JP2020117891A - 建物ユニット - Google Patents

建物ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2020117891A
JP2020117891A JP2019008210A JP2019008210A JP2020117891A JP 2020117891 A JP2020117891 A JP 2020117891A JP 2019008210 A JP2019008210 A JP 2019008210A JP 2019008210 A JP2019008210 A JP 2019008210A JP 2020117891 A JP2020117891 A JP 2020117891A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building
wall
floor
opening surface
vertical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019008210A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7201452B2 (ja
Inventor
滋康 加藤
Shigeyasu Kato
滋康 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2019008210A priority Critical patent/JP7201452B2/ja
Publication of JP2020117891A publication Critical patent/JP2020117891A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7201452B2 publication Critical patent/JP7201452B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)

Abstract

【課題】主に、建物ユニットに設けた開口面の使い勝手などが良くなるようにする。【解決手段】少なくとも床パネル4と壁パネル6,7とを有する建物ユニット2,3によって構成された複数階層のユニット建物1に関する。下階の建物ユニット2の少なくとも1つに、内壁となる壁パネル6のない開口面11を形成する。下階の建物ユニット2の上に位置する上階の建物ユニット3を構成する床パネル4に対し、開口面11の真上となる位置に補強床梁12を設置する。補強床梁12の両端部を、開口面11の側部に沿って設けた縦材13で支持して、開口面11に作用される鉛直荷重Pを、補強床梁12および縦材13にて受けさせるようにする。【選択図】図1

Description

この発明は、建物ユニットに関するものである。
住宅などの建物には、ユニット工法によって構築されたもの(ユニット建物)がある。ユニット建物は、予め工場で製造された建物ユニットを建築現場へ搬送し、建築現場で建物ユニットを組み立てることにより、短期間のうちに建物を構築し得るようにしたものである。建物ユニットは、ほぼ直方体状のものとされ、木質系のものや鉄骨系のものなどが存在している。このうち、木質系の建物ユニットは、床パネルや天井パネルや壁パネルなどのパネルを組み合わせることで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、ユニット建物の同一階層を構成する複数の建物ユニットにおける、内壁となる壁パネルを全てなくすと共に、外壁となる壁パネル(外壁パネル)のうちの、建物の対辺に位置する外壁パネルの上端部間に長尺の梁を架け渡して外壁パネル間を補強することで、その階層の内部に大空間の居室を形成させ得るようにしている。
特開平9−32117号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたユニット建物の構造は、同一階層を構成する全ての建物ユニットを繋げて内部に大きな一つの居室空間(内部空間)を形成するような場合には適しているが、例えば、同一階層を構成する建物ユニットのうちの一部を繋げて、繋げた部分の内部をユニットサイズとは異なる大きさに仕切って使用したいような場合には、上記構造だと大掛かり過ぎるので適していなかった。
そのため、同一階層を構成する建物ユニットの一部を繋げて、繋げた部分の内部をユニットサイズとは異なる大きさに仕切って使用するような場合には、例えば、連続した2つの建物ユニットの境界となる内壁(壁パネル)をなくして開口面を形成し、この開口面の上側に垂れ壁を設けて、開口面を垂れ壁で補強することで、開口面に作用する建物の鉛直荷重や水平荷重を、開口面全体で(面として)受けさせるようにしていた。
しかし、開口面に作用する建物の鉛直荷重や水平荷重を開口面全体で(面として)受ける構造にする場合、垂れ壁の上下寸法を比較的大きくせざるを得ないため、開口面の上側に、大きな垂れ壁が下へ出っ張るように存在して邪魔になってしまう。そのため、開口面や2つの建物ユニットを繋げた空間の使い勝手が悪くなると共に、開口面の上側に大きな垂れ壁が存在して目立つことで開口面部分の見栄えも悪くなっていた。
そこで、本発明は、主に、上記した問題点を解決することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも床パネルと壁パネルとを有する建物ユニットによって構成された複数階層のユニット建物であって、下階の建物ユニットの少なくとも1つに、内壁となる壁パネルのない開口面を形成し、前記下階の建物ユニットの上に位置する上階の建物ユニットを構成する床パネルに対し、前記開口面の真上となる位置に補強床梁を設置し、該補強床梁の両端部を、前記開口面の側部に沿って設けた縦材で支持して、前記開口面に作用する鉛直荷重を、前記補強床梁および前記縦材にて受けさせるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、建物ユニットに設けた開口面の使い勝手を良くすることなどができる。
本実施の形態にかかるユニット建物を、開口面を設けた位置で切断した縦断面図である。 補強床梁および縦材で鉛直荷重を受ける状態を示す、図1の開口面部分を拡大した図である。 上階の補強床梁と、下階の垂れ壁の状態を示すユニット建物の部分拡大斜視図である。 図3を補強床梁の端面側から見た側面図である。 連続した建物ユニットの間に図1の開口面を形成した状態を示す平面図である。 補強プレートを取付けた状態を示す開口面の上部周辺の部分拡大図である。 水平荷重が作用される状態を示す、開口面および隣接する耐力壁の図である。 図1の開口面に設けられる小さな垂れ壁を示す開口面の上部の拡大図である。 図6を矢印A方向から見た図である。 図6の開口面(に設けられた縦材)に桁壁を取付ける状態を示す斜視図である。 比較例にかかる図5と同様の連続した建物ユニットの平面図である。 比較例にかかるユニット建物の図1と同様の縦断面図である。 比較例にかかる開口面に設けられる大きな垂れ壁を示す図8と同様の開口面の上部の拡大図である。 比較例にかかる補強床梁を端面側から見た図4と同様の側面図である。 比較例にかかる垂れ壁およびまぐさ受けで鉛直荷重を受ける状態を示す、図2と同様の開口面の拡大図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図15は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、構成について説明する。
図1に示すように、住宅などの建物を、ユニット建物1で構成する。ユニット建物1は、予め工場で製造されたほぼ直方体状の建物ユニット2,3を建築現場へ搬送して、建築現場で建物ユニット2,3を組み立てることにより、短期間のうちに建物を構築し得るようにしたものである。建物ユニット2,3は、木質系のものや鉄骨系のものなどが存在している。直方体状の建物ユニット2,3は、短辺側が妻側となり、長辺側が桁側となる。なお、図中の方向は、妻方向X、桁方向Y、上下方向Zとなっている。
この実施例では、建物ユニット2,3を、木質系のものとしている。木質系の建物ユニット2,3は、床パネル4や天井パネル5や壁パネル6,7などのパネルを組み合わせることによって構成される。壁パネル6,7には、内壁となる内壁パネル(壁パネル6)や、外壁となる外壁パネル(壁パネル7)などがある。また、内壁パネルや外壁パネルには、妻側となるもの(妻パネル)や桁側となるもの(桁パネル)があり、妻パネルと桁パネルとは、大きさが異なっている。
そして、ユニット建物1を、二階建て以上の複数階層に構成する。この場合、下階を複数の建物ユニット2で構成し、上階を複数の建物ユニット3で構成する。下階の建物ユニット2と上階の建物ユニット3とで構成される建物本体の上には、必要に応じて、屋根ユニット8や屋根構造体などを適宜設けて屋根を構成することができる。なお、三階以上のユニット建物1の場合、上階および下階は、相対的なものとなる。
そして、上記のような構成に対し、この実施例のユニット建物1は、以下のような構成を備えるようにする。
(1)少なくとも床パネル4と壁パネル6,7とを有する建物ユニット2,3によって構成された複数階層のユニット建物1に対して、下階の建物ユニット2(下階建物ユニット)の少なくとも1つ(建物ユニット2a)に、内壁となる壁パネル6のない開口面11を形成する。
そして、下階の建物ユニット2(建物ユニット2a)の上に位置する上階の建物ユニット3(上階建物ユニット3a)を構成する床パネル4に対し、開口面11の真上となる位置に補強床梁12を設置する。
図2に示すように、補強床梁12の両端部を、開口面11の側部に沿って設けた縦材13で支持して、開口面11に作用する(建物の)鉛直荷重Pを、補強床梁12および縦材13にて受けさせるようにする。または、補強床梁12に作用される(建物の)鉛直荷重Pを、縦材13にて直接受けさせるようにする。
ここで、図3(図4)に示すように、床パネル4は、少なくとも、複数本の床梁4aを矩形状に組んだ床枠部と、床枠部の上面に取付けられる床面材4bとで構成される。床枠部の内部には、床根太などを所要の間隔を有して適宜設けることができる。床梁4aは上下方向Zの強度が高くなるように縦向き(断面縦長)に配置した角材で構成される。
壁パネル6,7は、少なくとも、縦桟6aと横桟6b(必要ならば図6参照)とを矩形状に組んだ壁枠部と、壁枠部に取付けられる壁面材とで構成される。壁枠部の内部には、間柱などを所要の間隔を有して適宜設けることができる。
建物ユニット2,3は、その他に、天井パネル5を備えることができる。天井パネル5は、少なくとも、複数本の天井梁5aを矩形状に組んだ天井枠部と、天井枠部の下面に取付けられる天井面材5bとで構成される。
下階の建物ユニット2は、側面の少なくとも一つに内壁となる壁パネル6を設置しないことによって建物の内側に開口面11を設ける。他の側面については、壁パネル6,7を適宜設けることができる。
開口面11は、例えば、図5に示すように、隣接する2つの建物ユニット2a,2bを繋げて建物ユニット2a,2bの境界を跨ぐ空間9を形成するような場合に設けられる。但し、開口面11を設ける目的は、上記に限るものではない。
開口面11は、例えば、桁方向Y(長辺方向)に連続する2つの建物ユニット2a,2bの間に位置して境界壁となる壁パネル6(妻壁)をなくすことによって形成される。または、開口面11は、妻方向X(短辺方向)に隣接する2つの建物ユニット2a,2bの間に位置して境界壁となる壁パネル6(桁壁)をなくすことによって形成することもできる。この実施例では、開口面11を設ける壁パネル6を妻壁として説明する。2つの建物ユニット2a,2bの繋げられる部分には、それぞれ開口面11が形成される。そして、各開口面11に対してこの実施例の構造がそれぞれ適用される。
以下、建物ユニット2aの開口面11の場合で説明するが、建物ユニット2bの開口面11も同様の構造にしている。なお、この実施例では、2つの建物ユニット2a,2bを繋げた部分に、両方の建物ユニット2a,2bに跨るように洗面所となる空間9を設けている。
複数階層のユニット建物1では、図1に示すように、下階の建物ユニット2と上階の建物ユニット3は、互いに妻方向X、および、桁方向Yの位置を揃えた状態で上下方向Zに設置されるのが一般的である。
補強床梁12は、開口面11を設けた建物ユニット2aの上階に位置する建物ユニット3(上階建物ユニット3a)の床パネル4を構成する床梁4aの少なくとも一部または全部の上下方向Zに対する強度を、既存のものよりも相対的に高めたもの(高強度床梁)である。補強床梁12は、開口面11に作用される(建物の)鉛直荷重Pを受けるのに必要な上下方向Zの強度を有するものとされる。補強床梁12は、当該床パネル4における、少なくとも開口面11の真上に位置する床梁4aに設ければ良く、その他の床梁4aについては通常通りの強度のものを使用することができる。
補強床梁12は、通常の床梁4aよりも強度の高い材質で形成したものとしても良いし、床梁4aを補強部材などで補強したものとしても良いし、床パネル4全体の構造の変更によって全てまたは一部の床梁4aの高強度化を図るようにしても良いし、または、これらを適宜組み合わせたものとしても良い。この実施例では、図3(図4)に示すように、通常の床梁4a(例えば、2×4材)よりも強度の高い集成材などを用いると共に、集成材を多重化することによって補強床梁12にしている。なお、補強床梁12の下面側には、補強床梁12に沿って延びる補強材4cなどを設けても良い。
縦材13は、補強床梁12を下側から支持するものとして開口面11の内部に設けられる。縦材13は、建物ユニット2の高さとほぼ等しい長さとされる。縦材13は、開口面11の両側部の位置に一対設けられる。縦材13は、補強床梁12からの鉛直荷重Pを受けるのに必要な強度を有する部材で構成される。縦材13は、その上端部が、補強床梁12の両端部の下面に直接当接するか、または、補強床梁12の両端部の下面を間接的に下側から支持できるように縦長に設置される。
この実施例では、縦材13は、上下方向Zの強度が高くなるように、通常の縦材(例えば、2×4材)よりも強度の高い集成材などによって構成することができる(補強縦材または高強度縦材)。また、縦材13は、強度を上げるために多重構造としても良い。特に、縦材13は、強度の高い部材を多重化したものなどとするのが好ましい。
鉛直荷重Pは、下階の建物ユニット2aの開口面11に作用される建物の下方向の荷重のことである。
なお、既存のユニット建物1の場合、上記した開口面11に相当する部分は、図11〜図15の比較例に示すような構造となっている。比較例の構造については、後述する。
(2)図2に示すように、開口面11の上部に、補強床梁12の下側に位置して、縦材13の上端間に介在される垂れ壁21を設置する。
図6に示すように、縦材13の上部の垂れ壁21の近傍の位置と、(開口面11が形成された)下階の建物ユニット2(建物ユニット2a)に隣接する下階の別の建物ユニット2(隣接建物ユニット2c)の耐力壁22となる壁パネル6の、縦材13と隣接する縦桟6aの上部との間を、垂れ壁21および耐力壁22の面方向で且つ横方向(この実施例では妻方向X)に連結して、図7に示すように、(下階の別の建物ユニット2(隣接建物ユニット2c)から)開口面11に作用される建物の水平荷重Qを垂れ壁21にて受けさせるようにしても良い。
ここで、開口面11の上部は、下階の建物ユニット2(建物ユニット2a)の最上部となる位置である。補強床梁12の下側は、補強床梁12のほぼ真下となる位置のことである。垂れ壁21は、補強床梁12とほぼ平行に設置される。垂れ壁21は、補強床梁12と接するように設置しても良いし、補強床梁12に接しないようにスペーサ(不図示)などを介して上下方向Zに僅かな隙間を有して設置しても良い。
縦材13の上端間は、縦材13の上端部または上端部周辺の位置における、一対の縦材13の内側部分間のことである。
介在は、一対の縦材13の上端の内側部間に、垂れ壁21が横に延びた状態で存在していることである。垂れ壁21の両端部は、一対の縦材13に到達するまで延ばされる。
垂れ壁21は、開口面11の上部に設けられる、床(開口面11の下方の床パネル4)まで届かない大きさの(上下に短い)壁のことである。垂れ壁21は、通常の場合、天井などから垂れ下がったような形をしていることから垂れ壁21または下がり壁などと呼ばれている。この実施例では、図8に示すように、垂れ壁21を、その下辺が、下階の天井パネル5(天井面材5b)の下面とほぼ面一となる大きさにして、天井などから垂れ下がらないようにしている。即ち、垂れ壁21の上下寸法を、下階の天井パネル5の厚みとほぼ同じにして、垂れ壁21を上下方向Zに小型化している。これにより、垂れ壁21は、本来の垂れ壁の定義から外れた補助壁となるが、垂れ壁として説明する。
垂れ壁21は、少なくとも上枠21aと下枠21bとを有する枠部を有している。枠部の内部には、縦部材21cが設けられる。なお、垂れ壁21は、上枠21aと下枠21bとの両側部間に縦枠を有しても良いが、この実施例では、縦材13を縦枠として利用することで縦枠を省略している。垂れ壁21の枠部は、片面または両面を面材で覆っても良い。
この場合、上枠21aは、開口面11のほぼ全幅に亘る長さを有してほぼ水平に延びる角材で構成される。上枠21aの両端部は、縦材13の上端面によって下側から係止保持されるようにしても良いし、縦材13の上端部の内側面にほぼ当接されるようにしても良い。上枠21aを構成する角材は、上下方向Zの高さが低くなるように、横向き(断面横長)の状態で配置されている(図3)。
下枠21bは、縦材13の上端部近傍の内側面にほぼ当接される長さでほぼ水平に延びる角材で構成される。下枠21bを構成する角材は、上下方向Zの高さが低くなるように、横向き(断面横長)の状態で配置されている(図3)。
縦部材21cは、上枠21aと下枠21bとの上下寸法の間隔を保持するための間隔保持部材であり、上枠21aと下枠21bの間に、単数または、横方向に所要の間隔を有して複数介在される。縦部材21cの上下端部は、上枠21aの下面と下枠21bの上面とにほぼ当接される。垂れ壁21の上下寸法は、上枠21aおよび下枠21bの上下寸法と、縦部材21cの上下方向Zの長さによってほぼ設定される。
開口面11に作用される建物の水平荷重Q(図7)を、開口面11の面全体で(面として)受けられるようにするためには、垂れ壁21は、(垂れ壁21と言える範囲内で)上下寸法を可能な限り大きくするのが好ましい。これに対し、この実施例では、垂れ壁21の上下寸法を、建物の水平荷重Qを開口面11で面として受けられなくなる程度以下にまで小型化するようにしている。
即ち、上階の建物ユニット3(上階建物ユニット3a)の床パネル4に設置した補強床梁12を、鉛直荷重Pを受けるのに必要な強度に構成していることで、垂れ壁21は鉛直荷重Pを受ける機能から解放されるので、垂れ壁21の鉛直荷重Pに対する強度を低下させることが可能になり、その分、垂れ壁21は上下寸法を短くできる。すると、垂れ壁21は、建物の水平荷重Qを開口面11の面全体で(面として)受けるための機能を失うことになる。
そのため、垂れ壁21は、開口面11に作用される建物の水平荷重Q(図7)を、垂れ壁21単独で受けるのに必要な横方向(またはほぼ水平方向)の強度を有するように構成されている。垂れ壁21は、上枠21aと下枠21bの少なくとも一方または両方の長手方向の強度を高めることにより、水平荷重Qを垂れ壁21単独で受けるのに必要な横方向の強度を持たせることができる。上枠21aや下枠21bは、補強床梁12や縦材13と同様に、既存のものよりも相対的に横方向の強度が高い部材や、部材の多重化や、これらの組み合わせなどによって長手方向の強度を高めることができる。
垂れ壁21の近傍の位置とは、上下方向Zに対して垂れ壁21とほぼ同じ位置か、垂れ壁21よりも若干低い位置のことである。図6に示すように、連結部分は、耐力壁22との連結作業に支障のない範囲で垂れ壁21に近接した縦材13の上側の位置とするのが好ましい。具体的には、連結部分を、垂れ壁21の下枠21bよりも若干低い位置に設けている。耐力壁22と、縦材13との間の連結部分には、必要に応じて、スペーサ24を介在させても良い。
耐力壁22となる壁パネル6は、開口面11と同一の面内に位置している隣接建物ユニット2cの壁パネル6のことである。
隣接する下階の別の建物ユニット2は、この実施例では、妻方向Xに隣接する建物ユニット2(隣接建物ユニット2c)のことである。なお、図1では、開口面11を設ける下階の建物ユニット2aがユニット建物1の(妻方向Xの)一端部側(最も右側)に位置しているため、隣接建物ユニット2cは他端側の1つのみとなっているが、開口面11を設ける建物ユニット2aがユニット建物1の妻方向Xの中間部に位置している場合には、図8に示すように、妻方向Xの両側に隣接建物ユニット2cが設置される。この場合には、両側の隣接建物ユニット2cと開口面11の上部とをそれぞれ同様に連結する。
水平荷重Qは、例えば、風などによって建物(の下階の建物ユニット2など)に作用する横方向の荷重(風荷重)などのことである。
図6に示すように、建物ユニット2間の連結部分には、連結ボルト25やナットなどの連結具または締結具を用いるのが好ましい。連結ボルト25は、開口面11の縦材13と耐力壁22の縦桟6aと(スペーサ24と)の間を貫通し得る長さと、水平荷重Qを受けるのに必要な強度や太さとを有するものとされる。連結ボルト25は、単数とすることができるが、上下方向Zに間隔を有して複数本設置するのが好ましい。この実施例では、2本としているが、連結ボルト25は3本以上設けても良い。
(3)図6に示すように、垂れ壁21の端部と、縦材13の上部とのコーナー部分に補強プレート31を取付けても良い。
ここで、補強プレート31は、コーナー部分の角度変化による開口面11の変形を防止または規制するためのものである。補強プレート31は、垂れ壁21を構成する上枠21aと下枠21bとの間隔とほぼ等しい幅寸法(上下寸法)を有する水平部32と、水平部32の外方端部から開口面11の縦材13に沿って下方へ延びる垂直部33とを有する金属製の所要厚みのL型プレート(コーナー補強金具)とすることができる。水平部32は、上下の縁部を上枠21aと下枠21bとの双方に対してそれぞれ釘やネジなどの固定具で固定して上枠21aと下枠21bとを上下方向Zに結合して一体化するのが好ましい。また、水平部32は、縦部材21cに対して固定するようにしても良い。垂直部33は、垂れ壁21と耐力壁22との連結部分に達するか、連結部分を越える長さで下方へ延びるものとするのが好ましい。この実施例では、垂直部33は、少なくとも2本の連結ボルト25の間の位置、または、それ以上の長さに延ばされている。垂直部33は、縦材13の幅寸法とほぼ等しい幅寸法に形成するのが好ましい。垂直部33は、両側部を縦材13の両側部にネジなどの固定具で固定するのが好ましい。
なお、補強プレート31は、垂れ壁21の片面または両面(図9)に対して設けることができる。また、図10に示すように、補強プレート31の垂直部33は、建物ユニット2aに、開口面11と直交する壁パネル6(桁壁6A)が設置されることによって、最終的に桁壁6Aで隠されるので、外部に露出されることはない。よって、垂直部33は、必要な強度が得られる範囲内で上下方向Zの長さを任意に設定することができる。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
まず、図11の比較例に示すように、隣接する2つの建物ユニット2a,2bを各ユニットごとにそれぞれ独立した状態で使用できる場合には、図5に示すように、隣接する2つの建物ユニット2a,2bを繋げる必要は特に生じない。図5では、一方の建物ユニット2bが、図11の比較例の建物ユニット2bよりも小型のものとなっていることで、隣接する2つの建物ユニット2a,2bを繋げて建物ユニット2a,2bの境界を跨ぐ空間9を形成する必要が生じている。
そして、同一階層を構成する2つの建物ユニット2を繋げて、ユニットサイズとは異なる大きさに仕切って使用する場合には、繋げる2つの建物ユニット2a,2b間の境界部に開口面11を設けるようにする。
この際、図12に比較例として示す既存のユニット建物1の場合、図13に示すように、開口面11の両側に通常の縦材41を設け、通常の縦材41の上端間に通常の大きさの垂れ壁42(上枠41a、下枠41b、縦部材41c)を設け、垂れ壁42の両端下部を、通常の縦材41の内側部分に位置するまぐさ受け43で下側から支持する構造にしていた。そのため、縦材41は、開口面11に作用する(建物の)鉛直荷重Pを受けるのに必要な強度を有さないものとすることが可能にとなっていた。
また、図14に示すように、開口面11の真上に位置する上階の建物ユニット3の床パネル4の床梁4aについては、通常の強度の(即ち、開口面11に作用する(建物の)鉛直荷重Pを受けるのに必要な強度を有さない)ものとなっていた。
そして、下階の建物ユニット2では、図15に示すように、開口面11に作用する建物の鉛直荷重Pを、垂れ壁42や垂れ壁42の下側に位置するまぐさ受け43で受けるようにしていた。また、隣接する建物ユニット2によって開口面11に作用する水平荷重は、垂れ壁42を大型化することによって、開口面11の面全体で(面として)受けさせるようにしていた。
そのため、垂れ壁42は、鉛直荷重Pと水平荷重との両方に対する強度が必要になり、その分、垂れ壁42は、上下寸法が大きくならざるを得なかった。よって、開口面11の上側に、上下寸法の大きな垂れ壁42が天井面から下へ出っ張って邪魔になっていた。そのため、開口面11や、開口面11によって繋げられた空間9の使い勝手が悪くなると共に、開口面11に大きな垂れ壁42が目立つことで開口面11部分の見栄えも悪くなっていた。
そのため、開口面11をスッキリさせて建物ユニット2a,2bに設けた開口面11や開口面11によって繋げられた空間9の使い勝手を良くすることなどが望まれている。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果 1)上階の建物ユニット3(上階建物ユニット3a)の床パネル4に、(既存の床梁4aよりも相対的に上下方向Zの強度が高い)補強床梁12を設けて、この補強床梁12を、下階の建物ユニット2(建物ユニット2a)の少なくとも1つの壁パネル6の位置に形成した開口面11の真上に配置する。そして、補強床梁12の両端部を、開口面11の側部に沿って設けた縦材13で下から支持する。
これにより、開口面11に作用される建物の鉛直荷重Pを、補強床梁12および縦材13にて受けさせることが可能になる。または、開口面11に作用される建物の鉛直荷重Pを、補強床梁12から縦材13に伝えて、縦材13に受けさせることが可能になる。下階の縦材13に伝えられた鉛直荷重Pは最終的に建物の基礎へと伝えられる。
そのため、開口面11に設けられる垂れ壁21は、鉛直荷重Pを受けるための強度が必要なくなるので、その分、垂れ壁21を上下方向Zに小型化することが可能となる。
そして、垂れ壁21を上下方向Zに小型化する(上下寸法を短くする)ことで、開口面11に目立たないように垂れ壁21を設置できる。よって、例えば、建物ユニット2,3の一部を繋げて、繋げた部分をユニットサイズとは異なる大きさに仕切って使用する場合などにおける、開口面11で繋げられた空間(空間9)や開口面11の使い勝手を向上すると共に、開口面11の見栄えを良くすることができる。また、開口面11の使い勝手や見栄えの問題が解消されることで、建物ユニット2,3の一部を繋げて広い空間9を作る構造を、これまで以上に有効に活用することが可能になる。そして、ユニット建物1全体の構成を大掛かりに変更せずに、建物ユニット2,3(上階建物ユニット3aや開口面11を有する下階の建物ユニット2a)の構造を一部変更するだけで、垂れ壁21の上下寸法の小型化が得られるので、構造的にも容易である。
(効果 2)開口面11の側部に沿って設けた縦材13の上部(のほぼ垂れ壁21の位置)と、隣接する下階の別の建物ユニット2(隣接建物ユニット2c)の耐力壁22となる壁パネル6の縦桟6aの上部間を、(垂れ壁21および耐力壁22の面方向で且つ横方向に)連結した。
これにより、下階の別の建物ユニット2(の開口面11に隣接する耐力壁22)から開口面11に作用される水平荷重Qを、耐力壁22に連結された縦材13の上部を介して垂れ壁21に受けさせることが可能となる。垂れ壁21が受けた水平荷重Qは、反対側の縦材13や、下階の反対側に更に別の建物ユニット2(の耐力壁22となる壁パネル6)が存在している場合には、その更に別の建物ユニット2(の耐力壁22)などへ伝えられ、最終的に基礎に伝えられる。そのため、開口面11は、水平荷重Qを面で受けるのではなく(上下寸法を短くした)垂れ壁21で横に受ける構造となり、水平荷重Qを受けることができる強度の範囲内で垂れ壁21の上下寸法を短くして垂れ壁21の上下寸法の小型化を図ることができる。これにより、垂れ壁21は、例えば、天井面と同程度の大きさにまで上下寸法を小さくまたは短くすることが可能になる。
(効果 3)垂れ壁21の端部と縦材13の上部とのコーナー部分に補強プレート31(コーナー補強金具)を取付けた。
これにより、垂れ壁21と縦材13とのコーナー部分が補強プレート31によって強固に連結固定され、コーナー部分の角度変化による開口面11の変形を防止または規制することができる。よって、垂れ壁21の上下寸法を短くした場合でも、開口面11に面としての強さを持たせることができる。また、補強プレート31によって垂れ壁21と縦材13との連結部分(またはコーナー部分)の強度や、垂れ壁21自体の少なくとも端部周辺の強度などを高めることができる。そのため、上下寸法を短くした小型の垂れ壁21であっても、下階の別の建物ユニット2などから開口面11に作用する水平荷重Qを、垂れ壁21や反対側の縦材13でより有効に受けることができる。
1 ユニット建物
2 建物ユニット
2a 建物ユニット
2b 建物ユニット
2c 隣接建物ユニット
3 建物ユニット
3a 上階建物ユニット
4 床パネル
6 壁パネル
6a 縦桟
7 壁パネル
8 屋根ユニット
11 開口面
12 補強床梁
13 縦材
21 垂れ壁
22 耐力壁
31 補強プレート
P 鉛直荷重
Q 水平荷重

Claims (3)

  1. 少なくとも床パネルと壁パネルとを有する建物ユニットによって構成された複数階層のユニット建物であって、
    下階の建物ユニットの少なくとも1つに、内壁となる壁パネルのない開口面を形成し、
    前記下階の建物ユニットの上に位置する上階の建物ユニットを構成する床パネルに対し、前記開口面の真上となる位置に補強床梁を設置し、
    該補強床梁の両端部を、前記開口面の側部に沿って設けた縦材で支持して、前記開口面に作用する鉛直荷重を、前記補強床梁および前記縦材にて受けさせるようにしたことを特徴とするユニット建物。
  2. 請求項1に記載のユニット建物であって、
    前記開口面の上部に、前記補強床梁の下側に位置して、前記縦材の上端間に介在される垂れ壁を設置し、
    前記縦材の上部の前記垂れ壁の近傍の位置と、前記下階の建物ユニットに隣接する下階の別の建物ユニットの耐力壁となる壁パネルの、前記縦材と隣接する縦桟の上部との間を、前記垂れ壁および前記耐力壁の面方向で且つ横方向に連結して、前記開口面に作用する建物の水平荷重を前記垂れ壁にて受けさせるようにしたことを特徴とするユニット建物。
  3. 請求項2に記載のユニット建物であって、
    前記垂れ壁の端部と、前記縦材の上部とのコーナー部分に補強プレートを取付けたことを特徴とするユニット建物。
JP2019008210A 2019-01-22 2019-01-22 建物ユニット Active JP7201452B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019008210A JP7201452B2 (ja) 2019-01-22 2019-01-22 建物ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019008210A JP7201452B2 (ja) 2019-01-22 2019-01-22 建物ユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020117891A true JP2020117891A (ja) 2020-08-06
JP7201452B2 JP7201452B2 (ja) 2023-01-10

Family

ID=71891842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019008210A Active JP7201452B2 (ja) 2019-01-22 2019-01-22 建物ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7201452B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07197519A (ja) * 1993-12-29 1995-08-01 Misawa Homes Co Ltd 開口部上部の補強構造
JPH08311999A (ja) * 1995-05-19 1996-11-26 Sekisui Chem Co Ltd ユニット建物
JP2000073453A (ja) * 1998-09-01 2000-03-07 Sekisui Chem Co Ltd 車庫用建物ユニット
JP2004176379A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Sekisui Chem Co Ltd 壁式建物の開口構造及びユニット建物
JP2009185571A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Sekisui Chem Co Ltd 建物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07197519A (ja) * 1993-12-29 1995-08-01 Misawa Homes Co Ltd 開口部上部の補強構造
JPH08311999A (ja) * 1995-05-19 1996-11-26 Sekisui Chem Co Ltd ユニット建物
JP2000073453A (ja) * 1998-09-01 2000-03-07 Sekisui Chem Co Ltd 車庫用建物ユニット
JP2004176379A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Sekisui Chem Co Ltd 壁式建物の開口構造及びユニット建物
JP2009185571A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Sekisui Chem Co Ltd 建物

Also Published As

Publication number Publication date
JP7201452B2 (ja) 2023-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5833564B2 (ja) 建築用パネル化構造システム
CA2678586C (en) Insulated modular building frame
CA2111149A1 (en) Wood frame construction system with prefabricated components
JP2019097622A (ja) ユニット家具
US20040255535A1 (en) Multi-purpose construction assembly and method
EP1055036A1 (en) Modular building unit
JP2020117891A (ja) 建物ユニット
JP7173942B2 (ja) 制振天井構造
JP2006322205A (ja) 壁式木造建築物
US3466828A (en) Modular wall construction
JP5356001B2 (ja) 建物の床下構造
JP2016204864A (ja) ハイブリッドフレームと合板又はclt板等の組合せ構造
JPH06136833A (ja) 天井付き床パネル及びこれを備える部屋ユニット
JP5736168B2 (ja) 木造建築物
JP7290616B2 (ja) 半屋外空間における外周壁の構造
JP6963247B2 (ja) 耐力壁及び建物構造体
EP1953300B1 (en) Arrangement for joining wood-based construction elements
JP6921520B2 (ja) 外壁パネルの固定構造及び建物
JP4926583B2 (ja) 建物
WO2022029990A1 (ja) 建築物
JP7143205B2 (ja) 耐震補強壁構造
RU200790U1 (ru) Перекрытие
EP3529444B1 (en) Burglary resistant room partitioning structure and method associated therewith
JP6898757B2 (ja) ユニット構造物
JP2774059B2 (ja) 三階建ユニット建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221222

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7201452

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151