JP2020117599A - りん光発光材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 室温でりん光発光する有機化合物材料を提供する。【解決手段】 所定の構造の多環式化合物と、所定の構造の縮合多環式化合物とを含むりん光発光材料。【選択図】なし
Description
本発明は、りん光発光材料に関する。より詳しくは、避難誘導標識の材料や、有機電界発光素子の材料等として利用可能なりん光発光材料に関する。
光を蓄え、光照射後も発光することができる蓄光材料は、電源フリーの媒体として災害時の避難誘導標識等に使用されており、今後も更なる用途の広がりが期待されている。現在、蓄光材料として知られているものは、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウムをはじめとする、高価な材料を使用し、複雑で高温が必要なプロセスで製造される無機物がほとんどである。このため、安価でかつ低温で製造可能な材料の開発が求められており、りん光発光する有機化合物について研究がされている(非特許文献1〜5参照)。
Y.シャオ(Y.Shao)外1名、「アドバンスト マテリアルズ(Advanced Materials)」、2005年、第17巻 p.2841
G.ザン(G.Zhang)外3名、「ネイチャー マテリアルズ(Nature Materials)」、2009年、第8巻 p.747
M.S.クウォン(M.S.Kwon)外12名、「ネイチャー コミュニケーションズ(Nature Communications)」、2015年、第6巻 p.8947
C.S.バイレン(C.S.Bilen)外2名、「ネイチャー(Nature)」、1978年、第271巻 p.235
A.フォルニ(A.Forni)外3名、「ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリー C(Journal of Materials Chemistry C)」、2018年、第6巻 p.4603
りん光発光の原因となる、三重項励起状態から一重項基底状態への禁制遷移は、一重項励起状態から一重項基底状態への許容遷移に比べて遷移が起こりにくいことから、りん光発光は発光寿命が長くなるが、一方で、三重項励起状態の電子がエネルギーを熱として放出して基底状態になって消光する現象も起こる。室温ではこの消光が起こりやすくなるため、室温でりん光発光する有機化合物を開発することは容易ではない。上記非特許文献4、5には、りん光発光する有機化合物が報告されているが、今後、りん光発光材料を様々な用途で活用できるようにするため、室温でりん光発光する有機化合物を更に開発することが求められる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、室温でりん光発光する有機化合物材料を提供することを目的とする。
本発明者は、室温でりん光発光する有機化合物材料について検討し、所定の構造の多環式化合物と縮合多環式化合物とを含む材料が、室温でもりん光発光することを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記式(1);
(式中、X1〜X6は、同一又は異なって、炭素原子又は窒素原子を表す。点線の円弧は、実線で表された炭素−炭素二重結合部分とともに芳香族炭化水素環又は硫黄原子、酸素原子若しくは窒素原子を含む芳香族複素環構造が形成されていることを表す。M1は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を表す。M2は、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は環構造の置換基となる有機基を表す。m1、m2はそれぞれR1、R2の数を表し、m1は0〜2であり、m2は0〜4の数である。R1やR2が点線の円弧部分を形成する芳香環又は複素芳香環構造に複数個結合している場合には、有機基同士が結合して環構造を形成していてもよい。)で表される多環式化合物と、下記式(2);
(式中、X1’〜X6’は、同一又は異なって、炭素原子又は窒素原子を表す。点線の円弧は、実線で表された炭素−炭素二重結合部分とともに芳香族炭化水素環又は硫黄原子、酸素原子若しくは窒素原子を含む芳香族複素環構造が形成されていることを表す。M1’は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を表す。R1’、R2’は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は環構造の置換基となる有機基を表す。m1’、m2’はそれぞれR1’、R2’の数を表し、m1’は0〜2であり、m2’は0〜4の数である。R1’やR2’が点線の円弧部分を形成する芳香環又は複素芳香環構造に複数個結合している場合には、有機基同士が結合して環構造を形成していてもよい。)で表される縮合多環式化合物とを含むことを特徴とするりん光発光材料である。
上記式(1)で表される多環式化合物に対する、上記式(2)で表される縮合多環式化合物の質量割合が0.01〜100質量%であることが好ましい。
上記式(1)で表される多環式化合物と、上記式(2)で表される縮合多環式化合物とを含む結晶であることが好ましい。
本発明のりん光発光材料は、高価な希土類元素等を必要としない有機化合物のみによって室温でりん光発光する材料であるため安価であり、災害時の避難誘導標識をはじめとする各種用途において蓄光材料として好適に使用することができる。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のりん光発光材料は、下記式(1);
(式中、X1〜X6は、同一又は異なって、炭素原子又は窒素原子を表す。点線の円弧は、実線で表された炭素−炭素二重結合部分とともに芳香族炭化水素環又は硫黄原子、酸素原子若しくは窒素原子を含む芳香族複素環構造が形成されていることを表す。M1は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を表す。M2は、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は環構造の置換基となる有機基を表す。m1、m2はそれぞれR1、R2の数を表し、m1は0〜2であり、m2は0〜4の数である。R1やR2が点線の円弧部分を形成する芳香環又は複素芳香環構造に複数個結合している場合には、有機基同士が結合して環構造を形成していてもよい。)で表される多環式化合物と、下記式(2);
(式中、X1’〜X6’は、同一又は異なって、炭素原子又は窒素原子を表す。点線の円弧は、実線で表された炭素−炭素二重結合部分とともに芳香族炭化水素環又は硫黄原子、酸素原子若しくは窒素原子を含む芳香族複素環構造が形成されていることを表す。M1’は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を表す。R1’、R2’は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は環構造の置換基となる有機基を表す。m1’、m2’はそれぞれR1’、R2’の数を表し、m1’は0〜2であり、m2’は0〜4の数である。R1’やR2’が点線の円弧部分を形成する芳香環又は複素芳香環構造に複数個結合している場合には、有機基同士が結合して環構造を形成していてもよい。)で表される縮合多環式化合物とを含むことを特徴とする。
従来、室温でりん光発光する材料には、構造中に含まれる重い原子の作用によって項間交差で三重項励起状態から電子のスピン変化が起こり、光を放出して基底状態に戻り易くなる重原子効果によってりん光発光するものや、芳香環を有する化合物の芳香環が重なって会合体となり、それらが相互作用することで室温でりん光発光するもの、似た構造の化合物同士の水素結合によって分子の振動を抑制し、励起状態のエネルギーが振動によって熱エネルギーとして放出されることを抑制してりん光発光させるもの等がある。上記のような構造の多環式化合物と縮合多環式化合物とを含む材料が室温でりん光発光する原理は明らかではないが、結晶中での隣接分子同士の相互作用によるπ共役拡張による励起子の安定化及び分子振動抑制による熱失活抑制が想定される。
従来、室温でりん光発光する材料には、構造中に含まれる重い原子の作用によって項間交差で三重項励起状態から電子のスピン変化が起こり、光を放出して基底状態に戻り易くなる重原子効果によってりん光発光するものや、芳香環を有する化合物の芳香環が重なって会合体となり、それらが相互作用することで室温でりん光発光するもの、似た構造の化合物同士の水素結合によって分子の振動を抑制し、励起状態のエネルギーが振動によって熱エネルギーとして放出されることを抑制してりん光発光させるもの等がある。上記のような構造の多環式化合物と縮合多環式化合物とを含む材料が室温でりん光発光する原理は明らかではないが、結晶中での隣接分子同士の相互作用によるπ共役拡張による励起子の安定化及び分子振動抑制による熱失活抑制が想定される。
本発明のりん光発光材料における上記式(1)で表される多環式化合物と上記式(2)で表される縮合多環式化合物の質量割合は特に制限されないが、式(1)で表される多環式化合物に対する、式(2)で表される縮合多環式化合物の質量割合が0.01〜100質量%であることが好ましい。上記式(1)で表される多環式化合物と式(2)で表される縮合多環式化合物とはホストとゲストの関係にあり、このような質量割合でこれらの化合物を含むことで、良好なりん光発光特性を発揮することができる。式(1)で表される多環式化合物に対する、式(2)で表される縮合多環式化合物の質量割合は、より好ましくは、0.1〜50質量%であり、更に好ましくは、0.5〜20質量%である。
本発明のりん光発光材料は、上記式(1)で表される多環式化合物と、上記式(2)で表される縮合多環式化合物とを含む結晶であることが好ましい。また純度の高い結晶であることで、りん光発光特性により優れた材料となるため、上記式(2)で表される縮合多環式化合物とを含む溶液を調製して再結晶させる方法等により、高純度の結晶とすることが好ましい。
上記式(1)において、X1〜X6は、同一又は異なって、炭素原子又は窒素原子を表す。X1〜X6で形成される環は、炭素原子のみからなるものであってもよく、炭素原子と窒素原子とからなるものであってもよい。X1〜X6で形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環が挙げられる。
上記式(1)において、点線の円弧は、実線で表された炭素−炭素二重結合部分とともに芳香族炭化水素環又は硫黄原子、酸素原子若しくは窒素原子を含む芳香族複素環構造が形成されていることを表す。
芳香族炭化水素環としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環等が挙げられる。
芳香族複素環としては、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、チアゾール環、カルバゾール環の窒素原子が硫黄原子に置換した環等の硫黄原子含有複素環;フラン環、オキサゾール環、カルバゾール環の窒素原子が酸素原子に置換した環等の酸素原子含有複素環;ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、イソインドール環、キノリン環、イソキノリン環、フェナントリジン環、カルバゾール環等の窒素原子含有複素環等が挙げられる。
芳香族炭化水素環としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環等が挙げられる。
芳香族複素環としては、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、チアゾール環、カルバゾール環の窒素原子が硫黄原子に置換した環等の硫黄原子含有複素環;フラン環、オキサゾール環、カルバゾール環の窒素原子が酸素原子に置換した環等の酸素原子含有複素環;ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、イソインドール環、キノリン環、イソキノリン環、フェナントリジン環、カルバゾール環等の窒素原子含有複素環等が挙げられる。
上記式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は環構造の置換基となる有機基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
有機基としては、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜20のハロアルキル基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;ニトロ基;アゾ基;アリル基;シアノ基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜20のアルキル基を有するモノ又はジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、カルバゾリル基などのアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、ブテニル基、スチリル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、フェニルアセチニル等の炭素数2〜20のアルキニル基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等の炭素数2〜20のアルケニルオキシ基;エチニルオキシ基、フェニルアセチルオキシ基等の炭素数2〜20のアルキニルオキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基、ピレニルオキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等の炭素数1〜20のパーフルオロ基及び更に長鎖のパーフルオロ基;ジフェニルボリル基、ジメシチルボリル基、ビス(パーフルオロフェニル)ボリル基、ジボロン酸エステル基等の炭素数1〜20のボリル基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数1〜20のカルボニル基;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等の炭素数1〜20のカルボニルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基;メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等の炭素数1〜20のスルフィニル基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリフェニルシリル基等の炭素数1〜20のシリル基;ハロゲン原子やアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基等で置換されていてもよいフェニル基、2,6−キシリル基、メシチル基、デュリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、トルイル基、アニシル基、フルオロフェニル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、フェナンスレニル基等の炭素数6〜20のアリール基;炭素数12〜20のオリゴアリール基;チエニル基、フリル基、シラシクロペンタジエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、アクリジニル基、キノリル基、キノキサロイル基、フェナンスロリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリミジル基、イミダゾリル基等の炭素数1〜20のヘテロ環基;炭素数2〜20のオリゴヘテロ環基;カルボキシル基;炭素数2〜20のカルボン酸エステル;エポキシ基;イソシアノ基;シアネート基;イソシアネート基;チオシアネート基;イソチオシアネート基;カルバモイル基;N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基等の炭素数2〜20のN,N−ジアルキルカルバモイル基;ホルミル基;ニトロソ基;ホルミルオキシ基;スタニル基;ホスフィノ基;シリルオキシ基;炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基;炭素数1〜20のアルキルスルホニルオキシ基;炭素数1〜20のアルキルチオ基;炭素数6〜20のアリールチオ基;炭素数7〜20のアリールアルキル基;炭素数8〜20のアリールアルケニル基;炭素数8〜20のアリールアルキニル基;炭素数7〜20のアリールアルコキシ基;炭素数7〜20のアリールアルキルチオ基;炭素数1〜20の1価の複素環基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された炭素数1〜20の1価の複素環基;炭素数2〜20の1価のオリゴ複素環基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された炭素数2〜20の1価のオリゴ複素環基等が挙げられる。
また、有機基同士が結合して形成される環構造としては、上記有機基を構成する炭素原子同士が結合を形成した構造が挙げられる。
有機基としては、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜20のハロアルキル基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;ニトロ基;アゾ基;アリル基;シアノ基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜20のアルキル基を有するモノ又はジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、カルバゾリル基などのアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、ブテニル基、スチリル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、フェニルアセチニル等の炭素数2〜20のアルキニル基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等の炭素数2〜20のアルケニルオキシ基;エチニルオキシ基、フェニルアセチルオキシ基等の炭素数2〜20のアルキニルオキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基、ピレニルオキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等の炭素数1〜20のパーフルオロ基及び更に長鎖のパーフルオロ基;ジフェニルボリル基、ジメシチルボリル基、ビス(パーフルオロフェニル)ボリル基、ジボロン酸エステル基等の炭素数1〜20のボリル基;アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数1〜20のカルボニル基;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等の炭素数1〜20のカルボニルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基;メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等の炭素数1〜20のスルフィニル基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリフェニルシリル基等の炭素数1〜20のシリル基;ハロゲン原子やアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基等で置換されていてもよいフェニル基、2,6−キシリル基、メシチル基、デュリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、トルイル基、アニシル基、フルオロフェニル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、フェナンスレニル基等の炭素数6〜20のアリール基;炭素数12〜20のオリゴアリール基;チエニル基、フリル基、シラシクロペンタジエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、アクリジニル基、キノリル基、キノキサロイル基、フェナンスロリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリミジル基、イミダゾリル基等の炭素数1〜20のヘテロ環基;炭素数2〜20のオリゴヘテロ環基;カルボキシル基;炭素数2〜20のカルボン酸エステル;エポキシ基;イソシアノ基;シアネート基;イソシアネート基;チオシアネート基;イソチオシアネート基;カルバモイル基;N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基等の炭素数2〜20のN,N−ジアルキルカルバモイル基;ホルミル基;ニトロソ基;ホルミルオキシ基;スタニル基;ホスフィノ基;シリルオキシ基;炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基;炭素数1〜20のアルキルスルホニルオキシ基;炭素数1〜20のアルキルチオ基;炭素数6〜20のアリールチオ基;炭素数7〜20のアリールアルキル基;炭素数8〜20のアリールアルケニル基;炭素数8〜20のアリールアルキニル基;炭素数7〜20のアリールアルコキシ基;炭素数7〜20のアリールアルキルチオ基;炭素数1〜20の1価の複素環基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された炭素数1〜20の1価の複素環基;炭素数2〜20の1価のオリゴ複素環基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された炭素数2〜20の1価のオリゴ複素環基等が挙げられる。
また、有機基同士が結合して形成される環構造としては、上記有機基を構成する炭素原子同士が結合を形成した構造が挙げられる。
上記R1、R2としては、上述したものの中でも好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アゾ基、アシル基、アリル基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、シアノ基、シリル基、スタニル基、ボリル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基等の反応性基;炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;アリール基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換されたアリール基;オリゴアリール基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は反応性基で置換されたオリゴアリール基;1価の複素環基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された1価の複素環基;1価のオリゴ複素環基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された1価のオリゴ複素環基;アルキルチオ基;アリールオキシ基;アリールチオ基;アリールアルキル基;アリールアルコキシ基;アリールアルキルチオ基;アルケニル基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基;アルキニル基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基が好ましい。より好ましくは、水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基、アルキニル基、アルケニル基、ホルミル基、スタニル基、ホスフィノ基;ハロゲン原子、ハロアルキル基、該反応性基で置換されたアリール基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換されたオリゴアリール基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された1価の複素環基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換された1価のオリゴ複素環基;アルケニル基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基;アルキニル基;ハロゲン原子、ハロアルキル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基である。
上記式(1)におけるM2は、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
上記式(1)におけるm1、m2は、それぞれR1、R2の数を表し、m1は0〜2であり、m2は0〜4の数である。
m1は、0であることが好ましい。m2は、1であることが好ましい。
上記式(1)におけるm1、m2は、それぞれR1、R2の数を表し、m1は0〜2であり、m2は0〜4の数である。
m1は、0であることが好ましい。m2は、1であることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記式(3−1)〜(3−14)で表される化合物が挙げられる。式中のR2、M2は、上記式(1)におけるものと同様である。
上記式(2)で表される縮合多環式化合物において、X1’〜X6’で形成される環構造、点線の円弧で表される芳香族炭化水素環や硫黄原子、酸素原子若しくは窒素原子を含む芳香族複素環構造の具体例は、上述した式(1)で表される多環式化合物におけるX1〜X6で形成される環構造、点線の円弧で表される芳香族炭化水素環や硫黄原子、酸素原子若しくは窒素原子を含む芳香族複素環構造の具体例と同様である。
また、上記式(2)で表される縮合多環式化合物において、R1’、R2’におけるハロゲン原子や環構造の置換基となる有機基の具体例は、上述した式(1)で表される多環式化合物のR1、R2におけるハロゲン原子や環構造の置換基となる有機基の具体例と同様である。
更に、上記式(2)で表される縮合多環式化合物において、m1’、m2’の好ましい値は、上記式(1)で表される多環式化合物における、m1、m2の好ましい値と同様である。
また、上記式(2)で表される縮合多環式化合物において、R1’、R2’におけるハロゲン原子や環構造の置換基となる有機基の具体例は、上述した式(1)で表される多環式化合物のR1、R2におけるハロゲン原子や環構造の置換基となる有機基の具体例と同様である。
更に、上記式(2)で表される縮合多環式化合物において、m1’、m2’の好ましい値は、上記式(1)で表される多環式化合物における、m1、m2の好ましい値と同様である。
上記式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記式(4−1)〜(4−14)で表される化合物が挙げられる。式中のR2、M2は、上記式(1)におけるものと同様である。
上記のとおり、上記式(2)で表される縮合多環式化合物における、X1’〜X6’で形成される環構造、点線の円弧、R1’、R2’及びm1’、m2’の具体例や好ましい範囲は、それぞれ上記式(1)で表される多環式化合物におけるX1〜X6で形成される環構造、点線の円弧、R1、R2及びm1、m2の具体例や好ましい範囲と同様であるが、本発明のりん光材料において、上記式(1)で表される多環式化合物における点線の円弧の構造と、同じりん光材料に含まれる上記式(2)で表される縮合多環式化合物における点線の円弧の構造とは同一であっても異なっていてもよい。上記式(1)におけるR1、R2と式(2)におけるR1’、R2’及び、上記式(1)におけるm1、m2と式(2)におけるm1’、m2’についても同様であり、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
このように、本発明のりん光材料に含まれる上記式(1)で表される多環式化合物と、上記式(2)で表される縮合多環式化合物とは、それぞれ対応する構造が同一であってもよく、異なっていてもよいが、X1〜X6で形成される環構造とX1’〜X6’で形成される環構造とが同じ構造であるほうが、優れたりん光発光特性を発揮する傾向があるため、好ましい。同様に、R2とR2’とが同じ構造であるほうが、優れたりん光発光特性を発揮する傾向があるため、好ましい。
このように、本発明のりん光材料に含まれる上記式(1)で表される多環式化合物と、上記式(2)で表される縮合多環式化合物とは、それぞれ対応する構造が同一であってもよく、異なっていてもよいが、X1〜X6で形成される環構造とX1’〜X6’で形成される環構造とが同じ構造であるほうが、優れたりん光発光特性を発揮する傾向があるため、好ましい。同様に、R2とR2’とが同じ構造であるほうが、優れたりん光発光特性を発揮する傾向があるため、好ましい。
上記式(1)で表される多環式化合物を合成する場合、例えば、対応するハロヘテロアリール化合物と、対応する置換、無置換フェノールもしくはチオフェノールとを水酸化ナトリウムの様な塩基存在下で反応させることにより合成することができる。
上記式(2)で表される縮合多環式化合物を合成する場合、例えば、上記式(1)で表される多環式化合物の多環式化合物の環構造間に結合を形成させる反応により合成することができる。
上記式(1)で表される化合物から式(2)で表される化合物を合成する工程は、パラジウム触媒の存在下で行われることが好ましい。パラジウム触媒を用いることで、式(2)で表される化合物の収率を高くすることができる。
パラジウム触媒としては、パラジウムトリフルオロアセテート(Pd(TFA)2)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl2(PPh3)2)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(PtBu3)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2dba3)、[PdCl2(PhCN)2]、[Pd(BF4)2(MeCN)4]等のパラジウム化合物や、金属パラジウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
パラジウム触媒としては、パラジウムトリフルオロアセテート(Pd(TFA)2)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl2(PPh3)2)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(PtBu3)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2dba3)、[PdCl2(PhCN)2]、[Pd(BF4)2(MeCN)4]等のパラジウム化合物や、金属パラジウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記パラジウム触媒を使用する場合の使用量は、式(1)で表される化合物100mol%に対して、0.1〜100mol%であることが好ましい。より好ましくは、1〜50mol%であり、更に好ましくは、2〜30mol%である。
上記式(1)で表される化合物から式(2)で表される化合物を合成する工程は、塩基を用いて行ってもよい。塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記塩基を使用する場合の使用量は、式(1)で表される化合物100mol%に対して、100〜600mol%であることが好ましい。より好ましくは、100〜400mol%であり、更に好ましくは、200〜300mol%である。
上記合成工程は、酸化剤を用いて行ってもよい。酸化剤としては、酢酸銀、酢酸銅、硝酸銀、銀トリフルオロアセテート(Ag(TFA))等の1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、酢酸銀、銀トリフルオロアセテート(Ag(TFA))のいずれかが好ましい。より好ましくは、酢酸銀である。酢酸銀を用いることで式(2)で表される化合物をより高い収率で得ることができる。
これらの中でも、酢酸銀、銀トリフルオロアセテート(Ag(TFA))のいずれかが好ましい。より好ましくは、酢酸銀である。酢酸銀を用いることで式(2)で表される化合物をより高い収率で得ることができる。
上記酸化剤を使用する場合の使用量は、式(1)で表される化合物100mol%に対して、400〜2000mol%であることが好ましい。より好ましくは、400〜1600mol%であり、更に好ましくは、400〜1200mol%である。
上記合成工程は、溶媒を用いて行うことができる。使用する溶媒としては、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、安息香酸、塩化ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等の1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、ピバル酸、プロピオン酸のいずれかが好ましい。より好ましくは、ピバル酸である。ピバル酸を用いることで式(2)で表される化合物をより高い収率で得ることができる。
これらの中でも、ピバル酸、プロピオン酸のいずれかが好ましい。より好ましくは、ピバル酸である。ピバル酸を用いることで式(2)で表される化合物をより高い収率で得ることができる。
上記合成工程の反応温度は、反応が進む限り特に制限されないが、0〜200℃であることが好ましい。より好ましくは、20〜200℃であり、更に好ましくは、40〜180℃であり、特に好ましくは、100〜160℃である。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、2時間以上であることが好ましい。より好ましくは、4〜24時間である。
上記合成工程を行う雰囲気は特に制限されず、空気下で行ってもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってよいが、空気下で行うことで合成工程をより簡便に行うことができる。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、2時間以上であることが好ましい。より好ましくは、4〜24時間である。
上記合成工程を行う雰囲気は特に制限されず、空気下で行ってもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってよいが、空気下で行うことで合成工程をより簡便に行うことができる。
本発明のりん光発光材料は、有機化合物のみで室温でりん光発光する材料であるため、希土類元素等の高価な元素を使用する無機化合物からなる材料よりも有利であり、災害時の避難誘導標識や道路標識の他、塗料、アクセサリ等の種々の用途に好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
合成例1
Chem.Photo.Chem.(doi:10.1002/cptc.201800189)に記載された方法に従って、二口反応容器に下記式(5−2)で表される対応するフェノール誘導体(20mmol)、下記式(5−1)で表される2,5−ジブロモピラジン(10mmol)、炭酸カリウム(22mmol)、DMSO(8mL)を加え窒素置換した。これを150℃に加熱し、24時間加熱攪拌した。反応終了後、水でクエンチし、酢酸エチルを用いてセライトろ過した。有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をヘキサンで洗浄することで下記式(5−3)を得た。収率は83%であった。
Chem.Photo.Chem.(doi:10.1002/cptc.201800189)に記載された方法に従って、二口反応容器に下記式(5−2)で表される対応するフェノール誘導体(20mmol)、下記式(5−1)で表される2,5−ジブロモピラジン(10mmol)、炭酸カリウム(22mmol)、DMSO(8mL)を加え窒素置換した。これを150℃に加熱し、24時間加熱攪拌した。反応終了後、水でクエンチし、酢酸エチルを用いてセライトろ過した。有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をヘキサンで洗浄することで下記式(5−3)を得た。収率は83%であった。
合成例2
シュレンク管に下記式(5−3)で表される反応基質(2.0mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.4mmol)、ピバル酸カリウム(8.0mmol)、DMAc(ジメチルアセトアミド)を加え窒素置換した。これを160℃に加熱し、15時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって分離し、メタノールで洗浄することで、下記式(5−4)で表される目的物を得た。収率は48%であった。
シュレンク管に下記式(5−3)で表される反応基質(2.0mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.4mmol)、ピバル酸カリウム(8.0mmol)、DMAc(ジメチルアセトアミド)を加え窒素置換した。これを160℃に加熱し、15時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって分離し、メタノールで洗浄することで、下記式(5−4)で表される目的物を得た。収率は48%であった。
合成例3、4
合成例2と同様にして、化合物(5−5)から化合物(5−6)、化合物(5−7)から化合物(5−8)をそれぞれ合成した。
合成例2と同様にして、化合物(5−5)から化合物(5−6)、化合物(5−7)から化合物(5−8)をそれぞれ合成した。
合成例5
シュレンク管に下記式(5−9)で表される反応基質(0.4mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)(0.02mmol)、酢酸銀(1.6mmol)、ピバル酸を加え、130℃に加熱し、10時間加熱攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、下記式(5−10)で表される目的物を得た。収率は62%であった。
シュレンク管に下記式(5−9)で表される反応基質(0.4mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)(0.02mmol)、酢酸銀(1.6mmol)、ピバル酸を加え、130℃に加熱し、10時間加熱攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、下記式(5−10)で表される目的物を得た。収率は62%であった。
合成例6、7
合成例5と同様にして、化合物(5−11)から化合物(5−12)、化合物(5−13)から化合物(5−14)をそれぞれ合成した。
合成例5と同様にして、化合物(5−11)から化合物(5−12)、化合物(5−13)から化合物(5−14)をそれぞれ合成した。
実施例1
合成例1で合成した化合物(5−3)に対して10%の合成例2で合成した化合物(5−4)を加え、ジクロロメタン/ヘプタンの溶媒系で再結晶を実施することで結晶を得た。得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定は大気下、298Kで実施し、励起光は350nmを用いた。測定結果を図1に示す。
また、励起光350nmを用いて、555nmでの発光寿命を測定した。測定結果を図2に示す。発光寿命τ=874msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
合成例1で合成した化合物(5−3)に対して10%の合成例2で合成した化合物(5−4)を加え、ジクロロメタン/ヘプタンの溶媒系で再結晶を実施することで結晶を得た。得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定は大気下、298Kで実施し、励起光は350nmを用いた。測定結果を図1に示す。
また、励起光350nmを用いて、555nmでの発光寿命を測定した。測定結果を図2に示す。発光寿命τ=874msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
実施例2
下記化合物(6−1)に対して10%の合成例2で合成した化合物(5−4)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして、得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図3に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図4に示す。発光寿命τ=1011msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
下記化合物(6−1)に対して10%の合成例2で合成した化合物(5−4)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして、得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図3に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図4に示す。発光寿命τ=1011msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
実施例3
化合物(5−3)に対して10%の合成例3で合成した化合物(5−6)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図5に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図6に示す。発光寿命τ=513msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
化合物(5−3)に対して10%の合成例3で合成した化合物(5−6)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図5に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図6に示す。発光寿命τ=513msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
実施例4
化合物(5−3)に対して10%の合成例5で合成した化合物(5−10)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図7に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図8に示す。発光寿命τ=750msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
化合物(5−3)に対して10%の合成例5で合成した化合物(5−10)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図7に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図8に示す。発光寿命τ=750msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
実施例5
化合物(5−3)に対して10%の合成例6で合成した化合物(5−12)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図9に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図10に示す。発光寿命τ=44msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
化合物(5−3)に対して10%の合成例6で合成した化合物(5−12)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図9に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図10に示す。発光寿命τ=44msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
実施例6
化合物(5−3)に対して10%の合成例7で合成した化合物(5−14)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図11に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図12に示す。発光寿命τ=15msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
化合物(5−3)に対して10%の合成例7で合成した化合物(5−14)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図11に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図12に示す。発光寿命τ=15msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
実施例7
合成例4で合成した化合物(5−7)に対して10%の合成例4で合成した化合物(5−8)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図13に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図14に示す。発光寿命τ=552msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
合成例4で合成した化合物(5−7)に対して10%の合成例4で合成した化合物(5−8)を加え、実施例1と同様にして結晶を得た。実施例1と同様にして得られた結晶の蛍光、燐光スペクトルを測定した。測定結果を図13に示す。
また、実施例1と同様にして得られた結晶の発光寿命を測定した。測定結果を図14に示す。発光寿命τ=552msecであったため、本発光は室温での燐光発光であることが示唆された。
Claims (3)
- 下記式(1);
- 前記式(1)で表される多環式化合物に対する、前記式(2)で表される縮合多環式化合物の質量割合が0.01〜100質量%であることを特徴とする請求項1に記載のりん光発光材料。
- 前記式(1)で表される多環式化合物と、前記式(2)で表される縮合多環式化合物とを含む結晶であることを特徴とする請求項1又は2に記載のりん光発光材料。
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