JP2020117373A - エスカレーターの設置工法 - Google Patents

エスカレーターの設置工法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020117373A
JP2020117373A JP2019011870A JP2019011870A JP2020117373A JP 2020117373 A JP2020117373 A JP 2020117373A JP 2019011870 A JP2019011870 A JP 2019011870A JP 2019011870 A JP2019011870 A JP 2019011870A JP 2020117373 A JP2020117373 A JP 2020117373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
escalator
floor
opening
locking means
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019011870A
Other languages
English (en)
Inventor
向秀 杉崎
Koshu Sugizaki
向秀 杉崎
章裕 児玉
Akihiro Kodama
章裕 児玉
央 菊地
Hiroshi Kikuchi
央 菊地
高橋 大輔
Daisuke Takahashi
大輔 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
East Japan Railway Co
Original Assignee
East Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by East Japan Railway Co filed Critical East Japan Railway Co
Priority to JP2019011870A priority Critical patent/JP2020117373A/ja
Publication of JP2020117373A publication Critical patent/JP2020117373A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Escalators And Moving Walkways (AREA)

Abstract

【課題】駅ホーム等の既存の建造物にエスカレーターを短時間に設置することができるエスカレーターの設置工法を提供する。【解決手段】上の階のフロアに形成されている比較的小さな開口部より、エスカレーターの下端部側を降下させて下の階のフロアの所定位置に固定することで既存の建造物に設置するエスカレーターの設置工法において、上の階のフロアに置かれているエスカレーターの上端部と重心位置よりも下端部寄りの位置に係止されているワイヤーを吊り上げることでエスカレーターを持ち上げる工程と、前端部が開口部の上方に位置するまでにエスカレーターを移動させる工程と、上端部側を持ち上げ下端部側を降下させながら全体を前方へ移動させる工程と、下端部側を降下させて下の階のフロアの所定位置に設けられている基礎に載置させ、上端部側を降下させて上の階のフロアの開口部の縁部に載置させ、それぞれ固定する工程とを含むようにした。【選択図】図8

Description

本発明は、エスカレーターの設置工法に関し、特に駅ホーム等の既存の建造物にエスカレーターを追加設置する際に利用して有効な工法に関する。
従来のエスカレーターの設置工法は、建物の上の階の天井から滑車を吊り下げ、これに掛けた吊りワイヤーの下端をエスカレーターの両端部に連結して、所定位置に吊り上げる方法が一般的であった。
しかし、上記従来の工法は、滑車を天井に取り付けるため、エスカレーターのような重いものを吊り上げるには、滑車の取付け強度を強くしなければならず、取付工事が大規模になるだけでなく、滑車ではワイヤーの偏向に対して自由度がなく、また、引っ張り側のワイヤーが邪魔になる等の問題点があった。
そこで、設置するエスカレーターの上階床の少なくとも2個所の所定位置にワイヤーガイド管を貫設し、これらワイヤーガイド管にそれぞれ吊りワイヤーを通して、各吊りワイヤーの上部をそれぞれの吊り架台により吊り上げると共に、これら吊りワイヤーの下端をそれぞれエスカレーターの両端部に連結するようにした設置工法に関する発明が提案されている(特許文献1参照)。また、エスカレーターの上端部の下側に吊り上げ補助フレームを延出させて取り付け、該フレームの先端部にワイヤーを連結することで、吊りワイヤーをいずれの方向に偏向させても安全かつ確実に吊り上げることができるようにした工法に関する発明が提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−298189号公報 特開2010−100436号公報
既存の駅ホームにエスカレーターを追加設置する場合、利用者のいない夜間の短い時間内に作業を完了する必要がある。しかしながら、従来の一般的な工法も特許文献1や2に記載されている発明の工法も、エスカレーターを設置個所まで移送する時間を考慮していないため、スカレーターの移送から設置までのすべての作業を一晩で完了することは実質的に不可能である。なお、予め駅ホーム上にエスカレーターを移送しておいて、夜間にエスカレーターの設置作業を実施することも考えられるが、そのようにすると日中の列車走行時間帯に駅利用者の通行を妨げることになるため現実的でないという問題点がある。
また、既存の駅ホームにエスカレーターを追加設置する工法としては、エスカレーターを設置しようとする階段の下で予めエスカレーターを組み立てておいて、夜間に階段のエスカレーター設置予定箇所を部分的に除去してから、階下に準備しておいたエスカレーターを階段部分除去箇所へ移動させ上端側を吊り上げることで、短時間にエスカレーターの設置作業を完了できるようにした工法が実施されている。しかしながら、この工法は、階段の下にエスカレーターを組み立てるスペースがあることが条件であり、そのようなスペースのない駅ホームに適用することができないという問題点がある。
本発明は上記のような問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、駅ホーム等の既存の建造物にエスカレーターを短時間に設置することができるエスカレーターの設置工法を提供することにある。
本発明の他の目的は、エスカレーターを設置しようとする階段の下にエスカレーターを設置するスペースのない場合にも適用することができるエスカレーターの設置工法を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明は、
上の階のフロアに形成されている設置対象のエスカレーターの全長よりも短い長さの開口部より、エスカレーターの下端部側を降下させて下の階のフロアの所定位置に固定することで既存の建造物にエスカレーターを設置するエスカレーターの設置工法であって、
上の階のフロアの開口部近傍に予め置かれているエスカレーターの上端部に設けられている係止手段に係止されている第1のワイヤーとエスカレーターの重心位置よりも下端部寄りの位置に設けられている係止手段に係止されている第2のワイヤーを吊り上げることでエスカレーターを持ち上げる第1工程と、
前記エスカレーターの下端部が前記開口部の上方に位置するまでに前記エスカレーターを移動させる第2工程と、
前記エスカレーターの上端部側を持ち上げ下端部側を降下させながら全体を前方へ移動させる第3工程と、
前記エスカレーターの下端部側を降下させて下の階のフロアの所定位置に設けられている基礎に載置させ、上端部側を降下させて上の階のフロアの前記開口部の縁部に載置させする第4工程と、
前記エスカレーターの下端部を前記基礎に固定し、上端部を上の階のフロアの前記開口部の縁部に固定する第5工程と、
を含むようにしたものである。
上記のようなエスカレーターの設置工法によれば、予め設置対象のエスカレーターが上の階の開口部近傍に置かれているため、設置作業当日は上の階から下の階へ移動させるだけでよいので、夜間の列車非走行時間帯に設置作業を完了することができる。また、エスカレーターの下端部側を降下させながらエスカレーター全体を移動させることで、比較的小さな上の階のフロアの開口部を通してエスカレーターを上の階から下の階へ移動させて設置することができる。さらに、エスカレーターの上端部側を持ち上げながら下端部側を降下させることで、上の階のフロアの開口部がエスカレーターの全長よりも短くてもエスカレーターを通過させることができるため、開口部を短くすることで上の階のフロア強度を高めることができるとともに、エスカレーター設置完了後における開口部の一部を塞ぐ工事が不要もしくは工事の量(範囲)を少なくすることができる。
ここで、望ましくは、前記第3工程の後、前記エスカレーターの下端部に設けられている係止手段に第3のワイヤーを係止するとともに、前記エスカレーターの重心位置よりも下端部寄りの位置(中間支承部)に設けられている係止手段に係止されている前記第2のワイヤーを外し、前記第2および第3のワイヤーを前方へ移動させつつ下方へ下して前記エスカレーターの上端部側を降下させる工程を含むようにする。
かかる方法によれば、吊り上げ力を与えるワイヤーをエスカレーターの中間支承部から下端部側に移し替えることができ、それによって中間支承部の係止手段に係止されていたワイヤーがフロア開口部の前側の縁部と干渉するのを回避してエスカレーターの移動を安全かつ円滑に実行することができる。
また、望ましくは、前記エスカレーターの下端部に設けられている係止手段と、前記エスカレーターの中間部に設けられている係止手段との間にはテンションワイヤーが張架されているようにする。
上記のような方法によれば、自重でエスカレーターの前端(下端部)側がお辞儀をするように撓んでトラスフレームが変形を起こすのを防止することができる。
さらに、望ましくは、前記第1工程の実行前に、前記エスカレーターが上の階のフロアに形成されている前記開口部を跨ぐようにして仮置きしておくようにする。
かかる方法によれば、エスカレーターの移動量を少なくすることができるため、より作業時間を短縮することができる。また、チェーンブロックを用いてエスカレーターを吊り上げて移動する場合に、チェーンブロックを誘導するガイドレールの長さを短くすることができるようになる。
また、望ましくは、前記エスカレーターの重心位置よりも下端部寄りの位置に設けられている前記係止手段は前記エスカレーターのトラスフレームの下面に設けられ、当該係止手段に係止される前記第2のワイヤーと干渉する位置にあるステップは、前記第1工程の実行前に外しておくようにする。
かかる方法によれば、中間支承部の係止手段がトラスフレームの下面に設けられているため、エスカレーターをワイヤーで安定して吊り上げることができる。また、係止手段に係止されるワイヤーと干渉する位置にあるステップは、作業開始前に外されているため、容易に吊り上げワイヤーを係止手段に係止させることができるとともに、中間支承部の係止手段をトラスフレームの左右外側へ張り出すように設ける必要がないため、フロアに形成する開口部の幅を狭くすることができるようになる。
本発明に係るエスカレーターの設置工法によれば、駅ホーム等の既存の建造物にエスカレーターを短時間に設置することができる。また、エスカレーターを設置しようとする階段の下にエスカレーターを設置するスペースのない場合にも適用することができるという効果がある。
本発明に係るエスカレーター設置工法が適用されるエスカレーターのトラスフレームの構造を示すもので、(A)はトラスフレーム全体の側面図、(B)は(A)に示されているトラスフレームの中間支承部を拡大して示す一部拡大側面図である。 図1(A)のトラスフレームの先端側の部分を拡大して示す一部拡大側面図である。 実施形態におけるエスカレーターの図1のA−A線に沿った箇所の構造を示す断面正面図である。 (A)は実施形態のエスカレーターの端部に設けられている係止手段の構造を示す拡大正面図、(B)は(A)に示されている係止手段を側方から見た拡大側面図である。 実施形態のエスカレーター設置工法が適用される建造物の構造の例を示す概略構成図である。 本発明に係るエスカレーター設置工法の実施形態を示すもので、(A)はエスカレーター設置作業開始時の状態を示す側面図、(B)はエスカレーター設置作業開始直後の吊り上げ状態を示す側面図である。 (A)、(B)はそれぞれエスカレーター設置作業途中の状態を示す側面図である。 エスカレーター設置作業途中の状態を示すもので、(A)はワイヤー架け替え前の状態を示す側面図、(B)はワイヤー架け替え途中の状態を示す側面図である。 (A)はワイヤー架け替え後のエスカレーター移送状態を示す側面図、(B)はエスカレーター設置直後の状態を示す側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るエスカレーター設置工法を既存の駅ホームへエスカレーターを設置する場合に適用した一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のエスカレーター設置工法は、予め駅ホームの上階のエスカレーター設置個所へエスカレーターを移送して仮置きするかホーム上階でエスカレーターを組み立てておいて、夜間の列車が走行しない時間帯に、ホーム上階にあるエスカレーターを吊り上げて、ホーム上階のフロアに形成されている開口部より、エスカレーターの下端部側を降下させて所定位置に設置するものである。より具体的な応用例としては、例えば屋根で覆われた既存の駅ホームの上にフロアを増設する駅拡張工事の一環として、新設フロアと駅ホームとの間に連絡用のエスカレーターを設置する場合が考えられる。
上記のような設置工法を適用可能にするため、本実施形態においては、エスカレーターに予め若干の工夫が施されている。そこで、本実施形態のエスカレーター設置工法について詳細に説明する前に、図1〜図4を用いてエスカレーターの構成について説明する。
図1は本実施形態に係るエスカレーター設置工法の適用対象であるエスカレーターのトラスフレーム全体とその中間支承部を拡大して示す側面図、図2はトラスフレームの先端部の拡大説明図、図3はエスカレーターの図1のA−A線に沿った箇所の構造を示す断面正面図、図4は中間支承部の係止手段の拡大説明図である。なお、図1においては、図の左方を前側と称する。
図1においては、トラスフレーム部分のみ図示し、トラスフレームにより支持されるステップ(踏板)や移動手すり、側板、スカートガードなどの図示は省略しているが、図3に示すように、これらの部品が一体となった状態でエスカレーターの設置が実施される。また、図3においては、ステップ(踏板)の図示が省略されているが、行き側のステップと帰り側のステップは一点鎖線S1,S2で囲まれている部位に配置されている。
図1(A)に示すように、本実施形態の適用対象であるエスカレーター10は、トラスフレーム11の前端(下端)および後端(上端)と、エスカレーターの重心位置よりも少し前寄りの部位(A−A線が付されている部位)とに、吊り下げ用のワイヤーの一端を係止するため、係止手段12A,12B,12Cが設けられている。
また、図1(A)のA−A線が付されている部位よりもやや前寄りであってトラスフレーム11の上部には、図2に示すように、テンションワイヤー13の一端を係止するための係止手段12Dが設けられている。テンションワイヤー13の他端は、係止手段12Aに係止されており、図1(A)に示すように、係止手段12Bと12Cにそれぞれ吊り下げワイヤー14B,14Cの下端を係止して、エスカレーター10を吊り上げた際に、自重でエスカレーター10の前端(下端)側がお辞儀をするように撓んでトラスフレーム11が変形を起こすのを防止するように構成されている。
図3は、図1(A)のA−A線に沿ったエスカレーター全体の断面構造を示すもので、トラスフレーム11の下部に係止手段12Cが設けられている。この係止手段12Cは、図1(B)に示すように、トラスフレーム11の下面に固着された断面L字状のブラケットによって構成されている。このブラケット(12C)は、図3に示すように、トラスフレーム11の左右のフレーム11A, 11B間に跨るようにして設けられており、該ブラケット(12C)には、吊り下げワイヤー14Cの端部に止着されている一対の結合用リング41A,41Bを挿通するための穴(以下、吊りブラ用穴と称する)21a,21bが形成されている。
端部の結合用リング41A,41Bが吊りブラ用穴21a,21bに挿通され係止された吊り下げワイヤー14Cの上部は、図示しない電動チェーンブロックより垂下されたチェーン15の下端のフック15Aに引っ掛けられ、電動チェーンブロックにより吊り上げ可能に構成されている。
なお、吊り下げワイヤー14Cはエスカレーターのステップと干渉する位置に設けられるため、当該干渉位置にあるステップは取り外された状態で設置作業が開始される。
また、図3において、16A,16Bは行き側の移動手すり、16A’,16B’は帰り側の移動手すり、17A,17Bは左右の側板、18A,18Bは左右のスカートガードである。
図1(A)においてトラスフレーム11の前端(下端)の一点鎖線Bで囲まれた部位には、図4(A)に拡大して示すように、断面L字形をなす係止手段12Aとしての一対の吊り下げ用ブラケット22A, 22Bが複数のボルト19により、トラスフレーム11のフランジ部11aに固着されている。そして、このブラケット22A,22Bには、吊り下げワイヤー14Aの端部に止着されている一対の結合用リングを挿通するための吊りブラ用穴22a,22bがそれぞれ形成されている。
また、ブラケット22A,22Bの吊りブラ用穴22a,22b近傍には、それぞれテンションワイヤー13の端部を係止するための係止プレート23A,23Bが溶接等によってブラケット22A,22Bに固着されている。そして、この係止プレート23A,23Bには、図4(B)に示すように、テンション13の一端の結合用リング(図2参照)を挿通するための吊りブラ用穴23a,23bが形成されている。トラスフレーム11の後端(上端)の係止手段12Aも、図4(A),(B)に示す構成と同様の構成である。
次に、図5を用いて、本実施形態のエスカレーター設置工法が適用される建造物側の構成について説明する。
図5に示すように、建造物(駅ホーム)は1階フロア101と2階フロア102と天井103とを有し、2階フロア102のエスカレーター設置個所には、予め設置しようとするエスカレーターの幅よりも少し大きな幅を有しエスカレーターの全長よりも短い長さを有する開口部102aが設けられている。
上記開口部102aの望ましい長さは、2階フロア102の天井の高さにもよるが、エスカレーター10の全長をLとすると、概ねLの2分の1〜3分の1の長さである。開口部102aをこのような長さに設定しておくことで、設置作業開始の前日以前に、開口部102aを跨ぐようにエスカレーターを仮置きしておくことができ、設置作業日のエスカレーター移送作業に要する時間をなくすことができる。なお、2階フロア102の上記開口部102aは、設置作業開始まで、スライド式のシャッター等で閉塞しておくのが望ましい。
上記1階フロア101のエスカレーター設置個所には、エスカレーターの基礎104が設けられている。また、1階フロア101の天井面となる2階フロア102の下面および2階フロア102の天井103には、駅ホームの長手方向に沿ったガイドレール111、112がそれぞれ設けられている。そして、ガイドレール111にはチェーン巻上げモータを備えた電動チェーンブロック121がレールに沿って移動可能に垂下され、ガイドレール112には電動チェーンブロック122,123がレールに沿って移動可能に垂下されている。
次に、図6〜図9を用いて、本実施形態のエスカレーター設置工法の具体的な手順について説明する。
エスカレーター設置作業においては、先ず2階フロア102の開口部102aに跨った状態で載置されているエスカレーター10の後端と中間支承部の係止手段12Bおよび12Cにそれぞれ吊り下げワイヤー14B,14Cの下端を係止し、電動チェーンブロック122,123からチェーンを引き出して端部のフックを上記吊り下げワイヤー14A,14Bに引っ掛ける(図6(A)参照)。この際、予め電動チェーンブロック122,123を係止手段12Bと12Cの上方に移動させておいてからチェーンを引き出してワイヤー14B,14Cに引っ掛けることで、チェーンが鉛直方向に垂下される状態になるようにすると良い。
その後、電動チェーンブロック122,123のモータを作動させてチェーンを徐々に巻き上げ、エスカレーター10を吊り上げる(図6(B)参照)。
次に、電動チェーンブロック122,123をガイドレール112に沿って後方へ移動させ、図7(A)に示すように、エスカレーター10の先端部を上記開口部102aの上方に位置させる。続いて、電動チェーンブロック123のモータを作動させてチェーンを巻き上げてエスカレーター10の後端部を持ち上げながら、電動チェーンブロック122のモータを作動させてチェーンを延長させてエスカレーター10の先端部を開口部102aより降下させる(図7(B), 図8(A)参照)。
そして、エスカレーター10の先端部が1階フロア101の近傍まで達したなら、電動チェーンブロック122のモータを停止させて降下を停止しエスカレーター10を前方へ移動させる。その後、1階フロア101側の電動チェーンブロック121よりチェーンを引き出して端部のフックを吊り下げワイヤー14Aに引っ掛ける(図8(B)参照)。
続いて、電動チェーンブロック121のモータを作動させてチェーンを徐々に巻き上げ、エスカレーター10の重量を電動チェーンブロック122から121へ移行させた状態にする。そして、電動チェーンブロック122のチェーン端部のフックから吊り下げワイヤー14Cを外す(図9(A)参照)。
次に、電動チェーンブロック123のモータを作動させてチェーンを緩めてエスカレーター10の後端部を降下させながら、電動チェーンブロック121をガイドレール111に沿って、また電動チェーンブロック123をガイドレール112に沿って前方へ移動させて、エスカレーター10の先端部を基礎104の上方に位置させる。続いて、電動チェーンブロック121と123のチェーンを緩め、エスカレーター10の先端部を基礎104の上に載置させて固定するとともに、エスカレーター10の後端部を2階フロア102の上記開口部102aの縁部に載置させて固定する(図9(B)参照)。
その後、電動チェーンブロック121と123のチェーン端部のフックから吊り下げワイヤー14A, 14Bを外すとともに、係止手段12A,12D間に張架されているテンションワイヤー13を外し、さらに係止手段12A,12B,12Dを外してエスカレーター10の設置が終了する。なお、設置終了後に、吊り下げワイヤー14Bとの干渉を回避するために予め外されていたステップ(踏板)が取り付けられる。
上記のような手順でエスカレーター10を設置することで、夜間の列車が走行していない時間帯に設置作業を完了することができる。また、エスカレーター10の後端部を持ち上げ先端部を降下させエスカレーターの後端部を持ち上げ先端部を降下させながらエスカレーター全体を移動させることで、比較的小さな2階フロアの開口部102aを通してエスカレーター10を2階フロアから1階フロアへ移動させて設置することができる。これにより開口部102aを小さくすることができ、2階フロアの起用度を高めることができる開口部の一部を塞ぐ工事が不要となる。さらに、予め2階フロア102の開口部102aを跨ぐようにしてエスカレーターを仮置きしておくことで、作業時間を短縮するとともに、開口部102aの延長上に仮置きする場合に比べて2階フロアの天井面103に設けるガイドレール112の長さを短くすることができるという利点がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、2階フロアから1階フロアへのエスカレーターの移動の途中で、エスカレーターの重量を電動チェーンブロック122から121へ移動させるようにしているが、2階フロア102の開口部102aの前端側の端部にチェーンとの摩擦を低減するローラ等を設けることで、電動チェーンブロック122のチェーンから吊り下げワイヤー14Cを外すことなくエスカレーターの先端を降下させるようにしても良い。
また、上記実施形態においては1台のエスカレーターを移動、設置する場合について説明したが、例えば図4(A)に示すように、ブラケット22A,22Bにボルト挿通孔24a,24bを設け、該ボルト挿通孔24a(または24b)を用いて、ボルト挿通孔25a,25bを有する二点鎖線で示すような繋ぎプレート25を装着して、2台のエスカレーターを繋ぎプレート25で連結し、連結した状態で移動することで、移動中の揺れによるエスカレーター同士の衝突による破損を回避しつつ、2台同時に移動、設置することも可能である。
10 エスカレーター
11 トラスフレーム
12A〜12D 係止手段
13 テンションワイヤー
14A〜14C 吊り上げワイヤー
15 チェーン
15A フック
16A,16B 移動手すり
22A,22B ブラケット
41A,41B 結合用リング
101 1階フロア
102 2階フロア
102a 開口部
104 エスカレーターの基礎
111,112 ガイドレール
121〜123 電動チェーンブロック

Claims (5)

  1. 上の階のフロアに形成されている設置対象のエスカレーターの全長よりも短い長さの開口部より、エスカレーターの下端部側を降下させて下の階のフロアの所定位置に固定することで既存の建造物にエスカレーターを設置するエスカレーターの設置工法であって、
    上の階のフロアの開口部近傍に予め置かれているエスカレーターの上端部に設けられている係止手段に係止されている第1のワイヤーとエスカレーターの重心位置よりも下端部寄りの位置に設けられている係止手段に係止されている第2のワイヤーを吊り上げることでエスカレーターを持ち上げる第1工程と、
    前記エスカレーターの下端部が前記開口部の上方に位置するまでに前記エスカレーターを移動させる第2工程と、
    前記エスカレーターの上端部側を持ち上げ下端部側を降下させながら全体を前方へ移動させる第3工程と、
    前記エスカレーターの下端部側を降下させて下の階のフロアの所定位置に設けられている基礎に載置させ、上端部側を降下させて上の階のフロアの前記開口部の縁部に載置させする第4工程と、
    前記エスカレーターの下端部を前記基礎に固定し、上端部を上の階のフロアの前記開口部の縁部に固定する第5工程と、
    を含むことを特徴とするエスカレーターの設置工法。
  2. 前記第3工程の後、前記エスカレーターの下端部に設けられている係止手段に第3のワイヤーを係止するとともに、前記エスカレーターの重心位置よりも下端部寄りの位置に設けられている係止手段に係止されている前記第2のワイヤーを外し、前記第2および第3のワイヤーを前方へ移動させつつ下方へ下して前記エスカレーターの上端部側を降下させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のエスカレーターの設置工法。
  3. 前記エスカレーターの下端部に設けられている係止手段と、前記エスカレーターの中間部に設けられている係止手段との間にはテンションワイヤーが張架されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエスカレーターの設置工法。
  4. 前記第1工程の実行前に、前記エスカレーターが上の階のフロアに形成されている前記開口部を跨ぐようにして仮置きされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエスカレーターの設置工法。
  5. 前記エスカレーターの重心位置よりも下端部寄りの位置に設けられている前記係止手段は前記エスカレーターのトラスフレームの下面に設けられ、当該係止手段に係止される前記第2のワイヤーと干渉する位置にあるステップは、前記第1工程の実行前に外されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエスカレーターの設置工法。
JP2019011870A 2019-01-28 2019-01-28 エスカレーターの設置工法 Pending JP2020117373A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019011870A JP2020117373A (ja) 2019-01-28 2019-01-28 エスカレーターの設置工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019011870A JP2020117373A (ja) 2019-01-28 2019-01-28 エスカレーターの設置工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020117373A true JP2020117373A (ja) 2020-08-06

Family

ID=71889878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019011870A Pending JP2020117373A (ja) 2019-01-28 2019-01-28 エスカレーターの設置工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020117373A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007099515A (ja) エレベータケージの支持手段をエレベータケージおよびエレベータ昇降路に取り付ける方法
JP2007039224A (ja) エレベータ装置の改修方法
JP2018070362A (ja) エレベータの据付方法
JP6813123B2 (ja) エレベーターの揚程延長技術の適用方法
JP4921810B2 (ja) エレベータの据付装置およびそれを用いた据付工法
KR100935556B1 (ko) 에스컬레이터 골조 장착용 가설재 및 에스컬레이터 골조장착용 가설재에 의한 가설 방법
JP4828084B2 (ja) 巻上機の据付方法
JP2008273644A (ja) エレベータ装置の更新方法およびそのエレベータ装置
JP2006299559A (ja) セルフクライミング足場およびそれを用いたセルフクライミング方法
KR100950991B1 (ko) 엘리베이터의 권상기 설치구조와 케이지 조립체
JP2020117373A (ja) エスカレーターの設置工法
SG182903A1 (en) Elevator
JP7135680B2 (ja) エレベーターの敷居の取り替え方法
JP5781475B2 (ja) エレベータ用ガイドレール立設方法
JP2000226169A (ja) エレベータの据付方法
JP3630596B2 (ja) エレベータのロープ掛け方法
CN111566038B (zh) 电梯及其改造方法
JP3907843B2 (ja) エレベータのかご吊下装置及びかご吊下方法
JP2001335255A (ja) エレベーターの据付工法及びエレベーターの据付用ユニット
JP5571708B2 (ja) エレベータの主ロープ交換方法
JP6956651B2 (ja) エスカレータートラスの揚重工法
JPS63258385A (ja) エレベ−タのリニユアル工法
JP2945793B2 (ja) 移動壁の吊り込み設置方法
JP2004331348A (ja) エレベーターの据付方法
JP2012224415A (ja) エレベータのリニューアル方法