JP4270365B2 - 芳香族縮環化合物の製造方法 - Google Patents

芳香族縮環化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特開2001-192651号公報等に記載の光・電子機能材料等として有用な芳香族縮環化合物の効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族縮環化合物は機能性材料として重要な化合物群として知られており、光・電子機能材料等に広範に用いられている。例えば、トリフェニルホスフィン又はその誘導体を用い、有機電界発光素子(有機EL素子)用材料として芳香族基−芳香族基結合を有する化合物を合成する方法が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかしながら、芳香族基−芳香族基結合を有する化合物、特に複数の芳香族基−芳香族基結合を有する化合物は、一般的に合成収率が低く、不純物が混入するという問題があり、改良が求められていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2001-192651号公報
【特許文献2】
特開平11-312588号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、芳香族基−芳香族基結合を有する化合物の効率的な製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、下記手段によって芳香族基−芳香族基結合を有する化合物を効率よく製造できることを発見し、本発明に想到した。
【0006】
1.下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物をパラジウム含有化合物及びトリフェニルホスフィン以外のホスフィン誘導体の存在下で反応させ、下記一般式(3)で表される化合物を製造する方法。
【0007】
【化3】
Figure 0004270365
【0008】
(一般式(1)〜一般式(3)中、Ar11及びAr21はそれぞれ置換又は無置換の芳香族基を表し、Ar11及びAr21の少なくとも一方は3環以上の縮環芳香族基を表し、R11及びR12はそれぞれ水素原子、アルキル基又は芳香族基を表し、X21は反応により脱離可能な基を表し、nは1以上の整数を表す。)
【0009】
2.ホスフィン誘導体が下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする1に記載の製造方法。
【0010】
【化4】
Figure 0004270365
【0011】
(一般式(4)中、R41は水素原子又はアルキル基を表し、R42及びR43はそれぞれアルキル基を表し、R44及びR45はそれぞれアルキル基又はアリール基を表す。)
【0012】
3.ホスフィン誘導体が下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする1に記載の製造方法。
【化5】
Figure 0004270365
【0013】
(一般式(5)中、R51、R52及びR53はそれぞれアルキル基を表し、R54、R55及びR56はそれぞれ置換基を表し、n51、n52及びn53はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
【0014】
4.パラジウム含有化合物が2価のパラジウム化合物であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【0015】
5.反応溶媒としてアルコール系溶媒を用いることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の方法。
【0016】
6.反応溶媒としてニトリル系溶媒を用いることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の方法。
【0017】
7.塩基としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を用いることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の方法。
【0018】
8.塩基として有機塩基を用いることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の方法。
【0019】
9.Ar11及びAr21のいずれかがピレニル基であることを特徴とする1〜8のいずれかに記載の製造方法。
【0020】
10.一般式(3)で表される化合物が、芳香族基−芳香族基結合を3個以上有することを特徴とする1〜9のいずれかに記載の方法。
【0021】
11.下記一般式(6)で表される化合物と下記一般式(7)で表される化合物をパラジウム含有化合物、ホスフィン誘導体及び下記一般式(9)で表される化合物の存在下で反応させ一般式(8)で表される化合物を製造する方法。
【0022】
【化6】
Figure 0004270365
【0023】
(一般式(6)〜一般式(9)中、Ar61及びAr71はそれぞれ置換又は無置換の芳香族基を表し、R61及びR62はそれぞれ水素原子、アルキル基又は芳香族基を表し、X71は反応により脱離可能な基を表し、n71は1以上の整数を表す。R91は置換基を表し、R92及びR93はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、n91は2以上の整数を表す。)
【0024】
12.上記1〜11のいずれかに記載の方法で製造した一般式(3)又は一般式(8)で表される化合物を含有する有機デバイス。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は一般式(3)又は一般式(8)で表される化合物を合成する方法であって、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物をパラジウム含有化合物及びトリフェニルホスフィン以外のホスフィン誘導体の存在下で反応させること(以下「本発明の第一の製造方法」と称することがある。)、又は一般式(6)で表される化合物と一般式(7)で表される化合物をパラジウム化合物、ホスフィン誘導体及び一般式(9)で表される化合物の存在下で反応させること(以下「本発明の第二の製造方法」と称することがある。)を特徴とする。本発明又は本発明の製造方法とは、本発明の第一の製造方法及び本発明の第二の製造方法の両方を含む。以下下記一般式(1)〜一般式(3)で表される化合物について説明する。
【0026】
【化7】
Figure 0004270365
【0027】
一般式(1)〜一般式(3)中、Ar11及びAr21はそれぞれ置換又は無置換の芳香族基を表す(Ar11は一価であり、Ar21はn価である。)。Ar11及びAr21の少なくとも一方は3環以上の縮環芳香族基である。Ar11及びAr21の置換基としてはそれぞれ以下の基が挙げられる。
【0028】
1.アルキル基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等である。
【0029】
2.アルケニル基
好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基等である。
【0030】
3.アルキニル基
好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3-ペンチニル基等である。
【0031】
4.アリール基
好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p-メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等である。
【0032】
5.アミノ基
好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等である。
【0033】
6.アルコキシ基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2-エチルヘキシロキシ基等である。
【0034】
7.アリールオキシ基
好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等である。
【0035】
8.ヘテロ環オキシ基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ基、ピラジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、キノリルオキシ基等である。
【0036】
9.シリルオキシ基
好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数6〜30であり、例えばトリフェニルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基等である。
【0037】
10.アシル基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基等である。
【0038】
11.アルコキシカルボニル基
好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等である。
【0039】
12.アリールオキシカルボニル基
好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル基等である。
【0040】
13.アシルオキシ基
好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等である。
【0041】
14.アシルアミノ基
好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等である。
【0042】
15.アルコキシカルボニルアミノ基
好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基等である。
【0043】
16.アリールオキシカルボニルアミノ基
好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基等である。
【0044】
17.スルホニルアミノ基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等である。
【0045】
18.スルファモイル基
好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等である。
【0046】
19.カルバモイル基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等である。
【0047】
20.アルキルチオ基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基等である。
【0048】
21.アリールチオ基
好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基等である。
【0049】
22.ヘテロ環チオ基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ基、2-ベンズイミダゾリルチオ基、2-ベンズオキサゾリルチオ基、2-ベンズチアゾリルチオ基等である。
【0050】
23.スルホニル基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基等である。
【0051】
24.スルフィニル基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基等である。
【0052】
25.ウレイド基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基等である。
【0053】
26.リン酸アミド基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基等である。
【0054】
27.ヒドロキシ基。
28.ハロゲン原子
例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。
29.シアノ基。
30.スルホ基。
【0055】
31.カルボキシル基。
32.ニトロ基。
33.ヒドロキサム酸基。
34.スルフィノ基。
35.ヒドラジノ基。
36.イミノ基。
【0056】
37.ヘテロ環基
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子は、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等であり、具体的にはイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基等である。
【0057】
38.シリル基
好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等)等が挙げられる。なかでもAr11及びAr21の置換基としてはそれぞれアルキル基及びアリール基が好ましい。これらの置換基は更に置換されてもよく、また、置換基同士が結合して環構造を形成しても良い。
【0058】
Ar11及びAr21で表される芳香族基としてはそれぞれアリール基(フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、ペリレニル基、テトラセニル基、トリフェニル基、クリセニル基、ペンタセニル基、フルオランテニル基、これらの誘導体等)、ヘテロアリール基(ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、これらの誘導体等)等が挙げられ、好ましくはアリール基である。
【0059】
Ar11及びAr21の少なくとも一方は3環以上の縮環芳香族基である。3環以上の芳香族基としてはフェナンスリル基、アンスリル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基及びそれらの誘導体が好ましく、フェナンスリル基、アンスリル基、ピレニル基及びフルオランテニル基がより好ましく、フェナンスリル基及びピレニル基がさらに好ましく、ピレニル基が特に好ましい。
【0060】
R11及びR12はそれぞれ水素原子、アルキル基又は芳香族基(好ましくはアリール基)を表し、水素原子又はアルキル基が好ましい。R11とR12が結合して環構造(例えばテトラメチルジオキサボロラン環、カテコールボラン環等)を形成しても良い。
【0061】
X21は反応により脱離可能な基を表す。X21は好ましくはハロゲン原子(ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子等)又はトリフルオロメタンスルホニル基であり、より好ましくはヨウ素原子又は臭素原子である。
【0062】
nは1以上の整数を表し、好ましくは2以上の整数であり、より好ましくは3〜6の整数である。Ar21が脱離可能な基X21を2個以上有する場合、それぞれの基は同一であっても異なっていても良い。
【0063】
一般式(6)、一般式(7)及び一般式(8)について説明する。Ar61、R61、R62、Ar71、X71、及びn71は、上記Ar11、R11、R12、Ar21、X21、及びnとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0064】
本発明の製造方法に用いるパラジウム化合物(ホスフィン誘導体、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物とともに反応させる前の形態)のパラジウムの価数は特に限定されないが、0価又は2価が好ましく2価がより好ましい。パラジウム化合物としては、パラジウム−カーボン、酢酸パラジウム、ジベンジルアセトンパラジウムのほか、トリフェニルホスフィン以外のホスフィン配位子(例えばトリ(o-メチルフェニル)ホスフィン、トリ(t-ブチル)ホスフィン等)を有するパラジウム錯体が好ましく、酢酸パラジウムが特に好ましい。
【0065】
本発明の第一の製造方法において、トリフェニルホスフィン以外のホスフィン誘導体とは置換基を有するアリールホスフィン誘導体(例えばトリ(o-メチルフェニル)ホスフィン等)、アルキルホスフィン誘導体(例えばトリ(t-ブチル)ホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン等)等が挙げられ、好ましくは一般式(4)又は一般式(5)で表される化合物である。
【0066】
本発明の第二の製造方法において、ホスフィン誘導体とはトリフェニルホスフィンを含むホスフィン誘導体が好ましく、その例としては前記本発明の第一の製造方法に記載の誘導体が適用できる。
【0067】
一般式(4)中、R41は水素原子又はアルキル基を表し、好ましくはメチル基又は水素原子であり、より好ましくはメチル基である。R42及びR43はそれぞれアルキル基を表し、好ましくはメチル基又はR42及びR43が結合してシクロアルキル基を形成する基であり、より好ましくはメチル基である。R44及びR45はそれぞれアルキル基又はアリール基を表し、好ましくはt-ブチル基、もしくは置換又は無置換のビフェニル基(ビフェニル基、メチルビフェニル基、ターフェニル基、ビナフチル基等)であり、より好ましくはt-ブチル基である。
【0068】
一般式(5)中のR51、R52及びR53はそれぞれアルキル基を表し、R54、R55及びR56はそれぞれ置換基を表す。R51、R52及びR53は、それぞれ好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基等であり、より好ましくはメチル基及びエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
【0069】
R54、R55及びR56としては例えば上記Ar11の置換基で説明した基が挙げられる。R54、R55及びR56は、それぞれ好ましくはアルキル基及びアリール基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、及びt-ブチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
【0070】
n51、n52及びn53はそれぞれ0〜4の整数を表す。n51、n52及びn53はそれぞれ0、1及び2が好ましく、0がより好ましい。
【0071】
本発明の第一及び第二の製造方法に用いるホスフィン誘導体は上記パラジウム化合物中に配位子として存在し、パラジウム錯体(例えばPd(P(t-C4H9)3)2、トランス-ジ(μ-アセタト)-ビス[o-(ジ-o-トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)等)を形成しても良い。
【0072】
本発明の製造方法は芳香族基−芳香族基結合を2個以上形成する場合に好適であり、3個以上形成する場合により好適である。このように複数の芳香族基−芳香族基結合を形成する場合には、一般式(2)で表される化合物として、形成する芳香族基−芳香族基結合の数のX21を有する化合物を用いる。
【0073】
本発明の製造方法は低分子化合物、オリゴマー化合物、及びポリマー化合物(重量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。)の製造に適用できる。
【0074】
本発明の一般式(3)で表される化合物は、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を反応させることにより得ることができる。一般式(2)に対して用いる一般式(1)の当量は0.8〜2当量が好ましく、0.9〜1.5当量がより好ましく、1〜1.2当量がさらに好ましい。なお、ここでいう当量とは、一般式(2)1モルに対して一般式(1)nモルを用いることを1当量という。
【0075】
本発明の一般式(8)で表される化合物は、一般式(6)で表される化合物と一般式(7)で表される化合物を反応させることにより得ることができる。一般式(7)に対して用いる一般式(6)の当量は0.8〜2当量が好ましく、0.9〜1.5当量がより好ましく、1〜1.2当量がさらに好ましい。なお、ここでいう当量とは、一般式(7)1モルに対して一般式(6)n71モルを用いることを1当量という。
【0076】
本発明を行う際の反応温度は、-20〜250℃が好ましく、0〜180℃がより好ましく、10〜120℃がさらに好ましく、10〜100℃が特に好ましい。本発明を行う際の反応時間は、1秒〜24時間が好ましく、1分〜10時間がより好ましく、1分〜5時間がさらに好ましく、1分〜2時間が特に好ましい。
【0077】
本発明の製造方法では、塩基を用いるのが好ましい。塩基の種類は特に限定されないが、例えば炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム等)、酢酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、金属アルコキサイド(t-ブトキシナトリウム、t-ブトキシカリウム、ナトリウムメトキサイド等)、有機塩基(トリエチルアミン等)、金属フッ化物(フッ化カリウム、フッ化セシウム等)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化バリウム等)、りん酸塩(りん酸カリウム等)等が挙げられる。塩基の使用量は特に限定されないが、ホウ酸(エステル)部位に対して、好ましくは0.1〜20当量、特に好ましくは1〜10当量である。なかでも好ましい塩基は、炭酸塩、有機塩基、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化バリウム等)である。
【0078】
本発明の製造方法では、溶媒を用いるのが好ましい。溶媒は特に限定されないが、例えば水、アルコール系溶媒(メタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、ピナコール、メトキシエタノール、メトキシプロパノール等)、エーテル系溶媒(エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アミド系溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、芳香族系溶媒(トルエン、キシレン、メシチレン等)、スルホン系溶媒(ジメチルスルホキド等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、ニトリル系溶媒(アセトニトリル、ベンゾニトリル等)、ハロゲン系溶媒(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等)、及びそれらの混合溶媒を用いることができる。好ましい溶媒は、水、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、及びそれらの混合溶媒であり、より好ましくは、水、メトキシプロパノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トルエン及びこれらの混合溶媒である。
【0079】
本発明の第二の製造方法においては、一般式(9)で表される化合物を溶媒として用いるのが好ましい。一般式(9)中のR91は置換基を表す。R91は好ましくはアルキル基、アリール基等であり、より好ましくはアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。一般式(9)はカップリング反応を活性化させる機能を有する。
【0080】
R92及びR93は水素原子又は置換基を表す。R92及びR93は好ましくは水素原子、アルキル基及びアリール基であり、より好ましくは水素原子及びアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
【0081】
n91は2以上の整数を表す。n91は2〜6の整数が好ましく、2〜4の整数がより好ましく、3が特に好ましい。
【0082】
さらに上記反応に相関移動触媒(例えばテトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラベンジルアンモニウムクロライド等)を用いても良い。
【0083】
一般式(1)で表される化合物は種々の公知の合成法(例えば Tetrahedron Letters 1997, 38, 3844; J. Org. Chem. 1997, 62,6459; The Chemistry of the Metal-Carbon Bond, Wiley社刊, 1987年,第4巻,307〜499頁)により製造することができる。例えば、アリールハライド(ブロモピレン等)をブチルリチウム等でリチオ化するか、又はマグネシウムを加えグリニヤール試薬を調製した後、ホウ酸エステル(ホウ酸トリメチル、イソプロポキシテトラメチルジオキサボロラン等)と反応させる方法、ジアルコキシボラン誘導体(テトラメチルジオキサボロラン等)又はテトラアルコキシジボラン誘導体(例えばビスピナコラトジボラン等)とアリールハライド誘導体又はアリールトリフラート誘導体をパラジウム触媒存在下で反応させる方法等により調製することができる。
【0084】
一般式(1)で表される化合物を上記手法等で調製した後、単離精製し、精製した化合物を用いて本発明の製造方法を行っても良いし、一般式(1)で表される化合物を調製し、その反応溶液に一般式(2)で表される化合物等を加えて本発明の製造方法を行っても良い。
【0085】
一般式(2)で表される化合物及び一般式(1)の合成中間体であるアリールハライド誘導体は、種々の公知の合成法(例えばComprehensive Organic Transformation VCH社刊、315〜318頁、Organic Syntheses Reaction Guide John Wiley & Sons 社刊、445〜488頁、新実験化学講座 第14巻 丸善株式会社刊,307〜450頁,1997年等に記載)で製造することができる。例えば、アリールハライド誘導体は対応する芳香族化合物に種々のハロゲン化剤(例えばBr2、N-ブロモスクシンイミド、ジメチルヒダントインジブロマイド、N-クロロスクシンイミド、ジメチルヒダントインジクロライド、臭化水素酸ピリジニウムパーブロミド等)を反応させて合成することができる。モノハロゲン化体を調製するときは、ジハロゲン化体の生成を抑制するために反応温度を下げても良いし、ハロゲン化剤の使用量を減らしても良い。
【0086】
本発明で用いる一般式(2)で表される化合物、及び一般式(1)の合成中間体であるアリールハライド誘導体を製造する場合、製造原料である芳香族化合物(例えばアントラセン、ピレン、ペリレン等)の純度が高いほうが好ましい(好ましくは85〜100%、より好ましくは95〜100%、さらに好ましくは98〜100%、特に好ましくは99〜100%である)。芳香族化合物の純度を高める方法は特に限定されないが、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、昇華精製法等を用いることができる。
【0087】
一般式(3)で表される化合物の製造に用いる一般式(2)で表される化合物、及び一般式(1)で表される化合物は純度の高いほうが好ましい(好ましくは85〜100%、より好ましくは95〜100%、さらに好ましくは98〜100%、特に好ましくは99〜100%である)。純度を高める方法は特に限定されないが、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、昇華精製法等を用いることができる。
【0088】
一般式(3)で表される化合物を製造する場合に精製工程を加えても良い。一般式(3)で表される化合物は、上記の方法で合成した後、精製工程を経て製造するのが好ましい。精製方法は特に限定されないが、例えば実験化学講座1 基本操作[I] 251〜511頁,丸善株式会社発刊に記載の方法、具体的には再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、昇華精製法等を用いることができる。一般式(3)で表される化合物を有機デバイスに用いる場合には、純度が95〜100%であることが好ましく、98〜100%であることがより好ましく、99〜100%であることがさらに好ましい。
【0089】
再結晶は単一の溶媒で行っても複数の溶媒を用いて行っても良い。再結晶は室温で行っても良いし、加熱溶解後、冷却して行っても良い。再結晶に用いる溶媒の種類は特に限定されないが、炭化水素系溶媒(例えばヘキサン、トルエン、キシレン等)、エーテル系溶媒(例えば テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等)、アルコール系溶媒(メタノール、イソプロパノール等)、ハロゲン系溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、アミド系溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリドン等)、スルホン系溶媒(スルホラン等)、ケトン系溶媒(アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル等)、水等を用いることができる。
【0090】
カラムクロマトグラフィーは種々の公知の方法を用いることができる。担体は特に限定されないが、シリカゲル、アルミナ、フロリジル等を用いることができる。展開溶媒は特に限定されないが、例えば上記再結晶に用いる溶媒を用いることができる。
【0091】
昇華精製法は種々の公知の手法を用いることができる。例えば、実験化学講座1 基本操作[I] 425〜430頁丸善株式会社発刊、特開平6-263438号、特開平7-24205号、特開平7-204402号、特開2000-93701号、特許第2706936号、特開平11-171801号、特開平5-269371号、特公昭62-22960号、特許第2583306号、特許第2706936号等に記載の方法を用いることができる。昇華精製の雰囲気は、真空中であっても良いし、不活性ガス(例えば窒素、アルゴン等)フロー下であっても良い。真空ポンプは特に限定されないが、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ、拡散ポンプ等を用いることができる。
【0092】
本発明の製造方法により製造した化合物は種々の有機デバイスに利用できる。有機デバイスとしては例えば、発光素子、導電膜、有機トランジスタ、電子写真感光体、太陽電池等を挙げることができる。中でも特に発光素子(例えば有機電界発光素子等)に好適である。
【0093】
本発明の方法により製造できる化合物を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0094】
【化8】
Figure 0004270365
【0095】
【化9】
Figure 0004270365
【0096】
【化10】
Figure 0004270365
【0097】
【化11】
Figure 0004270365
【0098】
【化12】
Figure 0004270365
【0099】
【化13】
Figure 0004270365
【0100】
【化14】
Figure 0004270365
【0101】
【化15】
Figure 0004270365
【0102】
【化16】
Figure 0004270365
【0103】
【化17】
Figure 0004270365
【0104】
【化18】
Figure 0004270365
【0105】
【化19】
Figure 0004270365
【0106】
本発明で使用するホスフィン誘導体の化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0107】
【化20】
Figure 0004270365
【0108】
【化21】
Figure 0004270365
【0109】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0110】
実施例1
2gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、0.58 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、及び1.53 gの炭酸カリウムに20 mlのトルエン及び20 mlの水を加え窒素気流中で撹拌した。この溶液に0.05 gの酢酸パラジウム、0.05 gの上記化合物(4-2)を加え還流下3時間撹拌した後、室温まで冷却した。反応混合物に50 mlの酢酸エチルを加えた後、有機層を分別した。分別した有機層を50 mlの水で2回洗浄した後、20 mlの飽和食塩水で1回洗浄した。次に有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後ろ過した。ろ過した有機層を撹拌し、100 mlのメタノールを加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をN-メチルピロリドン/メタノール系溶媒で再結晶し、1.2 gの上記化合物(1-1)(純度 98%)を得た。反応式及び化合物Aの構造を以下に示す。
【0111】
【化22】
Figure 0004270365
【0112】
実施例2
化合物(4-2)の代わりに上記化合物(4-1)を用いた以外は実施例1と同様にして1.3 gの化合物(1-1)(純度 98%)を得た。
【0113】
実施例3
化合物Aの代わりに1-ピレニルホウ酸を用いた以外は実施例1と同様にして1.1 gの化合物(1-1)(純度97%)を得た。
【0114】
実施例4
反応溶媒としてトルエンの代わりにジエチレングリコールジメチルエーテルを用いた以外は実施例2と同様にして反応させ、その後室温まで冷却した。析出した固体をろ別した後、N-メチルピロリドン/アセトニトリル系溶媒で再結晶し、1.1 gの化合物(1-1)(純度 98%)を得た。
【0115】
実施例5
実施例1で製造した化合物(1-1)を用い、特開2001-192651号に記載の実施例1の方法に従い有機電界発光素子を作製した。得られた有機電界発光素子は最高輝度20600 cd/m2を示した。
【0116】
実施例6
5.17 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、3.95 gの炭酸カリウム、11 mgの酢酸パラジウム、及び0.1 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に38 mlのジメトキシエタン及び38 mlの水を加え、窒素気流中で撹拌した。120℃で4時間撹拌した後、室温まで冷却した。析出した固体をろ別し、100 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、3.0 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0117】
実施例7
5.17 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、3.95 gの炭酸カリウム、11 mgの酢酸パラジウム、及び0.07 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に74 mlの3-メトキシプロパノール及び2mlの水を加え、窒素気流中で撹拌した。40℃で5時間撹拌した後、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後析出した固体をろ別し、100 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、3.2 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。60℃という低い温度でも反応が進行し(比較例1は120℃)、高純度品を合成することができた。
【0118】
実施例8
5.17 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、3.95 gの炭酸カリウム、5.4 mgの酢酸パラジウム、及び0.04 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に26 mlのトルエン、25 mlの3-メトキシプロパノール及び25 mlの水を加え、窒素気流中で撹拌した。90℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却し、析出した固体をろ別し、100 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、3.0 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0119】
実施例9
13 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、3.7 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、9.7 gの炭酸カリウム、13 mgの酢酸パラジウム、及び0.09 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に96 mlのトルエン及び61 mlの水を加え、窒素気流中で撹拌した。90℃で1時間撹拌した後、30 mlのイソプロパノールを加え、90℃で2時間撹拌した。室温まで冷却し、析出した固体をろ別し、200 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、7.9 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0120】
実施例 10
5.17 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、7.6 gの水酸化ナトリウム水溶液(30質量%)、16 mgの酢酸パラジウム、及び0.11 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に92 mlのトルエンを加え、窒素気流中で撹拌した。80℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却し、析出した固体をろ別し、100 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、3.0 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0121】
実施例 11
5.17 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、8mlのトリエチルアミン、5.4 mgの酢酸パラジウム、及び0.04 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に39 mlのトルエン及び25 mlの水を加え、窒素気流中で撹拌した。95℃で10時間撹拌した後、室温まで冷却し、析出した固体をろ別し、200 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、3.2 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0122】
実施例 12
5.17 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、3.95 gの炭酸カリウム、10 mgのジベンジリデンアセトンパラジウム錯体、及び0.07 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に74 mlの3-メトキシプロパノール及び2mlの水を加え、窒素気流中で撹拌した。80℃で4時間撹拌し、室温まで冷却した後、析出した固体をろ別し、100 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、3.1 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0123】
実施例 13
3.9 gの1-ピレニルホウ酸、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、3.95 gの炭酸カリウム、5.4 mgの酢酸パラジウム、及び0.04 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に26 mlのトルエン、25 mlの3-メトキシプロパノール及び25 mlの水を加え、窒素気流中で撹拌した。90℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却し、析出した固体をろ別し、100 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、3.0 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0124】
実施例 14
5.17 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、3.95 gの炭酸カリウム、5.4 mgの酢酸パラジウム、及び0.04 gのトリ(o-トリル)ホスフィン[化合物(4-8)]に70 mlのアセトニトリルを加え、窒素気流中で撹拌した。60℃で2時間撹拌した後、室温まで冷却し、析出した固体をろ別し、100 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、3.1 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0125】
実施例 15
5.17 gのピレンホウ酸エステル(化合物A)、1.5 gの1,3,5-トリブロモベンゼン、3.95 gの炭酸カリウム、10 mgのホスフィン化合物[化合物(4-12)]に50 mlのトルエン及び50 mlの水を加え、窒素気流中で撹拌した。110℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却し、析出した固体をろ別し、100 mlの水及び100 mlのメタノールで洗浄し、2.9 gの化合物(1-1)(黄色固体)を得た(純度97%)。
【0126】
比較例1
特開2001-192651号に記載の合成方法に従い、化合物(1-1)を反応温度120℃で合成した。純度95%以上の化合物(1-1)を得るにはカラムクロマトグラフィーによる精製を必要とし、1.0gの化合物Aから0.5gの化合物(1-1)(カラムクロマトグラフィーによる精製後の純度95%)を得た。
【0127】
比較例2
比較例1に記載の方法で製造した化合物(1-1)を用いた以外は、実施例5と同様にして有機電界発光素子を作製した。得られた有機電界発光素子は最高輝度12740 cd/m2を示した。
【0128】
【発明の効果】
上記の通り本発明の製造方法を用いることにより高収率、高選択性、かつ低コスト(従来法と比較してさらなる精製が不要なため)で3環以上の芳香族縮環化合物を合成することが可能である。また、本発明の方法により製造した化合物を含有する有機デバイスは、発光性能を低下させる不純物を除去しているため優れた特性(発光効率等)を有する。また、本発明の方法は従来の方法に比べ低温で芳香族縮環化合物を製造することが可能である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物をパラジウム含有化合物、及び下記一般式(4)又は一般式(5)で表されるホスフィン誘導体の存在下で反応させることを特徴とする下記一般式(3)で表される化合物の製造方法。
    Figure 0004270365
    (一般式(1)〜一般式(3)中、Ar11及びAr21はそれぞれ置換又は無置換の芳香族基を表し、Ar11及びAr21の少なくとも一方は3環以上の縮環芳香族基を表し、R11及びR12はそれぞれ水素原子、アルキル基又は芳香族基を表し、X21は反応により脱離可能な基を表し、nは1以上の整数を表す。
    一般式(4)中、R41は水素原子又はメチル基を表し、R42及びR43はメチル基又はR42及びR43が結合してシクロアルキル基を形成する基を表し、R44及びR45はそれぞれアルキル基又はアリール基を表す。
    一般式(5)中、R51、R52及びR53はメチル基、エチル基、イソプロピル基又はt-ブチル基を表し、R54、R55及びR56はメチル基を表し、n51、n52及びn53はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
  2. 請求項1に記載の方法において、下記一般式(9)で表される化合物の存在下で反応させることを特徴とする製造方法。
    Figure 0004270365
    R 91 はメチル基を表し、R92及びR93は水素原子を表し、n91は2〜4の整数を表す。)
  3. 請求項1又は2に記載の方法において、R44及びR45がそれぞれt-ブチル基、もしくは置換又は無置換のビフェニル基、R51、R52及びR53がメチル基を表すことを特徴とする製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の方法において、一般式(9)で表される化合物が3-メトキシプロパノールであることを特徴とする製造方法。
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