JP2020115751A - 天然芝フィールド育成システム - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、アリーナ等の競技場の屋根に天然芝フィールドを揚重して育成する方法のように、アリーナの屋根との接続部分の遮音等の複雑な構造が不要なうえ、育成に必要な設備や作業を屋根上で行う必要がなく作業効率の向上を図ることができる。
また、この場合には、各分割フィールドの育成状態を建屋の外部から視認することも可能となる。
また、パレットに天然芝の育成に必要な設備を装備しておくことで、上下の各段にパレットとともに分割フィールドを収納した状態で、パレットの直下に収納される分割フィールドに対して効果的に育成することができる。
また、予備の収納保持部が設けられているので、苗種の異なる天然芝フィールドを育成し保有しておくことも可能となり、例えば季節、競技別などに応じた天然芝フィールドを使い分けることもできる。
図1及び図2に示すように、本実施形態による天然芝フィールド育成システム1は、サッカーやラグビー等の競技用の天然芝フィールド3を有するアリーナ2(競技場)の近隣の一部のスペースに設置され、アリーナ2で使用する天然芝フィールド3をアリーナ2の外で育成する保守管理のためのシステムである。
なお、本実施形態による天然芝フィールド育成システム1で育成する天然芝フィールド3の天然芝は、天然芝100%のみではなく、天然芝と人工芝の融合させたハイブリッド芝であってもよい。
スタンド21は、階段式の観客席であって、天然芝フィールド3側から外側になるにつれて高くなるように構成されている。スタンド21の外周上部には複数の屋根柱23が配置されており、この屋根柱23によって屋根22が支持されている。
天然芝フィールド3Aは、本実施形態においてサッカー等の競技やイベントを行なう長方形状の領域を形成している。図2では、サッカー用のフィールドを示している。
天然芝フィールド育成システム1は、図3乃至図5に示すように、分割フィールド3Bを搬入出可能なフィールド搬入部14を有するとともに、自然光Kを内部に取り込み可能に設けられたタワー部10(建屋)と、タワー部10の上下方向に複数の段数で設けられ、各段において分割フィールド3Bを着脱可能に収納する収納保持部4(図3及び図4参照)と、タワー部10内で分割フィールド3Bを上下移動させる揚重設備5(図5参照)と、を備えている。
タワー部10の天壁には、外壁11の上端を覆う屋根16が設けられている。各床部12には、上下に貫通するとともに分割フィールド3Bを上下に通過可能な床開口部12aが設けられている。
床部12は、収納された分割フィールド3Bを育成するための設備が設けられ、分割フィールド3Bにアクセスする作業場や資材置き場として使用される。ここで、図6の符号Mは、分割フィールド3Bの育成に必要な照明等の資材を示している。
収納保持部4は、図6に示すように、上方から見た平面視で床開口部12aの両長辺側の側縁部12bに沿った位置に複数設けられ、パレット6を下方より保持する。
このような育成設備として、例えば、換気通風設備、スプリンクラーやドライミスト噴霧装置等の散水調湿設備、放射パネル等の温度調節設備、グローライト等の人工照明設備、カメラ等のモニタリング設備が挙げられる。これらの育成設備は、床部12に設けたり、パレット6に装備することができる。パレット6に育成設備を設けた場合には、上下の各床部12にパレット6とともに分割フィールド3Bを収納した状態で、パレット6の直下に収納される分割フィールド3Bに対して育成設備の機能を発揮させることができる。
先ず、図1及び図2に示すように、アリーナ2内の天然芝フィールド3Aを育成する際には、複数の分割フィールド3Bをそれぞれパレット6に載置するとともに、着脱式スタンド21Aを取り外し、搬送路24の内側開口24aを開放する。そして、分割フィールド3Bを載置させたパレット6を順次、搬送路24内を移動させて天然芝フィールド育成システム1のフィールド搬入部14に搬送する。このとき、図5、図7及び図8に示すように、フィールド搬入部14では、パレット6が搬入される前に、揚重設備5のガーダー52を底盤14bの凹溝14aに収納させた状態で待機させておく。また、図6に示すように、各床部12に設けられる収納保持部4の係止片42を退避位置P0にしておく。
そして、すべての分割フィールド3Bを収納保持部4によって収納し、タワー部10内においてタワー部10の外壁11から透過される自然光Kを当てることにより育成が行われる。
本実施形態による天然芝フィールド育成システム1では、図5に示すように、天然芝フィールド3を搬送可能な大きさに分割した全ての分割フィールド3Bをタワー部10内に搬入し、揚重設備5を使用して上下方向に複数段で縦置きに配列した状態で収納保持部4に収納し、その縦置きの状態で収納された各分割フィールド3Bに対して自然光Kを当てて天然芝を育成することができる。
そして、タワー部10の必要建築面積は、分割フィールド3Bを上下方向に積層することでタワー部10の必要建築面積を小さくすることができる。具体的には、図2に示すように、タワー部10の必要建築面積が1つの分割フィールド3Bを収納可能な面積に基づく大きさとなるので、アリーナ2の近隣地に例えばアリーナ2で使用する天然芝フィールド3Aと同等の広大な設置スペースが不要となる。そのため、アリーナ2の近くに天然芝フィールド3の育成に必要な広大な敷地を確保することなく、例えば都市部において競技場を建設することが可能となる。
しかも、屋内で天然芝フィールド3を育成できるので、自然光Kや通風量の管理がしやすく、さらに雪の影響を受けずに育成できるという利点がある。
さらに、アリーナ等の競技場の屋根に天然芝フィールドを揚重して育成する方法のように、アリーナ2の屋根との接続部分の遮音等の複雑な構造が不要なうえ、育成に必要な設備や作業を屋根上で行う必要がなく作業効率の向上を図ることができる。
また、この場合には、各分割フィールド3Bの育成状態をタワー部10の外部から視認することも可能となる。
さらにまた、本実施形態では、パレット6に天然芝の育成に必要な設備を装備しておくことで、上下の各段にパレット6とともに分割フィールド3Bを収納した状態で、パレット6の直下に収納される分割フィールド3Bに対して効果的に育成することができる。
図9に示す第2実施形態による天然芝フィールド育成システム1Aでは、タワー部10の内側に収納保持部4に収納された分割フィールド3Bの天然芝に向けて太陽光からなる自然光Kを反射させて当てる反射装置7(自然光照射手段)を備えている。
反射装置7は、第1反射板71を備え、分割フィールド3B毎に設けられている。そして、本実施形態では、パレット6の裏面にも第2反射板61が設けられている。反射装置7の第1反射板71でタワー部10の外壁11を透過した自然光Kを第2反射板61に向けて反射させ、第2反射板61で反射した自然光Kが当該パレット6の直下に位置する分割フィールド3Bの上面(天然芝)に当たるように配置されている。
次に、図10に示す第3実施形態による天然芝フィールド育成システム1Bは、上述した第2実施形態の反射装置7に加え、太陽の位置に合わせて第3反射板72の傾斜角度が変動する追尾型反射装置7A(追尾機構)を設けたものである。
追尾型反射装置7Aは、タワー部10の屋上に設けられ、太陽光の射す角度に応じて第3反射板72が傾動し、常に太陽光を直接、反射装置7の第1反射板71に向けて反射させる構成となっている。
次に、図11に示す第4実施形態による天然芝フィールド育成システム1Cは、タワー部10内に設けられる収納保持部4の段数を天然芝フィールド3の分割数(分割フィールド3Bの数量)よりも多く設けられたものである。つまり、第4実施形態では4つの予備の分割フィールド3B(図11に示す二点鎖線の分割フィールド3B)の収納部がタワー部10に設けられた構成であり、上述した第1実施形態のタワー部10よりも収納保持部4が4段多く配置され、その分、タワー部10の高さが高くなっている。
また、予備の収納保持部4が設けられているので、苗種の異なる天然芝フィールド3を育成し保有しておくことも可能となり、例えば季節、競技別などに応じた天然芝フィールド3を使い分けることもできる。
次に、図12に示すように、第5実施形態による天然芝フィールド育成システム1Dは、タワー部10内に収納保持部4を複数段配列した収納保持ユニット4Aを2ユニット設けた構成となっている。
この場合には、上述した第1〜第4実施形態のタワー部10に比べて設置面積は大きくなるがタワー部10の高さを抑えることができる。
例えば、建屋内で上下方向に複数段に収納される分割フィールドを順次、水平方向にずらした状態で積層して配置してもよい。この場合には、各分割フィールドの天然芝の上方にさらに上側の分割フィールドが重ならない領域が形成されるので、各分割フィールドの天然芝により効率よく自然光を当てることができる。
2 アリーナ(競技場)
3、3A 天然芝フィールド
3B 分割フィールド
4 収納保持部
5 揚重設備
6 パレット
7 反射装置(自然光照射手段)
7A 追尾型反射装置(追尾機構)
10 タワー部(建屋)
11 外壁
12 床部
12a 床開口部
14 フィールド搬入部
14a 凹溝
15 ガイドレール
24 搬送路
24a 内側開口
42 係止片
52 ガーダー
61 第2反射板
71 第1反射板
K 自然光
P0 退避位置
P1 収納位置
Claims (9)
- 天然芝を有する天然芝フィールドを備えた競技場の近傍に設置可能で、複数に分割された分割フィールドを上下に配列させた状態で収納して育成するための天然芝フィールド育成システムであって、
前記分割フィールドを搬入出可能なフィールド搬入部を有するとともに、自然光を内部に取り込み可能なように設けられた建屋と、
該建屋の上下方向に複数の段数で設けられ、各段において前記分割フィールドを着脱可能に収納する収納保持部と、
前記建屋内で前記分割フィールドを上下移動させる揚重設備と、
を備え、
前記収納保持部に収納された前記分割フィールドは、少なくとも前記建屋から取り込まれた自然光が当たる状態で配置されていることを特徴とする天然芝フィールド育成システム。 - 前記建屋の外壁の少なくとも一部は、自然光を透過する素材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の天然芝フィールド育成システム。
- 前記建屋内において前記分割フィールドを載置可能なパレットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の天然芝フィールド育成システム。
- 前記建屋には、前記収納保持部に収納された前記分割フィールドに対して自然光を当てる自然光照射手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の天然芝フィールド育成システム。
- 自然光照射手段は、自然光を前記収納保持部に収納された前記分割フィールドに向けて反射する反射装置であることを特徴とする請求項4に記載の天然芝フィールド育成システム。
- 前記反射装置は、太陽の位置に合わせて傾斜角度が変動する追尾機構を有することを特徴とする請求項5に記載の天然芝フィールド育成システム。
- 前記競技場は、前記分割フィールドを屋外との間で搬送可能な搬送路を有し、
前記建屋の前記フィールド搬入部は、前記競技場の前記搬送路に直接接続されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の天然芝フィールド育成システム。 - 前記収納保持部の段数は、前記天然芝フィールドの分割数よりも多いことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の天然芝フィールド育成システム。
- 前記建屋には、上下方向に設けられる複数段の床部が設けられ、
前記各床部には、上下に貫通するとともに前記分割フィールドを上下に通過可能な床開口部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の天然芝フィールド育成システム。
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