JP5330066B2 - トリアリールアミン化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
上記有機デバイスには、その電気的ないし化学的な動作を制御する機能性有機材料として電荷輸送材料が用いられている。この電荷輸送材料には、電荷輸送性及び光安定性などの基本的な特性のほかに、材料の調製ないしデバイスに組み込む際の製造適性が求められる。さらには使用時の耐久性に直結する機械的な強度も必要とされる。
そこで本発明者らは、電荷輸送材料をなすトリアリールアミン化合物の新規な合成方法を検討し、簡便でありかつ汎用的な材料を用いて対応しうる製造方法の提案を目的とした。
(1)パラジウム及びアルキルホスフィンの存在下で、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを反応させて、下記一般式(3)で表される化合物を生成させることを特徴とするトリアリールアミン化合物の製造方法。
[一般式(2)において、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に水素原子もしくは置換基を表す。]
[一般式(3)において、Ar1、Ar2、Ar3、X、及びmは一般式(1)と同義である。R1、R2、及びR3は一般式(2)と同義である。nはm以下の自然数である。]
(2)下記一般式(4)で表される化合物をハロゲン化して上記一般式(1)で表される化合物を得ることを特徴とする(1)に記載の製造方法。
(3)上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(5)で表されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを反応させて、下記一般式(3)で表される化合物を生成させる反応に用いられる触媒であって、パラジウムとアルキルホスフィンとを組み合わせたことを特徴とするトリアリールアミン化合物の製造用触媒。
[一般式(2)において、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に水素原子もしくは置換基を表す。]
[一般式(3)において、Ar1、Ar2、Ar3、X、及びmは一般式(1)と同義である。R1、R2、及びR3は一般式(2)と同義である。nはm以下の自然数である。]
(5)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法により前記一般式(3)で表される化合物を製造し、該化合物の−C(R1)=C(R2)C(=O)R3で表される置換基を修飾して架橋性基とすることを特徴とする架橋性基を有する電荷輸送材料の製造方法。
(6)前記反応の温度を70〜160℃とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(7)前記反応を、芳香族溶媒およびアミド溶媒から選ばれる少なくとも1種の反応溶媒中で行う(1)〜(3)および(6)のいずれか1項に記載の製造方法。
(8)前記パラジウム及びアルキルホスフィンを、前記一般式(1)で表される化合物に対して0.0001質量%〜10質量%の範囲で反応系内に共存させる(1)〜(3)、(6)、および(7)のいずれか1項に記載の製造方法。
(9)前記の反応を無機塩基または有機塩基の共存下で行う(1)〜(3)および(6)〜(8)のいずれか1項に記載の製造方法。
また、本発明の触媒によれば、上記電荷輸送材料をなす有機化合物の合成に有用な有機材料の製造において、トリアリールアミン骨格を有する化合物にβ−不飽和カルボニル置換基を導入する反応を速やかに進行させ、高収率で目的の化合物を得ることができるという優れた作用効果を奏する。
上記触媒においてパラジウムをパラジウム化合物として用いるときには、2価のパラジウムを含むものとして、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、パラジウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、パラジウムトリフルオロアセテート、アリルパラジウムクロライド−ダイマー、(2,2’−ビピリジン)ジクロロパラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム、(ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−2,5−ジエン)ジクロロパラジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)、アンモニウムテトラクロロパラデート、ジアンミンジブロモパラジウム、ジアンミンジクロロパラジウム、ジアンミンジヨードパラジウム、ポタッシウムテトラブロモパラデート、ポタッシウムテトラクロロパラデート、ソジウムテトラクロロパラデート等、0価のパラジウムを含むものとしては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等が挙げられる。中でも、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、又はアリルパラジウムクロライド−ダイマーを用いることが好ましく、酢酸パラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム、又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを用いることが特に好ましい。
本発明の触媒は、パラジウムとアルキルホスフィンとを組み合わせた触媒であればよく、これらを反応系内に投入する実施態様は特に限定されない。例えば、(i)上記のパラジウム化合物と後述するアルキルホスフィンとを組み合わせた触媒であっても、(ii)パラジウムにアルキルホスフィンを配位させた金属錯体触媒であっても、(iii)前記金属錯体触媒の塩を用いてもよい。なお、本発明において、触媒は、活性炭素、ポリマー、無機固体(ゼオライト)等の固体に担持された固体担持触媒を用いてもよい。
式中、Ar1、Ar2、Ar3はそれぞれ独立に置換していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す。置換していてもよい置換基としては例えば下記の置換基群Aのものが挙げられる。Ar1、Ar2、Ar3の構成炭素は5〜12個であることが好ましい。中でも、これらはアリール基であることが好ましく、このとき芳香環の構成炭素が6〜12個であることが好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。また、Ar2及びAr3は直接もしくは連結基を介して互いに結合していてもよい。
Xは、Ar1、Ar2、及び/又はAr3に置換したハロゲン原子を表す。ただし、Xが複数あるとき、該複数のXは互いに異なるハロゲン原子であってもよい。このハロゲン原子としては、目的化合物を得るための製造コストや反応性の観点から、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、臭素又はヨウ素がより好ましく、臭素が特に好ましい。
mは自然数であり、3〜4であることが好ましい。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
R1、R2、R3は、それぞれ独立に水素原子もしくは置換基を表す。置換基としては、前述の置換基群Aが挙げられる。R1及びR2は、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。R3は水素原子ではない置換基であることが好ましく、アルコキシ基(好ましくは構成炭素数が12以下、より好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。)、アミド基(好ましくは構成炭素数が12以下、より好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。)、アルキル基(好ましくは構成炭素数が12以下、より好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。)、アリール基(好ましくは構成炭素数が12以下、より好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。)が好ましく、アルコキシ基、アミド基がより好ましく、アルコキシ基が特に好ましい。以下に、この具体例を示すが、本発明が下記の例示化合物に限られるわけではない。
本反応は塩基を共存させることが好ましい。塩基としては、無機塩基(金属炭酸塩、金属アルコキシドが挙げられる。金属としては特に限定されないが、カリウム、ナトリウム、セシウム、ルビジウム等が好ましい。)、有機塩基(ピリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、DBU等が挙げられるが、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソピロピルアミンが好ましく、トリエチルアミンがより好ましい。)を用いることが可能であるが、有機塩であることが好ましい。用いる塩基の量としては、導入する側鎖の当量に対して、1当量以上用いることが好ましい。また、用いる塩基が反応温度にて液体の場合には、溶媒として用いてもよい。
ハロゲン化に用いるハロゲン原子は、上述のように、製造コストや反応性の観点から、塩素化、臭素化、ヨウ素化が好ましく、臭素化、ヨウ素化がより好ましく、臭素化が特に好ましい。ハロゲン化を行なう手法については、例えば、実験科学講座[第5版]13巻,341−474ページに記載の手法が挙げられる。ハロゲン化剤としては、ハロゲン単体(臭素、ヨウ素塩素ガス)、ハロゲン化金属(ハロゲン化カリウム、ハロゲン化ナトリウム等)と酸化剤(過塩素酸ナトリウム等の過酸化塩など)の組み合わせ、ハロゲン化イミド(たとえばハロゲン化サクシイミド等)、ハロゲン化アミド等が挙げられる。反応の活性化剤として、過酸化物を共存させることも好ましい。
トリアリールアミン骨格を有する化合物のアルコール体(例えば後記スキーム2における化合物205)のアルコール部位と、(i)アクリル(メタクリル)酸との酸(パラトルエンスルホン酸等)触媒による脱水縮合、(ii)アクリル(メタクリル)酸クロリドとの縮合、(iii)アクリル(メタクリル)酸エステルとの酸性条件もしくは塩基性条件下でのエステル交換、等の手法によって導入することが可能である。
トリアリールアミン骨格を有する化合物のアルコール体(例えば後記スキーム2における化合物205)のアルコール部位と(ハロゲノメチル)オキシランを反応させることにより導入が可能である。
トリアリールアミン骨格を有する化合物のアルコール体(例えば後記スキーム2における化合物205)のアルコール部位と、ベンゼン環上にハロゲノメチル基が置換したスチレンとを塩基(炭酸カリウム等)存在下で反応させ、ハロゲノ基を置換することにより、導入できる。
3−エチル−3−オキセタンメタノールのアルコール部位と、(i)一般式(3)で表される化合物の−CO−R3部位(例えば後記スキーム2の化合物203のエステル部位)の酸性条件もしくは塩基性条件でのエステル交換反応、(ii)一般式(3)で表される化合物の−CO−R3部位(例えば後記スキーム2の化合物203のエステル部位)を酸性もしくは塩基性条件下で加水分解しカルボン酸へと変化したものとの脱水縮合、(iii)一般式(3)で表される化合物の−CO−R3部位(例えば後記スキーム2の化合物203のエステル部位)を酸クロリドへと変換したものとの縮合、などの手法により導入が可能である。
(実施例1)
(化合物202の合成)
大気下で、フラスコに化合物201(前記例示化合物4−4)(下記反応スキーム2参照)を97.7g、NMP(N−メチルピロリドン)を1.5Lを加え、80℃に加熱した。ここに、N−ブロモサクシイミド150gを少量ずつ加えた。反応液を80℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したあと、メタノール2.5Lを加えた。析出した粉末をろ取することで、化合物202(前記例示化合物1−4)を133g得た。得られた化合物202のNMRスペクトルを下記に示す。
1H NMR:δ=6.95(d,8H),7.12(d,4H),7.37(d,8H),7.44(d,4H) 300 MHz in CDCl3
窒素雰囲気下、化合物202(一般式(1)で表される化合物)を30.0g、アクリル酸ブチル(一般式(2)で表される化合物)を24mL、トリエチルアミンを60mL、NMPを300ML、フラスコに加え、外温を150度に加熱した。ここにt−Bu3P・HBF4を0.32g、酢酸パラジウムを82mgを加え、さらに2時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、反応液に塩酸300mLを加えた。酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を濃縮し、ヘキサンを加えることで、黄色の粉末を得た。この粉末をろ取することで化合物203(一般式(3)で表される化合物)を31g得た。得られた化合物203のNMRスペクトルを下記に示す。
1H NMR:δ=0.96(t,12H),1.47(tq,8H),1.68(dt,8H),4.23(t,8H),6.34(d,4H),7.12(d,8H),7.20(d,4H),7.45(d,8H),7.53(d,8H),7.63(d,4H) 300 MHz in CDCl3
大気下で、化合物203を31g、パラジウム炭素1.7g、ギ酸アンモニウム32g、イソプロピルアルコール500mLをフラスコに加え、還流条件下で1時間攪拌した。得られた反応液をセライト濾過し、ろ液に食塩水500mLを加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することで、化合物204を26.2g得た。得られた化合物204のNMRスペクトルを下記に示す。
1H NMR:δ=0.94(t,12H),1.38(tq,8H),1.63(dt,8H),2.63(t,8H),2.92(t,8H),4.10(t,8H),7.00-7.15(m,20H),7.42(d,4H) 300 MHz in CDCl3
大気雰囲気下、化合物204を25.4g、塩化カルシウムを16.9g、エタノールを200mLフラスコに加え、これを加熱し、還流条件下で攪拌した。ここへ、還流条件下で、水素化ホウ素ナトリウム11.5gを少量ずつ注意深く加え、さらに3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、濃塩酸を加えて反応液を酸性にした。ここに食塩水500mL、酢酸エチル300mLを加え抽出を行なった。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/エタノール=5/1)で精製することで、白色の固体として、化合物205を13.3g得た。得られた化合物205(トリアリールアミン化合物のアルコール体)のNMRスペクトルを下記に示す。
1H NMR:δ=1.72(dd,8H),2.56(t,8H),3.43(dt,8H),4.47(t,4H),6.90-7.00(m,12H),7.14(d,8H),7.49(d,4H) 300 MHz in DMSO-d6
大気雰囲気下、フラスコに化合物205を8.75g、メタクリル酸を8.6mL、パラトルエンスルホン酸1水和物を1.9g、トルエンを100mL加え、ディーンスタークで水を除去しながら、外温160度で1時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、有機層を100mLの5%水酸化ナトリウム水溶液2度、100mLの食塩水で1度洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することで、白色の固体として、化合物206(架橋性基を有するトリアリールアミン化合物)を9.0g得た。得られた化合物206のNMRスペクトルを下記に示す。
1H NMR:δ=1.97(s,12H),2.03(tt,8H),2.69(bs,8H),4.20(t,8H),5.57(s,4H),6.12(s,4H),6.80-7.25(bs,20H),7.33-7.53(bs,4H) 300 MHz in CDCl3
上記実施例1の化合物203の合成において、酢酸パラジウムと組み合わせて用いる化合物をt−Bu3P・HBF4に代え、下記表1に示したものとした以外同様にして化合物203を合成した。その結果、比較例のアリールホスフィンを用いたものでは化合物203の生成が確認されず、アルキルホスフィンを用いた実施例1〜3においてのみ化合物203の生成がみられた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実験例 配位子 化合物203 反応時間*
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
比較例1 PPh3 生成せず ×
比較例1 下記化合物P−c1 生成せず ×
実施例1 tBu3P・HBF4 生成した ○
実施例2 tBu3P 生成した ○
実施例3 前記例示化合物P−1 生成した △
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
* 反応時間
○は8時間未満を表す。
△は8時間以上50時間未満を表す。
×は50時間以上を表す。
Claims (9)
- パラジウム及びアルキルホスフィンの存在下で、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを反応させて、下記一般式(3)で表される化合物を生成させることを特徴とするトリアリールアミン化合物の製造方法。
[一般式(2)において、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に水素原子もしくは置換基を表す。]
[一般式(3)において、Ar1、Ar2、Ar3、X、及びmは一般式(1)と同義である。R1、R2、及びR3は一般式(2)と同義である。nはm以下の自然数である。] - 下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを反応させて、下記一般式(3)で表される化合物を生成させる反応に用いられる触媒であって、パラジウムとアルキルホスフィンとを組み合わせたことを特徴とするトリアリールアミン化合物の製造用触媒。
[一般式(2)において、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に水素原子もしくは置換基を表す。]
[一般式(3)において、Ar1、Ar2、Ar3、X、及びmは一般式(1)と同義である。R1、R2、及びR3は一般式(2)と同義である。nはm以下の自然数である。] - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により前記一般式(3)で表される化合物を製造し、該化合物の−C(R1)=C(R2)C(=O)R3で表される置換基を修飾して架橋性基とすることを特徴とする架橋性基を有する電荷輸送材料の製造方法。
- 前記反応の温度を70〜160℃とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記反応を、芳香族溶媒およびアミド溶媒から選ばれる少なくとも1種の反応溶媒中で行う請求項1〜3および6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記パラジウム及びアルキルホスフィンを、前記一般式(1)で表される化合物に対して0.0001質量%〜10質量%の範囲で反応系内に共存させる請求項1〜3、6、および7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記の反応を無機塩基または有機塩基の共存下で行う請求項1〜3および6〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
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JP2009097502A JP5330066B2 (ja) | 2009-04-13 | 2009-04-13 | トリアリールアミン化合物の製造方法 |
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