JP2020120473A - 電源装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低消費電力モードにおいて、電源装置における出力電圧の電圧精度を向上させること。【解決手段】ACDCコンバータ200と、DCDCコンバータ300と、レギュレータ400と、スタンバイ状態のときに出力電圧218が24VとなるようにACDCコンバータ200を制御し、スリープ状態のときに出力電圧218が5VとなるようにACDCコンバータ200を制御する制御部500と、を備え、制御部500は、出力電圧218を、スタンバイ状態においては24Vを含む第1の範囲内で調整し、スリープ状態においては5Vを含む第2の範囲内で調整する。【選択図】図2

Description

本発明は、電源装置及び電源装置を備える画像形成装置に関し、低消費電力モード時における出力電圧の電圧精度の向上を図る技術に関する。
プリンタ等のスリープ状態の消費電力を低減するために、次のような電源装置が提案されている。同期整流方式の降圧型DCDCコンバータへの入力電圧を下げ、ハイサイドFETのオンデューティを100%にし、入力電圧をそのまま出力することでDCDCコンバータのスイッチング損失を低減する電源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−142071号公報
しかしながら、降圧型DCDCコンバータの入力電圧を下げ、PチャンネルハイサイドFETのオンデューティを100%にした場合であっても、コイルの抵抗によって出力電圧がドロップしてしまい、出力電圧の精度が低下してしまうおそれがある。また、効率を向上させるため、PチャンネルFETよりオン抵抗が小さいNチャンネルFETをハイサイドFETとして用いる降圧型DCDCコンバータがある。この場合、ハイサイドFETのオンデューティを100%でオンするためには、降圧型DCDCコンバータの入力電圧より高い電圧でハイサイドFETを駆動する必要がある。そのため、降圧型DCDCコンバータの入力電圧より高い電圧を生成する電源回路を別途設けなければ、ハイサイドFETのオンデューティを100%でオンすることができない。このため、入力電圧が出力電圧の目標電圧に近い場合、出力電圧がドロップして必要な出力電圧を得られないおそれがある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、低消費電力モードにおいて、電源装置における出力電圧の電圧精度を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)第1の状態と前記第1の状態よりも消費電力が低い第2の状態とで動作することが可能な電源装置であって、交流電圧を第1の直流電圧に変換して前記第1の直流電圧を出力する第1の電源と、前記第1の状態において前記第1の電源から出力された前記第1の直流電圧を前記第1の直流電圧よりも低い第2の直流電圧に変換して前記第2の直流電圧を出力し、前記第2の状態において動作を停止する第2の電源と、前記第1の状態において動作を停止しており、前記第1の状態から前記第2の状態に遷移すると前記第2の直流電圧を目標電圧となるように定電圧制御するように動作する第3の電源と、前記第1の状態のときに前記第1の直流電圧が第1の電圧となるように前記第1の電源を制御し、前記第2の状態のときに前記第1の直流電圧が前記第1の電圧よりも低い第2の電圧となるように前記第1の電源を制御する第1の制御手段と、を備え、前記第1の制御手段は、前記第1の直流電圧を、前記第1の状態においては前記第1の電圧を含む第1の範囲内で調整し、前記第2の状態においては前記第2の電圧を含む第2の範囲内で調整することを特徴とする電源装置。
(2)記録材に画像を形成する画像形成部と、前記(1)に記載の電源装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、低消費電力モードにおいて、電源装置における出力電圧の電圧精度を向上させることができる。
実施例1〜3のレーザビームプリンタの概略図 実施例1〜3の電源装置の概略図 実施例1の第1の電源の回路構成図 実施例1の第2の電源及び第3の電源の回路構成図 実施例1、2のスタンバイ、スリープ間の遷移を示すタイミングチャート 実施例2の第2の電源及び第3の電源の回路構成図 実施例3の第2の電源及び第3の電源の回路構成図 実施例3のスタンバイ、スリープ間の遷移を示すタイミングチャート
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
実施例1の電源装置108を画像形成装置に適用した場合について、図1から図4を参照しながら説明する。なお、本発明の電源装置は、動作状態、待機状態、及び休止状態を有する他の装置に適用してもよい。
[レーザビームプリンタの説明]
図1に画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタの概略構成を示す。レーザビームプリンタ100(以下、プリンタ100という)は、感光ドラム101、帯電部102、現像部103を備えている。感光ドラム101は、静電潜像が形成される像担持体である。帯電部102は、感光ドラム101を一様に帯電する。現像部103は、感光ドラム101に形成された静電潜像をトナーにより現像することでトナー像を形成する。感光ドラム101上(像担持体上)に形成されたトナー像をカセット104から供給された記録材としてのシートPに転写部105によって転写し、シートPに転写した未定着のトナー像を定着器106によって定着してトレイ107に排出する。この感光ドラム101、帯電部102、現像部103、転写部105が画像形成部(画像形成手段)である。また、プリンタ100は、電源装置108を備え、電源装置108からモータ等の駆動部と制御部500へ電力を供給している。制御部500は、CPU(不図示)及びメモリ501を有しており、画像形成部による画像形成動作やシートPの搬送動作等を制御している。CPUの要求電圧精度から、実施例1の電圧精度の規格は、例えば5V±5%(Vmin=4.75V〜Vmax=5.25V)とする。プリンタ100は、プリント動作を終了させると所定時間が経過した後、プリント動作をすぐに実行できるスタンバイ状態に遷移する。更に所定時間が経過した後、プリンタ100は待機時の消費電力を低減するため、スタンバイ状態から低消費電力モードであるスリープ状態に遷移する。プリンタ100は第2の状態であるスリープ状態、第1の状態であるスタンバイ状態、プリント状態の3つの状態を持ち、制御部500がそれぞれの状態に遷移させる。なお、本発明の電源装置を適用することができる画像形成装置は、図1に例示された構成に限定されない。
[電源装置の説明]
図2に電源装置108の概略構成の一例を示す。交流電源110から入力された交流電圧は、第1の電源200(以下、ACDCコンバータ200という)に入力され、ACDCコンバータ200によって第1の直流電圧である直流出力電圧218(以下、出力電圧218という)に変換され降圧される。出力電圧218は、第2の電源300(以下、DCDCコンバータ300という)に入力され、DCDCコンバータ300によって第2の直流電圧である直流出力電圧318(以下、出力電圧318という)に降圧される。第3の電源400(以下、レギュレータ400という)は、DCDCコンバータ300の入出力間に接続されている。ロードスイッチ(以下、ロードSWと表記する)600には、出力電圧318が入力されており、ロードSW600のスイッチ素子をオン状態(接続状態)又はオフ状態(遮断)(非接続状態)にすることで、負荷への出力電圧518の出力を制御している。
第1の制御手段である制御部500は、ACDCコンバータ200、DCDCコンバータ300、ロードSW600と電気的に接続されており、それぞれに信号を出力することにより制御している。以下、各信号について説明する。PWM信号135は、ACDCコンバータ200へ入力されており、出力電圧218を調整するための信号である。PWM信号335は、DCDCコンバータ300へ入力されており、出力電圧318の目標電圧値を調整するための信号である。PWM信号435は、レギュレータ400へ入力されており、出力電圧318の目標電圧値を調整するための信号である。ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201は、ACDCコンバータ200に入力されており、出力電圧218の目標電圧を切り替えるための信号である。DCDCコンバータ起動信号301は、DCDCコンバータ300に入力されており、DCDCコンバータ300の動作、停止を制御するための信号である。ロードSW制御信号601は、ロードSW600に入力されており、出力電圧518の出力を制御するための信号である。レギュレータ起動信号401は、レギュレータ400に入力されており、レギュレータ400の動作、停止を制御するための信号である。制御部500には、電源として出力電圧318が供給されている。
[ACDCコンバータ200の説明]
図3にACDCコンバータ200の回路構成の一例を示す。ACDCコンバータ200の回路構成を説明する。交流電源110から入力された交流電圧は、回路保護用の電流ヒューズ203と整流ダイオードブリッジ204を介して全波整流され、1次平滑コンデンサ205(以下、平滑コンデンサ205という)により平滑され直流電圧となる。更に、平滑コンデンサ205に充電された直流電圧は、起動抵抗206を介し、電源IC209のST端子に供給され、電源IC209の起動電圧に達すると、電源IC209が起動する。電源IC209は、スイッチング素子である電界効果トランジスタ(以下、FETと表記する)207の制御手段である。電源IC209が起動すると、電源IC209は、DRV端子から抵抗210を介してFET207のゲート端子にFET207を駆動するためのパルス信号を出力する。パルス信号がハイレベルとなっている期間において、FET207が導通状態になると、トランス208の1次巻線Npの両端に平滑コンデンサ205の直流電圧が印加される。このとき、トランス208の2次巻線Ns側にも電圧が誘起されるが、ダイオード216のアノード側を負とする電圧であるため、ダイオード216は導通状態とならず、トランス208の2次側にエネルギーは伝達されない。同様に、トランス208の補助巻線Nb側にも電圧が誘起されるが、ダイオード211のアノード側を負とする電圧であるため、ダイオード211は導通状態とはならず、補助巻線Nbにもエネルギーは伝達されない。したがって、トランス208の1次巻線Npを流れる電流はトランス208の励磁電流だけで、トランス208には励磁電流の2乗に比例したエネルギーが蓄積される。なお、励磁電流は時間に比例して増大する。
次に、電源IC209のDRV端子からローレベルのパルス信号が出力されると、パルス信号のローレベルの期間において、FET207は導通状態から非導通状態となる。FET207が非導通状態になると、トランス208の各巻線には、FET207が導通状態のときとは逆極性の電圧が誘起される。その結果、トランス208の2次巻線Nsには、ダイオード216のアノード側を正とする電圧が誘起され、ダイオード216が導通状態となる。そして、トランス208に蓄積されたエネルギーが、整流平滑回路を構成するダイオード216及び平滑コンデンサ217によって整流、平滑され、直流電圧として出力電圧218が出力される。また、補助巻線Nbには、ダイオード211のアノード側を正とする電圧が誘起され、ダイオード211が導通状態となる。そして、ダイオード211を介してコンデンサ213が充電され、コンデンサ213に充電された直流電圧は電源IC209のVCC端子に供給される。
出力電圧218の電圧制御について、PWM信号135及びACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201(図3には「24V/5V_CHG」と図示)がオフ(ローレベル)の場合について説明する。ACDCコンバータ200では、出力電圧218の電圧制御は次のように行われる。まず、トランス208の2次側に生成された出力電圧218は、直列に接続されたレギュレーション抵抗223と、抵抗123、抵抗125及び抵抗128の合成抵抗と、抵抗224及び抵抗226によって分圧される。分圧された電圧は、シャントレギュレータ225のREF端子に入力される。そして、シャントレギュレータ225のREF端子に入力された電圧レベルに応じたフィードバック信号がシャントレギュレータ225のK端子から出力される。シャントレギュレータ225のK端子は、フォトカプラ215のフォトダイオード215dと接続されている。また、フォトカプラ215のフォトトランジスタ215tは電源IC209のFB端子に接続されている。シャントレギュレータ225のK端子から出力されたフィードバック信号は、フォトカプラ215を介して、電源IC209のFB端子に入力される。抵抗221は、フォトカプラ215のフォトダイオード215d(LED)に流れる電流を制限するための抵抗である。そして、電源IC209は、FB端子から入力されたフィードバック信号に基づいて、DRV端子からパルス信号を出力し、FET207のスイッチング制御を行うことで、出力電圧218の安定した制御を行うことができる。電源IC209のGND端子は平滑コンデンサ205の低電位側に接続されている。なお、図1中の電源IC209の内の符号は、各端子の名称である。
出力電圧218は、スタンバイ状態及びプリント状態に必要な電圧とスリープ状態に必要な電圧の2種類あり、出力電圧218は、それぞれの状態で切り替えることができる。スリープ状態で出力電圧218を切り替える理由は、スリープ状態ではモータ等の駆動部や画像形成部を駆動させる必要がなく、スリープ時に必要な電圧のみ出力できればよいためである。そのため、出力電圧218の目標電圧をできるだけ出力電圧318の目標電圧に近い値に設定し、電源装置108の効率を向上させている。また、出力電圧218は、ロードSW(不図示)を介して、モータ等の駆動部や画像形成部である感光ドラム101、帯電部102、現像部103、転写部105と電気的に接続されている。すなわち、これらの部材が負荷219である。ロードSW(不図示)は、スタンバイ状態及びプリント状態にオン状態となり、モータ等の駆動部や画像形成部へ電力供給を行い、スリープ状態にオフ状態となり、消費電力を低減している。
[出力電圧218の切替え制御]
(PWM信号135のオンデューティが0%の場合)
(スタンバイ状態及びプリント状態)
PWM信号135が出力されていない、すなわち、図3中、PWM信号135のオンデューティが0%である場合を例にして、出力電圧218の切替え制御について説明する。なお、PWM信号135のオンデューティとは、PWM信号135の1周期に対するオン時間の比率であり、以下、単にデューティともいう。出力電圧218の具体的な電圧値は、スタンバイ状態及びプリント状態においては、例えば約24Vであり、スリープ状態では約5Vである。
まず、プリンタ100のスタンバイ状態及びプリント状態において、電源装置108は、出力電圧218をモータ等の駆動部や画像形成部等の負荷219へ供給している。このとき、制御部500は、ハイレベルのACDCコンバータ出力電圧切替え信号201を出力し、抵抗228と抵抗229とで分圧された電圧がFET227のゲート端子に供給される。これによりFET227がオンして、FET227のドレイン端子とソース端子との間が導通するため、抵抗226が無視できる状態となる。PWM信号135は、抵抗127を介してトランジスタ126のベース端子に入力され、PWM信号135のデューティが0%の場合には非導通状態となる。このとき、出力電圧218を、抵抗223、抵抗123、抵抗125、抵抗128から成る合成抵抗と、抵抗224とで分圧した電圧が、シャントレギュレータ225のREF端子にフィードバックされ、出力電圧218が制御される。
抵抗223、抵抗224、抵抗226、抵抗123、抵抗125、抵抗128、抵抗129の抵抗値を、それぞれR223、R224、R226、R123、R125、R128、R129とする。抵抗223、抵抗123、抵抗125、抵抗128の合成抵抗値をR223OFF、シャントレギュレータ225のリファレンス電圧をVREFとする。前述の合成抵抗値R223OFFは、以下の式(1)で表される。
Figure 2020120473
計算の簡略化のため、FET227のオン抵抗を無視できる程小さいとすると、24V出力時における出力電圧218(V24V_OFF)は、次の式(2)で求められる値となるように制御される。
Figure 2020120473
具体的な数値の設定例として、V24V=24Vとする。
(スリープ状態)
次にプリンタ100のスリープ状態において、電源装置108は出力電圧218をスタンバイ状態及びプリント状態に比べて下げている状態であり、その出力電圧値は約5Vである。このとき、制御部500は、ローレベルのACDCコンバータ出力電圧切替え信号201を出力し、抵抗228と抵抗229で分圧された電圧がFET227のゲート端子に供給される。これによりFET227がオフし、抵抗226の両端がオープンしている状態となる。計算の簡略化のためFET227のオフ時に流れる電流を0Aとすると、5V出力時における出力電圧218(V5V_OFF)は、次の式(3)で求められる値となるように制御される。
Figure 2020120473
具体的な数値の設定例として、V5V=5.15Vとする。
[DCDCコンバータ300の説明]
図4に降圧型DCDCコンバータ300、レギュレータ400の内部回路の一例を示す。降圧型DCDCコンバータ300(以下、DCDCコンバータ300という)の回路構成を説明する。DCDCコンバータ300は、スイッチング素子であるNチャンネルハイサイドFET360(以下、ハイサイドFET360という)をオンしている間は、インダクタ352を介してコンデンサ353に電流が流れる。一方、ハイサイドFET360をオフしている間は、インダクタ352に蓄えられたエネルギーがNチャンネルローサイドFET351(以下、ローサイドFET351という)を介して出力される。なお、ハイサイドFET360はPチャンネルFET、ローサイドFET351はPチャンネルFET又は整流ダイオードであってもよい。
[DCDCコンバータ300の説明]
第2の制御手段である電源IC358は、PWM制御によってハイサイドFET360、ローサイドFET351を交互にオンさせる。これにより電源IC358は、出力電圧318をフィードバックしながら、目標電圧になるようにハイサイドFET360とローサイドFET351のオンデューティを制御している。VCC端子は、電源IC358の電源端子であり、出力電圧218が入力されている。DRVH端子は、抵抗359を介してハイサイドFET360のゲート端子に接続されている。DRVL端子は、抵抗361を介して、ローサイドFET351のゲート端子に接続されている。FB端子は、出力電圧318を抵抗354と抵抗355で分圧した電圧が入力されている。電源IC358は、FB端子に入力された電圧と電源IC358の内部の基準電圧とを比較し、出力電圧318が目標電圧になるようにDRVH端子とDRVL端子に駆動信号を出力している。電源IC358は、出力電圧318が目標電圧よりも低い場合はハイサイドFET360のオンデューティが高くなるようにDRVH端子に駆動信号を出力する。電源IC358は、出力電圧318が目標電圧よりも高い場合はローサイドFET351のオンデューティが高くなるようにDRVL端子に駆動信号を出力する。EN端子は、電源IC358の起動及び停止を制御する端子である。EN端子にハイレベルのDCDCコンバータ起動信号301が入力されると、電源IC358は起動し、EN端子にローレベルのDCDCコンバータ起動信号301が入力されると、電源IC358は停止する。EN端子には、抵抗330を介してDCDCコンバータ起動信号301が入力される。
DCDCコンバータ300によって制御される出力電圧318をV5V_DCDC、電源IC358内部の基準電圧をVFB(DCDC)、抵抗354、抵抗355の抵抗値をそれぞれR354、R355とする。出力電圧318であるV5V_DCDCは、以下の式(4)で表される電圧になるように制御される。
Figure 2020120473
具体的な数値の例として、V5V_DCDC=5.21Vとする。
(入力電圧の違いによる出力電圧318の電力精度)
次に、入力電圧(ACDCコンバータ200の出力電圧218)の違いによるDCDCコンバータ300の出力電圧318の電圧精度について説明する。入力電圧が高い場合(スタンバイ状態及びプリント状態)(出力電圧218(V24V))は、入力電圧(24V)と出力電圧(5.21V)との電圧差が大きく、DCDCコンバータ300のオンデューティが低い。すなわち、DCDCコンバータ300のスイッチング時のハイサイドFET360のオフ期間が長い。そのため、電源IC358の内部にあるブートストラップ回路(不図示)内のコンデンサへの充電期間が十分あり、ハイサイドFET360を駆動するのに必要な電圧まで昇圧することができ、ハイサイドFET360を駆動することができる。つまり、入力電圧が高い場合では、ハイサイドFET360を駆動できるため、出力電圧318を目標電圧に制御することができる。
一方、入力電圧が低い場合(スリープ状態)(出力電圧218(V5V))は、入力電圧(5.15V)と出力電圧(5.21V)との差が小さく、DCDCコンバータ300のオンデューティが大きい。すなわち、DCDCコンバータ300のスイッチング時のハイサイドFET360のオフ期間が短い。そのため、電源IC358の内部にあるブートストラップ回路(不図示)内のコンデンサへの充電期間が不十分になり、ハイサイドFET360を駆動するのに必要な電圧まで昇圧することができず、ハイサイドFET360を十分に駆動することができない。つまり、入力電圧が低い場合では、ハイサイドFET360を十分に駆動することができないため、出力電圧318を目標電圧に制御することができず、出力電圧がドロップしてしまう。また、ハイサイドFET360のオンデューティを100%で駆動するということは、ハイサイドFET360のオフ期間がないことを意味する。このため、電源IC358の内部にあるブートストラップ回路(不図示)内のコンデンサへの充電ができず、新たに電源回路が別途必要となってしまい、高価な電源ICが必要となってしまう。また、安価な電源ICでは、別の電源回路を有していないため、ハイサイドFET360の最大オンデューティに制限があるものが多い。実施例1では電源IC358の最大オンデューティの制限は、例えば所定のオンデューティである80%であると定義する。
このように最大オンデューティの制限がある電源ICを用いる場合、入力電圧が低下し最大オンデューティの制限値(例えば80%)に達すると、前述したようにハイサイドFETを100%でオンすることができない。このため、出力電圧318がドロップしてしまい、要求される出力電圧318の電圧精度を満足することができない。そこで、DCDCコンバータ300とは別にレギュレータ400を設けている。この場合、DCDCコンバータ300が最大オンデューティに達して出力電圧318がドロップしてしまう際に、抵抗784を介してハイレベルのレギュレータ起動信号401を出力することによりレギュレータ400を動作させる。レギュレータ400を動作させることにより、出力電圧318のドロップを防いでいる。
[レギュレータ400の説明]
レギュレータ400の回路構成を説明する。レギュレータ400は、シリーズレギュレータであり、FET385のゲート‐ソース間電圧を制御し、FET385のドレイン‐ソース間に印加される電圧を制御して出力電圧318を定電圧に制御している。出力電圧318は、レギュレーション抵抗374、抵抗376とで分圧され、シャントレギュレータ387のREF端子に入力される。そして、シャントレギュレータ387のREF端子に入力された電圧レベルに応じたフィードバック信号がシャントレギュレータ387のK端子から出力される。シャントレギュレータ387のK端子の電圧は、抵抗380を出力電圧218でプルアップして、ツェナーダイオード394を介し、抵抗383と抵抗393とで分圧された後、トランジスタ382のベース端子へ電気的に接続されている。抵抗381は、FET385のゲート‐ソース間に接続され、ゲート‐ソース間の電位安定のために用いられる。トランジスタ382は、シャントレギュレータ387のK端子から出力されるフィードバック信号によりFET385のゲート端子の電圧を調整している。なお、シャントレギュレータ387は、出力電圧318を目標電圧に制御できるような素子(コンパレータやオペアンプ等)であればよい。ツェナーダイオード394は、フィードバック信号の電圧を降圧し、トランジスタ382を確実にオン、オフさせるために接続されている。シャントレギュレータ387のK端子の電圧範囲が広いものであれば、K端子の電圧を降圧せずにトランジスタ382を制御できるため、ツェナーダイオード394は削除してしまってもよい。なお、トランジスタ382の暗電流が小さい場合は、暗電流によってFET385がオンしてしまうおそれがないため、抵抗393と抵抗383とで分圧する必要がなく、抵抗393を削除してしまってもよい。なお、シャントレギュレータ387のK端子には、抵抗784を介してレギュレータ起動信号401が接続されている。
(定電圧制御)
レギュレータ400の定電圧制御について説明する。出力電圧318が目標電圧よりも高い場合はK端子の電圧が下がり、トランジスタ382のベース電流が低下するのでコレクタ電流も低下する。そのため、FET385のゲート‐ソース間電圧が低下し、FET385のドレイン‐ソース間のオン抵抗が上昇するので、出力電圧318が低下する。なお、出力電圧318がDCDCコンバータ300によってレギュレータ400の目標電圧よりも高い電圧に制御されている場合は、FET385はオフ状態(オン抵抗が最大)となり、レギュレータ400は停止する。出力電圧318が目標電圧よりも低い場合はK端子の電圧が上がり、トランジスタ382のベース電流が上昇するのでコレクタ電流も上昇する。そのため、FET385のゲート‐ソース間電圧が上昇し、FET385のドレイン‐ソース間のオン抵抗が低下するので、出力電圧318が上昇する。
レギュレータ400によって制御される出力電圧318をV5V_REGとする。シャントレギュレータ387の基準電圧をVREF(REG)、抵抗374、抵抗376の抵抗値をそれぞれR374、R376とすると、V5V_REGは、以下の式(5)で表される電圧になるように制御される。
Figure 2020120473
具体的な数値の例として、V5V_REG=5.2Vとする。
(レギュレータの動作)
レギュレータ400の動作について説明する。入力電圧が高い場合は(出力電圧218(V24V))、DCDCコンバータ300が出力電圧318を目標電圧となるように制御できるので、レギュレータ400は、前述した通りFET385をオフするように制御する。具体的には、DCDCコンバータ300が出力電圧318を例えばV5V_DCDC=5.21Vで制御しているときは、レギュレータ400は、DCDCコンバータ300が出力した出力電圧318の電圧をフィードバックする。そしてレギュレータ400は、レギュレータ400の出力電圧318の目標電圧V5V_REGより高いと判断する。このため、前述した通り、レギュレータ400はFET385をオフに制御する。次に、入力電圧が低い場合は(出力電圧218(V5V))、前述したようにDCDCコンバータ300が出力電圧318を目標電圧V5V_DCDC=5.21Vになるように制御できなくなり、出力電圧318が低下する。出力電圧318がレギュレータ400の出力電圧の目標電圧V5V_REG=5.2Vより低くなると、レギュレータ400が起動し出力電圧318を定電圧制御する。
次に、レギュレータ400の出力電圧318の目標電圧V5V_REG(5.2V)をDCDCコンバータ300の出力電圧318の目標電圧V5V_DCDC(5.21V)よりも低くしている理由を説明する。レギュレータ400がFET385をオンするように制御する場合、レギュレータ400への入力電圧と出力電圧との差が小さい又はほとんど差がない状態で行い、FET385による損失を低減させる必要がある。DCDCコンバータ300が出力電圧318を目標電圧に制御している間は、レギュレータ400への入力電圧が高い状態であり、レギュレータ400がFET385をオンさせてしまうとFET385による損失が大きくなってしまう。そのため、DCDCコンバータ300が出力電圧318を目標電圧に制御できる場合において、レギュレータ400の出力電圧318の目標電圧をDCDCコンバータ300の出力電圧の目標電圧よりも低く設定する。これにより、FET385をオフするようにしている。ここで、DCDCコンバータ300が出力電圧318を目標電圧に制御できる場合とは、レギュレータ400への入力電圧が高い場合である。
このように、入力電圧が高い場合(スタンバイ状態及びプリント状態)(出力電圧218(V24V))、出力電圧318はDCDCコンバータ300によって目標電圧V5V_DCDCとなるように制御される。入力電圧が高い場合、レギュレータ400の動作は停止される。入力電圧が低い場合(スリープ状態)(出力電圧218(V5V))、レギュレータ400が動作し、出力電圧318はレギュレータ400によって目標電圧V5V_REGとなるように制御される。
(レギュレータの効果)
次に、レギュレータ400の効果を説明する。DCDCコンバータ300は、入力電圧が低下した場合、前述した通り、ハイサイドFET360のオンデューティが高くなり、電源IC358が出力できる最大オンデューティ(例えば80%)に達する。電源IC358が出力できる最大オンデューティに達した状態では、出力電圧318をスイッチング状態では目標電圧に保つことができず、出力電圧318は目標電圧よりも低下してしまう。具体的には、出力電圧318の負荷がなく、DCDCコンバータ300の出力電圧318の目標電圧V5V_DCDC=5.21Vとする。そうすると、DCDCコンバータ300への入力電圧(ACDCコンバータ200の出力電圧218V5V=5.2V付近)が低下していった場合、ハイサイドFET360を100%で駆動できない。このため、DCDCコンバータ300の出力電圧318(V5V_DCDC=5.21V以下)が低下してしまう。そのため、そのままDCDCコンバータ300への入力電圧が低下していくと出力電圧318も低下するので、前述した電圧精度の規格を満足することができない。具体的には、V5V_DCDC<Vminとなる。
そこで、レギュレータ400は、DCDCコンバータ300への入力電圧が低下していった場合において、前述した通りFET385によって、出力電圧318を定電圧制御する。具体的には、出力電圧318の負荷がなく、DCDCコンバータ300の出力電圧318の目標電圧V5V_DCDC=5.21Vとする。そうすると、DCDCコンバータ300への入力電圧(ACDCコンバータ200の出力電圧V5V=5.2V付近)が低下していった場合、ハイサイドFET360を100%で駆動できない。このため、DCDCコンバータ300の出力電圧318(V5V_DCDC=5.21V以下)が低下する。ところが、レギュレータ400は、出力電圧318をフィードバックし、FET385によって出力電圧318を定電圧制御するため、レギュレータ400の出力電圧(V5V_REG=5.2V)の電圧精度を満足することができる。したがって、DCDCコンバータ300への入力電圧が低下していく場合においも、前述した電圧精度の規格を満足することができる。具体的には、Vmin<V5V_REG<Vmaxとなる。
[PWM信号135による出力電圧218の調整範囲]
(PWM信号135のオンデューティが0%のとき)
図3のACDCコンバータ200の回路図を用いて、PWM信号135のオンデューティが0%から100%に変化したときの出力電圧218の調整範囲について説明する。前述したように、制御部500から出力されたPWM信号135のデューティが0%のとき、24V出力時(スタンバイ状態又はプリント状態)における出力電圧218(V24V_OFF)は、式(2)で表される。また5V出力時(スリープ状態)における出力電圧218(V5V_OFF)は式(3)で表される。「_OFF」は、PWM信号135のオンデューティが0%ということを表している。このときの出力電圧218は、出力電圧218の取りうる電圧の中で最も低い電圧となる。
(PWM信号135のオンデューティが100%のとき)
次にPWM信号135のオンデューティが100%のとき、トランジスタ126がオンする。ここで、抵抗224、抵抗123、抵抗125、抵抗129の合成抵抗値をR224ONとする。抵抗224、抵抗226、抵抗123、抵抗125、抵抗129の合成抵抗値をR226ONとする。計算の簡略化のためにトランジスタ126のコレクタ−エミッタ間の飽和電圧VCE(sat)及びFET227のオン抵抗を無視できる程小さいとすると、それぞれ次の式(6)及び式(7)で表される。
Figure 2020120473
Figure 2020120473
このときの24V出力時(スタンバイ状態又はプリント状態)における出力電圧218(V24V_ON)と、5V出力時(スリープ状態)における出力電圧218(V5V_ON)は、次の式(8)及び式(9)で求められる値となるように制御される。
Figure 2020120473
Figure 2020120473
_ON」は、PWM信号135のオンデューティが100%ということを表している。このときの出力電圧218は、出力電圧218の取りうる電圧の中で最も高い電圧となる。
(PWM信号135のオンデューティが0%と100%以外のとき)
次にPWM信号135が0%と100%以外のデューティである場合の動作について説明する。PWM信号135は、抵抗127で制限された電流でトランジスタ126を駆動する。PWM信号135のデューティに応じた電圧が抵抗125とコンデンサ124の時定数でコンデンサ124に充電される。コンデンサ124の両端電圧を電圧136とする。ここで、抵抗125とコンデンサ124の時定数は、PWM信号135の周波数に対して大きく設定される。つまり、出力電圧218のリプル電圧を下げるために、電圧136は直流化されている。直流化された電圧136は、電流調整用の抵抗123を介して、シャントレギュレータ225のREF端子にリファレンス電圧VREFとして供給される。リファレンス電圧VREFとして供給されるシャントレギュレータ225のREF端子への電流供給量を調整することで、出力電圧218が調整される。つまり、PWM信号135のデューティに応じて出力電圧218が調整される。
以上により、PWM信号135を0%から100%に変化させたとき、24V出力時における出力電圧218(V24V)の取りうる範囲は、式(2)と式(8)から次の式(10)で表される。また、5V出力時における出力電圧218(V5V)の取りうる範囲は、式(3)と式(9)から次の式(11)で表される。
Figure 2020120473
Figure 2020120473
[PWM信号135のデューティの算出方法]
目標とする出力電圧218からPWM信号135のデューティを算出する方法について説明する。説明の簡便化のため、トランジスタ126のコレクタ−エミッタ間の飽和電圧VCE(sat)を無視できる程小さいとすると、PWM信号135のデューティと出力電圧218とは、およそ比例関係にある。24V出力時と5V出力時のPWM信号135のデューティをそれぞれD24V、D5Vとする。D24V、D5Vは、目標となる出力電圧218の電圧値V24V_T及びV5V_Tを用いて、次の式(12)及び式(13)で表すことができる。
Figure 2020120473
Figure 2020120473
よって目標とする出力電圧218の電圧値V24V_T及びV5V_Tに対して、およそのPWM信号135のデューティを定めることができる。しかしながら実際には、PWM信号135の立ち上がり時間、立ち下がり時間や飽和電圧VCE(sat)が存在するため誤差が存在する。精度よく目標の出力電圧218を出力するためには、PWM信号135のデューティの調整が必要である。あらかじめ最適な電圧値となるデューティをメモリ501に格納して制御部500により読み出してもよいし、制御部500のADコンバータ(不図示)でモニタしてフィードバックしてもよい。メモリ501に格納するデータとしてはデューティ[%]、オン時間、オンのクロック数等である。
具体的な数値の例としてVREF=2.5V、R223=39kΩ、R224=4.3kΩ、R226、=33kΩ、R123=47kΩ、R125=1kΩ、R128=220kΩ、R129=1kΩとする。この場合、PWM信号135のデューティを変えることによって、出力電圧218は、スタンバイ状態又はプリント状態のときには、第1の範囲内である22.29V<V24V<27.16Vとなるように調整される。また、出力電圧218は、スリープ状態のときには、第2の範囲内である4.78V<V5V<7.10Vとなるように調整される。また、スタンバイ状態又はプリント状態のときの最適な電圧値をV24V=24.0Vとすると、PWM信号135のデューティはD24V=35.0%となる。スリープ状態のときの最適な電圧値をV5V=5.15Vとすると、PWM信号135のデューティはD5V=15.9%となる。
[制御動作の説明]
図5にプリンタ100がスタンバイ状態からスリープ状態へ遷移する場合の電源装置108の動作のタイミングチャートを示す。図5の説明において、各々の定数を前述した具体的な数値を用いることとする。つまり、VREF=2.5V、R223=39kΩ、R224=4.3kΩ、R226=33kΩ、R123=47kΩ、R125=1kΩ、R128=220kΩ、R129=1kΩ、とする。また、VFB(DCDC)=1.24V、R374=39kΩ、R376=14.7kΩ、VREF(REG)=1.24V、R354=47kΩ、R355=14.7kΩ、とする。出力電圧218の電圧調整範囲は、上述した22.29V<V24V<27.16V、4.78V<V5V<7.10Vである。出力電圧318はV5V_DCDC=5.21V、V5V_REG=5.20Vとなるように制御される。
図5のグラフは、横軸が時間t、縦軸は、(i)はACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201の出力(ハイレベル(High)又はローレベル(Low))を示す。(ii)は出力電圧218の波形(24V、5.15V)、(iii)はレギュレータ起動信号401の出力(オン(ON)又はオフ(OFF))を示す。(iv)はDCDCコンバータ起動信号301の出力(オン(ON)又はオフ(OFF))、(v)はロードSW制御信号601の出力(オン(ON)又はオフ(OFF))を示している。
(スタンバイ状態からスリープ状態への遷移)
スタンバイ状態(又はプリント状態)において、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201はハイレベル、出力電圧218は24.0Vとなっている。また、レギュレータ起動信号401はオフ、DCDCコンバータ起動信号301はオン、ロードSW制御信号601はオンとなっている。出力電圧218はV24V=24.0V(D24V=35.0%)、出力電圧318はV5V_DCDC=5.21Vとなっている。レギュレータ400はオフ状態である。
タイミングTaは、プリンタ100がスタンバイ状態に遷移してから所定時間tsが経過したタイミングを示している。前述したように、プリンタ100はスタンバイ状態に遷移してから所定時間が経過すると、プリンタ100の消費電力を低減するために制御部500はプリンタ100をスリープ状態に遷移させる。タイミングTaにおいて、制御部500は、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201をハイレベルからローレベルに切り替える。前述したように、ACDCコンバータ200は、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201がハイレベルのときには出力電圧218が24Vとなるように制御する。ACDCコンバータ200は、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201がローレベルのときには出力電圧218がおよそ5V(前述の定数ではPWM信号135のデューティによって4.78V<V5V<7.10Vの電圧値)となるように制御する。
また制御部500は、タイミングTaのスタンバイ状態からスリープ状態に移行する際に、PWM信号135のデューティを変更する。その理由は、DCDCコンバータ300が動作可能な入力電圧(=出力電圧218)かつ、極力低い入力電圧に出力電圧218を調整するためである。前述の通り、DCDCコンバータ300の最大デューティは80%であるため、出力電圧218を目標電圧5.15Vに制御する場合、出力電圧218が5.15V/80%=6.44VまでDCDCコンバータ300は動作可能である。例えば、PWM信号135のデューティは式(13)からD5V=82.6%とすれば出力電圧218は6.70Vとなる。このように、制御部500は、タイミングTaにおいて、PWM信号135のデューティを35%から82.6%に切り替えることにより、出力電圧218の目標電圧値(V5V_T)を6.70Vに調整する。これにより出力電圧218が低下した際も、DCDCコンバータ300が目標電圧である5.21Vを出力することが可能となる。
タイミングTbは、出力電圧218が6.70Vとなったタイミングである。出力電圧218が24.0Vから6.7Vになるまでの時間がT1である。タイミングTbにおいて、制御部500はレギュレータ起動信号401をオンした後、DCDCコンバータ起動信号301をオフにする。すると、出力電圧318の制御が、DCDCコンバータ300からレギュレータ400へと切り替わる。このように、DCDCコンバータ300が動作可能な電圧範囲の下限(例えば、6.44V)近く(例えば、6.7V)まで動作させ、レギュレータ400の動作を開始するタイミングを極力出力電圧218が下がったタイミングとする。これにより、レギュレータ400のFET385のドレイン‐ソース間に印加される電圧を低くすることができる。これにより、なるべくドレイン‐ソース間電圧の耐圧が低い安価でオン抵抗の低いFET385を選択することが可能となる。またタイミングTbにおいて、出力電圧218を目標電圧の5.15Vにするため、PWM信号135のデューティをさらに変更する。出力電圧218を5.15Vとする場合、PWM信号135のデューティは式(13)からD5V=15.9%となる。
タイミングTcは、出力電圧218が5.15Vとなったタイミングである。出力電圧218が6.7Vから5.15Vになるまでの時間がT2である。タイミングTcにおいて、制御部500はロードSW制御信号601をオフし、FET600をオフすることで、スリープ状態において必要のないFET600後段の負荷への電圧供給を停止する。例えば、プリント中の記録材の位置を検知する紙搬送センサ(不図示)等への電圧供給を停止すること等が挙げられる。これにより、スリープ状態の消費電力を更に低減することができる。以上により、プリンタ100はスタンバイ状態からスリープ状態への遷移が完了する。
なお、スリープ状態において出力電圧218はV5V=5.15V(D5V=15.9%)であり、DCDCコンバータ300がオフ、レギュレータ400がオンであり、V5V_REG=5.20Vである。このため、レギュレータ400のFET385は100%オン状態となり、出力電圧318は5.15Vが出力される。
(スリープ状態からスタンバイ状態への遷移)
次に、プリンタ100がスリープ状態からスタンバイ状態へ遷移する場合の電源装置108の動作について説明する。例えば、パーソナルコンピュータ等の外部機器(不図示)からプリンタ100にプリント指示が通知されると、プリント動作を開始するために制御部500はプリンタ100をスリープ状態からスタンバイ状態に遷移させる。
タイミングTdにおいて、制御部500は、ロードSW制御信号601をオフからオンに切替え、ロードSW600をオン状態にさせることで、出力電圧518へ電力を供給する。時間T3はロードSW600のオン待ち時間である。
次に、タイミングTeにおいて、制御部500は、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201をローレベルからハイレベルにするとともに、PWM信号135のデューティを変更する。ここで、出力電圧218の目標電圧を24.0Vにするため、PWM信号135のデューティは式(12)からD24V=35.0%とする。
次にタイミングTfは、出力電圧218が6.7Vになるタイミングである。出力電圧218が5.15Vから6.7Vになるまでの時間がT4である。このとき、制御部500は、DCDCコンバータ起動信号301をオンした後、レギュレータ起動信号401をオフする。タイミングTfを決める方法としては、例えば出力電圧218をAD変換して制御部500によってモニタしてもよいし、出力電圧218の立ち上がり時間から予測してもよい。
タイミングTgは、出力電圧218が24.0Vになるタイミングである。出力電圧218が6.7Vから24.0Vになるまでの時間がT5である。タイミングTgにおいてスタンバイ状態への遷移が完了する。
また実施例1では、シャントレギュレータ225のREF端子へ接続される抵抗値(R224+R226)をFET227によって(R224+R226)やR224に切替えることで、出力電圧218の切替え(24V/5V)を行っている。しかし、PWM信号135のデューティの制御のみで出力電圧218について24Vと5Vを出力することも可能である。具体的な数値の例として、VREF=2.5V、R223=39kΩ、R224=4.3kΩ、R226=33kΩ、R123=1kΩ、R125=2.2kΩ、R128=1kΩ、R129=47kΩとする。式(11)から、このときの出力電圧218(V)は、4.70V<V<27.12Vとなるように制御される。ただし、同じ分解能のPWM信号135において、5Vから24VまでPWM信号135で調整する方が、細かく出力電圧218を調整できないことに留意する必要がある。
また実施例1では、PWM信号135によって出力電圧218を調整している。しかし、例えば制御部500のDAコンバータ(不図示)等を用いて、接続点136に所定の直流電圧を出力し、シャントレギュレータ225のREF端子の電圧を調整することで出力電圧218を調整してもよいし、他の方法で調整してもよい。
以上説明したように、実施例1によれば、DCDCコンバータ300への入力電圧(出力電圧218)を低下させる省電力(スリープ)状態に遷移する際に、FET385への印加電圧を極力下げることが可能になる。また、省電力(スリープ)状態において、DCDCコンバータ300のスイッチング動作を停止することで消費電力を下げつつ、出力電圧318の電圧精度を向上させることが可能となる。
以上、実施例1によれば、低消費電力モードにおいて、電源装置における出力電圧の電圧精度を向上させることができる。
実施例1では、ACDCコンバータ200の出力電圧218をPWM信号135によって調整する構成について説明した。実施例2では、出力電圧218に加えて、出力電圧318のDCDCコンバータ300による目標電圧をPWM信号で調整する構成について説明する。以下では、実施例1の電源装置108と同じ構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。図2及び図3は実施例2においても同じ回路構成である。図6に実施例2における第2の電源300及びレギュレータ400の回路図を示す。実施例1に比べて、DCDCコンバータ300のフィードバック部を調整する第2のPWM信号であるPWM信号335を追加している。
制御部500は、抵抗327を介して、DCDCコンバータ300のトランジスタ326のベース端子にPWM信号335を出力する。抵抗325とコンデンサ324は、図3の抵抗125とコンデンサ124からなる回路と同様に所定の時定数で動作する回路である。図6のDCDCコンバータ300において、追加された抵抗323、抵抗325、抵抗328、抵抗329、コンデンサ324、トランジスタ326、抵抗327は、電源IC358のFB端子に入力される電圧値を変更するための回路である。抵抗323は、抵抗354と抵抗355との接続点Bに接続されている。
また、レギュレータ400は、実施例1のレギュレータ400の変形例を示しており、ツェナーダイオード394及び抵抗393が省略され、トランジスタ382はFET482に変更されている。更に、実施例1では、レギュレータ400のトランジスタ382のベース端子には抵抗383及びツェナーダイオード394、抵抗380を介して出力電圧218が接続されていた。実施例2では、FET482のゲート端子には抵抗383及び抵抗380を介して出力電圧318が接続されている。更に、ロードSW600を具体的にFET600とし、ロードSW制御信号601は、抵抗602を介してFET600のゲート端子に出力されている。
[PWM信号335による出力電圧318の調整範囲]
(PWM信号335のデューティが0%のとき)
PWM信号335のデューティが0%のとき、トランジスタ326は非導通状態となる。ここで、抵抗323、抵抗325、抵抗328、抵抗329、の抵抗値を、それぞれR323、R325、R328、R329、抵抗354、抵抗323、抵抗325、抵抗328の合成抵抗値をR354OFF、とする。そうすると、合成抵抗R354OFFは、以下の式(14)で表すことができる。
Figure 2020120473
このときの出力電圧318(V5V_DCDC_OFF)は、電源IC358内部の基準電圧をVFB(DCDC)とすると、次の式(15)で求められる値となるように制御される。
Figure 2020120473
(PWM信号335のデューティが100%のとき)
PWM信号335のデューティが100%のとき、抵抗355の抵抗値をR355、抵抗355、抵抗323、抵抗325、抵抗329の合成抵抗値R355ONとする。計算の簡略化のためにトランジスタ326のコレクタ−エミッタ間の飽和電圧VCE(sat)を無視できる程小さいとすると、式(16)で表すことができる。
Figure 2020120473
このときの出力電圧318(V5V_DCDC_ON)は、式(17)で表されるように制御される。
Figure 2020120473
(出力電圧318の取り得る範囲)
よってPWM信号335を0%から100%に変化させたとき、出力電圧318(V5V_DCDC)の取り得る範囲は、式(15)及び式(17)から次の式(18)で表される。
Figure 2020120473
FB(DCDC)=1.24V、R354=39kΩ、R355=12kΩ、R323=10kΩ、R325=10kΩ、R328=470kΩ、R329=1kΩ、とする。そうすると、式(18)から出力電圧318(V5V_DCDC)は、第3の範囲内である4.97V<V5V_DCDC<7.57Vとなるように制御される。また、PWM信号335のデューティD5V_DCDCと出力電圧318(V5V_DCDC)とは比例関係にあり、D5V_DCDCは目標となる出力電圧318の電圧値V5V_DCDC_Tを用いて、次の式(19)で表すことができる。
Figure 2020120473
実施例2では、V5V_DCDC=5.24Vとするため、デューティD5V_DCDCを10.3%とする。PWM信号335を用いることによって、スタンバイ状態における出力電圧318を調整することが可能となる。
[制御動作の説明]
実施例2においても実施例1の図5を用いて説明する。図5は、プリンタ100がスタンバイ状態からスリープ状態へ遷移する場合の電源装置108の動作のタイミングチャートを示す図である。スタンバイ状態(又はプリント状態)において、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201はハイレベル、出力電圧218は24.0Vである。また、スタンバイ状態(又はプリント状態)において、レギュレータ起動信号401はオフ、DCDCコンバータ起動信号301はオン、ロードSW制御信号601はオンとなっている。出力電圧218はV24V=24.0V(D24V=35.0%)、出力電圧318はV5V_DCDC=5.24Vとなっている。レギュレータ400はオフ状態である。タイミングチャートとしては実施例1と同じであるため、説明を省略する。
図5のタイミングチャートに表れない実施例1との違いは、次のようになる。DCDCコンバータ300の最大デューティは80%であるため、出力電圧318を目標電圧5.24Vに制御する場合、出力電圧218が5.24V/80%=6.55VまでDCDCコンバータ300は動作可能である。実施例2では出力電圧318が5.24Vであるため、DCDCコンバータ300の動作可能である電圧範囲が実施例1とは異なっている。また、実施例2では、DCDCコンバータ300の最大デューティを80%としている。しかし、最大デューティ100%が可能なDCDCコンバータ300であれば、DCDCコンバータ起動信号301をオフしなくともDCDCコンバータ300の損失を削減することが可能となる。この場合、図5のタイミングTbにおいて目標出力電圧値をスリープ状態における出力電圧218の調整範囲の最大値(7.1V)に近い7.0Vとし、最大デューティ80%のときの出力電圧218(6.7V)よりも大きくする。これにより、DCDCコンバータ300が100%オンするので、DCDCコンバータ300のスイッチング動作による損失を削減することができる。
また実施例2では、ACDCコンバータ200の目標出力電圧及びDCDCコンバータ300の目標出力電圧を調整するためにPWM信号を出力したが、DCDCコンバータ300のみにPWM信号335を出力してもよい。このとき、ACDCコンバータ200が24Vを出力しているモード(スタンバイ状態又はプリント状態)において、出力電圧318の電圧精度の向上が可能となる。以上説明したように、実施例2によれば、実施例1に加えて、スタンバイ状態及びプリント状態における出力電圧318を調整することにより、出力電圧の精度を向上させることが可能となる。
以上、実施例2によれば、低消費電力モードにおいて、電源装置における出力電圧の電圧精度を向上させることができる。
実施例1では、ACDCコンバータ200の出力電圧218をPWM信号135で調整する構成について説明した。実施例3では出力電圧218に加えて、出力電圧318のレギュレータ400による目標電圧を第3のPWM信号であるPWM信号435で調整する構成について説明する。以下では、実施例1の電源装置108と同じ構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。図2及び図3は実施例3においても同じ回路構成である。図7に実施例3における第2の電源300及びレギュレータ400の回路図を示す。実施例1に比べて、レギュレータ400のフィードバック部を調整するPWM信号435を追加し、レギュレータ起動信号401を削除している。
制御部500は、抵抗427を介して、レギュレータ400のトランジスタ426のベース端子にPWM信号435を出力する。抵抗425とコンデンサ424は、図3の抵抗125とコンデンサ124からなる回路と同様に所定の時定数で動作する回路である。図7のレギュレータ400において、追加された抵抗423、抵抗425、抵抗428、抵抗429、コンデンサ424、トランジスタ426、抵抗427は、シャントレギュレータ387のREF端子に入力される電圧値を変更するための回路である。
また、レギュレータ400は、実施例2のレギュレータ400と同様に、実施例1のツェナーダイオード394及び抵抗393が省略され、トランジスタ382はFET482に変更されている。更に、実施例1では、レギュレータ400のトランジスタ382のベース端子には抵抗383及びツェナーダイオード394、抵抗380を介して出力電圧218が接続されていた。実施例3でも、FET482のゲート端子には抵抗383及び抵抗380を介して出力電圧318が接続されている。
[PWM信号435による出力電圧318の調整範囲]
(PWM信号435のデューティが0%のとき)
PWM信号435のデューティが0%のとき、抵抗423、抵抗425、抵抗428、抵抗429の抵抗値を、それぞれR423、R425、R428、R429、抵抗454、抵抗423、抵抗425、抵抗428の合成抵抗値をR454OFF、とする。そうすると、合成抵抗R454OFFは、次の式(20)で表すことができる。
Figure 2020120473
このときの出力電圧318(V5V_REG_OFF)は、シャントレギュレータ387内部の基準電圧をVREF(REG)とすると、次の式(21)で求められる値となるように制御される。
Figure 2020120473
(PWM信号435のデューティが100%のとき)
PWM信号435のデューティが100%のとき、抵抗455の抵抗値をR455、抵抗455、抵抗423、抵抗425、抵抗429の合成抵抗値R455ON、とする。計算の簡略化のためにトランジスタ426のコレクタ−エミッタ間の飽和電圧VCE(sat)を無視できる程小さいとすると、次の式(22)で表すことができる。
Figure 2020120473
このときの出力電圧318(V5V_REG_ON)は、次の式(23)で表されるように制御される。
Figure 2020120473
(出力電圧318の取り得る範囲)
よってPWM信号435を0%から100%に変化させたとき、出力電圧318(V5V_REG)の取りうる範囲は、式(21)及び式(23)から次の式(24)で表される。
Figure 2020120473
ここで、VREF(REG)=1.24V、R454=39kΩ、R455=12kΩ、R423=10kΩ、R425=10kΩ、R428=470kΩ、R429=1kΩ、とする。式(24)から出力電圧318(V5V_REG)は、第4の範囲内である4.97V<V5V_REG<7.57Vとなるように制御される。また、PWM信号435のデューティD5V_REGと出力電圧318(V5V_REG)とは比例関係にあり、D5V_REGは目標となる出力電圧318の電圧値V5V_REG_Tを用いて、次の式(25)で表すことができる。
Figure 2020120473
[制御動作の説明]
図8にプリンタ100がスタンバイ状態からスリープ状態へ遷移する場合の電源装置108の動作のタイミングチャートを示す。図5のタイミングチャートに比べて、(iii)レギュレータ起動信号401を削除し、スリープ状態における出力電圧318を5.20Vとしている。
(スタンバイ状態からスリープ状態への遷移)
スタンバイ状態(及びプリント状態)において、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201はハイレベル、出力電圧218は24.0V、DCDCコンバータ起動信号301はオン、ロードSW制御信号601はオンとなっている。出力電圧218はV24V=24.0V(D24V=35.0%)、出力電圧318はV5V_DCDC=5.20Vとなっている。レギュレータ400の目標電圧値V5V_REG_Tは5.15V(D5V_REG=6.8%)である。V5V_REG_Tよりも出力電圧318の方が高いため、レギュレータ400のFET385は100%オフ状態となる。このように、実施例3では、レギュレータ400にレギュレータ起動信号401を入力しなくてもよい。
タイミングTaで、制御部500はプリンタ100をスリープ状態に遷移させるため、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201をハイレベルからローレベルに切り替える。出力電圧218は、約5Vとなるように制御される。また、制御部500は、PWM信号135のデューティを変更する。その理由は、DCDCコンバータ300が動作可能な入力電圧(=出力電圧218)かつ、極力低い入力電圧に出力電圧218を調整するためである。前述の通り、DCDCコンバータ300の最大デューティは80%であるため、出力電圧318を目標電圧5.20Vに制御する場合、出力電圧218が5.20V/80%=6.5VまでDCDCコンバータ300は動作可能である。例えば、PWM信号135のデューティは式(13)からD5V=82.6%とすれば出力電圧218は6.70Vとなる。これにより出力電圧218が低下した際も、DCDCコンバータ300が目標電圧である5.20Vを出力することが可能となる。
タイミングTbは、出力電圧218が6.70Vとなったタイミングである。出力電圧218が24.0Vから6.7Vになるまでの時間がT1である。タイミングTbにおいて、PWM信号435のデューティを変更した後、DCDCコンバータ起動信号301をオフにする。すると出力電圧318の制御がDCDCコンバータ300からレギュレータ400へと切り替わる。このときのPWM信号435のデューティは、式(25)からD5V_REG=8.7%とすれば、出力電圧318は5.20Vとなるように制御される。このように、制御部500は、タイミングTbにおいて、PWM信号435のデューティを8.7%に変更する。更に、制御部500は、出力電圧218を目標電圧の5.20Vにするため、PWM信号135のデューティを変更する。出力電圧218を5.20Vとする場合、PWM信号135のデューティは式(13)からD5V=18.0%となる。
タイミングTcは、出力電圧218が5.20Vとなったタイミングである。出力電圧218が6.7Vから5.20Vになるまでの時間がT2である。タイミングTcにおいて、制御部500は、V5V_REG=5.24Vとするため、PWM信号435のデューティをD5V_REG=10.3%に変更する(式(25)より)。上述したように、出力電圧218がレギュレータ400の目標電圧値よりも低いため(5.20V<5.24V)、レギュレータ400のFET385は100%オン状態となる。PWM信号435によってレギュレータ400の出力電圧318の目標値を調整することで確実にFET385を100%オン状態とすることが可能となる。
更に制御部500は、ロードSW制御信号601をオフし、FET600をオフすることで、スリープ状態において必要のないFET600後段の負荷への電圧供給を停止する。例えば、プリント中の記録材の位置を検知する紙搬送センサ(不図示)等がある。これによりスリープ状態の消費電力をさらに低減する。以上によりプリンタ100はスタンバイ状態からスリープ状態への遷移が完了する。
なおスリープ状態において出力電圧218はV5V=5.20V(D5V=18.0%)であり、DCDCコンバータ300がオフ、レギュレータ400のFET385が100%オン状態となり、出力電圧318は5.20Vが出力される。
(スリープ状態からスタンバイ状態への遷移)
次に、プリンタ100がスリープ状態からスタンバイ状態へ遷移する場合の電源装置108の動作について説明する。タイミングTdにおいて、制御部500は、ロードSW制御信号601をオフからオンに切り替え、ロードSW600をオン状態にさせることで、出力電圧518へ電力を供給する。時間T3はロードSW600のオン待ち時間である。
次に、タイミングTeにおいて、制御部500は、ACDCコンバータ出力電圧切り替え信号201をローレベルからハイレベルにするとともに、PWM信号135のデューティを変更する。目標電圧を24.0Vにするため、PWM信号135のデューティは式(12)からD24V=35.0%とする。更に、制御部500は、V5V_REG=5.20Vとするため、PWM信号435のデューティをD5V_REG=8.7%に変更する(式(25)より)。
次にタイミングTfは、出力電圧218が6.7Vになるタイミングである。出力電圧218が5.20Vから6.7Vになるまでの時間がT4である。このとき、制御部500は、DCDCコンバータ起動信号301をオンする。タイミングTfを決める方法としては、出力電圧218をAD変換して制御部500でモニタしてもよいし、出力電圧218の立ち上がり時間から予測してもよい。
タイミングTgは出力電圧218が24.0Vになるタイミングである。出力電圧218が6.7Vから24.0Vになるまでの時間がT5である。このとき、V5V_REG=5.15Vとするため、PWM信号435のデューティをD5V_REG=6.8%に変更する(式(25)より)。上述したように、V5V_REG_Tよりも出力電圧318の方が高いため(>5.15V)、レギュレータ400のFET385は100%オフ状態となる。タイミングTgにてスタンバイ状態への遷移が完了する。
また実施例3では、ACDCコンバータ200の目標出力電圧及びレギュレータ400の目標出力電圧へPWM信号を出力したが、レギュレータ400のみにPWM信号435を出力してもよい。このとき、ACDCコンバータ200が約5Vを出力している低消費電力モードにおいて、出力電圧318の電圧精度の向上が可能となる。
以上説明したように、実施例3によれば、実施例1に加えて、スリープ状態における出力電圧318を調整することにより電圧精度を向上させることが可能となる。また、レギュレータ起動信号401を削除することができるため、実施例1よりも安価に出力電圧精度の向上が可能となる。
以上、実施例3によれば、低消費電力モードにおいて、電源装置における出力電圧の電圧精度を向上させることができる。
200 ACDCコンバータ
300 DCDCコンバータ
400 レギュレータ
500 制御部

Claims (12)

  1. 第1の状態と前記第1の状態よりも消費電力が低い第2の状態とで動作することが可能な電源装置であって、
    交流電圧を第1の直流電圧に変換して前記第1の直流電圧を出力する第1の電源と、
    前記第1の状態において前記第1の電源から出力された前記第1の直流電圧を前記第1の直流電圧よりも低い第2の直流電圧に変換して前記第2の直流電圧を出力し、前記第2の状態において動作を停止する第2の電源と、
    前記第1の状態において動作を停止しており、前記第1の状態から前記第2の状態に遷移すると前記第2の直流電圧を目標電圧となるように定電圧制御するように動作する第3の電源と、
    前記第1の状態のときに前記第1の直流電圧が第1の電圧となるように前記第1の電源を制御し、前記第2の状態のときに前記第1の直流電圧が前記第1の電圧よりも低い第2の電圧となるように前記第1の電源を制御する第1の制御手段と、
    を備え、
    前記第1の制御手段は、前記第1の直流電圧を、前記第1の状態においては前記第1の電圧を含む第1の範囲内で調整し、前記第2の状態においては前記第2の電圧を含む第2の範囲内で調整することを特徴とする電源装置。
  2. 前記第1の制御手段は、前記第1の電源に第1のPWM信号を出力し、前記第1のPWM信号のオンデューティを0%から100%の間で制御することにより、前記第1の直流電圧を前記第1の範囲内又は前記第2の範囲内で調整することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記第2の電源は、少なくとも1つのスイッチング素子と、前記スイッチング素子のオン又はオフを制御する第2の制御手段と、を有し、
    前記第2の制御手段が前記スイッチング素子のオンデューティを制御するとき、前記オンデューティは100%より低い所定のオンデューティに制限されていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記第1の制御手段は、前記第1の状態から前記第2の状態に遷移するときに、前記第1の直流電圧が前記第2の電圧となるように前記第1の電源を制御するとともに、前記スイッチング素子を前記所定のオンデューティよりも高いオンデューティで駆動するための前記第1の直流電圧となるように前記第1のPWM信号のオンデューティを調整することを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
  5. 前記第1の制御手段は、前記第2の状態から前記第1の状態に遷移するときに、前記第1の直流電圧が前記第2の電圧から前記第1の電圧に上昇する前に前記第2の電源の動作を開始させるように制御することを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
  6. 前記第1の制御手段は、前記第2の電源に第2のPWM信号を出力し、前記第1の状態における前記第2のPWM信号のオンデューティを0%から100%の間で制御することにより、前記第2の直流電圧を第3の範囲内で調整することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電源装置。
  7. 前記第1の制御手段は、前記第3の電源に第3のPWM信号を出力し、前記第2の状態における前記第3のPWM信号のオンデューティを0%から100%の間で制御することにより、前記第2の直流電圧を第4の範囲内で調整することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電源装置。
  8. 前記第2の直流電圧を負荷に供給する接続状態と、前記負荷への前記第2の直流電圧の供給を遮断する非接続状態とのいずれかの状態となるロードスイッチを備え、
    前記第1の制御手段は、前記第2の電源の動作を停止させた後に前記ロードスイッチを前記非接続状態とするように制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電源装置。
  9. 前記第2の直流電圧を負荷に供給する接続状態と、前記負荷への前記第2の直流電圧の供給を遮断する非接続状態とのいずれかの状態となるロードスイッチを備え、
    前記第1の制御手段は、前記第2の電源の動作を開始させる前に前記ロードスイッチを前記接続状態とするように制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電源装置。
  10. 前記第2の状態において、前記第3の電源が前記第2の直流電圧を制御するための目標電圧は、前記第2の電源が前記第2の直流電圧を制御するための目標電圧よりも低い値に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電源装置。
  11. 前記第3の電源は、シリーズレギュレータであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電源装置。
  12. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電源装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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