JP2020124168A - 水耕栽培装置、および、水耕栽培方法 - Google Patents

水耕栽培装置、および、水耕栽培方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020124168A
JP2020124168A JP2019019135A JP2019019135A JP2020124168A JP 2020124168 A JP2020124168 A JP 2020124168A JP 2019019135 A JP2019019135 A JP 2019019135A JP 2019019135 A JP2019019135 A JP 2019019135A JP 2020124168 A JP2020124168 A JP 2020124168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid supply
root
liquid
plant
hydroponic cultivation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019019135A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6653105B1 (ja
Inventor
昌久 大野
Masahisa Ono
昌久 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIMABUN CORP
Original Assignee
SHIMABUN CORP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIMABUN CORP filed Critical SHIMABUN CORP
Priority to JP2019019135A priority Critical patent/JP6653105B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6653105B1 publication Critical patent/JP6653105B1/ja
Publication of JP2020124168A publication Critical patent/JP2020124168A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/20Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions in agriculture, e.g. CO2
    • Y02P60/21Dinitrogen oxide [N2O], e.g. using aquaponics, hydroponics or efficiency measures

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Hydroponics (AREA)

Abstract

【課題】根の充分な保持によって植栽される植物体の離脱が抑制されると共に、植物体を抜き去る際には千切れた根が内部に残存しにくい水耕栽培装置、および、水耕栽培方法を提供する。【解決手段】水耕栽培装置1は、保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部21、給液部21に隣設され、弾力性を有する線条221の集合により構成された、空隙率が50%〜90%の立体網状であり、給液部21との間で植物体の根を挟持可能な第1部材22、および、給液部21を間に挟んで第1部材22と対向して配置され、少なくとも第1部材22との対向部分が、第1部材22よりも高剛性に構成された第2部材23を有する培地体2と、培地体2を収容すると共に、収容された同培地体2において前記根を挟持する挟持予定領域となる箇所の表面が露出する窓部32が形成されたケーシング3とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、水耕栽培装置、および、水耕栽培方法に関する。詳しくは、根の充分な保持によって植栽される植物体の離脱が抑制されると共に、植物体を抜き去る際には千切れた根が内部に残存しにくい水耕栽培装置、および、水耕栽培方法に関する。
従来から、農業あるいは園芸分野において水耕栽培が行われており、水耕栽培の方法としては、容器内に収められた培地を使用する態様と、容器内に収められた養液を使用する態様に大別される。
ところで、近年、園芸分野においては地球温暖化対策の一環として提案されている壁面緑化のために、農業分野においては栽培効率の向上あるいは省スペース化のために、高さ方向に栽培容器を立設して行う水耕栽培方法が注目されており、これに用いる器具の一例として、下記特許文献1に記載されているような植物栽培装置が提案されており、同植物栽培装置を図10に植物栽培装置9として図示する。
植物栽培装置9は、養液を供給するための高さ方向に延伸した養液用パイプ91と、栽培植物を植えるための縦方向に延伸した植物用パイプ92と、栽培植物に対して人工光を照射するための縦方向に延伸した育成光源93を備える構成である。
そして、植物用パイプ92には、栽培植物を載置する植物載置部を先端内部に設置した1以上の分岐パイプ94が斜め上方向に向けて所定の高さ幅ごとに設けられており、養液用パイプ91内部から分岐パイプ94内部へと養液を供給するための養液供給手段を備え、植物用パイプ92に隣接して、植物用パイプ92に設けられた分岐パイプ94の方向の先に育成光源93が設置されている。
特許文献1に記載された植物栽培装置9によれば、1つの人工光源で、より多くの栽培植物に人工光を照射でき電力消費量を減らすとともに、栽培植物に新鮮な養液を常時供給可能とされている。
特開2014−217349号公報
一方、通常のビニルハウス等で行う温室栽培では、自然光のみで事足り、人工光源までは要しない。また、植物栽培装置9のように装置内に養液を溜める構造を採用すると、貯溜液を含んだ全体重量が増加し、外部に養液が漏れない構造にする必要性から植栽可能な方向が自ずと限定される。
そこで、本発明者は、培地を使用する態様を選択し、培地として、保液性を有し、植物体の根の生育を妨げにくいウレタンスポンジを採用し、より簡易な構造な水耕栽培装置を試作した。
しかしながら、試作した水耕栽培装置に植物体を植栽して縦型水耕栽培の実験を行ったところ、植物体の生育に伴って茎部や葉部の重量が増すと、ウレタンスポンジが根を支えきれなくなって、ウレタンスポンジから根が外れて枯死することがあった。
更に、実験後、水耕栽培装置から植物体を抜き去る作業を行った際に、植物体の根が千切れてウレタンスポンジの中に残存し、しかも、残存した根の除去が困難なことが判明した。残存した根は、腐敗して悪臭や悪性菌の繁殖の原因になることから、培地の再利用は困難であり、栽培サイクル毎に培地を交換すると、ランニングコストの増加に繋がる。
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、根の充分な保持によって植栽される植物体の離脱が抑制されると共に、植物体を抜き去る際には千切れた根が内部に残存しにくい水耕栽培装置、および、水耕栽培方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の水耕栽培装置は、保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部、給液部に隣設され、弾力性を有する線条の集合により構成された、空隙率が50%〜90%の立体網状であり、給液部との間で植物体の根を挟持可能な第1部材、および、給液部を間に挟んで第1部材と対向して配置され、少なくとも第1部材との対向部分が、第1部材よりも高剛性に構成された第2部材を有する培地体と、培地体を収容すると共に、収容された培地体において根を挟持する挟持予定領域となる箇所の表面が露出する窓部が形成されたケーシングとを備える。
ここで、培地体は、保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部を有することにより、水耕栽培において外部から供給される水あるいは栄養分を含む液体(以下、総称して「養液等」という)を、給液部が吸収して保液し、吸収後の養液等が外部に滲出するようになっている。これにより、植栽する植物体の根の部分(以下、単に「根」という)を、給液部に沿わせる態様で植栽することで、根が滲出する養液等を吸収することができる。
培地体は、第1部材が給液部に隣設されていることにより、第1部材と給液部の間に植物体を植栽する領域を形成することができる。
このとき、第1部材が、弾力性を有する線条の集合により構成されていることにより、線条から生じる弾力を以て、植物体の根が第1部材と給液部の間に挟持され、培地体から植物体が容易に離脱しないようにすることができる。また、第1部材は、根を挟む際に、第1部材を給液部の方向に押圧する力が加わると、根と接触する部分の線条が弾力性により変形して、根を挟持可能なスペースが生じるので、挟持された根が傷つきにくい。更にまた、根を挟持した後、第1部材の形状がその弾力性により復元して根を押さえるので、根をしっかりと挟持し続けることができる。
第1部材は、立体網状であることにより、表面部分に複数の孔が開口し、これと連通した空隙が形成された構造となっており、植物体の生育に伴って伸長した根は、孔から空隙へ進入することできる。そして、第1部材は、進入した根が線条に絡んだり、巻き付いたりする(以下「絡着等」という)ことにより、根を係止することができる。更に、第1部材は、立体網状であるため通気性および通液性が良く、根腐れ等が起きにくくすることができる。
更に、第1部材は、その空隙率が50%〜90%であることにより、孔から根が進入しやすく、空隙の広さも進入した根を充分に受け入れることができるものであるので、根の生育を促進する構造となっている。一方で、第1部材は、前述の空隙率であることにより、植物体を抜き去るときにも、少ない抵抗でスムーズに根を抜くことができ、千切れた根が残存しにくい構造となっている。これにより、残存した根の腐敗等に起因する悪臭や悪性菌の繁殖を抑制することができ、衛生的なものになっている。
なお、空隙率が50%未満であると、空隙が狭いために根が入り込みにくくなり、かつ、植物体を抜き去るときに空隙の中で根が千切れ、残存することが多くなるため、好ましくない。一方、空隙率が90%を超えると、空隙が広いために根が入り込みやすく、植物体を抜き去るときも空隙の中に千切れた根が残存しにくいものの、根が絡着等する線条の量が少なく、根を保持する能力が低下するため、やはり好ましくない。
このように、第1部材は、給液部との間に植物体の根を挟持可能な構造となっている。
培地体は、給液部を間に挟んで第1部材と対向して配置され、少なくとも第1部材との対向部分が、第1部材よりも高剛性に構成された第2部材を有することにより、第2部材が、第1部材との対向部分が第1部材から受ける第2部材を押す力で撓み変形しない(撓み変形不能な)構造となっている。
仮に、第2部材の第1部材との対向部分が、第1部材と同等かそれ以下の剛性である場合、給液部越しに第1部材から受ける第2部材を押す力で、前述の第2部材における対向部分が撓み、第1部材のある方向と反対側へ変形する。このように変形した場合、第1部材と給液部の間に挟まれる根への押圧する力が、第2部材の方向へ逃げ、根を保持する力が緩むことになる。
しかしながら、本発明における第2部材は、前述の通り、第1部材から生じる力が撓みによって逃げないように構成されており、給液部越しに支えることができ、根を保持する力が緩むことを抑制することができる。
ケーシングは、培地体を収容すると共に、収容された培地体において根を挟持する挟持予定領域となる箇所の表面が露出する窓部が形成されていることにより、内部に培地体を収容することができ、収容状態において、窓部を通じて、根の挟持予定領域となる培地体の表面を外部に露出させることができる。これにより、培地体に植栽された植物体の苗条部を窓部から外に露出させることができ、露出した苗条部はその伸長が阻害されず、そして、苗条部に付く実や葉あるいは苗条部全体の収穫、花の鑑賞が可能な構造となっている。
なお「植物体の苗条部」とは、根以外の部分で、主に茎部(茎に付いた花や実を含む)や葉部を総称する意味で使用している。また、窓部は、スリット状でもよいし、所要の間隔で設けられた貫通孔であってもよい。
ところで、一般的に、2つの柔軟な培地で根を挟持する構造の水耕栽培装置では、各培地は同一のものを採用する場合が多いが、この場合、培地の柔軟性や劣化に起因して根の挟持予定領域が変形あるいは移動し、ケーシングの窓部から根の挟持予定領域が露出しない可能性がある。
これに対し、本発明の水耕栽培装置は、第1部材よりも高剛性に構成された第2部材が第1部材を支える構造であるため、根の挟持予定領域が窓部の形成位置から外れないようになっている。
更に、例えば、一般的な水耕栽培装置で、ケーシングが可撓性を有する素材で形成され、各培地が柔軟である場合は、水耕栽培装置の全体が外力によって捻れたり歪んだりする可能性があるが、本発明の水耕栽培装置であれば、剛性を有する第2部材を内包していることにより、ケーシングの内側から剛性が補完され、水耕栽培装置全体としての強度が担保される。
また、第1部材が、線条の形状が不規則に曲折した複数の不定形なループ状であると共に、線条同士が接触する箇所の一部を接合してなる構造である場合は、複数のループ状の線条とこの間の空隙が、不定形な形状かつ不規則な配置となり、進入した根が更に絡みやすく、絡んだ後も外れにくい構造にすることができる。
そして、線条同士が接触する箇所の一部を接合して構成することで、不定型なループ状の線条であっても、線条の間が過度に離間していない立体網状にまとめることができる。
また、第2部材が、略筒状で、周壁の少なくとも給液部に向いた部分に、内外に貫通した複数の小孔からなる根進入路が形成された構造である場合は、第2部材と給液部との間にも植物体を植栽することができる。
このとき、第2部材と給液部との間に挟まれた根は、給液部を介して第1部材の方向から加わる力によって挟持される。そして、第2部材と給液部との間で伸長した根は、根進入路を通じ、中空な第2部材の内部へ進入すると共に、小孔である根進入路の口縁に絡むので、第2部材と給液部との間に根を挟んだ場合にも植物体の離脱を抑制することができる。
また、給液部が、第1部材と第2部材との間に通じ、根が進入可能な根通過部が形成された構造である場合は、第1部材と給液部の間に植物体を植栽したときでも、植物体は、根通過部を通じて第2部材の方向にも容易に根を伸ばすことができ、給液部の存在によって根の伸長方向が制限されにくい構造にすることができる。同様に、第2部材と給液部の間に植物体を植栽したときでも、植物体は、根通過部を通じて第1部材の方向にも容易に根を伸ばすことができる。
つまり、植物体の植栽が、第1部材と給液部の間、あるいは、第2部材と給液部の間のいずれで行われたとしても、植物体の根は第1部材と第2部材の両方へ広く伸長することができ、植物体の離脱を抑制する効果を更に高めることができる。
また、給液部が、根通過部の位置を判別可能な目印部を有する構造である場合は、給液部が第1部材と第2部材の間に挟まれ、仮に根通過部の位置が目視できない状態(直接的に不可視状態にある)であっても、根通過部の位置を判別することができる。
これにより、例えば、培地体に植物体を植栽する作業の際に、給液部と隣設した第1部材あるいは第2部材を外さなくても、根通過部が形成された位置へ根を入れることができ、作業効率が向上する。また、例えば、ケーシング内に培地体を格納したままの状態でも、窓部を通して、根通過部の形成位置へ植物体を植栽することもでき、この場合、ケーシング内に培地体を出し入れする手間が省けて、作業効率が更に向上する。
上記の目的を達成するために、本発明の水耕栽培装置は、保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部、給液部に隣設され、弾力性を有する線条の集合により構成された、空隙率が50%〜90%の立体網状である第1部材、および、給液部を間に挟んで第1部材と対向して配置され、少なくとも第1部材との対向部分が、第1部材よりも高剛性に構成された第2部材を有する培地体と、培地体を収容すると共に、培地体の表面のうち、給液部と前記第1部材の境界領域が露出する窓部が形成されたケーシングとを備える。
ここで、培地体は、保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部を有することにより、水耕栽培において外部から供給される養液等を、給液部が吸収して保液し、吸収後の養液等が外部に滲出するようになっている。これにより、例えば、根を給液部に沿わせる態様で植物体を植栽することで、根が滲出する養液等を吸収することができる。
培地体は、第1部材が給液部に隣設されていることにより、第1部材と給液部の間に、挟持対象物を挟持する領域を形成することができる。この領域において、第1部材が、弾力性を有する線条の集合により構成されていることにより、線条から弾力が生じ、この弾力を以て、第1部材と給液部の間に挟持対象物を挟持することができる。
例えば、挟持対象物が根である場合、根が第1部材と給液部の間に挟持され、培地体から植物体が容易に離脱しないようにすることができる。また、第1部材は、根を挟む際に根と接触する部分の線条が変形するので、挟んだ根を傷つけにくく、持続する弾力によって、根をしっかりと挟持し続けることができる。
第1部材は、立体網状であることにより、表面部分に複数の孔が開口し、これと連通した空隙が形成された構造となっている。この構造により、例えば、植栽した植物体の生育に伴って伸長した根が、孔から空隙へ進入することでき、進入した根が線条に絡着等することにより、根を係止することができる。更に、第1部材は、立体網状であることにより、通気性および通液性が良く、根腐れ等が起きにくくすることができる。
更に、第1部材は、その空隙率が50%〜90%であることにより、孔から根が進入しやすく、空隙も進入した根を充分に受け入れることができる広さであるので、根の生育を促進する構造となっている。一方で、第1部材は、前述の空隙率であることにより、植物体を抜き去るときにも、少ない抵抗でスムーズに根を抜くことができ、千切れた根が残存しにくい構造となっている。これにより、残存した根の腐敗等に起因する悪臭や悪性菌の繁殖を抑制することができ、衛生的なものになっている。
培地体は、給液部を間に挟んで第1部材と対向して配置され、少なくとも第1部材との対向部分が、第1部材よりも高剛性に構成された第2部材を有することにより、第2部材が、第1部材との対向部分が第1部材から受ける弾力で撓み変形しない(撓み変形不能な)構造となっている。これにより、第2部材は、第1部材から生じる前述の弾力が撓みによって逃げないように給液部越しに支えることができ、例えば、植物体を植栽した際に、根を保持する力が緩むことを抑制することができる。
ケーシングは、培地体を収容すると共に、培地体の表面のうち、給液部と第1部材の境界領域が外部に露出する窓部が形成されていることにより、内部に培地体を収容することができ、収容状態において、窓部を通じて、給液部と第1部材の境界領域である培地体の表面を露出させることができる。
前述の通り、給液部と第1部材の境界領域は挟持対象物(例えば、植物体)の境界領域であり、窓部は、挟持する対象物(例えば、根)の所要の部分(例えば、苗条部)を外部に露出させることができる。なお、「境界領域」とは、少なくとも給液部と第1部材の境界を含む意味であり、同境界とその近傍を含んでいてもよい。
上記の目的を達成するために、本発明の水耕栽培方法は、保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部、給液部に隣設され、弾力性を有する線条の集合により構成された、空隙率が50%〜90%の立体網状である第1部材、および、給液部を間に挟んで第1部材と対向して配置され、少なくとも第1部材との対向部分が、第1部材よりも高剛性に構成された第2部材を有する培地体を使用し、第1部材と給液部との間に植物体の根を挟持させる第1ステップと、培地体をケーシングに収容し、ケーシングに形成された窓部を通じて、第1ステップで植栽した植物体の苗条部を外部に露出させる第2のステップとを備える。
ここで、前述の第1ステップを備えることにより、第1部材と給液部の間に根を挟持して植物体を植栽することができる。このとき、給液部は、水耕栽培において外部から供給される養液等を吸収して保液し、吸収後の液体が外部に滲出することで、根が滲出する液を吸収することができる。
第1ステップにおいて、第1部材は、根を挟む際に根と接触する部分の線条が変形するので、根を傷つけにくく、持続する弾力によって根をしっかりと挟持し続け、培地体から植物体が容易に離脱しないようにすることができる。
第1ステップにおいて、立体網状である第1部材には、表面部分に複数の孔が開口し、これと連通した空隙が形成された構造となっており、植物体の生育に伴って伸長した根は、孔から空隙へ進入し、線条の部分に進入した根が線条に絡着等して、根を係止する。このとき、第1部材は、立体網状であることから通気性および通液性が良く、根腐れ等が起きにくい。
第1ステップにおいて、その空隙率が50%〜90%である第1部材は、孔から根が進入しやすく、空隙の広さも進入した根を充分に受け入れることができるため、根の生育が促進される。一方で、第1部材は、前述の空隙率であることにより、植物体を抜き去るときにも、少ない抵抗でスムーズに根を抜くことができ、千切れた根が残存しにくい。これにより、残存した根の腐敗等に起因する悪臭や悪性菌の繁殖を抑制することができ、衛生的な水耕栽培が可能である。
第1ステップにおいて、前述の第2部材は、少なくとも第1部材との対向部分が、第1部材から受ける弾力で撓み変形しない。これにより、第2部材は、第1部材から生じる前述の弾力が撓みによって逃げないように給液部越しに支え、根を保持する力が緩むことを抑制する。
第2ステップにおいて、ケーシングに培地体を収容することで、水耕栽培装置が構成される。そして、第1ステップで植栽した植物体の苗条部を、ケーシングの窓部を通じて外部に露出させることで、食用部分または観賞用部分である苗条部を露出させた水耕栽培方法を実施することができる。
本発明によれば、根の充分な保持によって植栽される植物体の離脱が抑制されると共に、植物体を抜き去る際には千切れた根が内部に残存しにくい水耕栽培装置、および、水耕栽培方法を提供することができる。
本発明の水耕栽培装置(第1実施形態)を示す斜視図である。 図1に示す水耕栽培装置のA−A矢視断面を実線で表し、植栽する植物体の配置を想像線で表した説明図である。 図1に示す水耕栽培装置の分解斜視図である。 図3に示す培地体の各構成部材であり、(a)は第1部材の一部拡大図、(b)は給液部の一部拡大図、(c)は第2部材の一部拡大図であり、(d)は(a)で示す第1部材の他の実施形態(第2実施形態)の一部拡大図である。 第1部材の他の実施形態(第2実施形態)の一部拡大図である。 給液部の他の実施形態あるいは変形例を示し、(a)は給液部の他の実施形態(第3実施形態)の斜視説明図、(b)は(a)に示す給液部の変形例(変形例3−1)の斜視説明図、(c)は(a)に示す給液部の他の変形例(変形例3−2)の斜視説明図である。 第2部材の他の実施形態(第4実施形態)を示す分解斜視説明図である。 ケーシングの他の実施形態(第5実施形態)の一部拡大図である。 本発明の水耕栽培装置の使用状態を示す斜視説明図である。 特許文献1に記載された水耕栽培装置である。
図1−9を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。なお、以下の説明は、〔第1実施形態〕、〔第2実施形態〕、〔第3実施形態〕、〔変形例3−1〕、〔変形例3−2〕、〔第4実施形態〕、〔第5実施形態〕の順序により行う。また、図面各図における符号は、煩雑さを軽減し理解を容易にする範囲内で付しており、同一符号が付される複数の同等物についてはその一部にのみ符号を付す場合がある。
〔第1実施形態〕
図1−4を参照して、本発明の第1実施形態の水耕栽培装置1について説明する。水耕栽培装置1は、培地体2と、培地体2を収容するケーシング3とを備えており、各部については以下詳述する。
(培地体2)
培地体2は、給液部21、給液部21に隣設する第1部材22、および、給液部21を間に挟んで第1部材22と対向して配置される第2部材23を有する。
給液部21は、保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な構造である。本実施形態において、給液部21は、不織布のシートにより構成されており(図2、3、4(b)参照)、第1部材22と第2部材23との当接面において、略同じ寸法に形成されている(図3参照)。
なお、本実施形態において、給液部21は、不織布のシートにより構成されているが、これに限定するものではなく、例えば、連続気泡構造のシートや板体等であってもよく、保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な構造であれば、その構造および形状、寸法を特に限定するものではない。
第1部材22は、給液部21に隣設され、弾性を有する線条221の集合により構成された、空隙率が50%〜90%の立体網状であり、給液部21との間で植物体4の根41を挟持可能な構造となっている(特に図2参照)。本実施形態において、第1部材22は、線条221が柔軟な合成樹脂材で形成されている。
なお、本実施形態において、第1部材22は、空隙率が50%〜90%の範囲内であるが、伸長した根が入り込みやすく、かつ、植物体を抜き去るときに空隙の中で根が千切れて残存しにくい構造として、空隙率が60%〜75%の範囲内であることが更に好ましい。
第2部材23は、給液部21を間に挟んで第1部材22と対向して配置され、少なくとも第1部材22との対向部分が、第1部材22よりも高剛性に構成されている(特に図2参照)。本実施形態において、第2部材23は、第1部材22から受ける弾力で撓み変形不能な剛性の板厚を有する角筒状で、給液部21に向く部分を含む全ての周壁に、内外に貫通した複数の小孔からなる根進入路231が形成された構造である(図2、3、4(c)、特に図4(c)参照)。
(ケーシング3)
ケーシング3は、培地体2を収容すると共に、根41の挟持予定領域である培地体2の表面が露出する窓部32が形成されている。
本実施形態においてケーシング3は、長手方向の両端が開口して同部分が両端開口部33となり、所要の長さの角筒状に構成されている。また、ケーシング3は、水密素材で設けられた周壁31のうちの一面に窓部32が形成され、窓部32は、同面の短手方向中央に、同面の長手方向に亘って形成された、所要幅のスリット形状である。
なお、本実施形態においてケーシング3は、角筒状に構成されているが、これに限定するものではなく、円筒状等であってもよい。また、筒状のみならず、両端が開口していない箱状であってもよい。箱状の場合は、箱内に常時水を貯め置く湛水栽培方法も可能となる。
〔水耕栽培方法〕
本発明の水耕栽培方法について説明する。なお、下記の水耕栽培方法は、前述した第1実施形態の水耕栽培装置1を使用して行われ、水耕栽培装置1の各構成部分に関する説明は省略する。
水耕栽培方法は、
・ケーシング3から培地体2を取り出し、第2部材23を置き、その上に給液部21を重ねて植物体4の根41を置き、給液部21に第1部材22を重ねることで、植物体4の根41を挟み(第1ステップ)、
・植物体4の根41を挟んだ培地体2を、ケーシング3の両端開口部33のいずれかから入れてケーシング3に収容すると共に、ケーシング3の窓部32を通じて、植物体4の苗条部42が、ケーシング3の外部に露出するようにし(第2のステップ)、
・給液部21に対して、水や液肥等の液を供給し、吸液させて行う。
前述の水耕栽培方法によれば、第1部材22と給液部21の間に根41を挟持して植物体4を植栽することができ、植物体4は、給液部21に沿って配置された根41から、給液部21から滲出した水や液肥等の液を吸収して生育する。
前述の水耕栽培方法において、第1部材22は、根41を挟む際に、根41と接触する部分が変形するので、根41を傷つけにくい。そして、根41が、第1部材22の変形後の復元の際に生じる給液部21方向への弾力をしっかりと挟持される。この結果、植物体4が、培地体2から(ひいては水耕栽培装置1から)容易に離脱しないようになる。
また、第1部材22は、立体網状構造で、表面部分に複数の孔が開口し、これと連通した空隙222が形成されているので、植物体4の生育に伴って伸長した根41は、孔を通じて空隙222へ進入すると共に、線条221の部分に進入した根41が絡む等して、根41が係止される。なお、このとき、第1部材22は、立体網状構造で、通気性および通液性が良いので、植物体4は根腐れ等が起きにくい。
第1部材22は、その空隙率が50%〜90%であることから、孔から根41が進入しやすく、空隙222の広さも進入した根41を充分に受け入れることができるため、根41の生育が促進される。一方で、第1部材22は、前述の空隙率であることにより、植物体4を抜き去るときにも、少ない抵抗でスムーズに根41を抜くことができ、千切れた根が第1部材22の中に残存しにくい。これにより、残存した根41の腐敗等に起因する悪臭や悪性菌の繁殖を抑制することができ、衛生的な水耕栽培を実施することができる。
第2部材23は、第1部材22から受ける弾力で撓み変形せずに、第1部材22から生じる前述の弾力を給液部21越しに支え、根41を保持する力が緩むことを抑制する。
ケーシング3に培地体2を収容することで、植物体4を植栽した水耕栽培装置1が構成される。この水耕栽培方法によれば、食用部分または観賞用部分である苗条部42を露出させた態様で、植物体4の水耕栽培を実施することができる。
〔第2実施形態〕
図5を参照する。同図に示す第1部材22aは、水耕栽培装置1における第1部材22の他の態様(第2実施形態)であり、図面に基づいて相違点について説明する。なお、後述する相違点を除き、各部における構造および作用効果は、第1部材22と概ね同じであるため、その説明を省略する。
第1部材22aは、線条221aの形状が不規則に曲折した複数の不定形なループ状であると共に、線条221a同士が接触する箇所の一部を接合してなる構造である。前述の線条同士が接合された構造により、不定型なループ状の線条であっても、線条の間が過度に離間していない立体網状にまとまっている。
本実施形態において、第1部材22aは、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主原料とした複数本の線条221aにより構成され、押し出し成形によって生成された線条221aが、略螺旋状のループとして不規則に絡まり合い、線条221a同士が接触する箇所の一部が熱接着されて、疎密が交互な立体網状構造となるように形成されたものである。
第1部材22aは、線条221aがポリエチレンテレフタレートを主原料としていることにより、良好な復元性(弾性)と耐水性を有し、植物体の生育で使用される程度の薬品に対する耐薬品性を有しているので、収穫期等を終えて植物体を取り去った後にも、再利用することができる。
本実施形態における第1部材22aは、複数のループ状の線条221aと、線条221aの間に形成された空隙222aが、不定形な形状かつ不規則な配置となり、進入した根が更に絡みやすく、絡んだ後も外れにくい構造となっている。
一方、第1部材22aは、植物体を抜き去るときに、更に少ない抵抗でスムーズに根を抜くことができて、千切れた根が残存しにくい構造となっている。加えて、仮に、根毛等の細かな根が残存したとしても、ブロワーからの送風や、ノズルからの放水によって、残存した根を取り去ることができるので、再利用前の洗浄が容易で、作業性が向上している。
なお、本実施形態において、第1部材22aを構成する線条として、ポリエチレンテレフタレートを主原料として挙げているが、これに限定するものではなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の他の樹脂により形成されたものであってもよい。
〔第3実施形態〕
図6(a)を参照する。同図に示す給液部21aは、水耕栽培装置1における給液部21の他の態様(第3実施形態)であり、図面に基づいて相違点について説明する。なお、後述する相違点を除き、各部における構造および作用効果は、給液部21と概ね同じであるため、その説明を省略する。
給液部21aは、その表裏方向に貫通し、根が進入可能な根通過部211aが形成されている。ここで、「表裏方向」とは、前述の「第1部材と第2部材との間を結ぶ方向」の一例である。また、給液部21aは、図2に示したように、第1部材と第2部材の間に配置されて培地体を構成した状態で、根通過部211aが形成された位置を判別可能な目印部212aが形成されている。
本実施形態において、根通過部211aは、給液部21aの短手方向中間に開口して形成され、給液部21aの長手方向に亘り、所要の間隔を空けて配設されている。また、目印部212aは、給液部21aの長手方向の縁部に形成された舌片(凸状片)であり、目印部212aから給液部21aの長手方向の他方の縁部に向かう延長線上に、根通過部211aが設けられている。
給液部21aは、目印部212aが形成されていることにより、給液部21aが第1部材と第2部材の間に挟まれる等して、直接目視できない状態(不可視状態)状態であっても、第1部材あるいは第2部材を外すことなく、根通過部211aの位置を判別することができる。この給液部21aによれば、目印部212aを手がかりとして根通過部211aがある位置に、正確かつ手早く根を入れることができるので、作業効率が更に向上する。
そして、給液部21aを使用した培地体に植栽された植物体は、第1部材と給液部21aの間、あるいは、第2部材と給液部21aの間のいずれに根を挟んだ態様であったとしても、根通過部211aを通じて、第1部材と第2部材の両方へ広く根を伸長することができ、植物体の離脱を抑制する効果を更に高めることができる。加えて、根通過部211aを通じて第1部材と第2部材の両方へ根を張った場合、給液部21aは、根通過部211aの口縁部分に根が係止される(引っ掛かる)ことになり、植物体の離脱を抑制する効果が一層高まる。
〔変形例3−1〕
図6(b)を参照する。同図に示す給液部21bは、給液部21aの変形例(変形例3−1)であり、図面に基づいて相違点について説明する。なお、後述する相違点を除き、各部における構造および作用効果は、給液部21aと概ね同じであるため、その説明を省略する。
本変形例において、根通過部211bは、給液部21bの短手方向中間に形成された短尺なスリットであり、給液部21bの長手方向に亘り、所要の間隔を空けて配設されている。また、目印部212bは、給液部21bの長手方向の縁部に形成されたV字状の切欠部であり、目印部212bから給液部21bの長手方向の他方の縁部に向かう延長線上に、根通過部211bが設けられている。
給液部21bによれば、根通過部211bがスリットであるため、加工が容易であると共に、根通過部211bの形成時にゴミが生じない。
〔変形例3−2〕
図6(c)を参照する。同図に示す給液部21cは、給液部21aの変形例(変形例3−2)であり、図面に基づいて相違点について説明する。なお、後述する相違点を除き、各部における構造および作用効果は、給液部21aと概ね同じであるため、その説明を省略する。
本変形例において、根通過部211cは、給液部21cの短手方向中間に形成された十字状のスリットであり、給液部21cの長手方向に亘り、所要の間隔を空けて配設されている。また、目印部212cは、給液部21cの長手方向の縁部に形成された着色部であり、目印部212cから給液部21cの長手方向の他方の縁部に向かう延長線上に、根通過部211cが設けられている。
給液部21cによれば、根通過部211cが十字状のスリットであるため、加工が容易であると共に、根通過部211cの形成時にゴミが生じない。また、根通過部211cのうち、給液部21cの長手方向と略平行な部分に根が絡むと、同部分に根が係止される(引っ掛かる)ことになり、植物体の離脱を抑制する効果が一層高まる。
〔第4実施形態〕
図7を参照する。同図に示す第2部材23aは、水耕栽培装置1における第2部材23の他の態様(第4実施形態)であり、図面に基づいて相違点について説明する。なお、後述する相違点を除き、各部における構造および作用効果は、第2部材23と概ね同じであるため、その説明を省略する。
第2部材23aは、周壁の一部に開口部232が形成されている。この開口部232には、アタッチメント233が着脱可能に取り付けられている。アタッチメント233は、周壁に係止可能な係止爪234と、取着状態において第2部材23aの内部空間に入り込む収容部235を有する構造である。収容部235は、害虫忌避剤等を収納することで、第2部材23aの内部に入り込む各種害虫(小バエやボウフラ、ゴキブリや蟻等)が涌かないようにすることができる。
なお、開口部232は、周壁のいずれの箇所に形成してもよいが、根の進入の邪魔にならないように、根進入路231を構成する部分(給液部21と当接する部分)以外であることが好ましい。また、使用する害虫忌避剤は、特に限定されないが、例えば、タンジー、除虫菊、サントリナ、ミント、レモングラスからの抽出物等、自然原料由来で、植物体の生育や収穫された植物体を摂食する人体に悪影響を与えないものが好ましい。
〔第5実施形態〕
図8を参照する。同図に示すケーシング3aは、水耕栽培装置1におけるケーシング3の他の態様(第5実施形態)であり、図面に基づいて相違点について説明する。なお、後述する相違点を除き、各部における構造および作用効果は、ケーシング3と概ね同じであるため、その説明を省略する。
ケーシング3aは、表ライナー(符号省略)、裏ライナー(符号省略)、各ライナー間に配設された波形の中芯(符号省略)からなるプラスチック製の段ボール構造板により形成され、折り曲げることで、ケーシング3と同様(角筒状で、窓部を有する)の形状を構成することができるものである。
ケーシング3aは、展開状態で、長手方向(中芯の波と交差する方向)に4条の折り線314a、314bが形成され、折り線314a、314bは互いに平行である。折り線314a、314bは、表ライナーと中芯を切断して形成されると共に、残った裏ライナーで折り線314a、314bの両側に位置する部分が離脱しないように設けられている。
内側に位置する2本の折り線314aの間の領域は基板部311を構成し、各折り線314aと、各折り線314aよりも外側に形成された2本の折り線314bとの間の各領域は、基板部311と直角に接続する側板部312を構成する。そして、各折り線314bと、ケーシング3aの長手方向の外側縁との間の各領域は、短幅なフラップ板部313を構成する。
ケーシング3aは、裏ライナーが内側になるように折り曲げて組み立て、組み立て状態で各フラップ板部313の先端縁の間に空隙が生じ、この空隙が窓部32aとなる。
そして、ケーシング3aは、形成材に起因する弾性によって角筒形状が崩れないように、各フラップ板部313の中芯の孔に通した紐状体34を、窓部32aが所要の幅以上に開かないように結び、形状を保持する。なお、中芯の孔は、折り線314a、314bがケーシング3aの外側を向くように組み立てたことにより、開孔したものである。本実施形態において紐状体34としては、作業性の良さから、ケーブルタイ(ナイロン製の結束用バンド)や、針金入りの括り紐が好適に使用されるが、これに限定するものではなく、例えば、単なる紐等であってもよい。
ケーシング3aによれば、中空構造であることにより、中実板であるケーシング3と比較して、軽量化を図ることができる。そして、ケーシング3aは、展開可能な構造であることにより、保管時や搬送時には平坦にして嵩張らないようにすることができる。また、ケーシング3aは、比較的材料が低廉で、加工が容易であるため、製造コスト低減化に寄与する。
なお、ケーシング3aは、その構造上、ケーシング3よりも剛性が劣るが、剛性を有する第2部材23を内包していることにより、ケーシング3aの内側から剛性が補完され、水耕栽培装置全体としての強度が担保される。
図9を参照する。同図は水耕栽培装置1の使用状態の一例を示しており、水耕栽培装置1を複数用いた水耕栽培ユニット5を示している。
水耕栽培ユニット5は、水耕栽培装置1を縦配置で並設し、水耕栽培装置1の下方に設けられた水受けを兼ねる固定部51と、水耕栽培装置1の上方に配置されて培地体の給液部に液を供給する液供給部52と、液供給部52へ供給する液体の送液に使用するポンプPを備える。
水耕栽培装置1は、縦配置されているので、液供給部52から培地体の給液部に液を供給することで、給液部の上方から下方に液が行き渡り、植栽された植物体4に満遍なく施液することができる。
給液部に供給された液の余剰分は、固定部51で受けることができるので、水耕栽培ユニット5の周囲を汚さない。なお、固定部51で受けた液は、外部に排液してもよいし、湛液し循環させる(液循環型)等して再利用してもよい。
なお、水耕栽培ユニットを液循環型にする場合は、上記構成に加えて、固定部と液供給部の間に設けられた液流通路を設け、前述のポンプを液循環に使用してもよい。
水耕栽培ユニット5は、水耕栽培装置1を縦配置しているので、設置面積の省スペース化に寄与する。また、水耕栽培ユニット5では、縦配置された水耕栽培装置1に植物体4が植栽されるが、水耕栽培装置1が根をしっかりと挟持しているため、植栽した植物体4が容易に離脱しないようになっている。換言すれば、水耕栽培装置1は縦配置での使用に好適な構造である。
図9では、水耕栽培装置1を縦配置で使用しているが、これに限定するものではなく、例えば、横配置で使用することもできる。横配置での使用態様としては、例えば、窓部を上方に向け、水耕栽培装置1を水平方向に複数配列するような態様、あるいは、窓部を側方に向け、水耕栽培装置1を高さ方向に複数積んで配列するような態様等が挙げられる。
本明細書および特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書および特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。また、第一、第二等の言葉は、等級や重要度を意味するものではなく、一つの要素を他の要素から区別するために使用したものである。
1 水耕栽培装置
2 培地体
21、21a、21b、21c 給液部
211a、211b、211c 根通過部
212a、212b、212c 目印部
22、22a、 第1部材
221、221a 線条
222、222a 空隙
23、23a 第2部材
231 根進入路
232 開口部
233 アタッチメント
234 係止爪
235 収容部
3、3a ケーシング
31 周壁
311 基板部
312 側板部
313 フラップ板部
314a、314b 折り線
32、32a 窓部
33 両端開口部
34 紐状体
4 植物体
41 根
42 苗条部
5 水耕栽培ユニット
51 固定部
52 液供給部
P ポンプ
9 植物栽培装置
91 養液用パイプ
92 植物用パイプ
93 育成光源
94 分岐パイプ

Claims (7)

  1. 保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部、該給液部に隣設され、弾力性を有する線条の集合により構成された、空隙率が50%〜90%の立体網状であり、前記給液部との間で植物体の根を挟持可能な第1部材、および、該給液部を間に挟んで前記第1部材と対向して配置され、少なくとも同第1部材との対向部分が、同第1部材よりも高剛性に構成された第2部材を有する培地体と、
    該培地体を収容すると共に、収容された同培地体において前記根を挟持する挟持予定領域となる箇所の表面が露出する窓部が形成されたケーシングとを備える
    水耕栽培装置。
  2. 前記第1部材が、前記線条の形状が不規則に曲折した複数の不定形なループ状であると共に、前記線条同士が接触する箇所の一部を接合してなる構造である
    請求項1に記載の水耕栽培装置。
  3. 前記第2部材が、略筒状で、周壁の少なくとも前記給液部に向いた部分に、内外に貫通した複数の小孔からなる根進入路が形成された構造である
    請求項1または請求項2に記載の水耕栽培装置。
  4. 前記給液部が、前記第1部材と前記第2部材との間に通じ、前記根が進入可能な根通過部が形成された構造である
    請求項3に記載の水耕栽培装置。
  5. 前記給液部が、前記根通過部の位置を判別可能な目印部を有する構造である
    請求項4に記載の水耕栽培装置。
  6. 保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部、該給液部に隣設され、弾力性を有する線条の集合により構成された、空隙率が50%〜90%の立体網状である第1部材、および、該給液部を間に挟んで前記第1部材と対向して配置され、少なくとも同第1部材との対向部分が、同第1部材よりも高剛性に構成された第2部材を有する培地体と、
    該培地体を収容すると共に、前記培地体の表面のうち、前記給液部と前記第1部材の境界領域が露出する窓部が形成されたケーシングとを備える
    水耕栽培装置。
  7. 保液性を有し、吸収した液が外部に滲出可能な給液部、該給液部に隣設され、弾力性を有する線条の集合により構成された、空隙率が50%〜90%の立体網状である第1部材、および、該給液部を間に挟んで前記第1部材と対向して配置され、少なくとも同第1部材との対向部分が、同第1部材よりも高剛性に構成された第2部材を有する培地体を使用し、前記第1部材と前記給液部との間に植物体の根を挟持させる第1ステップと、
    前記培地体をケーシングに収容し、該ケーシングに形成された窓部を通じて、前記第1ステップで植栽した植物体の苗条部を外部に露出させる第2のステップとを備える
    水耕栽培方法。
JP2019019135A 2019-02-05 2019-02-05 水耕栽培装置、および、水耕栽培方法 Expired - Fee Related JP6653105B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019135A JP6653105B1 (ja) 2019-02-05 2019-02-05 水耕栽培装置、および、水耕栽培方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019135A JP6653105B1 (ja) 2019-02-05 2019-02-05 水耕栽培装置、および、水耕栽培方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6653105B1 JP6653105B1 (ja) 2020-02-26
JP2020124168A true JP2020124168A (ja) 2020-08-20

Family

ID=69624506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019019135A Expired - Fee Related JP6653105B1 (ja) 2019-02-05 2019-02-05 水耕栽培装置、および、水耕栽培方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6653105B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102272313B1 (ko) * 2020-11-09 2021-07-02 농업회사법인(주)이노그린팜 식물식재 수직 모듈 및 장치
WO2022018534A1 (en) 2020-07-21 2022-01-27 Ricoh Company, Ltd. Light guide member and display device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022018534A1 (en) 2020-07-21 2022-01-27 Ricoh Company, Ltd. Light guide member and display device
KR102272313B1 (ko) * 2020-11-09 2021-07-02 농업회사법인(주)이노그린팜 식물식재 수직 모듈 및 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP6653105B1 (ja) 2020-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6612072B2 (en) Above-ground plant growth and root pruning system
JPS5991819A (ja) 植物の生長の大きさを制限する容器
US5325627A (en) Weed control device for potted plants
JP6653105B1 (ja) 水耕栽培装置、および、水耕栽培方法
US20070243019A1 (en) Gardening blanket with integral watering system
JP2011083230A (ja) 水耕栽培装置およびこれを用いた水耕栽培キット
KR20150009902A (ko) 이랑용 피복체
JP4304346B2 (ja) 防根給水紐
US20210127595A1 (en) Containment and Transportation System
US20040025435A1 (en) Plant container
AU777004B2 (en) Raising seedling device and method
JP4072295B2 (ja) 育苗装置及び育苗方法
JP3132526U (ja) ボトル水耕栽培補助具
JP3464885B2 (ja) 高設栽培容器
JP4063809B2 (ja) 園芸用簡易鉢
JP2013130059A (ja) 緑化促進部材及び植生基体
US6389750B1 (en) Apparatus for watering plants
KR19990006568A (ko) 고설 재배용기
JP2005095143A (ja) 水耕栽培装置
JP3117673B2 (ja) 高設栽培容器
JPH055881Y2 (ja)
JP2006174829A (ja) 簡易式養液栽培容器
JP2004329138A (ja) 植物栽培体及び該植物栽培体を用いた緑化構造
JPH10327676A (ja) 植物栽培用容器
JP3061868U (ja) ツリープロテクターユニット

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20191002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20191004

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191213

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191213

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6653105

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees