の温度をモニターする温度センサーからの出力信号に基づき、前記パイプの温度を制御することが好ましい。
上記流出装置(1)〜(3)のいずれにおいても、熔融ガラスを蓄積する熔融ガラス容器は、公知のものを用いることができ、例えば白金合金製容器を用いることができる。上記容器に連接するパイプ、加熱手段、および温度モニターおよび温度制御については、前述の通りである。
上記熔融ガラス流出装置は、パイプの温度、パイプの内径などにより熔融ガラス流としてガラスを流出することもできるし、パイプ下端から熔融ガラス滴としてガラスを滴下することもできる。
なお、熔融容器内の熔融ガラスの液位の変化に対して熔融ガラスの流出速度を一定に保つには、前記熔融ガラスの液面とパイプ下端部先端(流出口)との高低差に対する上記液位変化を小さくすることが望まれる。このような観点から、パイプ上部先端と下端部先端との高低差(パイプの長さに相当する。)を2.0〜2.5mの範囲にすることが望ましい。このようにガラスの流出を安定に行うには、比較的長いパイプが必要になるが、本発明によれば、このようなパイプであってもパイプ各部が適正な温度になるよう制御することができ、ガラスを失透させることなく、高品質なガラス成形体を作製することができる。
[光学素子の製造方法]
次に本発明の光学素子の製造方法について説明する。
第一の態様は、ガラス製プリフォームを加熱してプレス成形する光学素子の製造方法において、前記本発明のガラス成形体の製法により得られたプレス成形用ガラス素材の表面を機械加工により除去してプリフォームとし、前記プリフォームを加熱してプレス成形する光学素子の製造方法である。
ガラス成形体の表面を除去する機械加工としては、研削加工、研磨加工、または研削および研磨加工を例示できる。具体的にはバレル研磨が適している。
本態様は大気中でプリフォームを加熱、軟化し、プレス成形型を用いてプレス成形し、光学素子に近似したプレス成形用ガラス素材を作る。次にプレス成形用ガラス素材をアニールして歪を低減した後、プレス成形用ガラス素材の表面に研削、研磨等の機械加工を行って、例えば非酸化性雰囲気中で加熱されたプリフォームをプレス成形型を使用してプレス成形して光学素子を作製することができる。または、機械加工のみにより所望の光学素子を作製することもできる。プレス成形方法は、公知の方法を用いることができる。
第二の態様は、ガラス製プリフォームを加熱して精密プレス成形する光学素子の製造方法において、前記本発明のガラス成形体の製法により精密プレス成形用プリフォームを作製することを特徴とする。
本態様では、大気中でプリフォームを加熱、軟化し、プレス成形型を用いてプレス成形し、光学素子に近似した精密プレス成形用ガラス素材を作る。次に精密プレス成形用ガラス素材をアニールして歪を低減した後、例えば非酸化性雰囲気中で加熱されたプリフォームをプレス成形型を使用して精密プレス成形して光学素子を作製することができる。精密プレス成形方法は、公知の方法を用いることができる。
本発明においてプリフォームは光学ガラスにより構成されていることが望ましい。光学素子としては非球面レンズ、球面レンズ、マイクロレンズ、プリズム、回折格子、レンズ付きプリズムなどの各種素子を例示することができる。
なお、上記光学素子の表面には反射防止膜等の光学薄膜を形成してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

参考例1)
図1は参考例で使用する熔融ガラス流出装置の真横から見た概略を示したものである。本参考例では白金合金製容器1内に脱泡、均質化された熔融ガラス2が図示していない加熱装置により高温に保たれた状態で蓄積されている。容器1の底部には白金合金製のパイプ3が接続されており、容器内の熔融ガラスがパイプ内を流れる構造になっている。パイプの上端(容器1の底部に接続している部分)から下端部先端(流出口)までの長さは2.3mであり、容器1の底部から容器内の熔融ガラス液面までの高さは0.3mである。パイプ3はガラス流出口を供えた下端部3−1と下端部と容器1の間を連接するパイプ上部3−2からなる。パイプ上部は4つのゾーンに分かれており、各ゾーンの両端から電極が引き出され交流電源4に電気的に接続され、各交流電源4を動作させることにより、パイプ上部3−2の各ゾーンは通電加熱される。なお、上記各電極は、白金合金製または白金製とすればよい。
一方、パイプ下端部3−1の外周にはパイプを取り囲むように高周波コイル6が配置されている。高周波コイル6に電気的に接続された高周波電源5を動作させることにより、パイプ下端部3−1が高周波加熱される。
パイプ上部3−2の各ゾーンの外周面には熱電対7が接触して設けられ、各ゾーンのパイプ温度をモニターしている。またパイプ上部外周面の下端部に近い部分には熱電対7が接触して設けられ、下端部3−1の温度変化をモニターしている。上記各熱電対はコントローラ8に電気的に接続されており、コントローラは上記熱電対からのモニター信号と予め設定入力された各ゾーンの温度条件に基づき、各交流電源4の出力、高周波電源5の出力を制御し、パイプ各部位の温度が適正に保たれるようにする。
パイプ上部の4ゾーンのうち、上からゾーン1、ゾーン2、ゾーン3、ゾーン4とすると、例えば、ゾーン1の設定温度を1020℃、ゾーン2の設定温度を1020℃、ゾーン3の設定温度を970℃、ゾーン4の設定温度を955℃とする。またパイプ上部の最も下端部よりの熱電対7でモニターしている部分の設定温度を955℃とする。このような条件でパイプ各部の温度を一定に制御して熔融ガラス2を一定の流速のもとに連続して流出した。
ターンテーブル上に配置した複数の成形型を前記テーブルのインデックス回転により、パイプ下端部3−1の真下(キャスト位置という。)に次々と搬送しては以下の工程を繰り返して流出する熔融ガラスからガラス成形体を次々と成形した。キャスト位置に停留した成形型を前記位置でパイプ下端に近づけるために上昇させ、流出する熔融ガラス流の下端を前記成形型に設けられた凹部で支持し、熔融ガラス流の下端とパイプに接する部分との間にくびれを生じさせた。その後、所定のタイミングで成形型を急降下し前記くびれから下の熔融ガラス流を分離(切断刃を使用しない。)し、上記凹部上に受けた。分離したガラス塊には成形型凹部から窒素ガスを噴出させて風圧を加え、浮上させながらガラス成形体に成形する。成形型上のガラスは固化後に成形型から取り出した。
なお、パイプから流出する熔融ガラスの分離を一定の周期で行うよう、成形型の動きを制御した。
このようにして、目的とするガラス成形体の重量に対し重量公差±1%以内という重量精度の高いガラス成形体を量産することができた。これらの成形体には失透、脈理などの欠陥は認められなかった。なお、本実施例ではSiO2およびB23含有ガラス、B23およびLa23含有ガラス、SiO2およびTiO2含有ガラス、リン酸ガラスなどの各種光学ガラスを使用した。
次に図2に示す熔融ガラス流出装置を用いてガラスの流出およびガラス成形体の作製を行った。図2に示す装置は基本的には図1の装置を同じであるが、通電加熱機構はなく代わりにパイプ上部の外周に発熱体9を配置している。この装置もパイプ上部を4つのゾーンに分け、図1の装置と同様、各ゾーンのパイプ外周に接触して配置された熱電対のモニター信号に基づき、発熱体に供給する電力を制御する。熱電対のモニター信号は図1の装置同様、コントローラに送られ、コントローラは発熱体に電力を供給する電源10の供給電力を制御する。このようにしてパイプ上部各部の温度は設定温度に保たれる。
パイプ下端部の高周波加熱、ならびに温度モニター、モニター信号に基づく高周波加熱へのフィードバック制御は図1の装置と同様である。このようにして図1の装置を用いたときと同じように高品質かつ重量精度の高い、各種光学ガラスからなるガラス成形体を製造した。
(実施例1)
次に図3に示す熔融ガラス流出装置を用いてガラスの流出およびガラス成形体の作製を行った。図3に示す装置は基本的には 図1の装置を同じであるが、通電加熱に使用する電極の中で最も下にある電極11(最下部電極という。)がパイプ下端部の上から1/4の位置から高周波コイル6の上部開口部を通って引き出され、交流電源4に接続されている。このようにしてパイプ下端部の上から1/4の部分は高周波誘導加熱を受けるとともに、通電加熱も行われる。また最下部電極11が引き出される位置と流出口3−1はパイプ下端部の長さの3/4程度離れているので流出口3−1近傍の温度が低くなりすぎることもない。
図4は、図3のパイプ下端部より引き出された最下部電極11の形状を具体的に示したものである。最下部電極11は円錐の側面を頂点を下方にした形状を有し、その頂点部分がパイプ側面の全周に取り付けられている。電極最上部からは配線が引き出され、交流電源4に接続されている。
この装置もパイプ上部を4つのゾーンに分け、図1の装置と同様、各ゾーンのパイプ外周に接触して配置された熱電対のモニター信号に基づき、発熱体に供給する電力を制御する。熱電対のモニター信号は図1の装置同様、コントローラ8に送られ、コントローラ8は交流電源4の供給電力を制御する。このようにしてパイプ上部各部の温度は設定温度に保たれる。そして、最下部電極11も高周波加熱される。
パイプ下端部の高周波加熱、ならびに温度モニター、モニター信号に基づく高周波加熱へのフィードバック制御は図1の装置と同様である。このようにして図1の装置を用いたときと同じように高品質かつ重量精度の高い、各種光学ガラスからなるガラス成形体を製造した。
(実施例2)
次にパイプ内外径が小さい点を除けば参考例1および実施例1と同様の装置( 図1の装置、図2の装置、図3の装置の各装置)を用いて、熔融ガラスをパイプ流出口から滴下し、キャスト位置に停留する成形型凹部の周囲に設けられた熔融ガラス滴受け面で熔融ガラス滴を受け、前記受け面を滑らすあるいは転がして熔融ガラス滴を凹部へと導き、実施例1と同様にして、ガスにより風圧を加え浮上させながらガラス成形体に成形した。
このようにして、目的とするガラス成形体の重量に対し重量公差±1%以内という重量精度の高いガラス成形体を量産した。これらの成形体には失透、脈理などの欠陥は認められなかった。なお、本実施例ではSiO2およびB23含有ガラス、B23およびLa23含有ガラス、SiO2およびTiO2含有ガラス、リン酸ガラスなどの各種光学ガラスを使用した。
(実施例3)
次に参考例1および実施例1で使用した熔融ガラス流出装置(図1の装置、図2の装置、図3の装置の各装置)のパイプ下端の真下に、上面ならびに4つの側面のうちの一つが開口した箱型の鋳型を底部が水平になるように配置、固定し、パイプから熔融ガラス流を連続して一定の流速で鋳型に流し込んだ。流し込まれたガラスは鋳型内全体に広がりつつ、開口する側面方向に流れる。このようにして鋳型によって熱を奪われたガラスは鋳型側面の間隔によって決まる幅を有する板状ガラスに成形される。成形された板状ガラスは鋳型側面の開口部から一定速度で水平方向に引き出され、アニール炉内を通過しながらアニールされる。
熔融ガラス流出装置によって流出するガラスの流速は一定に保たれているため、板状ガラスの引き出し速度を鋳型内の熔融ガラス液位が一定に保たれるように制御すれば一定の厚みを有する板状ガラスを成形することができる。
このようにして成形された板状ガラス成形体には失透や脈理などの欠陥は認められなかった。
なお、本実施例でもSiO2およびB23含有ガラス、B23およびLa23含有ガラス、SiO2およびTiO2含有ガラス、リン酸ガラスなどの各種光学ガラスを使用した。
(実施例4)
実施例1および2で作製したガラス成形体をプリフォームとし、窒素ガス雰囲気中で加熱、軟化してプレス成形型を用いて精密プレス成形し、非球面レンズを含む各種光学素子を作製した。なお、精密プレス成形に使用するプレス成形型は周知のものを用い、プレス成形条件も周知の範囲で適宜調整した。
このようにして失透などの欠陥のない高品質で形状精度の高い光学素子を作製することができた。
(実施例5)
次に参考例1および実施例1で作製したガラス成形体をバレル研磨して、窒化ホウ素などの粉末状離型剤を全表面に均一の塗布し、大気中で加熱、軟化してプレス成形型を用いてレンズ形状にプレス成形した。次にプレス成形品をアニールした後、表面を研削、研磨して球面レンズに仕上げた。
このようにして失透などの欠陥のない高品質で形状精度の高い光学素子を作製することができた。
なお、バレル研磨、プレス成形型は周知のもの用いればよく、プレス成形条件も周知の範囲で適宜調整すればよい。
(実施例6)
次に実施例3で作製したガラス成形体を所定の寸法に切断し、立方体状のガラス片を多数作製した。このガラス片をバレル研磨して、窒化ホウ素などの粉末状離型剤を全表面に均一の塗布し、大気中で加熱、軟化してプレス成形型を用いてレンズ形状にプレス成形した。次にプレス成形品をアニールした後、表面を研削、研磨して球面レンズに仕上げた。
このようにして失透などの欠陥のない高品質で形状精度の高い光学素子を作製することができた。
なお、バレル研磨、プレス成形型は周知のもの用いればよく、プレス成形条件も周知の範囲で適宜調整すればよい。
(実施例7)
次に実施例3で作製したガラス成形体を所定の寸法に切断し、立方体状のガラス片を多数作製した。これらガラス片の表面を研磨してプリフォームとし、窒素ガス雰囲気中で加熱、軟化してプレス成形型を用いて精密プレス成形し、非球面レンズを含む各種光学素子を作製した。なお、精密プレス成形に使用するプレス成形型は周知のものを用い、プレス成形条件も周知の範囲で適宜調整した。
このようにして失透などの欠陥のない高品質で形状精度の高い光学素子を作製することができた。
参考例2
参考例は、図1に示された参考例1の熔融ガラス流出装置の一部に変更を施したものである。以下、参考例1の装置と異なる点のみ説明する。説明しない点については参考例1の図1に示された装置および前記装置を使用したガラス成形体の製造方法と同様である。
パイプは、ガラス流出口を供えた下端部と下端部と容器の間を連接するパイプ上部からなる。パイプ下端部は、パイプ上部の下方部に設けられている着脱機構により、パイプ上部の下方部に着脱自在に取り付けられる。パイプ上部の下方部にパイプ下端部を取り付ける際、パイプ内を流れる熔融ガラスがパイプ上部とパイプ下端部の間で漏れ出さないよう、パイプ上部の内孔とパイプ下端部の内孔の位置が正確に一致し、かつパイプ上部の下端面とパイプ下端部の上端面とが密着するように当接させる。例えば、パイプ上部の下端外周にナットを付加し、パイプ下端部の上部外周にネジ溝を形成して、前記ネジ溝を上記ナットで締め込むことで、パイプ上部へのパイプ下端部の装着を行い、ナットを緩めて、上記ネジ溝から外すことにより、パイプ下端部を取り外すようにする。
参考例1と同様、パイプ上部の各ゾーンを通電加熱した。一方、パイプ下端部の外周にはパイプを取り囲むように高周波コイルを配置し、高周波コイルに電気的に接続された高周波電源を動作させることにより、パイプ下端部を高周波加熱した。
通電加熱される部位はパイプ上部に限られ、パイプ上部とパイプ下端部の間には通電加熱のための電流は流れない。このようにパイプ下端部を着脱できる装置では、パイプ上部とパイプ下端部の間に通電加熱のための電流を流すと、パイプ上部とパイプ下端部の間のギャップで火花放電が発生することがある。また、パイプ上部とパイプ下端部の間の抵抗がパイプ下端部の装着具合によって変動するため、通電加熱を安定化することが難しくなる。
しかし、本参考例のようにパイプ下端部を高周波誘導加熱し、パイプ下端部とパイプ上部の間で通電加熱のための電流を流さないようにすることにより、パイプ各部位を安定して加熱することができる。このような着脱機構を有するパイプでは、外径や内孔径が異なる複数種のパイプ下端部を用意しておき、流出するガラスの性質、ガラスの流出量等の諸条件にあわせて適切なパイプ下端部を選択し、装着することができる。
なお、パイプ上部にパイプ下端部を熔接する場合も、両者間で火花放電が起きることはないが、熔接の仕方によっては熔接部位における電気抵抗が変わることがあるから、本実施例のようにパイプ上部を通電加熱し、パイプ下端部を高周波誘導加熱することが好ましい。
パイプ各部位の温度は参考例1および実施例1と同様にして制御して、熔融ガラスを一定の流速のもとに連続して流出した。
参考例1および実施例1と同様にターンテーブル上に配置した複数の成形型を前記テーブルのインデックス回転により、パイプ下端部の真下(キャスト位置という。)に次々と搬送しては以下の工程を繰り返して流出する熔融ガラスからガラス成形体を次々と成形した。キャスト位置に停留した成形型を前記位置でパイプ下端に近づけるために上昇させ、流出する熔融ガラス流の下端を前記成形型に設けられた凹部で支持し、熔融ガラス流の下端とパイプに接する部分との間にくびれを生じさせた。その後、所定のタイミングで成形型を急降下させ前記くびれから下の熔融ガラス流を分離(切断刃を使用しない。)し、上記凹部上に受けた。分離したガラス塊には成形型凹部から窒素ガスを噴出させて風圧を加え、浮上させながらガラス成形体に成形した。成形型上のガラスは固化後に成形型から取り出した。
なお、パイプから流出する熔融ガラスの分離を一定の周期で行うよう、成形型の動きを制御した。
そして、目的とするガラス成形体の重量に対し重量公差±1%以内という重量精度の高いガラス成形体を量産した。これらの成形体には失透、脈理などの欠陥は認められなかった。なお、本実施例ではSiO2およびB23含有ガラス、B23およびLa23含有ガラス、SiO2およびTiO2含有ガラス、リン酸ガラスなどの各種光学ガラスを使用した。
参考例3
次に参考例1の図2に示す熔融ガラス流出装置に上記変更(パイプ下端部の着脱機構を設ける変更)を加えた装置を用いてガラスの流出を行った。
参考例1と同様に、ターンテーブル上に配置した複数の成形型を前記テーブルのインデックス回転により、パイプ下端部の真下(キャスト位置)に次々と搬送しては以下の工程を繰り返して流出する熔融ガラスからガラス成形体を次々と成形した。キャスト位置に停留した成形型を前記位置でパイプ下端に近づけるために上昇させ、流出する熔融ガラス流の下端を前記成形型に設けられた凹部で支持し、熔融ガラス流の下端とパイプに接する部分との間にくびれを生じさせた。その後、所定のタイミングで成形型を急降下させ前記くびれから下の熔融ガラス流を分離(切断刃を使用しない。)し、上記凹部上に受けた。分離したガラス塊には成形型凹部から窒素ガスを噴出させて風圧を加え、浮上させながらガラス成形体に成形する。成形型上のガラスは固化後に成形型から取り出した。
なお、パイプから流出する熔融ガラスの分離を一定の周期で行うよう、成形型の動きを制御した。
このようにして、目的とするガラス成形体の重量に対し重量公差±1%以内という重量精度の高いガラス成形体を量産した。これらの成形体には失透、脈理などの欠陥は認められなかった。なお、本実施例ではSiO2およびB23含有ガラス、B23およびLa23含有ガラス、SiO2およびTiO2含有ガラス、リン酸ガラスなどの各種光学ガラスを使用した。
(実施例10)
次に実施例1の図3に示す熔融ガラス流出装置に変更を加えたガラス流出装置を用いてガラスの流出およびガラス成形体の作製を行った。本実施例では、パイプ下端部を2つの部分に分けた。第一の部分はパイプ上部に連接する部分で、パイプ上部と一体に形成されている。第二の部分はノズルと呼ばれ、ガラス流出口を供える。第一の部分の下端には着脱機構が付加されており、この着脱機構により第一の部分の下端にノズルの上端が着脱自在に取り付けられる。第一の部分の下端にノズル上端を取り付ける際、パイプ内を流れる熔融ガラスが第一の部分とノズルの間で漏れ出さないよう、第一の部分の内孔とノズルの内孔の位置が正確に一致し、かつ第一の部分の下端面とノズル上端面とが密着するように当接させる。例えば、第一の部分の下端部のナットを設け、ノズルの上部外周にネジ溝を形成して、前記ネジ溝を上記ナットで締め込むことで、第一の部分へのノズルの装着を行い、ナットを緩めて、上記ネジ溝から外すことにより、ノズルを取り外すようにする。
パイプの通電加熱に使用する電極の中で最も下にある電極(最下部電極という。)がパイプ下端部の上から1/4の位置、すなわちパイプ下端部の第一の部分の下端から高周波コイルの上部開口部を通って引き出され、交流電源に接続されている。このようにしてパイプ下端部の第一の部分は高周波誘導加熱を受けるとともに、通電加熱も行われる。また最下部電極が引き出される位置と流出口はノズルの長さ程度離れているので流出口近傍の温度が低くなりすぎることもない。
なお、パイプ下端部の第一の部分の下端より引き出された最下部電極の形状は図4と同様である。その他については実施例1の図3、図4に係る説明と同様である。
そして、実施例1と同様、ターンテーブル上に配置した複数の成形型を前記テーブルのインデックス回転により、パイプ下端部の真下(キャスト位置)に次々と搬送しては以下の工程を繰り返して流出する熔融ガラスからガラス成形体を次々と成形した。キャスト位置に停留した成形型を前記位置でパイプ下端に近づけるために上昇させ、流出する熔融ガラス流の下端を前記成形型に設けられた凹部で支持し、熔融ガラス流の下端とパイプに接する部分との間にくびれを生じさせた。その後、所定のタイミングで成形型を急降下させ前記くびれから下の熔融ガラス流を分離(切断刃を使用しない。)し、上記凹部上に受けた。分離したガラス塊には成形型凹部から窒素ガスを噴出させて風圧を加え、浮上させながらガラス成形体に成形した。成形型上のガラスは固化後に成形型から取り出した。
なお、パイプから流出する熔融ガラスの分離を一定の周期で行うよう、成形型の動きを制御した。
このようにして図1の装置を用いたときと同じように高品質かつ重量精度の高い、各種光学ガラスからなるガラス成形体を製造した。
(実施例11)
次にパイプ内外径が小さい点を除けば参考例2、3、実施例10で使用した各装置と同様の装置を用いて、熔融ガラスをパイプ流出口から滴下し、キャスト位置に停留する成形型凹部の周囲に設けられた熔融ガラス滴受け面で熔融ガラス滴を受け、前記受け面を滑らすか、または転がして熔融ガラス滴を凹部へと導き、参考例2、3、実施例10と同様にして、ガスにより風圧を加え浮上させながらガラス成形体に成形した。
このようにして、目的とするガラス成形体の重量に対し重量公差±1%以内という重量精度の高いガラス成形体を量産した。これらの成形体には失透、脈理などの欠陥は認められなかった。なお、本実施例ではSiO2およびB23含有ガラス、B23およびLa23含有ガラス、SiO2およびTiO2含有ガラス、リン酸ガラスなどの各種光学ガラスを使用した。
(実施例12)
次に参考例2、3、実施例10の各参考例、実施例で示した流出装置を用いて、実施例3と同様、パイプの真下に上面ならびに4つの側面のうちの一つが開口した箱型の鋳型を底部が水平になるように配置、固定し、パイプから熔融ガラス流を連続して一定の流速で鋳型に流し込んだ。流し込まれたガラスは鋳型内全体に広がりつつ、開口する側面方向に流れる。このようにして鋳型によって熱を奪われたガラスは鋳型側面の間隔によって決まる幅を有する板状ガラスに成形される。成形された板状ガラスは鋳型側面の開口部から一定速度で水平方向に引き出され、アニール炉内を通過しながらアニールされる。
熔融ガラス流出装置によって流出するガラスの流速は一定に保たれているため、板状ガラスの引き出し速度を鋳型内の熔融ガラス液位が一定に保たれるように制御すれば一定の厚みを有する板状ガラスを成形することができる。
このようにして成形された板状ガラス成形体には失透や脈理などの欠陥は認められなかった。
なお、本実施例でもSiO2およびB23含有ガラス、B23およびLa23含有ガラス、SiO2およびTiO2含有ガラス、リン酸ガラスなどの各種光学ガラスを使用した。
(実施例13)
参考例2、3、実施例10、11で作製したガラス成形体をプリフォームとし、窒素ガス雰囲気中で加熱、軟化してプレス成形型を用いて精密プレス成形し、非球面レンズを含む各種光学素子を作製した。なお、精密プレス成形に使用するプレス成形型は周知のものを用い、プレス成形条件も周知の範囲で適宜調整した。
このようにして失透などの欠陥のない高品質で形状精度の高い光学素子を作製することができた。
(実施例14)
次に参考例2、3、実施例10で作製したガラス成形体をバレル研磨して、窒化ホウ素などの粉末状離型剤を全表面に均一の塗布し、大気中で加熱、軟化してプレス成形型を用いてレンズ形状にプレス成形した。次にプレス成形品をアニールした後、表面を研削、研磨して球面レンズに仕上げた。
このようにして失透などの欠陥のない高品質で形状精度の高い光学素子を作製することができた。
なお、バレル研磨、プレス成形型は周知のもの用いればよく、プレス成形条件も周知の範囲で適宜調整すればよい。
(実施例15)
次に実施例12で作製したガラス成形体を所定の寸法に切断し、立方体状のガラス片を多数作製した。このガラス片をバレル研磨して、窒化ホウ素などの粉末状離型剤を全表面に均一の塗布し、大気中で加熱、軟化してプレス成形型を用いてレンズ形状にプレス成形した。次にプレス成形品をアニールした後、表面を研削、研磨して球面レンズに仕上げた。
このようにして失透などの欠陥のない高品質で形状精度の高い光学素子を作製することができた。
なお、バレル研磨、プレス成形型は周知のもの用いればよく、プレス成形条件も周知の範囲で適宜調整すればよい。
(実施例16)
次に実施例12で作製したガラス成形体を所定の寸法に切断し、立方体状のガラス片を多数作製した。これらガラス片の表面を研磨してプリフォームとし、窒素ガス雰囲気中で加熱、軟化してプレス成形型を用いて精密プレス成形し、非球面レンズを含む各種光学素子を作製した。なお、精密プレス成形に使用するプレス成形型は周知のものを用い、プレス成形条件も周知の範囲で適宜調整した。
このようにして失透などの欠陥のない高品質で形状精度の高い光学素子を作製することができた。
本発明によれば、失透などの欠陥のない高品質で形状制度の高い光学素子を製造することができる。本発明により得られた光学素子は、非球面レンズ、球面レンズ、マイクロレンズ、プリズム、回折格子、レンズ付きプリズムなどの各種素子として好適である。
参考例1で使用した熔融ガラス流出装置の概略図である。 参考例1で使用した熔融ガラス流出装置の概略図である。 実施例1で使用した熔融ガラス流出装置の概略図である。 図3のパイプ下端部より引き出された最下部電極11の形状を示す説明図である。 パイプ下端部の説明図である。

Claims (17)

  1. 熔融ガラスをパイプ先端に設けられた流出口から流出して、光学ガラスからなる成形体を成形するガラス成形体の製造方法において、
    前記パイプの先端から上方(以下、「下端部」という)の周囲にコイルを配置し、該コイルに高周波電流を流すことにより、パイプ下端部を誘導加熱し、
    前記パイプ下端部に少なくとも1つの電極を接続し、
    前記パイプ下端部上端よりも上部に少なくとも1つの電極を接続して、
    前記電極間に電流を流すことにより通電加熱を行うことを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. 前記パイプ下端部の電極が接続する部分が、前記パイプ下端部中央部より上に位置することを特徴とする請求項に記載のガラス成形体の製造方法。
  3. 前記下端部は、少なくとも一部がパイプ本体から着脱自在な着脱自在部であり、かつ前記パイプは、該着脱自在部を着脱自在に装着可能な着脱機構を有し、
    該着脱機構に上記着脱自在部が装着された状態で、前記誘導加熱および通電加熱を行う請求項またはに記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 前記上部の温度をモニターし、前記モニター結果に基づきパイプの温度を制御することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
  5. 外径および/または内孔径が異なる複数種の着脱自在部の中から前記熔融ガラスの流出に使用する着脱自在部を選択し、選択した着脱自在部を前記着脱機構に装着した状態で、前記熔融ガラスの流出を行う請求項またはに記載のガラス成形体の製造方法。
  6. 前記着脱自在部は、前記流出口を有するノズルである請求項またはに記載のガラス成形体の製造方法。
  7. 流出する熔融ガラスから一定重量の熔融ガラス塊を分離し、前記ガラス塊が冷却する過程で前記重量の成形体を成形することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
  8. 前記成形体がプレス成形用ガラス素材であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
  9. 前記プレス成形用ガラス素材が精密プレス成形用プリフォームであることを特徴とする請求項に記載のガラス成形体の製造方法。
  10. ガラス製プリフォームを加熱してプレス成形する光学素子の製造方法において、
    請求項に記載の方法によりプレス成形用ガラス素材を作製し、前記プレス成形用ガラス素材の表面を機械加工により除去してプリフォームとし、前記プリフォームを加熱してプレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
  11. ガラス製プリフォームを加熱して精密プレス成形する光学素子の製造方法において、
    前記プリフォームを請求項に記載の方法により作製することを特徴とする光学素子の製造方法。
  12. 熔融ガラスを蓄積する熔融ガラス容器と、前記容器に連接し、先端に熔融ガラスを流出する流出口を有するパイプと、前記パイプを加熱する加熱装置とを備える請求項のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法に使用される熔融ガラス流出装置において、
    前記加熱装置がパイプ先端から上方(以下、「下端部」という)を誘導加熱する誘導加熱器と、前記下端部上端よりも上部のパイプを通電加熱するための通電加熱機構を備えるとともに、
    前記下端部は、少なくとも一部がパイプ本体から着脱自在な着脱自在部であり、かつ前記パイプは、該着脱自在部を着脱自在に装着可能な着脱機構を有することを特徴とする熔融ガラス流出装置。
  13. 熔融ガラスを蓄積する熔融ガラス容器と、前記容器に連接し、先端に熔融ガラスを流出する流出口を有するパイプと、前記パイプを加熱する加熱装置とを備える請求項のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法に使用される熔融ガラス流出装置において、
    前記加熱装置がパイプ先端から上方(以下、「下端部」という)を誘導加熱する誘導加熱器と、パイプを通電加熱するための通電加熱機構と、パイプに接続し、かつ、前記通電加熱機構に接続された複数の電極を備え、
    前記複数の電極のうち、少なくとも1つの電極が前記パイプ下端部に接続していることを特徴とする熔融ガラス流出装置。
  14. 前記複数の電極のうち、最も下にある電極がパイプ下端部中央部よりも上に接続していることを特徴とする請求項13に記載の熔融ガラス流出装置。
  15. 前記パイプの下端部上端よりも上部の温度をモニターする温度センサーからの出力信号に基づき、前記パイプの温度を制御することを特徴とする請求項1214のいずれか1項に記載の熔融ガラス流出装置。
  16. 前記温度センサーがパイプに接触して配置された熱電対であることを特徴とする請求項15に記載の熔融ガラス流出装置。
  17. 熔融ガラス流出装置より流出する熔融ガラスからガラス成形体を成形するガラス成形体の製造装置において、
    前記熔融ガラス流出装置が請求項1216のいずれか1項に記載の装置であることを特徴とするガラス成形体の製造装置。
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