JP2020114907A - ポリカーボネート樹脂および光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ビスクレゾールフルオレンや9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン構造を含むポリカーボネート共重合体で位相差フィルムに利用できるポリカーボネート樹脂で波長依存性を1.05以下に制御できる樹脂の提供。【解決手段】下記一般式(1)で表される構成単位を含有するポリカーボネート樹脂。(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜4のアルキル基、Zは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜2の整数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、位相差フィルムに利用できるポリカーボネート樹脂および該ポリカーボネート樹脂を含有する光学フィルムに関する。
液晶や有機ELなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)は、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話、コンピュ−タ−用モニタ−、ノ−トパソコン、テレビまで幅広く使用されている。FPDには、表示特性向上のため、多くの光学フィルムが用いられている。特に、位相差フィルムは正面や斜めから見た場合の視認性向上に必要な部材である。
位相差フィルムは、1/4波長、1/2波長板が知られており、材料の例としてポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン等がある。(例えば、特許文献1〜2参照。)ポリカーボネート樹脂は、透明性が高く、耐衝撃性に優れ、光学部材としての使用に適している。また、位相差フィルムとして用いるとき、高位相差を発現することが知られている。しかし、ビスフェノールAのような芳香族モノマーを重合させて得られる樹脂の位相差は短波長ほど位相差が大きいという波長依存性を有するため、位相差フィルムとして用いた時に色むらが大きくなる課題がある。ここで位相差の波長依存性とは、位相差が測定波長に依存して変化することを意味し、波長450nmで測定した位相差(R450)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比(R450/R550)として表すことができる。
例えば、ビスクレゾールフルオレンや9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのようなフルオレン環を側鎖に有するビスフェノール構造を含むポリカーボネート共重合体として、短波長ほど位相差が小さくなる逆波長依存性を示す位相差フィルムが開示されているが、その耐熱性が低いという課題がある。(例えば、特許文献3〜4参照。)
特開2010−191385公報 特開2003−090917公報 特許第3325560号公報 特許第5119250号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、波長依存性(R450/R550)が1.05以下を示し、耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂、および該ポリカーボネート樹脂を含有してなる光学フィルムを得ることにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、特定の構成単位を含むポリカーボネート樹脂が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の一般式(1)を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂及び該ポリカーボネート樹脂を含有する光学フィルムである。
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかの基を表し、Zは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜2の整数である。)。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、一般式(1)で表される構成単位を含有するポリカーボネート樹脂を特徴とする。より詳細には、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物が炭酸エステル結合により結ばれたポリマ−である。
本発明の樹脂は、そのガラス転移温度が好ましくは125℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。これにより、樹脂の耐熱性がより向上し、光学フィルムとして使用する際に好適に使用することができる。
本発明の樹脂は、さらに以下の一般式(2)で表される構成単位を有することが好ましい。
(式中、Yは炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数1〜20のエーテル基、炭素数6〜20の環状エーテル基、炭素数1〜20のチオエーテル基、炭素数6〜20の環状チオエーテル基、炭素数1〜20のイミノ基、炭素数6〜20の環状イミノ基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキレン基からなる群の1種である。)。
またさらに、本発明の樹脂は以下の一般式(3)または(4)で表されるいずれかの構成単位を有することが好ましい。
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかの基を表し、Wは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜2の整数である。)。
(式中、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリ−ルオキシ基または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群の1種を表し、qおよびrはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、Xは、単結合、または、
である。ここで、R〜R12はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルカルボン酸、または炭素数1〜10のハロゲン化炭素からなる群の1種を表し、sは1〜6の整数である。)。
本発明の樹脂は、一般式(1)で表される芳香族構成単位、一般式(2)で表される脂肪族構成単位、芳香族構成単位である一般式(3)または一般式(4)の少なくともいずれかを含有することが好ましい。特に、前記少なくとも3つの構成単位を適切なモル分率で有するポリカーボネート樹脂は、波長依存性(R450/R550)が1.05以下であり得られる光学フィルムの位相差特性が優れるものとなる。
得られる光学フィルムがより高い位相差を発現するために、一般式(2)のモル分率が全ての構成単位の合計に対し、好ましくは10モル%以上90モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上80モル%以下、特に好ましくは30モル%以上70モル%以下である。
一般式(1)におけるRおよびRはそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかの基を表し、Zは炭素数1〜14のアルキル基である。
およびRにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
Zにおける炭素数1〜14のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
また、本発明において、より耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂となるため、一般式(1)が以下の一般式(5)で表される構成単位であることが好ましい。
一般式(2)におけるYは炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数1〜20のエーテル基、炭素数6〜20の環状エーテル基、炭素数1〜20のチオエーテル基、炭素数6〜20の環状チオエーテル基、炭素数1〜20のイミノ基、炭素数6〜20の環状イミノ基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキレン基からなる群の1つの基である。
Yにおける炭素数1〜20のアルキレン基としては、直鎖状、又は分岐状アルキレン基のいずれでもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2−メチルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、2−メチルブチレン基、3−メチルブチレン基、2−ブチレン基、3−メチルブタン−2−イレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−エチルペンチレン基、2,4−ジメチルペンチレン基、2−ペンチレン基、2−メチルペンタン−2−イレン基、4,4−ジメチルペンタン−2−イレン基、3−ペンチル基、3−エチルペンタン−3−イレン基、2,5−ジメチルシクロペンチレン基、ヘキシレン基、2−メチルヘキシレン基、3,3−ジメチルヘキシレン基、4−エチルヘキシレン基、2−ヘキシレン基、2−メチルヘキサン−2−イレン基、5,5−ジメチルヘキサン−2−イレン基、3−ヘキシレン基、2,4−ジメチルヘキサン−3−イレン基、ヘプチレン基、2−ヘプチレン基、3−ヘプチレン基、4−ヘプチレン基、オクチレン基、2−オクチレン基、3−オクチレン基、4−オクチレン基、ノニレン基、5−ノニレン基、デシレン基、2−デシレン基、5−デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基等が挙げられる。
Yにおける炭素数3〜20のシクロアルキレン基としては、例えば、シクロヘキシルメチレン基、2−シクロペンチルエチレン基、3−シクロプロピルプロピレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、3−エチルシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、4−エチルシクロヘキシレン基、4−プロピルシクロヘキシレン基、4,4−ジメチルシクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチレン基、シクロオクチレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基等が挙げられる。
Yにおける炭素数1〜20のエーテル基としては、例えば、メチルエーテル基、メチルエチルエーテル基、エチルエーテル基、n−プロピルエーテル基、n−ブチルエーテル基、イソブチルエーテル基、tert−ブチルエーテル基、n−ペンチルエーテル基、ネオペンチルエーテル基、n−ヘキシルエーテル基、n−ヘプチルエーテル基、n−オクチルエーテル基、n−ノニルエーテル基、n−デシルエーテル基等が挙げられる。
Yにおける炭素数6〜20の環状エーテル基としては、例えば、シクロヘキシルエーテル基、シクロオクチルエーテルオクチロキシ基等が挙げられる。また、該環状エーテル基として、
が挙げられる。
Yにおける炭素数1〜20のチオエーテル基としては、例えば、−CHSCH−、−CHSCHSCH−、−CHCHSCHCH−、−CHSCHCHCHSCH−等が挙げられる。
Yにおける炭素数6〜20の環状チオエーテル基としては、例えば、
等が挙げられる。
Yにおける炭素数1〜20のイミノ基としては、例えば、−CHNHCH−、−CHNHCHNHCH−、−CHCHNHCHCH−、−CHCHNHCHCHNHCHCH−、−CHNHCHCHCHNHCH−基等が挙げられる。
Yにおける炭素数6〜20の環状イミノ基としては、例えば、
等が挙げられる。
Yにおける炭素数1〜20のハロゲン化アルキレン基としては、例えば、−CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF10−等が挙げられる。
また、一般式(2)としては、
(式中、Rは水素またはメチル基のいずれかの基である。)も挙げられる。
また、本発明において、より高耐熱性を有し位相差特性に優れるポリカーボネート樹脂となるため、一般式(2)が下記一般式(6)で表される構成単位であることが好ましい。
一般式(3)におけるRおよびRはそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかの基を表し、Wは炭素数1〜14のアルキル基である。
およびRにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
Wにおける炭素数1〜14のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
また、本発明において、より耐熱性に優れ、波長依存性の調整が可能なポリカーボネート樹脂となるため、一般式(3)が下記一般式(7)で表される構成単位であることが好ましい。
一般式(4)におけるRおよびRはそれぞれ独立してハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリ−ルオキシ基または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群の1種であって、qおよびrはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、Xは、単結合、または、
であり、ここに、R〜R12はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基からなる群の1つの基を表し、sは1〜6の整数である。
およびRにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。
およびRにおける炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
およびRにおける炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、ネオペンチロキシ基、n−ヘキシロキシ基、n−ヘプチロキシ基、n−オクチロキシ基、n−ノニロキシ基、n−デシロキシ基等が挙げられる。
およびRにおける炭素数6〜20のシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
およびRにおける炭素数6〜20のシクロアルコキシ基としては、例えば、2−エチルヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基、シクロオクチロキシ基等が挙げられる。
およびRにおける炭素数6〜10のアリ−ル基としては、例えば、フェニル基、p−トリル基、p−(n−ヘキシル)フェニル基、p−(n−オクチル)フェニル基、p−(2−エチルヘキシル)フェニル基等が挙げられる。
およびRにおける炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
およびRにおける炭素数6〜18のアリ−ルオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、3−メトキシフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2−シアノフェノキシ基、3−シアノフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−ビフェニリルオキシ基、3−ビフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
およびRにおける炭素数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ基等が挙げられる。
〜R12におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。
〜R12における炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
〜R12における炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、ネオペンチロキシ基、n−ヘキシロキシ基、n−ヘプチロキシ基、n−オクチロキシ基、n−ノニロキシ基、n−デシロキシ基等が挙げられる。
また、本発明において、より高耐熱性を有し位相差特性に優れるポリカーボネート樹脂となるため、一般式(4)が下記一般式(8)で表される構成単位であることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、ハンドリング性に優れるため、重量平均分子量が10,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜100,000であることがさらに好ましい。
具体的な本発明のポリカーボネート樹脂としては、例えば、一般式(1)がスピロ[フルオレン−9,9’−キサンテン]−3’,6’−ジオール残基単位、一般式(2)が1,4−シクロヘキサンジメタノール残基単位であるポリカーボネート樹脂、一般式(1)が
スピロ[フルオレン−9,9’−キサンテン]−3’,6’−ジオール残基単位、一般式(2)が1,4−シクロヘキサンジメタノール残基単位、および一般式(3)が9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン残基単位であるポリカーボネート樹脂、一般式(1)がスピロ[フルオレン−9,9’−キサンテン]−3’,6’−ジオール残基単位、一般式(2)がトリシクロデカンジメタノール残基単位、および一般式(3)が9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン残基単位であるポリカーボネート樹脂、一般式(1)がスピロ[フルオレン−9,9’−キサンテン]−3’,6’−ジオール残基単位、一般式(2)が1,4−シクロヘキサンジメタノール残基単位、および一般式(4)がビスフェノールP残基単位であるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、特定の逆波長依存性を有するモノマー(一般式(1))を重合する製造方法により好適に得られるものである。
本発明のポリカーボネート樹脂は、一般に用いられるいかなる重合方法で製造してもよく、例えば、ホスゲン法、エステル交換法等が挙げられる。ホスゲン法による重合は特許−5544681号と同様な条件、操作で行うことが好ましい。エステル交換法による重合方法は特許第4938151号と同様な条件、操作で行うことが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造に用いられる一般式(1)単位におけるモノマ−を単重合または共重合して得られるポリカーボネート樹脂のみからなるフィルムの波長依存性が1.05以下を示すものであればいずれも使用可能であり、1種類または複数種使用してもよい。一般式(1)のモノマ−としては、共重合した際、高耐熱性と逆波長依存性が期待されるため、好ましくはスピロ[フルオレン−9,9’−キサンテン]−3’,6’−ジオールが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造に用いられる一般式(2)単位におけるモノマーとしては、芳香環を構造に含まず、該モノマ−を単独重合して得られる樹脂のみからなるフィルムが正の複屈折性を示すものであればいずれも使用可能であり、1種類または複数種使用してもよい。正の複屈折性を示す脂肪族モノマ−としては、例えば、エチレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,5−ヘプタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル、ペンタシクロペンタデカンジメタノ−ル、2,6−デカリンジメタノ−ル、1,5−デカリンジメタノ−ル、2,3−デカリンジメタノ−ル、2,3−ノルボルナンジメタノ−ル、2,5−ノルボルナンジメタノ−ル、1,3−アダマンタンジメタノ−ル、1 ,4−シクロヘキサンジオ−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオ−ル等が挙げられ、共重合した際高耐熱性が期待されるため、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ルが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造に用いられる一般式(3)単位におけるモノマ−としては、少なくとも1つ以上の芳香環を構造に含み、該モノマ−を単独重合して得られるポリカーボネート樹脂のみからなるフィルムが負の複屈折性を示すものであればいずれも使用可能であり、1種類または複数種使用してもよい。負の複屈折性を示す芳香族モノマ−としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−( 2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル等が挙げられ、共重合した際高耐熱性と逆波長依存性が期待されるため、好ましくは9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造に用いられる一般式(4)単位におけるモノマーとしては、少なくとも1つ以上の芳香環を構造に含み、該モノマ−を単独重合して得られるポリカーボネート樹脂のみからなるフィルムが正の複屈折性を示すものであればいずれも使用可能であり、1種類または複数種使用してもよい。
該正の複屈折性を示す芳香族モノマ−としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノ−ルA)、4,4’−ビフェノ−ル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジオ−ル、4,4−エチリデンビスフェノ−ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ジフェノ−ル、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノ−ル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾ−ル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ジフェノ−ル酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノ−ル)、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノ−ル、4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタンビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホン等が挙げられ、共重合した際高耐熱性と波長依存性の調整のしやすさが期待されるため、好ましくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ビフェノ−ル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4−エチリデンビスフェノ−ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、該ポリカーボネート樹脂を含有してなる光学フィルムとして好適に用いられる。該光学フィルムとしては、該ポリカーボネート樹脂のみを用いた光学フィルムであってよく、他の樹脂と混合した組成物を用いた光学フィルムであってもよい。このとき、混合する他の樹脂としては、負の複屈折性を示す樹脂であっても、正の複屈折性を示す樹脂であってもよい。
本発明の光学フィルムは透明フィルムとして好適に用いることができる。
本発明の透明フィルムは、光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることが好ましい。また、透明フィルムのヘ−ズ(曇り度)は2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
本発明の透明フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、溶融製膜法、溶液キャスト法等の方法が挙げられる。
溶融製膜する方法は、具体的にはTダイを用いた溶融押出法、カレンダ−成形法、熱プレス法、共押出法、共溶融法、多層押出、インフレ−ション成形法等があり、特に限定されないが、中でも後の延伸処理のし易さから、Tダイを用いた溶融押出法が好ましい。
溶融製膜法で透明フィルムを成形する場合、よりフィルム厚みを均一にするのに好適で、かつ、よりフィルムの欠陥や着色を防ぐのに好適な成形方法となるため、成形温度は好ましくは200℃以上265℃以下、さらに好ましくは210℃以上260℃以下、特に好ましくは220℃以上258℃以下である。ここで、該成形温度とは、溶融製膜法における成形時の温度であって、通常、溶融樹脂を押出すダイス出口の温度を測定した値である。
溶液キャスト法は、本発明のポリカーボネート樹脂を溶媒に溶解した溶液(以下、「ド−プ」と称する。)を支持基盤上に流延した後、加熱等により溶媒を除去して透明フィルムを得る方法である。その際、ド−プを支持基盤上に流延する方法としては、Tダイ法、ドクタ−ブレ−ド法、バ−コ−タ−法、ロ−ルコ−タ−法、リップコ−タ−法等が用いられる。特に工業的にはダイからド−プをベルト状またはドラム状の支持基板に連続的に押し出す方法が最も一般的である。用いられる支持基板としては、例えば、ガラス基板、ステンレスやフェロタイプ等の金属基板、ポリエチレンテレフタレ−ト等のフィルム等がある。溶液キャスト法において、高い透明性を有し、かつ厚み精度、表面平滑性に優れたフィルムを製膜する際には、ド−プの溶液粘度は極めて重要な因子であり、10〜20000cPsが好ましく、100〜10000cPsであることがさらに好ましい。
本発明の透明フィルムは、面外位相差を調整し広視野角性を確保する目的で、高分子や微粒子を配合してもよい。該面外位相差を調節できる高分子としては、例えば、特開2016−145290号や特開2016−145291号に記載のものが挙げられる。
本発明の透明フィルムは、発明の主旨を越えない範囲で、その他高分子、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、無機フィラ−、顔料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等を配合してもよい。
そして、本発明の透明フィルムは、本発明の樹脂を含有するものとして好適に得られるものであるところ、一般式(1)を含有してなるポリカーボネート樹脂であって、該ポリカーボネート樹脂よりなる延伸フィルムが450nmで測定した位相差R450と波長550nmで測定した位相差R550との比(R450/R550)が0.80≦R450/R550≦1.05である透明フィルムとして特に好適に用いられる。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いた透明フィルムは、延伸時、逆波長依存性を有することから、位相差フィルムとして好適に用いることができる。
本発明の位相差フィルムは、450nmで測定した位相差R450と波長550nmで測定した位相差R550との比(R450/R550)が0.80≦R450/R550≦1.05であることが好ましい。
本発明の位相差フィルムは、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合、延伸後のそれぞれの関係がnx>ny、nx>nzである位相差フィルムとして好適である。
本発明の位相差フィルムは、ポリカーボネート樹脂を含有してなる透明フィルムを一軸または二軸に延伸配向させることにより得ることができる。
一軸延伸方法としては、例えば、自由幅一軸延伸、テンタ−により延伸する方法、ロ−ル間で延伸する方法などが挙げられ、二軸延伸方法としては、例えば、テンタ−により延伸する方法、チュ−ブ状に膨らませて延伸する方法などがある。その際の延伸条件としては、厚みむらが発生し難く、機械的特性、光学特性に優れる位相差フィルムとなることから、延伸温度はガラス転移温度(Tg)に対して、(Tg−20℃)〜(Tg+20℃)の範囲であり、好ましくは(Tg−10℃)〜(Tg+10℃)の範囲である。延伸倍率は1.5〜3.5倍が好ましく、2〜2.5倍の範囲がさらに好ましい。
延伸速度も目的に応じて適宜選択されるが、下記式で表される歪み速度で通常50〜1000%/分、好ましくは100〜500%/分となるように選択することができる。
歪み速度(%/分)={延伸速度(mm/分)/透明フィルムの長さ(mm)}×100
本発明のポリカーボネート樹脂は、該ポリカーボネート樹脂を用いた透明フィルムの波長依存性(R450/R550)は1.05以下を示し、かつ従来のものと比較して高い耐熱性を有する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<数平均分子量の測定>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名C0−8011(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
<ガラス転移温度(Tg)>
示差走査型熱量計(セイコ−電子工業(株)製、商品名DSC2000)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
<位相差特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(AXOMETRICS社製、商品名:AxoScan)を用いて、波長589nmの光を用いて位相差フィルムの位相差特性を測定した。
<波長依存性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(AXOMETRICS社製、商品名:AxoScan)を用い、波長450nmの光による位相差R450と波長550nmの光による位相差R550の比(R450/R550)として光学フィルムの波長分散特性を測定した。
[実施例1]
スピロ[フルオレン−9,9’−キサンテン]−3’,6’−ジオール(田岡化学工業社製、「SFX」と略記する。)15.8g(0.043モル)と1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル(東京化成工業社製、「CHDM」と略記する。)14.6g(0.101モル)3とジフェニルカーボネート(東京化成社製、以下「DPC」1.6g(0.15モル)と触媒として炭酸水素ナトリウム(和光純薬社製)0.074×10−3g(0.88×10−6モル)とを水溶液として、フェノ−ル回収用の冷却管を具備した反応容器に投入した。窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を190℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約60分)。次いで、第2段目の工程として加熱槽温度を250℃に加熱し、発生するフェノ−ルを反応容器外へ抜き出した。さらに、第3段目の工程として約60分かけて圧力を常圧から0.2kPa以下にし、発生するフェノ−ルを反応容器外へ抜き出した。最終工程として、反応容器内の圧力を0.2kPa以下で保持したまま、加熱槽温度を260℃まで上昇させ、発生するフェノ−ルを反応容器外へ抜き出した(約60分)。重合反応終了後、生成した反応物をテトラヒドロフランに溶解させ、ヘキサンの中へ投入し再沈殿した。沈殿したポリマ−をろ過し、ヘキサンで洗浄した後、真空乾燥しポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂は、Mw=3.5×10であった。
[実施例2]
SFXを47.4g(0.22モル)、トリシクロデカンジメタノールを(東京化成工業社製、「TCDDM」と略記する。)25.06g(0.128モル)、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製、「BPEF」と略記する。)を12.1g(0.028モル)、DPCを47.4g(0.22モル)、触媒として炭酸水素ナトリウムを0.128×10−3g(1.53×10−6モル)を水溶液として、フェノ−ル回収用の冷却管を具備した反応容器に投入した。重合操作は実施例1と同様に実施してポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂は、Mw=2.1×10であった。
[実施例3]
実施例2において、SFXを3.95g(0.011モル)、TCDDM25.06gをCHDM17.21g(0.119モル)、BPEFを38.05g(0.087モル)に変更した以外は、同様に実施してポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂は、Mw=4.5×10であった。
[実施例4]
実施例2において、SFXを12.9g(0.036モル)、TCDDM25.06gをCHDM14.3g(0.099モル)、BPEF12.1gをビスフェノールP(東京化成工業社製、「BPP」と略記する。)2.46g(0.0071モル)に変更した以外は、同様に実施してポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂は、Mw=3.0×10であった。
[実施例5]
SFXを54.7g(0.15モル)、DPCを31.6g(0.15モル)、触媒として炭酸水素ナトリウムを0.128×10−3g(1.53×10−6モル)を水溶液として、フェノ−ル回収用の冷却管を具備した反応容器に投入した。重合操作は実施例1と同様に実施してポリカーボネート樹脂を得た。
[合成例1]
CHDMを21.90g(0.15モル)、9,9−ビス(4−ヒドロキシメチルフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製、「BCF」と略記する。)を24.63g(0.065モル)、DPCを47.40g(0.22モル)、触媒として炭酸水素ナトリウムを0.128×10−3g(1.53×10−6モル)とを水溶液として、フェノ−ル回収用の冷却管を具備した反応容器に投入した。重合操作は実施例1と同様に実施してポリカーボネート樹脂を得た。
[合成例2]
合成例1において、CHDM21.90gをTCDDM21.29g、BCF24.63gをBPEF47.56g(0.11モル)に変更した以外は、同様に実施した。
[合成例3]
2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパン(東京化成工業社製、「BPA」と略記する。)を33.02g(0.15モル)、DPCを31.6g(0.15モル)、炭酸水素ナトリウムを0.128×10−3g(1.53×10−6モル)とを水溶液として、フェノ−ル回収用の冷却管を具備した反応容器に投入した。重合操作は実施例1と同様に実施してポリカーボネート樹脂を得た。
[実施例6]
実施例1により得られたポリカーボネート樹脂を、シクロペンタノンに溶解して40重量%の樹脂溶液とし、コ−タ−によりポリエチレンテレフタレ−トフィルム上に流延し、乾燥温度40℃(15分)の後155℃(60分)にて2段乾燥してポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。得られたポリカーボネート樹脂フィルムを50mm×15mm角に切り出し、2.5倍延伸を行った(142℃延伸)。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの位相差特性、波長依存性を測定した。その結果を表1に示す。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの波長依存性(R450/R550)は1.05以下を示し、耐熱性は優れていた。
[実施例7]
実施例6において、ポリカーボネート樹脂を実施例2により得られたポリカーボネート樹脂に変更した以外は、同様にしてポリカーボネート樹脂フィルムを得た後、2.5倍延伸した(140℃延伸)。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの位相差特性、波長依存性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの波長依存性(R450/R550)は1.05以下を示し、耐熱性は優れていた。
[実施例8]
実施例6において、ポリカーボネート樹脂を実施例3により得られたポリカーボネート樹脂に変更した以外は、同様にしてポリカーボネート樹脂フィルムを得た後、2.5倍延伸した(127℃延伸)。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの位相差特性、波長依存性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの波長依存性(R450/R550)は1.05以下を示し、耐熱性は優れていた。
[実施例9]
実施例6において、ポリカーボネート樹脂を実施例4により得られたポリカーボネート樹脂に変更した以外は、同様にしてポリカーボネート樹脂フィルムを得た後、2.5倍延伸した(130℃延伸)。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの位相差特性、波長依存性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの波長依存性(R450/R550)は1.05以下を示し、耐熱性は優れていた。
[比較例1]
合成例1により得られたポリカーボネート樹脂を、塩化メチレンに溶解して19重量%の樹脂溶液とし、コ−タ−によりポリエチレンテレフタレ−トフィルム上に流延し、乾燥温度140℃(2時間)乾燥してポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。得られたポリカーボネート樹脂フィルムを50mm×15mm角に切り出した後、2.0倍延伸した(130℃延伸)。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの位相差特性、波長依存性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの波長依存性(R450/R550)は1.05以下を示したが、耐熱性が低かった。
[比較例2]
比較例1において、ポリカーボネート樹脂を合成例2により得られたポリカーボネート樹脂に変更した以外は、同様にしてポリカーボネート樹脂フィルムを得た後、2.0倍延伸した(118℃延伸)。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの位相差特性、波長依存性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの波長依存性(R450/R550)は1.05以下を示したが、耐熱性が低かった。
[比較例3]
比較例1において、ポリカーボネート樹脂を合成例3により得られたポリカーボネート樹脂に変更した以外は、同様にしてポリカーボネート樹脂フィルムを得た後、1.5倍延伸した(160℃延伸)。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムの位相差特性、波長依存性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
延伸後のポリカーボネート樹脂フィルムは、高耐熱性を示したが、の波長依存性(R450/R550)は1.05を超える値を示した。
[参考例1]
特許第5706071号によれば、CHDM単独重合体のTgは41℃であり、550nmでの位相差R(550)は252nmである。
[参考例2]
特許第5706071号によれば、TCDDM単独重合体のTgは78℃であり、R(550)は191nmである。
[参考例3]
特許第5706071号によれば、BPEF単独重合体のTgは153℃であり、R(550)は−112nmであった。
[参考例4]
特許第5706071号によれば、BCF単独重合体のTgは244℃であり、R(550)は−241nmである。
このように実施例で得られたポリカーボネート樹脂は、そのTgと位相差から、各成分の単独重合体と異なる性能を示すことを確認した。

Claims (5)

  1. 以下の一般式(1)で表される構成単位を含有するポリカーボネート樹脂。
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかの基を表し、Zは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜2の整数である。)
  2. 前記一般式(1)及び以下の一般式(2)で表される構成単位を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
    (式中、Yは炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数1〜20のエーテル基、炭素数6〜20の環状エーテル基、炭素数1〜20のチオエーテル基、炭素数6〜20の環状チオエーテル基、炭素数1〜20のイミノ基、炭素数6〜20の環状イミノ基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキレン基からなる群の1種である。)
  3. 前記一般式(1)及び前記一般式(2)を含有し、さらに、以下の一般式(3)または一般式(4)で表されるいずれかの構成単位を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂。
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜4のアルキル基のいずれかの基を表し、Wは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜2の整数である。)
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立してハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリ−ルオキシ基または炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群の1種を表し、qおよびrはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、Xは、単結合、または、
    であり、ここに、R〜R12はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルカルボン酸、または炭素数1〜10のハロゲン化炭素からなる群の1種を表し、sは1〜6の整数である。)
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂を含有してなる光学フィルム。
  5. 請求項4に記載の光学フィルムを一軸以上の方向に延伸してなる延伸フィルムが、波長450nmで測定した位相差R450と波長550nmで測定した位相差R550との比(R450/R550)が0.80≦R450/R500≦1.05であることを特徴とする透明フィルム。
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