JP2020114062A - 回転電機の固定子およびその製造方法 - Google Patents

回転電機の固定子およびその製造方法 Download PDF

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川村 浩司
Koji Kawamura
浩司 川村
健一郎 吉井
Kenichiro Yoshii
健一郎 吉井
長谷川 和哉
Kazuya Hasegawa
和哉 長谷川
浩之 安田
Hiroyuki Yasuda
浩之 安田
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Abstract

【課題】この発明は、溶接不良の発生を抑制しつつ、コイルエンド部の曲げ工程でのコイルセグメントの先端部の曲がり、削れ、欠けの発生を抑制できる回転電機の固定子およびその製造方法を得る。【解決手段】奇数の層の2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbと偶数の層の2段目剥離部25bの径方向の第1面25baは、相対して接触しており、固定子鉄心の軸心を中心とする円筒面の第1端末21dの周方向の中央位置における接平面と交差する傾斜面であり、奇数の層の2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbは、偶数の層の第1端末21dを有するコイルセグメント21が挿入されているスロットの方向に向かって径方向外方に変位する傾斜面であり、偶数の層の2段目剥離部25bの径方向の第1面25baは、奇数の層の第1端末21dを有するコイルセグメント21が挿入されているスロットの方向に向かって径方向内方に変位する傾斜面である。【選択図】図17

Description

この発明は、固定子鉄心と固定子コイルとを備えた回転電機の固定子およびその製造方法に関するものである。
回転電機の固定子は、固定子鉄心と、固定子コイルと、を備える。固定子コイルの巻線方式には、磁極のそれぞれに導体線を巻き付ける集中巻方式と、複数の磁極を跨いだ磁極の対に導体線を巻き付ける分布巻方式と、がある。分布巻方式は、集中巻方式に比べて、回転磁界の分布が滑らかになることから、回転電機の運転時の振動を低減できるという効果が得られる。一方、分布巻方式においては、磁極の対に巻き付けられる各コイルを1本の導体線で形成する場合、先に巻き付けられているコイルが邪魔となるので、コイルを形成しにくかった。
このような状況を鑑み、複数のU字状のコイルセグメントを磁極の各対に軸方向の第1方向から挿入した後、軸方向の第2方向に突出するコイルセグメントの端部同士を接合して、各コイルを形成する方法が提案されていた(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第4200611号公報 特許第3775317号公報
このように、U字状のコイルセグメントを用いて各コイルを形成する場合、コイルセグメントの端部同士を接合する必要があるので、接合箇所が多数存在する。そして、接合箇所の1つにでも接合不良があると、製品として機能しないので、手直しが必要となる。このように、生産性を向上させるためには、接合部の不良率をできるだけ下げることが不可欠となる。TIG(Tungsten Inert Gas)溶接、レーザ溶接などの溶接を接合に用いた場合、溶接別れなどの溶接不良が発生する。この溶接別れなどの溶接不良を低減する方法の一つは、接合されるコイルセグメントの端部間の隙間をなくすことである。
しかしながら、特許文献1においては、接合部の不良率を下げて生産性を向上させることについて、言及されていなかった。
特許文献2では、コイルセグメントをスロットに挿入する前に、コイルセグメントの絶縁被膜が除去された端部を、接合対象となる他のコイルセグメントの端部が配置される向きに傾斜させていた。そして、端部の変形量を絶縁被膜の膜厚以上として、接合時に、接合部の露出した素線同士を確実に接触させていた。
しかしながら、端部の変形量が絶縁被膜の膜厚以上とした場合、コイルセグメントの先端部は、コイルセグメントのスロット内の挿入位置から径方向に突出してしまう。そこで、スロットに挿入されたコイルセグメントの端部を周方向に折り曲げる折り曲げ工程において、コイルセグメントの先端部が他のコイルセグメントの先端部に引っ掛かってしまう。これにより、コイルセグメントの先端部の曲がり、削れ、欠けなどの不良が発生するという課題があった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、溶接不良の発生を抑制しつつ、コイルエンド部の曲げ工程でのコイルセグメントの先端部の曲がり、削れ、欠けの発生を抑制できる回転電機の固定子およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明による回転電機の固定子は、スロット深さ方向を径方向とするスロットが周方向に複数配列されている円環状の固定子鉄心と、上記固定子鉄心に装着されている固定子コイルと、を備える。上記固定子コイルは、複数本のコイルセグメントを有し、上記複数本のコイルセグメントのそれぞれは、絶縁被膜が被覆された導体であり、上記スロットに挿入される直線部と、上記スロットから軸方向に突出するコイルエンド部と、上記コイルエンド部から軸方向に突出する端末と、を有し、上記スロットのそれぞれには、偶数本の上記直線部が上記径方向に1列に並んで挿入されている。上記端末は、上記コイルエンド部につながる絶縁膜被覆部と、上記絶縁膜被覆部の上記コイルエンド部と反対側に位置する絶縁膜剥離部と、を有し、上記絶縁膜剥離部には、径方向を向く接合対向面が形成されており、複数スロット離れたスロットの対に挿入されており、スロット内の径方向位置がコイルセグメント1本分だけ変位しているコイルセグメントの対が、少なくとも一方のコイルセグメントの上記コイルエンド部が接合対象のコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に曲げられ、上記端末同士が径方向に重ねられ、かつ上記接合対向面同士が相対して接触している状態で、上記端末同士を溶接されている。上記接合対向面の対は、上記固定子鉄心の軸心を中心とする円筒面の上記端末の周方向の中央位置における接平面と交差する傾斜面であり、上記接合対向面の対の径方向外方に位置する接合対向面は、径方向内方に位置する接合対向面を有するコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に向かって径方向外方に変位する傾斜面であり、上記径方向内方に位置する接合対向面は、上記径方向外方に位置する接合対向面を有するコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に向かって径方向内方に変位する傾斜面である。
この発明によれば、コイルセグメントの対は、端末同士が径方向に重ねられ、かつ接合対向面同士が相対して接触している状態で、端末同士を溶接されている。そこで、溶接別れなどの溶接不良の発生が抑制される。また、コイルエンド部の曲げ工程での、端子同士の引っ掛かりがないので、コイルセグメントの端末における曲がり、削れ、欠けなどの発生が抑制される。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の要部を示す横断面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の要部を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子を示す展開図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末周りを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末周りを周方向から見た側面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末を軸方向から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの実施態様の第1端末を軸方向から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における切り出された導体の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における導体の端末の絶縁被膜除去工程を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における導体の端末の絶縁被膜除去工程を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における導体の端末の絶縁被膜除去工程を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における絶縁被膜除去工程後の導体の端末周りを示す要部側面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における導体の接合対向面形成工程を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法におけるコイルセグメントを固定子鉄心に挿入する方法を説明する展開図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法におけるコイルセグメントがスロットに挿入されている状態を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法におけるコイルセグメントが1つのスロットに挿入されている状態を軸方向から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程を説明する展開図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程を説明する展開図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部が曲げ成形された状態を示す展開図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第2コイルエンド部が曲げ成形された状態を示す展開図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における溶接工程を説明する側面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程前の第1端末の配列状態を軸方向から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程中の第1端末の動きを説明するための端面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程中の第1端末の動きを説明するための端面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程中の第1端末の動きを説明するための端面図である。 この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程中の第1端末の動きを説明するための端面図である。 この発明の実施の形態2に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末周りを示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末を軸方向から見た端面図である。 この発明の実施の形態3に係る固定子を示す展開図である。 この発明の実施の形態3に係る固定子におけるコイルセグメントを示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係る固定子におけるスロットに挿入されているコイルセグメントの配列状体を説明する展開図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す縦断面図、図2は、この発明の実施の形態1に係る固定子の要部を示す横断面図、図3は、この発明の実施の形態1に係る固定子の要部を示す縦断面図、図4は、この発明の実施の形態1に係る固定子を示す展開図である。なお、縦断面図とは、回転軸の軸心を含む平面における断面を示す図である。横断面図とは、回転軸の軸心と直交する平面における断面を示す図である。展開図とは、固定子鉄心を直線状に展開した状態を内径側から見た要部平面図である。また、図1および図2では、便宜上、インシュレータが省略されている。
図1において、回転電機100は、円筒部および底部を有するフレーム2およびフレーム2の開口を塞ぐブラケット3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部の内部に収納された固定子10と、フレーム2の底部およびブラケット3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、固定子10の内周側に回転可能に設けられた回転子5と、を備えている。フレーム2は、鉄、アルミニウムなどの金属材料で作製され、回転子5と固定子10とを機械的に保持するとともに、固定子10の放熱経路となる。
回転子5は、軸心位置に挿入された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面に固着されて周方向に等ピッチで配列され、磁極を構成する永久磁石8と、を備えた永久磁石型回転子である。なお、回転子5は、永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心のスロットに収納して、両側を短絡環で短絡したかご形回転子、絶縁した回転子導体を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子などを用いてもよい。
つぎに、固定子10の構成について図1から図4を参照しつつ説明する。なお、説明の便宜上、回転軸6の軸心と平行な方向を軸方向、回転軸6の半径方向を径方向、回転軸6の軸心を中心とする回転方向を周方向とする。
固定子10は、固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された固定子コイル20と、固定子鉄心11と固定子コイル20とを絶縁するインシュレータ15と、を備える。
固定子鉄心11は、円環状のコアバック12と、コアバック12の内周面から径方向内方に突出して、周方向に等角ピッチで配列された複数のティース13と、を備える。周方向に隣り合うティース13の間に形成されるスペースがスロット14となる。スロット14は、スロット深さ方向を径方向として、固定子鉄心11の軸方向の第1方向の端部から第2方向の端部に至るように形成されて、周方向に等角ピッチで複数配列されている。固定子鉄心11は、例えば、電磁鋼板などの磁性薄板から打ち抜かれた磁性片を積層して構成される。
インシュレータ15は、スロット14のそれぞれに、スロット14の内壁面に沿うように収納され、固定子鉄心11と固定子コイル20とを電気的に絶縁する。このインシュレータ15は、後述するコイルセグメント21をスロット14に挿入する際に、緩衝材となる。これにより、固定子鉄心11を構成する磁性片のバリとコイルセグメント21の絶縁被膜との干渉がなく、絶縁被膜の損傷発生が抑制される。インシュレータ15は、紙、樹脂、それらの複合材料により作製されるが、ここでは、ポリイミドフィルムをメタ系アラミド繊維で挟み込んでシート状に作製されている。また、シート状のインシュレータ15に代えて、絶縁性の樹脂をスロット14の内壁面に塗布してもよい。
固定子コイル20は、複数本のコイルセグメント21により構成される。
コイルセグメント21は、直線状の導体であり、銅、アルミニウムなどの断面矩形の裸線にエナメル樹脂などの絶縁材料を被覆して作製されている。コイルセグメント21は、スロット14に挿入される直線部21aと、直線部21aの第1端から直線部21aの長さ方向に突出する第1コイルエンド部21bと、直線部21aの第2端から直線部21aの長さ方向に突出する第2コイルエンド部21cと、第1コイルエンド部21bから延びる第1端末21dと、第2コイルエンド部21cから延びる第2端末21eと、を備える。各スロット14には、8本のコイルセグメント21の直線部21aが、側面同士を接して径方向に1列に配列されて挿入されている。第1コイルエンド部21bが各直線部21aからスロット14の軸方向の第1方向に突出している。第2コイルエンド部21cが各直線部21aからスロット14の軸方向の第2方向に突出している。
固定子コイル20は、固定子鉄心11の各スロット14に挿入されたコイルセグメント21の第1端末21d同士を接合し、第2端末21e同士を接合して構成される。ここで、コイルセグメント21の接合構造を説明する。説明の便宜上、スロット14内のコイルセグメント21の挿入位置を、内径側から第1層、第2層・・・第8層とする。また、スロット14を周方向の並び順に1番、2番、3番・・・とする。図3および図4中、上下方向が軸方向であり、上側を軸方向の第1方向、下側を軸方向の第2方向とする。図4中、左右方向が周方向であり、左側を周方向の第1方向、右側を周方向の第2方向とする。
まず、スロット14の第1層に挿入された直線部21aからスロット14の軸方向の第1方向に突出した第1コイルエンド部21bは、図4中、周方向の第2方向に傾斜するように曲げられる。さらに、第1端末21dは、第1コイルエンド部21bの先端から軸方向の第1方向に延びるように曲げられる。一方、スロット14の第1層に挿入された直線部21aからスロット14の軸方向の第2方向に突出した第2コイルエンド部21cは、図4中、周方向の第1方向に傾斜するように曲げられる。さらに、第2端末21eは、第2コイルエンド部21cの先端から軸方向の第2方向に延びるように曲げられる。スロット14の第2層に挿入された直線部21aからスロット14の軸方向の第1方向に突出した第1コイルエンド部21bは、図4中、周方向の第1方向に傾斜するように曲げられる。さらに、第1端末21dは、第1コイルエンド部21bの先端から軸方向の第1方向に延びるように曲げられる。一方、スロット14の第2層に挿入された直線部21aからスロット14の軸方向の第2方向に突出した第2コイルエンド部21cは、図4中、周方向の第2方向に傾斜するように曲げられる。さらに、第2端末21eは、第2コイルエンド部21cの先端から軸方向の第2方向に延びるように曲げられる。
さらに、スロット14の第3層、第5層および第7層に挿入された直線部21aからスロット14の軸方向の第1方向に突出した第1コイルエンド部21bは、図4中、周方向の第2方向に傾斜するように曲げられる。さらに、第1端末21dは、第1コイルエンド部21bの先端から軸方向の第1方向に延びるように曲げられる。スロット14の第3層、第5層および第7層に挿入された直線部21aからスロット14の軸方向の第2方向に突出した第2コイルエンド部21cは、図4中、周方向の第1方向に傾斜するように曲げられる。さらに、第2端末21eは、第2コイルエンド部21cの先端から軸方向の第2方向に延びるように曲げられる。スロット14の第4層、第6層および第8層に挿入された直線部21aからスロット14の軸方向の第1方向に突出した第1コイルエンド部21bは、図4中、周方向の第1方向に傾斜するように曲げられる。さらに、第1端末21dは、第1コイルエンド部21bの先端から軸方向の第1方向に延びるように曲げられる。スロット14の第4層、第6層および第8層に挿入された直線部21aからスロット14の軸方向の第2方向に突出した第2コイルエンド部21cは、図4中、周方向の第2方向に傾斜するように曲げられる。さらに、第2端末21eは、第2コイルエンド部21cの先端から軸方向の第2方向に延びるように曲げられる。
スロット14の第1層に挿入されたコイルセグメント21の第1コイルエンド部21bから軸方向に延びる第1端末21dは、周方向の第2方向に6スロット離れたスロット14の第2層に挿入されたコイルセグメント21の第1コイルエンド部21bから軸方向に延びる第1端末21dに接続される。スロット14の第1層に挿入されたコイルセグメント21の第2コイルエンド部21cから軸方向に延びる第2端末21eは、周方向の第1方向に6スロット離れたスロット14の第2層に挿入されたコイルセグメント21の第2コイルエンド部21cから軸方向に延びる第2端末21eに接続される。これにより、スロット14の第1層と第2層とに挿入されているすべてのコイルセグメント21が接続される。
ここで、スロット14の奇数の層に挿入されているコイルセグメント21の第1端末21dは、コイルセグメント21が挿入されているスロット14から周方向の第2方向に3スロット分変位した位置で、第1コイルエンド部21bの先端から軸方向の第1方向に延びている。スロット14の偶数の層に挿入されているコイルセグメント21の第1端末21dは、コイルセグメント21が挿入されているスロット14から周方向の第1方向に3スロット分変位した位置で、第1コイルエンド部21bの先端から軸方向の第1方向に延びている。スロット14の奇数の層に挿入されているコイルセグメント21の第2端末21eは、コイルセグメント21が挿入されているスロット14から周方向の第1方向に3スロット分変位した位置で、第2コイルエンド部21cの先端から軸方向の第2方向に延びている。スロット14の偶数の層に挿入されているコイルセグメント21の第2端末21eは、コイルセグメント21が挿入されているスロット14から周方向の第2方向に3スロット分変位した位置で、第2コイルエンド部21cの先端から軸方向の第2方向に延びている。
このようにして、(1+6(n−1))番のスロット14の群の第1層と第2層とに挿入されているコイルセグメント21が直列に接続され、2本の1ターンの波巻き巻線が得られる。(2+6(n−1))番のスロット14の群の第1層と第2層とに挿入されているコイルセグメント21が直列に接続され、2本の1ターンの波巻き巻線が得られる。(3+6(n−1))番のスロット14の群の第1層と第2層とに挿入されているコイルセグメント21が直列に接続され、2本の1ターンの波巻き巻線が得られる。(4+6(n−1))番のスロット14の群の第1層と第2層とに挿入されているコイルセグメント21が直列に接続され、2本の1ターンの波巻き巻線が得られる。(5+6(n−1))番のスロット14の群の第1層と第2層とに挿入されているコイルセグメント21が直列に接続され、2本の1ターンの波巻き巻線が得られる。(6+6(n−1))番のスロット14の群の第1層と第2層とに挿入されているコイルセグメント21が直列に接続され、2本の1ターンの波巻き巻線が得られる。但し、nは1以上の整数である。
スロット14の第3層と第4層とに挿入されているすべてのコイルセグメント21が、同様に接続される。スロット14の第5層と第6層とに挿入されているすべてのコイルセグメント21が、同様に接続される。スロット14の第7層と第8層とに挿入されているすべてのコイルセグメント21が、同様に接続される。
固定子鉄心11の軸方向の第1方向においては、第1層と第2層のコイルセグメント21の第1端末21d同士の溶接部16aと、第3層と第4層のコイルセグメント21の第1端末21d同士の溶接部16bと、第5層と第6層のコイルセグメント21の第1端末21d同士の溶接部16cと、第7層と第8層のコイルセグメント21の第1端末21d同士の溶接部16dとが、径方向に1列に並んで配列されている。つまり、溶接部16a−16dにより接続された第1コイルエンド部21bの4対が径方向に配列されている。このように径方向に並んだ第1コイルエンド部21bの4対を、1スロットピッチで周方向に配列して、軸方向の第1方向のコイルエンド20aが構成される。また、径方向に1列に並んだ溶接部16a−16dにおいては、図3に示されるように、溶接部16a−16dの軸方向高さが同じである。ここで、溶接部16a−16dの軸方向高さとは、固定子鉄心11の軸方向の第1方向の端面から溶接部16a−16dの軸方向の第1方向の先端面までの距離である。
固定子鉄心11の軸方向の第2方向においては、第1層と第2層のコイルセグメント21の第2端末21e同士の溶接部16eと、第3層と第4層のコイルセグメント21の第2端末21e同士の溶接部16fと、第5層と第6層のコイルセグメント21の第2端末21e同士の溶接部16gと、第7層と第8層のコイルセグメント21の第2端末21e同士の溶接部16hとが、径方向に1列に並んで配列されている。つまり、溶接部16e−16hにより接続された第2コイルエンド部21cの4対が径方向に配列されている。このように径方向に並んだ第2コイルエンド部21cの4対を、1スロットピッチで周方向に配列して、軸方向の第2方向のコイルエンド20bが構成される。また、径方向に1列に並んだ溶接部16e−16hにおいては、図3に示されるように、溶接部16e−16hの軸方向高さが同じである。ここで、溶接部16e−16hの軸方向高さとは、固定子鉄心11の軸方向の第2方向の端面から溶接部16e−16hの軸方向の第2方向の先端面までの距離である。
ここで、コイルセグメント21の第1端末21dの形状を図5から図8を用いて説明する。図5は、この発明の実施の形態1に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末周りを示す斜視図、図6は、この発明の実施の形態1に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末周りを周方向から見た側面図、図7は、この発明の実施の形態1に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末を軸方向から見た端面図、図8は、この発明の実施の形態1に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの実施態様の第1端末を軸方向から見た端面図である。
コイルセグメント21は、銅、アルミニウムなどからなる断面矩形の導体部22と、導体部22の4側面に被覆された絶縁被膜23と、を備える。第1端末21dは、第1コイルエンド部21b側の絶縁膜被覆部24と、絶縁膜被覆部24から第1コイルエンド部21bと反対方向に延びる絶縁膜剥離部25と、を備える。絶縁膜被覆部24と絶縁膜剥離部25との境界部には、段差が生じている。固定子鉄心11のスロット14に装着されたコイルセグメント21の第1端末21dは、図5から図7に示されるように、軸方向に延びており、断面矩形の絶縁膜被覆部24の相対する一対の側面が周方向を向き、相対するもう一対の側面が径方向を向いている。絶縁膜剥離部25は、絶縁膜被覆部24側の1段目剥離部25aと、1段目剥離部25aから絶縁膜被覆部24と反対側に延びる2段目剥離部25bと、を備える。1段目剥離部25aの径方向の第1面25aaおよび第2面25abおよび2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbは、接平面Pと平行な平面である。2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbは、1段目剥離部25aの径方向の第2面25abに対して、径方向の第1方向に変位している。1段目剥離部25aの周方向の第1面25acおよび2段目剥離部25bの周方向の第1面25bcは、1段目剥離部25aの径方向の第1面25aaおよび第2面25abと直交する平面であり、面一となっている。1段目剥離部25aの周方向の第2面25adおよび2段目剥離部25bの周方向の第2面25bdは、1段目剥離部25aの径方向の第1面25aaおよび第2面25abと直交する平面であり、面一となっている。ここで、接平面Pは、固定子鉄心11の軸心を中心軸とする円筒面の第1端末21dの周方向の中央位置における接平面である。また、径方向の第1方向は、径方向の内径方向であり、径方向の第2方向は、径方向の外径方向である。
2段目剥離部25bの径方向の第1面25baは、図7に示されるように、接平面Pと角度θで交差する平面、すなわち傾斜面である。2段目剥離部25bの径方向の第1面25baと接平面Pとの交線は、軸方向と平行である。2段目剥離部25bの径方向の第1面25baの2段目剥離部25bの周方向の第1面25bcとの交線である第1エッジ部61は、1段目剥離部25aの径方向の第1面25aaと周方向の第1面25acとの交線に一致している。2段目剥離部25bの径方向の第1面25baの2段目剥離部25bの周方向の第2面25bdとの交線である第2エッジ部62は、1段目剥離部25aの径方向の第1面25aaと周方向の第2面25adとの交線に対して、径方向の第1方向に変位している。第1エッジ部61は、絶縁膜被覆部24の径方向の第1面24aに対してd1だけ径方向の第2方向に引っ込んでいる。第2エッジ部62は、絶縁膜被覆部24の径方向の第1面24aに対してd2だけ径方向の第1方向に突出している。ここで、引っ込み量d1と突出量d2とが等しくなっている。
なお、図8に示されるように、2段目剥離部25bの径方向の第1面25baの第1エッジ部61を滑らかなR面、すなわちフィレットに形成してもよい。
ここで、図5から図8に示される第1端末21dは、スロット14の第2層、第4層、第6層、および第8層、すなわち偶数の層に挿入されるコイルセグメント21の第1端末21dである。スロット14の第1層、第3層、第5層、および第7層、すなわち奇数の層に挿入されるコイルセグメント21の第1端末21dは、2段目剥離部25bの径方向の第1面25baおよび径方向の第2面25bbが異なる点を除いて、スロット14の偶数の層に挿入されるコイルセグメント21の第1端末21dと同様に構成されている。スロット14の奇数の層に挿入されるコイルセグメント21の第1端末21dでは、2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbが接平面Pと角度θで交差する傾斜面となっており、接合対向面となる。また、2段目剥離部25bの径方向の第1面25baは、1段目剥離部25aの径方向の第1面25aaと平行な平面であって、径方向の第1面25aaに対して、径方向の第2方向に変位している。
このように、スロット14の偶数の層に挿入されるコイルセグメント21の第1端末21dにおいては、2段目剥離部25bの径方向の第1面25baが接合対向面となる。スロット14の奇数の層に挿入されるコイルセグメント21の第1端末21dにおいては、2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbが接合対向面となる。
なお、コイルセグメント21の第2端末21eは、第1端末21dと同様に構成されているので、その説明を省略する。
つぎに、固定子10の製造方法を図9から図22を用いて説明する。図9は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における切り出された導体の断面図、図10から図12は、それぞれ、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における導体の端末の絶縁被膜除去工程を説明する図、図13は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における絶縁被膜除去工程後の導体の端末周りを示す要部側面図、図14は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における導体の接合対向面形成工程を説明する図、図15は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法におけるコイルセグメントを固定子鉄心に挿入する方法を説明する展開図、図16は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法におけるコイルセグメントがスロットに挿入されている状態を示す縦断面図、図17は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法におけるコイルセグメントが1つのスロットに挿入されている状態を軸方向から見た端面図、図18および図19は、それぞれ、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程を説明する展開図、図20は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部が曲げ成形された状態を示す展開図、図21は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第2コイルエンド部が曲げ成形された状態を示す展開図、図22は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における溶接工程を説明する側面図である。なお、図22では、便宜上、接合対象となる2本の第1端末のみを示している。
まず、コイルセグメント21の作製方法を説明する。
導体30の切り出し工程において、銅、アルミニウムなどの裸線にエナメル樹脂などの絶縁材料を被覆して作製された連続導体線から、既定の長さの直線状の導体30が切り出される。切り出された導体30は、図9に示されるように、導体30の長さ方向と直交する断面が矩形の導体部22と、導体部22の4側面に被覆された絶縁被膜23と、を備える。
ついで、絶縁被膜除去工程において、切り出された導体30の両端部の既定の範囲の絶縁被膜23が除去される。絶縁被膜除去工程では、まず、図10に示されるように、導体30の第1端部が下金型42に設置される。ついで、上金型41が、図10中矢印で示される方向に移動される。これにより、図11に示されるように、導体30の第1端部の相対する2面の既定の範囲に被覆されている絶縁被膜23が除去される。相対する絶縁被膜除去面は、平行な平坦面である。
ついで、導体30を90度回転させて、図12に示されるように、導体30の第1端部が下金型42に設置される。ついで、同様に、上金型41が移動され、導体30の第1端部の相対する残る2面の既定の範囲に被覆されている絶縁被膜23が除去される。相対する残る絶縁被膜除去面は、平行な平坦面である。また、導体30の第1端部の既定の範囲の導体部22の4側面の一部が絶縁被膜23とともに除去される。
ついで、導体30の第2端部の4面に被覆されている絶縁被膜23が同様に除去される。これにより、図13に示されるように、両端部の絶縁被膜23が除去された導体31が作製される。
ついで、接合対向面形成工程において、絶縁被膜23が除去された導体31の両端部に接合対向面が成形される。接合対向面形成工程では、導体31の第1端部が、上金型43および下金型44に挟み込まれて加圧される。このとき、凸部43aが上金型43の2段目剥離部に対応する領域に形成されている。底面を平坦な傾斜面とする凹部44aが下金型44の2段目剥離部に対応する領域に形成されている。これにより、導体31の2段目剥離部に対応する領域が塑性変形される。そして、上金型43および下金型44の面形状が導体31の第1端部に転写される。凹部44aの底面の面形状が転写された部分が、傾斜面からなる接合対向面となる。これにより、図14に示されるように、導体31の第1端部に絶縁膜被覆部24および絶縁膜剥離部25を備える第1端末21dが形成される。
ついで、導体31の第2端部が上金型43および下金型44に挟み込まれて加圧され、上金型43および下金型44の面形状が導体31の第2端部に転写される。これにより、絶縁膜被覆部24および絶縁膜剥離部25を備える第1端末21dおよび第2端末21eが形成されたコイルセグメント21が作製される。このように作製されたコイルセグメント21が接合対向面を径方向の第1方向に向くようにスロット14に挿入された場合に、接合対向面が径方向の第1面25baとなる。また、コイルセグメント21が接合対向面を径方向の第2方向に向くようにスロット14に挿入された場合に、接合対向面が径方向の第2面25bbとなる。
ここで、上金型43および下金型44による挟み込みにより接合対向面を形成する場合、上金型43および下金型44の移動方向と直交する方向に、導体部22が広がる。そこで、導体30の4側面の絶縁被膜を除去した後に接合対向面形成工程を行う方法では、接合対向面形成工程において、導体部22の両側部に金型を配置し、導体部22の広がりを阻止する。このとき、塑性変形した導体部22は、両側部に配置された金型により固定された状態となる。そこで、導体部22の両側部に配置された金型を可動式として、導体部22を塑性変形した後、可動式の金型を開いてコイルセグメント21を取り出すことになる。あるいは、導体部22の両側部に配置された金型を固定式とし、コイルセグメント21に荷重を加えて、コイルセグメント21を金型から取り出すことになる。
一方、導体30の相対する2側面の絶縁被膜を除去した後に接合対向面形成工程を行い、ついで導体30の相対する残る2側面の絶縁被膜を除去することもできる。そこで、導体30の相対する残る2側面の絶縁被膜を除去する際に、接合対向面形成工程において広がった導体部22の広がり部も同時に除去される。これにより、導体部22の広がりを阻止する金型を導体部22の両側部に配置する必要がなくなり、金型を簡素な構成とすることができる。なお、導体30の相対する残る2側面の絶縁被膜を除去する際に、導体30を受ける下金型44の面あるいは導体30を上から押さえておくストリッパープレートの導体30に当たる面を接合対向面の傾斜面形状に合わせる必要がある。
このように作製されたコイルセグメント21をスロット14に挿入するに先だって、インシュレータ15がスロット14のそれぞれに装着される。ついで、図15および図16に示されるように、固定子鉄心11の軸方向の第1方向から各スロット14にコイルセグメント21が8本ずつ挿入される。8本のコイルセグメント21は、直線部21aの側面同士が接する状態で各スロット14に径方向に1列に並んで収納されている。このとき、スロット14の第1層、第3層、第5層および第7層の奇数の層には、接合対向面が径方向の第2方向に向くようにコイルセグメント21が挿入される。また、スロット14の第2層、第4層、第6層および第8層の偶数の層には、接合対向面が径方向の第1方向に向くようにコイルセグメント21が挿入される。これにより、図17に示されるように、スロットの奇数の層に挿入されているコイルセグメント21の第1端末21dとスロットの偶数の層に挿入されているコイルセグメント21の第1端末21dとが、径方向に重なった状態で径方向に1列に配列されている。このとき、スロットの奇数の層に挿入されているコイルセグメント21の絶縁膜被覆部24の径方向の第2面とスロットの偶数の層に挿入されているコイルセグメント21の絶縁膜被覆部24の径方向の第1面とが、相対した状態で接触している。さらに、スロット14の奇数の層に収納されているコイルセグメント21の2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbと、スロット14の偶数の層に収納されているコイルセグメント21の2段目剥離部25bの径方向の第1面25baとが、相対する状態で接触している。つまり、径方向に重ねられた第1端末21dは、第1端末21dの周方向の中央位置における接触している絶縁膜被覆部24の径方向の第1面および第2面と接平面Pとの交線に対して2回対称となっている。
ついで、固定子鉄心11の各スロット14の奇数の層のそれぞれから軸方向の第1方向に突出するコイルセグメント21の第1コイルエンド部21bに曲げ工程が施される。曲げ工程では、円筒状のコイルエンド成形治具70が用いられる。コイルエンド成形治具70は、図示されていないが、同心状に配列された8つの環状部材を備えている。各環状部材には、穴70aが同一円周上に1スロットピッチでスロット14の個数分形成されている。8つの環状部材は、スロット14内のコイルセグメント21の挿入位置である8層のそれぞれに対応する形状に形成されている。各環状部材は、独立して中心軸周りに回転可能となっている。そして、図18に示されるように、コイルエンド成形治具70が、固定子鉄心11の軸方向の第1方向の外方に配置される。これにより、各環状部材に形成されている穴70aが、スロット14の対応する層に収納されているコイルセグメント21の第1端末21dの軸方向の第1方向の外方に位置する。ついで、コイルエンド成形治具70が固定子鉄心11の方向に移動される。これにより、図19に示されるように、スロット14の各層に挿入されているコイルセグメント21の第1端末21dが、対応する穴70aに嵌め込まれる。ついで、図19に矢印で示されるように、コイルエンド成形治具70の奇数の層の環状部材が周方向の第2方向に回転され、偶数の層の環状部材が周方向の第1方向に回転される。
これにより、スロット14の奇数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第1コイルエンド部21bが、根元部で曲げられて周方向の第2方向に傾斜される。同時に、スロット14の偶数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第1コイルエンド部21bが、根元部で曲げられて周方向の第1方向に傾斜される。
その結果、図20に示されるように、スロット14の奇数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第1端末21dが、周方向の第2方向に6スロット離れたスロット14の偶数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第1端末21dと径方向に重なる。そして、スロット14の奇数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第1端末21dの2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbが、周方向の第2方向に6スロット離れたスロット14の偶数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第1端末21dの2段目剥離部25bの径方向の第1面25baと相対して接した状態となる。
ついで、図示していないが、コイルエンド成形治具70を用いて、固定子鉄心11の各スロット14から軸方向の第2方向に突出するコイルセグメント21の第2コイルエンド部21cに曲げ工程が施される。その結果、図21に示されるように、スロット14の奇数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第2端末21eが、周方向の第1方向に6スロット離れたスロット14の偶数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第2端末21eと径方向に重なる。そして、スロット14の奇数層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第2端末21eの2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbが、周方向の第1方向に6スロット離れたスロット14の偶数の層のそれぞれに収納されているコイルセグメント21の第2端末21eの2段目剥離部25bの径方向の第1面25baと相対して接した状態となる。
溶接工程では、図22に示されるように、レーザ照射ヘッド51が、固定子鉄心11の軸方向の第1方向の外方に配置される。ついで、レーザ光52が径方向に重なっている第1端末21dの2段目剥離部25bの対に軸方向から照射される。そして、径方向に重なっている2段目剥離部25bの対が、接合対向面である径方向の第1面25baと第2面25bbとが相対して接した状態で溶融されて接合される。これにより、径方向に重なっている第1端末21d同士が接合される。同様に、固定子鉄心11の軸方向の第2方向において、径方向に重なっている第2端末21e同士が接合される。これにより、径方向に重なっている第2端末21e同士が接合される。このようにして、スロット14内の径方向位置がコイルセグメント21の1本分だけずれているコイルセグメント21の対が接続される。
このように、レーザ光52が照射される2段目剥離部25bの対は、接合対向面である径方向の第1面25baと第2面25bbとが相対して接しているので、2段目剥離部25bの対の接合対向面間に隙間がない。これにより、溶け別れなどの溶接不良の発生が抑制される。さらに、レーザ光52が絶縁膜被覆部24の絶縁被膜23に到達しないので、レーザ光52による絶縁被膜23の損傷発生を抑制できる。
ここで、実施の形態1では、レーザ溶接により、第1端末21d同士、および第2端末21e同士を接合しているが、TIG溶接、アーク溶接などを用いてもよい。溶接部において、接合対向面である径方向の第1面25baと第2面25bbとが隙間なく合わさっているので、TIG溶接、アーク溶接を用いても、溶け別れなどの溶接不良の発生が抑制される。
つぎに、第1端末21dおよび第2端末21eにおける接合対向面の面形状による効果を、第1端末21dを用いて説明する。図23は、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程前の第1端末の配列状態を軸方向から見た端面図、図24から図27は、それぞれ、この発明の実施の形態1に係る固定子の製造方法における第1コイルエンド部の曲げ工程中の第1端末の動きを説明するための端面図である。なお、図23では、便宜上、スロット14の第1層と第2層とに挿入されているコイルセグメント21の第1端末21dのみを示している。図24から図27では、便宜上、スロット14の第1層と第2層とに挿入されている2本のコイルセグメント21の第1端末21dのみを示している。図23から図27において、周方向の第1方向が曲げ工程中の第2層の第1端末21dの移動方向であり、周方向の第2方向が曲げ工程中の第1層の第1端末21dの移動方向である。
第1コイルエンド部の曲げ工程前の状態では、径方向に重なり合う2本のコイルセグメント21の第1端末21dは、第1層の2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbと第2層の2段目剥離部25bの径方向の第1面25baとが相対して接している。図23に示されるように、径方向の第1面25baと径方向の第2面25bbとが接している2段目剥離部25bの対が、1スロットピッチで周方向に配列されている。このとき、相対して接している径方向の第1面25baおよび径方向の第2面25bbは、図7に示されるように、接平面Pに対して角度θで交差する傾斜面となっている。
第1層の2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbの周方向の第2方向、すなわち移動方向の前方に位置する第1エッジ部61は、第1層の絶縁膜被覆部24の径方向の第2方向の側面から径方向の第1方向に引っ込んでいる。つまり、第1層の2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbは、接合対象である第2層の第1端末21dを有するコイルセグメント21が挿入されているスロット14の方向に向かって径方向の第1方向に変位する傾斜面となっている。また、第2層の2段目剥離部25bの径方向の第1面25baの周方向の第1方向、すなわち移動方向の前方に位置する第1エッジ部61は、第2層の絶縁膜被覆部24の径方向の第1方向の側面から径方向の第2方向に引っ込んでいる。つまり、第2層の2段目剥離部25bの径方向の第1面25baは、接合対象である第1層の第1端末21dを有するコイルセグメント21が挿入されているスロット14の方向に向かって径方向の第2方向に変位する傾斜面となっている。
そこで、曲げ工程において、第1層の第1端末21dが周方向の第2方向に移動し、第2層の第1端末21dが周方向の第1方向に移動する。そして、第1層の第1端末21dは、曲げ工程中に、3本の第2層の第1端末21dとすれ違うことになる。
第1層の第1端末21dは、図24に示されるように、径方向の位置を変えることなく周方向の第2方向に移動する。そして、図25に示されるように、第1層の第1端末21dの2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbが、第2層の第1端末21dの2段目剥離部25bの径方向の第1面25baに接する。そして、第1層の第1端末21dは、図26に示されるように、2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbが第2層の第1端末21dの2段目剥離部25bの径方向の第1面25ba上をスライド移動しながら、周方向の第2方向に移動する。このとき、第1層の第1端末21dは弾性変形して径方向の第1方向に撓み、第2層の第1端末21dは弾性変形して径方向の第2方向に撓む。そして、図27に示されるように、第1層の2段目剥離部25bの径方向の第2面25bbが第2層の2段目剥離部25bの径方向の第1面25baを擦り抜けると、撓んでいた第1層の第1端末21dおよび第2層の第1端末21dが元の径方向の位置に戻る。
実施の形態1では、相対して接する接合対向面としての径方向の第1面25baおよび径方向の第2面25bbが、接平面Pに対して角度θで交差する傾斜面となっている。そして、相対して接する接合対向面としての径方向の第1面25baおよび径方向の第2面25bbの移動方向前方の第1エッジ部61が、相対して接する絶縁膜被覆部24の側面に対して引っ込んでいる。したがって、第1コイルエンド部21bの曲げ工程において、接合対向面としての径方向の第1面25baおよび径方向の第2面25bbの第1エッジ部61同士の引っ掛りが回避される。これにより、第1端末21dの曲がりの発生が抑制される。さらに、接合対向面としての径方向の第1面25baおよび径方向の第2面25bbの第1エッジ部61が削られることによる第1端末21dの欠けの発生が抑制される。
なお、第2端末21eにおいても、同様の効果が得られる。
ここで、径方向の第1面25baおよび径方向の第2面25bbの接合対向面同士が滑らかにスライド移動できるためには、接合対向面の摩擦係数にもよるが、接合対向面が接平面Pと交差する角度θは、0度より大きく、45度以下に設定することがよい。
実施の形態2.
図28は、この発明の実施の形態2に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末周りを示す斜視図、図29は、この発明の実施の形態2に係る固定子における固定子コイルを構成するコイルセグメントの第1端末を軸方向から見た端面図である。
コイルセグメント21Aは、第1端末21dの接合対向面が異なる点で、コイルセグメント21と相違している。つまり、コイルセグメント21の第1端末21dの接合対向面が単一の傾斜面であるのに対し、コイルセグメント21Aの第1端末21dの接合対向面は、周方向に連なる3つの傾斜面から構成されている。コイルセグメント21Aの第1端末21dの接合対向面は、実施の形態1と同様に、絶縁膜除去後、あるいは絶縁膜剥離工程内で金型により形成される。また、固定子の製造方法は、上記実施の形態1と同様である。
図28および図29に示されるコイルセグメント21Aは、スロット14の偶数の層に挿入されるコイルセグメントである。コイルセグメント21Aの第1端末21dの接合対応面は、第1コイルエンド部21bの曲げ方向である周方向の第1方向に向かって第1傾斜面35、第2傾斜面36および第3傾斜面37の順に配列された連なる3つの傾斜面に構成されている。
第1傾斜面35および第3傾斜面37は、互いに平行な傾斜面であり、接平面Pに対して角度θ1で交差している。第1傾斜面35および第3傾斜面37において、第1コイルエンド部21bの曲げ方向である周方向の第1方向の端部である第1エッジ部は、絶縁膜被覆部24の径方向の第1面24aに対して径方向の第2方向に引っ込んでいる。また、周方向の第2方向の端部である第2エッジ部が絶縁膜被覆部24の径方向の第1面24aに対して径方向の第1方向に突出している。つまり、第1傾斜面35および第3傾斜面37は、周方向の第1方向に向かって径方向の第2方向に変位する傾斜面である。
第2傾斜面36は、接平面Pに対して角度θ2で交差する傾斜面である。角度θ2は角度θ1より大きい。第2傾斜面36において、第1コイルエンド部21bの曲げ方向である周方向の第1方向の端部である第1エッジ部は、絶縁膜被覆部24の径方向の第1面24aに対して径方向の第1方向に突出している。また、周方向の第2方向の端部である第2エッジ部が絶縁膜被覆部24の径方向の第1面24aに対して径方向の第2方向に引っ込んでいる。つまり、第2傾斜面36は、周方向の第1方向に向かって径方向の第1方向に変位する傾斜面である。
なお、スロット14内の奇数の層に挿入されているコイルセグメント21Aは、スロット14内の偶数の層に挿入されているコイルセグメント21Aの第1端末21dの接合対向面を径方向の第2方向に向けたものである。つまり、スロット14内の奇数の層に挿入されているコイルセグメント21Aの第1端末21dの絶縁膜剥離部25の接合対向面は、第1コイルエンド部21bの周方向の曲げ方向である周方向の第2方向に向かって第1傾斜面35、第2傾斜面36および第3傾斜面37の順に配列されている。
実施の形態2においても、スロットの奇数の層に挿入されているコイルセグメント21Aの第1端末21dとスロットの偶数の層に挿入されているコイルセグメント21Aの第1端末21dとが、径方向に重なった状態で径方向に1列に配列されている。スロットの奇数の層に挿入されているコイルセグメント21Aの絶縁膜被覆部24の径方向の第2面24bとスロットの偶数の層に挿入されているコイルセグメント21Aの絶縁膜被覆部24の径方向の第1面24aとが、相対した状態で接触している。さらに、スロット14の奇数の層に収納されているコイルセグメント21Aの2段目剥離部25bの径方向の第2方向に位置する接合対向面と、スロット14の偶数の層に収納されているコイルセグメント21Aの2段目剥離部25bの径方向の第1方向に位置する接合対向面とが、相対する状態で接触している。つまり、径方向に重ねられた第1端末21dは、第1端末21dの周方向の中央位置における接触している絶縁膜被覆部24の径方向の第1面24aおよび第2面24bと接平面Pとの交線に対して2回対称となっている。
したがって、実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態2では、周方向に連なる第1傾斜面35、第2傾斜面36および第3傾斜面37で構成される接合対向面が金型による塑性変形で形成されている。これにより、スプリングバックにより、塑性変形の方向と逆向きの戻り力が第1端末21dに生じる。そこで、接合対向面同士を接触させた際に、スプリングバックが接合対向面同士を押し付けあうように作用し、接合対向面同士が強固に噛み合うことになる。その結果、接合対向面同士を噛み合わせるだけで、接合対象のコイルセグメント21Aの第1端末21d同士が周方向の位置を揃えて径方向に重ねられる。そこで、コイルセグメント21Aの第1端末21dを径方向に重ねる際に、第1端末21dを位置決めするための治具が不要となる。また、接合対向面同士が強固に噛み合うので、安定した溶接を行うことができる。
また、溶接時のスパッタおよび熱による溶接部周辺の絶縁被膜にダメージが生じるおそれがある。実施の形態2では、第1端末21dを位置決めするための治具が不要となるので、スパッタおよび熱から絶縁被膜を保護する治具のみを用意すれば良い。したがって、溶接工程での治具構成が簡素化される。
なお、実施の形態2においても、接合対向面の第1傾斜面35および第3傾斜面37の接平面Pとなす角度θ1は、0度より大きく、45度以下に設定することがよい。第2傾斜面36の接平面Pとなす角度θ2は、角度θ1より大きくすることがよく、成形が可能であれば、90度より大きくしてもよい。
また、上記実施の形態2では、接合対向面が周方向につらなる3つの傾斜面により構成されているが、接合対向面は、周方向に連なる奇数個の傾斜面であればよく、例えば5つの傾斜面でもよい。この場合、奇数番目の傾斜面は、互いに平行である。偶数番目の傾斜面が接平面となす角度は、奇数番目の傾斜面が接平面となす角度より大きい。そして、偶数の層の接合対向面の奇数番目の傾斜面は、接続対象のコイルエンドが挿入されているスロットに向かう方向に向かって径方向の第2方向に変位する傾斜面である。偶数の層の接合対向面の偶数番目の傾斜面は、接続対象のコイルエンドが挿入されているスロットに向かう方向に向かって径方向の第1方向に変位する傾斜面である。そして、奇数の層の接合対向面の奇数番目の傾斜面は、接続対象のコイルエンドが挿入されているスロットに向かう方向に向かって径方向の第1方向に変位する傾斜面である。奇数の層の接合対向面の偶数番目の傾斜面は、接続対象のコイルエンドが挿入されているスロットに向かう方向に向かって径方向の第2方向に変位する傾斜面である。
実施の形態3.
図30は、この発明の実施の形態3に係る固定子を示す展開図、図31は、この発明の実施の形態3に係る固定子におけるコイルセグメントを示す平面図、図32は、この発明の実施の形態3に係る固定子におけるスロットに挿入されているコイルセグメントの配列状体を説明する展開図である。なお、図32では固定子鉄心が省略されている。
図30において、固定子10Aは、固定子鉄心11と、固定子コイル20Aと、を備える。固定子コイル20Aは、固定子鉄心11の各スロット14に装着された多数のU字状のコイルセグメント40を接続して構成されている。
コイルセグメント40は、銅、アルミニウムなどの断面矩形の裸線にエナメル樹脂などの絶縁材料を被覆して作製された、U字状の導体である。コイルセグメント40は、図31に示されるように、6スロット離れたスロット14の対に挿入される一対の直線部40aと、一対の直線部40aの第1端から延びる一対のコイルエンド部40cと、一対のコイルエンド部40cの先端から延びる第1端末40dおよび第2端末40eと、一対の直線部40aの第2端同士を連結する連結部40bと、を備える。連結部40bは、第2端末40eにつながる直線部40aを第1端末40dにつながる直線部40aに対して導体の径方向の厚さ分、径方向の第2方向に変位させている。第1端末40dは、スロット14の奇数の層に挿入されるコイルセグメント21の第1端末21dと同形状に形成されている。第2端末40eは、スロット14の偶数の層に挿入されるコイルセグメント21の第1端末21dと同形状に形成されている。
このように構成されたコイルセグメント40は、固定子鉄心11の軸方向の第2方向から、6スロット離れたスロット14の対の第1層と第2層とに挿入される。また、コイルセグメント40は、固定子鉄心11の軸方向の第2方向から、6スロット離れたスロット14の対の第3層と第4層とに挿入される。また、コイルセグメント40は、固定子鉄心11の軸方向の第2方向から、6スロット離れたスロット14の対の第5層と第6層とに挿入される。さらに、コイルセグメント40は、固定子鉄心11の軸方向の第2方向から、6スロット離れたスロット14の対の第7層と第8層とに挿入される。これにより、コイルセグメント40は、図32に示されるように、第1層と第2層、第3層と第4層、第5層と第6層、および第7層と第8層とに、1スロットピッチでスロット14と同数環状に配列される。
各スロット14の第1層、第3層、第5層および第7層の奇数の層から軸方向の第1方向に突出するコイルエンド部40cは、根元部で曲げられて周方向の第2方向に傾斜される。さらに、第1端末40dは、コイルエンド部40cが奇数の層から突出しているスロット14から周方向の第2方向に3スロット分シフトした位置で、コイルエンド部40cの先端から軸方向の第1方向に延びている。各スロット14の第2層、第4層、第6層および第8層の偶数の層から軸方向の第1方向に突出するコイルエンド部40cが、根元部で曲げられて周方向の第1方向に傾斜される。さらに、第2端末40eは、コイルエンド部40cが偶数の層から突出しているスロット14から周方向の第1方向に3スロット分シフトした位置で、コイルエンド部40cの先端から軸方向の第1方向に延びている。
これにより、スロット14の第1層に挿入されているコイルセグメント40の第1端末40dが、周方向の第2方向に6スロット離れたスロット14の第2層に挿入されているコイルセグメント40の第2端末40eと径方向に重ねられる。第1端末40dと第2端末40eとは、接合対向面同士が相対して接した状態でレーザ溶接される。同様に、スロット14の第3層、第5層および第7層に挿入されているコイルセグメント40の第1端末40dが、周方向の第2方向に6スロット離れたスロット14の第4層、第6層および第8層に挿入されているコイルセグメント40の第2端末40eと径方向に重ねられる。そして、第1端末40dと第2端末40eとは、接合対向面同士が相対して接した状態でレーザ溶接される。
実施の形態3では、コイルセグメント40の第1端末40dと第2端末40eは、コイルセグメント21の第1端末21dと同形状に形成されている。したがって、実施の形態3においても、溶け別れなどの溶接不良の発生が抑制され、レーザ光52による絶縁被膜23の損傷発生を抑制できる。さらに、コイルエンド部40cの曲げ工程において、第1端末40dと第2端末40eとの引っ掛りが回避される。これにより、第1端末40dおよび第2端末40eの曲がり、欠けの発生が抑制される。
なお、上記実施の形態3では、コイルセグメント40の第1端末40dと第2端末40eは、コイルセグメント21の第1端末21dと同形状に形成されているが、コイルセグメント40の第1端末40dと第2端末40eは、コイルセグメント21Aの第1端末21dと同形状に形成されてもよい。
また、上記各実施の形態では、固定子コイルがコイルセグメントを接続して形成された複数の波巻き巻線により構成されているが、固定子コイルは、波巻き巻線に限定されず、分布巻巻線であればよく、例えば亀甲形コイルなどの重ね巻き巻線でもよい。
また、上記各実施の形態では、6スロット離れたスロットの対に挿入されているコイルセグメントの端末同士が接続されているが、接合対象のコイルセグメントが挿入されるスロットの対は、6スロット離れたスロットの対に限定されない。つまり、接続されるコイルセグメントが挿入されるスロットの対は、複数スロット離れたスロットの対であればよく、例えば、3スロット離れたスロットの対でもよい。
また、上記各実施の形態では、コイルセグメントの直線部が各スロット内に径方向に1列に配列して8本収納されているが、各スロット内に収納されるコイルセグメントの直線部の本数は2m本(ただし、mは1以上の整数)であればよい。
また、上記各実施の形態では、接合対象のコイルセグメントの端末は、それぞれ、直線部が挿入されているスロットから互いに近づく方向に3スロット分シフトして径方向に重なっている。しかし、両端末は、一方が2スロット分、他方が4スロット分互いに近づく方向にシフトして、径方向に重なってもよく、一方のみが6スロット分他方の端末に近づく方向にシフトして径方向に重なってもよい。
また、上記各実施の形態では、スロットが径方向内方に開口するインナーロータ型の回転電機について説明しているが、本発明は、スロットが径方向外方に開口するアウターロータ型の回転電機に適用しても、同様の効果が得られる。
11 固定子鉄心、14 スロット、20,20A 固定子コイル、21,21A コイルセグメント、21a 直線部、21b 第1コイルエンド部、21c 第2コイルエンド部、21d 第1端末、21e 第2端末、24 絶縁膜被覆部、25 絶縁膜剥離部、30 導体、25ba 径方向の第1面(接合対向面)、25bb 径方向の第2面(接合対向面)、35 第1傾斜面(接合対向面)、36 第2傾斜面(接合対向面)、37 第3傾斜面(接合対向面)、40 コイルセグメント、40a 直線部、40b 連結部、40c コイルエンド部、40d 第1端末、40e 第2端末、P 接平面。

Claims (6)

  1. スロット深さ方向を径方向とするスロットが周方向に複数配列されている円環状の固定子鉄心と、
    上記固定子鉄心に装着されている固定子コイルと、を備え、
    上記固定子コイルは、複数本のコイルセグメントを有し、
    上記複数本のコイルセグメントのそれぞれは、絶縁被膜が被覆された導体であり、上記スロットに挿入される直線部と、上記スロットから軸方向に突出するコイルエンド部と、上記コイルエンド部から軸方向に突出する端末と、を有し、
    上記スロットのそれぞれには、偶数本の上記直線部が上記径方向に1列に並んで挿入されており、
    上記端末は、上記コイルエンド部につながる絶縁膜被覆部と、上記絶縁膜被覆部の上記コイルエンド部と反対側に位置する絶縁膜剥離部と、を有し、上記絶縁膜剥離部には、径方向を向く接合対向面が形成されており、
    複数スロット離れたスロットの対に挿入されており、スロット内の径方向位置がコイルセグメント1本分だけ変位しているコイルセグメントの対が、少なくとも一方のコイルセグメントの上記コイルエンド部が接合対象のコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に曲げられ、上記端末同士が径方向に重ねられ、かつ上記接合対向面同士が相対して接触している状態で、上記端末同士を溶接されており、
    上記接合対向面の対は、上記固定子鉄心の軸心を中心とする円筒面の上記端末の周方向の中央位置における接平面と交差する傾斜面であり、
    上記接合対向面の対の径方向外方に位置する接合対向面は、径方向内方に位置する接合対向面を有するコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に向かって径方向外方に変位する傾斜面であり、
    上記径方向内方に位置する接合対向面は、上記径方向外方に位置する接合対向面を有するコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に向かって径方向内方に変位する傾斜面である回転電機の固定子。
  2. スロット深さ方向を径方向とするスロットが周方向に複数配列されている円環状の固定子鉄心と、
    上記固定子鉄心に装着されている固定子コイルと、を備え、
    上記固定子コイルは、複数本のコイルセグメントを有し、
    上記複数本のコイルセグメントのそれぞれは、絶縁被膜が被覆された導体であり、上記スロットに挿入される直線部と、上記スロットから軸方向に突出するコイルエンド部と、上記コイルエンド部から軸方向に突出する端末と、を有し、
    上記スロットのそれぞれには、偶数本の上記直線部が上記径方向に1列に並んで挿入されており、
    上記端末は、上記コイルエンド部につながる絶縁膜被覆部と、上記絶縁膜被覆部の上記コイルエンド部と反対側に位置する絶縁膜剥離部と、を有し、上記絶縁膜剥離部には、径方向を向く接合対向面が形成されており、
    複数スロット離れたスロットの対に挿入されており、スロット内の径方向位置がコイルセグメント1本分だけ変位しているコイルセグメントの対が、少なくとも一方のコイルセグメントの上記コイルエンド部が接合対象のコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に曲げられ、上記端末同士が径方向に重ねられ、かつ上記接合対向面同士が相対して接触している状態で、上記端末同士を溶接されており、
    上記接合対向面の対は、上記固定子鉄心の軸心を中心とする円筒面の上記端末の周方向の中央位置における接平面と交差する奇数個の傾斜面を有しており、
    上記奇数個の傾斜面は、周方向に連なっており、
    上記接合対向面の対の径方向外方に位置する接合対向面の上記奇数個の傾斜面は、径方向内方に位置する接合対向面を有するコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に向かって径方向外方に変位する奇数番の傾斜面と、径方向内方に位置する上記接合対向面を有する上記コイルセグメントが挿入されている上記スロットの方向に向かって径方向内方に変位する偶数番の傾斜面と、を有し、
    径方向内方に位置する上記接合対向面の上記奇数個の傾斜面は、径方向外方に位置する上記接合対向面を有するコイルセグメントが挿入されているスロットの方向に向かって径方向内方に変位する奇数番の傾斜面と、径方向外方に位置する上記接合対向面を有する上記コイルセグメントが挿入されている上記スロットの方向に向かって径方向外方に変位する奇数番の傾斜面と、を有している回転電機の固定子。
  3. 上記接合対向面の対の径方向外方に位置する上記接合対向面の上記奇数個の傾斜面において、上記奇数番の傾斜面は、互いに平行であり、上記偶数番の傾斜面が上記固定子鉄心の軸心を中心とする円筒面の上記端末の周方向の中央位置における接平面となす角度が、上記奇数番の傾斜面が上記接平面となす角度より大きく、
    上記接合対向面の対の径方向内方に位置する上記接合対向面の上記奇数個の傾斜面において、上記奇数番の傾斜面は、互いに平行であり、上記偶数番の傾斜面が上記接平面となす角度が、上記奇数番の傾斜面が上記接平面となす角度より大きい請求項2記載の回転電機の固定子。
  4. 上記コイルセグメントは、上記コイルエンド部が上記スロットに挿入されている上記直線部から軸方向の両側に突出する直線状のコイルセグメントである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  5. 上記コイルセグメントは、上記直線部が複数スロット離れたスロットの対に挿入され、上記コイルエンド部が上記スロットの対に挿入されている上記直線部の軸方向の第1端のそれぞれから軸方向の第1方向に突出し、上記スロットの対に挿入されている上記直線部の第2端同士が上記スロットの軸方向の第2方向の外方で連結部により連結されているU字状のコイルセグメントである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機の固定子の製造方法であって、
    上記接合対向面が形成された上記コイルセグメントを上記固定子鉄心の上記スロットに挿入した後、上記コイルエンド部を周方向に曲げる回転電機の固定子の製造方法。
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